JP2903907B2 - ホィールアライメント制御方法 - Google Patents

ホィールアライメント制御方法

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JP2903907B2
JP2903907B2 JP4274236A JP27423692A JP2903907B2 JP 2903907 B2 JP2903907 B2 JP 2903907B2 JP 4274236 A JP4274236 A JP 4274236A JP 27423692 A JP27423692 A JP 27423692A JP 2903907 B2 JP2903907 B2 JP 2903907B2
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忠夫 田中
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    • B60G2200/40Indexing codes relating to the wheels in the suspensions
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2202/00Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
    • B60G2202/40Type of actuator
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2204/00Indexing codes related to suspensions per se or to auxiliary parts
    • B60G2204/62Adjustable continuously, e.g. during driving

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  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホィールアライメント
制御方法に関し、特に、ハンドル操作に要する力を高速
保舵時に低減可能とするホィールアライメントを実現で
きるホィールアライメント制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両において、ホィールアライメント例
えばキャンバを車両走行状況に応じて自動制御すること
が知られている。典型的なキャンバ制御装置は、車両の
前輪及び後輪に設けたアクチュエータと、車両走行状態
を表す車速及び操舵角を検出するための車速センサ及び
操舵センサとを備え、制御手段の制御下でアクチュエー
タを駆動して走行状態に適合するキャンバに調整するよ
うにしている。
【0003】詳しくは、低車速領域ではキャンバがニュ
ートラル状態に調整され、低車速領域以外の車速領域で
かつ小操舵角領域である場合は、4つの車輪のキャンバ
が、車速の関数として表され互いに異なる目標キャンバ
に夫々調整される。ここで、旋回内側の前輪及び旋回外
側の後輪の目標キャンバは、車速の増大につれてポジテ
ィブからニュートラルに変化するように、又、旋回内側
の後輪及び旋回内側の前輪の目標キャンバは、車速の増
大につれてネガティブからポジティブに変化するように
夫々設定される。更に、低車速領域以外の車速領域でか
つ大操舵角領域である場合、前輪及び後輪のキャンバ
が、車速の増大につれて大きさが漸増するポジティブ及
びネガティブな目標キャンバになるように夫々調整され
る。
【0004】上記従来のキャンバ制御装置によれば、車
両の旋回性能及び走行安定性が相当程度まで確保され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】曲線道路に沿って車両
を走行させる場合、ドライバは、当初はハンドル操作上
ある程度の手ごたえを望むことが多い。その一方で、高
速道での長い大尺コーナを走行するとき等の高速保舵時
には、ドライバはハンドル操作上の重さを次第に感じる
ようになる。上記従来装置においては、操舵角に適合す
るキャンバが実現されるが、高速保舵時にドライバが操
舵の重さを感じるときにも、操舵角が同一である限りホ
ィールアライメントは一定に保持されて再調整されるこ
とはない。このため、高速保舵時にドライバは操舵に負
担を感じることになる。
【0006】そこで、本発明は、操舵力(ハンドル操作
に要する力)を高速保舵時に低減可能とするホィールア
ライメントを実現できるホィールアライメント制御方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明のホィールアライメント制御方法は、高速保
舵モードに対応するファジィルールを予め設定し、車速
及び操舵パラメータを検出し、検出した車速及び操舵パ
ラメータに基づいて高速保舵状態を判別したとき、前記
検出した車速及び操舵パラメータと前記ファジィルール
とに基づくファジィ推論により推論出力を演算し、演算
された推論出力に基づいて、前記高速保舵状態に適合す
る車輪のキャスタの目標値を決定し、前記車輪のキャス
タを前記目標値に制御することを特徴とする。
【0008】
【0009】
【作用】高速保舵モードに対応するファジィルールが予
め設定される。そして、車速及び操舵パラメータが検出
