JP2907567B2 - 繊維複合体 - Google Patents

繊維複合体

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JP2907567B2
JP2907567B2 JP6699191A JP6699191A JP2907567B2 JP 2907567 B2 JP2907567 B2 JP 2907567B2 JP 6699191 A JP6699191 A JP 6699191A JP 6699191 A JP6699191 A JP 6699191A JP 2907567 B2 JP2907567 B2 JP 2907567B2
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雅則 中村
克彦 山路
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用天井材として
好適に用いられる繊維複合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用天井材には、軽量で、
剛性、耐熱性、吸音性、成形性等の性能に優れた材料が
要求される。
【0003】従来より、この種の自動車用天井材として
は、例えば特開平1−156562号公報にみられるよ
うな繊維複合体が知られている。すなわち、この繊維複
合体は、無機繊維を主体とするマット状物中に、熱可塑
性樹脂を含浸せしめ、互いに隣接している無機繊維同士
を接着固定することにより強度を発現したもので、該繊
維複合体の両表面には、内部の空隙に連通する多数の細
孔を形成し、該繊維複合体の両表面部は、内部よりも熱
可塑性樹脂を密に分布し、かつ空隙率を低くしたもので
ある。通常、ここで用いられるマット状物は、製品の厚
み方向の強度を発現させるため、ニードルパンチング処
理により厚み方向に多数、繊維を配向させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の繊
維複合体の場合、次のような不都合を生じることとな
る。すなわち、繊維複合体の両表面部の熱可塑性樹脂を
密に分布し、かつ空隙率を低くしているものの、ニード
ルパンチング処理により厚み方向に多数、繊維を配向さ
せているため、該マット状物表面には、ニードルパンチ
ング処理に起因する多数の孔が生じるとともに、厚み方
向に多数の繊維が配向することとなる。その結果、表面
の水平方向の縦弾性率を低下させることとなり、製品の
曲げ強度の低下を招くといった不都合を生じることとな
る。そのため、このような繊維複合体を自動車用天井材
として用いる場合、慎重に取り付け作業を行わなければ
ならなかった。
【0005】本発明は、係る実情に鑑みてなされたもの
で、曲げ物性に優れた繊維複合体を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維複合体は、
3次元方向に配向した無機繊維を主体とするマット状物
が、熱可塑性樹脂によって部分的に結着され、全体に渡
って多数の空隙を有する状態となされたものであって、
前記マット状物の表面のうち少なくとも片面に、該表面
に沿って配向するようになされた複数の環状体が突出さ
れ、この環状体が表面に沿って配向された状態で結着さ
れたものである。
【0007】マット状物は、無機繊維を主体とするもの
で、5〜10mm程度の厚みに形成される。このマット
状物に用いられる無機繊維としては、たとえばガラス繊
維、ロックウール等があげられ、その長さはマット状物
の形成性の点から5〜200mmが好ましく50mm以
上のものが70%(w/w)以上含まれているのがより
好ましい。又、その太さは細くなると機械的強度が低下
し、太くなると重くなって、かさ密度が大きくなるので
5〜30μmが好ましく、より好ましくは7〜20μm
である。
【0008】この無機繊維をマット状に形成する製造方
法としては、任意の方法が採用されてよく、たとえば無
機繊維をカードマシンに供給し、解繊、混織してマット
状物を製造する方法が挙げられる。
【0009】また、無機繊維を接着するためやマット状
物のかさ密度をさげるために、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロ
ニトリル、等の熱可塑性有機繊維が添加されてもよい。
【0010】さらに、マット状物の強度をあげるために
ニードルパンチを施すことが好ましく、そのパンチ密度
は1cm2 当り10〜100ヶ所行われるのが好まし
い。このニードルパンチング処理は無機繊維を絡めてマ
ット状物の取扱いを容易にすることの他に無機繊維をマ
ット状物の厚み方向に多数配向させることにより製品の
圧縮強度を上げるために行われる。
【0011】環状体は、上記マット状物の表面に沿って
配向可能な程度の長さで、該表面の全体に渡って突出さ
せる。この環状体の形成方法としては、図1ないし図3
に示すように、上記マット状物1に、再度ニードルパン
チング処理を施すことによって得られる。すなわち、こ
のニードルパンチング処理は、マット状物1の内部を貫
通し、その表面からフェルト針2を突出させ、このフェ
ルト針2によってマット状物1の内部の無機繊維を環状
体10として突出させるものである。そのパンチ密度
は、1cm2 当り1〜5ヶ所行うことが望ましい。また
突き抜け深さは、フェルト針2のバーブがマット状物か
ら1〜4cm突き抜ける範囲が好ましい。また使用する
フェルト針2は、突出させる環状体10の数が多くな
り、また突出した後の環状体10が環状の形態を持つよ
うに、針先端がフォーク形状のものが好ましい。このよ
うにして突出させた環状体10はロール等により好まし
い方向、通常自動車の車長方向に相当する方向に配向さ
せるのが好ましい。この時、突出した環状体10が環状
形態を保持していると配向方向以外たとえば繊維配向と
直角方向に対しても曲げ強度の向上が得られることとな
る。
【0012】なお、上記した二つのニードルパンチング
処理工程、すなわちマット状物1の無機繊維を厚み方向
に配向させるために行われるニードルパンチング処理と
環状体10を形成するために行われるニードルパンチン
グ処理とは、同時に行ってもよい。すなわち最初のニー
