JP2905516B2 - 金属マトリックス複合体の方向性凝固方法 - Google Patents

金属マトリックス複合体の方向性凝固方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な金属マトリックス複合体及びその製
造方法に関する。詳細には、浸透増進剤及び/又は浸透
増進剤前駆体及び/又は浸透雰囲気をプロセス中の少な
くともある時点で存在させて、充填材の通気性素材又は
プレフォームに、溶融マトリックス金属合金を自発的に
(即ち、圧力又は真空を印加することなく)浸透させ
る。更に、金属マトリックス複合体の形成中か、金属マ
トリックス複合体の形成の完了と実質的に連続して、マ
トリックス金属の方向性凝固を行う。
〔従来の技術及び発明が解決すべき課題〕
金属マトリックスと粒状セラミック、ウイスカー、繊
維等の補強又は強化相からなる複合体製品は、強化相が
有する剛性及び耐摩耗性の一部と金属マトリックスが有
する延性及び靱性を併せ持つので、種々の用途に使用さ
れる大きな見込みがある。一般的に、金属マトリックス
複合体では、単一材料のマトリックス金属が持つ強度、
剛性、耐接触摩耗性、高温強度等の性質は向上するが、
特定の性質が向上する程度は、特定の成分、容積分率又
は重量分率及び複合体を形成する際の処理方法によって
大きく異なる。ある場合には、複合体が、マトリックス
金属自体よりも重量が軽いこともある。例えば、粒状、
ペレット状又はウイスカー状の炭化珪素等のセラミック
スで強化したアルミニウムマトリックス複合体は、剛
性、耐摩耗性及び高温強度がアルミニウムよりも高いの
で有用である。
アルミニウムマトリックス複合体の製造に関しては、
種々の金属プロセスが報告されており、例えば、粉末冶
金法並びに圧力鋳造、真空鋳造、攪拌及び湿潤剤を使用
する液体金属浸透法に基づいた方法が挙げられる。粉末
冶金法の場合、粉末状の金属と粉末、ウイスカー、チョ
ップトファイバー等の形態の強化剤とを混合し、その
後、常温成形し焼結するか、又はホットプレスする。こ
の方法により製造された炭化珪素強化アルミニウムマト
リックス複合体における最大セラミック体積分率は、ウ
イスカーの場合は約25体積%であり、粒状の場合は約40
体積%であると報告されている。
従来のプロセスを利用した粉末冶金法による金属マト
リックス複合体の製造には、得られる製品の特性に関し
てある種の制限がある。即ち、複合体におけるセラミッ
ク相の体積分率は、一般的に、粒状の場合には、約40%
に制限される。又、圧縮操作の場合には、得られる実際
の大きさが制限される。更に、後で加工(例えば、成形
又は機械加工)をせず又複雑なプレスに頼らずに得られ
る製品は、比較的簡単な形状のものしかない。又、焼結
中に不均一な収縮を生じるほか、圧縮粉の凝離及び結晶
粒成長のためにミクロ構造が不均一となる。
1976年7月20日に許可された、ジェイ・シー・キャネ
ル(J.C.Cannell)等による米国特許第3,970,136号に
は、所定の繊維整列パターンを有する繊維強化材、例え
ば、炭化珪素又はアルミナウイスカーを含有せめした金
属マトリックス複合体を形成する方法が記載されてい
る。この複合体は、共面繊維の平行マット又はフェルト
を金型に入れてマットの少なくとも一部分の間に溶融マ
トリックス金属、例えば、アルミニウムの溜を配置し、
圧力をかけて溶融金属をマットに浸透させ配列している
繊維を包囲させる。又、溶融金属を、マットの積層体上
に注ぎながら、加圧下してマット間に流すことができ
る。これに関して、強化繊維を複合体に最大約50体積%
充填されたことが報告されている。
繊維マットの積層体を通して溶融マトリックス金属を
押し入れるのは外力に依存しているので、上記した浸透
法は、圧力誘発流動プロセス特有の変動、即ち、マトリ
ックスの生成や、多孔率等が不均一となる可能性があ
る。たとえ、溶融金属を繊維アレイ内の複数の部位に導
入しても、性質は不均一になる可能性がある。その結
果、複雑なマット/溜配置及び流路を設けて、繊維マッ
トの積層体に十分且つ均一に浸透できるようにする必要
がある。又、上記した圧力浸透法では、体積の大きなマ
ットに強化材を浸透させることが元来困難であるので、
マトリックス体積に対する強化材の割合が比較的低いも
のしか得られない。更に、加圧下で溶融金属を含有させ
るために型が必要であり、費用がかさむ。最後に、整列
させた粒子又は繊維への浸透に限定されている上記の方
法は、ランダムに配列した粒子、ウイスカー又は繊維の
形態の物質で強化したアルミニウム金属マトリックス複
合体の生成には用いられない。
アルミニウムマトリックス・アルミナ充填複合体の製
造では、アルミニウムは容易にはアルミナを湿潤せず、
凝集した製品を形成するのが困難となる。この問題に対
しては種々の解決法が提案された。このような手法の一
つとして、アルミナを金属(例えば、ニッケル又はタン
グステン)で被覆後、アルミニウムとともにホットプレ
スする。別の手法では、アルミニウムをリチウムと合金
し、アルミナをシリカで被覆してもよい。しかしなが
ら、これらの複合体は、性質にバラツキがみられたり、
被膜が充填材を劣化させる場合があるか、又はマトリッ
クスがリチウムを含有しマトリックスの性質に影響を及
ぼすことがある。
アール・ダブリュ・グリムシャー(R.W.Grimshaw)等
による米国特許第4,232,091号では、アルミニウムマト
リックス・アルミナ複合体の製造で遭遇する当該技術に
おける困難はある程度克服される。この特許では、75〜
375kg/cm2の圧力をかけて、溶融アルミニウム(又は溶
融アルミニウム合金)を、700〜1050℃に予備加熱した
アルミナの繊維又はウイスカーマットに押し入れること
が記載されている。この際、得られた一体鋳物における
金属に対するアルミナの最大体積比は、0.25/1であっ
た。この方法でも、浸透を行うのは外力に依存するの
で、キャネル(Cannel)等と同様な欠陥がある。
ヨーロッパ特許出願公開公報第115,742号では、予備
成形したアルミナのボイドを溶融アルミニウで充填する
ことにより、電解槽部材として特に有効であるアルミニ
ウム・アルミナ複合体を作製することが記載されてい
る。この出願では、アルミニウムによるアルミナの非湿
潤性が強調されており、プレフォーム全体にわたってア
ルミナを湿潤するための種々の手法が用いられている。
例えば、アルミナを、チタン、ジルコニウム、ハフニウ
ム若しくはニオブの二硼化物からなる湿潤剤又は金属、
即ち、リチウム、マグネシウム、カルシウム、チタン、
クロム、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム若しく
はハフニウムで被覆する。この際、アルゴン等の不活性
雰囲気を用いて湿潤を容易にする。又、この出願も、圧
力をかけて、溶融アルミニウムを未被覆マトリックスに
浸透させることを記載されている。この態様では、孔を
排気後、不活性雰囲気(例えば、アルゴン)中で溶融ア
ルミニウムに圧力を加えることにより達成される。又、
溶融アルミニウムを浸透させてボイドを充填する前に、
プレフォームにアルミニウムを気相蒸着により浸透させ
て表面を湿潤することもできる。プレフォームの孔にア
ルミニウムを確実に保持するためには、真空中又はアル
ゴン中で、熱処理(例えば、1400〜1800℃)することが
必要である。このようにしないと、圧力浸透物質をガス
に暴露したり又は浸透圧を取り除くと、物体からのアル
ミニウムの損失が生じる。
湿潤剤を用いて電解槽のアルミナ成分に溶融金属を浸
透させることは、ヨーロッパ特許出願公開第94353号に
も記載されている。即ち、この公開公報には、セルライ
ナー又は支持体として陰極電流供給手段を有するセルを
用いて、電解採取によりアルミニウムを製造することが
記載されている。この支持体を溶融氷晶石から保護する
ために、湿潤剤と溶解抑制剤との混合物の薄い被膜を、
セルの始動前又は電解法で製造した溶融アルミニウムに
浸漬中に、アルミナ支持体に塗布する。湿潤剤として
は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、珪素、マグネ
シウム、バナジウム、クロム、ニオブ又はカルシウムが
が開示されており、チタンが好ましい湿潤剤として記載
されている。又、硼素、炭素及び窒素の化合物が、溶融
アルミニウムの湿潤剤への溶解度を抑制するのに有効で
あると記載されている。しかしながら、この刊行物は、
金属マトリックス複合体の製造を示唆していないばかり
か、このような複合体を、例えば、窒素雰囲気中で形成
することも示唆していない。
圧力の付加及び湿潤剤の塗布の他に、真空にすること
により多孔性セラミック成形体への溶融アルミニウムの
浸透が促進されることも開示されている。例えば、1973
年2月27日に許可されたアール・エル・ランディングハ
ム(R.L.Landingham)による米国特許第3,718,441号に
は、セラミック成形体(例えば、炭化硼素、アルミナ及
びベリリア)に、10-6トール未満の真空下で、溶融アル
ミニウム、ベリリウム、マグネシウム、、チタン、バナ
ジウム、ニッケル又はクロムを浸透することが報告され
ている。10-2〜10-6トールの真空では、溶融金属による
セラミックの湿潤が不良で、金属がセラミックのボイド
空間に自由に流れ込まなかった。しかしながら、真空を
10-6トール未満まで減少させると、湿潤が向上したと記
載されている。
1975年2月4日に許可されたジー・イー・ガザ(G.E.
