JP2907346B2 - 板材加工装置 - Google Patents

板材加工装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は板材加工装置に関する。
(従来の技術) プレスブレーキや形鋼加工機など板材加工装置には、
板材を工具に対してサーボ位置決めするための位置決め
ゲージが設けられている。
例えば、プレスブレーキでは、上金型としてのパンチ
及び下金型としてのダイの後方側に、前後に位置決め自
在のバックゲージが設けられ、位置決めされたバックゲ
ージの先端ストッパに被加工板材の先端を突き当て位置
決めするようになっている。
ここに、バックゲージは、被加工板材の加工形状に応
じて予め工程毎に作成された目標位置に対して自動的に
位置決めされ、工程指令に応じて所定の目標位置へ移動
(前進)するものである。
ところが、このように構成されるバックゲージにあっ
ては、バックゲージが前進方向に移動している際にパン
チ,ダイに衝突する可能性がある。これは、パンチ,ダ
イの形状、あるいはストッパの高さにより、前進可能な
位置がまちまちであり、バックゲージの最大前進可能位
置は最小金型によって設定されているからである。
従来、バックゲージが金型に衝突した際は、サーマル
トリップにより、バックゲージを停止させている。ま
た、サーマルトリップによりバックゲージを停止させる
こととすると、停止までにある程度の時間がかかるの
で、この間に非常停止ボタンで停止させていた。
さらに、最近では、金型の手前に近接スイッチを設
け、ストッパが金型に向って移動しているときに、この
近接スイッチでストッパを検出することにより、高速か
ら低速へ減速し、金型との衝突を緩和している。また、
ストッパの先端に近接スイッチを設け、この近接スイッ
チで金型を検出し、即座にバックゲージを停止させるこ
とも行われている。
(発明が解決しようとする課題) しかしなから、バックゲージが高速で金型に衝突する
と、バックゲージの破損の原因になり、破損に至らぬま
でもユーザに対して恐怖感を与えるという問題点があ
る。
また、金型やストッパに近接スイッチを設けた場合に
は、ハードウェアによるコスト高を招くと共に、例えば
ダイの肩上部にストッパ先端が乗るまでバックゲージを
移動させなければならないような特殊の作業にあっては
近接スイッチの回路を遮断しておかねばならないような
場合が生じ、結局使い勝手が悪いという問題点があっ
た。
そこで、本発明は、特別のハードウェアを必要とせ
ず、位置決めゲージが工具に衝突するのを防止でき、位
置決めゲージを安全に作動させることができる板材加工
装置を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記課題を解決するための本発明は、被加工板材を突
き当てゲージのストッパに突き当て位置決めし、位置決
めされた被加工板材に板金加工を施す板材加工装置にお
いて、 前記突き当てゲージを、前記被加工板材に板金加工を
施す工具に対してサーボ位置決めするゲージ位置決め装
置と、 該ゲージ位置決め装置の指令量と帰還量の差であるエ
ラー量を監視しつつ、前記ストッパが前記工具に対して
予め設定された減速領域に入ったとき前記突き当てゲー
ジの移動速度を強制的に減速させ、次いで前記ストッパ
が前記金型に近接させて設定してエラー量検出領域に入
ってから前記エラー量を基準値と比較し、検出エラー量
が前記基準値を上回ったとき前記突き当てゲージをその
場停止させ、アラームを出力するエラー量監視装置、を
備えたことを特徴とする。
(作用) 上記構成による本発明の板材加工装置では、前記ゲー
ジ位置決め装置のエラー量を監視するエラー量監視装置
が設けられ、前記ストッパが予め設定された減速領域に
入ったとき前記突き当てゲージの移動速度を強制的に減
速させ、次いで前記ストッパが前記金型に近接させて設
定したエラー量検出領域に入ってから前記ゲージ位置決
め装置の指令量と帰還量の差であるエラー量を基準値と
比較し、検出エラー量が前記基準値を上回ったとき前記
突き当てゲージをその場停止させ、アラームを出力す
る。
したがって、本発明では、減速された領域内でエラー
量を基準値と比較することにより、ストッパが工具等に