ドルパンチング処理工程においてニードルロッカーに針
先端がフォーク形状を持ったフェルト針を等間隔に少量
セットしておけばよい。
【0013】また、環状体は、マット状物の片面だけに
限定するものではなく、両面に形成してもよい。
【0014】このようになるマット状物の両面には、熱
可塑性樹脂フィルムを積層し、その後、該熱可塑性樹脂
の溶融温度以上の温度に加熱して熱可塑性樹脂を溶融せ
しめた状態で圧縮する。
【0015】この時、使用される熱可塑性樹脂フィルム
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミ
ド、ポリエステル等が好適と考えられる。
【0016】上記加熱方法は任意の方法が採用されてよ
く、たとえば、熱風加熱方法、赤外線ヒーターなどによ
る輻射加熱方法等が上げられる。
【0017】また、圧縮方法にも任意の方法が採用され
てよく、たとえばプレスする方法、ロールで圧縮する方
法等が挙げられる。プレス圧力は0.1〜20Kg/c
2 であって圧縮時間は1〜10秒あればよい。また、
ロールで圧縮する際にはロール間を材料厚みの80%〜
5%に設定するのが好ましい。プレス、ロールともに圧
縮する際には熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温度に加熱
されているのが好ましい。
【0018】本発明においては圧縮された後、該積層体
は解圧され、熱可塑性樹脂が溶融した状態で、拡開し、
材料の厚みが増大される。
【0019】加圧圧縮されると溶融した熱可塑性樹脂は
無機繊維中に含浸される。次に解圧すると材料は元の厚
さに回復しようとするが無機繊維は一度押しつぶされて
いるので十分に回復しない。そこで上下から真空吸引を
行う等の拡開工程を経るのが好ましい。
【0020】本発明の製造方法で得られた繊維複合体を
賦形するには樹脂成分の溶融温度以上の温度に再加熱
し、プレス等の圧縮成形を行えばよく、たとえば自動車
用天井材として使用するには圧縮成形の際に塩化ビニル
レザー、不織布等の化粧用表皮材を積層して賦形すれば
よい。
【0021】
【作用】本発明の繊維複合体は、マット状物の表面のう
ち少なくとも片面に、該表面に沿って配向するようにな
された複数の環状体を突出し、この環状体が表面に沿っ
て配向された状態で結着されている。この際、環状体
は、環状となされているので、この環状体を配向させた
特定の面方向だけでなく、面方向全体に対して繊維が配
向することとなる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。
【0023】
【実施例1】長さ10〜100mm,直径9〜13μm
のガラス繊維と長さ50mm,直径30μmの高密度ポ
リエチレン繊維を重量比2:1の割合でカードマシンに
供給し、混織してマット状物にし、1cm2 当り90箇
所のニードルパンチを行って厚さ7mm、重さ600g
/m2 のマット状物を得た。
【0024】次いでフォーク状フェルト針(FPK14
−19,オルガン針株式会社製)を5mm間隔で碁盤目
状にニードルロッカーにセットし、該マット状物を針先
端が3cm突き抜ける深さまで圧縮速度50mm/mi
nのスピードで圧縮して環状体をマット状物表面に突出
させた。そして、突出した環状体は、ブラシで1方向に
配向させた。
【0025】次に、マット状物の両面に厚さ約100μ
mで、MI5の高密度ポリエチレンフィルムを積層した
後、全体をテフロンシートの間に挟み、200度Cで3
分間加熱し、3Kg/cm2 の圧力で、200度Cに加
熱してプレスで圧縮し、次に200度Cに保ってテフロ
ンシートを両側から真空吸引して5mmまで拡開した
後、全体を冷却した。
【0026】得られた繊維複合体から50mm×150
mmのサイズの曲げ試験片を切取り、ブラシで配向させ
た方向及びその直角方向に対して曲げ強度と曲げ弾性率
を測定した。結果を表1に示す。
【0027】
【比較例1】実施例1においてフォーク状でないフェル
ト針(FPD1−25,オルガン針株式会社製)を用い
ることの他は実施例1と同様である。この場合、突出し
た環状体は環状形態をなさずに直状となる。
【0028】得られた繊維複合体から50mm×150
mmのサイズの曲げ試験片を切取り、ブラシで配向させ
た方向及びその直角方向に対して曲げ強度と曲げ弾性率
を測定した。結果を表1に示す。
【0029】
【比較例2】実施例1において再度ニードルパンチング
処理をしないこと以外は実施例1と同様である。
【0030】得られた繊維複合体から50mm×150
mmのサイズの曲げ試験片を切取り、ブラシで配向させ
た方向及びその直角方向に対して曲げ強度と曲げ弾性率
を測定した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によると、環
状体を配向させた特定の面方向だけでなく、面方向全体
に対して繊維が配向することとなるので、繊維複合体の
曲げ物性が、環状体を配向させた特定の面方向だけでな
く、面方向全体に対して大きく向上することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マット状物に環状体を形成するためのニードル
パンチング処理を説明するための断面図である。
【図2】マット状物に形成された環状体を面方向に配向
させる前の状態を示す断面図である。
【図3】マット状物に形成された環状体を面方向に配向
させた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 マット状物 10 環状体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元方向に配向した無機繊維を主体と
    するマット状物が、熱可塑性樹脂によって部分的に結着
    され、全体に渡って多数の空隙を有する状態となされた
    ものであって、前記マット状物の表面のうち少なくとも
    片面に、該表面に沿って配向するようになされた複数の
    環状体が突出され、この環状体が表面に沿って配向され
    た状態で結着されたことを特徴とする繊維複合体。
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