Gazza)等による米国特許第3,864,154号にも、真空を用
いて浸透を行う旨の記載がある。又、この特許には、Al
B12粉末の常温圧縮成形体を常温圧縮アルミニウム粉末
のベッド上に添加することが記載されている。その後、
更に、アルミニウムをAlB12粉末成形体の上部に配置す
る。アルミニウム粉末の層間に「挟んだ」AlB12成形体
を装填したルツボを真空炉に入れる。この炉を、約10-5
トールまで排気してガス抜きをする。続いて、温度を11
00℃に上昇し、3時間維持する。これらの条件で、溶融
アルミニウムを多孔性AlB12成形体に浸透させる。
1968年1月23日に許可されたジョン・エヌ・レッデイ
ング(John N.Reding)等による米国特許第3,364,976号
には、物体に自己発生真空を作り出して、溶融金属の物
体への浸透を促進することが開示されている。即ち、物
体、例えば、黒鉛金型、鋼金型又は多孔性耐火材を、溶
融金属に完全に浸すことが開示されている。金型の場
合、金属と反応性のあるガスで満たした金型キャビティ
が、外部に位置する溶融金属と、金型内の少なくとも一
つのオリフィスを介して連通している。金型を溶融液に
浸漬すると、キャビティ内のガスと溶融金属との間の反
応で自己発生真空が生じるとともにキャビティが金属で
満たされていく。この際の真空は、金属が酸化物固体状
態になる結果生じる。従って、レッディング等には、キ
ャビティ内のガスと溶融金属との間の反応を引き起こす
ことが必須であることが開示されている。しかしなが
ら、金型を用いるには本来制限があり、真空を生じさせ
るために金型を使用することは望ましくない。即ち、ま
ず、金型を機械加工して特定の形状にし;その後、仕上
げ機械加工して、金型上に許容できる鋳造表面を形成
し;使用前に組立;使用後に分解して注型品を取り出
し;その後、最も一般的には、金型表面を最仕上げして
金型を再生するか、又はもはや使用できない状態の場合
には金型を捨ててしまう必要がある。金型を複雑な形状
に機械加工するのは、非常にコストがかかるとともに時
間がかかる場合がある。更に、複雑な形状をした金型か
ら成形品を取り出すのも困難のことがある(即ち、複雑
な形状を有する注型品は、金型から取り外すとき壊れる
ことがある)。更に、多孔性耐火材の場合、金型を使用
せずに、直接溶融金属に浸漬できることも述べられてい
るが、容器金型を使用せずに弱く結着されるか又は分離
した多孔性材料に浸透させる手段がないので、耐火材は
一体品でなければならない(即ち、粒状物質は、溶融金
属に入れたときに、一般的に解離するかは浮かんで離れ
てしまう)。更に、粒状物質又は弱く成形したプレフォ
ームに浸透させようとする場合、浸透金属が粒子又はプ
レフォームの少なくとも一部分と置換してしまって不均
一なミクロ構造を生じることのないように注意しなけれ
ばならない。
従って、圧力を加えたり真空にしたり(外部から印加
するか、内部で生じさせるかとは無関係に)する必要の
ないか、又は湿潤材を損傷しないで、セラミック材料等
の別の材料を埋め込んだ金属マトリックスを生成する、
賦形金属マトリックス複合体を製造するための簡単で信
頼性のある方法が長年求められていた。更に、金属マト
リックス複合体を製造するのに要する最終的な機械加工
操作を最少限にすることも長年求められていた。本発明
は、処理の少なくともある時点で浸透増進剤が存在する
限り、標準大気圧下の浸透雰囲気(例えば、窒素)の存
在下において、プレフォームに成形できる材料(例え
ば、セラミック材料)に溶融マトリックス金属(例え
ば、アルミニウム)を、浸透させるための自発浸透機構
を提供することによりこの必要性を満たすものである。
更に、方向性凝固は、金属鋳造プロセスを助長して、
例えば、物体中の多孔性及び/又はボイドの減少、引張
強さの増加、ミクロ構造の変化等を生じさせることが一
般的に知られている。本発明による方向性凝固と自発浸
透機構との組み合わせにより、新規な金属マトリックス
複合体が提供される。
本発明の主題は、他のいくつかの本出願人による米国
特許出願及び日本出願に関連している。具体的には、こ
れらの他の特許出願(以下、しばしば、「同一出願人に
よる金属マトリックス特許出願」と称する)には、金属
マトリックス複合材料を製造する新規な方法が記載され
ている。金属マトリックス複合材料を製造する新規な方
法は、「メタル マトリックスコンポジッツ(Metal Ma
trix Composites)」と題する1987年5月13日出願の本
出願人による米国特許出願第049,171号〔発明者:ホワ
イト(White)等〕及び特開平1-52040号に開示されてい
る。ホワイト等の発明の方法によれば、金属マトリック
ス複合体は、充填材の通気性素材(例えば、セラミック
又はセラミック被覆材料)に、少なくとも約1重量%の
マグネシウム、好ましくは少なくとも約3重量%のマグ
ネシウムを含有する溶融アルミニウムを浸透させること
により製造される。この際、外部圧力又は真空を印加し
なくても、自発的に浸透が起きる。供給溶融金属と充填
材の素材とを、約10〜100体積%、好ましくは少なくと
も約50体積%の窒素を含有するとともに残り(存在すれ
ば)が非酸化性ガス(例えば、アルゴン)であるガスの
存在下において、少なくとも約675℃の温度で接触させ
る。これらの条件下で、溶融アルミニウム合金が標準大
気圧下でセラミック素材に浸透して、アルミニウム(又
はアルミニウム合金)マトリックス複合体が形成され
る。所望量の充填材に溶融アルミニウム合金を浸透させ
たら、温度を低下させて合金を固化することにより、強
化充填材を埋め込んだ固形金属マトリックス構造を形成
する。通常及び好ましくは、送り出される溶融金属の供
給量は、実質的に充填材の素材の境界まで浸透するに十
分な量である。ホワイト等により製造されるアルミニウ
ムマトリックス複合体中の充填材の量は、非常に高くす
ることができる。即ち、合金に対する充填材の体積比が
1:1を超えるものを得ることができる。
前記したホワイト等の発明におけるプロセス条件下で
は、アルミニウムマトリックス全体に分散した形態で、
窒化アルミニウムの不連続相を形成することができる。
アルミニウムマトリックスにおける窒化物の量は、温
度、合金組成、ガス組成及び充填材等の因子によって異
なっていてもよい。従って、系におけるこのような因子
の一つ以上を制御することにより、複合体の一定の性質
を所望のものに合わせることができる。しかしながら、
ある最終用途の場合、複合体が窒化アルミニウムをほと
んど含有しないことが望ましい場合がある。
温度が高いほど浸透には有利であるが、このプロセス
により窒化物が生成しやすくなる。ホワイト等の発明で
は、浸透速度と窒化物生成との間のバランスをとること
ができる。
金属マトリックス複合体生成に使用するのに適当なバ
リヤー手段の例が、「メソッド オブ メーキング メ
タル マトリックス コンポジット ウイズ ザ ユー
ス オブ ア バリヤー(Method of Making Metal Mat
rix Composite with the Use of a Barrier)」と題す
る1988年1月7日出願の本出願人による米国特許出願第
141,642号〔発明者:ミカエル・ケー・アグハジァニア
ン(Michael K.Aghajanian)等〕及び特開平1-215935号
に開示されている。アグハジァニアン等の発明の方法に
よれば、バリヤー手段〔例えば、粒状二硼化チタン又は
商標名がグラフォイルであるユニオンカーバイド社製の
軟質黒鉛テープ製品等の黒鉛材料〕が、充填材とマトリ
ックス合金の規定された表面境界に配置され、バリヤー
手段により形成される境界まで浸透する。このバリヤー
手段は、溶融合金の浸透を阻止、防止又は終了させるの
に用いられ、得られた金属マトリックス複合体中に網又
は網に近い形状を形成する。従って、形成した金属マト
リックス複合体の外形は、バリヤー手段の内部形状と実
質的に一致する。
米国特許出願第049,171号及び特開平1-52040号に記載
の方法は、「メタル マトリックス コンポジッツ ア
ンド テクニクス フォー メーキング ザ セイム
(Metal Matrix Composites and Techniques for Makin
g the Same)」と題する1988年3月15日出願の本出願人
による米国特許出願第168,284号〔発明者:ミカエル・
ケー・アグハジァニアン(Michael K.Aghajanian)及び
マーク・エス・ニューカーク(Mark S.Newkirk)〕及び
平成元年3月15日に出願された特開平1-273935号によっ
て改善された。この米国特許出願に開示された方法によ
れば、マトリックス金属合金は、第一金属源及び、例え
ば、重力流れにより第一溶融金属源と連通するマトリッ
クス金属合金の溜として存在する。特に、これらの特許
出願に記載されている条件下では、第一溶融マトリック
ス合金が、標準大気圧下、充填材の素材に浸透し始め、
従って、金属マトリックス複合体の生成が始まる。第一
溶融マトリックス金属合金源は、充填材の素材への浸透
中に消費され、自発浸透の継続とともに、必要に応じ
て、好ましくは連続的な手段により、溶融マトリックス
金属の溜から補充することができる。所望量の通気性充
填材に溶融マトリックス合金が自発浸透したら、温度を
低下させて合金を固化することにより、強化充填材を埋
め込んだ固形金属マトリックスを形成する。金属の溜を
使用することは、この特許出願に記載されている発明の
一実施態様にすぎず、溜の実施態様を、開示されている
発明の別の各実施態様と組み合わせる必要はないが、実
施態様の中には、本発明と組み合わせて使用するのが有
益な場合もある。
金属の溜は、所定の程度まで充填材の通気性素材に浸
透するに十分な量の金属を提供する量で存在することが
できる。又、任意のバリヤー手段を、充填材の通気性素
材の少なくとも一方の表面に接触させて、表面境界を形
成することができる。
更に、送り出す溶融マトリックス合金の供給量は、少
なくとも、充填材の通気性素材の境界(例えば、バリヤ
ー)まで実質的に自発浸透するに十分な量でなければな
らないが、溜に存在する合金の量は、このような十分な
量を超えてもよく、合金量が完全浸透に十分な量である
ばかりでなく、過剰の溶融金属合金が残存して金属マト
リックス複合体に固定してもよい。従って、過剰の溶融
合金が存在するとき、得られる物体は、金属マトリック
スを浸透させたセラミック物体が溜に残存している過剰
の金属に直接結合している複雑な複合体(例えば、マク
ロ複合体)である。
上記した本出願人による金属マトリックスに関する特
許出願には、金属マトリックス複合体の製造方法及び該
