JPH06122311A - ホィールアライメント制御方法 - Google Patents

ホィールアライメント制御方法

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Publication number
JPH06122311A
JPH06122311A JP4274235A JP27423592A JPH06122311A JP H06122311 A JPH06122311 A JP H06122311A JP 4274235 A JP4274235 A JP 4274235A JP 27423592 A JP27423592 A JP 27423592A JP H06122311 A JPH06122311 A JP H06122311A
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JP
Japan
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steering
fuzzy
camber
wheel
inference
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Withdrawn
Application number
JP4274235A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Miichi
善紀 見市
Tadao Tanaka
忠夫 田中
Mitsuhiko Harayoshi
光彦 原良
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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Publication of JPH06122311A publication Critical patent/JPH06122311A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2200/00Indexing codes relating to suspension types
    • B60G2200/10Independent suspensions
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2200/00Indexing codes relating to suspension types
    • B60G2200/40Indexing codes relating to the wheels in the suspensions
    • B60G2200/462Toe-in/out
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2202/00Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
    • B60G2202/40Type of actuator
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2204/00Indexing codes related to suspensions per se or to auxiliary parts
    • B60G2204/62Adjustable continuously, e.g. during driving

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドライバによる操舵の履歴に適合するホィー
ルアライメントを実現して操作性を向上可能とする 【構成】 センサ(35〜37)出力から操舵履歴を判
別する毎に、プロセッサ(32)は、メモリ(31)に
設定され複数の操舵モードに対応するファジィルールと
判別操舵履歴とに基づいてファジィ推論により演算した
推論出力からキャスタ,キャンバ及びトーの目標値を決
定し、プロセッサ出力に応動する駆動回路(40)を介
して作動部(D1〜D3)によりキャンバ等が調整され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホィールアライメント
制御方法に関し、特に、ドライバによる操舵の履歴に適
合するホィールアライメントを実現して操作性を向上可
能とするホィールアライメント制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両において、ホィールアライメント例
えばキャンバを車両走行状況に応じて自動制御すること
が知られている。典型的なキャンバ制御装置は、車両の
前輪及び後輪に設けたアクチュエータと、車両走行状態
を表す車速及び操舵角を検出するための車速センサ及び
操舵センサとを備え、制御手段の制御下でアクチュエー
タを駆動して走行状態に適合するキャンバに調整するよ
うにしている。
【0003】詳しくは、低車速領域ではキャンバがニュ
ートラル状態に調整され、低車速領域以外の車速領域で
かつ小操舵角領域である場合は、4つの車輪のキャンバ
が、車速の関数として表され互いに異なる目標キャンバ
に夫々調整される。ここで、旋回内側の前輪及び旋回側
外側の後輪の目標キャンバ、車速の増大につれてポジテ
ィブからニュートラルに変化するように、又、旋回内側
の後輪及び旋回側内側の前輪の目標キャンバは、車速の
増大につれてネガティブからポジティブに変化するよう
に夫々設定される。更に、低車速領域以外の車速領域で
かつ大操舵角領域である場合、前輪及び後輪のキャンバ
が、車速の増大につれて大きさが漸増するポジティブ及
びネガティブな目標キャンバになるように夫々調整され
る。
【0004】上記従来のキャンバ制御装置によれば、車
両の旋回性能及び走行安定性が相当程度まで確保され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、操舵頻
度が増大するとドライバはハンドル操作に疲れや煩わし
さを感じることになる。上記従来装置においては、操舵
角に適合するキャンバが実現されるに過ぎず、操舵頻度
の増大によりドライバが疲れをおぼえたときにも、操舵
量が同一である限りホィールアライメントは一定に保持
されて再調整されることはない。このため、操舵頻度増
大時にドライバは操舵に負担を感じることになる。
【0006】そこで、本発明は、ドライバによる操舵の
