JP3357194B2 - 表皮材付複合シートの製造方法 - Google Patents

表皮材付複合シートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用内装材、建築用
内装材などの表皮付複合シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動車の室内に取付けられ
る内装材においては、意匠性や表面感触を向上させる目
的で、比較的剛直な芯材と表皮材の積層体が広く使用さ
れている。
【0003】ところで、芯材に表皮材を貼り合わせるの
に、フィルム状あるいは網状のホットメルト型接着剤を
用い、これを、芯材の賦形工程において芯材と表皮材と
の間に挟み込むか、或いは芯材または表皮材に予め接着
させておき、ホットメルト型接着剤を加熱溶融させて接
着する方法や、芯材に、別途反応硬化型接着剤を散布
し、その上に表皮材を重ね加圧して接着する方法が用い
られている。
【0004】芯材として、例えば、特開昭64−776
64号公報記載の方法で得られた熱成形性複合材を用
い、不織布を表皮材として両者を貼り合わせる場合にお
いて、上記前者の方法によれば、表皮材の片面にフィル
ム状または網状のホットメルト型接着剤を予め貼り合わ
せて接着剤層付表皮材を用意しておき、芯材となる熱成
形性複合材を加熱した後、表皮材をその接着剤層側面が
芯材に接するようこ重ねプレス型に入れるか、もしくは
圧延ロールなどで加圧、冷却して接着することになる。
【0005】上記と同様の芯材を用いる場合、後者の接
着方法によれば、芯材の熱成形性複合材の表面に反応硬
化型接着剤を散布して乾燥するなどして接着剤層を設
け、これに表皮材を重ね、プレス型などに入れて加圧し
て接着することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のいずれの場合に
おいても、ホットメルト型接着剤や反応硬化型接着剤な
どの接着剤を必要とするばかりでなく、接着シートの貼
着工程や接着剤の塗布工程等煩瑣な工程を必要とすると
いう問題があった。また、接着剤の塗布むら、加熱工程
における加熱むらや加圧工程における加圧むら等により
接着強度が不均一になり易かった。さらに、接着剤を塗
布する場合には作業環境を汚染したり、塗布の際所定量
以上接着剤が散布されてしまう等の問題があった。
【0007】本発明は、上述の如き点に鑑み、接着剤を
特に使用することなく、簡単な操作により表皮材付複合
シートを製造する方法を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の表皮材付複合シ
ートの製造方法は、無機繊維を主体とするマット状物の
両面に熱可塑性樹脂フィルムを積層するとともにその少
なくとも一面に、幅が熱可塑性樹脂フィルムの幅よりも
狭い不織布からなる表皮材を積層し、この積層シートの
両面に、上記熱可塑性樹脂フィルムの樹脂分が溶融状態
では融着するが非溶融状態では接着しない板状体を重ね
合わせて重ね合わせ体を得る工程、この重ね合わせ体を
加熱して上記熱可塑性樹脂分を溶融する工程、樹脂分が
溶融状態にあるうちに重ね合わせ体を加圧圧縮して熱可
塑性樹脂フィルムの樹脂分をマット状物の無機繊維間及
び表皮材の繊維間に圧入含浸する工程、樹脂分が溶融状
態にあるうちに上記板状体を重ね合わせ体の厚さ方向に
拡開する工程、板状体が拡開した状態で重ね合わせ体を
上記樹脂の溶融温度以下に冷却する工程からなることを
特徴とするものであり、このことにより上記目的が達成
される。
【0009】本発明において、マット状物に用いられる
無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、ロックウー
ル繊維、セラミック繊維、金属繊維等があげられ、その
1種もしくは2種以上が用いられる。特にガラス繊維が
好適に用いられる。これらの無機繊維は、例えば、多数
のフィラメントが束ねられた無機繊維ストランドを解織
することによって得られたものが好ましい。
【0010】無機繊維の長さは、マット状物の形成の容
易性の点から5〜200mmが好ましく、より好ましく
は20〜100mmである。さらに、50mm以上の長