される毎に、検出車速及び操舵パラメータに基づいて高
速保舵状態の有無が判別される。高速保舵状態の判別
時、高速保舵状態に適合する車輪のキャスタの目標値が
決定される。目標値の決定に際して、前記予め設定され
高速保舵モードに対応するファジィルールと検出した車
速及び操舵パラメータとに基づくファジィ推論により推
論出力を演算し、演算された推論出力に基づいて車輪の
キャスタ(アライメントパラメータ)の目標値を決定す
る。次に、車輪のキャスタが目標値に制御されて、高速
保舵状態に適合するホィールアライメントが実現され
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例によるホィールアラ
イメント制御方法を実施するための制御システムを説明
する。この制御システムは、実際の車速及び操舵状態と
予め設定した高速保舵モードとの適合度と、実際の車両
走行状態と予め設定した複数の車両走行モードの各々と
の適合度とをファジィ推論により求め、適合度を反映し
た推論出力を更に求め、この推論出力に基づいて決定し
た目標値にアライメントパラメータを制御して、適正な
ホィールアライメントを実現することを企図している。
【0011】本実施例では、高速保舵状態を、ファジィ
変数としての、車速Vと、ハンドル角の絶対値|Ha|
と、所定時間内での所定操舵角速度以上の操舵の回数
(以下、操舵回数という)Ndhaとに基づいて判別す
ると共に、車両走行状態を、ファジィ変数としての、車
速Vと横加速度,前後加速度,ハンドル角及びハンドル
角速度の絶対値|Yg|,|Xg|,|Ha|及び|D
Ha|(ここで記号Dは微分演算子を表す)とに基づい
て判別するようにしている。又、複数の車両走行モード
として、徐行,車庫入れなどに対応する極低速走行モー
ドと、交差点内での走行及び交通量が多い市街地での走
行などを含む第1の市街地走行モードと、流れの良い市
街地での走行に対応する第2の市街地走行モードと、流
れの良い郊外での走行に対応する郊外走行モードと、ハ
ンドル操作の多い山岳路での走行に対応する第1の山岳
路走行モードと、ハンドル操作が少ない高速コーナから
なる山岳路での走行に対応する第2の山岳路走行モード
と、高速道走行モードを予定している。後述のように、
高速保舵モード及び走行モードの各々は、ファジィ変数
に関するファジィ集合の組合せにより表される。そし
て、本実施例では、前輪側ホィールアライメントパラメ
ータとしてのキャンバ,キャスタ及びトーならびに後輪
側ホィールアライメントパラメータとしてのキャンバを
可変調整するようにしている。
【0012】図1に示すように、制御システムは、ホィ
ールアライメント制御プログラム,ファジィルールなど
を格納したリードオンリメモリ(ROM)とデータの一
時記憶のためのランダムアクセスメモリ(RAM)とか
らなるメモリ31と、制御プログラムを実行するための
プロセッサ(CPU)32とを有するコントローラ30
を備えている。プロセッサ32は、図示しない入出力回
路を介して、車速センサ34,横加速度センサ35,前
後加速度センサ36及び操舵センサ37に接続され、車
速,横加速度,前後加速度およびハンドル角を入力し、
又、相次いで入力したハンドル角に基づいてハンドル角
速度を算出すると共に車両旋回方向を判別し、又、算出
ハンドル角速度に基づいて上記操舵回数Ndhaを後述
のように算出するようになっている。そして、制御シス
テムは、プロセッサ32からの制御出力に応動する駆動
回路40と、駆動回路40により駆動される第1,第2
及び第3作動部D1,D2及びD3とを更に備えてい
る。
【0013】第1作動部D1は、4つの車輪のサスペン
ションに夫々設けたキャンバ調整用の第1のアーム長可
変アクチュエータ2,4,6及び8(図2中、記号Aで
互いに区別せずに示す)を含んでいる。なお、アクチュ
エータの構成については後で詳述する。図2に示すよう
に、各該アクチュエータAは、車輪80が装着されるハ
ブキャリア78と車体(図示略)との間に第1のアッパ
アームとして介装され、アクチュエータのアーム(後
述)が車両幅方向に伸縮して、対応する車輪のキャンバ
を調整するようになっている。図2中、符号72はスト
ラット,74は第1のアッパアーム,75及び76は第
1及び第2のロアアーム,78Aはハブキャリアのリン
クを表す。
【0014】図1を参照すると、第1作動部D1は、駆
動回路40からの駆動出力に応動して第1アクチュエー
タ2,4,6及び8を夫々駆動する電磁式制御弁10,
12,14及び16を更に含んでいる。制御弁10〜1
6の各々は、供給路18を介してポンプ20に接続され
ると共に、排出路22を介してオイルリザーバ24に接
続されている。ポンプ20は、図示しないエンジン等に
より駆動されるもので、オイルリザーバ24内のオイル
を吸引して供給路18へ吐出するようになっている。供
給路18には、アキュムレータ26が接続されると共
に、リリーフ弁28を介してリザーバ24が接続され、
これにより供給路18内のオイル圧を一定に保つように
している。そして、制御弁10〜16の各々は、第1ア
クチュエータ2〜8の対応する一つに対するオイルの給
排を禁止してアクチュエータのアームを伸縮不能とする
第1作動位置,アームを伸張させるようにオイルを給排
する第2作動位置およびアームを縮小させるようにオイ
ルを給排する第3作動位置のいずれか一つをとるように
なっている。