履歴に適合するアライメントを実現して操作性を向上可
能とするホィールアライメント制御方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明のホィールアライメント制御方法は、操舵パ
ラメータを検出し、検出した操舵パラメータに基づいて
操舵履歴を判別し、斯く判別した操舵履歴に適合する目
標値にアライメントパラメータを制御することを特徴と
する。
【0008】好ましくは、複数の操舵モードに夫々対応
する複数のファジィルールを予め設定し、検出した操舵
パラメータと複数のファジィルールとに基づくファジィ
推論により推論出力を演算し、演算された推論出力に基
づいてアライメントパラメータの目標値を決定する。
【0009】
【作用】操舵パラメータが検出される毎に、検出操舵パ
ラメータに基づいて操舵履歴が判別され、斯く判別した
操舵履歴に適合するアライメントパラメータの目標値が
決定される。目標値の決定に際して、好ましくは、予め
設定されかつ複数の操舵モードに夫々対応する複数のフ
ァジィルールと検出操舵パラメータとに基づいてファジ
ィ推論により推論出力が演算され、演算した推論出力に
基づいて目標値が決定される。次に、アライメントパラ
メータが目標値に制御されて、操舵履歴に適合するホィ
ールアライメントが実現される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例によるホィールアラ
イメント制御方法を実施するための制御システムを説明
する。この制御システムは、実際の操舵履歴と予め設定
した複数の操舵モードの各々との適合度と、実際の車両
走行状態と予め設定した複数の車両走行モードの各々と
の適合度とをファジィ推論により求め、適合度を反映し
た推論出力を更に求め、この推論出力に基づいて決定し
た目標値にアライメントパラメータを制御して、適正な
ホィールアライメントを実現することを企図している。
【0011】本実施例では、操舵履歴を、ファジィ変数
としての、所定時間内での所定操舵角以上の操舵の回数
(以下、第1操舵回数という)Nhaと所定時間内での
所定操舵角速度以上の操舵の回数(以下、第2操舵回数
という)Ndhaとに基づいて判別すると共に、車両走
行状態を、ファジィ変数としての、車速Vと、横加速
度,前後加速度,ハンドル角及びハンドル角速度の絶対
値|Yg|,|Xg|,|Ha|,|DHa|(ここで
記号Dは微分演算子を表す)とに基づいて判別するよう
にしている。又、複数の操舵モードとして、ドライバが
操舵上で感じる疲れ具合いが大きい第1操舵モードと、
疲れ具合いが中位である第2操舵モードと、疲れ具合い
が小さい第3操舵モードと、ドライバが操舵上で感じる
煩わしさが大きい第4操舵モードと、煩わしさが中位の
第5操舵モードと、煩わしさが小さい第6操舵モードと
を予定している。又、複数の車両走行モードとして、徐
行,車庫入れなどに対応する極低速走行モードと、交差
点内での走行及び交通量が多い市街地での走行などを含
む第1の市街地走行モードと、流れの良い市街地での走
行に対応する第2の市街地走行モードと、流れの良い郊
外での走行に対応する郊外走行モードと、ハンドル操作
の多い山岳路での走行に対応する第1の山岳路走行モー
ドと、ハンドル操作が少ない高速コーナからなる山岳路
での走行に対応する第2の山岳路走行モードと、高速道
走行モードを予定している。上記操舵モード及び走行モ
ードの各々は、ファジィ変数に関するファジィ集合の組
合せにより表される。そして、前輪側ホィールアライメ
ントパラメータとしてのキャンバ,キャスタ及びトーな
らびに後輪側ホィールアライメントパラメータとしての
キャンバを可変調整するようにしている。
【0012】図1に示すように、制御システムは、ホィ
ールアライメント制御プログラム,ファジィルールなど
を格納したリードオンリメモリ(ROM)とデータの一
時記憶のためのランダムアクセスメモリ(RAM)とか
らなるメモリ31と、制御プログラムを実行するための
プロセッサ(CPU)32とを有するコントローラ30
を備えている。プロセッサ32は、図示しない入出力回
路を介して、車速センサ34,横加速度センサ35,前
後加速度センサ36及び操舵センサ37に接続され、車
速,横加速度,前後加速度およびハンドル角を入力し、
又、相次いで入力したハンドル角に基づいてハンドル角
速度を算出すると共に車両旋回方向を判別し、又、入力
ハンドル角及び算出ハンドル角速度に基づいて上記第
1,第2操舵回数Nha,Ndhaを後述のように算出
するようになっている。そして、制御システムは、プロ
セッサ32からの制御出力に応動する駆動回路40と、
駆動回路40により駆動される第1,第2及び第3作動
部D1,D2及びD3とを更に備えている。
【0013】第1作動部D1は、4つの車輪のサスペン
ションに夫々設けたキャンバ調整用の第1のアーム長可
変アクチュエータ2,4,6及び8(図2中、記号Aで
互いに区別せずに示す)を含んでいる。なお、アクチュ
エータの構成については後で詳述する。図2に示すよう
に、各該アクチュエータAは、車輪80が装着されるハ
ブキャリア78と車体(図示略)との間にアッパアーム
の一つとして介装され、アクチュエータのアーム(後
述)が車両幅方向に伸縮して、対応する車輪のキャンバ
を調整するようになっている。図2中、符号72はスト
ラット,74はアッパアーム,75及び76はロアアー
ム,78Aはハブキャリアのリンクを表す。
【0014】図1を参照すると、第1作動部D1は、駆
動回路40からの駆動出力に応動してアクチュエータ
2,4,6及び8を夫々駆動する電磁式制御弁10,1
2,14及び16を更に含んでいる。制御弁10〜16
の各々は、供給路18を介してポンプ20に接続される
と共に、排出路22を介してオイルリザーバ24に接続
されている。ポンプ20は、図示しないエンジン等によ
り駆動されてオイルリザーバ24内のオイルを吸引して
供給路18へ吐出するようになっている。供給路18に
は、アキュムレータ26が接続されると共に、リリーフ
弁28を介してリザーバ24が接続され、これにより供
給路18内のオイル圧が一定に保たれるようになってい
る。そして、制御弁10〜16の各々は、第1アクチュ
エータ2〜8の対応する一つに対するオイルの給排を禁
止してアクチュエータのアームを伸縮不能とする第1作
動位置,アームを伸張させるようにオイルを給排する第
2作動位置およびアームを縮小させるようにオイルを給
排する第3作動位置のいずれか一つをとるようになって
いる。
【0015】第2作動部D2は、2つの制御弁(図示