方法から製造される新規な金属マトリックス複合体が記
載されている。前記した本出願人による金属マトリック
スに関する特許出願の全ての開示事項は、特に本発明に
利用できる。
〔課頴を解決するための手段〕
本発明による金属マトリックス複合体は、充填材の通
気性素材(例えば、セラミック又はセラミック被覆材
料)又はプレフォームに、溶融マトリックス金属を自発
浸透させることにより製造される。この充填材は、賦形
してもよいし、適当な金型又はバリヤー手段内に入れて
もよい。更に、浸透増進剤及び/又は浸透増進剤前駆体
及び/又は浸透雰囲気が、プロセス中の少なくともある
時点で、充填材又はプレフォームと連通状態にあり、溶
融マトリックス金属が充填材の通気性素材又はプレフォ
ームに自発的に浸透できる。金属マトリックス複合体を
形成後、ある時点で、複合体を方向性凝固法により凝固
させることにより、金属マトリックス複合体の性質を向
上させる。
好ましい一実施態様においては、充填材は、浸透増進
剤前駆体を含有していてもよい。その後、充填材を、浸
透雰囲気と接触させて、充填材の少なくとも一部分に浸
透増進剤を生成することができる。このような浸透増進
剤は、溶融マトリックス金属を充填材と接触させる前に
生成してもよいし、接触と実質的に連続させて生成する
こともできる。更に、浸透雰囲気を、自発浸透プロセス
の実質的に全体を通じて提供して充填材と連通気性状態
としておいてもよいし、自発浸透プロセスの一部分のみ
の間、充填材及び/又はマトリックス金属と連通させて
もよい。基本的には、少なくとも自発浸透中は、浸透増
進剤を、充填材の少なくとも一部分に位置させることが
望ましい。
本発明の別の好ましい実施態様においては、浸透増進
剤前駆体を充填材に供給するのではなく、浸透増進剤
を、充填材及び/又はマトリックス金属及び/又は浸透
雰囲気に直接供給してもよい。この場合も、基本的に
は、少なくとも自発浸透中は、浸透増進剤を、充填材の
少なくとも一部分に位置させなければならない。
本明細書では、主にアルミニウムマトリックス金属に
ついて説明する。このアルミニウムマトリックス金属
は、金属マトリックス複合体の形成中のある時点で、浸
透雰囲気として作用する窒素の存在下において、浸透増
進剤前駆体として作用するマグネシウムと接触させる。
このアルミニウム/マグネシウム/窒素からなるマトリ
ックス金属/浸透増進剤前駆体/浸透雰囲気系は、自発
浸透を示す。しかしながら、他のマトリックス金属/浸
透増進剤前駆体/浸透雰囲気系も、アルミニウム/マグ
ネシウム/窒素系と同様の挙動を示すことができる。例
えば、アルミニウム/ストロンチウム/窒素系;アルミ
ニウム/亜鉛/酸素系;及び/又はアルミニウム/カル
シウム/窒素系においても同様の自発浸透の挙動が観察
された。従って、本明細書では、アルミニウム/マグネ
シウム/窒素系について主に説明するが、他のマトリッ
クス金属/浸透増進剤前駆体/浸透雰囲気系も同様に挙
動することができ、本発明の範囲内である。
マトリックス金属がアルミニウム合金からなるとき、
このアルミニウム合金を、充填材の通気性素材又は充填
材からなるプレフォーム(例えば、アルミナ又は炭化珪
素)と接触させる。この充填材は、マグネシウムとの混
合物であり且つ/又はプロセス中のある時点でマグネシ
ウムに暴露させる。更に、好ましい実施態様において、
アルミニウム合金及び/又は充填材若しくはプレフォー
ムを、プロセスの少なくとも一時期の間、窒素雰囲気中
に入れる。これにより、充填材の素材又はプレフォーム
の自発浸透が生じる。自発的浸透及び金属マトリックス
複合体の生成の程度又は速度は、系に供給されるマグネ
シウムの濃度(例えば、アルミニウム合金中及び/又は
充填材中及び/又は浸透雰囲気中)、充填材粒子のサイ
ズ及び/又は組成、浸透雰囲気中の窒素濃度、浸透のた
めに与えられる時間、及び/又は浸透が生じる温度をは
じめとする一定の処理条件に応じて異なる。浸透は、一
般的に、実質的に完全に充填材の素材又はプレフォーム
を埋め込むのに十分な程度まで起きる。
更に、自発浸透により形成した金属マトリックス複合
体のミクロ構造及びそれに起因する性質は、方向性凝固
を行うことにより向上できることが見い出された。即
ち、充填材の自発浸透がなされ、及び/又は自発浸透が
実質的に完了したら、複合体の片面に配置した加熱手段
及び/又は複合体の片面に配置した冷却手段の少なくと
も一つを適用する。加熱手段と冷却手段の両方を、複合
体に適用する場合には、加熱手段と冷却手段を、複合体
の実質的に対向した端面に配置する必要がある。自発浸
透方向性凝固により製造され且つ方向性凝固を行った金
属マトリックス複合体は、同様の手法で製造したが方向
性凝固を行わなかった金属マトリックス複合体に比べ
て、ミクロ構造を改善させることができた。例えば、ミ
クロ構造の均一性を増加し、気孔又はボイドの量を減少
することができる。このようにミクロ構造が改善される
と、引張強さの向上、破壊靱性の増加をはじめとして、
機械的性質が高まる。
方向性凝固を行うのに適当な冷却手段の具体例として
は、冷却板;少なくとも部分的に形成された金属マトリ
ックス複合体を順次除去すること;及び/又は少なくと
も部分的に形成された金属マトリックス複合体を、少な
くとも一つの流体手段と接触させることが挙げられる。
方向性凝固を行うのに適当な冷却手段の具体例として
は、ホットプレート;ホットトッピング(hot-toppin
g)等が挙げられる。以下、本発明の種々の具体的実施
態様を、より詳細に説明する。
定義 本明細書で使用する「合金面」とは、溶融金属がプレ
フォーム又は充填材に浸透する前に、溶融金属に最初に
接触した金属マトリックス複合体の面を意味する。
本明細書で使用する「アルミニウム」とは、実質的に
純粋な金属(例えば、比較的純粋で市販されている未合
金化アルミニウム)又は不純物及び/若しくは鉄、珪
素、銅、マグネシウム、マンガン、クロム、亜鉛等の合
金成分を有する市販の金属等の他のグレードの金属及び
金属合金を意味するとともにそれらを含む。この定義で
用いているアルミニウム合金は、アルミニウムが主成分
である合金又は金属間化合物である。
本明細書で使用する「残部非酸化性ガス」とは、浸透
雰囲気を成す主要ガスの他に存在するガスで、プロセス
条件下でマトリックス金属と実質的に反応しない不活性
ガス又は還元性ガスであることを意味する。使用される
ガス中の不純物として存在してもよい酸化性ガスで、プ
ロセス条件下でかなりの程度までマトリックス金属を酸
化するには不十分でなければならない。
本明細書で使用する「バリヤー」又は「バリヤー手
段」とは、充填材の通気性素材(permeable mass)又は
プレフォームの表面境界を超えて溶融マトリックス金属
が移動、動き等をするのを妨げ、妨害、防止又は終了さ
せるいずれかの適当な手段を意味する。この場合、表面
境界は、前記バリヤー手段により形成されている。適当
なバリヤー手段としては、プロセス条件下で、ある程度
の一体性を維持し且つ実質的に揮発しない(即ち、バリ
ヤー材はバリヤーとして機能しないほどには揮発しな
い)材料、化合物、要素、組成物等を挙げることができ
る。
更に、適当な「バリヤー手段」としては、用いられる
プロセス条件下で、移動する溶融マトリックス金属で実
質的に湿潤しない材料が挙げられる。この種のバリヤー
は、溶融マトリックス金属に対しては実質的に何ら親和
性を示さないと思われ、充填材の素材又はプレフォーム
限定された表面境界を超えて溶融マトリックス金属が移
動するのがバリヤー手段によって妨げられる。このバリ
ヤーは、必要とされるかもしれない最終的な機械加工又
は研磨を減らし、得られる金属マトリックス複合体製品
の表面の少なくとも一部分を形成する。このバリヤー
は、ある場合には、通気性若しくは多孔性又は、例え
ば、孔をあけるか若しくはバリヤーに穴をあけることに
より通気性にして、ガスを溶融マトリックス金属に接触
させてもよい。
本明細書で使用する「カーカス(carcass)」又は
「マトリックス金属のカーカス」とは、金属マトリック
ス複合体物体の形成中に消費されなかった残存している
マトリックス金属の最初の物体を意味し、一般的には、
冷却すると、形成された金属マトリックス複合体と少な
くとも部分的に接触したままの状態を維持する。又、カ
ーカスは、一般的に、第二又は外来金属も含んでいても
よい。
本明細書で使用する「充填材」とは、マトリックス金
属と実質的に反応せず及び/又はマトリックス金属への
溶解度が限られている単一成分又は成分の混合物が含ま
れ、単相又は複相であってもよい。充填材は、粉末、フ
レーク、板状、小球体、ウイスカー、バブル等の多種多
様の形態で使用でき、緻密でも多孔でもよい。又、「充
填材」は、繊維、チョップトファイバー、粒体、ウイス
カー、バブル、球体、繊維マット等の形態のアルミナ又
はシリコンカーバイド等のセラミック充填材並びに炭素
が、例えば、溶融アルミニウム母材金属によって侵食さ
れるのを防止するためにアルミナ若しくは炭化珪素で被
覆した炭素繊維等のセラミック被覆充填材でもよい。
又、充填材は、所望の形状を有する金属でもよい。
本明細書において使用される「ホットトッピン(hot-
topping)」とは、マトリックス金属及び/又は充填材
及び/又はトッピング端に供給される別の物質と発熱反
応する、少なくとも部分的に形成された金属マトリック
ス複合体の一端(「トッピング(topping)端)に物質
を配置することを意味する。この発熱反応により、マト
リックス金属を溶融状態でトッピング端に維持するのに
十分な熱が提供されるとともに、複合体中のマトリック
ス金属の残部は凝固温度まで冷える。
本明細書で使用される「浸透雰囲気(Infiltrating a
tmosphere)」とは、マトリックス金属及び/又はプレ
フォーム(又は充填材)及び/又は浸透増進剤前駆体及
び/又は浸透増進剤と相互作用し、マトリックス金属の
自発浸透を生じさせ又は促進させる存在雰囲気を意味す
る。
本明細書で使用される「浸透増進剤(Infiltration E
nhancer)」とは、マトリックス金属が充填材若しくは
プレフォームに自発浸透するのを促進又は補助する物質
を意味する。浸透増進剤は、例えば、浸透増進剤前駆体
を浸透雰囲気と反応させて、(1)ガス状物及び/又は
(2)浸透増進剤前駆体と浸透雰囲気との反応生成物及
び/又は(3)浸透増進剤前駆体と充填材若しくはプレ
フォームとの反応生成物を生成することにより製造でき
る。更に、浸透増進剤は、プレフォーム及び/又はマト
リックス金属及び/又は浸透雰囲気の少なくとも一つに
直接供給して、浸透増進剤前駆体と別の種との間の反応