【0015】第2作動部D2は、2つの制御弁(図示
略)と、両該制御弁に対応する2つの第2のアーム長可
変アクチュエータ(図2に記号A’で示す)とを備えて
いる。制御弁は、第1作動部D1の制御弁10〜16と
同一構成であって、第1作動部D1のオイル給排系18
〜28に接続され、駆動回路40からの駆動出力に従っ
て第2アクチュエータA’に対するオイルの給排を制御
するようになっている。第2アクチュエータA’は、第
1アクチュエータAと同一構成で、前輪側の2つのサス
ペンションに夫々設けられている。各該アクチュエータ
A’はロアアーム76と車体との間に介装され、車体長
さ方向にアームが伸縮して、対応する車輪のキャスタを
調整するようにされている。
【0016】第3作動部D3は、第1及び第2作動部D
2の制御弁と同一構成の2つの制御弁(図示略)と、両
該制御弁に対応しかつ第1及び第2アクチュエータA,
A’と同一構成の2つの第3のアーム長可変アクチュエ
ータ(図示略)とを備え、駆動回路40からの駆動出力
に応動する制御弁によりオイル給排系18〜28から第
3アクチュエータへのオイルの給排が制御されるように
なっている。第3アクチュエータは前輪側の2つのサス
ペンションに夫々設けられ、各該アクチュエータは、例
えばロアアーム75と車体との間に介装され、車体幅方
向にアームが伸縮して、対応する車輪のトーを調整する
ように作動する。
【0017】図1中、参照符号42,44,46及び4
8は、4つの第1アクチュエータ2〜8のストローク位
置を夫々検出するための変位センサを表し、2つの第2
アクチュエータ及び2つの第3アクチュエータに対応す
る同様の変位センサ(図示略)と共にコントローラ30
に接続されている。図3を参照すると、第1アクチュエ
ータAは、シリンダ本体50と、その内部に軸方向移動
自在に配されたピストン52と、これに一体に結合され
たピストンロッド57と、該ロッド57と連動して回転
する筒状の回転部材54と、該部材54と連動して軸方
向移動するロッド59とを備えている。
【0018】詳しくは、シリンダ本体50は、ピストン
52を内装したピストン収容部50Bと、これに固定さ
れた回転部材支承部50Aと、支承部50Aの端部に固
定した端部部材50C,50Dとから構成されている。
回転部材54は、スラストベアリング53A,53B及
び回転ベアリング55A,55Bを介して回転部材支承
部50Aにより軸方向移動不能かつ回転自在に支持され
ている。回転部材54をなす2つの部分54A,54B
は互いに一体回転可能に結合されている。ピストン収容
部50Bは、その外端部に設けた取付部64において、
ブッシュ等を介して例えば車体側に取り付けられてい
る。ピストン52は、シリンダ本体50のピストン収容
部50B内に配され、ピストン収容部内壁との間に油室
60を画成している。ピストン52の外周および油室6
0の内周は楕円形状に形成され、ピストン52は油室6
0内で回転不能にされている。ピストン52に連結され
たピストンロッド57と回転部材54との間には、シリ
ンダ本体50に対するピストンロッド57の軸方向移動
を回転部材54の回転運動に変換するためのボールねじ
61が介装されている。また、回転部材54とロッド5
9との間には、回転部材54の回転運動をロッド59の
軸方向移動に変換するための台形ねじ63が介装され、
ロッド59は回転不能にされている。
【0019】台形ねじ63は、回転運動を軸方向運動に
変換する一方で、軸方向運動から回転運動へは変換しな
いようにされ、回転部材54が回転しない限りロッド5
9が軸方向移動しないようになっている。ロッド59
は、端部部材50Cを貫通してシリンダ本体50の外部
に延び、このロッド外方端部に装着した取付部66に枢
着されたロッド66Aを介してハブキャリア側に取り付
けられている。シリンダ本体50のピストン収容部50
Bとロッド59側の取付部66との間には、アーム長を
検出するためのストロークセンサ70(図1の変位セン
サ42,44,46又は48に対応)が設けられてい
る。
【0020】上記構成の第1アクチュエータ2〜8の各
々において、油室60へオイルが供給されると、ピスト
ン52及びピストンロッド57が図1中で右方へ移動し
て、ピストンロッド57の軸方向運動がボールねじ61
を介して回転部材54の回転運動に変換され、更に、台
形ねじ63を介して回転部材54の回転運動がロッド5
9の軸方向運動に変換される。この結果、ロッド59が
シリンダ本体50に対して離反方向に移動して取付部6
4,66間距離が増大し、アーム長が増大する。逆に、
油圧室60からオイルが排出されると、ロッド59がシ
リンダ本体50に対して接近方向移動して取付部64,
66間距離が減少し、アーム長が小さくなる。
【0021】第2及び第3アクチュエータは第1アクチ
ュエータ2〜8と同一構成であって同様に作動する。従
って、第2及び第3アクチュエータの詳細な構成及び作
用説明を省略する。制御システムのファジィ推論機能に
関連して、コントローラ30のメモリ31のROMに
は、下記の表1に示すIF−THEN形式で記述された
8つのファジィルールが格納されている。
【0022】表1において、記号Ndha,V,|Yg
|,|Xg|,|Ha|及び|DHa|は、ファジィル
ール前件部の6つの項目としての、操舵回数および車速
と、横加速度,前後加速度,ハンドル角及びハンドル角
速度の絶対値とを夫々表し、記号θ1,θ2及びθ3は、
