JP2906472B2 - 透明成形体 - Google Patents

透明成形体

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、低反射性、導電性、防汚性および耐薬品性
を有する透明成形体に関する。更に詳しくは、低反射性
により反射光による不快感、まぶしさが低減され、かつ
導電性を有することにより表面での静電気の蓄積、ほこ
りの吸着などを防ぐ効果を有し、しかもフッ素化合物に
よる撥水撥油作用で指紋などの汚れが取れやすく、酸や
アルカリなどによる腐食を受けにくい透明成形体に関す
る。
本発明の透明成形体は、CRTのパネル部および前面
板、タッチパネル、ショーケース、メーターカバーなど
各種ディスプレイ表示体として好適に用いうる。
[従来の技術] テレビ受像機のCRT等においては、外部光の反射によ
って画像が見にくくなったり、動作中の帯電によって人
体などの間で放電が発生したり、ホコリ等のゴミが付着
したりするのを防ぐために、導電性反射防止膜が用いら
れている。
このような導電性反射防止膜を形成させた透明成形体
の例としては、実開昭59−168951号公報記載の酸化錫ま
たは酸化インジウム導電膜の上に酸化珪素の膜を形成し
た陰極線管等が挙げられる。これらの表面のノングレア
処理に比べて優れた解像度、反射防止特性を有するが、
反射防止特性が優れているがゆえに、指紋などの汚れが
目立つ欠点があった。またこれらの膜は、酸、アルカリ
等に弱く、耐薬品性に劣る欠点もあった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、
したがってその目的は従来技術の有していた問題点を解
消し、反射防止性と帯電防止性とを具備し、しかも防汚
性、耐薬品性を有する透明成形体を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、透明基材から成形されてなる成形体、およ
び、該成形体の表面から空気側に向かって順に設けられ
た高屈折率導電層(A)および低屈折率層(B)を有す
る透明成形体であり、高屈折率導電層(A)が平均粒子
径1〜300nmの無機微粒子を含みかつ表面抵抗値1010Ω
/□以下の層であり、低屈折率層(B)がフッ素化合物
を含みかつ高屈折率導電層(A)よりも屈折率が低い層
である透明成形体である。
本発明の透明成形体は、低反射性、導電性、防汚性お
よび耐薬品性を有する。
本発明の透明成形体においては、高屈折率導電層
(A)および低屈折率層(B)の2層の屈折率および膜
厚を調節して光の干渉作用を利用することにより、目的
の一つである低反射性が発現され、導電性を有する材料
を含有する層を設けることによって、もう一つの目的で
ある導電性が発現され、更に空気側の低屈折率層にフッ
素化合物を含有させることにより、他の二つの目的であ
る防汚性と耐薬品性を発現させようとするものである。
高屈折率導電層(A)を形成するための導電性材料と
しては、無機微粒子を使用する。特に、高屈折率導電層
(A)の表面抵抗値を1010Ω/□以下とする点におい
て、金属酸化物の微粒子が導電性材料として良好であ
る。
かかる導電性材料としては、例えば酸化錫、酸化亜
鉛、酸化インジウムなどが挙げられ、これらの少なくと
も1種が用いられるのが好ましい。これらは導電性を高
める目的で各種の化合物がドープされていても問題な
い。高屈折率導電層(A)の表面抵抗値が1012Ω/□を
超えると十分な帯電防止性能が発現できないため問題が
ある。
無機微粒子の大きさは、あまり多きすぎると得られた
被膜がヘイズになりやすいため、平均流径は300nm以下
である。また平均粒子径があまり小さすぎると導電性が
悪くなるため、1nm以上である。
一方の低屈折率層(B)の低屈折率材料も各種の化合
物が知られているが、本発明における低屈折率材料は高
屈折率層(A)の屈折率に比して低屈折率を与え、撥水
撥油性に優れたフッ素化合物を含む材料から選択する。
高屈折率導電層(A)と低屈折率層(B)の屈折率差
は、原理的には(空気側第1層の屈折率)<(空気側第
2層の屈折率)であればよいが、優れた低反射性を発現
するには両層の屈折率が0.1以上であることが必要であ
る。
フッ素化合物は低屈折率材料として知られており、こ
の目的にかなう材料である。本発明におけるフッ素化合
物としては下記式(C)で表される化合物(以下、
(C)成分と記す。)および/または下記式(D)で表
される化合物(以下、(D)成分と記す。)を必須成分
として含有する組成物から形成されるフッ素化合物が、
優れた撥水性、撥油性、耐薬品性を有する点で好まし
い。
Rf1、Rf2はパーフルオロアルキル基含有の有機基。
R1、R2は水素原子または炭素数1〜6の有機基。
a、bは独立に0、1、または2であって0≦a+b
≦2を満たす。
c、dは独立に0、1、または2であって0≦c+d
≦2を満たす。
Yは2価の有機基。ただし、a+c=0の場合にはパ
