JP2905520B2 - 金属マトリックス複合体の形成方法 - Google Patents
金属マトリックス複合体の形成方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は金属マトリックス複合体を形成する新規な方
法に関する。本発明によれば、充填材の通気性素材が溶
融マトリックス金属により自発的に浸透される。詳細に
は、前記の方法の少なくともある時点で、浸透増進剤及
び/又は浸透増進剤前駆体及び/又は浸透雰囲気が充填
材と連通して、それにより、溶融マトリックス金属が充
填材に自発的に浸透する。浸透が所望の程度に終了した
後、追加のマトリックス金属が、充填材に自発的に浸透
した、前記のマトリックス金属に添加されて、マトリッ
クス金属に対して、より低い体積分率の充填材を有する
充填材とマトリックス金属との懸濁物を生じる。次い
で、マトリックス金属が、その場で冷却することがで
き、あるいは金属マトリックス及び充填材の混合物が鋳
造工程として第2容器中に注入されて第2容器に一致す
る所望の形状を形成し得る。しかしながら、生成された
懸濁物は、生成される直後に鋳造されるか、又は冷却
し、その後加熱、鋳造されようとも、自発浸透された金
属マトリックス複合体に伴なわれる有益な特性を保持し
つつ、所望の形状に注型し得る。
法に関する。本発明によれば、充填材の通気性素材が溶
融マトリックス金属により自発的に浸透される。詳細に
は、前記の方法の少なくともある時点で、浸透増進剤及
び/又は浸透増進剤前駆体及び/又は浸透雰囲気が充填
材と連通して、それにより、溶融マトリックス金属が充
填材に自発的に浸透する。浸透が所望の程度に終了した
後、追加のマトリックス金属が、充填材に自発的に浸透
した、前記のマトリックス金属に添加されて、マトリッ
クス金属に対して、より低い体積分率の充填材を有する
充填材とマトリックス金属との懸濁物を生じる。次い
で、マトリックス金属が、その場で冷却することがで
き、あるいは金属マトリックス及び充填材の混合物が鋳
造工程として第2容器中に注入されて第2容器に一致す
る所望の形状を形成し得る。しかしながら、生成された
懸濁物は、生成される直後に鋳造されるか、又は冷却
し、その後加熱、鋳造されようとも、自発浸透された金
属マトリックス複合体に伴なわれる有益な特性を保持し
つつ、所望の形状に注型し得る。
金属マトリックスと粒状セラミック、ウイスカー、繊
維等の補強又は強化相からなる複合体製品は、強化相が
有する剛性及び耐摩耗性の一部と金属マトリックスが有
する延性及び靱性を併せ持つので、種々の用途に使用さ
れる大きな見込みがある。一般的に、金属マトリックス
複合体では、単一材料のマトリックス金属が持つ強度、
耐性、耐接触摩耗性、高温強度等の性質は向上するが、
特定の性質が向上する程度は、特定の成分、容積分率又
は重量分率及び複合体を形成する際の処理方法によって
大きく異なる。ある場合には、複合体が、マトリックス
金属自体よりも重量が軽いこともある。例えば、粒状、
ペレット状又はウイスカー状の炭化珪素等のセラミック
スで強化したアルミニウムマトリックス複合体は、剛
性、耐摩耗性及び高温強度がアルミニウムよりも高いの
で有用である。
維等の補強又は強化相からなる複合体製品は、強化相が
有する剛性及び耐摩耗性の一部と金属マトリックスが有
する延性及び靱性を併せ持つので、種々の用途に使用さ
れる大きな見込みがある。一般的に、金属マトリックス
複合体では、単一材料のマトリックス金属が持つ強度、
耐性、耐接触摩耗性、高温強度等の性質は向上するが、
特定の性質が向上する程度は、特定の成分、容積分率又
は重量分率及び複合体を形成する際の処理方法によって
大きく異なる。ある場合には、複合体が、マトリックス
金属自体よりも重量が軽いこともある。例えば、粒状、
ペレット状又はウイスカー状の炭化珪素等のセラミック
スで強化したアルミニウムマトリックス複合体は、剛
性、耐摩耗性及び高温強度がアルミニウムよりも高いの
で有用である。
アルミニウムマトリックス複合体の製造に関しては、
種々の金属プロセスが報告されており、例えば、粉末冶
金法並びに圧力鋳造、真空鋳造、攪拌及び湿潤剤を使用
する液体金属浸透法に基づいた方法が挙げられる。粉末
冶金法の場合、粉末状の金属と粉末、ウイスカー、チョ
ップトファイバー等の形態の強化剤とを混合し、その
後、常温成形し焼結するか、又はホットプレスする。こ
の方法により製造された炭化珪素強化アルミニウムマト
リックス複合体における最大セラミック体積分率は、ウ
イスカーの場合は約25体積%であり、粒状の場合は約40
体積%であると報告されている。
種々の金属プロセスが報告されており、例えば、粉末冶
金法並びに圧力鋳造、真空鋳造、攪拌及び湿潤剤を使用
する液体金属浸透法に基づいた方法が挙げられる。粉末
冶金法の場合、粉末状の金属と粉末、ウイスカー、チョ
ップトファイバー等の形態の強化剤とを混合し、その
後、常温成形し焼結するか、又はホットプレスする。こ
の方法により製造された炭化珪素強化アルミニウムマト
リックス複合体における最大セラミック体積分率は、ウ
イスカーの場合は約25体積%であり、粒状の場合は約40
体積%であると報告されている。
従来のプロセスを利用した粉末冶金法による金属マト
リックス複合体の製造には、得られる製品の特性に関し
てある種の制限がある。即ち、複合体におけるセラミッ
ク相の体積分率は、一般的に、粒状の場合には、約40%
に制限される。又、圧縮操作の場合には、得られる実際
の大きさが制限される。更に、後で加工(例えば、成形
又は機械加工)をせず又複雑なプレスに頼らずに得られ
る製品は、比較的簡単な形状のものしかない。又、焼結
中に不均一な収縮を生じるほか、圧縮粉の凝離及び結晶
粒成長のためにミクロ構造が不均一となる。
リックス複合体の製造には、得られる製品の特性に関し
てある種の制限がある。即ち、複合体におけるセラミッ
ク相の体積分率は、一般的に、粒状の場合には、約40%
に制限される。又、圧縮操作の場合には、得られる実際
の大きさが制限される。更に、後で加工(例えば、成形
又は機械加工)をせず又複雑なプレスに頼らずに得られ
る製品は、比較的簡単な形状のものしかない。又、焼結
中に不均一な収縮を生じるほか、圧縮粉の凝離及び結晶
粒成長のためにミクロ構造が不均一となる。
1976年7月20日に許可された、ジェイ・シー・キャネ
ル(J.C.Cannell)等による米国特許第3,970,136号に
は、所定の繊維整列パターンを有する繊維強化材、例え
ば、炭化珪素又はアルミナウイスカーを含有せしめた金
属マトリックス複合体を形成する方法が記載されてい
る。この複合体は、共面繊維の平行マット又はフェルト
を金型に入れてマットの少なくとも一部分の間に溶融マ
トリックス金属、例えば、アルミニウムの溜を配置し、
圧力をかけて溶融金属をマットに浸透させ配列している
繊維を包囲させる。又、溶融金属を、マットの積層体上
に注ぎながら、加圧下してマット間に流すことができ
る。これに関して、強化繊維を複合体に最大約50体積%
充填されたことが報告されている。
ル(J.C.Cannell)等による米国特許第3,970,136号に
は、所定の繊維整列パターンを有する繊維強化材、例え
ば、炭化珪素又はアルミナウイスカーを含有せしめた金
属マトリックス複合体を形成する方法が記載されてい
る。この複合体は、共面繊維の平行マット又はフェルト
を金型に入れてマットの少なくとも一部分の間に溶融マ
トリックス金属、例えば、アルミニウムの溜を配置し、
圧力をかけて溶融金属をマットに浸透させ配列している
繊維を包囲させる。又、溶融金属を、マットの積層体上
に注ぎながら、加圧下してマット間に流すことができ
る。これに関して、強化繊維を複合体に最大約50体積%
充填されたことが報告されている。
繊維マットの積層体を通して溶融マトリックス金属を
押し入れるのは外力に依存しているので、上記した浸透
法は、圧力誘発流動プロセス特有の変動、即ち、マトリ
ックスの生成や、多孔率等が不均一となる可能性があ
る。たとえ、溶融金属を繊維アレイ内の複数の部位に導
入しても、性質は不均一になる可能性がある。その結
果、複雑なマット/溜配置及び流路を設けて、繊維マッ
トの積層体に十分且つ均一に浸透できるようにする必要
がある。又、上記した圧力浸透法では、体積の大きなマ
ットに強化材を浸透させることが元来困難であるので、
マトリックス体積に対する強化材の割合が比較的低いも
のしか得られない。更に、加圧下で溶融金属を含有させ
るために型が必要であり、費用がかさむ。最後に、整列
された粒子又は繊維への浸透に限定されている上記の方
法は、ランダムに配列した粒子、ウイスカー又は繊維の
形態の物質で強化したアルミニウム金属マトリックス複
合体の生成には用いられない。
押し入れるのは外力に依存しているので、上記した浸透
法は、圧力誘発流動プロセス特有の変動、即ち、マトリ
ックスの生成や、多孔率等が不均一となる可能性があ
る。たとえ、溶融金属を繊維アレイ内の複数の部位に導
入しても、性質は不均一になる可能性がある。その結
果、複雑なマット/溜配置及び流路を設けて、繊維マッ
トの積層体に十分且つ均一に浸透できるようにする必要
がある。又、上記した圧力浸透法では、体積の大きなマ
ットに強化材を浸透させることが元来困難であるので、
マトリックス体積に対する強化材の割合が比較的低いも
のしか得られない。更に、加圧下で溶融金属を含有させ
るために型が必要であり、費用がかさむ。最後に、整列
された粒子又は繊維への浸透に限定されている上記の方
法は、ランダムに配列した粒子、ウイスカー又は繊維の
形態の物質で強化したアルミニウム金属マトリックス複
合体の生成には用いられない。
アルミニウムマトリックス・アルミナ充填複合体の製
造では、アルミニウムは容易にはアルミナを湿潤せず、
凝集した製品を形成するのが困難となる。この問題に対
しては種々の解決法が提案された。このような手法の一
つとして、アルミナを金属(例えば、ニッケル又はタン
グステン)で被覆後、アルミニウムとともにホットプレ
スする。別の手法では、アルミニウムをリチウムと合金
し、アルミナをシリカで被覆してもよい。しかしなが
ら、これらの複合体は、性質にバラツキがみられたり、
被膜が充填材を劣化させる場合があるか、又はマトリッ
クスがリチウムを含有しマトリックスの性質に影響を及
ぼすことがある。
造では、アルミニウムは容易にはアルミナを湿潤せず、
凝集した製品を形成するのが困難となる。この問題に対
しては種々の解決法が提案された。このような手法の一
つとして、アルミナを金属(例えば、ニッケル又はタン
グステン)で被覆後、アルミニウムとともにホットプレ
スする。別の手法では、アルミニウムをリチウムと合金
し、アルミナをシリカで被覆してもよい。しかしなが
ら、これらの複合体は、性質にバラツキがみられたり、
被膜が充填材を劣化させる場合があるか、又はマトリッ
クスがリチウムを含有しマトリックスの性質に影響を及
ぼすことがある。
アール・ダブリュ・グリムシャー(R.W.Grimshaw)等
による米国特許第4,232,091号では、アルミニウムマト
リックス・アルミナ複合体の製造で遭遇する当該技術に
おける困難はある程度克服される。この特許では、75〜
375kg/cm2の圧力をかけて、溶融アルミニウム(又は溶
融アルミニウム合金)を、700〜1050℃に予備加熱した
アルミナの繊維又はウイスカーマットに押し入れること
が記載されている。この際、得られた一体鋳物における
金属に対するアルミナの最大体積比は、0.25/1であっ
た。この方法でも、浸透を行うのは外力に依存するの
で、キャネル(Cannel)等と同様な欠陥がある。
による米国特許第4,232,091号では、アルミニウムマト
リックス・アルミナ複合体の製造で遭遇する当該技術に
おける困難はある程度克服される。この特許では、75〜
375kg/cm2の圧力をかけて、溶融アルミニウム(又は溶
融アルミニウム合金)を、700〜1050℃に予備加熱した
アルミナの繊維又はウイスカーマットに押し入れること
が記載されている。この際、得られた一体鋳物における
金属に対するアルミナの最大体積比は、0.25/1であっ
た。この方法でも、浸透を行うのは外力に依存するの
で、キャネル(Cannel)等と同様な欠陥がある。
ヨーロッパ特許出願公開公報第115,742号では、予備
成形したアルミナのボイドを溶融アルミニウムで充填す
ることにより、電解槽部材として特に有効であるアルミ
ニウム・アルミナ複合体を作製することが記載されてい
る。この出願では、アルミニウムによるアルミナの非湿
潤性が強調されており、プレフォーム全体にわたってア
ルミナを浸潤するための種々の手法が用いられている。
例えば、アルミナを、チタン、ジルコニウム、ハフニウ
ム若しくはニオブの二硼化物からなる湿潤剤又は金属、
即ち、リチウム、マグネシウム、カルシウム、チタン、
クロム、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム若しく
はハフニウムで被覆する。この際、アルゴン等の不活性
雰囲気を用いて湿潤を容易にする。又、この出願も、圧
力をかけて、溶融アルミニウムを未被覆マトリックスに
浸透させることを記載されている。この態様では、孔を
排気後、不活性雰囲気(例えば、アルゴン)中で溶融ア
ルミニウムに圧力を加えることにより達成される。又、
溶融アルミニウムを浸透させてボイドを充填する前に、
プレフォームにアルミニウムを気相蒸着により浸透させ
て表面を湿潤することもできる。プレフォームの孔にア
ルミニウムを確実に保持するためには、真空中又はアル
ゴン中で、熱処理(例えば、1400〜1800℃)することが
必要である。このようにしないと、圧力浸透物質をガス
に暴露したり又は浸透圧を取り除くと、物体からのアル
ミニウムの損失が生じる。
成形したアルミナのボイドを溶融アルミニウムで充填す
ることにより、電解槽部材として特に有効であるアルミ
ニウム・アルミナ複合体を作製することが記載されてい
る。この出願では、アルミニウムによるアルミナの非湿
潤性が強調されており、プレフォーム全体にわたってア
ルミナを浸潤するための種々の手法が用いられている。
例えば、アルミナを、チタン、ジルコニウム、ハフニウ
ム若しくはニオブの二硼化物からなる湿潤剤又は金属、
即ち、リチウム、マグネシウム、カルシウム、チタン、
クロム、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム若しく
はハフニウムで被覆する。この際、アルゴン等の不活性
雰囲気を用いて湿潤を容易にする。又、この出願も、圧
力をかけて、溶融アルミニウムを未被覆マトリックスに
浸透させることを記載されている。この態様では、孔を
排気後、不活性雰囲気(例えば、アルゴン)中で溶融ア
ルミニウムに圧力を加えることにより達成される。又、
溶融アルミニウムを浸透させてボイドを充填する前に、
プレフォームにアルミニウムを気相蒸着により浸透させ
て表面を湿潤することもできる。プレフォームの孔にア
ルミニウムを確実に保持するためには、真空中又はアル
ゴン中で、熱処理(例えば、1400〜1800℃)することが
必要である。このようにしないと、圧力浸透物質をガス
に暴露したり又は浸透圧を取り除くと、物体からのアル
ミニウムの損失が生じる。
潤滑剤を用いて電解槽のアルミナ成分に溶融金属を浸
透させることは、ヨーロッパ特許出願公開公報第94353
号にも記載されている。即ち、この公開公報には、セル
ライナー又は支持体として陰極電流供給手段を有するセ
ルを用いて、電解採取によりアルミニウムを製造するこ
とが記載されている。この支持体を溶融氷晶石から保護
するために、湿潤剤と溶解抑制剤との混合物の薄い被膜
を、セルの始動前又は電解法で製造した溶融アルミニウ
ムに浸漬中に、アルミナ支持体に塗布する。湿潤剤とし
ては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、珪素、マグ
ネシウム、バナジウム、クロム、ニオブ又はカルシウム
が開示されており、チタンが好ましい湿潤剤として記載
されている。又、硼素、炭素及び窒素の化合物が、溶融
アルミニウムの湿潤剤への溶解度を抑制するのに有効で
あると記載されている。しかしながら、この刊行物は、
金属マトリックス複合体の製造を示唆していないばかり
か、このような複合体を、例えば、窒素雰囲気中で形成
することも示唆していない。
透させることは、ヨーロッパ特許出願公開公報第94353
号にも記載されている。即ち、この公開公報には、セル
ライナー又は支持体として陰極電流供給手段を有するセ
ルを用いて、電解採取によりアルミニウムを製造するこ
とが記載されている。この支持体を溶融氷晶石から保護
するために、湿潤剤と溶解抑制剤との混合物の薄い被膜
を、セルの始動前又は電解法で製造した溶融アルミニウ
ムに浸漬中に、アルミナ支持体に塗布する。湿潤剤とし
ては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、珪素、マグ
ネシウム、バナジウム、クロム、ニオブ又はカルシウム
が開示されており、チタンが好ましい湿潤剤として記載
されている。又、硼素、炭素及び窒素の化合物が、溶融
アルミニウムの湿潤剤への溶解度を抑制するのに有効で
あると記載されている。しかしながら、この刊行物は、
金属マトリックス複合体の製造を示唆していないばかり
か、このような複合体を、例えば、窒素雰囲気中で形成
することも示唆していない。
圧力の付加及び湿潤剤の塗布の他に、真空にすること
により多孔性セラミック成形体への溶融アルミニウムの
浸透が促進されることも開示されている。例えば、1973
年2月27日に許可されたアール・エル・ランディングハ
ム(R.L.Landingham)による米国特許第3,718,441号に
は、セラミック成形体(例えば、炭化硼素、アルミナ及
びベリリア)に、10-6トール未満の真空下で、溶融アル
ミニウム、ベリリウム、マグネシウム、、チタン、バナ
ジウム、ニッケル又はクロムを浸透することが報告され
ている。10-2〜10-6トールの真空では、溶融金属による
セラミックの湿潤が不良で、金属がセラミックのボイド
空間に自由に流れ込まなかった。しかしながら、真空を
10-6トール未満まで減少させると、湿潤が向上したと記
載されている。
により多孔性セラミック成形体への溶融アルミニウムの
浸透が促進されることも開示されている。例えば、1973
年2月27日に許可されたアール・エル・ランディングハ
ム(R.L.Landingham)による米国特許第3,718,441号に
は、セラミック成形体(例えば、炭化硼素、アルミナ及
びベリリア)に、10-6トール未満の真空下で、溶融アル
ミニウム、ベリリウム、マグネシウム、、チタン、バナ
ジウム、ニッケル又はクロムを浸透することが報告され
ている。10-2〜10-6トールの真空では、溶融金属による
セラミックの湿潤が不良で、金属がセラミックのボイド
空間に自由に流れ込まなかった。しかしながら、真空を
10-6トール未満まで減少させると、湿潤が向上したと記
載されている。
1975年2月4日に許可されたジー・イー・ガザ(G.E.