ファジィルール後件部の3つの項目としての、キャス
タ,キャンバ及びトーを夫々表す。又、記号S,S’,
MS,M,M’,MB及びBの各々は、操舵回数及び車
速と、横加速度,前後加速度,ハンドル角及びハンドル
角速度の絶対値との対応する一つについての全体空間
(台集合)におけるファジィ部分集合(以降、単にファ
ジィ集合と略記する。)を示すラベルを表す。各ファジ
ィ集合は、後述のように、メンバーシップ関数により表
される。
【0023】表1において、第1のファジィルール「I
f Ndha=S’,V=M’andDHa=M’,t
hen θ1=S」は、高速保舵モードに対応するもの
で、「操舵回数がファジィ集合S’に対応して小さく、
車速がファジィ集合M’に対応して中位よりも大きくか
つハンドル角の絶対値がファジィ集合M’に対応して中
位よりも大きければ、キャスタθ1をファジィ集合Sに
対応して小さくする」ことを示している。
【0024】
【表1】 又、第2のファジィルール「If V=S,then
θ1=S,θ2=B and θ3=B」は、極低速走行
モードに対応するもので、「車速Vが小さければ、キャ
スタθ1を小さくすると共にキャンバθ2及びトーθ3を
大きくする」ことを示している。第1及び第2市街地走
行モード,郊外走行モード,第1及び第2山岳路走行モ
ードならびに高速道走行モードの夫々に対応する第2な
いし第8のファジィルールについての説明は省略する。
【0025】ファジィルール前件部の1つの項目、例え
ば操舵回数Ndhaに関する台集合は、例えば0回ない
し100回の範囲で表される。又、ファジィルール前件
部の残りの5つの項目、すなわち車速Vと、横加速度,
前後加速度,ハンドル角及びハンドル角速度の絶対値|
Yg|,|Xg|,|Ha|,|DHa|に関する台集
合は、0%ないし100%の範囲で夫々表され、このパ
ーセント表示と実際値との関係は下記の表2に示すよう
に設定されている。例えば、車速Vが0km/hである
ときに車速が0%であるとし、250km/hであると
き100%であるとする。
【0026】
【表2】 又、操舵回数Ndhaに関する台集合において、4つの
ファジィ集合S,S’,M及びBを夫々定義するメンバ
ーシップ関数hs,hs’,hm及びhbが図4に示す
ように定められて、メモリ31のROM内に記憶されて
いる。図4を参照すると、ファジィ集合Sを定義するメ
ンバーシップ関数hsは、操舵回数Ndhaが0回から
10回まで増大するにつれてメンバーシップ値、すなわ
ち適合度が1.0から0まで減少するように定められ、
ファジィ集合S’を定義するメンバーシップ関数hs’
は、操舵回数Ndhaが0回から3回までは適合度が
1.0でかつ操舵回数が3回から8回まで増大するにつ
れて適合度が1.0から0まで減少するように定められ
ている。又、ファジィ集合Mを定義するメンバーシップ
関数hmは、操舵回数Ndhaが0回から10回まで増
大するにつれて適合度が0から1.0まで増大しかつ操
舵回数が10回から20回まで増大するにつれて適合度
が1.0から0まで減少するように定められている。更
に、ファジィ集合Bを定義するメンバーシップ関数hb
は、操舵回数が10回から20回まで増大するにつれて
適合度が0から1.0まで増大しかつ操舵回数が20回
ないし100回の間では適合度が1.0をとるように定
められている。
【0027】更に、車速Vに関する台集合において、6
つのファジィ集合S,MS,M,M’,MB及びBを夫
々定義するメンバーシップ関数hs,hms,hm,h
mb及びhbが、図5に示すように定められて、ROM
内に記憶されている。ファジィ集合Sを定義するメンバ
ーシップ関数hsは、車速Vが0%から25%まで増大
するにつれて適合度が1.0から0に減少するように定
められ、ファジィ集合MS(M,MB)を定義するメン
バーシップ関数hms(hm,hmb)は、車速Vが0
%(25%,50%)から25%(50%,75%)ま
で増大するにつれて適合度が0から1.0まで増大しか
つ車速が25%(50%,75%)から50%(75
%,100%)まで増大するにつれて適合度が1.0か
ら0まで減少するように定められている。更に、ファジ
ィ集合M’を定義するメンバーシップ関数hm’は、車
速が32%(80km/h)から38%(95km/
h)まで増大するにつれて適合度が0から1.0まで増
大しかつ車速が38%以上であれば適合度が1.0をと
るように定められ、ファジィ集合Bを定義するメンバー
シップ関数hbは、車速Vが75%から100%まで増
大するにつれて適合度が0から1.0まで増大するよう
に定められている。
【0028】横加速度,前後加速度及びハンドル角速度
の絶対値|Yg|,|Xg|,|DHa|の各々に関し
ては、車速の場合と略同様にそれぞれの台集合におい
て、5つのファジィ集合S,MS,M,MB,Bを定義
するメンバーシップ関数hs,hms,hm,hmb及
びhbが設定されてROM内に格納されている。横加速
度の絶対値|Yg|に関する5つのメンバーシップ関数
を図6に示す。
【0029】ハンドル角の絶対値|Ha|に関する台集
合において、6つのファジィ集合S,MS,M,M’,
MB,Bを定義するメンバーシップ関数hs,hms,
hm,hm’,hmb及びhbが図7に示すように設定
され、ROM内に格納されている。メンバーシップ関数
hm’は、ハンドル角の絶対値|Ha|が0%から約3
%(12度)まで増大するにつれて適合度が0から1.