略)と、両該制御弁に対応する2つの第2のアーム長可
変アクチュエータ(図2に記号A’で示す)とを備えて
いる。制御弁は、第1作動部D1の制御弁10〜16と
同一構成であって、第1作動部D1のオイル給排系18
〜28に接続され、駆動回路40からの駆動出力に従っ
て第2アクチュエータA’に対するオイルの給排を制御
するようになっている。第2アクチュエータA’は、第
1アクチュエータAと同一構成で、前輪側の2つのサス
ペンションに夫々設けられている。各該アクチュエータ
A’はロアアーム76と車体との間に介装され、車体長
さ方向にアームが伸縮して、対応する車輪のキャスタを
調整するようにされている。
【0016】第3作動部D3は、第1及び第2作動部D
2の制御弁と同一構成の2つの制御弁(図示略)と、両
該制御弁に対応しかつ第1及び第2アクチュエータA,
A’と同一構成の2つの第3のアーム長可変アクチュエ
ータ(図示略)とを備え、駆動回路40からの駆動出力
に応動する制御弁によりオイル給排系18〜28から第
3アクチュエータへのオイルの給排が制御されるように
なっている。第3アクチュエータは前輪側の2つのサス
ペンションに夫々設けられ、各該アクチュエータは、例
えばロアアーム75と車体との間に介装され、車体幅方
向にアームが伸縮して、対応する車輪のトーを調整する
ように作動する。
【0017】図1中、参照符号42,44,46及び4
8は、4つの第1アクチュエータ2〜8のストローク位
置を夫々検出するための変位センサを表し、2つの第2
アクチュエータ及び2つの第3アクチュエータに対応す
る同様の変位センサ(図示略)と共にコントローラ30
に接続されている。図3を参照すると、第1アクチュエ
ータAは、シリンダ本体50と、その内部に軸方向移動
自在に配されたピストン52と、これに一体に結合され
たピストンロッド57と、該ロッド57と連動して回転
する筒状の回転部材54と、該部材54と連動して軸方
向移動するロッド59とを備えている。
【0018】詳しくは、シリンダ本体50は、ピストン
52を内装したピストン収容部50Bと、これに固定さ
れた回転部材支承部50Aと、支承部50Aの端部に固
定した端部部材50C,50Dとから構成されている。
回転部材54は、スラストベアリング53A,53B及
び回転ベアリング55A,55Bを介して回転部材支承
部50Aにより軸方向移動不能かつ回転自在に支持され
ている。回転部材54をなす2つの部分54A,54B
は互いに一体回転可能に結合されている。ピストン収容
部50Bは、その外端部に設けた取付部64において、
ブッシュ等を介して例えば車体側に取り付けられてい
る。ピストン52は、シリンダ本体50のピストン収容
部50B内に配され、ピストン収容部内壁との間に油室
60を画成している。ピストン52の外周および油室6
0の内周は楕円形状に形成され、ピストン52は油室6
0内で回転不能にされている。ピストン52に連結され
たピストンロッド57と回転部材54との間には、シリ
ンダ本体50に対するピストンロッド57の軸方向移動
を回転部材54の回転運動に変換するためのボールねじ
61が介装されている。また、回転部材54とロッド5
9との間には、回転部材54の回転運動をロッド59の
軸方向移動に変換するための台形ねじ63が介装され、
ロッド59は回転不能にされている。
【0019】台形ねじ63は、回転運動を軸方向運動に
変換する一方で、軸方向運動から回転運動へは変換しな
いようにされ、回転部材54が回転しない限りロッド5
9が軸方向移動しないようになっている。ロッド59
は、端部部材50Cを貫通してシリンダ本体50の外部
に延び、このロッド外方端部に装着した取付部66に枢
着されたロッド66Aを介してハブキャリア側に取り付
けられている。シリンダ本体50のピストン収容部50
Bとロッド59側の取付部66との間には、アーム長を
検出するためのストロークセンサ70(図1の変位セン
サ42,44,46又は48に対応)が設けられてい
る。
【0020】上記構成の第1アクチュエータ2〜8の各
々において、油室60へオイルが供給されると、ピスト
ン52及びピストンロッド57が図1中で右方へ移動し
て、ピストンロッド57の軸方向運動がボールねじ61
を介して回転部材54の回転運動に変換され、更に、台
形ねじ63を介して回転部材54の回転運動がロッド5
9の軸方向運動に変換される。この結果、ロッド59が
シリンダ本体50に対して離反方向に移動して取付部6
4,66間距離が増大し、アーム長が増大する。逆に、
油圧室60からオイルが排出されると、ロッド59がシ
リンダ本体50に対して接近方向移動して取付部64,
66間距離が減少し、アーム長が小さくなる。
【0021】第2及び第3アクチュエータは第1アクチ
ュエータ2〜8と同一構成であって同様に作動する。従
って、第2及び第3アクチュエータの詳細な構成及び作
用説明を省略する。制御システムのファジィ推論機能に
関連して、コントローラ30のメモリ31のROMに
は、下記の表1に示すIF−THEN形式で記述された
13個のファジィルールが格納されている。
【0022】表1において、記号Nha,Ndha,
V,|Yg|,|Xg|,|Ha|及び|DHa|は、
ファジィルール前件部の7つの項目としての、第1操舵
回数(所定操舵角以上の操舵の回数),第2操舵回数
(所定角速度以上の操舵の回数)及び車速と、横加速
度,前後加速度,ハンドル角及びハンドル角速度の絶対
値を夫々表し、記号θ1,θ2及びθ3は、ファジィルー
ル後件部の3つの項目としての、キャスタ,キャンバ及
びトーを夫々表す。又、記号S,MS,M,MB及びB
の各々は、第1操舵回数,第2操舵回数,車速,横加速
度,前後加速度,ハンドル角及びハンドル角速度の対応
する一つについての全体空間(台集合)におけるファジ
ィ部分集合(以降、単にファジィ集合と略記する。)を
示すラベルを表す。各ファジィ集合は、後述のように、
メンバーシップ関数により表される。
【0023】
【表1】 表1において、第1のファジィルール「If Dha=
B,then θ1=S,θ2=B and θ3=B」
は、操舵上の疲れ具合いが大きくなる第1操舵モードに
対応するもので、「第1操舵回数がファジィ集合Bに対
応して大きければ、キャスタθ1をファジィ集合Sに対
応して小さくすると共にキャンバθ2及びトーθ3をファ
ジィ集合Bに対応して大きくする」ことを示している。
又、第2及び第3のファジィルールは、操舵上の疲れ具
合いに関連する第2及び第3操舵モードに夫々対応して
いる。