Gazza)等による米国特許第3,864,154号にも、真空を用
いて浸透を行う旨の記載がある。又、この特許には、Al
B12粉末の常温圧縮成形体を常温圧縮アルミニウム粉末
のベッド上に添加することが記載されている。その後、
更に、アルミニウムをAlB12粉末成形体の上部に配置す
る。アルミニウム粉末の層間に「挟んだ」AlB12成形体
を装填したルツボを真空炉に入れる。この炉を、約10-5
トールまで排気してガス抜きをする。続いて、温度を11
00℃に上昇し、3時間維持する。これらの条件で、溶融
アルミニウムを多孔性AlB12成形体に浸透させる。
Gazza)等による米国特許第3,864,154号にも、真空を用
いて浸透を行う旨の記載がある。又、この特許には、Al
B12粉末の常温圧縮成形体を常温圧縮アルミニウム粉末
のベッド上に添加することが記載されている。その後、
更に、アルミニウムをAlB12粉末成形体の上部に配置す
る。アルミニウム粉末の層間に「挟んだ」AlB12成形体
を装填したルツボを真空炉に入れる。この炉を、約10-5
トールまで排気してガス抜きをする。続いて、温度を11
00℃に上昇し、3時間維持する。これらの条件で、溶融
アルミニウムを多孔性AlB12成形体に浸透させる。
1968年1月23日に許可されたジョン・エヌ・レッディ
ング(John N.Reding)等による米国特許第3,364,976号
には、物体に自己発生真空を作り出して、溶融金属の物
体への浸透を促進することが開示されている。即ち、物
体、例えば、黒鉛金型、鋼金型又は多孔性耐火材を、溶
融金属に完全に浸すことが開示されている。金型の場
合、金属と反応性のあるガスで満たした金型キャビティ
が、外部に位置する溶融金属と、金型内の少なくとも一
つのオリフィスを介して連通している。金型を溶融液に
浸漬すると、キャビティ内のガスと溶融金属との間の反
応で自己発生真空が生じるとともにキャビティが金属で
満たされていく。この際の真空は、金属が酸化物固体状
態になる結果生じる。従って、レッディング等には、キ
ャビティ内のガスと溶融金属との間の反応を引き起こす
ことが必須であることが開示されている。しかしなが
ら、金型を用いるには本来制限があり、真空を生じさせ
るために金型を使用することは望ましくない。即ち、ま
ず、金型を機械加工して特定の形状にし;その後、仕上
げ機械加工して、金型上に許容できる鋳造表面を形成
し;使用前に組立;使用後に分解して注型品を取り出
し;その後、最も一般的には、金型表面を最仕上げして
金型を再生するか、又はもはや使用できない状態の場合
には金型を捨ててしまう必要がある。金型を複雑な形状
に機械加工するのは、非常にコストがかかるとともに時
間がかかる場合がある。更に、複雑な形状をした金型か
ら成形品を取り出すのも困難のことがある(即ち、複雑
な形状を有する注型品は、金型から取り外すとき壊れる
ことがある)。更に、多孔性耐火材の場合、金型を使用
せずに、直接溶融金属に浸漬できることも述べられてい
るが、容器金型を使用せずに弱く結着されるか又は分離
した多孔性材料に浸透させる手段がないので、耐火材は
一体品でなければならない(即ち、粒状物質は、溶融金
属に入れたときに、一般的に解離するかは浮かんで離れ
てしまう)。更に、粒状物質又は弱く成形したプレフォ
ームに浸透させようとする場合、浸透金属が粒子又はプ
レフォームの少なくとも一部分と置換してしまって不均
一なミクロ構造を生じることのないように注意しなけれ
ばならない。
ング(John N.Reding)等による米国特許第3,364,976号
には、物体に自己発生真空を作り出して、溶融金属の物
体への浸透を促進することが開示されている。即ち、物
体、例えば、黒鉛金型、鋼金型又は多孔性耐火材を、溶
融金属に完全に浸すことが開示されている。金型の場
合、金属と反応性のあるガスで満たした金型キャビティ
が、外部に位置する溶融金属と、金型内の少なくとも一
つのオリフィスを介して連通している。金型を溶融液に
浸漬すると、キャビティ内のガスと溶融金属との間の反
応で自己発生真空が生じるとともにキャビティが金属で
満たされていく。この際の真空は、金属が酸化物固体状
態になる結果生じる。従って、レッディング等には、キ
ャビティ内のガスと溶融金属との間の反応を引き起こす
ことが必須であることが開示されている。しかしなが
ら、金型を用いるには本来制限があり、真空を生じさせ
るために金型を使用することは望ましくない。即ち、ま
ず、金型を機械加工して特定の形状にし;その後、仕上
げ機械加工して、金型上に許容できる鋳造表面を形成
し;使用前に組立;使用後に分解して注型品を取り出
し;その後、最も一般的には、金型表面を最仕上げして
金型を再生するか、又はもはや使用できない状態の場合
には金型を捨ててしまう必要がある。金型を複雑な形状
に機械加工するのは、非常にコストがかかるとともに時
間がかかる場合がある。更に、複雑な形状をした金型か
ら成形品を取り出すのも困難のことがある(即ち、複雑
な形状を有する注型品は、金型から取り外すとき壊れる
ことがある)。更に、多孔性耐火材の場合、金型を使用
せずに、直接溶融金属に浸漬できることも述べられてい
るが、容器金型を使用せずに弱く結着されるか又は分離
した多孔性材料に浸透させる手段がないので、耐火材は
一体品でなければならない(即ち、粒状物質は、溶融金
属に入れたときに、一般的に解離するかは浮かんで離れ
てしまう)。更に、粒状物質又は弱く成形したプレフォ
ームに浸透させようとする場合、浸透金属が粒子又はプ
レフォームの少なくとも一部分と置換してしまって不均
一なミクロ構造を生じることのないように注意しなけれ
ばならない。
従って、圧力を加えたり真空にしたり(外部から印加
するか、内部で生じさせるかとは無関係に)する必要の
ないか、又は湿潤材を損傷しないで、セラミック材料等
の別の材料を埋め込んだ金属マトリックスを生成する、
賦形金属マトリックス複合体を製造するための簡単で信
頼性のある方法が長年求められていた。更に、金属マト
リックス複合体を製造するのに要する最終的な機械加工
操作を最少限にすることも長年求められていた。本発明
は、処理の少なくともある時点で浸透増進剤が存在する
限り、標準大気圧下の浸透雰囲気(例えば、窒素)の存
在下において、プレフォームに成形できる材料(例え
ば、セラミック材料)に溶融マトリックス金属(例え
ば、アルミニウム)を、浸透させるための自発的浸透機
構を提供することによりこれらの必要性を満たすもので
ある。
するか、内部で生じさせるかとは無関係に)する必要の
ないか、又は湿潤材を損傷しないで、セラミック材料等
の別の材料を埋め込んだ金属マトリックスを生成する、
賦形金属マトリックス複合体を製造するための簡単で信
頼性のある方法が長年求められていた。更に、金属マト
リックス複合体を製造するのに要する最終的な機械加工
操作を最少限にすることも長年求められていた。本発明
は、処理の少なくともある時点で浸透増進剤が存在する
限り、標準大気圧下の浸透雰囲気(例えば、窒素)の存
在下において、プレフォームに成形できる材料(例え
ば、セラミック材料)に溶融マトリックス金属(例え
ば、アルミニウム)を、浸透させるための自発的浸透機
構を提供することによりこれらの必要性を満たすもので
ある。
本発明の主題は、他のいくつかの本出願人による米国
特許出願及び日本出願に関連している。具体的には、こ
れらの他の特許出願(以下、しばしば、「同一出願人に
よる金属マトリックス特許出願」と称する)には、金属
マトリックス複合材料を製造する新規な方法が記載され
ている。
特許出願及び日本出願に関連している。具体的には、こ
れらの他の特許出願(以下、しばしば、「同一出願人に
よる金属マトリックス特許出願」と称する)には、金属
マトリックス複合材料を製造する新規な方法が記載され
ている。
金属マトリックス複合材料を製造する新規な方法は、
「メタル マトリックス コンポジッツ(Metal Matrix
Composites)」と題する1987年5月13日出願の本出願
人による米国特許第049,171号〔発明者:ホワイト(Whi
te)等〕及び昭和63年5月15日に出願された特願昭63-1
18032号に開示されている。ホワイト等の発明の方法に
よれば、金属マトリックス複合体は、充填材の通気性素
材(例えば、セラミック又はセラミック被覆材料)に、
少なくとも約1重量%のマグネシウム、好ましくは少な
くとも約3重量%のマグネシウムを含有する溶融アルミ
ニウムを浸透させることにより製造される。この際、外
部圧力又は真空を印加しなくても、自発的に浸透が起き
る。供給溶融金属と充填材の素材とを、約10〜100体積
%、好ましくは少なくとも約50体積%の窒素を含有する
とともに残り(存在すれば)が非酸化性ガス(例えば、
アルゴン)であるガスの存在下において、少なくとも約
675℃の温度で接触させる。これらの条件下で、溶融ア
ルミニウム合金が標準大気圧下でセラミック素材に浸透
して、アルミニウム(又はアルミニウム合金)マトリッ
クス複合体が形成される。所望量の充填材に溶融アルミ
ニウム合金を浸透させたら、温度を低下させて合金を固
化することにより、強化充填材を埋め込んだ固形金属マ
トリックス構造を形成する。通常及び好ましくは、送り
出される溶融金属の供給量は、実質的に充填材の素材の
境界まで浸透するに十分な量である。ホワイト等により
製造されるアルミニウムマトリックス複合体中の充填材
の量は、非常に高くすることができる。即ち、合金に対
する充填材の体積比が1:1を超えるものを得ることがで
きる。
「メタル マトリックス コンポジッツ(Metal Matrix
Composites)」と題する1987年5月13日出願の本出願
人による米国特許第049,171号〔発明者:ホワイト(Whi
te)等〕及び昭和63年5月15日に出願された特願昭63-1
18032号に開示されている。ホワイト等の発明の方法に
よれば、金属マトリックス複合体は、充填材の通気性素
材(例えば、セラミック又はセラミック被覆材料)に、
少なくとも約1重量%のマグネシウム、好ましくは少な
くとも約3重量%のマグネシウムを含有する溶融アルミ
ニウムを浸透させることにより製造される。この際、外
部圧力又は真空を印加しなくても、自発的に浸透が起き
る。供給溶融金属と充填材の素材とを、約10〜100体積
%、好ましくは少なくとも約50体積%の窒素を含有する
とともに残り(存在すれば)が非酸化性ガス(例えば、
アルゴン)であるガスの存在下において、少なくとも約
675℃の温度で接触させる。これらの条件下で、溶融ア
ルミニウム合金が標準大気圧下でセラミック素材に浸透
して、アルミニウム(又はアルミニウム合金)マトリッ
クス複合体が形成される。所望量の充填材に溶融アルミ
ニウム合金を浸透させたら、温度を低下させて合金を固
化することにより、強化充填材を埋め込んだ固形金属マ
トリックス構造を形成する。通常及び好ましくは、送り
出される溶融金属の供給量は、実質的に充填材の素材の
境界まで浸透するに十分な量である。ホワイト等により
製造されるアルミニウムマトリックス複合体中の充填材
の量は、非常に高くすることができる。即ち、合金に対
する充填材の体積比が1:1を超えるものを得ることがで
きる。
前記したホワイト等の発明におけるプロセス条件下で
は、アルミニウムマトリックス全体に分散した形態で、
窒化アルミニウムの不連続相を形成することができる。
アルミニウムマトリックスにおける窒化物の量は、温
度、合金組成、ガス組成及び充填材等の因子によって異
なっていてもよい。従って、系におけるこのような因子
の一つ以上を制御することにより、複合体の一定の性質
を所望のものに合わせることができる。しかしながら、
ある最終用途の場合、複合体が窒化アルミニウムをほと
んど含有しないことが望ましい場合がある。
は、アルミニウムマトリックス全体に分散した形態で、
窒化アルミニウムの不連続相を形成することができる。
アルミニウムマトリックスにおける窒化物の量は、温
度、合金組成、ガス組成及び充填材等の因子によって異
なっていてもよい。従って、系におけるこのような因子
の一つ以上を制御することにより、複合体の一定の性質
を所望のものに合わせることができる。しかしながら、
ある最終用途の場合、複合体が窒化アルミニウムをほと
んど含有しないことが望ましい場合がある。
温度が高いほど浸透には有利であるが、このプロセス
により窒化物が生成しやすくなる。ホワイト等の発明で
は、浸透速度と窒化物生成との間のバランスをとること
ができる。
により窒化物が生成しやすくなる。ホワイト等の発明で
は、浸透速度と窒化物生成との間のバランスをとること
ができる。
金属マトリックス複合体生成に使用するのに適当なバ
リヤー手段の例が、「メソッド オブ メーキング メ
タル マトリックス コンポジット ウイズ ザ ユー
ス オブ ア バリヤー(Method of Making Metal Mat
rix Composite with the Use of a Barrier)」と題す
る1988年1月7日出願の本出願人による米国特許出願第
141,642号〔発明者:ミカエル・ケー・アグハジァニア
ン(Michael K.Aghajanian)等〕及び昭和64年1月6日
に出願された特願昭64-1130号に開示されている。アグ
ハジァニアン等の発明の方法によれば、バリヤー手段
〔例えば、粒状二硼化チタン又は商品名がグラフォイル
(商標)であるユニオンカーバイド社製の軟質黒鉛テー
プ製品等の黒鉛材料〕が、充填材とマトリックス合金の
規定された表面境界に配置され、バリヤー手段により形
成される境界まで浸透する。このバリヤー手段は、溶融
合金の浸透を阻止、防止又は終了させるのに用いられ、
得られた金属マトリックス複合体中に網又は網に近い形
状を形成する。従って、形成した金属マトリックス複合
体の外形は、バリヤー手段の内部形状と実質的に一致す
る。
リヤー手段の例が、「メソッド オブ メーキング メ
タル マトリックス コンポジット ウイズ ザ ユー
ス オブ ア バリヤー(Method of Making Metal Mat
rix Composite with the Use of a Barrier)」と題す
る1988年1月7日出願の本出願人による米国特許出願第
141,642号〔発明者:ミカエル・ケー・アグハジァニア
ン(Michael K.Aghajanian)等〕及び昭和64年1月6日
に出願された特願昭64-1130号に開示されている。アグ
ハジァニアン等の発明の方法によれば、バリヤー手段
〔例えば、粒状二硼化チタン又は商品名がグラフォイル
(商標)であるユニオンカーバイド社製の軟質黒鉛テー
プ製品等の黒鉛材料〕が、充填材とマトリックス合金の
規定された表面境界に配置され、バリヤー手段により形
成される境界まで浸透する。このバリヤー手段は、溶融
合金の浸透を阻止、防止又は終了させるのに用いられ、
得られた金属マトリックス複合体中に網又は網に近い形
状を形成する。従って、形成した金属マトリックス複合
体の外形は、バリヤー手段の内部形状と実質的に一致す
る。
米国特許出願第049,171号及び特願昭63-118032号に記
載の方法は、「メタル マトリックス コンポジッツ
アンド テクニクス フォー メーキング ザ セイム
(Metal Matrix Composites and Techniques for Makin
g the Same)」と題する1988年3月15日出願の本出願人
による米国特許出願第168,284号〔発明者:ミカエル・
ケー・アグハジァニアン(Michael K.Aghajanian)及び
マーク・エス・ニューカーク(Mark S.Newkirk)〕及び
平成元年3月15日に出願された特願平1-63411号によっ
て改善された。この米国特許出願に開示された方法によ
れば、マトリックス金属合金は、第一金属源及び、例え
ば、重力流れにより第一溶融金属源と連通するマトリッ
クス金属合金の溜として存在する。特に、これらの特許
出願に記載されている条件下では、第一溶融マトリック
ス合金が、標準大気圧下、充填材の素材に浸透し始め、
従って、金属マトリックス複合体の生成が始まる。第一
溶融マトリックス金属合金源は、充填材の素材への浸透
中に消費され、自発浸透の継続とともに、必要に応じ
て、好ましくは連続的な手段により、溶融マトリックス
金属の溜から補充することができる。所望量の通気性充
填材に溶融マトリックス合金が自発浸透したら、温度を
低下させて合金を固化することにより、強化充填材を埋
め込んだ固形金属マトリックスを形成する。金属の溜を
使用することは、この特許出願に記載されている発明の
一実施態様にすぎず、溜の実施態様を、開示されている
発明の別の各実施態様と組み合わせる必要はないが、実
施態様の中には、本発明と組み合わせて使用するのが有
益な場合もある。
載の方法は、「メタル マトリックス コンポジッツ
アンド テクニクス フォー メーキング ザ セイム
(Metal Matrix Composites and Techniques for Makin
g the Same)」と題する1988年3月15日出願の本出願人
による米国特許出願第168,284号〔発明者:ミカエル・
ケー・アグハジァニアン(Michael K.Aghajanian)及び
マーク・エス・ニューカーク(Mark S.Newkirk)〕及び
平成元年3月15日に出願された特願平1-63411号によっ
て改善された。この米国特許出願に開示された方法によ
れば、マトリックス金属合金は、第一金属源及び、例え
ば、重力流れにより第一溶融金属源と連通するマトリッ
クス金属合金の溜として存在する。特に、これらの特許
出願に記載されている条件下では、第一溶融マトリック
ス合金が、標準大気圧下、充填材の素材に浸透し始め、
従って、金属マトリックス複合体の生成が始まる。第一
溶融マトリックス金属合金源は、充填材の素材への浸透
中に消費され、自発浸透の継続とともに、必要に応じ
て、好ましくは連続的な手段により、溶融マトリックス
金属の溜から補充することができる。所望量の通気性充
填材に溶融マトリックス合金が自発浸透したら、温度を
低下させて合金を固化することにより、強化充填材を埋
め込んだ固形金属マトリックスを形成する。金属の溜を
使用することは、この特許出願に記載されている発明の
一実施態様にすぎず、溜の実施態様を、開示されている
発明の別の各実施態様と組み合わせる必要はないが、実
施態様の中には、本発明と組み合わせて使用するのが有
益な場合もある。
金属の溜は、所定の程度まで充填材の通気性素材に浸
透するに十分な量の金属を提供する量で存在することが
できる。又、任意のバリヤー手段を、充填材の通気性素
材の少なくとも一方の表面に接触させて、表面境界を形
成することができる。
透するに十分な量の金属を提供する量で存在することが
できる。又、任意のバリヤー手段を、充填材の通気性素
材の少なくとも一方の表面に接触させて、表面境界を形
成することができる。
更に、送り出す溶融マトリックス合金の供給量は、少
なくとも、充填材の通気性素材の境界(例えば、バリヤ
ー)まで実質的に自発浸透するに十分な量でなければな
らないが、溜に存在する合金の量は、このような十分な
量を超えてもよく、合金量が完全浸透に十分な量である
ばかりでなく、過剰の溶融金属合金が残存して金属マト
リックス複合体に固定してもよい。従って、過剰の溶融
合金が存在するとき、得られる物体は、金属マトリック