0に増大しかつハンドル角の絶対値が12度を上回ると
適合度が1.0をとるように定められている。
【0030】ファジィルール前件部の場合と同様、ファ
ジィルール後件部の3つの項目、即ちキャスタθ1,キ
ャンバθ2及びトーθ3の台集合は、0%ないし100%
の範囲で夫々表される。そして、キャスタθ1のパーセ
ント表示と実際角度は、キャスタθ1が0%のときにキ
ャスタθ1が第1の所定角度θ11をとると共に100%
のときに角度θ11よりも大きい第2の所定角度θ12をと
るような関係に設定されている。又、キャンバθ2のパ
ーセント表示と実際角度は、旋回外側の車輪に関して
は、キャンバθ2が0%のときにキャンバθ2がポジティ
ブな所定角度をとると共に100%のときにネガティブ
な所定角度をとるような関係に設定されている。一方、
旋回内側の車輪に関しては、キャンバθ2が0%のとき
にキャンバθ2がネガティブな所定角度をとると共に1
00%のときにポジティブな所定角度をとるように設定
されている。更に、旋回外側の車輪のトーθ3に関して
は、トーθ3が0%のときにトーアウトになるような所
定角度をトーθ3がとると共に100%のときにトーイ
ンになるような所定角度をとるように設定される一方、
旋回内側の車輪のトーθ3に関してはトーθ3が0%のと
きにトーインとする所定角度をとると共に100%のと
きにトーアウトとする所定角度をとるように設定されて
いる。
【0031】そして、図8に示すように、キャスタθ1
に関する台集合において、5つのファジィ集合S,M
S,M,MB及びBを夫々定義するメンバーシップ関数
hs,hms,hm,hmb及びhbが設定され、メモ
リ31のROM内に記憶されている。キャスタθ1に関
するメンバーシップ関数hs〜hbは、図6に示す横加
速度Ygの場合と同様に設定されており、その説明を省
略する。
【0032】又、旋回外側の車輪のキャンバθ2に関す
る5つのファジィ集合S〜Bを夫々定義するメンバーシ
ップ関数hs〜hbが図9に示すように設定され、旋回
外側の車輪のトーθ3に関するファジィ集合S〜Bを定
義するメンバーシップ関数hs〜hbが図10に示すよ
うに同様に設定されて、ROM内に記憶されている。旋
回外側の車輪のキャンバθ2(トーθ3)に関するファジ
ィ集合Sを定義するメンバーシップ関数hsは、キャン
バθ2(トーθ3)が0%から20%まで増大するにつれ
て適合度が0から1.0まで増大すると共に20%から
40%まで増大するにつれて適合度が1.0から0まで
減少するように定められている。又、メンバーシップ関
数hms,hm及びhmbは、キャンバθ2(トーθ3)
が20%(40%,60%)から40%(60%,80
%)まで増大するにつれて適合度が0から1.0まで増
大すると共に40%(60%,80%)から60%(8
0%,100%)まで増大するにつれて適合度が1.0
から0まで減少するように定められ、メンバーシップ関
数hbは、キャンバθ2(トーθ3)が80%から100
%まで増大するにつれて適合度が0から1.0まで増大
するように定められている。なお、旋回内側の車輪のキ
ャンバθ2及びトーθ3に関するメンバーシップ関数h
s,hms,hm,hmb及びhbは、上記旋回外側の
車輪の場合のメンバーシップ関数hb,hmb,hm,
hms及びhsに夫々対応する。
【0033】以下、上述の構成の制御システムの作動を
説明する。車両のイグニッションキーがオンされると、
コントローラ30のプロセッサ32は、図11に示すホ
ィールアライメント制御プログラムの実行を開始する。
図11の制御プログラムは周期的に実行されるもので、
その実行サイクルの各々において、プロセッサ32は、
車速センサ34,横加速度センサ35,前後加速度セン
サ36及び操舵センサ37からの出力を読み込み、次い
で、前回サイクル及び今回サイクルでのハンドル角に基
づいてハンドル角速度DHaを算出すると共に車両旋回
方向を判別し、更に、操舵回数Ndhaを算出する(ス
テップS1)。
【0034】操舵回数Ndhaは、図12に示す手順で
算出される。本実施例では、過去20秒間においてハン
ドル角速度DHaが毎秒10度未満の領域と毎秒100
度を越える領域との間で変化した回数を、現時点での操
舵回数Ndhaとする。図12を参照すると、50ミリ
秒の周期で実行される操舵回数Ndhaの算出サブルー
チンにおいて、コントローラ30のプロセッサ32は、
20秒を計時するダウンカウンタ(図示略)のカウント
値nが「0」であるか否かを判別する(ステップS11
1)。この判別結果が肯定であれば、カウント値nを2
0秒に対応する「400」にセットした後(ステップS
112)、プロセッサ32はカウント値nを「1」だけ
デクリメントする(ステップS113)。一方、ステッ
プS111での判別結果が否定であれば、ステップS1
12を経由せずにステップS113に移行する。
【0035】次いで、プロセッサ32は、ハンドル角速
度DHaの絶対値|DHa|が第1所定角速度h0(毎
秒10度)未満であるか否かを判別し(ステップS11
4)、判別結果が肯定であればフラグhflgの値が
「0」であるか否かを更に判別する(ステップS11
5)。フラグhflgは、前回サイクルでのハンドル角速
度を表すもので、ハンドル角速度の絶対値|DHa|が
毎秒10度未満であった場合は値「0」をとる一方、毎
秒100度を越えていた場合には値「1」をとる。フラ
グhflgが値「0」でなければ、即ち、今回ハンドル角
速度が毎秒10度未満でかつ前回ハンドル角が毎秒10
0度を上回っていたと判別したならば、プロセッサ32
は、前回までの累積操舵回数hn+1に「1」を加算して
今回までの累積操舵回数hnを求め(ステップS11
6)、算出回数hnをレジスタ(図示略)に格納し、次
いで、次回サイクルにおけるステップS115又はステ