【0024】第4のファジィルール「If Ndha=
B,then θ1=S,θ2=Band θ3=B」
は、操舵上の煩わしさが大きくなる第4操舵モードに対
応するもので、「第2操舵回数が大きければ、キャスタ
θ1を小さくすると共にキャンバθ2及びトーθ3を大き
くする」ことを示している。第5及び第6のファジィル
ールは、操舵上の煩わしさに関連する第5及び第6操舵
モードに夫々対応している。
【0025】更に、第7ファジィルール「If V=
S,then θ1=S,θ2=B and θ3=B」
は、極低速走行モードに対応するもので、「車速Vが小
さければ、キャスタθ1を小さくすると共にキャンバθ2
及びトーθ3を大きくする」ことを示している。第1及
び第2市街地走行モード,郊外走行モード,第1及び第
2山岳路走行モードならびに高速道走行モードの夫々に
対応する第8ないし第13のファジィルールについての
説明は省略する。
【0026】ファジィルール前件部の最初の2つの項
目、即ち第1及び第2操舵回数Nha,Ndhaの台集
合は、例えば0回ないし100回の範囲で夫々表され
る。又、ファジィルール前件部の残りの5つの項目、す
なわち車速Vと、横加速度,前後加速度,ハンドル角及
びハンドル角速度の絶対値|Yg|,|Xg|,|Ha
|,|DHa|の台集合は、0%ないし100%の範囲
で夫々表され、このパーセント表示と実際値との関係は
下記の表2に示すように設定されている。例えば、車速
Vが0km/hであるときに車速が0%であるとし、2
50km/hであるとき100%であるとする。
【0027】
【表2】 又、第1操舵回数Nhaに関する台集合において、3つ
のファジィ集合S,M及びBを夫々定義するメンバーシ
ップ関数hs,hm及びhbが図4に示すように定めら
れて、メモリ31のROM内に記憶されている。図4を
参照すると、ファジィ集合Sを定義するメンバーシップ
関数hsは、第1操舵回数Nhaが0回から20回まで
増大するにつれてメンバーシップ値、すなわち適合度が
1.0から0まで減少するように定められ、ファジィ集
合Mを定義するメンバーシップ関数hmは、第1操舵回
数Nhaが0回から20回まで増大するにつれて適合度
が0から1.0まで増大しかつ第1操舵回数が20回か
ら40回まで増大するにつれて適合度が1.0から0ま
で減少するように定められている。更に、ファジィ集合
Bを定義するメンバーシップ関数hbは、第1操舵回数
が20回から40回まで増大するにつれて適合度が0か
ら1.0まで増大しかつ第1操舵回数が40回ないし1
00回の間では適合度が1.0をとるように定められて
いる。
【0028】詳細な説明を省略するが、第2操舵回数N
dhaに関する台集合において、3つのファジィ集合
S,M及びBを定義するメンバーシップ関数hs,hm
及びhbは、図5に示すように、第1操舵回数Nhaの
場合と略同様に定められ、ROM内に記憶されている。
更に、車速Vに関する台集合において、5つのファジィ
集合S,MS,M,MB及びBを夫々定義するメンバー
シップ関数hs,hms,hm,hmb及びhbが、図
6に示すように定められて、ROM内に記憶されてい
る。図示を省略するが、横加速度Yg,前後加速度X
g,ハンドル角Ha及びハンドル角速度DHaの各々に
関しても、車速Vの場合と同様に、それぞれの台集合に
おいて、5つのファジィ集合S,MS,M,MB,Bを
定義するメンバーシップ関数がROM内に格納されてい
る。
【0029】図6を参照すると、ファジィ集合Sを定義
するメンバーシップ関数hsは、車速Vが0%から25
%まで増大するにつれて適合度が1.0から0に減少す
るように定められ、ファジィ集合MS(M,MB)を定
義するメンバーシップ関数hms(hm,hmb)は、
車速Vが0%(25%,50%)から25%(50%,
75%)まで増大するにつれて適合度が0から1.0ま
で増大しかつ車速が25%(50%,75%)から50
%(75%,100%)まで増大するにつれて適合度が
1.0から0まで減少するように定められている。更
に、ファジィ集合Bを定義するメンバーシップ関数hb
は、車速Vが75%から100%まで増大するにつれて
適合度が0から1.0まで増大するように定められてい
る。
【0030】ファジィルール前件部の場合と同様、ファ
ジィルール後件部の3つの項目、即ちキャスタθ1,キ
ャンバθ2及びトーθ3の台集合は、0%ないし100%
の範囲で夫々表される。そして、キャスタθ1のパーセ
ント表示と実際角度は、キャスタθ1が0%のときにキ
ャスタθ1が第1の所定角度θ11をとると共に100%
のときに角度θ11よりも大きい第2の所定角度θ12をと
るような関係に設定されている。又、キャンバθ2のパ
ーセント表示と実際角度は、旋回外側の車輪に関して
は、キャンバθ2が0%のときにキャンバθ2がポジティ
ブな所定角度をとると共に100%のときにネガティブ
な所定角度をとるような関係に設定されている。一方、
旋回内側の車輪に関しては、キャンバθ2が0%のとき
にキャンバθ2がネガティブな所定角度をとると共に1
00%のときにポジティブな所定角度をとるように設定
されている。更に、旋回外側の車輪のトーθ3に関して
は、トーθ3が0%のときにトーアウトになるような所
定角度をトーθ3がとると共に100%のときにトーイ
ンになるような所定角度をとるように設定される一方、
旋回内側の車輪のトーθ3に関してはトーθ3が0%のと
きにトーインとする所定角度をとると共に100%のと
きにトーアウトとする所定角度をとるように設定されて
いる。
【0031】そして、図7に示すように、キャスタθ1
に関する台集合において、5つのファジィ集合S,M
S,M,MB及びBを夫々定義するメンバーシップ関数
hs,hms,hm,hmb及びhbが設定され、メモ
リ31のROM内に記憶されている。キャスタθ1に関
するメンバーシップ関数hs〜hbは、図6に示す車速
Vの場合と同様に設定されており、その説明を省略す
る。
【0032】又、旋回外側の車輪のキャンバθ2に関す
る台集合において、5つのファジィ集合S〜Bを夫々定
義するメンバーシップ関数hs〜hbが図8に示すよう
に定義され、旋回外側の車輪のトーθ3に関するファジ
ィ集合S〜Bを定義するメンバーシップ関数hs〜hb
が図9に示すように同様に定義されて、ROM内に記憶
されている。旋回外側の車輪のキャンバθ2(トーθ3)
に関する台集合において、ファジィ集合Sを定義するメ
ンバーシップ関数hsは、キャンバθ2(トーθ3)が0
%から20%まで増大するにつれて適合度が0から1.