スを浸透させたセラミック物体が溜に残存している過剰
の金属に直接結合している複雑な複合体(例えば、マク
ロ複合体)である。
なくとも、充填材の通気性素材の境界(例えば、バリヤ
ー)まで実質的に自発浸透するに十分な量でなければな
らないが、溜に存在する合金の量は、このような十分な
量を超えてもよく、合金量が完全浸透に十分な量である
ばかりでなく、過剰の溶融金属合金が残存して金属マト
リックス複合体に固定してもよい。従って、過剰の溶融
合金が存在するとき、得られる物体は、金属マトリック
スを浸透させたセラミック物体が溜に残存している過剰
の金属に直接結合している複雑な複合体(例えば、マク
ロ複合体)である。
上記した本出願人による金属マトリックスに関する特
許出願には、金属マトリックス複合体の製造方法及び該
方法から製造される新規な金属マトリックス複合体が記
載されている。前記した本出願人による金属マトリック
スに関する特許出願の全ての開示事項は、特に本発明に
利用できる。
許出願には、金属マトリックス複合体の製造方法及び該
方法から製造される新規な金属マトリックス複合体が記
載されている。前記した本出願人による金属マトリック
スに関する特許出願の全ての開示事項は、特に本発明に
利用できる。
本発明によれば、金属マトリックス複合材を形成する
方法であって、下記の工程: 非反応性の充填材(1)と該充填材に隣接したマトリ
ックス金属源(2)を用意し、 前記マトリックス金属の融点よりも高い温度でかつ浸
透増進剤又は浸透増進剤前駆体の少なくとも一方(3)
及び浸透雰囲気の存在において、当該プロセスの間の少
なくともある時点で、前記充填材の少なくとも一部分に
前記マトリックス金属の溶融物を自発的に浸透させ、そ
して 前記マトリックス金属の溶融物の自発浸透後の充填材
に対して追加のマトリックス金属を供給し、よって、も
との自発浸透された充填材よりも充填材の体積分率が低
い、充填材とマトリックス金属の懸濁物を形成するこ
と、 を含んでなることを特徴とする金属マトリックス複合
材の形成方法が提供される。
方法であって、下記の工程: 非反応性の充填材(1)と該充填材に隣接したマトリ
ックス金属源(2)を用意し、 前記マトリックス金属の融点よりも高い温度でかつ浸
透増進剤又は浸透増進剤前駆体の少なくとも一方(3)
及び浸透雰囲気の存在において、当該プロセスの間の少
なくともある時点で、前記充填材の少なくとも一部分に
前記マトリックス金属の溶融物を自発的に浸透させ、そ
して 前記マトリックス金属の溶融物の自発浸透後の充填材
に対して追加のマトリックス金属を供給し、よって、も
との自発浸透された充填材よりも充填材の体積分率が低
い、充填材とマトリックス金属の懸濁物を形成するこ
と、 を含んでなることを特徴とする金属マトリックス複合
材の形成方法が提供される。
また、本発明によれば、金属マトリックス複合体を形
成する方法であって、下記の工程: 非反応性の充填材の通気性素材を形成し、 前記充填材に隣接した溶融マトリックス金属源を用意
し、 浸透雰囲気を、当該プロセスの間の少なくともある時
点で、かつ浸透増進剤及び浸透増進剤前駆体の少なくと
も一方を用意して、前記充填材の通気性素材に前記溶融
マトリックス金属を自発的に浸透させ、 前記充填材の通気性素材への前記溶融マトリックス金
属の浸透を、より高充填率の金属マトリックス複合体を
形成するのに望ましい程度まで実施し、 任意に、前記の高充填率の金属マトリックス複合体を
冷却し、 前記の高充填率の金属マトリックス複合体及び添加さ
れた第2のマトリックス金属を、前記の高充填率の金属
マトリックス複合体及び第2のマトリックス金属のそれ
ぞれの液化温度であるかもしくはそれよりも高い温度に
加熱して、溶融懸濁者を形成し、 前記溶融懸濁物を混合して、前記充填材を前記溶融懸
濁物中に分散させ、 型であってその内部に有形のキャビティを有するもの
を用意し、 前記溶融懸濁物を前記の型内の前記有形キャビティ中
に注入し、そして 前記懸濁物を冷却して有形の金属マトリックス複合体
を形成すること、 を含んでなることを特徴とする金属マトリックス複合
体の形成方法も提供される。
成する方法であって、下記の工程: 非反応性の充填材の通気性素材を形成し、 前記充填材に隣接した溶融マトリックス金属源を用意
し、 浸透雰囲気を、当該プロセスの間の少なくともある時
点で、かつ浸透増進剤及び浸透増進剤前駆体の少なくと
も一方を用意して、前記充填材の通気性素材に前記溶融
マトリックス金属を自発的に浸透させ、 前記充填材の通気性素材への前記溶融マトリックス金
属の浸透を、より高充填率の金属マトリックス複合体を
形成するのに望ましい程度まで実施し、 任意に、前記の高充填率の金属マトリックス複合体を
冷却し、 前記の高充填率の金属マトリックス複合体及び添加さ
れた第2のマトリックス金属を、前記の高充填率の金属
マトリックス複合体及び第2のマトリックス金属のそれ
ぞれの液化温度であるかもしくはそれよりも高い温度に
加熱して、溶融懸濁者を形成し、 前記溶融懸濁物を混合して、前記充填材を前記溶融懸
濁物中に分散させ、 型であってその内部に有形のキャビティを有するもの
を用意し、 前記溶融懸濁物を前記の型内の前記有形キャビティ中
に注入し、そして 前記懸濁物を冷却して有形の金属マトリックス複合体
を形成すること、 を含んでなることを特徴とする金属マトリックス複合
体の形成方法も提供される。
金属マトリックス複合体は、充填材の通気性素材をマ
トリックス金属で自発浸透させることにより製造され
る。詳細には、前記のプロセスの少なくともある時点
で、浸透増進剤及び/又は浸透増進剤前駆体及び/又は
浸透雰囲気が充填材と連通して、それにより、溶融マト
リックス金属が充填材に自発的に浸透する。実質的に完
全な浸透が得られた後に、充填材を既に浸透したマトリ
ックス金属と同じ組成、類似の組成又は異なる組成の、
追加のマトリックス金属(本明細書においては屡々第二
マトリックス金属と記載する)が、その後、浸透された
充填材に添加されて(例えば、好ましい実施態様におい
て、浸透された充填材と物理的に混合されて)、充填材
及びマトリックス金属の懸濁物を生じる。このような懸
濁物は、マトリックス金属に対して充填材の、より低い
充填を有する。別の実施態様において、過剰のマトリッ
クス金属が与えられ、これは、自発浸透が完結した後
に、未浸透の溶融金属として残る、過剰のマトリックス
金属は、その後、浸透された充填材の中で攪拌又は混合
されて、もとの自発浸透された充填材よりも低い粒子の
充填を有する充填材とマトリックス金属との懸濁物を生
成する。
トリックス金属で自発浸透させることにより製造され
る。詳細には、前記のプロセスの少なくともある時点
で、浸透増進剤及び/又は浸透増進剤前駆体及び/又は
浸透雰囲気が充填材と連通して、それにより、溶融マト
リックス金属が充填材に自発的に浸透する。実質的に完
全な浸透が得られた後に、充填材を既に浸透したマトリ
ックス金属と同じ組成、類似の組成又は異なる組成の、
追加のマトリックス金属(本明細書においては屡々第二
マトリックス金属と記載する)が、その後、浸透された
充填材に添加されて(例えば、好ましい実施態様におい
て、浸透された充填材と物理的に混合されて)、充填材
及びマトリックス金属の懸濁物を生じる。このような懸
濁物は、マトリックス金属に対して充填材の、より低い
充填を有する。別の実施態様において、過剰のマトリッ
クス金属が与えられ、これは、自発浸透が完結した後
に、未浸透の溶融金属として残る、過剰のマトリックス
金属は、その後、浸透された充填材の中で攪拌又は混合
されて、もとの自発浸透された充填材よりも低い粒子の
充填を有する充填材とマトリックス金属との懸濁物を生
成する。
別の実施態様において、自発浸透された金属マトリッ
クス複合体は浸透が完結した後に冷却させることができ
る。その後、複合体は、その液化温度に再加熱すること
ができ、第二マトリックス金属、即ち追加のマトリック
ス金属が、それと混合し得る。
クス複合体は浸透が完結した後に冷却させることができ
る。その後、複合体は、その液化温度に再加熱すること
ができ、第二マトリックス金属、即ち追加のマトリック
ス金属が、それと混合し得る。
好ましい実施態様において、浸透増進剤前駆体がマト
リックス金属及び充填材の少なくとも一つ又は両方に供
給されてもよい。充填材、マトリックス金属、浸透増進
剤前駆体の供給及び浸透雰囲気の組合せは、マトリック
ス金属を充填材に自発浸透させる。
リックス金属及び充填材の少なくとも一つ又は両方に供
給されてもよい。充填材、マトリックス金属、浸透増進
剤前駆体の供給及び浸透雰囲気の組合せは、マトリック
ス金属を充填材に自発浸透させる。
更に、浸透増進材前駆体を供給するのに代えて、浸透
増進剤が充填材、及び/又はマトリックス金属、及び/
又は浸透雰囲気のうち少なくとも一つに直接供給されて
もよい。最終的には、少なくとも自発浸透中に、浸透増
進剤が充填材の少なくとも一部中に配置されるべきであ
る。
増進剤が充填材、及び/又はマトリックス金属、及び/
又は浸透雰囲気のうち少なくとも一つに直接供給されて
もよい。最終的には、少なくとも自発浸透中に、浸透増
進剤が充填材の少なくとも一部中に配置されるべきであ
る。
追加のマトリックス金属の物理的混合は、機械的攪拌
手段、超音波攪拌手段、振動手段、手による攪拌によ
り、あるいは浸透された充填材を追加のマトリックス金
属と混合するのに適したその他の手段により、達成し得
る。
手段、超音波攪拌手段、振動手段、手による攪拌によ
り、あるいは浸透された充填材を追加のマトリックス金
属と混合するのに適したその他の手段により、達成し得
る。
更には、本明細書において既に説明したように、第二
マトリックス金属、即ち追加のマトリックス金属は、充
填材を浸透したマトリックス金属と同様、又は全く異な
る組成をもつことができる。異なる第二マトリックス金
属を使用する場合、充填材を浸透した第一マトリックス
金属が第二マトリックス金属と少なくとも部分的に混和
性であって、第一マトリックス金属及び第二マトリック
ス金属の合金形成及び/又は第一マトリックス金属及び
第二マトリックス金属の金属間化合物の形成を生じるこ
とが好ましい。第二マトリックス金属が、充填材を浸透
した第一マトリックス金属と実質的に類似するか、又は
同じであるときは、二つのマトリックス金属は全く容易
に混合するようである。
マトリックス金属、即ち追加のマトリックス金属は、充
填材を浸透したマトリックス金属と同様、又は全く異な
る組成をもつことができる。異なる第二マトリックス金
属を使用する場合、充填材を浸透した第一マトリックス
金属が第二マトリックス金属と少なくとも部分的に混和
性であって、第一マトリックス金属及び第二マトリック
ス金属の合金形成及び/又は第一マトリックス金属及び
第二マトリックス金属の金属間化合物の形成を生じるこ
とが好ましい。第二マトリックス金属が、充填材を浸透
した第一マトリックス金属と実質的に類似するか、又は
同じであるときは、二つのマトリックス金属は全く容易
に混合するようである。
第一マトリックス金属と第二マトリックス金属の所望
の混合が達成された後、浸透された充填材並びに第一及
び第二のマトリックス金属の懸濁物が、その場で、又は
所望により混合室中で、冷却させることができる。冷却
混合物は、その後、懸濁物中のマトリックス金属の液化
温度以上の温度に再加熱でき、その後所望の鋳型中に注
入される。又、混合物が所望の最終形状に一致する鋳型
中に含まれる場合、混合物は単に冷却させることがで
き、その後鋳型から取り出すことができる。更に、混合
物は溶融状態に保つことができ、ついで、製造される最
終の金属マトリックス複合体に一致するか、又は連続処
理のためのある種の中間形状(例えば、インゴット)に
一致する、所望の鋳型中に注入し得る。
の混合が達成された後、浸透された充填材並びに第一及
び第二のマトリックス金属の懸濁物が、その場で、又は
所望により混合室中で、冷却させることができる。冷却
混合物は、その後、懸濁物中のマトリックス金属の液化
温度以上の温度に再加熱でき、その後所望の鋳型中に注
入される。又、混合物が所望の最終形状に一致する鋳型
中に含まれる場合、混合物は単に冷却させることがで
き、その後鋳型から取り出すことができる。更に、混合
物は溶融状態に保つことができ、ついで、製造される最
終の金属マトリックス複合体に一致するか、又は連続処
理のためのある種の中間形状(例えば、インゴット)に
一致する、所望の鋳型中に注入し得る。
第一及び第二のマトリックス金属の両方を含む、得ら
れた金属マトリックス複合体は、第二マトリックス金属
をその中に含まない金属マトリックス複合体に対して、
充填材の、より低い体積分率を有する。従って、本発明
は充填材の、より低い体積分率を有する金属マトリック
ス複合体の製造方法を提供する。このような充填材の低
い体積分率は、充填材が示し得る最大量の多孔度が最小
充填密度、プレフォーム強度、等の如き考慮事項により
制限されるので、非常に多孔質の充填材を自発浸透する
ことによっては、典型的には、効果的に達成し得ない。
れた金属マトリックス複合体は、第二マトリックス金属
をその中に含まない金属マトリックス複合体に対して、
充填材の、より低い体積分率を有する。従って、本発明
は充填材の、より低い体積分率を有する金属マトリック
ス複合体の製造方法を提供する。このような充填材の低
い体積分率は、充填材が示し得る最大量の多孔度が最小
充填密度、プレフォーム強度、等の如き考慮事項により
制限されるので、非常に多孔質の充填材を自発浸透する
ことによっては、典型的には、効果的に達成し得ない。
この出願では、金属マトリックス複合体の形成中のあ
る時点で、浸透雰囲気として作用する窒素の存在下で、
浸透増進剤前駆体として作用するマグネシウムと接触さ
れるアルミニウムマトリックス金属を主として説明する
ことが特記事項である。こうして、アルミニウム/マグ
ネシウム/窒素のマトリックス金属/浸透増進剤前駆体
/浸透雰囲気の系が自発浸透を示す。しかしながら、ま
たその他のマトリックス金属/浸透増進剤前駆体/浸透
雰囲気の系が、アルミニウム/マグネシウム/窒素の系
と同様に挙動し得る。例えば、同様の自発浸透挙動が、
アルミニウム/ストロンチウム/窒素の系;アルミニウ
ム/亜鉛/酸素の系;及びアルミニウム/カルシウム/
窒素の系で観察された。それ故、アルミニウム/マグネ
シウム/窒素の系が本明細書中で主として説明される
が、その他のマトリックス金属/浸透増進剤前駆体/浸
透雰囲気の系が、同様に挙動し得ることが理解されるべ
きである。
る時点で、浸透雰囲気として作用する窒素の存在下で、
浸透増進剤前駆体として作用するマグネシウムと接触さ
れるアルミニウムマトリックス金属を主として説明する
ことが特記事項である。こうして、アルミニウム/マグ
ネシウム/窒素のマトリックス金属/浸透増進剤前駆体
/浸透雰囲気の系が自発浸透を示す。しかしながら、ま
たその他のマトリックス金属/浸透増進剤前駆体/浸透
雰囲気の系が、アルミニウム/マグネシウム/窒素の系
と同様に挙動し得る。例えば、同様の自発浸透挙動が、
アルミニウム/ストロンチウム/窒素の系;アルミニウ
ム/亜鉛/酸素の系;及びアルミニウム/カルシウム/
窒素の系で観察された。それ故、アルミニウム/マグネ
シウム/窒素の系が本明細書中で主として説明される
が、その他のマトリックス金属/浸透増進剤前駆体/浸
透雰囲気の系が、同様に挙動し得ることが理解されるべ
きである。
マトリックス金属がアルミニウム合金を含む場合、ア
ルミニウム合金は充填材(例えば、アルミナ粒子又は炭
化珪素粒子)と接触される。本発明の一つの実施態様に
おいて、充填材はそれと混合したか、あるいは、プロセ
スのある時点で、浸透増進剤前駆体としてのマグネシウ
ムに暴露される。アルミニウム合金及び/又は充填材
は、方法のある時点で、そしてこの好ましい実施態様に
おいては、方法の実質的に全て中に、窒素雰囲気に暴露
される。別の実施態様においては、充填材、及び/又は
アルミニウム合金、及び/又は窒素浸透雰囲気は、浸透
増進剤として窒化マグネシウムを含む。各実施態様にお
いて、充填材は、マトリックス金属により自発的に浸透
され、自発浸透及び金属マトリックスの形成の程度又は
速度は、例えば、系(例えば、アルミニウム合金中、及
び/又は充填材中、及び/又は浸透雰囲気中)に与えら
れるマグネシウムの濃度、充填材を含む粒子の大きさ及
び/又は組成、浸透雰囲気中の窒素の濃度、浸透に要す
る時間、及び/又は浸透が起こる温度を含む、プロセス
条件の所定の組合せにより変化する。自発浸透は、典型
的には、充填材を実質的に完全に押込むのに十分な程度
で生じる。
ルミニウム合金は充填材(例えば、アルミナ粒子又は炭
化珪素粒子)と接触される。本発明の一つの実施態様に
おいて、充填材はそれと混合したか、あるいは、プロセ
スのある時点で、浸透増進剤前駆体としてのマグネシウ
ムに暴露される。アルミニウム合金及び/又は充填材
は、方法のある時点で、そしてこの好ましい実施態様に
おいては、方法の実質的に全て中に、窒素雰囲気に暴露
される。別の実施態様においては、充填材、及び/又は
アルミニウム合金、及び/又は窒素浸透雰囲気は、浸透
増進剤として窒化マグネシウムを含む。各実施態様にお
いて、充填材は、マトリックス金属により自発的に浸透
され、自発浸透及び金属マトリックスの形成の程度又は
速度は、例えば、系(例えば、アルミニウム合金中、及
び/又は充填材中、及び/又は浸透雰囲気中)に与えら
れるマグネシウムの濃度、充填材を含む粒子の大きさ及
び/又は組成、浸透雰囲気中の窒素の濃度、浸透に要す
る時間、及び/又は浸透が起こる温度を含む、プロセス
条件の所定の組合せにより変化する。自発浸透は、典型
的には、充填材を実質的に完全に押込むのに十分な程度
で生じる。
定義 本明細書で使用する「アルミニウム」とは、実質的に
純粋な金属(例えば、比較的純粋で市販されている未合
金化アルミニウム)又は不純物及び/若しくは鉄、珪
素、銅、マグネシウム、マンガン、クロム、亜鉛等の合
金成分を有する市販の金属等の他のグレードの金属及び
金属合金を意味するとともにそれらを含む。この定義で
用いているアルミニウム合金は、アルミニウムが主成分
である合金又は金属間化合物である。
純粋な金属(例えば、比較的純粋で市販されている未合
金化アルミニウム)又は不純物及び/若しくは鉄、珪
素、銅、マグネシウム、マンガン、クロム、亜鉛等の合
金成分を有する市販の金属等の他のグレードの金属及び
金属合金を意味するとともにそれらを含む。この定義で
用いているアルミニウム合金は、アルミニウムが主成分
である合金又は金属間化合物である。
本明細書で使用する「残部(バランス)非酸化性ガ
ス」とは、浸透雰囲気を成す主要ガスの他に存在するガ
スで、フロセス条件下でマトリックス金属と実質的に反
応しない不活性ガス又は還元性ガスであることを意味す
る。使用されるガス中の不純物として存在してもよい酸
化性ガスで、プロセス条件下でかなりの程度までマトリ
ックス金属を酸化するには不十分でなければならない。
ス」とは、浸透雰囲気を成す主要ガスの他に存在するガ
スで、フロセス条件下でマトリックス金属と実質的に反
応しない不活性ガス又は還元性ガスであることを意味す
る。使用されるガス中の不純物として存在してもよい酸
化性ガスで、プロセス条件下でかなりの程度までマトリ
ックス金属を酸化するには不十分でなければならない。
本明細書で使用する「バリヤー」又は「バリヤー手