で生成させた浸透増進剤と実質的に同様の方法で作用さ
せてもよい。基本的には、少なくとも自発浸透中は、浸
透増進剤は自発浸透を達成するために充填材又はプレフ
ォームの少なくとも一部分に位置していなければならな
い。
本明細書において使用される「浸透増進剤前駆体(In
filtration Enhancer Precursor)」とは、マトリック
ス金属、プレフォーム及び/又は浸透雰囲気と組み合わ
せて使用すると、マトリックス金属の充填材又はプレフ
ォームヘの自発浸透を誘発又は補助する物質を意味す
る。特別な原理又は説明には限定されないが、浸透増進
剤前駆体が浸透雰囲気及び/又はプレフォーム若しくは
充填材及び/又は金属と相互作用できる位置に、浸透増
進剤前駆体が配置若しくは移動できることが必要であ
る。例えば、あるマトリックス金属/浸透増進剤前駆体
/浸透雰囲気系では、浸透増進剤前駆体が、マトリック
ス金属の溶融温度、その近くの温度又は場合によっては
それよりもいくらか高い温度で揮発することが望まし
い。このような揮発により、(1)浸透増進剤前駆体と
浸透雰囲気との反応による、マトリックス金属による充
填材又はプレフォームの湿潤を増進するガス状物の生
成;及び/又は(2)浸透増進剤前駆体と浸透雰囲気と
の反応による、充填材又はプレフォームの少なくとも一
部に湿潤を増進する固体状、液状又はガス状浸透増進剤
の生成;及び/又は(3)充填材又はプレフォームの少
なくとも一部分内において湿潤を増進する固体状、液状
又はガス状浸透増進剤を生成する充填材又はプレフォー
ム内の浸透増進剤前駆体の反応が生じる。
本明細書において使用される「マトリックス金属」又
は「マトリックス金属合金」とは、金属マトリックス複
合体の形成に用いられる金属(例えば、浸透前)及び/
又は充填材と混じり合って金属マトリックス複合体を形
成している金属(例えば、浸透後)を意味する。上記金
属をマトリックス金属と称する場合には、マトリックス
金属には、実質的に純粋な金属、不純物及び/若しくは
合金成分を有する市販の金属、金属が主成分である金属
間化合物又は合金も含まれる。
本明細書において使用される「マトリックス金属/浸
透増進剤前駆体/浸透雰囲気系」又は「自発系」とは、
プレフォーム又は充填材への自発浸透を示す物質の組み
合わせを意味する。「/」が、例示するマトリックス金
属、浸透増進剤前駆体及び浸透雰囲気の間に用いられる
ときは、特定の方法でそれらを組み合わせると、プレフ
ォーム若しくは充填材への自発浸透を示す系又は物質の
組み合わせを示すために使用される。
本明細書において使用される「金属マトリックス複合
体(Metal Matrix Composite)」又は「MMC」は、プレ
フォーム又は充填材の素材を埋め込んだ、二次元若しく
は三次元的に連続する合金又はマトリックス金属からな
る材料を意味する。マトリックス金属に種々の合金元素
を含有せしめて、特に所望の機械的及び物理的性質を有
するようにしてもよい。
マトリックス金属と「異種」の金属とは、マトリック
ス金属と同じ金属を、主要成分として含有しない金属を
意味する(例えば、マトリックス金属の主要成分がアル
ミニウムの場合には、「異種」の金属は、例えば、ニッ
ケルを主要成分として有することができる。
「マトリックス金属を入れるための非反応性容器」と
は、プロセス条件下で、充填材(若しくはプレフォー
ム)及び/又は溶融マトリックス金属を入れるか又は収
容することができ且つ自発浸透機構に対して顕著な悪影
響を及ぼすような方法では、マトリックス及び/又は浸
透雰囲気及び/又は浸透増進剤前駆体及び/又は充填材
若しくはプレフォームとは反応しない容器を意味する。
本明細書において使用される「プレフォーム(Prefor
m)」又は「通気性プレフォーム(permeable prefor
m)」とは、浸透するマトリックス金属の境界を実質的
に形成する少なくとも一つの表面境界を用いて製造され
る充填材又は充填材の多孔性素材(porous mass)を意
味する。このような素材は、マトリックス金属を浸透さ
せる前に、寸法忠実性を提供するに十分な形状保持性及
び生強度を維持する。又、この素材は、自発浸透でマト
リックス金属を受け入れるに十分な程度に多孔性でなけ
ればならない。プレフォームは、一般的には、充填材
が、均一若しくは不均一の形態で、結着して充填又は配
置されてなり、適当な物質(例えば、セラミック及び/
又は金属の粒子、粉末、繊維、ウイスカー等並びにそれ
らの組み合わせ)からなってよい。プレフォームは、単
独でも集成体で存在してもよい。
本明細書で使用される「溜(reservoir)」とは、金
属が溶融したとき、流れて、充填材若しくはプレフォー
ムと接触しているマトリックス金属の部分、セグメント
若しくは源を補充又は、ある場合には、最初にマトリッ
クス金属を提供しかつ続いて補充するために、充填材又
はプレフォームの素材に対して分離して配置されたマト
リックス金属の別個の物体を意味する。溜は、マトリッ
クス金属とは異なる金属を提供するのに用いてもよい。
本明細書で使用される「自発浸透(Spontaneous Infi
ltration)」とは、圧力又は真空を印加(外部から印加
するか若しくは内部で発生させるかとは無関係に)しな
くても、マトリックス金属が充填材又はプレフォームの
通気性素材に浸透することを意味する。
以下の図は、本発明の理解を深めるために示したもの
であるが、本発明の範囲はこれらによっては限定されな
い。各図において、同様な構成要素は同様な参照番号を
用いてある。
本発明の最初の工程では、自発浸透を達成するための
材料の適当な組み合わせを選択する〔例えば、マトリッ
クス金属及び/又は充填材若しくはプレフォーム、浸透
増進剤及び/又は浸透増進剤前駆体、合金成分(必要に
応じて)及び/又は浸透雰囲気〕。本発明では、自発浸
透を達成するために使用する材料の組み合わせから得ら
れる相乗効果を利用する。材料の適当な組み合わせを選
択後、浸透充填材素材又は浸透プレフォームを、(浸透
と実質的に同時に)適当な方向性凝固法により方向性凝
固する。自発浸透法と組み合わせて使用するのに適当で
ある方向性凝固法の具体例については、後述する。
充填材又はプレフォームへのマトリックス金属の自発
浸透を行うためには、浸透増進剤が自発系に提供されな
ければならない。浸透増進剤は浸透増進剤前駆体から生
成されることができ、浸透増進剤前駆体は(1)マトリ
ックス金属中に;及び/又は(2)通気性充填材の素材
又はプレフォーム中に;及び/又は(3)浸透雰囲気か
ら;及び/又は(4)外部源から自然系に提供される。
更に、浸透増進剤前駆体を供給するのではなく、浸透増
進剤を、充填材又はプレフォーム及び/又はマトリック
ス金属及び/又は浸透雰囲気に直接供給できる。基本的
には、少なくとも自発浸透中には、浸透増進剤は、充填
材若しくはプレフォームの少なくとも一部分に位置しな
ければならない。
好ましい実施態様においては、浸透増進剤が充填材の
少なくとも一部分に形成することができるように、充填
材とマトリックス金属との接触前に若しくは実質的に同
時に、浸透増進剤前駆体を、充填材の少なくとも部分的
に、浸透雰囲気と反応させることができる(例えば、マ
グネシウムが浸透増進剤前駆体であり且つ窒素が浸透雰
囲気である場合には、浸透増進剤は、充填材の一部分に
位置させる窒化マグネシウムでよい)。
マトリックス金属/浸透増進剤前駆体/浸透雰囲気系
の一例として、アルミニウム/マグネシウム/窒素系が
挙げられる。
本発明の方法に用いられる条件下では、アルミニウム
/マグネシウム/窒素自発浸透系の場合に、充填材の素
材又はプレフォームは、窒素含有ガスが、プロセス中の
ある時点で充填材に浸透若しくは通過し及び/又は溶融
マトリックス金属と接触するのに十分な程度通気性でな
ければならない。更に、充填材の素材又はプレフォーム
に溶融マトリックス金属を浸透させて、窒素透過充填材
素材又はプレフォームに溶融マトリックス金属を自発浸
透させることにより、金属マトリックス複合体を形成
し、及び/又は窒素を浸透増進剤前駆体と反応させて浸
透増進剤を充填材又はプレフォーム中に形成して自発浸
透を生じさせることができる。自発浸透及び金属マトリ
ックス複合体生成の程度又は速度は、アルミニウム合金
のマグネシウム含量、充填材又はプレフォームの含量、
充填材又はプレフォームにおける窒化マグネシウムの
量、追加の合金元素の有無(例えば、珪素、鉄、銅、マ
グネシウム、クロム、亜鉛等)、プレフォームからなる
充填材の平均サイズ(例えば、粒径)、充填材の表面状
態及び種類、浸透雰囲気の窒素濃度、浸透に与えられる
時間並びに浸透が生じる温度を含む一定のプロセス条件
により異なる。例えば、溶融アルミニウムマトリックス
金属の浸透を自発的に生じさせるために、アルミニウム
を、合金重量に対して少なくとも約1重量%、好ましく
は少なくとも約3重量%のマグネシウム(浸透増進剤前
駆体として機能する)と合金化することができる。又、
上記で説明した補助合金元素をマトリックス金属に含有
せしめて、特定の性質を作り出してもよい。(更に、補
助合金元素は、充填材又はプレフォームの自発浸透を生
じさせるためのマトリックスアルミニウム金属に必要と
されるマグネシウムの最少量に影響する場合がある。)
例えば、揮発による自発系からのマグネシウムの損失
は、浸透増進剤を形成するのにマグネシウムが全く存在
しない程度までは生じてはならない。従って、十分な濃
度の初期合金元素を用いて、自発浸透が揮発によって悪
影響されないようにすることが望ましい。更に、プレフ
ォームとマトリックス金属の両方又はプレフォームだけ
にマグネシウムが存在すると、自発浸透を達成するのに
必要なマグネシウムの量が減少する場合がある。
窒素雰囲気における窒素体積%も、金属マトリックス
複合体の生成速度に影響を及ぼす。即ち、約10体積%未
満の窒素が雰囲気に存在する場合、自発浸透が非常にゆ
っくり生じるか又はほとんど生じない。即ち、少なくと
も約50体積%の窒素が雰囲気に存在して、それにより、
例えば、浸透速度をはるかに大きくして浸透時間を短く
することが好ましいことが見い出された。浸透雰囲気
(例えば、窒素含有ガス)を充填材若しくはプレフォー
ムに直接供給してもよいし、又は物質の分解から生成若
しくは生じさせてもよい。
溶融マトリックス金属が充填材又はプレフォームに浸
透させるのに必要とする最少マグネシウム含量は、処理
温度、時間、珪素又は亜鉛等の補助合金元素の有無、充
填材の性質、自発系の一種以上の成分中におけるマグネ
シウムの位置、雰囲気の窒素含量及び窒素雰囲気の流速
等の一種又はそれ以上の変数によって異なる。合金及び
/又は充填材若しくはプレフォームのマグネシウム含量