0まで増大すると共に20%から40%まで増大するに
つれて適合度が1.0から0まで減少するように定めら
れている。メンバーシップ関数hms,hm及びhmb
は、キャンバθ2(トーθ3)が20%(40%,60
%)から40%(60%,80%)まで増大するにつれ
て適合度が0から1.0まで増大すると共に40%(6
0%,80%)から60%(80%,100%)まで増
大するにつれて適合度が1.0から0まで減少するよう
に定められ、メンバーシップ関数hbは、キャンバθ2
(トーθ3)が80%から100%まで増大するにつれ
て適合度が0から1.0まで増大するように定められて
いる。なお、旋回内側の車輪のキャンバθ2及びトーθ3
に関するメンバーシップ関数hs,hms,hm,hm
b及びhbは、上記旋回外側の車輪の場合のメンバーシ
ップ関数hb,hmb,hm,hms及びhsに夫々対
応する。
【0033】以下、上述の構成の制御システムの作動を
説明する。車両のイグニッションキーがオンされると、
コントローラ30のプロセッサ32は、図10に示すホ
ィールアライメント制御プログラムの実行を開始する。
図10の制御プログラムは周期的に実行されるもので、
その実行サイクルの各々において、プロセッサ32は、
車速センサ34,横加速度センサ35,前後加速度セン
サ36及び操舵センサ37からの出力を読み込み、次い
で、前回サイクル及び今回サイクルでのハンドル角に基
づいてハンドル角速度DHaを算出すると共に車両旋回
方向を判別し、更に、第1及び第2操舵回数Nha,N
dhaを算出する(ステップS1)。
【0034】第1及び第2操舵回数Nha,Ndhaの
各々は、図11に示す手順で算出される。本実施例で
は、過去20秒間においてハンドル角Haが5度未満の
領域と20度を越える領域との間で変化した回数を、現
時点での第1操舵回数Nhaとし、又、過去20秒間に
おいてハンドル角速度DHaが毎秒10度未満の領域と
毎秒100度を越える領域との間で変化した回数を、現
時点での第2操舵回数Ndhaとする。
【0035】図11を参照すると、50ミリ秒の周期で
実行される第1操舵回数Nhaの算出サブルーチンにお
いて、コントローラ30のプロセッサ32は、20秒を
計時するダウンカウンタ(図示略)のカウント値nが
「0」であるか否かを判別する(ステップS111)。
この判別結果が肯定であれば、カウント値nを20秒に
対応する「400」にセットした後(ステップS11
2)、プロセッサ32はカウント値nを「1」だけデク
リメントする(ステップS113)。一方、ステップS
111での判別結果が否定であれば、ステップS112
を経由せずにステップS113に移行する。
【0036】次いで、プロセッサ32は、ハンドル角H
aの絶対値|Ha|が第1所定角度h0未満であるか否
かを判別し(ステップS114)、判別結果が肯定であ
ればフラグhflgの値が「0」であるか否かを更に判別
する(ステップS115)。フラグhflgは、前回サイ
クルでのハンドル角を表すもので、ハンドル角の絶対値
|Ha|が5度未満であった場合は値「0」をとる一
方、20度を越えていた場合には値「1」をとる。フラ
グhflgが値「0」でなければ、即ち、今回ハンドル角
が5度未満でかつ前回ハンドル角が20度を上回ってい
たと判別したならば、プロセッサ32は、前回までの累
積操舵回数hn+1に「1」を加算して今回までの累積操
舵回数hnを求め(ステップS116)、算出回数hn
をレジスタ(図示略)に格納し、次いで、次回サイクル
におけるステップS115又はステップS119(後
述)の実行のために今回ハンドル角が5度未満であった
ことを記憶すべく、フラグhflgを値「0」にリセット
する(ステップS117)。一方、ステップS115で
hflgが値「0」であると判別すると、操舵回数を更新
することなくステップS117に直ちに移行する。
【0037】上記ステップS114においてハンドル角
の絶対値|Ha|が第1所定角度h0(5度)未満では
ないと判別すると、プロセッサ32は、絶対値|Ha|
が第2所定角度hh(20度)を上回るか否かを判別し
(ステップS118)、この判別結果が肯定であればフ
ラグhflgの値が「1」であるか否かを更に判別する
(ステップS119)。フラグhflgが値「1」でなけ
れば、即ち、今回ハンドル角が20度を上回りかつ前回
ハンドル角が5度未満であったと判別したならば、プロ
セッサ32は、前回までの累積操舵回数hn+1に「1」
を加算して今回までの累積操舵回数hnを求め(ステッ
プS120)、算出回数hnをレジスタに格納し、次い
で、次回サイクルにおけるステップS115又はS11
9の実行のために今回ハンドル角が20度を越えたこと
を記憶すべく、フラグhflgを値「1」にセットする
(ステップS121)。一方、ステップS119でhfl
gが値「1」であると判別すると、操舵回数を更新する
ことなくステップS121に直ちに移行する。
【0038】上記ステップS117又はS121に続く
ステップS122において、プロセッサ32は、今回ま
での累積操舵回数hnを次回サイクルにおけるステップ
S116又はS120の実行のための累積操舵回数hn+
1として記憶する。そして、現時点よりも20秒前まで
の累積操舵回数hhnをRAMの予め設定されたメモリ
領域から読み出して、現時点までの累積操舵回数hnか
ら値hhnを減じて今回サイクルでの第1操舵回数Nh
aを求める(ステップS123)。最後に、次回サイク
ルでのステップS123を実行可能とするために値hn
をRAMの所定メモリ領域に値hhnとして入力する