さの無機繊維が70%以上含まれていることが好まし
い。また、無機繊維の太さは、細くなると機械的強度が
低下し、太くなると重くなり、嵩密度が小さくなるの
で、3〜30μmが好ましく、より好ましくは5〜20
μmである。
【0011】マット状物とするための、無機繊維を部分
的に結合する結着材としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレ
ン、ポリビニルブチラール、ポリウレタン等の熱可塑性
樹脂成分を主成分とするものが挙げられる。
【0012】これらの結着材は、繊維、粉末、フィルム
等の形態で用いられる。結着材の形態は、マット状物の
製造方法によって適宜選択される。繊維状の結着材を用
いる場合には、無機繊維と共に混織してマット状物とす
るのが好ましい。例えば、無機繊維ストランドをカード
マシンに供給し、ストランドをフィラメント状に解織
し、これを熱可塑性樹脂繊維(繊維状結着材)と共に混
織してマット状物が製造される。この熱可塑性樹脂繊維
の長さは、マット状物の成形性の点から5〜200mm
が好ましく、より好ましく20〜100mmであり、ま
た、太さは3〜50mmが好ましく、より好ましくは5
〜25mmである。
【0013】また、粉末状の結着材を用いる場合には、
マット状物を製造する際や製造後に、粉末状の結着材を
マット状物に散布すればよい。この場合、結着材の粉末
をそのまま使用する他、粉末の分散液やエマルジョンと
して使用されてもよい。
【0014】マット状物は、その機械的強度を向上させ
るためにニードルパンチを施してもよく、この場合、1
cm2 当たり10〜70個所程度のニードルパンチを施
すのが好ましい。マット状物の密度は大きくなると重く
なり、小さいと機械的強度が低下するので、0.01〜
0.2g/cm2 が好ましく、より好ましくは0.03
〜0.1g/cm2 である。
【0015】本発明において、マット状物の両面に積層
するための熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、飽和ポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、塩化ビニル
等の1種もしくは2種以上からなる単層フィルムもしく
は多層フィルムが挙げられる。
【0016】この熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、使用
される表皮材の重さ、嵩密度、繊維の質等によって適宜
選択されるが、厚くなると重くなるばかりでなく、表皮
材の外観を損ね、薄くなると機械的強度及び表皮材とマ
ット状物との接着強度が低下するので、通常50〜50
0μmが好ましく、より好ましくは70〜300μmで
ある。
【0017】本発明において用いられる表皮材は、表面
装飾を主目的として使用されるものであり、天然繊維、
合成繊維、ガラス繊維等を合成樹脂系接着剤等で結合し
て得られる不織布が使用される。例えは、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、ナイロン、レーヨン、セルロース
等の繊維、ガラス繊維等の1種もしくは2種以上を混合
したものからなる不織布が挙げられる。これらの表皮材
の目付け量は、小さいと装飾性が低下し、大きいと重く
なるので10〜600g/m2が好ましく、より好まし
くは30〜400g/m2である。
【0018】上記板状体は、熱可塑性樹脂フィルムの樹
脂分が溶融状態では融着するが非溶融状態では接着しな
い性質を有するものであり、例えば、ガラス繊維強化ポ
リテトラフルオロエチレンシートが挙げられる。
【0019】本発明においては、上記マット状物、上記
熱可塑性樹脂フィルム及び上記表皮材から積層シートと
される。そして、その両面に上記板状体を重ね合わせ
る。上記積層シートは、これらのマット状物等を単に載
置してものであってもよいし、表皮材と熱可塑性樹脂フ
ィルムとを熱融着したもの、または表皮材に熱可塑性樹
脂を押出しラミネートしたものをマット状物に重ねたも
のであってもよい。
【0020】樹脂分が溶融状態にあるうちに重ね合わせ
体を加圧圧縮する工程における、加圧圧縮方法として
