JP2906151B2 - 小形トランスの巻線方法 - Google Patents

小形トランスの巻線方法

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は小形トランスの巻線方法に関する。
「従来の技術」 従来の小形トランスの多くは、両端に鍔を有する筒状
のボビンと、このボビンに巻装されたコイルと、上記ボ
ビンに内装させるように組付けたコアと、上記ボビンの
鍔に植設しコイル端部を止着した端子ピンとより構成さ
れている。
そして、昇圧トランスとして構成されたものは、極細
線の巻線々材によって多数回巻線された出力コイルと、
この出力コイルに比べ線径の太い巻線々材で少数回巻線
され入力コイルとを備えている。上記コアは、フエライ
ト材で形成されたものが多く、E−E形コア、E−I形
コア或いはI形コアなどして構成されている。
「発明が解決しようとする課題」 上記した昇圧トランスのように、入力コイルと出力コ
イルとが線径の異なる線材で巻線された小形トランス
は、線径の細い出力コイルを一方の自動巻線機によって
巻線した後、線径の太い入力コイルを他の自動巻線機に
より巻線したり、この逆に、入力コイルを先に巻線した
後出力コイルを巻線する。
このように、巻線するコイルの線径が異なる毎に小形
トランスの半製品である巻線部品を他の自動巻線機に移
して巻線するため、自動巻線機間の巻線部品の移送工程
や移送された巻線部品を自動巻線機に新らたにセットす
る工程が加わり、このため、巻線能率を向上させる上に
重要な問題となっている。
また、線径の異なるコイルを巻線する毎に自動巻線機
を設備することは、巻線機設備のスペースや費用が多大
となるという問題がある。
なお、線径の異なる複数のコイルを一台で巻線するこ
とができる自動巻線機が開発されているが、構造が複雑
化し高価なものとなることから、現在はあまり使用され
ていない。
本発明は上記した実情にかんがみ、線径の異なる複数
のコイルを能率良く巻線することができる小形トランス
の巻線方法を開発することを目的とする。
「課題を解決するための手段」 上記した目的を達成するため、本発明では、第1の発
明として、多数の小形トランスを順次巻線する方法にお
いて、先行して巻線される小形トランスの少なくとも2
つのコイルのうち、単線巻きした一方のコイルが巻線終
りに近づいたとき、この巻線々材を続けて巻線する他方
のコイルの巻線長に比べて充分長くなる長さで折り返し
てより線を形成し、このより線の一部分を巻線した後一
方のコイルの巻線終りとして端子ピンに止着し、引き続
いてこのより線をもって他方のコイルを巻線して巻線終
りを端子ピンに止着し、続いて、このより線を次に巻線
する小形トランスの端子ピンに止着し一方のコイルの巻
始め部分を形成するように引き出した後、巻線した小形
トランスと次に巻線する小形トランスの端子ピン間のよ
り線を切除し、以下同様に順次巻線することを特徴とす
る小形トランスの巻線方法を提案する。
第2の発明として、多数の小形トランスを順次巻線す
る方法において、先行して巻線される小形トランスの少
なくとも2つのコイルのうち、他方のコイルをより線で
巻線して巻線終りを端子ピンに止着した後、引き続いて
一方のコイルの巻線始め部分をより線で巻線した後、こ
の一方のコイルを単線で巻線し、一方のコイルが巻線終
りに近づいたとき、この巻線々材を他方のコイルの巻線
長に比べて充分長くなる長さで折り返してより線を形成
し、このより線の一部分を巻線した後一方のコイルの巻
線終りとして端子ピンに止着し、引き続いてこのより線
を次に巻線する小形トランスの端子ピンに止着し他方の
コイルを形成するように引き出した後、巻線した小形ト
ランスと次に巻線する小形トランスの端子ピン間のより
線を切除し、以下同様に順次巻線することを特徴とする
小形トランスの巻線方法を提案する。
「作用」 上記のように巻線された小形トランスは、単線巻きさ
れた一方のコイルのコイル端部分がより線として端子ピ
ンに止着されると共に、他方のコイルがより線で巻線さ
れたものとなる。
したがって、昇圧トランスの巻線を行なう場合には、
より線からなる他方のコイルを入力側とし、単線からな
る一方のコイルを出力側として巻線する。この場合、入
力コイルの線径については巻線々材の折り返し数を増減
することによってその線径に等価なものとする。
また、上記した巻線方法によれば、巻線々材の折り返
し回数にしたがって種々の線径に見合ったコイルを巻線
することができるため、線径の異なった2つ以上のコイ
ルを備えた小形トランスについても巻線することができ
る。
「実施例」 次に、本発明の実施例について図面に沿って説明す
る。
第1図は写真撮影の照明器としての閃光放電発行器に
備えるトリガートランスの斜視図、第2図は同トリガー
トランスの縦断面図、第3図は同トリガートランスの簡
略的な回路図である。
これら図において、11はボビンで、これは角筒状の巻
線部11aの上下に角形鍔11b、11cを一体に備えた構造の
もので、下側の鍔11bは肉厚としてこれに4本の端子ピ
ン12〜15が植設してある。なお、端子ピン12、13は低圧
側の外部接続端子で、その他の端子ピン14、15は遊び端
子となっている。