(ステップS124)。
【0039】図11に示す第1操舵回数Nha算出手順
と同一の手順で第2操舵回数Ndhaが算出される。従
って、第2操舵回数算出手順についての詳細な説明を省
略する。但し、第2操舵回数の算出では、図11の第1
及び第2所定角度h0(5度),hh(20度)に代え
て第1及び第2所定角速度h0(毎秒10度),hh
(毎秒100度)を用いる。
【0040】図10を再び参照すると、上記ステップS
1におけるセンサ出力の読み込み,ハンドル角速度の算
出ならびに第1及び第2操舵回数の算出により、現時点
tでの第1及び第2操舵回数Nha(t),Ndha(t)及
び車速V(t)と、横加速度,前後加速度,ハンドル角及
びハンドル角速度の絶対値|Yg(t)|,|Xg(t)|,
|Ha(t)|,|DHa(t)|とが検出される。例えば、
図12(a)〜(g)の横軸上にマークを付けて示すよ
うに、Nha(t)=40回,Ndha(t)=20回,V
(t)=10%,|Yg(t)|=10%,|Xg(t)|=0
%,|Ha(t)|=85%及び|DHa(t)|=90%と
検出される。結果として、現時点での操舵履歴及び車両
走行状態が判別される。
【0041】次に、プロセッサ32は、検出操舵履歴及
び車両走行状態(Nha(t),Ndha(t),V(t),|
Yg(t)|,|Xg(t)|,|Ha(t)|,|DHa(t)
|)と上記6つの操舵モード及び7つの車両走行モード
に夫々対応する第1〜第13のファジィルール(表1)
とに基づくファジィ推論を実行する。本実施例のファジ
ィ推論は、max−min合成重心法で行われる。
【0042】このファジィ推論において、プロセッサ3
2は、ファジィルール前件部の各項に対して、計測値N
ha,Ndha,V,|Yg|,|Xg|,|Ha|,
|DHa|の、それぞれについての台集合における、各
々ファジィ集合S〜Bへの適合度が決定される。即ち、
各計測値に対応して、それぞれファジィ集合S〜Bに対
応するメンバシップ関数によってメンバシップ値として
具体的な数値(0〜1の実数値)が算出される(ステッ
プS2)。
【0043】例えば、検出車両走行状態(Nha(t)=
40回,Ndha(t)=20回,V(t)=10%,|Yg
(t)|=10%,|Xg(t)|=0%,|Ha(t)|=8
5%及び|DHa(t)|=90%)においては、図12
に示すように、第1操舵回数Nhaが40回では、これ
がファジィ集合Bにのみ属し、図よりBに対するNha
の適合度、すなわちメンバーシップ値が1.0と求ま
り、同様に第2操舵回数Ndhaが20回では、これが
ファジィ集合Bにのみ属し、図よりメンバーシップ値が
1.0と求まる。又、車速Vが10%では、これがファ
ジィ集合S及びMSに属し、メンバーシップ値が図にお
いて0.7及び0.2と各々求まる。又、横加速度の絶
対値|Yg|が10%では、これは、ファジィ集合S及
びMSに属し、S及びMSに対する|Yg|のメンバー
シップ値が図において0.5及び0.3と各々求まり、
前後加速度の絶対値|Xg|が0%では、これはファジ
ィ集合Sのみに属し、このときSに対する|Xg|のメ
ンバーシップ値が図において1.0と求まる。更に、ハ
ンドル角の絶対値|Ha|が85%では、これがファジ
ィ集合MB及びBに属し、このMB及びBに対する|H
a|のメンバーシップ値が図において各々0.6及び
0.3と求まり、ハンドル角速度の絶対値|DHa|が
90%では、これがファジィ集合MB及びBに属し、こ
のMB及びBに対する|DHa|のメンバーシップ値が
図において各々0.3及び0.7と求まる。車速Vない
しハンドル角速度の絶対値|DHa|は、上記以外のフ
ァジィ集合に属さないので、それらのメンバーシップ値
はいずれも0になる。
【0044】次に、プロセッサ32は、上述のように演
算されたメンバーシップ値を各ルールの前件部における
全項についてmin統合して、検出された操舵履歴状態
及び計測された車両走行状態と第1〜第13のファジィ
ルールにより規定される6つの操舵履歴状態及び7つの
走行モードとの適合度を求める(ステップS3)。上述
の例では、第1操舵回数Nhaがファジィ集合Bのみに
属しているので、第1のファジィルールの前件部におい
て、ファジィ集合Bに対する適合度、即ちメンバーシッ
プ値1.0がそのまま第1操舵状態に対する計測操舵状
態の適合度となるとともに、第2及び第3のファジィル
ールに対応する第2及び第3操舵状態の適合度は0とな
る。
【0045】同様に、第2操舵回数Ndhaは、ファジ
ィ集合Bのみに属しているので、第4のファジィルール
の前件部において、ファジィ集合Bに対する適合度、即
ちメンバーシップ値1.0がそのまま第4操舵状態に対
する計測操舵状態の適合度となるとともに、第5及び第
6のファジィルールに対応する第5及び第6操舵状態の
適合度は0となる。
【0046】そして、第7のファジィルールについて見
ると、車速Vがファジィ集合Sに属しており、且つこの
ルールの前件部がSに係る項のみを有しているので、S
に対するVの適合度、即ちメンバーシップ値0.7が、
そのまま極低速走行モードに対する現走行状態の適合度
となる。又、第8のファジィルールについて見ると、車
速Vがファジィ集合MSに属しているか否かをはじめと
して、横加速度の絶対値|Yg|,ハンドル角の絶対値
|Ha|及びハンドル角速度の絶対値|DHa|が、そ
れぞれファジィ集合S,B,Bに属しているか否かが判
別される。ここでは、V,|Yg|,|Ha|,|DH
a|の、ファジィ集合に対する適合度が、メンバーシッ
プ値として、それぞれ0.2,0.5,0.3及び0.