ップS119(後述)の実行のために今回ハンドル角速
度が毎秒10度未満であったことを記憶すべく、フラグ
hflgを値「0」にリセットする(ステップS11
7)。一方、ステップS115でhflgが値「0」であ
ると判別すると、操舵回数を更新することなくステップ
S117に直ちに移行する。
【0036】上記ステップS114においてハンドル角
速度の絶対値|DHa|が第1所定角度h0(毎秒10
度)未満ではないと判別すると、プロセッサ32は、絶
対値|DHa|が第2所定角速度hh(毎秒100度)
を上回るか否かを判別し(ステップS118)、この判
別結果が肯定であればフラグhflgの値が「1」である
か否かを更に判別する(ステップS119)。フラグh
flgが値「1」でなければ、即ち、今回ハンドル角速度
が毎秒100度を上回りかつ前回ハンドル角速度が毎秒
10度未満であったと判別したならば、プロセッサ32
は、前回までの累積操舵回数hn+1に「1」を加算して
今回までの累積操舵回数hnを求め(ステップS12
0)、算出回数hnをレジスタに格納し、次いで、次回
サイクルにおけるステップS115又はS119の実行
のために今回ハンドル角が20度を越えたことを記憶す
べく、フラグhflgを値「1」にセットする(ステップ
S121)。一方、ステップS119でhflgが値
「1」であると判別すると、操舵回数を更新することな
くステップS121に直ちに移行する。
【0037】上記ステップS117又はS121に続く
ステップS122において、プロセッサ32は、今回ま
での累積操舵回数hnを次回サイクルにおけるステップ
S116又はS120の実行のための累積操舵回数hn+
1として記憶する。そして、現時点よりも20秒前まで
の累積操舵回数hhnを図示しないシフトレジスタから
読み出して、現時点までの累積操舵回数hnから値hh
nを減じて今回サイクルでの操舵回数Ndhaを求める
(ステップS123)。最後に、次回サイクルでのステ
ップS123を実行可能とするために値hnをシフトレ
ジスタに値hhnとして入力する(ステップS12
4)。
【0038】図11を再び参照すると、上記ステップS
1におけるセンサ出力の読み込み,ハンドル角速度の算
出ならびに操舵回数の算出により、現時点tでの操舵回
数Ndha(t)及び車速V(t)と、横加速度,前後加速
度,ハンドル角及びハンドル角速度の絶対値|Yg(t)
|,|Xg(t)|,|Ha(t)|,|DHa(t)|が検出
される。例えば、図13(a)〜(f)の横軸上にマー
クを付けて示すように、Ndha(t)=3回,V(t)=7
5%,|Yg(t)|=75%,|Xg(t)|=0%,|H
a(t)|=62.5%及び|DHa(t)|=25%と検出
される。結果として、現時点での操舵状態及び車両走行
状態が判別される。
【0039】次いで、プロセッサ32は、検出操舵状態
及び車両走行状態(Ndha(t),V(t),|Yg(t)
|,|Xg(t)|,|Ha(t)|,|DHa(t)|)と上
記高速保舵モード及び7つの車両走行モードに夫々対応
する第1〜第8のファジィルール(表1)とに基づくフ
ァジィ推論を実行する。本実施例のファジィ推論は、m
in−max合成重心法で行われる。
【0040】このファジィ推論において、プロセッサ3
2は、ファジィルール前件部の各項に対して、計測値N
dha,V,|Yg|,|Xg|,|Ha|,|DHa
|の、それぞれについての台集合における、ファジィ集
合S〜Bへの適合度が各々決定される。即ち、各計測値
に対応して、それぞれファジィ集合S〜Bに対応するメ
ンバシップ関数によってメンバシップ値として具体的な
数値(0〜1の実数値)が算出される(ステップS
2)。
【0041】例えば、検出車両走行状態(Ndha(t)
=3回,V(t)=75%,|Yg(t)|=75%,|Xg
(t)|=0%,|Ha(t)|=62.5%及び|DHa
(t)|=25%)においては、図13に示すように、操
舵回数Ndhaが3回では、これがファジィ集合S’,
S,及びMに属し、図よりメンバーシップ値がそれぞれ
1.0,0.6,及び0.4と求まる。又、車速Vが7
5%では、これがファジィ集合M’及びMBに属し、メ
ンバーシップ値が図において1.0及び1.0と各々求
まる。又、横加速度の絶対値|Yg|が75%では、こ
れは、ファジィ集合Bに属し、MBに対する|Yg|の
メンバーシップ値が図において1.0と求まり、前後加
速度の絶対値|Xg|が0%では、これはファジィ集合
Sのみに属し、このときSに対する|Xg|のメンバー
シップ値が図において1.0と求まる。更に、ハンドル
角の絶対値|Ha|が62.5%では、これがファジィ
集合M’,M,及びMBに属し、このM’,M,及びM
Bに対する|Ha|のメンバーシップ値が図において
1.0,0.5,及び0.5と求まり、ハンドル角速度
の絶対値|DHa|が25%では、これがファジィ集合
MSにのみに属し、このMSに対する|DHa|のメン
バーシップ値が図において1.0と求まる。操舵回数N
dhaないしハンドル角速度の絶対値|DHa|は、上
記以外のファジィ集合に属さないので、それらのメンバ
ーシップ値はいずれも0になる。
【0042】次に、プロセッサ32は、上述のように演
算されたメンバーシップ値を各ルールの前件部における
全項についてmin統合して、検出操舵状態及び車両走
行状態と第1〜第8のファジィルールにより規定される
高速保舵モード及び7つの走行モードとの適合度を求め
る(ステップS3)。上述の例では、操舵回数Ndha
がファジィ集合S’に属しており、そのときのメンバー
シップ値が1.0であり、車速Vがファジィ集合M’に
属しており、そのときのメンバーシップ値が1.0であ
り、さらにハンドル角の絶対値|Ha|がファジィ集合
M’に属しており、そのときのメンバーシップ値が1.
