JPH0768689A - 成形天井基材 - Google Patents

成形天井基材

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JPH0768689A
JPH0768689A JP5246433A JP24643393A JPH0768689A JP H0768689 A JPH0768689 A JP H0768689A JP 5246433 A JP5246433 A JP 5246433A JP 24643393 A JP24643393 A JP 24643393A JP H0768689 A JPH0768689 A JP H0768689A
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JP
Japan
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base material
surface layer
molded ceiling
ceiling base
thermoplastic resin
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JP5246433A
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English (en)
Inventor
Tsugumi Sannomiya
嗣己 三宮
Yoshiharu Isojima
吉晴 磯島
Koichi Ishibashi
幸一 石橋
Mamoru Fukaya
守 深谷
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】耐曲げ性の向上及び軽量化を図るのに有利な成
形天井基材を提供すること。 【構成】この成形天井基材は、所定の厚みをもつ硬質の
樹脂発泡体からなるシート状の芯材と、芯材の表面及び
裏面にそれぞれ積層された表層で構成されている。表層
は、実質的に表層の面方向に配向し長さ20mm以上の
交絡状態のガラス長繊維61と、加熱加圧に伴う軟化ま
たは溶融により実質的に表層の面方向において面状に潰
れ且つ多数個分散した熱可塑性樹脂部分60aと、空隙
63とを含む。潰れた熱可塑性樹脂部分60aにより、
交絡状態のガラス長繊維同士61が部分的に結着されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両等に使用される成形
天井基材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、図8に示す様に、発泡シート
からなる芯材101と、芯材101の表面及び裏面にそ
れぞれ積層されたガラス短繊維を含む表層102とで構
成された成形天井基材100が知られている(実公平1
−16600号公報)。この表層102は、長さ9mm
程度のガラス短繊維と抗張力の低い樹脂繊維を混抄した
混抄繊維布に、熱可塑性樹脂のエマルジョンを含浸固化
させて形成されている。
【0003】この表層102においては、前述した様に
繊維間に熱可塑性樹脂のエマルジョンを含浸して固化さ
せているため空隙率が低く、即ち、ガラス短繊維間には
多量の樹脂が、分散した偏平島状ではなく、連続的に充
填されており、かかる意味で軽量化に不利である。また
抗張力の高いガラス短繊維の他に抗張力の低い樹脂繊維
も含まれており、この意味でも軽量化の面で不利であ
る。また更に短繊維のため、1本の繊維が有する他の繊
維との交絡点が少なく、しかも、曲げの際におけるガラ
ス繊維の移動により、更に交絡点数が減り、耐曲げ性の
面でも必ずしも充分ではない。
【0004】また上記公報に記載の成形天井基材100
の表層102においては、混抄工程を経るため、長さ2
0mm以上のガラス長繊維を用いると、応力集中箇所が
生じて曲げ剛性が不充分となり商品としての品質を確保
できないため、既述の様にせいぜい9mm程度のガラス
短繊維を採用するしかない。その理由は、繊維を攪拌し
た水を紙で掬い繊維布を得る混抄では、ガラス繊維が長
いとこれが繊維布中でばらつき易いため、ガラス繊維の
低密度領域が不可避的に発生し、その低密度領域が応力