7と求まっており、これらをmin統合して、最小の
0.2が選ばれ、この値が第1市街地走行モードに対す
る走行状態の適合度となる。
【0047】なお、第9〜第13のファジィルールの各
々においては、それぞれの項のいずれかに関するメンバ
ーシップ値が0であるので、min統合することによっ
て、第2市街地ないし高速道走行モードに対する走行状
態の適合度はいずれも0になる。次に、プロセッサ32
は、以上の様に求めた適合度で、ファジィルール後件部
の各項目すなわちキャスタθ1,キャンバθ2及びトーθ
3のそれぞれに対応するメンバシップ関数をカットし、
各ファジィルール後件部の各項目についての推論出力
(以下、第1推論出力という)を求める(ステップS
4)。上記例では、第1ルールの適合度が1.0である
ので、図13中、左側に示す直角三角形に対応する、第
1ルールのキャスタθ1についての第1推論出力と、図
14中、右側に示す直角三角形に対応する、第2ルール
のキャンバθ2及びトーθ3(旋回外側車輪に対応)の各
々についての第1推論出力とが求まる。又、第4ルール
の適合度が1.0であるので、第4ルールのキャスタθ
1,キャンバθ2及びトーθ3の各々について、上述の第
1ルールの場合と同一の第1推論出力が求められる。
又、第7ルールの適合度が0.7であるので、図13
中、左側の三角形の一部をなす台形に対応する、第7ル
ールのキャスタθ1についての第1推論出力と、図14
中、右側の三角形の一部をなす台形に対応する、第7ル
ールのキャンバθ2及びトーθ3(旋回外側車輪に対応)
の各々についての第1推論出力とが求まる。更に、第8
ルールの適合度が0.2であるので、図13中、右側に
示す台形に対応する、第8ルールのキャスタθ1につい
ての第1推論出力と、図14中、左側に示す台形に対応
する、第8ルールのキャンバθ2及びトーθ3(旋回外側
車輪に対応)の各々についての第1推論出力とが求めら
れる。同様に、旋回内側車輪のキャンバθ2及びトーθ3
に関する第1推論出力が求められる。
【0048】次に、プロセッサ32は、全ファジィルー
ル(ここでは第1,第4,第7及び第8ルール)につい
ての第1推論出力をmax統合して、ファジィルール後
件部の各項目θ1,θ2及びθ3についての推論出力(以
下、第2推論出力という)を得る(ステップS5)。上
述の説明から明かなように、キャスタθ1についての第
2推論出力は図13において斜線を施して示す図形に対
応し、又、キャンバθ2及びトーθ3の各々についての第
2推論出力は図14において斜線を施して示す図形に対
応するものとなる。同様に、旋回内側車輪のキャンバθ
2及びトーθ3に関する第2推論出力が求められる。
【0049】次いで、プロセッサ32は、図13に斜線
を施して示す図形の重心計算を行って、キャスタθ1に
関する第2推論出力を非ファジィ化し、キャスタθ1の
目標値θ1t(図13の横軸上にマークを付けて示す)を
決定する。又、図14に斜線を施して示す図形の重心計
算を行って、キャンバθ2及びトーθ3に関する第2推論
出力を非ファジィ化し、キャンバθ2及びトーθ3の目標
値θt2及びθt3(図14の横軸上にマークを付けて示
す)を決定する(ステップS6)。
【0050】最後に、プロセッサ32は、目標値θt1,
θt2及びθt3を表す制御出力を駆動回路40に送出する
(ステップS7)。この制御出力に応動する駆動回路4
0の制御下で、第1ないし第3作動部D1〜D3(図
1)が作動して第1〜第3アクチュエータのアームが伸
縮し或は保持され、前輪側車輪の各々のキャスタθ1,
キャンバθ2及びトーθ3ならびに後輪側車輪の各々のキ
ャンバθ2が目標値になるように制御される。この制御
の実行中、変位センサ42等からの、第1〜第3作動部
D1〜D3のアクチュエータのアーム長(キャスタθ
1,キャンバθ2及びトーθ3の実際値に対応)を表すセ
ンサ出力がプロセッサ32にフィードバックされる。即
ち、キャスタθ1,キャンバθ2及びトーθ3はファジィ
推論により目標値が設定された後は、図示しない周知の
PI制御等の手段によりセンサ出力が目標値に近付くよ
うにフィードバック制御される。
【0051】この結果、現在の操舵履歴及び車両走行状
態に応じてきめ細かなホィールアライメント制御が行わ
れ、現在の操舵履歴及び車両走行状態と上記6つの操舵
モード及び7つの車両走行モードとの適合度に応じた最
適なホィールアライメントが実現される。上述の例で
は、現在の操舵履歴が第1及び第4操舵モードに合致
し、かつ、現在の車両走行状態が、極低速走行モード
(適合度0.7)に相当に適合すると共に第1市街地走
行モード(適合度0.2)に或る程度適合する一方で、
その他の4つの操舵モード及び5つの走行モードには全
く適合しないと判別され、結果として、取り回し性能を
重視したホィールアライメントが実現される。
【0052】本発明は上記実施例に限定されず、種々に
変形可能である。例えば、上記実施例では、前輪側アラ
イメントパラメータとしてのキャスタ,キャンバ及びト
ーならびに後輪側アライメントパラメータとしてのキャ
ンバを可変調整するようにしたが、前輪側及び後輪側ア
ライメントパラメータはこれに限定されず、種々に選択
可能である。実施例では、操舵上での疲れ具合い及び煩
わしさの度合に応じて操舵モードを設定し、又、操舵履
歴判別パラメータとして第1及び第2操舵回数を用いた
が、操舵モードの設定及び操舵履歴判別パラメータの選
択についても種々に変形可能である。
【0053】又、実施例ではmax−min合成重心法
によるファジィ推論を行うようにしたが、ファジィ推論