軽く接触した状態で位置決めゲージを即停止させること
ができ、重度の衝突を防止できる。
(実施例) 本発明を実施する板材加工機の一例としての折曲げ加
工機を示す第2図において、両サイドに備えられたフレ
ーム上部にはパンチ1が配置され、下部にはダイ2が配
置されている。上下に配置されたパンチ1及びダイ2の
後方側には前後(図において紙面と直交する方向)に移
動自在のバックゲージ3が配置されている。
図において、機械本体4の右方には制御ボックス5が
固定され、このボックス5の上方には操作パネルを備え
たペンダント部6が設けられている。
また、前記機械本体4の前面側で下方には、前記パン
チ1及びダイ2を相対的に接近・離反させる指令を行う
ための一対のフットペタル7が設けられている。
第3図は、第2図の右側面拡大図としてバックゲージ
3部分のみを取り出して示す説明図である。
図示のように、バックゲージ3はサーボモータMLの駆
動により前後(L)方向に移動自在のナット部材8と、
このナット部材8に固定され、モータMZの駆動により上
下(Z)方向に移動自在のストッパ保持体9と、このス
トッパ保持体9の前面側に上方に跳ね上げ自在のストッ
パ10を固定して成り、モータMZの駆動によりストッパ10
の高さ調整をしつつ、サーボモータMLの駆動により前後
方向に移動してストッパの先端が金型位置に対して所定
の位置へ来るように位置決め制御を行う。
第1図は、前記制御ボックス5内に位置する制御装置
11のブロック図である。
図示のように、折曲げ加工機の制御装置11は、曲げデ
ータ入力部12と、該入力部12より入力された板厚,形状
に基いて曲げデータベース13を参照し、パンチ1及びダ
イ2の相対的な移動距離を規定するためのデプス軸の制
御位置D0を演算すると共に、各工程毎のバックゲージの
目標位置L0を求める目標位置演算部14を備えている。
目標位置演算部14で演算された目標位置L0はバックゲ
ージ駆動部15に出力され、ここで前記のサーボモータML
を目標位置L0へ移動させるよう所定のサーボ制御信号が
出力される。モータMLに付属させて示すEは移動量を検
出するためのエンコーダを示す。
前記バックゲージ駆動部15には、パラメータ設定部16
で設定された領域にて位置決めエラー量を監視するエラ
ー量監視部17が設けられている。
パラメータ設定部16は、金型1,2に対し金型衝突防止
領域A及びエラー量検出領域Bを距離値で設定するもの
である。量パラメータは高さの関数として設定されても
良い。また、金型形状や加工内容に応じて自動設定され
ても良い。
金型衝突防止領域Aとは、高速位置決めを行うバック
ゲージ3を、金型接近に応じて強制的に減速させるため
の領域であり、通常の位置決め動作では、この領域Aに
入ることがないよう、例えば金型端部から10〜30mm位離
れた位置までの間に設定される領域である。
エラー量検出領域Bは、バックゲージ3が前記金型衝
突防止領域Aで減速されても、まだなお金型に近接して
くる場合に位置決め装置のエラー量を検出する領域で、
例えば金型端部から5mm位離れた位置までの間に設定さ
れる領域である。
第4図はエラー量監視部7の処理方式を示すフローチ
ャート、第5図はエラー量監視方式を示す説明図であ
る。
第4図において、ステップ401でバックゲージ3が金
型衝突防止領域Aに侵入したのが確認されるとステップ
402へ移行し、ここでバックゲージ3を高速値V1から低
速値V2へ減速する。減速値V2は、ストッパ10がこの減速
値V2で金型1,2へ接触しても即停止させればストッパ10
や金型1,2に破損を与えることのない0.5〜3m/min程度の
速度値である。
例えば、停止に要する時間をΔt秒、低速値をV2′mm
/秒とすれば、この間の移動距離Δlは、 Δl=V2′・Δt/2 と表わせるので、Δt=0.1、V2′=15とすれば、Δl
=0.75mmであり、仮に人の手の挾み込みであっても、安
全に検出できる。
ステップ403,404では、その後バックゲージ3が目標
位置L0に到達したか否かを検出しつつ、エラー量検出領
域Bへ入ったか否かを検出する。
ステップ403で、この間に目標位置L0に到達すればこ
れで処理を終了する。
ステップ404でエラー量検出領域に入ったことが検出