0であるので、第1のファジィルールの前件部におい
て、全項についてmin統合しても値は変わらず1.0
であり、そして、この値が高速保舵モードに対する検出
操舵状態の適合度となる。
【0043】なお、第2ないし第7のファジィルールに
対しては、ルール前件部における各項の少なくともいず
れか1つに関するメンバーシップ値が0であるために、
全項についてmin統合することにより、これらのルー
ルに対応する7つの走行モードに対する検出走行状態の
適合度もまた0となる。次に、プロセッサ32は、以上
の様に求めた適合度で、ファジィルール後件部の各項目
すなわちキャスタθ1,キャンバθ2及びトーθ3のそれ
ぞれに対応するメンバシップ関数をカットし、各ファジ
ィルール後件部の各項目についての推論出力(以下、第
1推論出力という)を求める(ステップS4)。上記例
では、第1ルールの適合度が1.0であるので、図14
中、左側に示す直角三角形に対応する、第1ルールのキ
ャスタθ1についての第1推論出力が求まる。又、第7
ルールの適合度が0.5であるので、図14中、右側に
示す台形に対応する、第7ルールのキャスタθ1につい
ての第1推論出力と、図15に示す台形に対応する、第
7ルールのキャンバθ2及びトーθ3(旋回外側車輪に対
応)の各々についての第1推論出力とが求まる。同様
に、旋回内側車輪のキャンバθ2及びトーθ3に関する第
1推論出力が求められる。
【0044】次に、プロセッサ32は、全ファジィルー
ル(ここでは第1及び第7ルール)についての第1推論
出力をmax統合して、ファジィルール後件部の各項目
θ1,θ2及びθ3についての推論出力(以下、第2推論
出力という)を得る(ステップS5)。上述の説明から
明かなように、キャスタθ1についての第2推論出力は
図14において斜線を施して示す図形に対応し、又、キ
ャンバθ2及びトーθ3の各々についての第2推論出力は
図15において斜線を施して示す台形に対応するものと
なる。同様に、旋回内側車輪のキャンバθ2及びトーθ3
に関する第2推論出力が求められる。
【0045】次いで、プロセッサ32は、図14に斜線
を施して示す図形の重心計算を行って、キャスタθ1に
関する第2推論出力を非ファジィ化し、キャスタθ1の
目標値θ1t(図14の横軸上にマークを付けて示す)を
決定する。又、図15に斜線を施して示す台形の重心計
算を行って、キャンバθ2及びトーθ3に関する第2推論
出力を非ファジィ化し、キャンバθ2及びトーθ3の目標
値θt2及びθt3(図15の横軸上にマークを付けて示
す)を決定する(ステップS6)。
【0046】最後に、プロセッサ32は、目標値θt1,
θt2及びθt3を表す制御出力を駆動回路40に送出する
(ステップS7)。この制御出力に応動する駆動回路4
0の制御下で、第1ないし第3作動部D1〜D3(図
1)が作動して第1〜第3アクチュエータのアームが伸
縮し或は保持され、前輪側車輪の各々のキャスタθ1,
キャンバθ2及びトーθ3ならびに後輪側車輪の各々のキ
ャンバθ2が目標値になるように制御される。この制御
の実行中、変位センサ42等からの、第1〜第3作動部
D1〜D3のアクチュエータのアーム長(キャスタθ
1,キャンバθ2及びトーθ3の実際値に対応)を表すセ
ンサ出力がプロセッサ32にフィードバックされる。即
ち、キャスタθ1,キャンバθ2及びトーθ3はファジィ
推論により目標値が設定された後は、図示しない周知の
PI制御等の手段によりセンサ出力が目標値に近付くよ
うにフィードバック制御される。
【0047】この結果、現在の操舵状態及び車両走行状
態に応じてきめ細かなホィールアライメント制御が行わ
れ、現在の操舵操舵及び車両走行状態と上記高速保舵モ
ード及び7つの車両走行モードとの適合度に応じた最適
なホィールアライメントが実現される。上述の例では、
現在の操舵状態が高速保舵モード(適合度1.0)に合
致し、かつ、現在の車両走行状態が第2山岳路走行モー
ド(適合度0.5)に或る程度適合する一方で、その他
の6つの走行モードには全く適合しないと判別され、結
果として、高速保舵状態に適合するように操舵力を軽減
することを重視したホィールアライメントが実現され
る。しかも、操舵回数Ndhaの判別において、過去2
0秒間での操舵履歴が勘案されるので、高速保舵状態に
突入する場合、高速保舵モードに対応する第1ファジィ
ルールの適合度が徐々に増大することになる(図16
(a)参照)。結果として、高速保舵状態への突入時に
おけるキャスタθ1の低減が徐々に行われ(図16
(b)、キャスタ調整に起因する違和感の発生が防止さ
れる。なお、キャスタθ1の減少率は車速Vが大きいほ
ど小さくなる。
【0048】本発明は上記実施例に限定されず、種々に
変形可能である。例えば、上記実施例では、前輪側アラ
イメントパラメータとしてのキャスタ,キャンバ及びト
ーならびに後輪側アライメントパラメータとしてのキャ
ンバを可変調整するようにしたが、前輪側及び後輪側ア
ライメントパラメータはこれに限定されず、種々に選択
可能である。但し、選択すべきアライメントパラメータ
は少なくともキャスタを含む。
【0049】又、実施例ではmin−max合成重心法
によるファジィ推論を行うようにしたが、ファジィ推論