は、例えば、プレス圧縮方法、ロール圧縮方法等の任意
の方法が採用される。例えば、プレス圧縮方法の場合の
圧力は、強すぎると表皮材が潰されて外観、風合いが低
下し、弱すぎると得られる複合体の機械的強度が低下す
るので、0.5〜20kg/cm2 が好ましく、より好
ましくは1〜7kg/cm2 である。
【0021】この加圧圧縮によって、熱可塑性樹脂フィ
ルムの樹脂分は、マット状物の無機繊維間に圧入含浸し
て無機繊維相互が部分的に結着するとともに、その反対
側の表皮材の繊維間にも圧入含浸して表皮材と強固に結
着する。
【0022】この加圧圧縮工程を経ると積層シートは解
圧され、マット状物は無機繊維の弾性力により厚みが増
加し、マット状物は厚肉化されるが、本発明において
は、板状体を拡開する工程において、樹脂分が溶融状態
にあるので、板状体はこれに接する熱可塑性樹脂フィル
ムもしくは表皮材に接着された状態となり、表皮材の不
織布やマット状物を厚さ方向に引っ張り、厚肉化が行わ
れる。
【0023】こうして拡開された重ね合わせ体を冷却す
る。この冷却によって、積層シートは厚みを保持しなが
ら熱可塑性樹脂の軟化温度以下に冷却される。この冷却
方法としては、外部から冷風を吹きつける方法、冷水を
散布する方法等が挙げられる。
【0024】板状体は、樹脂が冷却されて非溶融状態に
なると、熱可塑性樹脂フィルム等は板状体と接着しない
ので、板状体を拡開した方向に移動等させることによっ
て積層シートから離脱することができる。その結果、マ
ット状物と、熱可塑性樹脂フィルムと、表皮材とが強固
に一体化された表皮付複合シートが得られる。
【0025】なお、本発明において、表皮材の幅は熱
塑性樹脂フィルムの幅よりも狭いものとされる。そうす
ることにより、前記の拡開工程において、熱可塑性樹脂
フィルムの両側端部が直接板状体に接触して融着状態と
なるので、拡開工程における厚肉化が確実に行える利点
がある。さらに、このことにより、表皮材は板状体と熱
可塑性樹脂フィルムとで密封された状態となり、板状体
の拡開に伴って密封容積が増大する。その結果、内部は
減圧となり、溶融状態の樹脂はこの減圧状態を解消する
方向に動き、板状体の方に引っ張られて厚肉化がより確
実に行われる利点がある。
【0026】
【作用】本発明の表皮材付複合シートの製造方法は上記
のとおりであり、加圧圧縮工程において、熱可塑性樹脂
フィルムのマット状物と接する側は、無機繊維間に圧入
含浸して無機繊維相互が部分的に結着するようになり、
その反対側は表皮材の繊維間に圧入含浸して強固に結着
する。
【0027】そして、板状体を重ね合わせ体の厚さ方向
に拡開する工程において、樹脂分が溶融状態にあるの
で、板状体はこれに接する熱可塑性樹脂フィルムもしく
は表皮材に接着された状態となり、マット状物や表皮材
の不織布は厚さ方向に引っ張られて厚肉化がさらに確実
に行われる。
【0028】次に冷却工程において、マット状物は厚肉
化された状態で冷却され、樹脂が非溶融状態になるの
で、板状体と熱可塑性樹脂フィルム等との融着が解除さ
れ、板状体を拡開した方向等に移動させることにより、
得られた複合シートから離脱することができる。その結
果、マット状物と、熱可塑性樹脂フィルムと、表皮材と
が強固に一体化され、熱成形性を有する表皮付複合シー
トが得られる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照しなが
ら詳細に説明する。(比較例1) 図1は、本発明方法において用いられる装置の一例であ
って、連続的に表皮付複合シートを製造する装置例を示
す側面図であり、図2はこの装置により製造された表皮
付複合シートの断面図である。図1の装置において、A
は無端ベルト、Bは加熱炉、Cは加圧部、Dは拡開部、
Eは冷却部、Gは切断器、Fは無端ベルトAの駆動ロー
ルである。また、1は無機繊維からなるマット状物、2
は熱可塑性樹脂フィルム、3は表皮材である。
【0030】無機繊維からなるマット状物1としては、
長さ40〜100mm、直径6〜16μmのガラス繊維
と、長さ50mm、6デニールのポリエチレン繊維を重
量で5:2の配合比で混合してカードマシンに供給し、
解繊してマット状にし、1cm2 当たり30個所ニード