段」とは、充填材の通気性素材(permeable mass)又は
プレフォームの表面境界を超えて溶融マトリックス金属
が移動、動き等をするのを妨げ、妨害、防止又は終了さ
せるいずれかの適当な手段を意味する。この場合、表面
境界は、前記バリヤー手段により形成されている。適当
なバリヤー手段としては、プロセス条件下で、ある程度
の一体性を維持し且つ実質的に揮発しない(即ち、バリ
ヤー材はバリヤーとして機能しないほどには揮発しな
い)材料、化合物、要素、組成物等を挙げることができ
る。
段」とは、充填材の通気性素材(permeable mass)又は
プレフォームの表面境界を超えて溶融マトリックス金属
が移動、動き等をするのを妨げ、妨害、防止又は終了さ
せるいずれかの適当な手段を意味する。この場合、表面
境界は、前記バリヤー手段により形成されている。適当
なバリヤー手段としては、プロセス条件下で、ある程度
の一体性を維持し且つ実質的に揮発しない(即ち、バリ
ヤー材はバリヤーとして機能しないほどには揮発しな
い)材料、化合物、要素、組成物等を挙げることができ
る。
更に、適当な「バリヤー手段」としては、用いられる
プロセス条件下で、移動する溶融マトリックス金属で実
質的に湿潤しない材料が挙げられる。この種のバリヤー
は、溶融マトリックス金属に対しては実質的に何ら親和
性を示さないと思われ、充填材の素材又はプレフォーム
限定された表面境界を超えて溶融マトリックス金属が移
動するのがバリヤー手段によって妨げられる。このバリ
ヤーは、必要とされるかもしれない最終的な機械加工又
は研磨を減らし、得られる金属マトリックス複合体製品
の表面の少なくとも一部分を形成する。このバリヤー
は、ある場合には、通気性若しくは多孔性又は、例え
ば、孔をあけるか若しくはバリヤーに穴をあけることに
より通気性にして、ガスを溶融マトリックス金属に接触
させてもよい。
プロセス条件下で、移動する溶融マトリックス金属で実
質的に湿潤しない材料が挙げられる。この種のバリヤー
は、溶融マトリックス金属に対しては実質的に何ら親和
性を示さないと思われ、充填材の素材又はプレフォーム
限定された表面境界を超えて溶融マトリックス金属が移
動するのがバリヤー手段によって妨げられる。このバリ
ヤーは、必要とされるかもしれない最終的な機械加工又
は研磨を減らし、得られる金属マトリックス複合体製品
の表面の少なくとも一部分を形成する。このバリヤー
は、ある場合には、通気性若しくは多孔性又は、例え
ば、孔をあけるか若しくはバリヤーに穴をあけることに
より通気性にして、ガスを溶融マトリックス金属に接触
させてもよい。
本明細書で使用する「カーカス(carcass)」又は
「マトリックス金属のカーカス」とは、金属マトリック
ス複合体物体の形成中に消費されなかった残存している
マトリックス金属の最初の物体を意味し、一般的には、
冷却すると、形成された金属マトリックス複合体と少な
くとも部分的に接触したままの状態を維持する。又、カ
ーカスは、第二又は外来金属も含んでいてもよい。
「マトリックス金属のカーカス」とは、金属マトリック
ス複合体物体の形成中に消費されなかった残存している
マトリックス金属の最初の物体を意味し、一般的には、
冷却すると、形成された金属マトリックス複合体と少な
くとも部分的に接触したままの状態を維持する。又、カ
ーカスは、第二又は外来金属も含んでいてもよい。
本明細書で使用する「充填材」とは、マトリックス金
属と実質的に反応せず及び/又はマトリックス金属への
溶解度が限られている単一成分又は成分の混合物が含ま
れ、単相又は複相であってもよい。充填材は、粉末、フ
レーク、板状、小球体、ウイスカー、バブル等の多種多
様の形態で使用でき、緻密でも多孔でもよい。又、「充
填材」は、繊維、チョップトファイバー、粒体、ウイス
カー、バブル、球体、繊維マット等の形態のアルミナ又
はシリコンカーバイド等のセラミック充填材並びに炭素
が、例えば、溶融アルミニウム母材金属によって侵食さ
れるのを防止するためにアルミナ若しくは炭化珪素で被
覆した炭素繊維等のセラミック被覆充填材でもよい。
又、充填材は金属でもよい。
属と実質的に反応せず及び/又はマトリックス金属への
溶解度が限られている単一成分又は成分の混合物が含ま
れ、単相又は複相であってもよい。充填材は、粉末、フ
レーク、板状、小球体、ウイスカー、バブル等の多種多
様の形態で使用でき、緻密でも多孔でもよい。又、「充
填材」は、繊維、チョップトファイバー、粒体、ウイス
カー、バブル、球体、繊維マット等の形態のアルミナ又
はシリコンカーバイド等のセラミック充填材並びに炭素
が、例えば、溶融アルミニウム母材金属によって侵食さ
れるのを防止するためにアルミナ若しくは炭化珪素で被
覆した炭素繊維等のセラミック被覆充填材でもよい。
又、充填材は金属でもよい。
本明細書で使用される「浸透雰囲気(Infiltrating a
tmosphere)」とは、マトリックス金属及び/又はプレ
フォーム(又は充填材)及び/又は浸透増進剤前駆体及
び/又は浸透増進剤と相互作用し、マトリックス金属の
自発浸透を生じさせ又は促進させる存在雰囲気を意味す
る。
tmosphere)」とは、マトリックス金属及び/又はプレ
フォーム(又は充填材)及び/又は浸透増進剤前駆体及
び/又は浸透増進剤と相互作用し、マトリックス金属の
自発浸透を生じさせ又は促進させる存在雰囲気を意味す
る。
本明細書で使用される「浸透増進剤(Infiltration E
nhancer)」とは、マトリックス金属が充填材若しくは
プレフォームに自発浸透するのを促進又は補助する物質
を意味する。浸透増進材は、例えば、浸透増進剤前駆体
を浸透雰囲気と反応させて、(1)ガス状物及び/又は
(2)浸透増進剤前駆体と浸透雰囲気との反応生成物及
び/又は(3)浸透増進剤前駆体と充填材若しくはプレ
フォームとの反応生成物を生成することにより製造でき
る。更に、浸透増進剤は、プレフォーム及び/又はマト
リックス金属及び/又は浸透雰囲気の少なくとも一つに
直接供給して、浸透増進剤前駆体と別の種との間の反応
で生成させた浸透増進剤と実質的に同様の方法で作用さ
せてもよい。基本的には、少なくとも自発浸透中は、浸
透増進剤は自発浸透を達成するために充填材又はプレフ
ォームの少なくとも一部分に位置していなければならな
い。
nhancer)」とは、マトリックス金属が充填材若しくは
プレフォームに自発浸透するのを促進又は補助する物質
を意味する。浸透増進材は、例えば、浸透増進剤前駆体
を浸透雰囲気と反応させて、(1)ガス状物及び/又は
(2)浸透増進剤前駆体と浸透雰囲気との反応生成物及
び/又は(3)浸透増進剤前駆体と充填材若しくはプレ
フォームとの反応生成物を生成することにより製造でき
る。更に、浸透増進剤は、プレフォーム及び/又はマト
リックス金属及び/又は浸透雰囲気の少なくとも一つに
直接供給して、浸透増進剤前駆体と別の種との間の反応
で生成させた浸透増進剤と実質的に同様の方法で作用さ
せてもよい。基本的には、少なくとも自発浸透中は、浸
透増進剤は自発浸透を達成するために充填材又はプレフ
ォームの少なくとも一部分に位置していなければならな
い。
本明細書において使用される「浸透増進剤前駆体(In
filtration Enhancer Precursor)」とは、マトリック
ス金属、プレフォーム及び/又は浸透雰囲気と組み合わ
せて使用すると、マトリックス金属の充填材又はプレフ
ォームへの自発浸透を誘発又は補助する物質を意味す
る。特別な原理又は説明には限定されないが、浸透増進
剤前駆体が浸透雰囲気及び/プレフォーム若しくは充填
材及び/又は金属と相互作用できる位置に、浸透増進材
前駆体が配置若しくは移動できることが必要である。例
えば、あるマトリックス金属/浸透増進剤前駆体/浸透
雰囲気系では、浸透増進剤前駆体が、マトリックス金属
の溶融温度、その近くの温度又は場合によってはそれよ
りもいくらか高い温度で揮発することが望ましい。この
ような揮発により、(1)浸透増進剤前駆体と浸透雰囲
気との反応による、マトリックス金属による充填材又は
プレフォームの湿潤を増進するガス状物の生成;及び/
又は(2)浸透増進剤前駆体と浸透雰囲気との反応によ
る、充填材又はプレフォームの少なくとも一部に湿潤を
増進する固体状、液状又はガス状浸透増進剤の生成;及
び/又は(3)充填材又はプレフォームの少なくとも一
部分内において湿潤を増進する固体状、液状又はガス状
浸透増進剤を生成する充填材又はプレフォーム内の浸透
増進剤前駆体の反応が生じる。
filtration Enhancer Precursor)」とは、マトリック
ス金属、プレフォーム及び/又は浸透雰囲気と組み合わ
せて使用すると、マトリックス金属の充填材又はプレフ
ォームへの自発浸透を誘発又は補助する物質を意味す
る。特別な原理又は説明には限定されないが、浸透増進
剤前駆体が浸透雰囲気及び/プレフォーム若しくは充填
材及び/又は金属と相互作用できる位置に、浸透増進材
前駆体が配置若しくは移動できることが必要である。例
えば、あるマトリックス金属/浸透増進剤前駆体/浸透
雰囲気系では、浸透増進剤前駆体が、マトリックス金属
の溶融温度、その近くの温度又は場合によってはそれよ
りもいくらか高い温度で揮発することが望ましい。この
ような揮発により、(1)浸透増進剤前駆体と浸透雰囲
気との反応による、マトリックス金属による充填材又は
プレフォームの湿潤を増進するガス状物の生成;及び/
又は(2)浸透増進剤前駆体と浸透雰囲気との反応によ
る、充填材又はプレフォームの少なくとも一部に湿潤を
増進する固体状、液状又はガス状浸透増進剤の生成;及
び/又は(3)充填材又はプレフォームの少なくとも一
部分内において湿潤を増進する固体状、液状又はガス状
浸透増進剤を生成する充填材又はプレフォーム内の浸透
増進剤前駆体の反応が生じる。
本明細書において使用される「低い粒子充填」又は
「充填材のより低い体積分率」とは、充填材に関しての
マトリックス金属の量が、追加の又は第2のマトリック
ス合金のその金属への添加なしに、自発的に浸透せしめ
られ充填材に関して増加させられたことを意味する。
「充填材のより低い体積分率」とは、充填材に関しての
マトリックス金属の量が、追加の又は第2のマトリック
ス合金のその金属への添加なしに、自発的に浸透せしめ
られ充填材に関して増加させられたことを意味する。
本明細書において使用される「マトリックス金属」又
は「マトリックス金属合金」とは、金属マトリックス複
合体の形成に用いられる金属(例えば、浸透前)及び/
又は充填材と混じり合って合金マトリックス複合体を形
成している金属(例えば、浸透後)を意味する。上記金
属をマトリックス金属と称する場合には、マトリックス
金属には、実質的に純粋な金属、不純物及び/若しくは
合金成分を有する市販の金属、金属が主成分である金属
間化合物又は合金も含まれる。
は「マトリックス金属合金」とは、金属マトリックス複
合体の形成に用いられる金属(例えば、浸透前)及び/
又は充填材と混じり合って合金マトリックス複合体を形
成している金属(例えば、浸透後)を意味する。上記金
属をマトリックス金属と称する場合には、マトリックス
金属には、実質的に純粋な金属、不純物及び/若しくは
合金成分を有する市販の金属、金属が主成分である金属
間化合物又は合金も含まれる。
本明細書において使用される「マトリックス金属/浸
透増進剤前駆体/浸透雰囲気系」又は「自発系」とは、
プレフォーム又は充填材への自発浸透を示す物質の組み
合わせを意味する。「/」が、例示するマトリックス金
属、浸透増進剤前駆体及び浸透雰囲気の間に用いられる
ときは、特定の方法でそれらを組み合わせると、プレフ
ォーム若しくは充填材への自発浸透を示す系又は物質の
組み合わせを示すために使用される。
透増進剤前駆体/浸透雰囲気系」又は「自発系」とは、
プレフォーム又は充填材への自発浸透を示す物質の組み
合わせを意味する。「/」が、例示するマトリックス金
属、浸透増進剤前駆体及び浸透雰囲気の間に用いられる
ときは、特定の方法でそれらを組み合わせると、プレフ
ォーム若しくは充填材への自発浸透を示す系又は物質の
組み合わせを示すために使用される。
本明細書において使用される「金属マトリックス複合
体(Metal Matrix Composite)」又は「MMC」は、プレ
フォーム又は充填材を埋め込んだ、二次元若しくは三次
元的に連続する合金又はマトリックス金属からなる材料
を意味する。マトリックス金属に種々の合金元素を含有
せしめて、特に所望の機械的及び物理的性質を有するよ
うにしてもよい。
体(Metal Matrix Composite)」又は「MMC」は、プレ
フォーム又は充填材を埋め込んだ、二次元若しくは三次
元的に連続する合金又はマトリックス金属からなる材料
を意味する。マトリックス金属に種々の合金元素を含有
せしめて、特に所望の機械的及び物理的性質を有するよ
うにしてもよい。
マトリックス金属と「異種」の金属とは、マトリック
ス金属と同じ金属を、主要成分として含有しない金属を
意味する(例えば、マトリックス金属の主要成分がアル
ミニウムの場合には、「異種」の金属は、例えば、ニッ
ケルを主要成分として有することができる。
ス金属と同じ金属を、主要成分として含有しない金属を
意味する(例えば、マトリックス金属の主要成分がアル
ミニウムの場合には、「異種」の金属は、例えば、ニッ
ケルを主要成分として有することができる。
「マトリックス金属を入れるための非反応性容器」と
は、プロセス条件下で、充填材(若しくはプレフォー
ム)及び/又は溶融マトリックス金属を入れるか又は収
容することができ且つ自発浸透機構に対して顕著な悪影
響を及ぼすような方法では、マトリックス及び/又は浸
透雰囲気及び/又は浸透増進剤前駆体及び/又は充填材
(若しくはプレフォーム)とは反応しない容器を意味す
る。
は、プロセス条件下で、充填材(若しくはプレフォー
ム)及び/又は溶融マトリックス金属を入れるか又は収
容することができ且つ自発浸透機構に対して顕著な悪影
響を及ぼすような方法では、マトリックス及び/又は浸
透雰囲気及び/又は浸透増進剤前駆体及び/又は充填材
(若しくはプレフォーム)とは反応しない容器を意味す
る。
本明細書において使用される「プレフォーム」又は
「通気性(permeable)プレフォーム」とは、浸透する
マトリックス金属の境界を実質的に形成する少なくとも
一つの表面境界を用いて製造される充填材又は充填材の
多孔性素材(porous mass)を意味する。このような素
材は、マトリックス金属を浸透させる前に、寸法忠実性
を提供するに十分な形状保持性及び生強度を維持する。
又、この素材は、自発浸透でマトリックス金属を受け入
れるに十分な程度に多孔性でなければならない。プレフ
ォームは、一般的には、充填材が、均一若しくは不均一
の形態で、結着して充填又は配置されてなり、適当な物
質(例えば、セラミック及び/又は金属の粒子、粉末、
繊維、ウイスカー等並びにそれらの組み合わせ)からな
ってよい。プレフォームは、単独でも集成体で存在して
もよい。
「通気性(permeable)プレフォーム」とは、浸透する
マトリックス金属の境界を実質的に形成する少なくとも
一つの表面境界を用いて製造される充填材又は充填材の
多孔性素材(porous mass)を意味する。このような素
材は、マトリックス金属を浸透させる前に、寸法忠実性
を提供するに十分な形状保持性及び生強度を維持する。
又、この素材は、自発浸透でマトリックス金属を受け入
れるに十分な程度に多孔性でなければならない。プレフ
ォームは、一般的には、充填材が、均一若しくは不均一
の形態で、結着して充填又は配置されてなり、適当な物
質(例えば、セラミック及び/又は金属の粒子、粉末、
繊維、ウイスカー等並びにそれらの組み合わせ)からな
ってよい。プレフォームは、単独でも集成体で存在して
もよい。
本明細書で使用される「溜(reservoir)」とは、金
属が溶融したとき、流れて、充填材若しくはプレフォー
ムと接触しているマトリックス金属の部分、セグメント
若しくは源を補充又は、ある場合には、最初にマトリッ
クス金属を提供しかつ続いて補充するために、充填材又
はプレフォームの素材に対して分離して配置されたマト
リックス金属の別個の物体を意味する。
属が溶融したとき、流れて、充填材若しくはプレフォー
ムと接触しているマトリックス金属の部分、セグメント
若しくは源を補充又は、ある場合には、最初にマトリッ
クス金属を提供しかつ続いて補充するために、充填材又
はプレフォームの素材に対して分離して配置されたマト
リックス金属の別個の物体を意味する。
本明細書において使用される「第二マトリックス金
属」又は「追加のマトリックス金属」とは、充填材の自
発浸透が完結されたか、又は実質的に完結された後に、
残存し、又は添加され、且つ浸透された充填材と混合さ
れて、浸透された充填材並びに第一及び第二の(即ち、
追加の)マトリックス金属の懸濁物を生成し、それによ
り、充填材のより低い体積分率を生じる金属を意味し、
このような第二マトリックス金属、即ち追加のマトリッ
クス金属は、充填材を先に自発浸透したマトリックス金
属と正確に同じか、類似するか、又は実質的に異なる組
成を有する。
属」又は「追加のマトリックス金属」とは、充填材の自
発浸透が完結されたか、又は実質的に完結された後に、
残存し、又は添加され、且つ浸透された充填材と混合さ
れて、浸透された充填材並びに第一及び第二の(即ち、
追加の)マトリックス金属の懸濁物を生成し、それによ
り、充填材のより低い体積分率を生じる金属を意味し、
このような第二マトリックス金属、即ち追加のマトリッ
クス金属は、充填材を先に自発浸透したマトリックス金
属と正確に同じか、類似するか、又は実質的に異なる組
成を有する。
本明細書で使用される「自発浸透(Spontaneous Infi
ltration)」とは、圧力又は真空を印加(外部から印加
するか若しくは内部で発生させるかとは無関係に)しな
くても、マトリックス金属が充填材又はプレフォームの
通気性素材に浸透することを意味する。
ltration)」とは、圧力又は真空を印加(外部から印加
するか若しくは内部で発生させるかとは無関係に)しな
くても、マトリックス金属が充填材又はプレフォームの
通気性素材に浸透することを意味する。
本明細書において使用される「充填材及びマトリック
ス金属の懸濁物」又は「懸濁物」とは、第二のマトリッ
クス金属、即ち追加のマトリックス金属と、第一マトリ
ックス金属により自発浸透された充填材との混合物を意
味する。
ス金属の懸濁物」又は「懸濁物」とは、第二のマトリッ
クス金属、即ち追加のマトリックス金属と、第一マトリ
ックス金属により自発浸透された充填材との混合物を意
味する。
添付の図面は、本発明の理解を深めるために示したも
のであるが、本発明の範囲はこれらによっては限定され
ない。各図において、同様な構成要素は同じ参照番号を
用いてある。
のであるが、本発明の範囲はこれらによっては限定され
ない。各図において、同様な構成要素は同じ参照番号を
用いてある。
高い粒子充填(40〜60体積%程度)が、例えば、1987
年5月13日に出願された米国特許出願第049,171号明細
書に記載されたような自発浸透技術により得られるが、
より低い粒子充填(1〜40体積%程度)は、ある場合に
は、このような技術のみを用いて得ることが更に難し
い。詳細には、このような技術を用いて、より低い粒子
充填を得るためには、プレフォーム又は非常に高い多孔
度を有する充填材が必要とされる場合がある。しかしな