ーフルオロアルキレン基を含有する2価の有機基。
Xは加水分解可能な有機基。
Rf3はパーフルオロアルキル基含有の有機基。
R3は水素原子または炭素数1〜6の有機基。
eは1または2であって、gは0、1、または2であ
って、1≦e+g≦3を満たす。
Xは加水分解可能な有機基。
以下、構成要素について詳細に記述する。
本発明の組成物においては、防汚性、撥水性を発現す
る成分として(C)成分および/または(D)成分を含
有する組成物が好ましい。
(C)成分としては、例えば、以下の化合物が挙げら
れる。
ただし、上記の式においてnは1〜16の整数、XはC
l、OCH3、OC2H5等の加水分解可能な基、Rは置換または
非置換の1価の炭化水素基、RfはC2H4CF3、C2H4(CF2
nCF3(nは1〜15の整数)、C2H4OCOCF3等のパーフルオ
ロアルキル基含有の有機基である。
(D)成分としては、例えば、以下の化合物が挙げら
れる。
ただし、上記の式においてRは置換または非置換の1
価炭化水素基、Rf′は炭素数1〜16のパーフルオロアル
キル基、mは1以上の整数、XはCl、OCH3、OC2H5等の
加水分解可能な基である。
(C)成分または(D)成分の添加量は、目的に応じ
て任意に変更できる。
フッ素化合物を形成する組成物は(C)成分または
(D)成分のどちらか一方の成分が必須であるが、両成
分が含有されていても問題はない。
(C)および/または(D)成分はそのままあるいは
部分加水分解を行なって使用するが、加水分解にあたっ
ては、単純に水を添加してもよく、塩酸、酢酸、リン
酸、硝酸、硫酸、スルホン酸等の酸性水溶液を添加して
もよい。
(C)、(D)成分について目的に応じて他の成分、
添加剤を加えることは支障なく、他の成分、添加剤を加
えることでこの組成物の適用範囲がひろがる。
本発明の透明成形体を得るには種々の方法を採用しう
る。例えば、真空蒸着、スパッタ法、イオンプレーティ
ング法などのPVD法、CVD法、コーティング組成物を塗布
する方法などが挙げられる。
かかる各種の方法において、作業性、コストの点、ま
たは複雑な形状の透明成形体に適応しうるという点でコ
ーティング組成物を塗布する方法が有利である。したが
って、安価で、形状の複雑な本発明の透明成形体を得る
には、高屈折率導電材料、低屈折率材料を含有するコー
ティング組成物を透明基材から成形された成形体の表面
に順次塗布して被膜層を形成する方法が最適である。
コーティング組成物を塗布する方法で本発明の透明成
形体を得るには、単に高屈折率導電材料、または低屈折
率材料が溶解または分散したコーティング組成物を透明
基材に塗布すればよい。高屈折率導電材料を含むコーテ
ィング組成物に含まれる無機微粒子はコロイド状のもで
あってもよい。
また組成物は、塗布に好適となすために、溶剤によっ
て溶液状とするのが好ましく、高屈折率導電材料、低屈
折率材料を溶解、分散させる溶剤としては各種の溶剤が
使用できる。例えば、アルコール系、エステル系、ケト
ン系、エーテル系、ハロゲン化炭化水素系、芳香族系溶
剤などが挙げられが、これらの単独、または混合系のい
ずれであっても問題はない。
組成物において、材料の濃度は任意であってよく、目
的とする被膜層の厚さに応じて決定される。ここで、目
的とする被膜層の厚さとは本発明においては基本的には
基材および2つの層の間で光学干渉が生じる膜厚のこと
である。
本発明において、優れた性能を有する高屈折率導電層
(A)および低屈折率層(B)を形成するには造膜性も
重要な要因の一つである。したがって、コーティング組
成物の塗布において造膜性を高めるために他の成分を添
加できる。かかる他の成分として好適なものはシリコン
化合物(X)が挙げられ、シリコン化合物(X)の添加
は形成される被膜層の耐擦傷性を損なわないという点で
良好な添加成分である シリコン化合物(X)としては、以下の化合物が例示
される。
メチルシリケート、エチルシリケート、n−プロピル
シリケート、i−プロピルシリケート、n−ブチルシリ
ケート、sec−ブチルシリケート、およびt−ブチルシ
リケートなどのテトラアルコキシシラン、およびその加
水分解物。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリアセトキシシラン。
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロ
プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリ
アセトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノ
エチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラ
ン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルト
リエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシ
ラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グ
リシドキシエチルトリメトキシシラン。
α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グ
リシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキ
シエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチル
トリメトキシシラン。
α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グ
リシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキ
シブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエト
キシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラ
ン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン。
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキ
シシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルト
リエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキ
シシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチ
ルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)ブチルトリエトキシシランなどのトリアルコキ
シシラン、トリアシルオキシシランまたはトリフェノキ
シシラン類またはその加水分解物。
およびジメチルジメトキシシラン、(フェニル)メチ
ルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、(フ
ェニル)メチルジエトキシシラン、(γ−クロロプロピ
ル)メチルジメトキシシラン、(γ−クロロプロピル)
メヂルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルジメチルジメトキシ
シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、(γ−メルカプトプロピル)メチルジメトキ
シシラン、(γ−メルカプトプロピル)メチルジエトキ
シシラン。
(γ−アミノプロピル)メチルジメトキシシラン、
(γ−アミノプロピル)メチルジエトキシシラン、エチ
ルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシ
ラン、(グリシドキシメチル)メチルジメトキシシラ
ン、(グリシドキシメチル)メチルジエトキシシラン、
(α−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、
(α−グリシドキシエチル)メチルジエトキシシラン、
(β−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、
(β−グリシドキシエチル)メチルジエトキシシラン、
(α−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラ
ン、(α−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシ
ラン、(β−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシ
シラン、(β−グリシドキシプロピル)メチルジエトキ
シシラン。
(γ−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラ
ン、(γ−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシ
ラン、(γ−グリシドキシプロピル)メチルジプロポキ
シシラン、(γ−グリシドキシプロピル)メチルブトキ
シシラン、(γ−グリシドキシプロピル)メチルジフェ
ノキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)エチルジ
メトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)エチル
ジエトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)エチ
ルジプロポキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)
ビニルジメトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピ
ル)ビニルジエトキシシラン、(γ−グリシドキシプロ
ピル)フェニルジメトキシシラン、(γ−グリシドキシ
プロピル)フェニルジエトキシシラン、などジアルコキ
シシランまたはジアシルオキシシラン等。
上記例示のシリコン化合物(X)は1種または数種の
混合物をそのまままたは加水分解して用いる。加水分解
に際しては、単に純水の添加でよいが、酸の存在下で水
を加えてもよい。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢
酸、スルホン酸等が用いられる。さらに形成される被膜
層の耐擦傷性を高めるために従来から公知の硬化触媒等
を加えることもできる。
また、樹脂としては目的に応じて、溶解性、相溶性、
分子量(分布、重合度)、含有する官能基、高次構造等
を考慮して最適なものを選択できる。さらに、レベリン
グ性を高めるために界面活性剤等を加えたり、形成され
る被膜層を改質し得る他の添加剤、紫外線吸収剤、滑剤
等を加えてもよい。
コーティング組成物から本発明の被膜相を形成する方
法において、塗布方法としてはスピンコート、ディップ
コート、流し塗り、スプレーコート、はけ塗りなど、従
来公知の方法を採用できる。優れた性能を有する被膜層
を形成するには、塗布後に焼成するのが望ましく、焼成
時間、焼成温度は基材の耐熱性、材料の種類等を考慮し
て、最適条件が決定される。また1層毎に、あるいは2
層を同時に焼成できる。
本発明における成形体は透明基材から成形されてなる
が、透明基材としてはガラスおよびプラスチックが好ま
しい。
ガラス成形体としては普通板ガラスはもとより、各種
加工ガラス、特にディスプレイ表示体としてブラウン管
のパネル部などが好適である、 プラスチック成形体としては、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリカーボネート、ポリジエチレングリコールビ
スアリルカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、不飽和ポリエステル等の基材からな
るシートやフィルムが挙げられる。
[実施例] 以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において得られた透明成形体の評価方法につい
ては次の通りである。
(1)低反射性の評価方法 GAMMA分光反射スペクトル測定機により基材表面の片
面の視感反射率を測定した。
(2)導電性の評価方法 ハイレスタ抵抗測定器(三菱油化製)により基材の表
面抵抗値を測定した。
(3)防汚性の評価方法 (3−1)ヘキサデカンの接触角を測定した。
(3−2)手の指紋を処理表面に付着後、綿布で20往
復拭き取りその後の外観を検査し、以下の基準で評価し
た。
A:完全にきれいに油汚れが拭き取れる。
B:少し油汚れが残る。
C:かなり油汚れが残る。
(4)撥水性の評価方法 (4−1)水の接触角を測定した。
(4−2)サンプルから20cmの距離に保持したノズル
から水道水をスプレーして試験した。適当な時間、水の
スプレーをテストサンプルの処理表面に当てた後スプレ
ーを止め、サンプルに残った水滴を肉眼で検査し以下の
評価基準で判断した。
A:サンプル表面に全く水滴が残らない。
B:サンプル表面に少し水滴が残る。
C:サンプル表面にかなり水滴が残る。
D:サンプル表面にCが濡れ広がる。
(5)耐擦傷性の評価方法 1kgの荷重下に消しゴムで基材表面を100往復後、その
表面の傷の付き方を調査した。耐擦傷性の評価の基準は
以下の通りである。
A:傷が全くつかない。
B:傷が少しつく。
C:多くの傷がつく。
また、上記耐擦傷性評価後のサンプルについて低反射
性、導電性、防汚性、および撥水性を評価した。
実施例1 [高屈折率導電層用コーティング組成物(T液)の調
製] テトラエトキシシラン50gをエタノール200gに溶解し
た。次にこれに1%塩酸水溶液46gを徐々に滴下し、3
日間熟成して部分加水分解を得た。これに200gのエタノ
ール分散アンチモンドープ酸化錫ゾル液(濃度3%、平
均粒子径100nm)を加えて調製した(以下、T−1液と
略する。)。
[低屈折率層用コーティング組成物(U液)の調製] 下記C成分19.0g、D成分5.0gおよびX1成分5.6gを、
撹拌子がセットされた三つ口容器に入れ混合した。更に
2−プロパノールを600g、および2−メチル−2−プロ
パノールを1400g加えた。次にアルミニウムアセチルア
セトネート2.2gを加えよく撹拌した。これに1%HCl水
溶液6.7gを徐々に滴下した。滴下終了後26℃に保温し7
日間放置した(以下、U−1液と略する。)。