の方法はmin−max合成重心法に限定されない
、アライメント調整において、実施例による油圧式ア
ーム長可変アクチュエータ以外のアクチュエータを用い
ても良い。
【0050】
【発明の効果】上述のように、本発明のホィールアライ
メント制御方法は、車速及び操舵パラメータを検出し、
検出した車速及び操舵パラメータに基づいて高速保舵状
態を判別したとき、検出した車速及び操舵パラメータと
予め設定され高速保舵モードに対応するファジィルール
とに基づくファジィ推論により推論出力を演算し、演算
された推論出力に基づいて、前記高速保舵状態に適合す
る車輪のキャスタの目標値を決定し、高速保舵状態に適
合する目標値に車輪のキャスタを制御するようにしたの
で、操舵力を高速保舵時に低減可能とするホィールアラ
イメントを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるホィールアライメント
制御方法を実施するための制御システムの要部を示す図
である。
【図2】図1に示すアクチュエータのサスペンションへ
の組み込み状態を示す斜視図である。
【図3】図1及び図2に示すアクチュエータを詳細に示
す断面図である。
【図4】ホィールアライメント制御のためのファジィ推
論に用いるファジィルール前件部の項目「操舵回数」に
関連するメンバーシップ関数を示すグラフである。
【図5】ファジィルール前件部の項目「車速」に関連す
るメンバーシップ関数を示すグラフである。
【図6】ファジィルール前件部の項目「横加速度の絶対
値」に関連するメンバーシップ関数を示すグラフであ
る。
【図7】ファジィルール前件部の項目「ハンドル角の絶
対値」に関連するメンバーシップ関数を示すグラフであ
る。
【図8】ファジィルール後件部の項目「キャスタ」に関
連するメンバーシップ関数を示すグラフである。
【図9】ファジィルール後件部の項目「キャンバ」に関
連するメンバーシップ関数を示すグラフである。
【図10】ファジィルール後件部の項目「トー」に関連
するメンバーシップ関数を示すグラフである。
【図11】本発明の一実施例によるホィールアライメン
ト制御プログラムを示すフローチャートである。
【図12】図11中の操舵履歴判別ステップに対応する
サブルーチンを詳細に示すフローチャートである。
【図13】或る時点での操舵状態及び車両走行状態に対
応するメンバーシップ値の算出過程を示すグラフで、
(a)〜(f)は、操舵回数及び車速と、横加速度,前
後加速度,ハンドル角及びハンドル角速度の絶対値に夫
々関連する。
【図14】図11の制御プログラム実行中に得た、キャ
スタに関連する第2推論出力およびこれを非ファジィ化
して得た目標キャスタ値を例示するグラフである。
【図15】キャンバ及びトーに関連する第2推論出力と
目標キャンバ値を例示するグラフである。
【図16】高速保舵状態への突入時のホィールアライメ
ント調整を説明するもので、(a)は時間経過に伴う、
第1ファジィルールに対する実際操舵状態の適合度の増
大を示し、(b)は時間経過に伴うキャスタの減少を示
す。
【符号の説明】
2,4,6,8,A,A’ アクチュエータ 10,12,14,16 制御弁 30 コントローラ 31 メモリ 32 プロセッサ 34 車速センサ 35 横加速度センサ 36 前後加速度センサ 37 操舵センサ 40 駆動回路 42,44,46,48 変位センサ D1 第1作動部 D2 第2作動部 D3 第3作動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−81312(JP,A) 特開 平4−87884(JP,A) 特開 平2−270619(JP,A) 特開 平4−43168(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60G 1/00 - 23/00 B62D 17/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速保舵モードに対応するファジィルー
    ルを予め設定し、車速及び操舵パラメータを検出し、検
    出した車速及び操舵パラメータに基づいて高速保舵状態
    を判別したとき、前記検出した車速及び操舵パラメータ
    と前記ファジィルールとに基づくファジィ推論により推
    論出力を演算し、演算された推論出力に基づいて、前記
    高速保舵状態に適合する車輪のキャスタの目標値を決定
    し、前記車輪のキャスタを前記目標値に制御することを
    特徴とするホィールアライメント制御方法。
  2. 【請求項2】 前記高速保舵状態を、ファジィ変数とし
    ての、車速と、ハンドル角と、所定時間内における所定
    操舵角速度以上の操舵の回数とに基づいて判別すること
    を特徴とする請求項1のホィールアライメント制御方
    法。
  3. 【請求項3】 前記所定操舵角速度以上の操舵の回数
    を、過去の操舵履歴を勘案して決定することを特徴とす
    請求項2のホィールアライメント制御方法。
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