がら、このような充填材又はプレフォームを用いて最終
的に得ることができる多孔度は制限され、このような多
孔度は、使用される特別な充填材及びプレフォーム中に
使用される粒子の大きさ又は粒状度の関数である。
年5月13日に出願された米国特許出願第049,171号明細
書に記載されたような自発浸透技術により得られるが、
より低い粒子充填(1〜40体積%程度)は、ある場合に
は、このような技術のみを用いて得ることが更に難し
い。詳細には、このような技術を用いて、より低い粒子
充填を得るためには、プレフォーム又は非常に高い多孔
度を有する充填材が必要とされる場合がある。しかしな
がら、このような充填材又はプレフォームを用いて最終
的に得ることができる多孔度は制限され、このような多
孔度は、使用される特別な充填材及びプレフォーム中に
使用される粒子の大きさ又は粒状度の関数である。
本発明によれば、自発浸透技術を利用して自発浸透さ
れた金属マトリックス複合体に以前に関連した有益な性
質を得、しかも、より低い粒子充填を得ることができ
る。金属マトリックス複合体は、まず充填材を浸透雰囲
気中で第一マトリックス金属で自発浸透し、その後追加
のマトリックス金属、即ち第二マトリックス金属を浸透
された充填材に添加して、より低い体積分率の充填材及
びマトリックス金属の懸濁物を生じることにより生成さ
れる。更に、以下に詳細に説明されるように、追加のマ
トリックス金属、即ち第二マトリックス金属の添加は、
適応される方法が第一マトリックス金属の金属マトリッ
クス(即ち、第一マトリックス金属と第二マトリックス
金属が同じである場合)、又は第一マトリックス金属及
び第二マトリックス金属の金属間化合物もしくは合金
(即ち、第一マトリックス金属と第二マトリックス金属
とが異なる場合)を与えることを可能にする。
れた金属マトリックス複合体に以前に関連した有益な性
質を得、しかも、より低い粒子充填を得ることができ
る。金属マトリックス複合体は、まず充填材を浸透雰囲
気中で第一マトリックス金属で自発浸透し、その後追加
のマトリックス金属、即ち第二マトリックス金属を浸透
された充填材に添加して、より低い体積分率の充填材及
びマトリックス金属の懸濁物を生じることにより生成さ
れる。更に、以下に詳細に説明されるように、追加のマ
トリックス金属、即ち第二マトリックス金属の添加は、
適応される方法が第一マトリックス金属の金属マトリッ
クス(即ち、第一マトリックス金属と第二マトリックス
金属が同じである場合)、又は第一マトリックス金属及
び第二マトリックス金属の金属間化合物もしくは合金
(即ち、第一マトリックス金属と第二マトリックス金属
とが異なる場合)を与えることを可能にする。
低い粒子充填金属マトリックス複合体を得るための方
法の第一工程として、充填材又はプレフォームの自発浸
透が開始される。
法の第一工程として、充填材又はプレフォームの自発浸
透が開始される。
図面を参照して、第1a図は、本発明に従って使用し得
るレイアップ10を示す。詳細には、充填材(又はプレフ
ォーム)1が、成分と実質的に非反応性である鋳型又は
容器2中に用意される。マトリックス金属3が用意さ
れ、以下に更に詳細に説明されるように、自発浸透を生
じさせる条件下で、その融点より高く加熱される。マト
リックス金属が充填材又はプレフォームを自発浸透し始
めると、金属マトリックス複合体4が生成される(例え
ば、マトリックス金属が冷却された場合には、少なくと
も一部分4は金属マトリックス複合体を含む)。
るレイアップ10を示す。詳細には、充填材(又はプレフ
ォーム)1が、成分と実質的に非反応性である鋳型又は
容器2中に用意される。マトリックス金属3が用意さ
れ、以下に更に詳細に説明されるように、自発浸透を生
じさせる条件下で、その融点より高く加熱される。マト
リックス金属が充填材又はプレフォームを自発浸透し始
めると、金属マトリックス複合体4が生成される(例え
ば、マトリックス金属が冷却された場合には、少なくと
も一部分4は金属マトリックス複合体を含む)。
本発明の第一の好ましい実施態様に於いて、自発浸透
の完結によって未浸透のマトリックス金属のカーカスが
残るように、過剰のマトリックス金属3が用意される。
の完結によって未浸透のマトリックス金属のカーカスが
残るように、過剰のマトリックス金属3が用意される。
第1b図に示されるように、マトリックス金属複合体
は、未だ溶融されている間に、攪拌機5により過剰のマ
トリックス金属と混合され、その結果浸透された充填材
が追加のマトリックス金属中に分散されて懸濁物を生成
する。攪拌機5は、機械攪拌手段、超音波攪拌手段又は
手段攪拌を含む、通常の攪拌装置であってもよい。攪拌
は、1〜15分、好ましくは10〜15分、即ち第1c図に示さ
れるように均一で十分分散された混合物7が得られるま
で、続けられる。
は、未だ溶融されている間に、攪拌機5により過剰のマ
トリックス金属と混合され、その結果浸透された充填材
が追加のマトリックス金属中に分散されて懸濁物を生成
する。攪拌機5は、機械攪拌手段、超音波攪拌手段又は
手段攪拌を含む、通常の攪拌装置であってもよい。攪拌
は、1〜15分、好ましくは10〜15分、即ち第1c図に示さ
れるように均一で十分分散された混合物7が得られるま
で、続けられる。
攪拌は、混合物の分散が完結する前に複合体の硬化を
避けるために自発浸透工程温度(以下に説明される)で
行なわれることが好ましい。このような攪拌は、例えば
炉中に備えられたオーバーヘッド攪拌手段により行なう
ことができる。又、攪拌がプロセス温度で行なわれない
場合には、加熱攪拌装置及び良く断熱された収納容器等
の使用を含む、早期冷却を避けるための操作が行なわれ
るべきである。
避けるために自発浸透工程温度(以下に説明される)で
行なわれることが好ましい。このような攪拌は、例えば
炉中に備えられたオーバーヘッド攪拌手段により行なう
ことができる。又、攪拌がプロセス温度で行なわれない
場合には、加熱攪拌装置及び良く断熱された収納容器等
の使用を含む、早期冷却を避けるための操作が行なわれ
るべきである。
完全な分散が達成された後、分散混合物は、そうしな
いで自発浸透により得ることができる粒子充填よりも低
い粒子充填を有するボディを生成するために、第1d図に
示されるように、鋳型に注入し得る。インベストメント
シェルモールド、スプリットシェルモールド、マルチプ
ルピースモールド、再使用可能な鋳型、等の如き通常の
鋳型が使用し得る。鋳型は、分散された複合体の冷却を
遅くして注入時間及び注入された分散複合体の作業性を
最大にするため、加熱されることが好ましい。又、より
早い冷却が特別の用途に所望される場合には、室温鋳型
又は冷却鋳型、例えば、銅チルプレートが使用し得る。
いで自発浸透により得ることができる粒子充填よりも低
い粒子充填を有するボディを生成するために、第1d図に
示されるように、鋳型に注入し得る。インベストメント
シェルモールド、スプリットシェルモールド、マルチプ
ルピースモールド、再使用可能な鋳型、等の如き通常の
鋳型が使用し得る。鋳型は、分散された複合体の冷却を
遅くして注入時間及び注入された分散複合体の作業性を
最大にするため、加熱されることが好ましい。又、より
早い冷却が特別の用途に所望される場合には、室温鋳型
又は冷却鋳型、例えば、銅チルプレートが使用し得る。
別の実施態様において、複合体が分散される容器は、
形成しようとする本体の最終の所望の形状に一致する。
従って、充填材及びマトリックス金属の懸濁物を注入す
ることに代えて、それは、容器が鋳型の作用を果すよう
な容器中で冷却される。又、懸濁物は、冷却されて、そ
の後その融点より高く再加熱されて、更に処理又は形成
するために注入又は成形することができる。更に、懸濁
物は中間体、例えばインゴットを形成するために鋳型に
注入することができ、この中間体は、その後、更に処理
するための前駆体として使用し得る。
形成しようとする本体の最終の所望の形状に一致する。
従って、充填材及びマトリックス金属の懸濁物を注入す
ることに代えて、それは、容器が鋳型の作用を果すよう
な容器中で冷却される。又、懸濁物は、冷却されて、そ
の後その融点より高く再加熱されて、更に処理又は形成
するために注入又は成形することができる。更に、懸濁
物は中間体、例えばインゴットを形成するために鋳型に
注入することができ、この中間体は、その後、更に処理
するための前駆体として使用し得る。
上記の実施態様から得られる複合体は、その他の自発
浸透された複合体に関連した、非常に望ましい性質を示
す。更に、本発明の分散方法を用いて、例えば、5〜40
体積%程度の、より低い粒子充填を得ることができる。
浸透された複合体に関連した、非常に望ましい性質を示
す。更に、本発明の分散方法を用いて、例えば、5〜40
体積%程度の、より低い粒子充填を得ることができる。
本発明の別の実施態様においては、第1a図に示される
ように、過剰のマトリックス金属は使用されない。その
代わり、充填材の床又はプレフォームが、自発的に浸透
され、冷却される。浸透された金属マトリックス複合体
は、その後、再加熱され、ついで追加のマトリックス金
属が、上記の操作に従って、その中に分散されて、低い
粒子充填金属マトリックス複合体を生じる。又、追加の
マトリックス金属は、浸透された複合体中のマトリック
ス金属が未だその液体状態にある間に、添加することが
できる。
ように、過剰のマトリックス金属は使用されない。その
代わり、充填材の床又はプレフォームが、自発的に浸透
され、冷却される。浸透された金属マトリックス複合体
は、その後、再加熱され、ついで追加のマトリックス金
属が、上記の操作に従って、その中に分散されて、低い
粒子充填金属マトリックス複合体を生じる。又、追加の
マトリックス金属は、浸透された複合体中のマトリック
ス金属が未だその液体状態にある間に、添加することが
できる。
上記の実施態様の全てにおいて、追加のマトリックス
金属、即ち第二マトリックス金属は、充填材又はプレフ
ォームを自発浸透するマトリックス金属と、同じである
か、類似するか、又は異なる組成を有することができ
る。異なる第一及び第二マトリックス金属の使用によ
り、金属マトリックス複合体の、得られる三次元的に相
互連結された金属マトリックスは、特別の用途に適する
ために種々の合金又は金属間化合物のいずれかを与える
ように変えることができる。その結果、所望の化学的性
質、電気的性質、機械的性質、及びその他の性質が、特
別な用途に適するように合わせることができる。第二マ
トリックス金属は、第一マトリックス金属と混和性であ
る金属であることが好ましい。
金属、即ち第二マトリックス金属は、充填材又はプレフ
ォームを自発浸透するマトリックス金属と、同じである
か、類似するか、又は異なる組成を有することができ
る。異なる第一及び第二マトリックス金属の使用によ
り、金属マトリックス複合体の、得られる三次元的に相
互連結された金属マトリックスは、特別の用途に適する
ために種々の合金又は金属間化合物のいずれかを与える
ように変えることができる。その結果、所望の化学的性
質、電気的性質、機械的性質、及びその他の性質が、特
別な用途に適するように合わせることができる。第二マ
トリックス金属は、第一マトリックス金属と混和性であ
る金属であることが好ましい。
第二マトリックス金属は、多くの異なる方法で導入し
得る。第1a図を参照して、マトリックス金属3は、充填
材との界面に隣接する表面で第一マトリックス金属を含
む、上端で第二マトリックス金属を有する層状積層構造
をもった多相溶融合金であり得る。第一マトリックス金
属は、例えば、浸透増進剤及び/又は浸透増進剤前駆体
及び/又は浸透を促進する二次的な合金に富むものであ
ってもよい。第一マトリックス金属が自発浸透した後
に、第二マトリックス金属、即ち追加のマトリックス金
属を、第1b図に従って、懸濁物に混合することができ
る。
得る。第1a図を参照して、マトリックス金属3は、充填
材との界面に隣接する表面で第一マトリックス金属を含
む、上端で第二マトリックス金属を有する層状積層構造
をもった多相溶融合金であり得る。第一マトリックス金
属は、例えば、浸透増進剤及び/又は浸透増進剤前駆体
及び/又は浸透を促進する二次的な合金に富むものであ
ってもよい。第一マトリックス金属が自発浸透した後
に、第二マトリックス金属、即ち追加のマトリックス金
属を、第1b図に従って、懸濁物に混合することができ
る。
また、第二マトリックス金属、即ち追加のマトリック
ス金属は、自発浸透が生じた後に、固体形態で注入又は
添加され、ついで液化することができる。更に、上記の
如く、金属マトリックス複合体は、生成され、冷却さ
れ、そしてひき続いての処理工程において、複合体は再
加熱され、第二マトリックス金属、即ち追加のマトリッ
クス金属が懸濁物中に分散し得る。
ス金属は、自発浸透が生じた後に、固体形態で注入又は
添加され、ついで液化することができる。更に、上記の
如く、金属マトリックス複合体は、生成され、冷却さ
れ、そしてひき続いての処理工程において、複合体は再
加熱され、第二マトリックス金属、即ち追加のマトリッ
クス金属が懸濁物中に分散し得る。
プレフォームへのマトリックス金属の自発浸透を行う
ためには、浸透増進剤が自発系に提供されなければなら
ない。浸透増進剤は浸透増進剤前駆体から生成されるこ
とができ、浸透増進剤前駆体は(1)マトリックス金属
中に;及び/又は(2)プレフォーム中に;及び/又は
(3)浸透雰囲気から;及び/又は(4)外部源から自
発系に提供される。更に、浸透増進剤前駆体を供給する
のではなく、浸透増進剤を、プレフォーム及び/又はマ
トリックス金属及び/又は浸透雰囲気に直接供給でき
る。基本的には、少なくとも自発浸透中には、浸透増進
剤は、充填材若しくはプレフォームの少なくとも一部分
に位置しなければならない。
ためには、浸透増進剤が自発系に提供されなければなら
ない。浸透増進剤は浸透増進剤前駆体から生成されるこ
とができ、浸透増進剤前駆体は(1)マトリックス金属
中に;及び/又は(2)プレフォーム中に;及び/又は
(3)浸透雰囲気から;及び/又は(4)外部源から自
発系に提供される。更に、浸透増進剤前駆体を供給する
のではなく、浸透増進剤を、プレフォーム及び/又はマ
トリックス金属及び/又は浸透雰囲気に直接供給でき
る。基本的には、少なくとも自発浸透中には、浸透増進
剤は、充填材若しくはプレフォームの少なくとも一部分
に位置しなければならない。
好ましい実施態様においては、浸透増進剤が充填材若
しくはプレフォームの少なくとも一部分に形成すること
ができるように、充填材若しくはプレフォームとマトリ
ックス金属との接触前に若しくは実質的に連続して、浸
透増進剤前駆体を、少なくとも部分的に、浸透雰囲気と
反応させることができる(例えば、マグネシウムが浸透
増進剤前駆体であり且つ窒素が浸透雰囲気である場合に
は、浸透増進剤は、プレフォーム若しくは充填材の一部
分に位置させる窒化マグネシウムでよい)。
しくはプレフォームの少なくとも一部分に形成すること
ができるように、充填材若しくはプレフォームとマトリ
ックス金属との接触前に若しくは実質的に連続して、浸
透増進剤前駆体を、少なくとも部分的に、浸透雰囲気と
反応させることができる(例えば、マグネシウムが浸透
増進剤前駆体であり且つ窒素が浸透雰囲気である場合に
は、浸透増進剤は、プレフォーム若しくは充填材の一部
分に位置させる窒化マグネシウムでよい)。
マトリックス金属/浸透増進剤前駆体/浸透雰囲気系
の一例として、アルミニウム/マグネシウム/窒素系が
挙げられる。具体的には、アルミニウムマトリックス金
属を、プロセス条件下で、アルミニウムを溶解させたと
きにアルミニウムマトリックス金属及び/又は充填材と
反応しない適当な耐火容器内に入れることができる。そ
の後、充填材を溶融マトリックス金属と接触させること
ができる。このプロセス条件下において、アルミニウム
マトリックス金属が充填材に自発的に浸透せしめられ
る。
の一例として、アルミニウム/マグネシウム/窒素系が
挙げられる。具体的には、アルミニウムマトリックス金
属を、プロセス条件下で、アルミニウムを溶解させたと
きにアルミニウムマトリックス金属及び/又は充填材と
反応しない適当な耐火容器内に入れることができる。そ
の後、充填材を溶融マトリックス金属と接触させること
ができる。このプロセス条件下において、アルミニウム
マトリックス金属が充填材に自発的に浸透せしめられ
る。
本発明の方法に用いられる条件下では、アルミニウム
/マグネシウム/窒素自発浸透系の場合に、充填材は、
窒素含有ガスが、プロセス中のある時点で溶融材料が浸
透若しくは通過し及び/又は溶融マトリックス金属と接
触するのに十分な程度通気性でなければならない。更
に、通気性プレフォームに溶融マトリックス金属を浸透
させて、窒素透過プレフォームに溶融マトリックス金属
を自発浸透させることにより、金属マトリックス複合体
を形成し、及び/又は窒素を浸透増進剤前駆体と反応さ
せて浸透増進剤をプレフォーム中に形成して自発浸透を
生じさせることができる。自発浸透及び金属マトリック
ス複合体生成の程度は、アルミニウム合金のマグネシウ
ム又は窒化マグネシウム含量、充填材のマグネシウム又
は窒化マグネシウム含量、充填材におけるマグネシウム
又は窒化マグネシウムの量、追加合金元素の有無(例え
ば、珪素、鉄、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛等)、
充填材を含む材料の平均サイズ(例えば、粒径)、充填
材の表面状態及び種類、浸透雰囲気の窒素濃度、浸透に
与えられる時間並びに浸透が生じる温度を含む一定のプ
ロセス条件により異なる。例えば、溶融アルミニウムマ
トリック金属の浸透を自発的に生じさせるために、アル
ミニウムを、合金重量に対して少なくとも約1重量%、
好ましくは少なくとも約3重量%のマグネシウム(浸透
増進剤前駆体として機能する)と合金化することができ
る。又、上記で説明した補助合金元素をマトリックス金
属に含有せしめて、特定の性質を作り出してもよい。
(更に、補助合金元素は、充填材又はプレフォームの自
発浸透を生じさせるためのマトリックスアルミニウム金
属に必要とされるマグネシウムの最少量に影響する場合
がある。)例えば、揮発による自発系からのマグネシウ
ムの損失は、浸透増進剤を形成するのにマグネシウムが
全く存在しない程度までは生じてはならない。従って、
十分な濃度の初期合金元素を用いて、自発浸透が揮発に
よって悪影響されないようにすることが望ましい。更
に、プレフォームとマトリックス金属の両方又はプレフ
ォームだけにマグネシウムが存在すると、自発浸透を達
成するのに必要なマグネシウムの量が減少する場合があ
る。
/マグネシウム/窒素自発浸透系の場合に、充填材は、
窒素含有ガスが、プロセス中のある時点で溶融材料が浸
透若しくは通過し及び/又は溶融マトリックス金属と接
触するのに十分な程度通気性でなければならない。更
に、通気性プレフォームに溶融マトリックス金属を浸透
させて、窒素透過プレフォームに溶融マトリックス金属
を自発浸透させることにより、金属マトリックス複合体
を形成し、及び/又は窒素を浸透増進剤前駆体と反応さ
せて浸透増進剤をプレフォーム中に形成して自発浸透を
生じさせることができる。自発浸透及び金属マトリック
ス複合体生成の程度は、アルミニウム合金のマグネシウ
ム又は窒化マグネシウム含量、充填材のマグネシウム又
は窒化マグネシウム含量、充填材におけるマグネシウム