集中の要因となるからである。この様に上記公報の成形
天井基材100では、長さがせいぜい9mm程度の短い
ガラス短繊維が用いられているため、曲げの際にガラス
短繊維の交絡する部分が消失し易く、耐曲げ性及び伸び
性が充分でなく、成形天井基材100に割れが発生し易
い。
【0005】また従来より、抗張力の高いガラス長繊維
を採用した成形天井基材として図9に示すものが知られ
ている(特開平1−285432号公報)。即ち、長さ
50〜100mm程度のガラス長繊維が熱可塑性樹脂結
着材で部分的に結合された繊維マット状の成形天井基材
400を用い、成形天井基材400の厚み方向の片面
に、貫通孔が形成された独立気泡の熱可塑性樹脂発泡体
401、通気性をもつ化粧用表皮材402を順次積層し
たものが知られている。このものでは、成形天井基材4
00は、ガラス長繊維が熱可塑性樹脂結着材で部分的に
結合された構造である。しかしガラス長繊維を含む天井
基材400は厚い芯材として設けられており、重量が大
きくなり易く、天井壁基材の軽量化には不利である。
【0006】更にこの特開平1−285432号公報で
は、基材400が厚み方向に加圧されるとはいえども、
成形用基材400の樹脂は、後述する様に偏平状に潰れ
た形態(図4に示す形態)ではなく、粒子状の形態(図
11に示す形態)であるため、隣り同士のガラス長繊維
同士を結着する度合は必ずしも効果的ではない。従って
ガラス長繊維同士を結着する樹脂の量も多くなりがちで
あり、この意味においても軽量化の面で不利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した実情
に鑑みなされたものであり、その目的は、実質的に表層
の面方向に配向した長さ20mm以上のガラス長繊維
を、同じく表層の面方向において偏平状に潰れた熱可塑
性樹脂部分で結着した構造の表層を用い、その表層を芯
材の表裏両面に積層することにより、耐曲げ性の向上及
び軽量化を図るのに有利な成形天井基材を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記した目的
のもとに開発を進め、成形天井基材を曲げる際には、曲
げ外周や曲げ内周に最も耐曲げ性が要請されることに着
目した。そして、表層の面方向に配向した長さ20mm
以上の交絡状態のガラス長繊維と、加熱加圧に伴い表層
の面方向において偏平状に潰れた熱可塑性樹脂部分とか
らなりガラス長繊維同士を偏平状の熱可塑性樹脂部分で
結着した構造の表層を採用し、その表層を、樹脂発泡体
からなる硬質のシート状の芯材の表裏両面に積層すれ
ば、成形天井基材の曲げ剛性を確保しつつ成形天井基材
の軽量化を図り得ることを知見した。本発明はこの知見
に基づくものである。
【0009】即ち本発明の成形天井基材は、硬質の樹脂
発泡体からなる厚肉シート状の芯材と、芯材の表面及び
裏面にそれぞれ積層された薄肉状の表層とで構成され、
表層は、実質的に表層の面方向に配向し長さ20mm以
上の交絡状態のガラス長繊維と、加熱加圧に伴う軟化ま
たは溶融により実質的に面方向において偏平状に潰れた
熱可塑性樹脂部分と、空隙とで構成され、潰れた熱可塑
性樹脂部分により交絡状態のガラス長繊維同士を部分的
に結着した構造とされていることを特徴とするものであ
る。
【0010】芯材は成形天井基材の主体を構成する比較
的厚肉の部位である。この芯材は比較的剛性がある硬質
の樹脂発泡体からなるため嵩高性があり、圧縮力が強
く、熱賦形性が良い。芯材は、厚みが4〜15mm、重
量が100〜300g/m2 、密度が0.010〜0.
300g/cm3 、圧縮強さが0.5〜3.0g/m2
が好ましい。芯材を構成する樹脂発泡体の材質は、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ウレタン等
を採用できる。
【0011】表層は、実質的に表層の面方向に配向した
長さ20mm以上のガラス長繊維同士と、加熱加圧に伴
う軟化または溶融により実質的に表層の面方向において
偏平状に潰れた熱可塑性樹脂部分とを備えている。この
熱可塑性樹脂部分により交絡状態のガラス長繊維同士が
結着された構造である。この様な表層では、ガラス長繊
維同士及び熱可塑性樹脂部分以外の部位は空隙である。