を増加すれば、より低温又はより短い加熱時間で完全な
浸透を達成することができる。又、一定のマグネシウム
含量の場合、亜鉛等のある種の補助合金元素を添加する
と、より低温を用いることが可能となる。例えば、使用
範囲の下端、即ち、約1〜3重量%でのマトリックス金
属のマグネシウム含量を、上記した最低処理温度、高窒
素濃度又は一種以上の補助合金元素の少なくとも一つと
の組み合わせで用いてもよい。充填材又はプレフォーム
にマグネシウムを全く添加しない場合には、多種多様な
プロセス条件にわたる一般的な実用性に基づいて、約3
〜5重量%のマグネシウムを含有する合金が好ましく、
より低い温度及びより短い時間を用いる場合には、少な
くとも約5%が好ましい。又、浸透に必要とする温度条
件を和らげるために、アルミニウムのマグネシウム含量
を約10重量%を超えるものとしてもよい。補助合金元素
と組み合わせて用いるときには、マグネシウム含量を減
少させてもよいが、これらの合金元素は補助的機能しか
果たさないので、少なくとも上記で規定した最少量のマ
グネシウムと一緒に用いる。例えば、10%珪素だけと合
金化した公称純粋アルミニウムは、1000℃では500メッ
シュ(25μm)の39クリストロン(Crystolon)〔ノー
トン社(Norton Co.)製純度99%炭化珪素〕のベッドに
実質的に浸透しなかった。しかしながら、マグネシウム
が存在すると、珪素が浸透工程を促進することが判明し
た。更に、マグネシウムを専らプレフォーム又は充填材
に供給する場合には、その量は異なる。供給されるマグ
ネシウムの総量の少なくとも一部分をプレフォーム又は
充填材に入れる場合には、自発系に供給されるマグネシ
ウムの量(重量%)がもっと少なくても自発浸透が生じ
ることが分かった。金属マトリックス複合体において、
望ましくない金属間化合物が生成するのを防止するため
には、マグネシウムの量は少ない方が望ましい。炭化珪
素プレフォームの場合には、マグネシウムを少なくとも
約1重量%含有するプレフォームを、実質的に純粋な窒
素雰囲気の存在下で、アルミニウムマトリックス金属と
接触させると、マトリックス金属がプレフォームに自発
的に浸透することが分かった。アルミナプレフォームの
場合、許容できる自発浸透を達成するのに必要なマグネ
シウムの量は、これよりわずかに大きい。即ち、アルミ
ナプレフォームを同様なアルミニウムマトリックス金属
と接触させると、炭化珪素プレフォームに浸透したアル
ミニウムとほぼ同じ温度で且つ同じ窒素雰囲気下で、す
ぐ上で説明した炭化珪素プレフォームで達成されたのと
同様な自発浸透を達成するには、少なくとも約3重量%
のマグネシウムが必要であることが分かった。
又、充填材又はプレフォームをマトリックス金属を浸
透させる前に、自発系に対して、浸透増進剤前駆体及び
浸透増進剤を、合金の表面及び/又はプレフォーム若し
くは充填材の表面及び/又はプレフォーム若しくは充填
材内部に供給することも可能である(即ち、供給浸透増
進剤又は浸透増進剤前駆体をマトリックス金属と合金化
する必要がなく、むしろ、単に自発系に供給すればよ
い)。マグネシウムをマトリックス金属の表面に適用す
る場合には、その表面は、充填材の通気性素材に近接若
しくは好ましくは接触している表面であること、又は充
填材の通気性素材がマトリックス金属の表面に最も近接
若しくは好ましくは接触していることが好ましい。又、
このようなマグネシウムは、プレフォーム又は充填材の
少なくとも一部分に混入してもよい。更に、表面への適
用、合金化及び充填材又はプレフォームの少なくとも一
部分へのマグネシウムの配置のいくつかを組み合わせて
使用することができる。浸透増進剤及び/又は浸透増進
剤前駆体の適用の組み合わせにより、充填材又はプレフ
ォームヘのマトリックスアルミニウム金属の浸透を促進
するために必要なマグネシウムの総重量%の減少できる
とともに、浸透が生じる温度を低下させることができ
る。更に、マグネシウムが存在するために生成する望ま
しくない金属間化合物の量も最少に抑えることもでき
る。
一種以上の補助合金元素の使用及び周囲ガス中の窒素
濃度も、所定温度でのマトリックス金属の窒化の程度に
影響する。例えば、合金に含ませるか又は合金の表面に
置く亜鉛若しくは鉄等の補助合金元素を使用して、浸透
温度を低下し、それにより、窒化物の生成量を減少で
き、一方、ガス中の窒素濃度を増加すると窒化物の生成
を促進できる。
合金に含まれ及び/又は合金の表面に置かれ及び/又
は充填材若しくはプレフォーム材に結合させたマグネシ
ウムの濃度も、所定温度での浸透の程度に影響する傾向
がある。その結果、マグネシウムがプレフォーム又は充
填材とほとんど直接接触しない場合には、少なくとも約
3重量%のマグネシウムを合金に含ませることが好まし
い。1重量%のように、この量未満の合金含量では、浸
透には、より高温のプロセス温度又は補助合金元素が必
要な場合がある。(1)合金のマグネシウム含量のみ
を、例えば、少なくとも約5重量%に増加する場合;及
び/又は(2)合金成分を充填材若しくはプレフォーム
の通気性素材と混合するとき;及び/又は(3)亜鉛又
は鉄等の別の元素がアルミニウム合金に存在する時は、
本発明の自発浸透法を行うのに必要とする温度はもっと
低くてもよい。温度も、充填材の種類により異なる。一
般的に、自発的でかつ進行する浸透は、少なくとも約67
5℃、好ましくは少なくとも約750〜800℃のプロセス温
度で生じる。1200℃を超える温度では、一般的に、本方
法には利点がないと思われ、特に有効な温度範囲は、約
675℃〜約1200℃であることが判明した。しかしなが
ら、原則として、自発浸透温度は、マトリックス金属の
融点を超え且つマトリックス金属の蒸発温度未満であ
る。更に、自発浸透温度は、充填材の融点よりも低くな
ければならない。更に、温度が増加するとともに、マト
リックス金属と浸透雰囲気との間の反応生成物が生成す
る傾向が増加する(例えば、アルミニウムマトリックス
金属と窒素浸透雰囲気の場合、窒化アルミニウムが生成
する場合がある)。このような反応生成物は、金属マト
リックス複合体の意図する用途により、望ましいことも
あれば、望ましくない場合もある。更に、浸透温度を達
成するために、電気抵抗加熱が一般的に使用される。し
かしながら、マトリックス金属が溶融状態となり、自発
浸透に悪影響を及ぼさない加熱手段であれば、本発明で
使用することができる。
本発明の方法においては、例えば、通気性充填材又は
プレフォームが、プロセス中の少なくともある時点で窒
素含有ガスの存在下で、溶融アルミニウムと接触状態と
なる。この窒素含有ガスは、ガスの連続流を充填材若し
くはプレフォーム及び/又は溶融アルミニウムマトリッ
クス金属の少なくとも一つと接触を維持することにより
供給できる。窒素含有ガスの流量は重要ではないけれど
も、合金マトリックスにおける窒化物の生成により雰囲
気から損失する窒素を補償するに十分であり、且つ溶融
金属を酸化する場合のある空気の進入を防止又は阻止す
るに十分な流量であることが好ましい。
金属マトリックス複合体を形成する方法は、多種多様
の充填材に適用でき、どの充填材を選択するかは、マト
リックス合金、プロセス条件、溶融マトリックス合金と
充填材との反応性及び最終複合体製品に求められる性質
等の因子により異なる。例えば、アルミニウムがマトリ
ックス金属の場合、適当な充填材としては、(a)酸化
物、例えば、アルミナ;(b)炭化物、例えば、炭化珪
素;(c)硼化物、例えば、アルミニウムドデカボライ
ド;及び(d)窒化物、例えば、窒化アルミニウムが挙
げられる。充填材が溶融アルミニウムマトリックス金属
と反応する傾向がある場合には、浸透時間及び温度を最
少限度とするか、又は充填剤に非反応性被覆を設けるこ
とにより適応できる。充填材は、カーボン又は他の非セ
ラミック材料等の基材を包合し、この基材は侵食又は分
解から保護のためにセラミック被膜を有している。適当
なセラミック被膜としては、酸化物、炭化物、硼化物及
び窒化物等のセラミックを挙げることができる。本発明
の方法に用いるのに好ましいセラミックとしては、粒子
状、板状、ウイスカー状及び繊維状のアルミナ及び炭化
珪素が挙げられる。繊維は、不連続(細断した形態)で
も又はマルチフィラメントトウ等の連続フィラメントで
もよい。更に、充填材又はプレフォームは、均一でも又
は不均一でもよい。
又、特定の充填材は、同様な化学組成を有する充填材
に対して優れた浸透性を示すことが判明した。例えば、
「ノーベル セラミック マテリアルズ アンド メソ
ッズ オブ メーキング セーム(Novel Ceramic Mate
rials and Methods of Making Same)と題する、マーク
・エス・ニューカーク(Mark S.Newkirk)等による特開
昭61-6173号に開示されている方法により製造した破砕
アルミナ物体は、市販のアルミナ製品よりも所望の浸透
性を示す。更に、「コンポジット セラミック アーテ
ィクルズ アンド メソッズ オブ メーキングセーム
(Composite Ceramic Articles and Methods of Making
Same)と題する同時継続及び同一出願人による特開昭6
2-012678号〔発明者:マーク・エス・ニューカーク(Ma
rk S.Newkirk)等〕に開示されている方法により製造し
た破砕アルミナ物体も、市販のアルミナ製品よりも所望
の浸透性を示す。上記特許及び特許出願の各々の内容
は、本発明に利用できる。従って、上記した米国特許及
び特許出願の方法により製造した破砕又は粉砕した物体
を用いることにより、より低い浸透温度及び/又はより
短い浸透時間で、セラミック材の通気性素材の完全浸透
が生じることが判明した。
充填材のサイズ及び形状は、複合体において望ましい
性質を得るのに必要されるいずれのものでもよい。従っ
て、浸透は充填材の形状によっては制限されないので、
充填材は、粒子状、ウイスカー状、板状又は繊維状でよ
い。球体、小管、ペレット、耐火繊維布等の他の形状を
用いてもよい。更に、大きな粒子の場合よりは小さい粒
子の素材を完全に浸透させるには温度を高めるか又は時
間を長くすることが必要な場合があるが、浸透は、充填
材のサイズによっては制限されない。浸透されるべき充
填材(プレフォームに賦形した)の素材は、通気性でな
ければならない(即ち、溶融マトリックス金属透過性及
び浸透雰囲気透過性)。
本発明による金属マトリックス複合体を形成する方法
では、溶融マトリックス金属をプレフォーム又は充填材
の素材に押し込むか又は押し入れるためには、圧力の使
用に依存しない。本発明によれば、高い充填材体積%及