又は窒化マグネシウムの量、追加合金元素の有無(例え
ば、珪素、鉄、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛等)、
充填材を含む材料の平均サイズ(例えば、粒径)、充填
材の表面状態及び種類、浸透雰囲気の窒素濃度、浸透に
与えられる時間並びに浸透が生じる温度を含む一定のプ
ロセス条件により異なる。例えば、溶融アルミニウムマ
トリック金属の浸透を自発的に生じさせるために、アル
ミニウムを、合金重量に対して少なくとも約1重量%、
好ましくは少なくとも約3重量%のマグネシウム(浸透
増進剤前駆体として機能する)と合金化することができ
る。又、上記で説明した補助合金元素をマトリックス金
属に含有せしめて、特定の性質を作り出してもよい。
(更に、補助合金元素は、充填材又はプレフォームの自
発浸透を生じさせるためのマトリックスアルミニウム金
属に必要とされるマグネシウムの最少量に影響する場合
がある。)例えば、揮発による自発系からのマグネシウ
ムの損失は、浸透増進剤を形成するのにマグネシウムが
全く存在しない程度までは生じてはならない。従って、
十分な濃度の初期合金元素を用いて、自発浸透が揮発に
よって悪影響されないようにすることが望ましい。更
に、プレフォームとマトリックス金属の両方又はプレフ
ォームだけにマグネシウムが存在すると、自発浸透を達
成するのに必要なマグネシウムの量が減少する場合があ
る。
窒素雰囲気における窒素体積%も、金属マトリックス
複合体の生成速度に影響を及ぼす。即ち、約10体積%未
満の窒素が浸透雰囲気に存在する場合、自発浸透が非常
にゆっくり生じるか又はほとんど生じない。即ち、少な
くとも約50体積%の窒素が雰囲気に存在して、それによ
り、例えば、浸透速度をはるかに大きくして浸透時間を
短くすることが好ましいことが見い出された。浸透雰囲
気(例えば、窒素含有ガス)を充填材若しくはプレフォ
ーム及び/又はマトリックス金属に直接提供してもよい
し、又は物質の分解から生成若しくは生じさせてもよ
い。
複合体の生成速度に影響を及ぼす。即ち、約10体積%未
満の窒素が浸透雰囲気に存在する場合、自発浸透が非常
にゆっくり生じるか又はほとんど生じない。即ち、少な
くとも約50体積%の窒素が雰囲気に存在して、それによ
り、例えば、浸透速度をはるかに大きくして浸透時間を
短くすることが好ましいことが見い出された。浸透雰囲
気(例えば、窒素含有ガス)を充填材若しくはプレフォ
ーム及び/又はマトリックス金属に直接提供してもよい
し、又は物質の分解から生成若しくは生じさせてもよ
い。
溶融マトリックス金属が充填材又はプレフォームに浸
透させるのに必要とする最少マグネシウム含量は、処理
温度、時間、珪素又は亜鉛等の補助合金元素の有無、充
填材の性質、自発系の一種以上の成分中におけるマグネ
シウムの位置、雰囲気の窒素含量及び窒素雰囲気の流速
等の一種又はそれ以上の変数によって異なる。合金及び
/又はプレフォームのマグネシウム含量を増加すれば、
より低温又はより短い加熱時間で完全な浸透を達成する
ことができる。又、一定のマグネシウム含量の場合、亜
鉛等のある種の補助合金元素を添加すると、より低温を
用いることが可能となる。例えば、使用範囲の下端、即
ち、約1〜3重量%でのマトリックス金属のマグネシウ
ム含量を、上記した最低処理温度、高窒素濃度又は一種
以上の補助合金元素の少なくとも一つとの組み合わせで
用いてもよい。プレフォームにマグネシウムを全く添加
しない場合には、多種多様なプロセス条件にわたる一般
的な実用性に基づいて、約3〜5重量%のマグネシウム
を含有する合金が好ましく、より低い温度及びより短い
を用いる場合には、少なくとも約5%が好ましい。又、
浸透に必要とする温度条件を和らげるために、アルミニ
ウムのマグネシウム含量を約10重量%を超えるものとし
てもよい。補助合金元素と組み合わせて用いるときに
は、マグネシウム含量を減少させてもよいが、これらの
合金元素は補助的機能しか果たさないので、少なくとも
上記で規定した最少量のマグネシウムと一緒に用いる。
例えば、10%珪素だけと合金化した公称純粋アルミニウ
ムは、1000℃では500メッシュの39クリストロン(Cryst
olon)〔ノートン社(Norton Co.)製純度99%炭化珪
素〕のベッドに実質的に浸透しなかった。しかしなが
ら、マグネシウムが存在すると、珪素が浸透工程を促進
することが判明した。更に、マグネシウムを専らプレフ
ォーム又は充填材に供給する場合には、その量は異な
る。供給されるマグネシウムの総量の少なくとも一部分
をプレフォーム又は充填材に入れる場合には、自発系に
供給されるマグネシウムの量(重量%)がもっと少なく
ても自発浸透が生じることが分かった。金属マトリック
ス複合体において、望ましくない金属間化合物が生成す
るのを防止するためには、マグネシウムの量は少ない方
が望ましい。炭化珪素プレフォームの場合には、マグネ
シウムを少なくとも約1重量%含有するプレフォーム
を、実質的に純粋な窒素雰囲気の存在下で、アルミニウ
ムマトリックス金属と接触させると、マトリックス金属
がプレフォームに自発的に浸透することが分かった。ア
ルミナプレフォームの場合、許容できる自発浸透を達成
するのに必要なマグネシウムの量は、これよりわずかに
大きい。即ち、アルミナプレフォームを同様なアルミニ
ウムマトリックス金属と接触させると、炭化珪素プレフ
ォームに浸透したアルミニウムとほぼ同じ温度で且つ同
じ窒素雰囲気下で、すぐ上で説明した炭化珪素プレフォ
ームで達成されたのと同様な自発浸透を達成するには、
少なくとも約3重量%のマグネシウムが必要であること
が分かった。
透させるのに必要とする最少マグネシウム含量は、処理
温度、時間、珪素又は亜鉛等の補助合金元素の有無、充
填材の性質、自発系の一種以上の成分中におけるマグネ
シウムの位置、雰囲気の窒素含量及び窒素雰囲気の流速
等の一種又はそれ以上の変数によって異なる。合金及び
/又はプレフォームのマグネシウム含量を増加すれば、
より低温又はより短い加熱時間で完全な浸透を達成する
ことができる。又、一定のマグネシウム含量の場合、亜
鉛等のある種の補助合金元素を添加すると、より低温を
用いることが可能となる。例えば、使用範囲の下端、即
ち、約1〜3重量%でのマトリックス金属のマグネシウ
ム含量を、上記した最低処理温度、高窒素濃度又は一種
以上の補助合金元素の少なくとも一つとの組み合わせで
用いてもよい。プレフォームにマグネシウムを全く添加
しない場合には、多種多様なプロセス条件にわたる一般
的な実用性に基づいて、約3〜5重量%のマグネシウム
を含有する合金が好ましく、より低い温度及びより短い
を用いる場合には、少なくとも約5%が好ましい。又、
浸透に必要とする温度条件を和らげるために、アルミニ
ウムのマグネシウム含量を約10重量%を超えるものとし
てもよい。補助合金元素と組み合わせて用いるときに
は、マグネシウム含量を減少させてもよいが、これらの
合金元素は補助的機能しか果たさないので、少なくとも
上記で規定した最少量のマグネシウムと一緒に用いる。
例えば、10%珪素だけと合金化した公称純粋アルミニウ
ムは、1000℃では500メッシュの39クリストロン(Cryst
olon)〔ノートン社(Norton Co.)製純度99%炭化珪
素〕のベッドに実質的に浸透しなかった。しかしなが
ら、マグネシウムが存在すると、珪素が浸透工程を促進
することが判明した。更に、マグネシウムを専らプレフ
ォーム又は充填材に供給する場合には、その量は異な
る。供給されるマグネシウムの総量の少なくとも一部分
をプレフォーム又は充填材に入れる場合には、自発系に
供給されるマグネシウムの量(重量%)がもっと少なく
ても自発浸透が生じることが分かった。金属マトリック
ス複合体において、望ましくない金属間化合物が生成す
るのを防止するためには、マグネシウムの量は少ない方
が望ましい。炭化珪素プレフォームの場合には、マグネ
シウムを少なくとも約1重量%含有するプレフォーム
を、実質的に純粋な窒素雰囲気の存在下で、アルミニウ
ムマトリックス金属と接触させると、マトリックス金属
がプレフォームに自発的に浸透することが分かった。ア
ルミナプレフォームの場合、許容できる自発浸透を達成
するのに必要なマグネシウムの量は、これよりわずかに
大きい。即ち、アルミナプレフォームを同様なアルミニ
ウムマトリックス金属と接触させると、炭化珪素プレフ
ォームに浸透したアルミニウムとほぼ同じ温度で且つ同
じ窒素雰囲気下で、すぐ上で説明した炭化珪素プレフォ
ームで達成されたのと同様な自発浸透を達成するには、
少なくとも約3重量%のマグネシウムが必要であること
が分かった。
また、充填材又はプレフォームをマトリックス金属に
浸透させる前に、自発系に対して、浸透増進剤前駆体及
び浸透増進剤を、合金の表面及び/又はプレフォーム若
しくは充填材の表面及び/又はプレフォーム若しくは充
填材内部に供給することも可能である(即ち、供給浸透
増進剤又は浸透増進剤前駆体をマトリックス金属と合金
化する必要がなく、むしろ、単に自発系に供給すればよ
い)。マグネシウムをマトリックス金属の表面に適用す
る場合には、その表面は、充填材の通気性素材に近接若
しくは好ましくは接触している表面であること、又は充
填材の通気性素材がマトリックス金属の表面に最も近接
若しくは好ましくは接触していることが好ましい。又、
このようなマグネシウムは、プレフォーム又は充填材の
少なくとも一部分に混入してもよい。更に、表面への適
用、合金化及びプレフォームの少なくとも一部分へのマ
グネシウムの配置のいくつかを組み合わせて使用するこ
とができる。浸透増進剤及び/又は浸透増進剤前駆体の
適用の組み合わせにより、プレフォームへのマトリック
スアルミニウム金属の浸透を促進するために必要なマグ
ネシウムの総重量%の減少できるとともに、浸透が生じ
る温度を低下させることができる。更に、マグネシウム
が存在するために生成する望ましくない金属間化合物の
量も最少に抑えることもできる。
浸透させる前に、自発系に対して、浸透増進剤前駆体及
び浸透増進剤を、合金の表面及び/又はプレフォーム若
しくは充填材の表面及び/又はプレフォーム若しくは充
填材内部に供給することも可能である(即ち、供給浸透
増進剤又は浸透増進剤前駆体をマトリックス金属と合金
化する必要がなく、むしろ、単に自発系に供給すればよ
い)。マグネシウムをマトリックス金属の表面に適用す
る場合には、その表面は、充填材の通気性素材に近接若
しくは好ましくは接触している表面であること、又は充
填材の通気性素材がマトリックス金属の表面に最も近接
若しくは好ましくは接触していることが好ましい。又、
このようなマグネシウムは、プレフォーム又は充填材の
少なくとも一部分に混入してもよい。更に、表面への適
用、合金化及びプレフォームの少なくとも一部分へのマ
グネシウムの配置のいくつかを組み合わせて使用するこ
とができる。浸透増進剤及び/又は浸透増進剤前駆体の
適用の組み合わせにより、プレフォームへのマトリック
スアルミニウム金属の浸透を促進するために必要なマグ
ネシウムの総重量%の減少できるとともに、浸透が生じ
る温度を低下させることができる。更に、マグネシウム
が存在するために生成する望ましくない金属間化合物の
量も最少に抑えることもできる。
一種以上の補助合金元素の使用及び周囲ガス中の窒素
濃度も、所定温度でのマトリックス金属の窒化の程度に
影響する。例えば、合金に含ませるか又は合金の表面に
置く亜鉛若しくは鉄等の補助合金元素を使用して、浸透
温度を低下し、それにより、窒化物の生成量を減少で
き、一方、ガス中の窒素濃度を増加すると窒化物の生成
を促進できる。
濃度も、所定温度でのマトリックス金属の窒化の程度に
影響する。例えば、合金に含ませるか又は合金の表面に
置く亜鉛若しくは鉄等の補助合金元素を使用して、浸透
温度を低下し、それにより、窒化物の生成量を減少で
き、一方、ガス中の窒素濃度を増加すると窒化物の生成
を促進できる。
合金に含まれ及び/又は合金の表面に置かれ及び/又
は充填材に結合させたマグネシウムの濃度も、所定温度
での浸透の程度に影響する傾向がある。その結果、マグ
ネシウムが充填材とほとんど直接接触しない場合には、
少なくとも約3重量%のマグネシウムを合金に含ませる
ことが好ましい。1重量%のように、この量未満の合金
含量では、浸透には、より高温のプロセス温度又は補助
合金元素が必要な場合がある。(1)合金のマグネシウ
ム含量のみを、例えば、少なくとも約5重量%に増加す
る場合;及び/又は(2)合金成分を充填材若しくはプ
レフォームの通気性素材と混合するとき;及び/又は
(3)亜鉛又は鉄等の別の元素がアルミニウム合金に存
在する時は、本発明の自発浸透法を行うのに必要とする
温度はもっと低くてもよい。温度も、充填材の種類によ
り変化し得る。一般的に、自発的でかつ進行する浸透
は、少なくとも約675℃、好ましくは少なくとも約750〜
800℃のプロセス温度で生じる。さらに、得られる懸濁
物の満足すべき注型性は、第2のマトリックス金属を分
散せしめた後、約800℃かもしくはそれ以上で、あるい
はその近傍でできればより低温で、その懸濁物の性状に
依存して達成可能である。温度の上昇につれて注型性が
必然的に改良されるというわけではない。1200℃を超え
る温度では、一般的に、本方法には利点がないと思わ
れ、特に有効な温度範囲は、約675℃〜約12000℃である
ことが判明した。しかしながら、原則として、自発浸透
温度は、マトリックス金属の融点を超え且つマトリック
ス金属の蒸発温度未満である。更に、自発浸透温度は、
充填材の融点よりも低くなければならない。更に、温度
が増加するとともに、マトリックス金属と浸透雰囲気と
の間の反応生成物が生成する傾向が増加する(例えば、
アルミニウムマトリックス金属と窒素浸透雰囲気の場
合、窒化アルミニウムが生成する場合がある)。このよ
うな反応生成物は、金属マトリックス複合体の意図する
用途により、望ましいこともあれば、望ましくない場合
もある。更に、浸透温度を達成するために、電気抵抗加
熱が一般的に使用される。しかしながら、マトリックス
金属が溶融状態となり、自発浸透に悪影響を及ぼさない
加熱手段であれば、本発明で使用することができる。
は充填材に結合させたマグネシウムの濃度も、所定温度
での浸透の程度に影響する傾向がある。その結果、マグ
ネシウムが充填材とほとんど直接接触しない場合には、
少なくとも約3重量%のマグネシウムを合金に含ませる
ことが好ましい。1重量%のように、この量未満の合金
含量では、浸透には、より高温のプロセス温度又は補助
合金元素が必要な場合がある。(1)合金のマグネシウ
ム含量のみを、例えば、少なくとも約5重量%に増加す
る場合;及び/又は(2)合金成分を充填材若しくはプ
レフォームの通気性素材と混合するとき;及び/又は
(3)亜鉛又は鉄等の別の元素がアルミニウム合金に存
在する時は、本発明の自発浸透法を行うのに必要とする
温度はもっと低くてもよい。温度も、充填材の種類によ
り変化し得る。一般的に、自発的でかつ進行する浸透
は、少なくとも約675℃、好ましくは少なくとも約750〜
800℃のプロセス温度で生じる。さらに、得られる懸濁
物の満足すべき注型性は、第2のマトリックス金属を分
散せしめた後、約800℃かもしくはそれ以上で、あるい
はその近傍でできればより低温で、その懸濁物の性状に
依存して達成可能である。温度の上昇につれて注型性が
必然的に改良されるというわけではない。1200℃を超え
る温度では、一般的に、本方法には利点がないと思わ
れ、特に有効な温度範囲は、約675℃〜約12000℃である
ことが判明した。しかしながら、原則として、自発浸透
温度は、マトリックス金属の融点を超え且つマトリック
ス金属の蒸発温度未満である。更に、自発浸透温度は、
充填材の融点よりも低くなければならない。更に、温度
が増加するとともに、マトリックス金属と浸透雰囲気と
の間の反応生成物が生成する傾向が増加する(例えば、
アルミニウムマトリックス金属と窒素浸透雰囲気の場
合、窒化アルミニウムが生成する場合がある)。このよ
うな反応生成物は、金属マトリックス複合体の意図する
用途により、望ましいこともあれば、望ましくない場合
もある。更に、浸透温度を達成するために、電気抵抗加
熱が一般的に使用される。しかしながら、マトリックス
金属が溶融状態となり、自発浸透に悪影響を及ぼさない
加熱手段であれば、本発明で使用することができる。
本発明の方法においては、例えば、通気性充填材が、
プロセス中の少なくともある時点で窒素含有ガスの存在
下で、溶融アルミニウムと接触状態となる。この窒素含
有ガスは、ガスの連続流を充填材及び/又は溶融アルミ
ニウムマトリックス金属の少なくとも一つと接触を維持
することにより供給できる。窒素含有ガスの流量は重要
ではないけれども、合金マトリックスにおける窒化物の
生成により雰囲気から損失する窒素を補償するに十分で
あり、且つ溶融金属を酸化する場合のある空気の進入を
防止又は阻止するに十分な流量であることが好ましい。
プロセス中の少なくともある時点で窒素含有ガスの存在
下で、溶融アルミニウムと接触状態となる。この窒素含
有ガスは、ガスの連続流を充填材及び/又は溶融アルミ
ニウムマトリックス金属の少なくとも一つと接触を維持
することにより供給できる。窒素含有ガスの流量は重要
ではないけれども、合金マトリックスにおける窒化物の
生成により雰囲気から損失する窒素を補償するに十分で
あり、且つ溶融金属を酸化する場合のある空気の進入を
防止又は阻止するに十分な流量であることが好ましい。
金属マトリックス複合体を形成する方法は、多種多様
の充填材に適用でき、どの充填材を選択するかは、マト
リックス合金、プロセス条件、溶融マトリックス合金と
充填材との反応性及び最終複合体製品に求められる性質
等の因子により異なる。例えば、アルミニウムがマトリ
ックス金属の場合、適当な充填材としては、(a)酸化
物、例えば、アルミナ;(b)炭化物、例えば、炭化珪
素;(c)硼化物、例えば、アルミニウムドデカボライ
ド;及び(d)窒化物、例えば、窒化アルミニウムが挙
げられる。充填材が溶融アルミニウムマトリックス金属
と反応する傾向がある場合には、浸透時間及び温度を最
少限度とするか、又は充填剤に非反応性被覆を設けるこ
とにより適応できる。充填材は、カーボン又は他の非セ
ラミック材料等の基材を包含し、この基材は侵食又は分
解から保護のためにセラミック被膜を有している。適当
なセラミック被膜としては、酸化物、炭化物、硼化物及
び窒化物が挙げられる。本発明の方法に用いるのに好ま
しいセラミックとしては、粒子状、板状、ウイスカー状
及び繊維状のアルミナ及び炭化珪素が挙げられる。繊維
は、不連続した(細断した形態)でも又はマルチフィラ
メントトウ等の連続フィラメントでもよい。更に、充填
材又はプレフォームは、均一でも又は不均一でもよい。
アルミナ及び炭化珪素の両者とも、第2の又は追加のマ
トリックス金属を本発明に従ってその内部で分散させる
場合、満足のいく懸濁物を提供することができる。実施
例の項で詳細に説明するが、炭化珪素は、懸濁物に分散
後、アルミナよりも注型性が大であることが判明した。
の充填材に適用でき、どの充填材を選択するかは、マト
リックス合金、プロセス条件、溶融マトリックス合金と
充填材との反応性及び最終複合体製品に求められる性質
等の因子により異なる。例えば、アルミニウムがマトリ
ックス金属の場合、適当な充填材としては、(a)酸化