上側の鍔11cには凸部11dが一体形成してあり、この凸
部11dに高圧側の端子ピン16が図示する如く横向きとな
るように植設してある。
上記ボビン11には出力コイル17を巻線した後、入力コ
イル18が同じ線材で巻線してある。出力コイル17には極
細線を使用し、例えば、0.05φ程度の単線で巻線し、ま
た、入力コイル18は出力コイル17と同じ線材を複数本
(例えば、3本)のより線として巻線してある。
出力コイル17の一端部分は案内溝11eより引出して端
子ピン16に固着し、その他端部分は案内溝11fより引出
して一つの端子ピン13に固着してある。
入力コイル18の一端部分は案内溝11fより引出し端子
ピン12に固着し、その他端部分は出力コイル17の他端部
分と共通にして上記して端子ピン13に固着してある。
このようにコイル17、18を装備したボビン11にはその
巻線部11a内に柱状のフエライトコア19を内装してトリ
ガーコイルが構成される。なお、コイル外周囲には絶縁
テープ20が巻付けてある。
上記したトリガートランスは第4図に一例をもって示
した自動巻線機によって巻線される。
この自動巻線機は、放射状に巻線治具21を有する回転
テーブル22と、巻線治具21に対向させるように設けたフ
ライヤー23とを備えている。そして、フライヤー23には
テンション装置24とツイスト機25を介して線材リール26
より巻線々材27が送られるようになっている。
上記自動巻線機は巻線治具21にボビン11を装着し、回
転テーブル22を1/4回転づつ間欠的に回転させながら巻
線する。
第5図は上記した回転テーブル22の平面図を示すが、
この図において、下側に位置した巻線治具21にボビン11
を装着する。
このようにセットしたボビン11は回転テーブル22が1/
4回転することにより、フライヤー23に対向した右横位
置に移る。この回転位置においてボビン11の巻線部11a
に出力コイル17と入力コイル18とがフライヤー23の旋回
によって巻線される。
この巻線過程では、巻線々材27を単線で所定回数巻線
して出力コイル17を形成するが、この出力コイル17が巻
線終りに近づいたとき、一旦巻線を中止し、ツイスト機
25によってより線を形成する。
ここでツイスト機25は第6図及び第7図に原理的に示
す方法によってより線を形成する。
すなわち、所定の間隔に配置された一対の掛ピン28、
29を利用して巻線々材27を折り返す。つまり、ボビン11
より引出した巻線々材27を一方の掛ピン28の外側に掛け
た後に他方の掛ピン29の外側に掛けてテンション装置24
側の巻線々材27とする。この動作によって巻線々材27が
掛ピン28、29間で3本の複数となる。なお、これらの図
面ではボビン11側を巻線々材27a、テンション装置側を
巻線々材27bとして示す。
その後、掛ピン29を巻線々材27と直交する方向(ピン
軸方向)に旋回させて3本の複線をより、より終ったと
き掛ピン28、29を巻線々材27より引き抜く。
この動作によって第8図に示したようなより線30が所
定の長さで形成される。
上記のようにより線30を形成してから自動巻線機を再
始動させると、出力コイル17が引き続き巻線され、より
線30が出力コイル17として2〜3ターン巻線された後、
このより線30が案内溝11fから引き出されて端子ピン13
にからげられる。
端子ピン13にからげられたより線30は切断することな
く入力コイル18の巻線に移る。
入力コイル18はより線30をもって出力コイル17の周囲
に巻線され、そのコイル端部が案内溝11fから引き出さ
れて端子ピン12にからげられる。
出力コイル17と入力コイル18とが上記の如く巻線され
た後、回転テーブル22が1/4回転し、フライヤー位置に
新らたに送られたボビン11の巻線に移る。
なお、端子ピン12にからげたより線30は切断すること
なく回転テーブル22を1/4回転し、フライヤー23が新ら
たに送られたボビンの端子ピン16により線30をからげた
後、このより線30を案内溝11eよりボビン11内に引き入
れる。この動作段階で、既に巻線されたボビンとこれか
ら巻線するボビンとの間に引き渡された渡り線部分(よ
り線30)を切除する。
続いて、新らたに巻線するボビン11の出力コイル17が
巻線するが、巻始めの2〜3ターンがより線30によって
巻線された後、単線の巻線々材27をもって巻線される。
つまり、この出力コイル17が2〜3ターン巻かれたと
き、より線30が終り単線となる。
出力コイル17の巻線が終りに近づくと、自動巻線機が
一旦停止し、ツイスト機25によってより線30が形成さ
れ、上記同様にして新らたに送られたボビン11の巻線が
行なわれる。
第9図は上記した巻線過程を示す出力コイル17と入力
コイル18の回路図で、Mの部分が切除する渡り線であ
る。
このようにして巻線されたボビン11が順次送り出さ
れ、第5図において、回転テーブル22の左横位置に送ら
れたボビン11が巻線治具21より取り外される。端子ピン
にからげたコイル端部分はその後半田付けする。なお、
ボビン11が第5図において回転テーブル22の上側位置ま
たは左横位置に送られたときコイル周囲に絶縁テープ20
を巻付ける。
上記の説明より分かるように、ツイスト機25で形成さ