び低い多孔率を有する実質的に均一な金属マトリックス
複合体を製造することが可能である。充填材の多孔率が
より小さい最初の素材を使用することにより、充填材の
体積分率をより高めることができる。又、素材が、溶融
合金による浸透を禁止する閉孔を有する成形体又は完全
に密な構造に転換されないかぎり、充填剤の素材を圧縮
又は圧密化することにより、体積分率を高めることがで
きる。
セラミック充填材の周囲へのアルミニウムの浸透とマ
トリックスの形成の場合、アルミニウムマトリックスに
よるセラミック充填材の湿潤は、浸透機構の重要な要素
の場合がある。更に、低い処理温度では、金属の窒化は
無視できる程度又は極少量であり、窒化アルミニウムの
生成は金属マトリックスに分散した形態で不連続相が極
少量が生成するだけである。温度範囲の上限に接近する
につれて、金属の窒化はもっと生じ易くなる。従って、
金属マトリックスにおける窒化物相の量は、浸透が生じ
るプロセス温度を変えることにより制御できる。窒化物
生成がより顕著になる特定のプロセス温度も、使用され
るマトリックスアルミニウム合金、充填材若しくはプレ
フォームの体積に対する該合金の量、浸透されるべき充
填材及び浸透雰囲気の窒素濃度等の因子により異なる。
例えば、一定のプロセス温度での窒化アルミニウム生成
の程度は、合金が充填材を湿潤する能力の減少及び雰囲
気の窒素濃度の増加とともに増加するものと思われる。
従って、複合体の形成中に金属マトリックスの構造を
作り出し、得られる生成物に特定の特性を付与すること
が可能である。一定の系の場合、プロセス条件を、窒化
物生成を制御するように選択することができる。窒化ア
ルミニウム相を含有する複合体生成物は、生成物に対し
て好ましいか又はその性能を向上できるある種の性質を
示す。更に、アルミニウム合金を自発浸透させるための
温度範囲は、使用するセラミックにより異なってもよ
い。充填材としてアルミナを用いる際、窒化物が著しく
生成することによりマトリックスの延性が減少しないこ
とが望ましい場合には、浸透温度は、好ましくは約1000
℃を超えてはならない。延性がもっと小さく且つ剛さの
大きなマトリックスを有する複合体を製造することが望
ましい場合には、1000℃を超える温度を用いてもよい。
炭化珪素を充填材として用いるときには、アルミニウム
合金は、充填剤としてアルミナを使用するときよりは窒
化の程度が小さいので、炭化珪素に浸透させるには、よ
り高い温度である約1200℃を用いてもよい。
更に、マトリックス金属の溜を用いて、充填材を確実
に完全に浸透させたり及び/又はマトリックスの第一源
とは異なる組成を有する第二金属を供給することが可能
である。即ち、ある場合には、マトリックス金属の第一
源とは組成が異なるマトリックス金属を溜に用いること
が望ましい場合がある。例えば、アルミニウム合金をマ
トリックス金属の第一源として用いる場合、実際に処理
温度で溶融するいずれの他の金属又は金属合金を溜金属
として用いてもよい。溶融金属は互いに非常によく混和
することがあり、この際、混合が生じるに十分な時間が
ある限り、溜金属はマトリックス金属の第一源と混合す
る。従って、マトリックスの第一源とは異なる組成の溜
金属を用いることにより、種々の操作要件を満たすよう
に金属マトリックスの性質を合わせ、それにより、金属
マトリックス複合体の性質を作り出すことができる。
又、本発明と組み合わせてバリヤーを使用することも
できる。具体的には、本発明で使用するバリヤー手段
は、充填材の規定された表面境界を超えて、溶融マトリ
ックス合金(例えば、アルミニウム合金)が移動、動き
等をするのを妨害、阻止、防止又は終了させるいずれか
の適当な手段でよい。適当なバリヤー手段としては、本
発明のプロセス条件下で、一体性を維持し、揮発せず且
つ好ましくは本発明で使用するガスを透過するととも
に、充填材の規定された表面を超えて連続して浸透又は
その他の動きをするのを局部的に阻止、停止、妨害、防
止等をすることが可能な材料、化合物、元素、組成物等
が挙げられる。
適当なバリヤー手投としては、用いられるプロセス条
件下で移動している溶融金属によって実質的に湿潤され
ない材料が挙げられる。この種のバリヤーは、溶融マト
リックス合金に対してほとんど親和性を示さず且つ溶融
マトリックス金属を充填材の規定された表面境界を超え
ては実質的に移動させない。バリヤーは、金属マトリッ
クス複合体製品の最終機械加工又は研磨の必要性を減少
させる。上記したように、このバリヤーは、通気性若し
くは多孔性であるか又は穴あけにより通気性にして、ガ
スを溶融マトリックス合金に接触させることができなけ
ればならない。
アルミニウムマトリックスに特に有効なバリヤーの適
当なものとしては、炭素、特に黒鉛として知られている
結晶性同素体状炭素を含有するものが挙げられる。黒鉛
は、説明したプロセス条件下では、溶融アルミニウム合
金によっては実質的に湿潤されない。特に好ましい黒鉛
としては、グラフォイル(Grafoil)(ユニオンカーバ
イド社の登録商標)として販売されている黒鉛テープ製
品が挙げられる。黒鉛テープは、充填材の規定された表
面境界を超えて溶融アルミニウム合金が移動するのを防
止するシーリング性を示す。又、黒鉛テープは、耐熱性
であり且つ化学的に不活性である。グラフォイルは可撓
性、適合性(compatible)、従型性(conformable)、
弾性(resilient)である。グラフォイル黒鉛テープ
は、バリヤーの用途に適合するように種々の形状に作製
することができる。しかしながら、黒鉛バリヤー手段
は、充填材又はプレフォームの周囲及び境界に、スラリ
ー、ペースト又は塗膜としてでも用いることができる。
グラフォイルは、可撓性黒鉛シートの形態であるので特
に好ましい。使用に際して、この紙様黒鉛は、充填材又
はプレフォームの周囲に簡単に成形される。
窒素環境におけるアルミニウム金属マトリックス合金
を浸透させるための他の好ましいバリヤーとして、この
バリヤー材を用いたときに使用する一定のプロセス条件
下で、溶融アルミニウム金属合金により一般的に湿潤さ
れない遷移金属硼化物〔例えば、二硼化チタン(Ti
B2)〕である。この種のバリヤーの場合、プロセス温度
は約875℃を超えてはならず、この温度を超えると、バ
リヤー材の有効性が低下し、実際に、温度を上げるとバ
リヤーヘの浸透が生じる。遷移金属硼化物は、一般的に
は粒状(1〜30ミクロン)である。バリヤー材は、スラ
リー又はペーストの形態で、好ましくはプレフォームと
して賦形したセラミック充填材の通気性素材の境界に適
用してもよい。
窒素雰囲気におけるアルミニウム金属マトリックス合
金に関する他の好ましいバリヤーとして、充填材又はプ
レフォームの外表面上にフィルム又は層として適用され
る低揮発性有機化合物が挙げられる。窒素中、特に本発
明のプロセス条件で焼成すると、有機化合物が分解して
カーボンスート(soot)フィルムが残る。有機化合物
は、塗装、噴霧、浸漬等の従来の手段により適用でき
る。
更に、微粉砕した粒状物質は、粒状物質への浸透が充
填材への浸透より遅い速度で生じる限り、バリヤーとし
て機能することができる。
したがって、バリヤー手段は、規定された表面境界を
バリヤー手段の層で被覆する等の何れかの適当な手段に
より適用できる。このようなバリヤー手段の層は、塗
装、浸漬、スクリーン印刷、蒸着、又は液体、スラリー
若しくはペーストの形態でバリヤー手段に塗布すること
により、又は揮発性バリヤー手段のスパッタリングによ
り、又は固形粒子バリヤー手段の層を単に付着させるこ
とにより、又はバリヤー手段の固形薄シート若しくはフ
ィルムを、規定された表面境界上に適用することにより
適用できる。所定の位置にバリヤー手段を用いた場合、
浸透マトリックス金属が規定された表面境界に到達し且
つバリヤー手段に接触すると、自発浸透が実質的に終了
する。
所望量の自発浸透が達成された後又は自発浸透中(例
えば、自発浸透が実質的に完了近く)に、金属マトリッ
クス複合体を方向性凝固するための手段を使用する。金
属マトリックス複合体を方向性凝固するには、金属マト
リックス複合体の少なくとも一方の表面での「ホットト
ッピング」;及び/又は金属マトリックス複合体の表面
とチルプレート等の静置吸熱器との接触;及び/又は流
体への金属マトリックス複合体の接触又は順次浸漬(静
置又は流動);及び/又は金属マトリックス複合体が生
成した炉から、金属マトリックス複合体を順次取り出す
こと等をはじめとする種々の手段を利用できる。これら
の方向性凝固法の一つ以上を単独又は組み合わせて使用
することにより、自発浸透法により製造される金属マト
リックス複合体の性質を向上することができる。例え
ば、同様の方法で製造したけれども方向性凝固を行わな
かった金属マトリックス複合体に対して、ミクロ構造
(例えば、均一性)が改善され、ミクロ構造中の気孔又
はボイドが減少し、引張強さの増加等がなされた金属マ
トリックス複合体を得ることができる。第5a図、第5b
図、第6a図及び第6b図に示すように、繊維を含有する金
属マトリックス複合体を方向性凝固することにより、複
合体中の多孔度が減少し、より均一なミクロ構造が生成
する。更に、実施例1に示すように、方向性凝固した繊
維強化金属マトリックス複合体は、方向性凝固しなかっ
た同様の複合体よりも引張強さが大きい。
第5a図、第5b図、第6a図及び第6b図は、アルミナ繊維
を含有する金属マトリックス複合体の光学顕微鏡写真で
ある。各組の図は、2つ倍率で示した顕微鏡写真であ
る。第5a図及び第5b図の顕微鏡写真は、炉で冷却した金
属マトリックス複合体、即ち、方向性凝固しなかった金
属マトリックス複の代表例である。
第5a図及び第5b図において参照番号80で示したよう
に、方向性凝固をしなかった金属マトリックス複合体に
は、マトリックス金属が存在しない気孔又はボイド空間
の領域が見られる。これに対して、第6a図及び第6b図か
ら明らかなように、方向性凝固した金属マトリックス複
合体では、気孔又はボイド空間が相当少ない。更に、第
6a図及び第6b図に示した金属マトリックス複合体は、第
5a図及び第5b図に示した金属マトリックス複合体よりも
ミクロ構造が均一である。この均一性の増加は、マトリ
ックス金属中における繊維の分散が向上することから分
かる。
実施例1に記載されている方向性凝固した金属マトリ
ックス複合体により示された引張り強さの増加は、少な
くとも部分的には、金属マトリックス複合体の方向性凝
固により得られる気孔又はボイド空間の減少によるもの
と思われる。特に、気孔又はボイド空間により、金属マ
トリックス複合体内の負荷担持領域が減少することによ
り、複合体の引張り強さが減少する。従って、気孔又は