ルパンチを行うことによって製造されたものを使用した
(厚さ約7mm、重さ約500g/m2 )。また、熱可
塑性樹脂フィルム2としては、厚さ150μm、重さ1
43g/m 2 のポリエチレンフィルムを使用し、表皮材
3としては、ポリエステル繊維とポリプロピレン繊維を
重量で約1:1の割合に配合し、これらの繊維をカード
マシンで交錯させて合成樹脂を吹きつけて得た厚さ約2
mm、目付け量約350g//m2 の不織布を使用し
た。なお、これらはいずれも幅1.3mのものを使用し
た。
【0031】マット状物1、熱可塑性樹脂フィルム2、
表皮材3を、それぞれの巻状体から繰り出し、マット状
物1の両面に熱可塑性樹脂フィルム2を載置し、上部の
熱可塑性樹脂フィルム2側に表皮材3を載置した積層シ
ートとして、上記装置の無端ベルトAの間に供給し、加
熱炉Bに送った。無端ベルトAは、厚さ500μmのガ
ラス繊維強化ポリテトラフルオロエチレンシートからな
るもので、熱可塑性樹脂フィルム2のポリエチレンフィ
ルムが溶融状態ではこれと融着するが非溶融状態では接
着しないものであり、本発明における板状体の役割を果
たすものである。
【0032】加熱炉Bにおいて、180℃、5分間加熱
し、熱可塑性樹脂フィルム2を溶融し、次の加圧部Cに
送った。加圧部Cは上下一対の加熱プレス装置よりな
り、180℃に加熱した加熱プレスで無端ベルトの外側
から重ね合わせ体を3kg/cm2 の圧力で3秒間加圧
圧縮した。
【0033】ここで、溶融された熱可塑性樹脂フィルム
2のマット状物1と接する側は、マット状物1の無機繊
維間に圧入含浸して無機繊維相互を部分的に結着し、熱
可塑性樹脂フィルム2の反対側は表皮材3の繊維間に圧
入含浸して強固に結着するようになった。また、下方の
無端ベルトAにも熱可塑性樹脂フィルム2が融着するよ
うになり、上方の無端ベルトAは、表皮材3の繊維間に
浸入した溶融熱可塑性樹脂によって表皮材3に接着する
ようになった。
【0034】続いて、加熱加圧された積層シートを拡開
部Dに送った。この拡開部Dにおいて、無端ベルトAの
外側を小穴より真空吸引する吸引箱に接触させて、上下
に拡げた。無端ベルトA間の距離は5mm程度とし、2
秒間拡開状態を保つようにした。このとき、熱可塑性樹
脂フィルム2は溶融状態であって上下の無端ベルトAが
表皮材3及び熱可塑性樹脂フィルム2に融着しているの
で、積層シートは厚さ方向に引っ張られて5mm程度に
厚肉化された。
【0035】次に、冷却部Dに送り、水冷されたジャケ
ットに接触させて約45℃にまで冷却した。このとき、
積層シートは約5mmの厚みを保持しながら冷却され
る。このとき、熱可塑性樹脂フィルム2も冷却されて非
溶融状態になるので、無端ベルトAは、熱可塑性樹脂フ
ィルム2や表皮材3との融着が解除されて離脱できるよ
うになる。
【0036】こうして、マット状物1と、熱可塑性樹脂
フィルム2と、表皮材3からなる積層シートは厚肉状態
で強固に一体化されたものとなり、無端ベルトA間から
送りだされ、切断器Gで所定長さに切断し、厚さ約5m
mの熱成形性を有する表皮付複合シート4が得られた。
【0037】(実施例1) 表皮材3aだけを幅1.2mのものを使用したこと以外
、比較例1と同様にして表皮付複合シート4aを製造
した。
【0038】図3は、それぞれ加熱炉、加圧部、拡開部
における積層シートの縦断面をその順に示す断面図であ
る。加熱炉においては、表皮材3aが、マット状物1及
び熱可塑性樹脂フィルム2の両側端から5cm内側に位
置して載置され、無端ベルトAに挟まれた状態で加熱さ
れる(図3(イ)参照)。
【0039】加圧部においては、マット状物1、熱可塑
性樹脂フィルム2及び表皮材3からなる積層シートは比
較例1と同様に加熱加圧されるが、図3(ロ)に示され
るとおり、上方の熱可塑性樹脂フィルム2の両側の約5
cmの縁部2aは溶融状態で折り曲げられ無端ベルトA
に押圧されて融着状態となる。
【0040】拡開部においては、無端ベルトAを拡開す
ることによって、表皮材3の不織布及びマット状物1
は、無端ベルトAにより厚さ方向に引っ張られて厚肉化
される。このとき、表皮材3は上部の無端ベルトAと熱
可塑性樹脂フィルム2の両側縁部2aとで密封された状
態となり、無端ベルトAの拡開に伴って密封容積が増大