れるより線30は、先に巻線されるボビン11の出力コイル
17の巻終り部分、このボビン11の入力コイル、渡り線、
次に巻線するボビン11の出力コイルの巻始め部分を含む
長さに形成される。
上記の方法で巻線された小形トランスは、第3図に示
した如く、巻線々材27の単線で巻線された出力コイル17
の両コイル端部分17a,17b(端子ピンのからげ部を含
む)がより線30となり、また、入力コイル18が出力コイ
ル17と連続したより線となる。
第10図は上記した方法によって巻線した他の小形トラ
ンスの回路図である。
このトランスでは、ボビンに出力コイル31を上記実施
例同様に巻線して端子ピン32にからげた後、より線30を
切断することなく帰還巻線33を巻線して端子ピン34にか
らげる。より線30は端子ピン34から端子ピン35に渡して
からげ、引き続いて入力コイル36を巻線して端子ピン37
にからげる。このように巻線した後、回転テーブル22を
1/4回転し、より線30を次に巻線するボビンの端子ピン3
9にからげる。以下、同様にして渡り線部分Mを切断し
て出力コイル31の巻線に移る。なお、端子ピン34、35の
間の渡り線Nは後で切除する。
なお、本発明を実施するための自動巻線機としては、
上記したものに限らず、例えば、端子ピン12から引出し
たより線30を所定のピンに仮止めし、この仮止めピンと
端子ピン12との渡り線を切除し、次に巻線するボビン11
にはこの仮止めピンからより線30を引き回し出力コイル
17を巻線するような自動巻線機を使用してもよい。
さらに、本発明を実施する場合には、より線30をもっ
て入力コイル18を先に巻線し、その後出力コイル17を巻
線することができる。
「発明の効果」 上記した通り、本発明の巻線方法によれば、線径の異
なる複数のコイルを備える種々の小形トランスについて
も同一線径の巻線々材を使用して巻線することができ、
また、各々のコイルを連続して巻線することができるの
で、一台の自動巻線機による巻線が可能になる等巻線作
業能率が極めて向上する。
さらに、端子ピンに止着する各々のコイル端部分がよ
り線となるために、細線を使用する小形トランスのコイ
ル断線が効果的に防止される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す閃光放電発光器用トリ
ガートランスを示す一部切欠斜視図、第2図は同トリガ
ートランスの縦断面図、第3図は同トリガートランスの
回路図、第4図は自動巻線機の一例を示す簡略図、第5
図は上記自動巻線機の回転テーブルを示す平面図、第6
図及び第7図はツイスト機のより線形成を説明するため
の図、第8図はツイスト機によって形成されたより線を
示す簡略図、第9図は上記トリガートランスの巻線過程
を示した説明図、第10図は他の小形トランスの巻線過程
を示した説明図である。 11……ボビン 12〜16……端子ピン 17……出力コイル 18……入力コイル 21……巻線治具 22……回転テーブル 23……フライヤー 25……ツイスト機 27……巻線々材 30……より線

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の小形トランスを順次巻線する方法に
    おいて、先行して巻線される小形トランスの少なくとも
    2つのコイルのうち、単線巻きした一方のコイルが巻線
    終りに近づいたとき、この巻線々材を続けて巻線する他
    方のコイルの巻線長に比べて充分長くなる長さで折り返
    してより線を形成し、このより線の一部分を巻線した後
    一方のコイルの巻線終りとして端子ピンに止着し、引き
    続いてこのより線をもって他方のコイルを巻線して巻線
    終りを端子ピンに止着し、続いて、このより線を次に巻
    線する小形トランスの端子ピンに止着し一方のコイルの
    巻始め部分を形成するように引き出した後、巻線した小
    形トランスと次に巻線する小形トランスの端子ピン間の
    より線を切除し、以下同様に順次巻線することを特徴と
    する小形トランスの巻線方法。
  2. 【請求項2】多数の小形トランスを順次巻線する方法に
    おいて、先行して巻線される小形トランスの少なくとも
    2つのコイルのうち、他方のコイルをより線で巻線して
    巻線終りを端子ピンに止着した後、引き続いて一方のコ
    イルの巻線始め部分をより線で巻線した後、この一方の
    コイルを単線で巻線し、一方のコイルが巻線終りに近づ
    いたとき、この巻線々材を他方のコイルの巻線長に比べ
    て充分長くなる長さで折り返してより線を形成し、この
    より線の一部分を巻線した後一方のコイルの巻線終りと
    して端子ピンに止着し、引き続いてこのより線を次に巻
    線する小形トランスの端子ピンに止着し他方のコイルを
    形成するように引き出した後、巻線した小形トランスと
    次に巻線する小形トランスの端子ピン間のより線を切除
    し、以下同様に順次巻線することを特徴とする小形トラ
    ンスの巻線方法。
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