の方法はmax−min合成重心法に限定されない。更
に、実施例では操舵履歴に適合するアライメントパラメ
ータの目標値の決定にファジィ推論を用いたが、ファジ
ィ推論以外の方法でパラメータ値を決定しても良い。例
えば、種々の操舵履歴に適合するアライメントパラメー
タ値を予めマップ化しておき、判別した操舵履歴に応じ
てパラメータ値を決定するようにしても良い。同様に、
車両走行状態に適合するアライメントパラメータ値の決
定に際してファジィ推論を行うことは必須ではない。
又、アライメント調整において、実施例による油圧式ア
ーム長可変アクチュエータ以外のアクチュエータを用い
ても良い。
【0054】
【発明の効果】上述のように、本発明のホィールアライ
メント制御方法は、操舵パラメータを検出し、検出した
操舵パラメータに基づいて操舵履歴を判別し、斯く判別
した操舵履歴に適合する目標値にアライメントパラメー
タを制御するようにしたので、ドライバによる操舵の履
歴に適合するアライメントを実現して操作性を向上可能
である。
【0055】好ましくは、複数種類の操舵履歴に夫々対
応する複数のファジィルールを予め設定し、検出した操
舵パラメータと複数のファジィルールとに基づくファジ
ィ推論により推論出力を演算し、演算された推論出力に
基づいてアライメントパラメータの目標値を決定するの
で、アライメント制御に起因する操舵上の違和感の発生
を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるホィールアライメント
制御方法を実施するための制御システムの要部を示す図
である。
【図2】図1に示すアクチュエータのサスペンションへ
の組み込み状態を示す斜視図である。
【図3】図1及び図2に示すアクチュエータを詳細に示
す断面図である。
【図4】ホィールアライメント制御のためのファジィ推
論に用いるファジィルール前件部の項目「第1操舵回
数」に関連するメンバーシップ関数を示すグラフであ
る。
【図5】ファジィルール前件部の項目「第2操舵回数」
に関連するメンバーシップ関数を示すグラフである。
【図6】ファジィルール前件部の項目「車速」に関連す
るメンバーシップ関数を示すグラフである。
【図7】ファジィルール後件部の項目「キャスタ」に関
連するメンバーシップ関数を示すグラフである。
【図8】ファジィルール後件部の項目「キャンバ」に関
連するメンバーシップ関数を示すグラフである。
【図9】ファジィルール後件部の項目「トー」に関連す
るメンバーシップ関数を示すグラフである。
【図10】本発明の一実施例によるホィールアライメン
ト制御プログラムを示すフローチャートである。
【図11】図10中の操舵履歴判別ステップに対応する
サブルーチンを詳細に示すフローチャートである。
【図12】或る時点での履歴状態及び車両走行状態に対
応するメンバーシップ値の算出過程を示すグラフで、
(a)〜(g)は、第1及び第2操舵回数,車速,横加
速度,前後加速度,ハンドル角ならびにハンドル角速度
に夫々関連する。
【図13】図10の制御プログラム実行中に得た、キャ
スタに関連する第2推論出力およびこれを非ファジィ化
して得た目標キャスタ値を例示するグラフである。
【図14】キャンバ及びトーに関連する第2推論出力と
目標キャンバ値を例示するグラフである。
【符号の説明】
2,4,6,8,A,A’ アクチュエータ 10,12,14,16 制御弁 30 コントローラ 31 メモリ 32 プロセッサ 34 車速センサ 35 横加速度センサ 36 前後加速度センサ 37 操舵センサ 40 駆動回路 42,44,46,48 変位センサ D1 第1作動部 D2 第2作動部 D3 第3作動部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵パラメータを検出し、検出した操舵
    パラメータに基づいて操舵履歴を判別し、斯く判別した
    操舵履歴に適合する目標値にアライメントパラメータを
    制御することを特徴とするホィールアライメント制御方
    法。
  2. 【請求項2】 複数の操舵モードに夫々対応する複数の
    ファジィルールを予め設定し、前記検出した操舵パラメ
    ータと前記複数のファジィルールとに基づくファジィ推
    論により推論出力を演算し、演算された推論出力に基づ
    いて前記アライメントパラメータの目標値を決定するこ
    とを特徴とする請求項1のホィールアライメント制御方
    法。
  3. 【請求項3】 前記操舵履歴を、ファジィ変数として
    の、第1の所定時間内での所定操舵角以上の操舵の回数
    と第2の所定時間内での所定操舵角速度以上の操舵の回
    数との少なくとも一方に基づいて判別することを特徴と
    する請求項2のホィールアライメント制御方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の操舵モードを、前記ファジィ
    変数に関するファジィ集合の組合せにより表される、ド
    ライバが操舵上で感じる疲れ具合い及びドライバが操舵
    上で感じる煩わしさの少なくとも一方に応じて設定する
    ことを特徴とする請求項3のホィールアライメント制御
    方法。
  5. 【請求項5】 前記アライメントパラメータは、車輪の
    キャンバ,キャスタ及びトーの少なくとも一つを含むこ
    とを特徴とする請求項1又は2のホィールアライメント
    制御方法。
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