したがって本発明の成形天井基材は軽量性、吸音性、ク
ッション性に富む。空隙率は適宜選択できるが、一般的
には50〜80体積%にできる。
【0012】ガラス長繊維の長さは20〜150mm、
特に25〜75mmが好ましい。ガラス長繊維は長いた
め繊維自身の交絡部分の確保に有利であり、加熱寸法安
定性、曲げ剛性の確保に有利である。また熱賦形の際に
おいて基材が伸ばされた場合であっても、ガラス長繊維
同士の交絡により、ガラス長繊維同士が分断されにくく
なり、亀裂防止に有利である。ガラス長繊維の直径は3
〜25μm、特に9〜13μmが好ましい。ガラス長繊
維は中空状のものも採用できる。
【0013】偏平状の熱可塑性樹脂部分は、表層の面方
向において多数個『偏平島状』に分散している形態が好
ましい。この熱可塑性樹脂部分は、樹脂繊維等の形態で
ガラス長繊維と共に混織したり、或いは樹脂フィルム等
の形態で貼り合わせたりし、加熱加圧により軟化または
溶融して構成できる。加熱や加圧の条件は100℃〜3
00℃、2〜150kgf/cm2 、好ましくは、10
〜60kgf/cm2である。
【0014】この樹脂繊維の径は1〜75デニール、特
に4〜10デニールが好ましく、樹脂繊維の長さは10
〜150mm、特に25〜75mmが好ましい。熱可塑
性樹脂部分はオレフィン系、塩化ビニル系、エステル系
等の樹脂を単独または混合して用いるのが好ましい。
(ガラス長繊維/熱可塑性樹脂部分)の割合は、適宜選
択できるが、重量比で(1/2)〜(2/1)が好まし
い。
【0015】
【作用】本発明の成形天井基材では、最も耐曲げ性が要
請される曲げ外周及び曲げ内周となる芯材の表面及び裏
面に、ガラス繊維で強化した表層が積層されているの
で、曲げ剛性が向上する。本発明の成形天井基材の表層
では、表層の面方向に配向したガラス長繊維を、同じく
表層の面方向において偏平状に潰れた熱可塑性樹脂部分
で結着するので、ガラス長繊維同士の結着性が高い。
【0016】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。先ず説明の
便宜上、表層の製造方法から説明する。図1に示す様
に、ガラス長繊維61と樹脂繊維60とが混合した乾式
状態の混綿10を用いる。ガラス長繊維61は、長さが
25〜75mm、直径が9〜13μmである。樹脂繊維
60は、材質がポリプロピレン、長さが25〜75m
m、直径が4〜10デニールである。
【0017】そして、多数ローラ11と駆動ローラ12
とを備えたカード機13とを用いる。図1に示す様に混
綿10をカード機13により解繊し、ガラス長繊維と樹
脂繊維とが混合した連続シート14を得る。カード機1
3を用いれば、ガラス長繊維が20mm以上あっても解
繊が容易であり、前記した混抄とは異なりガラス長繊維
の均一分散性が確保され、天井基材における応力集中箇
所の回避に有利である。なおこの連続シート14はふわ
ふわ状である。
【0018】この連続シート14は図1に示す様にコン
ベヤ20、コンベヤ21、22、コンベヤ23で矢印X
1方向に搬送され、そして、矢印X2方向に往復移動す
るコンベヤ24、25により保持台30に載せられ、こ
れにより連続シート14は重なり合った状態で保持台3
0に載せられる。重なり合った状態の連続シート14は
コンベヤ40、41に載せられて矢印X3方向に搬送さ
れ、ニードルパンチ機43によりニードルパンチ処理さ
れ、これによりガラス繊維及び樹脂繊維を絡めた不織布
46を得る。ニードルパンチ本数は、上パンチ及び下パ
ンチ共に5〜100本/cm2 である。
【0019】この不織布46は、ガラス長繊維同士が樹
脂で結合されていないため、剛性が低い。そこで加熱加
圧してボード化するボード化工程を行う。即ち、不織布
46を樹脂繊維の軟化点以上に具体的には100°C以
上に赤外線ヒーターにより加熱し、そして、所定温度に
加熱した金型を用いて所定圧力で不織布46を加圧し厚
み方向に圧縮する。その後冷却し、ボード状の表層50
を得る。加圧力は2〜150kgf/cm2 にできる。
表層50は、厚みが0.5〜1mm、密度が0.1〜
0.5g/cm3 、重量が30〜200g/m2 であ
る。
【0020】本実施例では、厚み4〜5mm、密度0.