物、例えば、アルミナ;(b)炭化物、例えば、炭化珪
素;(c)硼化物、例えば、アルミニウムドデカボライ
ド;及び(d)窒化物、例えば、窒化アルミニウムが挙
げられる。充填材が溶融アルミニウムマトリックス金属
と反応する傾向がある場合には、浸透時間及び温度を最
少限度とするか、又は充填剤に非反応性被覆を設けるこ
とにより適応できる。充填材は、カーボン又は他の非セ
ラミック材料等の基材を包含し、この基材は侵食又は分
解から保護のためにセラミック被膜を有している。適当
なセラミック被膜としては、酸化物、炭化物、硼化物及
び窒化物が挙げられる。本発明の方法に用いるのに好ま
しいセラミックとしては、粒子状、板状、ウイスカー状
及び繊維状のアルミナ及び炭化珪素が挙げられる。繊維
は、不連続した(細断した形態)でも又はマルチフィラ
メントトウ等の連続フィラメントでもよい。更に、充填
材又はプレフォームは、均一でも又は不均一でもよい。
アルミナ及び炭化珪素の両者とも、第2の又は追加のマ
トリックス金属を本発明に従ってその内部で分散させる
場合、満足のいく懸濁物を提供することができる。実施
例の項で詳細に説明するが、炭化珪素は、懸濁物に分散
後、アルミナよりも注型性が大であることが判明した。
また、特定の充填材は、同様な化学組成を有する充填
材に対して優れた浸透性を示すことが判明した。例え
ば、「ノーベル セラミック マテリアルズ アンド
メソッズ オブ メーキング セーム(Novel Ceramic
Materials and Methods of Making Same)と題する、マ
ーク・エス・ニューカーク(Mark S.Newkirk)等による
1987年12月15日発行の米国特許第4,713,360号に開示さ
れている方法により製造した破砕アルミナ物体は、市販
のアルミナ製品よりも所望の浸透性を示す。更に、「コ
ンポジット セラミック アーティクルズ アンド メ
ソッズ オブ メーキング セーム(Composite Cerami
c Articles and Methods of Making Same)と題する同
時継続及び同一出願人による米国特許出願第819,397号
〔発明者:マーク・エス・ニューカーク(Mark S. Newk
irk)等〕に開示されている方法により製造した破砕ア
ルミナ物体も、市販のアルミナ製品よりも所望の浸透性
を示す。上記特許及び特許出願の各々の内容は、本発明
に利用できる。従って、上記した米国特許及び特許出願
の方法により製造した破砕又は粉砕した物体を用いるこ
とにより、より低い浸透温度及び/又はより短い浸透時
間で、セラミック材の通気性素材の完全浸透が生じるこ
とが判明した。
材に対して優れた浸透性を示すことが判明した。例え
ば、「ノーベル セラミック マテリアルズ アンド
メソッズ オブ メーキング セーム(Novel Ceramic
Materials and Methods of Making Same)と題する、マ
ーク・エス・ニューカーク(Mark S.Newkirk)等による
1987年12月15日発行の米国特許第4,713,360号に開示さ
れている方法により製造した破砕アルミナ物体は、市販
のアルミナ製品よりも所望の浸透性を示す。更に、「コ
ンポジット セラミック アーティクルズ アンド メ
ソッズ オブ メーキング セーム(Composite Cerami
c Articles and Methods of Making Same)と題する同
時継続及び同一出願人による米国特許出願第819,397号
〔発明者:マーク・エス・ニューカーク(Mark S. Newk
irk)等〕に開示されている方法により製造した破砕ア
ルミナ物体も、市販のアルミナ製品よりも所望の浸透性
を示す。上記特許及び特許出願の各々の内容は、本発明
に利用できる。従って、上記した米国特許及び特許出願
の方法により製造した破砕又は粉砕した物体を用いるこ
とにより、より低い浸透温度及び/又はより短い浸透時
間で、セラミック材の通気性素材の完全浸透が生じるこ
とが判明した。
充填材のサイズ及び形状は、複合体において望ましい
性質を得るのに必要されるいずれのものでもよい。従っ
て、浸透は充填材の形状によっては制限されないので、
充填材は、粒子状、ウイスカー状、板状又は繊維状でよ
い。球体、小管、ペレット、耐火繊維布等の他の形状を
用いてもよい。更に、大きな粒子の場合よりは小さい粒
子の素材を完全に浸透させるには温度を高めるか又は時
間を長くすることが必要な場合があるが、浸透は、充填
材のサイズによっては制限されない。浸透されるべき充
填材(プレフォームに賦形した)の素材は、通気性でな
ければならない(即ち、溶融マトリックス金属透過性及
び浸透雰囲気透過性)。
性質を得るのに必要されるいずれのものでもよい。従っ
て、浸透は充填材の形状によっては制限されないので、
充填材は、粒子状、ウイスカー状、板状又は繊維状でよ
い。球体、小管、ペレット、耐火繊維布等の他の形状を
用いてもよい。更に、大きな粒子の場合よりは小さい粒
子の素材を完全に浸透させるには温度を高めるか又は時
間を長くすることが必要な場合があるが、浸透は、充填
材のサイズによっては制限されない。浸透されるべき充
填材(プレフォームに賦形した)の素材は、通気性でな
ければならない(即ち、溶融マトリックス金属透過性及
び浸透雰囲気透過性)。
本発明の金属マトリックス複合体の製造方法は、溶融
マトリックス金属をプレフォーム又は充填材の素材中に
押しやり、又は圧搾するための圧力の使用に依存せず、
高い体積分率の充填材及び低い多孔度を有する実質的に
均一な金属マトリックス複合体の製造を可能にする。充
填材の、より高い体積分率は、充填材の、より低い多孔
度の初期の素材を使用することにより達成し得る。又、
より高い体積分率は、充填材の素材が、独立気泡の多孔
度を有する圧縮体、又は溶融合金による浸透を妨げるよ
うな十分緻密な構造に転化されないことを条件として、
圧縮されるか、そうでなければ圧密化される場合に、達
成し得る。本発明によれば、第二マトリックス金属の分
散により、低い体積分率又は粒子充填をまた得ることが
できる。従って、処理上の利点及び自発浸透に関連した
性質を得つつ、広範囲の粒子充填を達成し得る。
マトリックス金属をプレフォーム又は充填材の素材中に
押しやり、又は圧搾するための圧力の使用に依存せず、
高い体積分率の充填材及び低い多孔度を有する実質的に
均一な金属マトリックス複合体の製造を可能にする。充
填材の、より高い体積分率は、充填材の、より低い多孔
度の初期の素材を使用することにより達成し得る。又、
より高い体積分率は、充填材の素材が、独立気泡の多孔
度を有する圧縮体、又は溶融合金による浸透を妨げるよ
うな十分緻密な構造に転化されないことを条件として、
圧縮されるか、そうでなければ圧密化される場合に、達
成し得る。本発明によれば、第二マトリックス金属の分
散により、低い体積分率又は粒子充填をまた得ることが
できる。従って、処理上の利点及び自発浸透に関連した
性質を得つつ、広範囲の粒子充填を達成し得る。
セラミック充填材の周囲へのアルミニウムの浸透とマ
トリックスの形成の場合、アルミニウムマトリックスに
よるセラミック充填材の湿潤は、浸透機構の重要な要素
の場合がある。更に、低い処理温度では、金属の窒化は
無視できる程度又は極少量であり、窒化アルミニウムの
生成は金属マトリックスに分散した形態で不連続相が極
少量が生成するだけである。温度範囲の上限に接近する
につれて、金属の窒化はもっと生じ易くなる。従って、
金属マトリックスにおける窒化物相の量は、浸透が生じ
るプロセス温度を変えることにより制御できる。窒化物
生成がより顕著になる特定のプロセス温度も、使用され
るマトリックスアルミニウム合金、この合金の充填材の
体積に対する量、浸透されるべき充填材及び浸透雰囲気
の窒素濃度等の因子により異なる。例えば、一定のプロ
セス温度での窒化アルミニウム生成の程度は、合金が充
填材を湿潤する能力の減少及び雰囲気の窒素濃度の増加
とともに増加するものと思われる。
トリックスの形成の場合、アルミニウムマトリックスに
よるセラミック充填材の湿潤は、浸透機構の重要な要素
の場合がある。更に、低い処理温度では、金属の窒化は
無視できる程度又は極少量であり、窒化アルミニウムの
生成は金属マトリックスに分散した形態で不連続相が極
少量が生成するだけである。温度範囲の上限に接近する
につれて、金属の窒化はもっと生じ易くなる。従って、
金属マトリックスにおける窒化物相の量は、浸透が生じ
るプロセス温度を変えることにより制御できる。窒化物
生成がより顕著になる特定のプロセス温度も、使用され
るマトリックスアルミニウム合金、この合金の充填材の
体積に対する量、浸透されるべき充填材及び浸透雰囲気
の窒素濃度等の因子により異なる。例えば、一定のプロ
セス温度での窒化アルミニウム生成の程度は、合金が充
填材を湿潤する能力の減少及び雰囲気の窒素濃度の増加
とともに増加するものと思われる。
従って、複合体の形成中に金属マトリックスの構造を
作り出し、得られる生成物に特定の特性を付与すること
が可能である。一定の系の場合、プロセス条件を、窒化
物生成を制御するように選択することができる。窒化ア
ルミニウム相を含有する複合体生成物は、生成物に対し
て好ましいか又はその性質を向上できるある種の性質を
示す。更に、アルミニウム合金を自発浸透させるための
温度範囲は、使用するセラミックにより異なってもよ
い。充填材としてアルミナを用いる際、窒化物が著しく
生成することによりマトリックスの延性が減少しないこ
とが望ましい場合には、浸透温度は、好ましくは約1000
℃を超えてはならない。延性がもっと小さく且つ剛さの
大きなマトリックスを有する複合体を製造することが望
ましい場合には、1000℃を超える温度を用いてもよい。
炭化珪素を充填材として用いるときには、アルミニウム
合金は、充填剤としてアルミナを使用するときよりは窒
化の程度が小さいので、炭化珪素に浸透させるには、よ
り高い温度である約1200℃を用いてもよい。
作り出し、得られる生成物に特定の特性を付与すること
が可能である。一定の系の場合、プロセス条件を、窒化
物生成を制御するように選択することができる。窒化ア
ルミニウム相を含有する複合体生成物は、生成物に対し
て好ましいか又はその性質を向上できるある種の性質を
示す。更に、アルミニウム合金を自発浸透させるための
温度範囲は、使用するセラミックにより異なってもよ
い。充填材としてアルミナを用いる際、窒化物が著しく
生成することによりマトリックスの延性が減少しないこ
とが望ましい場合には、浸透温度は、好ましくは約1000
℃を超えてはならない。延性がもっと小さく且つ剛さの
大きなマトリックスを有する複合体を製造することが望
ましい場合には、1000℃を超える温度を用いてもよい。
炭化珪素を充填材として用いるときには、アルミニウム
合金は、充填剤としてアルミナを使用するときよりは窒
化の程度が小さいので、炭化珪素に浸透させるには、よ
り高い温度である約1200℃を用いてもよい。
更に、マトリックス金属の溜を用いて、充填材を確実
に完全に浸透させたり及び/又はマトリックスの第一源
とは異なる組成を有する第二金属を供給することが可能
である。即ち、ある場合には、マトリックス金属の第一
源とは組成が異なるマトリックス金属を溜に用いること
が望ましい場合がある。例えば、アルミニウム合金をマ
トリックス金属の第一源として用いる場合、実際に処理
温度で溶融するいずれの他の金属又は金属合金を溜金属
として用いてもよい。溶融金属は互いに非常によく混和
することがあり、この際、混合が生じるに十分な時間が
ある限り、溜金属はマトリックス金属の第一源と混合す
る。従って、マトリックスの第一源とは異なる組成の溜
金属を用いることにより、種々の操作要件を満たすよう
に金属マトリックスの性質を合わせ、それにより、金属
マトリックス複合体の性質を作り出すことができる。
に完全に浸透させたり及び/又はマトリックスの第一源
とは異なる組成を有する第二金属を供給することが可能
である。即ち、ある場合には、マトリックス金属の第一
源とは組成が異なるマトリックス金属を溜に用いること
が望ましい場合がある。例えば、アルミニウム合金をマ
トリックス金属の第一源として用いる場合、実際に処理
温度で溶融するいずれの他の金属又は金属合金を溜金属
として用いてもよい。溶融金属は互いに非常によく混和
することがあり、この際、混合が生じるに十分な時間が
ある限り、溜金属はマトリックス金属の第一源と混合す
る。従って、マトリックスの第一源とは異なる組成の溜
金属を用いることにより、種々の操作要件を満たすよう
に金属マトリックスの性質を合わせ、それにより、金属
マトリックス複合体の性質を作り出すことができる。
また、本発明と組み合わせてバリヤー手段を使用する
こともできる。適当なバリヤー手段は、初期の浸透が行
われる容器2内において、ならびに分散せしめられた懸
濁物が注加されるべき任意の鋳型内において、必要とな
り得る。具体的には、本発明で使用するバリヤー手段
は、充填材の規定された表面境界を超えて、溶融マトリ
ックス合金(例えば、アルミニウム合金)が移動、動き
等をするのを妨害、阻止、防止又は終了させるいずれか
の適当な手段でよい。適当なバリヤー手段としては、本
発明のプロセス条件下で、一体性を維持し、揮発せず且
つ好ましくは本発明で使用するガスを透過するととも
に、充填材の規定された表面を超えて連続して浸透又は
その他の動きをするのを局部的に阻止、停止、妨害、防
止等をすることが可能な材料、化合物、元素、組成物等
が挙げられる。
こともできる。適当なバリヤー手段は、初期の浸透が行
われる容器2内において、ならびに分散せしめられた懸
濁物が注加されるべき任意の鋳型内において、必要とな
り得る。具体的には、本発明で使用するバリヤー手段
は、充填材の規定された表面境界を超えて、溶融マトリ
ックス合金(例えば、アルミニウム合金)が移動、動き
等をするのを妨害、阻止、防止又は終了させるいずれか
の適当な手段でよい。適当なバリヤー手段としては、本
発明のプロセス条件下で、一体性を維持し、揮発せず且
つ好ましくは本発明で使用するガスを透過するととも
に、充填材の規定された表面を超えて連続して浸透又は
その他の動きをするのを局部的に阻止、停止、妨害、防
止等をすることが可能な材料、化合物、元素、組成物等
が挙げられる。
適当なバリヤー手段としては、用いられるプロセス条
件下で移動している溶融金属によって実質的に湿潤され
ない材料が挙げられる。この種のバリヤーは、溶融マト
リックス合金に対してほとんど親和性を示さず且つ溶融
マトリックス金属を充填材の規定された表面境界を超え
ては実質的に移動させない。バリヤーは、金属マトリッ
クス複合体製品の最終機械加工又は研磨の必要性を減少
させる。上記したように、このバリヤーは、通気性若し
くは多孔性であるか又は穴あけにより通気性にして、ガ
スを溶融マトリックス合金に接触させることができなけ
ればならない。
件下で移動している溶融金属によって実質的に湿潤され
ない材料が挙げられる。この種のバリヤーは、溶融マト
リックス合金に対してほとんど親和性を示さず且つ溶融
マトリックス金属を充填材の規定された表面境界を超え
ては実質的に移動させない。バリヤーは、金属マトリッ
クス複合体製品の最終機械加工又は研磨の必要性を減少
させる。上記したように、このバリヤーは、通気性若し
くは多孔性であるか又は穴あけにより通気性にして、ガ
スを溶融マトリックス合金に接触させることができなけ
ればならない。
アルミニウムマトリックス合金に特に有効なバリヤー
の適当なものとしては、炭素、特に黒鉛として知られて
いる結晶性同素体状炭素を含有するものが挙げられる。
黒鉛は、説明したプロセス条件下では、溶融アルミニウ
ム合金によっては実質的に湿潤されない。特に好ましい
黒鉛としては、グラフォイル(Grafoil)(ユニオンカ
ーバイド社の登録商標)として販売されている黒鉛テー
プ製品が挙げられる。黒鉛テープは、充填材の規定され
た表面境界を超えて溶融アルミニウム合金が移動するの
を防止するシーリング性を示す。又、黒鉛テープは、耐
熱性であり且つ化学的に不活性である。グラフォイルは
可撓性、適合性(compatible)、従型性(conformabl
e)、弾性(resilient)である。グラフォイル黒鉛テー
プは、バリヤーの用途に適合するように種々の形状に作
製することができる。しかしながら、黒鉛バリヤー手段
は、充填材又はプレフォームの周囲及び境界に、スラリ
ー、ペースト又は塗膜としてでも用いることができる。
グラフォイルは、可撓性黒鉛シートの形態であるので特
に好ましい。使用に際して、この紙様黒鉛は、充填材又
はプレフォームの周囲に簡単に成形される。
の適当なものとしては、炭素、特に黒鉛として知られて
いる結晶性同素体状炭素を含有するものが挙げられる。
黒鉛は、説明したプロセス条件下では、溶融アルミニウ
ム合金によっては実質的に湿潤されない。特に好ましい
黒鉛としては、グラフォイル(Grafoil)(ユニオンカ
ーバイド社の登録商標)として販売されている黒鉛テー
プ製品が挙げられる。黒鉛テープは、充填材の規定され
た表面境界を超えて溶融アルミニウム合金が移動するの
を防止するシーリング性を示す。又、黒鉛テープは、耐
熱性であり且つ化学的に不活性である。グラフォイルは
可撓性、適合性(compatible)、従型性(conformabl
e)、弾性(resilient)である。グラフォイル黒鉛テー
プは、バリヤーの用途に適合するように種々の形状に作
製することができる。しかしながら、黒鉛バリヤー手段
は、充填材又はプレフォームの周囲及び境界に、スラリ
ー、ペースト又は塗膜としてでも用いることができる。
グラフォイルは、可撓性黒鉛シートの形態であるので特
に好ましい。使用に際して、この紙様黒鉛は、充填材又
はプレフォームの周囲に簡単に成形される。
窒素雰囲気におけるアルミニウム金属マトリックス合
金に関する他の好ましいバリヤーとして、このバリヤー
材を用いたときに使用する一定のプロセス条件下で、溶
融アルミニウム金属合金により一般的に湿潤されない遷
移金属硼化物〔例えば、二硼化チタン(TiB2)〕であ
る。この種のバリヤーの場合、プロセス温度は約875℃
を超えてはならず、この温度を超えると、バリヤー材の
有効性が低下し、実際に、温度を上げるとバリヤーへの
浸透が生じる。遷移金属硼化物は、一般的には粒状(1
〜30ミクロン)である。バリヤー材は、スラリー又はペ
ーストの形態で、好ましくはプレフォームとして賦形し
たセラミック充填材の通気性素材の境界に適用してもよ
い。
金に関する他の好ましいバリヤーとして、このバリヤー
材を用いたときに使用する一定のプロセス条件下で、溶
融アルミニウム金属合金により一般的に湿潤されない遷
移金属硼化物〔例えば、二硼化チタン(TiB2)〕であ
る。この種のバリヤーの場合、プロセス温度は約875℃
を超えてはならず、この温度を超えると、バリヤー材の
有効性が低下し、実際に、温度を上げるとバリヤーへの
浸透が生じる。遷移金属硼化物は、一般的には粒状(1
〜30ミクロン)である。バリヤー材は、スラリー又はペ
ーストの形態で、好ましくはプレフォームとして賦形し
たセラミック充填材の通気性素材の境界に適用してもよ
い。
窒素雰囲気におけるアルミニウム金属マトリックス合
金に関する他の好ましいバリヤーとして、充填材又はプ
レフォームの外表面上にフィルム又は層として適用され
る低揮発性有機化合物が挙げられる。窒素中、特に本発