C:(CH3O)3SiC2H4C8F16C2H4Si(OCH3 D:C9F19C2H4Si(OCH3 X1:Si(OCH3 予め洗浄されたガラス板[10cm×10cm×厚さ3mm]を
T−1液に浸漬した。浸漬後、10cm/minの速さで引き上
げ、100℃で10分焼成した。次に、このガラス板をU−
1液に浸漬後、6cm/minの速さで引き上げ、200℃で60分
焼成した。このようにして、2層の被膜層の形成された
ガラス板を得た。そのガラス板について前記の評価方法
にしたがって評価した結果を第1表に示す。
比較例1 比較例として、実施例1に用いたガラス板について被
膜層を形成することなく評価した結果を第1表に示す。
実施例2 実施例1におけるガラス板をテレビ用ブラウン管のパ
ネル部に変更した他は同様にして、表面に2層の被膜層
を形成した。このようにして得られたパネルについて評
価した結果を第1表に示す。
比較例2 比較例として、実施例2で用いたテレビ用ブラウン管
のパネル部について被膜層を形成することなく評価した
結果を第1表に示す。
実施例3〜4 実施例1に用いたU−1液のかわりに第2表のU液を
用いた他は実施例1と同様にして2層の被膜層の形成さ
れたガラス板を得た。このガラス板について評価した結
果を第1表に示す。
実施例5〜11、比較例3〜4 実施例1に用いたU−1液のC成分、D成分、X1成分
のかわりに、第3表に示した種類の化合物および量(単
位:g)だけ用いて組成物を調合し、他は実施例1と同様
にして2層の被膜層の形成されたガラス板を得た。この
ガラス板について評価した結果を第1表に示す。
実施例12〜16 実施例1におけるT−1液のかわりに第4表のT液
(高屈折率導電層用コーティング組成物)を用い、U−
1液塗布後の焼成温度を200℃から400℃に変更したほか
は実施例1と同様にして、2層の被膜層の形成されたガ
ラス板を得た。このガラス板について評価した結果を第
1表に示す。
実施例17 実施例1で得られた2層の被膜層の形成されたガラス
板を第5表に示す薬品に24時間浸漬した。浸漬後洗浄を
行い、低反射性、導電性、防汚性、撥水性を評価した結
果を第5表に示す。
[発明の効果] 本発明の透明成形体は以下の特徴を有する。
優れた導電性を有することから、静電作陽によるホコ
リの付着を防ぐ。
優れた低反射性を有することから、反射光による不快
感、まぶしさが低減される。
優れた防汚性を有することから、汚れが付着しにく
く、たとえ汚れが付着しても布やティッシュペーパーで
簡単に拭き取ることができる。
優れた耐薬品性を有することから、酸やアルカリによ
る腐食を受けにくい。
優れた耐擦傷性を有し、しかも耐久性も良好である。
数多くの材料の選択が可能であり、性能の幅を広く設
定でる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基材から成形されてなる成形体、およ
    び、該成形体の表面から空気側に向かって順に設けられ
    た高屈折率導電層(A)および低屈折率層(B)を有す
    る透明成形体であり、高屈折率導電層(A)が平均粒子
    径1〜300nmの無機微粒子を含みかつ表面抵抗値1010Ω
    /□以下の層であり、低屈折率層(B)がフッ素化合物
    を含みかつ高屈折率導電層(A)よりも屈折率が低い層
    である透明成形体。
  2. 【請求項2】高屈折率導電層(A)における無機微粒子
    が、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウムから選ばれる少
    なくとも1種の無機微粒子である請求項1に記載の透明
    成形体。
  3. 【請求項3】低屈折率層(B)が、下記式(C)で表さ
    れる化合物および/または下記式(D)で表される化合
    物を必須成分として含有する組成物から形成されたフッ
    素化合物を含む層である請求項1または2に記載の透明
    成形体。 Rf1、Rf2はパーフルオロアルキル基含有の有機基。 R1、R2は水素原子または炭素数1〜6の有機基。 a、bは独立に0、1、または2であって0≦a+b≦
    2を満たす。 c、dは独立に0、1、または2であって0≦c+d≦
    2を満たす。 Yは2価の有機基。ただし、a+c=0の場合にはパー
    フルオロアルキレン基を含有する2価の有機基。 Xは加水分解可能な有機基。 Rf3はパーフルオロアルキル基含有の有機基。 R3は水素原子または炭素数1〜6の有機基。 eは1または2であって、gは0、1、または2であっ
    て、1≦e+g≦3を満たす。 Xは加水分解可能な有機基。
  4. 【請求項4】透明基材から成形されてなる成形体が、ガ
    ラスより成形されてなるディスプレイ表示体である請求
    項1、2、または3に記載の透明成形体。
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