02〜0.06g/cm3 、重量100〜250g/m
2 、圧縮強さ2〜7kg/cm2 (JISK6767に
より測定)の硬質の発泡シートからなる芯材52を用い
る。そして、その芯材52の表面及び裏面の双方にボー
ド状の表層50を接着剤(酢酸ビニル系)で接着し、積
層体を得る。
【0021】次に賦形工程を行う。即ち、この積層体を
樹脂繊維の軟化点以上に加熱すると共に賦形型で加圧し
て所定の形状に賦形し、図2に示す成形天井基材5を得
る。この場合、芯材52が熱やせしない様に留意する。
具体的には賦形工程では130〜160°Cに加熱し、
その後、20℃〜80℃の賦形型で加圧して、車両用天
井に沿う様に賦形する。
【0022】この様にした製造した成形天井基材5の断
面を図2に示す。図2に示す様に芯材52の表面及び裏
面にはそれぞれ表層50が積層されている。本実施例で
は前記したボード化工程における加熱加圧により、表層
50におけるガラス長繊維は基本的には面方向つまり2
次元的な配向になり、表層50の面方向に沿うと共に、
樹脂繊維が溶けて面状に潰れ、分散した偏平島状の熱可
塑性樹脂部分となる。
【0023】ここで表層50の内部構造を模式的に図3
に示す。図3から理解できる様に樹脂繊維60がボード
化工程における熱で溶融し、加圧力で広面積状に、つま
り面方向において偏平島状に潰れた熱可塑性樹脂部分6
0aが多数分散している。この様に面方向に潰れ且つ分
散した偏平島状の熱可塑性樹脂部分60aにより、ガラ
ス長繊維61同士が結着されている。なお、表層50の
うち、潰れた偏平島状の熱可塑性樹脂部分60a及びガ
ラス長繊維61以外の部位は、基本的には空隙63であ
る。
【0024】成形天井基材5においては、曲げ強度が最
も要請されるのは曲げ外周及び曲げ内周である。即ち、
曲げの際には、成形天井基材5の厚み方向における中央
に中立線が位置し、成形天井基材5の曲げ外周及び曲げ
内周に大きな応力が作用する。この点本実施例では曲げ
外周及び曲げ内周は、ガラス長繊維で強化した構造の表
層50とされているので、成形天井基材5の耐曲げ性が
確保される。
【0025】なお最終製品とするには、図7に示す様
に、天井用基材の車室側の表層50に、軟質発泡薄層5
5及び化粧用表皮56を順次貼着して表皮材57を形成
する。なお化粧用表皮56のみ貼着しても良い。 (試験) (A)試験例 ガラス長繊維(直径10μm、長さ75mm)とポリプ
ロピレン(PP)製の樹脂繊維(直径6デニール、長さ
75mm)とを重量比1:2で混合した混綿をカード機
により連続シートとし、この連続シートを1cm2 当た
り10か所のニードルパンチ処理を行い、不織布46を
得た。
【0026】これを200°Cのオーブンで加熱した
後、型により60kgf/cm2 で加圧してボード状の
表層50(厚み0.5mm、重量150g/m2 、密度
0.3g/cm3 )とした。その後、ポリスチレン製の
発泡体(厚み4.5mm、圧縮強さ2.0kgf/cm
2 、重量200g/m2 )からなる芯材52の表裏両面
に上記した表層50を積層し、試験例の成形天井基材5
を形成した。成形天井基材5は、その厚みt1(図2参
照)が4.5mm、重量が500g/m2 、密度が0.