ボイド空間が減少することにより、金属マトリックス複
合体内の負荷担持領域が大きくなり、それに応じて、引
張り強さが増加する。
第7図及び第8図は、アルミナ繊維を含有する2つの
金属マトリックス複合体の光学顕微鏡写真である。第7
図には方向性凝固しなかった金属マトリックス複合体の
ミクロ構造が示されており、一方、第8図には方向性凝
固した金属マトリックス複合体のミクロ構造が示されて
いる。第8図に示されている金属マトリックス複合体の
ミクロ構造は、実施例1で方向性凝固したものである。
第7図において、参照番号84は、金属マトリックス複合
体中の気孔又は空隙空間領域を示している。第8図で
は、これらの気孔又は空隙空間が実質的に減少又は無く
なっていることが分かる。従って、第7図及び第8図で
は、マトリックス金属を充填材又はプレフォームに自発
浸透して製造した金属マトリックス複合体を方向性凝固
することにより、気孔又はボイド空間が減少して、より
均一なミクロ構造が得られることも明らかである。
本明細書では、方向性凝固手段の多くについては、形
成した金属マトリックス複合体に直接接触させるものと
して説明するが、これらの説明は単なる実例を示したに
すぎず且つ複合体は、通常、方向性凝固工程中は、少な
くとも適当な耐火容器に入れておくものと理解すべきで
ある。従って、具体的な方向性凝固手段が複合体の特定
の一部分と接触するとして記載されているときには、実
際には、複合体のその部分に最も近接しているセットア
ップの端部に接触している場合があると理解すべきであ
る。
〔実施例〕
以下、金属マトリックス複合体を含めたセットアップ
の方向性凝固について、実施例により説明する。しかし
ながら、下記の実施例は、本発明を説明するものであっ
て、特許請求の範囲に記載した発明の範囲を限定するも
のではない。
実施例1 以下の実施例では、方向性凝固法を、自発浸透により
金属マトリックス複合体を形成する新規な方法と組み合
わせることにより、同様の自発浸透法により製造したが
方向性凝固工程とは組み合わせなかった金属マトリック
ス複合体よりも、優れた引っ張り強さを有する金属マト
リックス複合体を得ることができることを明らかにす
る。
寸法が約5インチ×5インチ×0.8インチである多孔
性プレフォーム(以下、「プレフォームNo.1」と称す
る)に、窒素雰囲気の存在下で、マグネシウムを含有す
る市販のアルミニウム合金の溶融物を浸透させた。この
プレフォームは、約12体積%のアルミナ繊維(アルミナ
繊維の少なくとも90重量%は、デュポン社製のファイバ
ーFP(Fiber FP)であった)を含有し、アルミナ繊維は
コロイドシリカで結合されていた。コロイドアルミナ/
繊維の重量比は約1/4であり、プレフォームの残部は、
連続気孔からなっていた。プレフォームの自発浸透は、
以下に説明する操作により行った。
第1図に示すように、ノートン社(Norton Company)
製で、アランダム(Alundum)の商標で販売されている2
4グリット(1mm)のアルミナ剤(17)からなる厚さ約1
インチ(25mm)の層を、黒鉛ボート(10)の底に配置し
た。ユニオンカーバイド社製で、グラフォイル(Grafoi
l)の商標で販売されている厚み15/1000インチ(0.4m
m)のGTBグレードの黒鉛テープ製品から形成したボック
ス(12)を、黒鉛ボート(10)内に入れたアランダム
(17)の厚み約1インチ(25mm)の層の上部に配置し
た。このグラフォイルボックス(12)は、グラフォイル
(商標)の適当なサイズの形材を一緒にステープルで留
め、継目を、黒鉛粉末〔ロンザ社(Lonza,Inc.)製;グ
レードKS-44〕とコロイド状シリカ〔デュポン社製ルド
ックス(Ludox HS)〕を混合して調製したスラリーでシ
ールすることにより作製した。コロイドシリカに対する
黒鉛の重量比は、約1/3であった。
グラフォイルボックス(12)を、アランダム(商標)
の最初の層(17)の上部に配置した後、更に、アランダ
ム(商標)(14)を、黒鉛ボート(10)内のアランダム
層(14)のレベルがグラフォイルボックス(12)の上部
とほぼ水平になるまで、黒鉛ボート(10)内のグラフォ
イル(商標)ボックス(12)の外側周囲に追加した。こ
の時点で、第1図で参照番号16で示したプレフォームN
o.1をグラフォイル(商標)ボックス(12)の底に配置
し、寸法が19/4インチ×19/4インチ×1/2インチ(120mm
×120mm×12.5mm)である市販の520.2合金のインゴット
(18)をプレフォーム(16)の上部に配置した。
グラフォイルボート(10)とその内容物からなるセッ
トアップを、室温で制御雰囲気電気抵抗炉(即ち、真空
炉)内に配置した。次に、炉を、室温で、高真空(約1
×10-4)が得られるまで排気した。所定の真空となった
ら、炉温を、45分かけて、約200℃まで上昇し、この温
度で約2時間保持した。2時間保持した後、炉を、約1
気圧まで窒素ガスで裏込めし、2リットル/分の流量で
ガスが連続的に流れるようにした。次に、炉温を、約5
時間かけて約700℃まで上昇させ、700℃で約20時間保持
した。加熱を20時間行った後、炉の電源を切り、炉内の
セットアップを、室温まで冷却した。
周囲温度に到達後、セットアップを炉から取り出し、
分解した。セットアップから得た金属マトリックス複合
体を切断して2等分し、断片の一つ(以下、「断片A」
と称する)を、T4溶液で熱処理した。このT4溶液での熱
処理は、金属マトリックス複合体を432℃で約18時間浸
漬後、直ちに、金属マトリックス複合体を、100℃の熱
湯で約20秒間急冷した。他のマトリックス複合体断片
(以下、「断片B」と称する)は、何も熱処理を施さな
かった。
プレフォームNo.1と同様の材料からなっているが、寸
法が23/4インチ×23/4インチ×0.8インチ(146mm×146m
m×20mm)である第二プレフォーム(以下、「プレフォ
ームNo.2」と称する)に、窒素雰囲気下で、マグネシウ
ムを含有する市販のアルミニウム合金を浸透させた。プ
レフォームへの合金の浸透は、以下に説明する操作によ
り行った。
第2図に示すような、上記と同様の方法で作製した寸
法が23/4インチ×23/4インチ×3インチ(146mm×146mm
×76mm)であるグラフォイル(商標)ボックス(22)
を、6インチ×6インチ×13/2インチ(152mm×152mm×
167mm)のステンレス製ボックス(24)内に配置した。
第2図において参照番号26で示したプレフォーム(プレ
フォームNo.2)を、グラフォイル(商標)ボックス(2
2)内に配置し、市販のアルミニウム合金520.2からなる
概略寸法が7/2インチ×7/2インチ×1/2インチ(89mm×8
9mm×12.7mm)のインゴット(28)を、プレフォーム(2
6)の上部に配置した。その後、ステンレス製ボックス
(24)の上部を、マクネール・レフラクトリーズ・イン
コーポレーション(McNeil Refractories Inc.)製で、
ファイバーフラックスデュラボード HD(Fiberfrax Du
raborad HD)の商標で販売されている断熱材からなる厚
み1/8インチ(3.2mm)の板で覆った。ステンレス製ボッ
クス(24)、それを覆ったファイバーフラックス板(3
0)及びステンレス製ボックスの内容物からなるセット
アップを、室温で、制御雰囲気電気抵抗炉(即ち、真空
炉)内に配置した。次に、炉を、室温で、高真空(約1
×10-4)が得られるまで排気した。所定の真空となった
ら、炉を、約1気圧まで窒素ガスで裏込めし、2500cc/
分の流量でガスが連続的に流れるようにした。次に、炉
温を、約150℃/時間の昇温速度で、約725℃まで上昇さ
せた。炉を、約725℃で約15時間保持して、アルミニウ
ム合金インゴットを融解し、プレフォームを自発的に浸
透させた。
15時間加熱した後、炉を、約675℃まで冷却した。こ
の温度で、セットアップを炉から取り出し、第3図に示
すように、2個の黒鉛板(36)の上部に設置した鋼板
(34)の上部に配置した。更に、第3図において、4個
の耐火れんが(38)を、ステンレス製ボックス(24)の
周囲に配置してセットアップを断熱することにより、方
向性凝固プロセス工程の間、合金を溶融状態に維持する
ようにした。各耐火れんが(38)は、ステンレス製ボッ
クス(24)の4面のうちの一つと接触状態となるように
した。セットアップにおける溶融合金の方向性凝固は、
セットアップから鋼板(34)を介して引き寄せられる熱
エネルギーを黒鉛板(36)が吸収するすることにより生
じた。即ち、鋼板(34)により、熱を、セットアップの
底から、吸熱器として作用する黒鉛板(36)へ移動させ
た。このようにして、セットアップを、ベースから表面
の余剰合金(35)の方向に方向性冷却した。
アルミニウム合金の凝固温度以下に冷却後、セットア
ップを分解し、金属マトリックス複合体を回収した。金
属マトリックス複合体を切断して、サイズの等しい2個
の断片とした。第一断片(以下、「断片C」と称する)
を、T4熱処理した。この熱処理は、上記の場合の同様に
行った。一方、第二断片(以下、「断片C」と称する)
には、何ら熱処理を施さなかった。
4個の断片、即ち、断片A、B、C及びDについて、
以下に説明する標準引張強さの測定を行った。各金属マ
トリックス複合体断片を切断して、厚さ約0.10インチ×
幅0.50インチ×長さ約5インチ(2.5mm×幅12.5mm×長
約127mm)の寸法を有する試験クーポン作製した。クー
ポンの形状は、ドッグボーン(dogbone)半径が公称4
インチ(102mm)であることを除いて、エーエステーエ
ム(ASTM)規格D 3552-77(1982年再認可)の第1図に
示されている試験片Bに準じた。各クーポンを、試験機
の適当なグリップに取りつけ、試験クーポンが破壊する
まで、0.02インチ(0.5mm)/分(0.508mm/分)のほぼ
一定のクロスヘッド速度で負荷をかけた(クーポンの一
端を引っ張ることにより)。これらの引張り強さ試験の
結果を、表1にまとめて示す。
表1に示した結果から、金属マトリックス複合体の形
成に方向性凝固を利用することにより、金属マトリック
ス複合体の引張り強さを増加できることが明らかであ
る。更に、方向性凝固した金属マトリックス複合体を熱
処理することにより、引張り強さを更に増加できる。方
向性凝固により引張り強さが大幅に増加するのは、金属
マトリックス複合体中の気孔又はボイド空間の減少の結
果であると思われる。この気孔又はボイド空間の減少に
より、負荷担持領域が増加し、金属マトリックス複合体
の引張り強さが増加する。