明のプロセス条件で焼成すると、有機化合物が分解して
カーボンスート(soot)フィルムが残る。有機化合物
は、塗装、噴霧、浸漬等の従来の手段により適用でき
る。
金に関する他の好ましいバリヤーとして、充填材又はプ
レフォームの外表面上にフィルム又は層として適用され
る低揮発性有機化合物が挙げられる。窒素中、特に本発
明のプロセス条件で焼成すると、有機化合物が分解して
カーボンスート(soot)フィルムが残る。有機化合物
は、塗装、噴霧、浸漬等の従来の手段により適用でき
る。
更に、微粉砕した粒状物質は、粒状物質への浸透が充
填材への浸透より遅い速度で生じる限り、バリヤーとし
て機能することができる。
填材への浸透より遅い速度で生じる限り、バリヤーとし
て機能することができる。
したがって、バリヤー手段は、規定された表面境界を
バリヤー手段の層で被覆する等の何れかの適当な手段に
より適用できる。このようなバリヤー手段の層は、塗
装、浸漬、スクリーン印刷、蒸着、又は液体、スラリー
若しくはペーストの形態でバリヤー手段に塗布すること
により、又は揮発性バリヤー手段のスパッタリングによ
り、又は固形粒子バリヤー手段の層を単に付着させるこ
とにより、又はバリヤー手段の固形薄シート若しくはフ
ィルムを、規定された表面境界上に適用することにより
適用できる。所定の位置にバリヤー手段を用いた場合、
浸透マトリックス金属が規定された表面境界に到達し且
つバリヤー手段に接触すると、自発浸透が実質的に終了
する。
バリヤー手段の層で被覆する等の何れかの適当な手段に
より適用できる。このようなバリヤー手段の層は、塗
装、浸漬、スクリーン印刷、蒸着、又は液体、スラリー
若しくはペーストの形態でバリヤー手段に塗布すること
により、又は揮発性バリヤー手段のスパッタリングによ
り、又は固形粒子バリヤー手段の層を単に付着させるこ
とにより、又はバリヤー手段の固形薄シート若しくはフ
ィルムを、規定された表面境界上に適用することにより
適用できる。所定の位置にバリヤー手段を用いた場合、
浸透マトリックス金属が規定された表面境界に到達し且
つバリヤー手段に接触すると、自発浸透が実質的に終了
する。
以下、実施例により本発明の種々の態様を説明する。
しかしながら、これらの実施例は、本発明を説明するも
のであって、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲を
限定するものではない。
しかしながら、これらの実施例は、本発明を説明するも
のであって、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲を
限定するものではない。
実施例1〜4 以下の実施例は、未分散の自発浸透された複合体より
も実質的に低い粒子充填を有する、十分に分散された、
均一の、注型可能な懸濁物を得るための、マトリックス
金属による充填材の自発浸透及び追加のマトリックス金
属のひき続いての分散を示す。
も実質的に低い粒子充填を有する、十分に分散された、
均一の、注型可能な懸濁物を得るための、マトリックス
金属による充填材の自発浸透及び追加のマトリックス金
属のひき続いての分散を示す。
第2図は、実施例1及び2のレイアップを図示する。
実施例1及び2の実験は、同時に平行して行なった。実
施例1及び2の両方に関して、直径15.2cm(6イン
チ)、高さ11.4cm(4.5インチ)の316ステンレス鋼缶
(101)を、パーマホイル(Permafoil、商標)で内張り
した。これは自発浸透用の非反容性容器として作用し
た。
実施例1及び2の実験は、同時に平行して行なった。実
施例1及び2の両方に関して、直径15.2cm(6イン
チ)、高さ11.4cm(4.5インチ)の316ステンレス鋼缶
(101)を、パーマホイル(Permafoil、商標)で内張り
した。これは自発浸透用の非反容性容器として作用し
た。
実施例1において、炭化珪素(ノートン社から入手し
た1000グリット39クリストロン(Crystolon))と2重
量%のマグネシウム(325メッシュ)との混合物を含む
充填材102約300gを用意した。約12重量%の珪素、約5
重量%の亜鉛、及び約6重量%のマグネシウムを含むア
ルミニウム合金(Al-12 Si-SZn-6Mg)約600gのインゴッ
ト103を、充填材102の頂部に置いた。50メッシュのマグ
ネシウム粉末の層を、充填材102とインゴット103との界
面に入れた。
た1000グリット39クリストロン(Crystolon))と2重
量%のマグネシウム(325メッシュ)との混合物を含む
充填材102約300gを用意した。約12重量%の珪素、約5
重量%の亜鉛、及び約6重量%のマグネシウムを含むア
ルミニウム合金(Al-12 Si-SZn-6Mg)約600gのインゴッ
ト103を、充填材102の頂部に置いた。50メッシュのマグ
ネシウム粉末の層を、充填材102とインゴット103との界
面に入れた。
実施例2において、アルミナ(ノートン社から入手し
た1000グリットE67アランダム(Alundum))と5%のマ
グネシウム(325メッシュ)との混合物を含む充填材104
約300gを用意した。標準アルミニウム520合金(10%の
マグネシウムを含む)約600gのインゴット105を、充填
材104の頂部に置いた。再度、50メッシュのマグネシウ
ムの層を充填材104とインゴット105との界面に入れた。
た1000グリットE67アランダム(Alundum))と5%のマ
グネシウム(325メッシュ)との混合物を含む充填材104
約300gを用意した。標準アルミニウム520合金(10%の
マグネシウムを含む)約600gのインゴット105を、充填
材104の頂部に置いた。再度、50メッシュのマグネシウ
ムの層を充填材104とインゴット105との界面に入れた。
二つのステンレス鋼容器101を、長さ35.6cm(14イン
チ)、幅20.3cm(8インチ)、高さ17.8cm(7インチ)
の316ステンレス鋼缶106中に入れ、これを銅箔108で覆
った。ファイバーフラックス(Fiber frax、商標)(マ
ックネイル・リフラクトリィズ社)の層107を缶106の底
部に置いて、より小さい缶101を炉床の底部から断熱し
た。チタンスポンジ109を、より大きい缶の底部に沿っ
て置いて、系に入り得る酸素を吸収した。
チ)、幅20.3cm(8インチ)、高さ17.8cm(7インチ)
の316ステンレス鋼缶106中に入れ、これを銅箔108で覆
った。ファイバーフラックス(Fiber frax、商標)(マ
ックネイル・リフラクトリィズ社)の層107を缶106の底
部に置いて、より小さい缶101を炉床の底部から断熱し
た。チタンスポンジ109を、より大きい缶の底部に沿っ
て置いて、系に入り得る酸素を吸収した。
過剰のマトリックス金属があること、及び自発浸透が
完結した後に、追加のマトリックス金属の予備が残るこ
とを確実にするため、実施例1及び2で用いた。マトリ
ックス金属に対して33重量%の粒子の充填を生じるた
め、分散後の、2:1の比を選んだ。
完結した後に、追加のマトリックス金属の予備が残るこ
とを確実にするため、実施例1及び2で用いた。マトリ
ックス金属に対して33重量%の粒子の充填を生じるた
め、分散後の、2:1の比を選んだ。
次いで、レイアップ100を炉に入れ、入口110により窒
素でパージし、ついで約2.5l/分の流量の窒素ガス流下
で約2時間の期間にわたって室温から約800℃まで加熱
し、自発浸透が実質的に完結するまで約2時間加熱し
た。
素でパージし、ついで約2.5l/分の流量の窒素ガス流下
で約2時間の期間にわたって室温から約800℃まで加熱
し、自発浸透が実質的に完結するまで約2時間加熱し
た。
自発浸透された複合体を含む缶101を、その後、800℃
の炉から取り出し、直ちにアルミナ攪拌棒(これは、又
炉温度に加熱されていた)を用いて空気中で2〜3分間
手で攪拌した。
の炉から取り出し、直ちにアルミナ攪拌棒(これは、又
炉温度に加熱されていた)を用いて空気中で2〜3分間
手で攪拌した。
両方の複合体は良く混合した。次いで、得られた懸濁
物を、室温(22℃)で循環する水を有する銅チルプレー
トの上にセットされたステンレス鋼の12.7cm×12.7cm
(5インチ×5インチ)の正方形のフレーム鋳型中に注
入した。
物を、室温(22℃)で循環する水を有する銅チルプレー
トの上にセットされたステンレス鋼の12.7cm×12.7cm
(5インチ×5インチ)の正方形のフレーム鋳型中に注
入した。
実施例1(炭化珪素充填材)により生成された懸濁物
は、良く注型し、鋳型の形状を満たした。実施例2(ア
ルミナ充填材)により生成された懸濁物は、塊として注
入したが、成形特性及び押出特性を示した。これら2つ
の実施例は、本発明の分散方法が50%程度の粒子充填を
有する、成形不能、注型不能の金属マトリックス複合体
を30%程度の粒子充填を有する注型可能な複合体に転化
するのに適用し得ることを示した。
は、良く注型し、鋳型の形状を満たした。実施例2(ア
ルミナ充填材)により生成された懸濁物は、塊として注
入したが、成形特性及び押出特性を示した。これら2つ
の実施例は、本発明の分散方法が50%程度の粒子充填を
有する、成形不能、注型不能の金属マトリックス複合体
を30%程度の粒子充填を有する注型可能な複合体に転化
するのに適用し得ることを示した。
複合体(例えば、懸濁物)を更に注型可能にしようと
して850℃の設定炉温度を用いた以外は、実施例1及び
2の実験を、夫々、実施例3及び4として同様に繰返し
た。
して850℃の設定炉温度を用いた以外は、実施例1及び
2の実験を、夫々、実施例3及び4として同様に繰返し
た。
実施例3の懸濁物は、実施例1の懸濁物よりも攪拌し
難く、注型し難かった。しかしながら、この減少された
攪拌特性及び注入特性は、実施例1よりも実施例3では
混合前に自発浸透が、より完全でより、より良好な粒子
の湿潤を生じることの結果であったかもしれない。実施
例4は、実施例2のアルミナ充填材及びマトリックス懸
濁物に較べて、注型特性の変化を示さなかった。
難く、注型し難かった。しかしながら、この減少された
攪拌特性及び注入特性は、実施例1よりも実施例3では
混合前に自発浸透が、より完全でより、より良好な粒子
の湿潤を生じることの結果であったかもしれない。実施
例4は、実施例2のアルミナ充填材及びマトリックス懸
濁物に較べて、注型特性の変化を示さなかった。
第1a図は、過剰のマトリックス金属で部分的に浸透され
た複合体を示す、本発明によるレイアップの概略断面
図、 第1b図は、浸透された複合体及び過剰のマトリックス金
属の分散物を示す概略断面図、 第1c図は、更に処理する前の、分散された浸透複合体を
示す概略断面図、 第1d図は、分散された複合体の注型性を示す概略断面
図、そして 第2図は、実施例1〜4のレイアップの概略断面図であ
る。 図中、1は充填材、2は容器、3はマトリックス金属、
4は金属マトリックス複合体、5は攪拌機、そして10は
レイアップである。
た複合体を示す、本発明によるレイアップの概略断面
図、 第1b図は、浸透された複合体及び過剰のマトリックス金
属の分散物を示す概略断面図、 第1c図は、更に処理する前の、分散された浸透複合体を
示す概略断面図、 第1d図は、分散された複合体の注型性を示す概略断面
図、そして 第2図は、実施例1〜4のレイアップの概略断面図であ
る。 図中、1は充填材、2は容器、3はマトリックス金属、
4は金属マトリックス複合体、5は攪拌機、そして10は
レイアップである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−311(JP,A) 特開 昭49−42504(JP,A) 特開 昭57−31466(JP,A) 特開 昭59−145742(JP,A) 特開 昭59−43835(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 1/09 B22D 19/14 C04B 41/88
Claims (15)
- 【請求項1】金属マトリックス複合材を形成する方法で
あって、下記の工程: 非反応性の充填材(1)と該充填材に隣接したマトリッ
クス金属源(2)を用意し、 前記マトリックス金属の融点よりも高い温度でかつ浸透
増進剤又は浸透増進剤前駆体の少なくとも一方(3)及
び浸透雰囲気の存在において、当該プロセスの間の少な
くともある時点で、前記充填材の少なくとも一部分に前
記マトリックス金属の溶融物を自発的に浸透させ、そし
て 前記マトリックス金属の溶融物の自発浸透後の充填材に
対して追加のマトリックス金属を供給し、よって、もと
の自発浸透された充填材よりも充填材の体積分率が低
い、充填材とマトリックス金属の懸濁物を形成するこ
と、 を含んでなることを特徴とする金属マトリックス複合材
の形成方法。 - 【請求項2】前記充填材が、粉末、フレーク、板状物、
小球体、ウイスカー、バブル状物、繊維、粒体、繊維マ
ット、チョップトファイバー、球体、ペレット、小管及
び耐火繊維布からなる群から選ばれた少なくとも1つの
材料である、特許請求の範囲第1項に記載の形成方法。 - 【請求項3】前記充填材への前記マトリックス金属の溶
融物の自発浸透が実質的に完了した後に前記の追加のマ
トリックス金属を供給する、特許請求の範囲第1項に記
載の形成方法。 - 【請求項4】前記の追加のマトリックス金属が、前記充
填材に自発浸透したマトリックス金属の溶融物とは異な
る組成を有しているかもしくは前記充填材に自発浸透し
たマトリックス金属の溶融物に類似の組成を有してい
る、特許請求の範囲第1項に記載の形成方法。 - 【請求項5】前記の追加のマトリックス金属が、前記充
填材への浸透に用いられなかった過剰の溶融マトリック
ス金属を含んでいる、特許請求の範囲第1項に記載の形
成方法。 - 【請求項6】前記マトリックス金属の溶融物の自発浸透
後の充填材を冷却し、そしてその後、前記の追加のマト
リックス金属を供給する前、前記の自発浸透後の充填材
を再加熱する工程をさらに含む、特許請求の範囲第1項
に記載の形成方法。 - 【請求項7】前記の実質的に非反応性の充填材を、前記
金属マトリックス複合材の最終形状に実質的に一致する
型に用意する、特許請求の範囲第1項に記載の形成方
法。 - 【請求項8】追加のマトリックス金属と前記マトリック
ス金属の溶融物の自発浸透後の充填材の前記懸濁物を、
前記金属マトリックス複合材の最終形状に実質的に対応
する型に注入する、特許請求の範囲第1項に記載の形成
方法。 - 【請求項9】前記懸濁物を中間形状に対応する型に注入
し、引き続いてその中間形状のものを加工して最終形状
を有する金属マトリックス複合体を得る、特許請求の範
囲第8項に記載の形成方法。 - 【請求項10】前記金属マトリックス複合材が5〜40体
積%の粒子充填度を有している、特許請求の範囲第1項
に記載の形成方法。 - 【請求項11】前記マトリックス金属の溶融物が層状積
層構造をもった多相溶融合金からなり、そして、前記積
層構造において、前記充填材から最も離れた層が前記の
追加のマトリックス金属を含む、特許請求の範囲第1項
に記載の形成方法。 - 【請求項12】前記マトリックス金属がアルミニウムを
含み、前記浸透増進剤前駆体がマグネシウムを含み、そ
して前記浸透雰囲気が窒素を含む、特許請求の範囲第1
項に記載の形成方法。 - 【請求項13】前記充填材が、酸化物、炭化物、硼化物
及び窒化物からなる群から選ばれた少なくとも1種の材
料を含む、特許請求の範囲第1項に記載の形成方法。 - 【請求項14】前記マトリックス金属がアルミニウムを
含み、そして前記充填材が酸化アルミニウム及び炭化珪
素からなる群から選ばれた少なくとも1種の材料を含
む、特許請求の範囲第1項に記載の形成方法。 - 【請求項15】金属マトリックス複合体を形成する方法
であって、下記の工程: 非反応性の充填材の通気性素材を形成し、 前記充填材に隣接した溶融マトリックス金属源を用意
し、 浸透雰囲気を、当該プロセスの間の少なくともある時点
で、かつ浸透増進剤及び浸透増進剤前駆体の少なくとも
一方を用意して、前記充填材の通気性素材に前記溶融マ
トリックス金属を自発的に浸透させ、 前記充填材の通気性素材への前記溶融マトリックス金属
の浸透を、より高充填率の金属マトリックス複合体を形
成するのに望ましい程度まで実施し、 任意に、前記の高充填率の金属マトリックス複合体を冷
却し、 前記の高充填率の金属マトリックス複合体及び添加され
た第2のマトリックス金属を、前記の高充填率の金属マ
トリックス複合体及び第2のマトリックス金属のそれぞ
れの液化温度であるかもしくはそれよりも高い温度に加
熱して、溶融懸濁物を形成し、 前記溶融懸濁物を混合して、前記充填材を前記溶融懸濁
物中に分散させ、 型であってその内部に有形のキャビティを有するものを
用意し、 前記溶融懸濁物を前記の型内の前記有形キャビティ中に
注入し、そして 前記懸濁物を冷却して有形の金属マトリックス複合体を
形成すること、 を含んでなることを特徴とする金属マトリックス複合体
の形成方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US07/269,308 US5000247A (en) | 1988-11-10 | 1988-11-10 | Method for forming metal matrix composite bodies with a dispersion casting technique and products produced thereby |
US269308 | 1994-08-24 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02247067A JPH02247067A (ja) | 1990-10-02 |
JP2905520B2 true JP2905520B2 (ja) | 1999-06-14 |
Family
ID=23026702
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1291368A Expired - Fee Related JP2905520B2 (ja) | 1988-11-10 | 1989-11-10 | 金属マトリックス複合体の形成方法 |
Country Status (22)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5000247A (ja) |
EP (1) | EP0368788B1 (ja) |
JP (1) | JP2905520B2 (ja) |
KR (1) | KR0121456B1 (ja) |
CN (1) | CN1065792C (ja) |
AT (1) | ATE109212T1 (ja) |
AU (1) | AU625093B2 (ja) |
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CA (1) | CA2000802C (ja) |
DE (1) | DE68917087T2 (ja) |
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IL (1) | IL91734A (ja) |
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