11g/cm3 であった。
【0027】上記した試験例の成形天井基材5の三点曲
げ試験を行った。成形天井基材5は表皮材を貼着しない
基材だけの状態で剛性を比較するのが一般的であるた
め、これに従った。三点曲げ試験の条件は、試験機とし
て島津オートグラフAG−10TAを用い、試験片サイ
ズが50mm×150mm、スパン長が100mm、速
度が50mm/minとした。試験結果は、最大荷重が
21N、曲げ強さが310N/cm2 であった。なお最
大荷重の値、曲げ強さの値の決定はJISK7203に
従った。
【0028】ここで、図4〜図6は上記した試験例に従
い表層50を製造し、加圧力を変えた場合の顕微鏡写真
を示す。図4は表層50をボード化工程において10k
gf/cm2 の加圧力を負荷した場合において、潰れた
熱可塑性樹脂部分でガラス長繊維を部分的に結着してい
る構造を走査型の電子顕微鏡で撮影した顕微鏡写真(5
0倍)を示し、図5は60kgf/cm2 の加圧力を負
荷した場合の表層50における結着構造を示す顕微鏡写
真(50倍)を示し、図6は100kgf/cm2 の加
圧力を負荷した場合の表層50における結着構造を示す
顕微鏡写真(50倍)を示す。図4〜図6において樹脂
繊維の量は一定であり、加圧力が異なる。図4〜図6に
示す様に、分散した偏平島状の熱可塑性樹脂部分がガラ
ス長繊維を結着しているのがわかる。また加圧力が増加
するにつれて、偏平島状の熱可塑性樹脂部分の面積が増
しているのがわかる。樹脂の潰れの度合いが増加するか
らである。なお、加圧力は成形天井基材の用途に応じて
選択するので、成形天井基材の用途に応じて図4に示す
形態、図5に示す形態、図6に示す形態を適宜採用す
る。
【0029】(B)比較例 比較例として、特開平1−285432号公報に記載の
実施例1に準じ、ガラス繊維を含む図9に示す成形天井
基材400を作製した。即ち、ガラス繊維(直径10μ
m、長さ50〜100mm)とポリエチレン製の樹脂繊
維(直径30μm、長さ51mm)とを重量比3:1で
混合した混綿を用い、この混綿をカード機により連続シ
ートとし、このシートを1cm2 当たり20か所のニー
ドルパンチ処理を行い、厚肉の不織布を得た。
【0030】この厚肉の不織布の表裏両面に100g/
2 の高密度ポリエチレンフィルムを積層し、厚さ10
mm、重量800g/cm3 の積層体を形成した。この
積層体を200°Cのオーブンで3分間加熱した後、プ
レスで1mmまで圧縮し、これを再度200°Cのオー
ブンで3分間加熱して厚みを回復させ、厚さ7mmの繊
維マットを形成した。更にその繊維マットを25°Cに
保持されたプレス成形金型で4mmにプレスして比較例
の成形天井基材400を形成した。
【0031】比較例の成形天井基材400は、全体の厚
みt2(図9参照)4mm、重量800g/m2 、密度
0.2g/cm3 である。上記した比較例の成形天井基
材について同様な条件で三点曲げ試験を行った。試験結
果は、最大荷重が18N、曲げ強さが340N/cm2
であった。 (評価) (a)上記した試験結果から理解できる様に、試験例の
成形天井基材と比較例の成形天井基材とを比較すると、
両者はほぼ同様の耐曲げ性が得られる。しかし、既述し
た様に試験例の成形天井基材5の重量は500g/m2
であり、比較例の成形天井基材の重量は800g/m2
であり、重量が異なり、本実施例では300g/m2
軽量化が図れる。このことから理解できる様に本実施例
では、耐曲げ性を確保しつつ軽量化が図れる。
【0032】(b)ところで、図10は上記の様にして
製造した特開平1−285432号公報に係る基材40
0の電子顕微鏡写真(15倍)を示し、図11は倍率を
拡大した電子顕微鏡写真(50倍)を示す。図10にお
いて基材の厚み方向の外側にはポリエチレンフィルムが
積層されており、また多くのガラス長繊維が基材の厚み
方向にそっており、三次元的に配向しているのがわか
る。更に図11に示す様に樹脂繊維が溶けた熱可塑性樹
脂部分はガラス長繊維の外周部や交絡部に粒子状に付着
しているのがわかる。この様に特開平1−285432
号公報に係る基材400では、溶けた熱可塑性樹脂部分
は粒子状であり、本実施例とは異なり広面積状の偏平島
状には潰れてはいないので、ガラス長繊維同士の効果的
な結着には不利である。この公報に係る基材400で
は、偏平島状の熱可塑性樹脂部分が得られないのは、基
材400は芯材に積層される表層として用いられるので
はなく、天井基材の本体となる芯材として用いられるた
め、図10に示す様に多くのガラス長繊維が厚み方向に