実施例2 以下の実施例では、方向性凝固法を、自発浸透により
金属マトリックス複合体を形成する新規な方法と組み合
わせることにより、同様に形成したが方向性凝固を行わ
なかった金属マトリックス複合体よりも、気孔又はボイ
ド空間が減少した金属マトリックス複合体を得ることが
できることを示す。
第4図に示すように、ノートン社製で、39クリストロ
ン(39 Crystolon)の商品名で販売されている1000グリ
ット(5μm)生炭化珪素の約263gを、マグネシウム粉
末約2重量%(5.8g)と混合した。この混合物は、参照
番号50で示してある。この混合物(50)を、ユニオンカ
ーバイド社(Union Carbide)製の商品名グラフォイル
(商標)として知られている厚み15/1000インチ(0.4m
m)のGTBグレード黒鉛テープ製品からなる内張り(44)
を有する、厚みが約1/10インチ(2.5mm)の炭素鋼(4
2)から作製した概略寸法が6インチ×3インチ×5イ
ンチ(152mm×76mm×127mm)のボックス(40)内に配置
した。ボックス(40)の外側を、厚み1/8インチ(6.8m
m)の予備焼成したマクネール・レフラクトリーズ・イ
ンコーポレーション(McNeil Refractories Inc.)製
の、ファイバーフラックスデュラボード HD(Fiberfra
x Duraboard HD)でライニングを施した。このファイバ
ーフラックスデュラボードは、第4図において参照番号
46で示してある。珪素約12重量%、亜鉛約5重量%、マ
グネシウム6重量%で残部がアルミニウムからなるアル
ミニウム合金の約520.2gインゴット(48)を、1000グリ
ット炭化珪素/マグネシウム混合物の層(50)の上部に
配置した。このアセンブリーを、窒素ガス供給口(56)
及び銅箔カバー(58)を有するステンレス製容器(54)
の底に位置させた上記のファイバーフラックス材からな
る厚み1/8インチの板(52)の上部に配置した。チタン
スポンジ(60)を、ステンレス製容器内で且つ混合物
(50)及びアルミニウム合金(48)の入ったファイバー
フラックス(46)の外側に配置した。このチタンスポン
ジ(60)は、酸素ゲッターとして作用させるために、容
器(54)内に配置した。この容器(54)を、約40分かけ
て周囲温度から約250℃まで加熱した大気開放電気抵抗
加熱炉内に配置し、約250℃で約1時間保持し、約3時
間かけて約800℃に温度を上昇させ、約800℃で約2.5時
間保持し、その後、約800℃で炉から取り出した。容器
が炉内にある間、窒素を、約5リットル/分の流量で、
供給口(56)から容器(54)の内部に供給し、炉内の圧
力を約1気圧に維持した。約800℃で炉から取り出した
後、セットアップを、水冷却銅トップチルプレート上
で、約1/2時間の間、方向性凝固後、周囲温度の水に浸
漬した。
周囲温度に到達したら、セットアップを水から取り出
し、分解した。セットアップから得た金属マトリックス
複合体を調べたところ、この複合体は、方向性凝固せず
に製造した従来の金属マトリックス複合体よりも気孔又
はボイド空間が少ないことが明らかとなった。
上記実施例では詳細な説明を行ったが、当業者は、こ
れらの実施例の種々の変更が可能であり、このような全
ての変更は、本出願の特許請求の範囲内であると理解さ
れるべきである。
〔発明の効果〕
上記で説明したように、本発明により、方向性凝固法
と、自発浸透により金属マトリックス複合体を形成する
新規な方法との組み合わせを利用することにより、ミク
ロ構造、及び引張り強さ等の物性が向上した金属マトリ
ックス複合体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第一プレフォームの自発浸透を行うために実
施例1で使用した材料の断面図;第2図は、第二プレフ
ォームの自発浸透を行うために実施例1で使用した材料
の断面図;第3図は、第2図に示した材料の断面図で、
マトリックス金属のプレフォームへの自発浸透が生じた
後のものであり、更に、第3図は実施例1で使用した方
向性凝固アセンブリーをも示しており;第4図は、充填
材の素材の自発浸透を行うために実施例2で使用した材
料の断面図であり;第5a図及び第5b図は、アルミナ繊維
を含有している非方向性凝固金属マトリックス複合体の
組織を示す光学顕微鏡写真であり;第6a図及び第6b図
は、アルミナ繊維を含有している方向性凝固金属マトリ
ックス複合体の組成を示す光学顕微鏡写真であり;第7
図は、アルミナ繊維を含有している炉冷却非方向性凝固
金属マトリックス複合体の組織を示す光学顕微鏡写真で
あり;第8図は、アルミナ繊維を含有している方向性凝
固金属マトリックス複合体の組織を示す光学顕微鏡写真
である。 10……黒鉛ボート、12……グラフォイルボックス、14…
…追加アルミナ材、16……プレフォーム、17……アルミ
ナ材、18……合金インゴット、22……グラフォイルボッ
クス、24……ステンレス製ボックス、26……プレフォ
ー、28……アルミニウム合金インゴット、30……断熱材
板、34……鋼板、35……過剰合金、36……黒鉛板、38…
…耐火れんが
フロントページの続き (72)発明者 ロバート キャンベル カントナー アメリカ合衆国,デラウェア 19714, ニューアーク,ブロードリーフ ドライ ブ 30 (72)発明者 ジョン ピーター ビール,ジュニア アメリカ合衆国,デラウェア 19711, ニューアーク,グレイストーン レーン 2ビー,1002 (56)参考文献 特開 昭48−311(JP,A) 特開 昭49−42504(JP,A) 特開 昭57−31466(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 1/09 B22D 19/14 B22D 19/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に非反応性の充填材(1)、及びマ
    トリックス金属(2)を提供し、 前記マトリックス金属の融点より高い温度で、且つ、浸
    透増進剤前駆体と浸透増進剤の少なくとも一方(3)の
    存在、及び、前記マトリックス金属の自発的浸透を許容
    又は増進しかつ自発浸透プロセスの少なくとも或る時点
    において前記マトリックス金属及び前記充填材の少なく
    とも一方と連通する浸透性雰囲気(4)の存在におい
    て、前記マトリックス金属を前記充填材の少なくとも一
    部に自発的に浸透させて自発浸透された材料を形成し、
    そして、 前記自発浸透された材料の少なくとも一部を方向性凝固
    させる工程を含むことを特徴とする金属マトリックス複
    合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】充填材の少なくとも一つの表面境界をバリ
    ヤーで規定し、マトリックス金属が充填材にバリヤーま
    で自発的に浸透する工程を含む、請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】充填材がプレフォームを含む、請求項1ま
    たは2に記載の方法。
  4. 【請求項4】自発的浸透中に、温度が、マトリックス金
    属の融点より高いが、マトリックス金属の蒸発温度およ
    び充填剤の融点より低い、請求項1〜3のいずれかに記
    載の方法。
  5. 【請求項5】充填材が、粉末、フレーク、小板、微小
    球、ウイスカー、泡状体、繊維、粒子、繊維マット、截
    断された繊維、球、小球、小管および耐火布よりなる群
    から選択された少なくとも一つの実質的に非反応性物質
    を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】前記方向性凝固工程を、自発的浸透が少な
    くとも実質的に完了した後、または自発的浸透期間に実
    施する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】前記方向性凝固工程が自発的浸透された材
    料の表面を、ヒート・シンクおよび流体の少なくとも一
    つと接触させ、続いて前記自発的浸透された材料を熱源
    から除去する工程、自発的浸透された材料の少なくとも
    一つの表面の少なくとも一部分をホットトッピングする
    工程、および、自発的浸透された材料の少なくとも一つ
    の表面の少なくとも一部分を加熱しながら、前記自発浸
    透された材料の加熱されない部分の冷却を許容する工程
    の少なくとも一つを含む、請求項1〜6のいずれかに記
    載の方法。
  8. 【請求項8】前記流体が、流動している流体および実質
    的に静止している流体の少なくとも一つを含む、請求項
    7に記載の方法。
  9. 【請求項9】溶融マトリックス金属を提供し、 前記溶融マトリックス金属を実質的に非反応性の充填材
    を含む透過性素料と接触させ、 前記マトリックス金属の融点より高い温度で、且つ、浸
    透増進剤前駆体と浸透増進剤の少なくとも一方の存在、
    及び、前記マトリックス金属の自発的浸透を許容又は増
    進しかつ自発浸透プロセスの少なくとも或る時点におい
    て前記マトリックス金属及び前記充填材の少なくとも一
    方と連通する浸透性雰囲気の存在において、前記マトリ
    ックス金属を前記充填材の少なくとも一部に自発的に浸
    透させて自発浸透された材料を形成し、そして 前記自発浸透された材料の所望量の浸透が起きた後に、
    前記自発浸透された材料を方向性凝固手段と接触させ
    て、前記溶融マトリックス金属を前記自発的浸透された
    材料内で方向性凝固させる工程を含むことを特徴とする
    金属マトリックス複合材料の製造方法。
  10. 【請求項10】マトリックス金属が、アルミニウムを含
    み、かつ充填材が、酸化物、炭化物、硼化物および窒化
    物よりなる群から選択された少なくとも一つの物質を含
    む、請求項1または9に記載の方法。
  11. 【請求項11】浸透性雰囲気が、浸透期間の少なくとも
    一部分の間、充填材およびマトリックス金属の少なくと
    も一つと連通する、請求項1または9に記載の方法。
  12. 【請求項12】浸透増進剤前駆体が、マグネシウム、ス
    トロンチウムおよびカルシウムよりなる群から選択され
    た少なくとも一つの物質を含む、請求項1または9に記
    載の方法。
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