されると、ステップ405へ移行し、位置決めエラーεを
検出し、ステップ406を介してステップ407で基準値ε
と比較する。即ち、位置決め装置では、全移動量に相当
する指令パルスが微小量づつ出力され、出力パルスから
帰還パルスが減算されているので、帰還パルスが小さい
場合には位置決めエラー量εが大となる。そこで、この
エラー量εを基準値εと比較することにより、ストッ
パ10が金型1,2に当接したことを迅速、正確に検出でき
る。
ステップ406では、この間にバックゲージ3が目標位
置L0に到達したか否かを検出し、目標位置L0に到達した
場合には、これで処理を終了する。
一方、ステップ407で、バックゲージ3で目標位置L0
に到達するまでにエラー量εが基準値ε以上となった
ことが検出された場合には、ストッパ10の金型1,2への
接触を検知し、ステップ408へ移行して即停止処理を行
い、アラーム出力する。本例では、エラー量εを低速の
エラー量検出領域Bでのみ検出し、基準値εと比較し
ているので、基準値εをパルス複数個分、例えば5パ
ルス程度に設定でき、ストッパ10が金型1,2に軽く接触
した状態を高精度に、かつ高速に検出することができ
る。
以上の処理により、ストッパ10が目標位置L0に到達す
るまでに金型1,2に接触した場合には、ステップ407でそ
の接触を検知し、即停止処理することができるので、バ
ックゲージ3や金型1,2を損傷することがなく、見た目
にも危険性がない。因みに、ステップ407の比較処理に
より、仮に金型2とストッパ10との間に人の手を挟み込
んだような状態でも、バックゲージ3を停止可能とする
ことができるものである。
特に、人の手の挾み込みについて考慮する(このよう
な事態はほとんど生じないが)と、接触検知後にバック
ゲージを数mm程度後退させてから停止させると、より安
全である。
また、このように、人の手で強く押圧した程度でバッ
クゲージを停止させることができるので、機械の安全装
置として用いることができるものである。位置決め後
は、エラー量εの検出は行わないこととすれば、被加工
板材の突き当て操作によってアラームが出力されること
はない。または、位置決め後もエラー量の基準値ε
変化させて比較することにより、非常停止装置として利
用することもできる。
[発明の効果] 以上の通り、本発明は特許請求の範囲に記載の通りの
板材加工装置であるので、特別のハードウェアを必要と
せず、位置決めゲージが工具に激突するのを防止でき、
位置決めゲージを安全に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る折曲げ加工機の制御装
置のブロック図、第2図は上記折曲げ加工機の正面図、
第3図は第2図の右側面側から見たバックゲージの拡大
説明図、第4図はエラー量監視方式を示すフローチャー
ト、第5図はエラー量監視方式を示す説明図である。 3……バックゲージ 10……ストッパ 17……エラー量監視部 A……金型激突防止領域 B……エラー量検出領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 43/00 B21D 5/02 B30B 15/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工板材を突き当てゲージのストッパに
    突き当て位置決めし、位置決めされた被加工板材に板金
    加工を施す板材加工装置において、 前記突き当てゲージを、前記被加工板材に板金加工を施
    す工具に対してサーボ位置決めするゲージ位置決め装置
    と、 前記ストッパが前記工具に対し予め設定された減速領域
    に入ったとき前記突き当てゲージの移動速度を強制的に
    減速させ、次いで前記ストッパが前記金型に近接させて
    設定したエラー量検出領域に入ってから前記ゲージ位置
    決め装置の指令量と帰還量の差であるエラー量を基準値
    と比較し、検出エラー量が前記基準値を上回ったとき前
    記突き当てゲージをその場停止させ、アラームを出力す
    るエラー量監視装置、を備えたことを特徴とする板材加
    工装置。
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