し、その内部は減圧状態となり、溶融状態の樹脂はこの
減圧状態を解消する方向に動くことになって厚肉化がよ
り確実に行われることになる。その後冷却部において冷
却し、切断器Gにて切断して厚さ約5mmの熱成形性を
有する表皮付複合シートを得た。
【0041】(比較例2) 表皮材3を使用しないこと以外は比較例1と同様にして
表皮材のない複合シートを得た。この複合シートの表面
に、ナイロン糸のホットメルト接着フィルム(厚さ10
0μm、溶融温度115℃)を積層し、遠赤外線加熱炉
で上記ホットメルト接着フィルムが十分に溶融する温度
に加熱したのち、ここに比較例1で使用したのと同じ表
皮材を予め約70℃に予熱して積層した。これを直ちに
プレス型にて2kg/cm2で45秒間加圧した後、冷
却して表皮付複合シートを得た。なお、プレス型間隔は
約4.5mmとした。
【0042】(比較例3) 比較例2で得た表皮材のない複合シートの表面にウレタ
ン系硬化型接着剤を350g/m2吹きつけ、比較例1
で使用したのと同じ表皮材を積層し、全体を約115℃
に加熱した後、比較例2と同様にプレス成形して表皮付
複合シートを得た。
【0043】以上の実施例及び比較例で得られた表皮付
複合シートについて、それぞれ表皮材の接着強度を測定
したところ、表1に示すとおりであり、実施例における
ものの表皮材の接着強度が優れていた。なお、表皮材の
接着強度は、表皮付複合シートを幅25mmに切断し
て、それぞれ5個の測定片を作り、表皮材部分とその他
の部分とを200mm/分の速度で180°剥離したと
きの平均強度で示した。この測定装置は最大10kgま
で測定可能のものであった。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の表皮材付複合シートの製造方法
は、表皮材の貼付けを接着剤を使用することなく、以上
述べたとおりの一連の工程によって、表皮付複合シート
を製造することができる。そして、得られた表皮付複合
シートにおいては、マット状物、熱可塑性樹脂フィルム
及び表皮材とが強固に一体化されたものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法において用いられる装置の一例の側
面図である。
【図2】図2は本発明方法により製造された表皮付複合
シートの一例の断面図である。
【図3】本発明方法の他の実施例を説明するための断面
図であって、同図(イ)は加熱工程における積層シート
の断面図、同図(ロ)は加圧工程における積層シートの
断面図、同図(ハ)は拡開工程における積層シートの断
面図である。
【符号の説明】
1 マット状物 2 熱可塑性樹脂フィルム 3、3a 表皮材 4 表皮付複合シート A 無端ベルト B 加熱炉 C 加圧部 D 拡開部 E 冷却部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 31/16 - 31/22 B32B 17/02 - 17/04 B32B 27/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機繊維を主体とするマット状物の両面
    に熱可塑性樹脂フィルムを積層するとともにその少なく
    とも一面に、幅が熱可塑性樹脂フィルムの幅よりも狭い
    不織布からなる表皮材を積層し、この積層シートの両面
    に、上記熱可塑性樹脂フィルムの樹脂分が溶融状態では
    融着するが非溶融状態では接着しない板状体を重ね合わ
    せて重ね合わせ体を得る工程、この重ね合わせ体を加熱
    して上記熱可塑性樹脂分を溶融する工程、樹脂分が溶融
    状態にあるうちに重ね合わせ体を加圧圧縮して熱可塑性
    樹脂フィルムの樹脂分をマット状物の無機繊維間及び表
    皮材の繊維間に圧入含浸する工程、樹脂分が溶融状態に
    あるうちに上記板状体を重ね合わせ体の厚さ方向に拡開
    する工程、板状体が拡開した状態で重ね合わせ体を上記
    樹脂の溶融温度以下に冷却する工程からなることを特徴
    とする表皮材付複合シートの製造方法。
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