そって配向しており、したがって厚み方向における圧縮
には限度があり、加圧力を増しても樹脂は基本的には潰
れないからである。この様に上記公報と本実施例とでは
熱可塑性樹脂部分の形態が粒子状と偏平島状であり、両
者は基本的に異なり、従って熱可塑性樹脂部分でガラス
長繊維を結着する形態が異なる。
【0033】(他の例)上記した例では不織布を形成す
るに際してニードルパンチを使用しているが、これに限
らずエアジェット、バインダ塗布等の手段を採用して不
織布を形成することもできる。また上記した例ではプレ
スで加熱加圧することにしているが、これに限らず一対
の回転ロール間を通す手段を用いても良い。更に芯材と
表層との接合形態は適宜選択できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明した様に本発明に成形天井基材
によれば、耐曲げ性が要請される曲げ外周及び曲げ内周
となる芯材の表面及び裏面に、ガラス長繊維で強化した
表層が積層されているので、軽量化を確保しつつ耐曲げ
性が確保される。また本発明に係る表層は、加熱加圧に
伴う軟化または溶融により潰れた熱可塑性樹脂部分によ
りガラス長繊維同士を結着した構造であるため、ガラス
繊維間に樹脂エマルジョンを含浸固化させた場合(実公
平1−16600号公報)に比較して、空隙率を高くす
るのに有利であり、熱賦形の際におけるガラス繊維の動
きが確保され、この意味でも軽量化を確保しつつ成形性
が確保される。
【0035】更に本発明の成形天井基材の表層では、芯
材の面方向に配向したガラス長繊維を、同じく芯材の面
方向において偏平状に潰れた熱可塑性樹脂部分で結着す
るので、ガラス長繊維同士の結着性が高い。従って少な
い樹脂量でガラス長繊維同士の結着するのに有利であ
る。かかる意味でも成形天井基材の耐曲げ性、加熱寸法
安定性を確保しつつ軽量化が図られる。この点、樹脂が
粒子状の形態でガラス長繊維に付着する特開平1−28
5432号公報の基材とは異なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表層を構成する不織布を製造する工程図であ
る。
【図2】実施例にかかる成形天井基材の断面図である。
【図3】実施例にかかる成形天井基材の表層における繊
維の形状を模式的に示す断面図である。
【図4】加圧力を変えた場合における表層における繊維
の形状を示す顕微鏡写真である。
【図5】加圧力を変えた場合における表層における繊維
の形状を示す顕微鏡写真である。
【図6】加圧力を変えた場合における表層における繊維
の形状を示す顕微鏡写真である。
【図7】実施例にかかる成形天井基材に表皮を積層して
最終製品とした状態の断面図である。
【図8】従来例にかかる成形天井基材の断面図である。
【図9】従来例にかかる成形天井基材の断面図である。
【図10】従来例に係る基材における繊維の形状を示す
顕微鏡写真である。
【図11】従来例に係る基材における繊維の形状を拡大
して示す顕微鏡写真である。
【符号の説明】
図中、10は混綿、13はカード機、50は表層、52
は芯体、60は樹脂繊維、60aは熱可塑性樹脂部分、
61はガラス長繊維を示す。
フロントページの続き (72)発明者 深谷 守 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田紡 織株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬質の樹脂発泡体からなる厚肉シート状の
    芯材と、 該芯材の表面及び裏面にそれぞれ積層された薄肉状の表
    層とで構成され、 該表層は、実質的に該表層の面方向に配向し長さ20m
    m以上の交絡状態のガラス長繊維と、加熱加圧に伴う軟
    化または溶融により実質的に該面方向において偏平状に
    潰れた熱可塑性樹脂部分と、空隙とで構成され、潰れた
    該熱可塑性樹脂部分により交絡状態の該ガラス長繊維同
    士を部分的に結着した構造とされていることを特徴とす
    る成形天井基材。
  2. 【請求項2】該熱可塑性樹脂部分は、該表層に内在する
    樹脂繊維または該表層に積層された樹脂フィルム等の加
    熱加圧に伴う軟化または溶融により、多数に分散した偏
    平島状に構成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の成形天井基材。
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