JP2903767B2 - 船体居住区の外壁復旧方法 - Google Patents

船体居住区の外壁復旧方法

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JP2903767B2
JP2903767B2 JP3124399A JP12439991A JP2903767B2 JP 2903767 B2 JP2903767 B2 JP 2903767B2 JP 3124399 A JP3124399 A JP 3124399A JP 12439991 A JP12439991 A JP 12439991A JP 2903767 B2 JP2903767 B2 JP 2903767B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は船体建造においてユニッ
トキャビンを搬入させるために居住区の外壁にあけた孔
を塞ぐための船体居住区の外壁復旧方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】船体建造において居住区の内装工事を行
う場合、従来は、多数の板材等の部材を居住区域に持ち
込み、大工技能者や他の多くの職種の技能者が入り混じ
って作業手順に従い作業する、いわゆる木艤工法が一般
的に採用されている。
【0003】上記木艤工法は、概略的には下部ブロッ
ク、上部ブロックの搭載、殻取付、溶接、歪取り、塗
装、舗床、居室防熱、仕切及び間仕切、扉取付、壁内張
根太設置、壁内張、天井根太設置、天井内張、家具取
付、床敷物、船室用具、装飾、椅子の配置、船室仕上、
の順序で木艤作業を熟練者によって船内にて行うもので
ある。
【0004】しかしながら、上記従来の木艤工法による
場合は、上述した如く作業ステップが非常に多いこと、
多くの職種が重複して作業に入っていること、木艤作業
では多数の大工技能者等の熟練の技能者が要求される
が、かかる熟練技能者が不足して来ていて木艤作業のた
めの人員確保が困難になっていること、船内での作業が
多く作業環境が悪いこと、手作業による部材の運搬が多
く、作業能率が悪いこと、等の問題がある。
【0005】そのため、上記従来の木艤工法による場合
の諸問題を解消して、船内での作業数を低減して作業環
境の改善を図り、且つ熟練工の必要性を低減させると共
に、部品管理、部材取り扱いの容易化、工期の短縮化、
等が図れるようにしようとするために、船体居住区に構
成されるキャビンと同じものを、地上にてユニットとし
て組み立て、該ユニットキャビンを居住区の外壁にあけ
た孔を通して船内に搬入して据え付けた後、居住区の内
装を行わせるようにするユニットキャビン工法が最近提
案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記最近提
案されているユニットキャビン工法の場合、ユニットキ
ャビンを搬入させた後に行う外壁の復旧作業が重要な課
題の一つとなっている。すなわち、ユニットキャビンを
船内に搬入させた後に、居住区の外壁に開口している孔
を復旧板にて塞ぐ必要があるが、ユニットキャビンと外
壁との間が狭いので、溶接によって居住区内にある既設
部材に焼け現象が起り、そのために既設部材のタッチア
ップ塗装工事が必要となったり、又、外壁に復旧板を直
接溶接すると、板に大きな歪が発生したりする、等の問
題が惹起される。
【0007】そこで、本発明は、居住区内の既設部材に
焼け現象を起したり、板に大きな歪を発生させたりする
ことなく外壁を復旧させることができるような船体居住
区の外壁復旧方法を提供し、以って、ユニットキャビン
工法の実現化に寄与し得るようにしようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、船体居住区の外壁に開口させたユニット
キャビン搬入用孔の周縁部内面に予め裏当て材を溶接し
ておき、上記ユニットキャビン搬入用孔からユニットキ
ャビンを船体居住区に搬入後、該ユニットキャビン搬入
用孔の外側に復旧板を配置して、該復旧板の周囲を上記
裏当て材に当接させ、次いで、上記復旧板の周囲を上記
外壁の外面側からのみ裏当て材に片面溶接することを特
徴とする船体居住区の外壁復旧方法とする。
【0009】
【作用】孔の周縁部に取り付けておいた裏当て材を利用
して復旧板を外面側から片面溶接すると、溶接による熱
の影響を外壁に直接与えることがなくなり、又、居住区
内の既設部材に対する焼けの問題もなくすことができ
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0011】図4に示す如く、船体居住区1における1
つ又は2つの部屋をユニット化するよう地上にて組み立
てたユニットキャビン2を、居住区外壁3に開口させた
ユニットキャビン搬入用の孔4を通して船体のデッキ5
上に搬入して据え付けてある状態において、図1乃至図
3に示す如く、上記孔4を復旧板6によって塞ぐに当
り、ユニットキャビン2を搬入する前に、予め、上記外
壁3の孔4の周縁部内面に、それぞれ裏当て材7を片面
のみ溶接して固着しておき、上記ユニットキャビン2を
搬入させた後、復旧板6を孔4の位置に配置して周囲を
外壁3の外面側から裏当て材7に片面溶接するものであ
る。
【0012】なお、上記において、復旧板6は、外壁3
を掲げ板工法により切断、除去したものを採用するよう
にしてある。又、裏当て材7としては、外壁3の中央部
側にスチフナー兼用で溝型鋼を採用し、他の部分に厚板
チルストリップとして角棒を採用している。
【0013】外壁3にあけた孔4の周縁部に予め裏当て
材7を取り付けておいて、この裏当て材7に復旧板6を
溶接させるようにするので、溶接工事が楽であり、この
際、復旧板6は、外壁3の外面側だけの溶接として内面
側は溶接しないことから、居住区1内の既設部材に焼け
現象を起す心配がなく、したがって、それによるタッチ
アップ塗装工事を不要にすることができる。又、溶接の
熱は裏当て材7により外壁3に直接影響せず、しかも裏
当て材7はスチフナー等の補強構造材として機能するこ
とから、板に発生する歪の量を小さくすることができ、
復旧工事全体を容易に行うことができるようになる。
【0014】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々変更を加え得ることは勿論である。
【0015】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の船体居住区の
外壁復旧方法によれば、船体居住区の外壁にあけたユニ
ットキャビン搬入用孔の周縁部内面に予め裏当て材を取
り付けておき、この裏当て材を利用して復旧板を外面側
からのみ溶接するようにしたので、溶接の熱を外壁に影
響させにくくできて歪の発生を小さくすることができ、
又、居住区内の既設部材に焼け現象を起すことを防止で
きて、それによるタッチアップ塗装工事を不要にでき、
復旧工事全体を容易に行うことができ、これによりユニ
ットキャビン工法の実現化に寄与し得る、という優れた
効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の船体居住区の外壁復旧方法の概要を示
す外壁復旧部斜視図である。
【図2】復旧板の取付状態を示す図1のA−A矢視図で
ある。
【図3】復旧板の取付状態を示す図1のB−B矢視図で
ある。
【図4】船体居住区にユニットキャビンを搬入した状態
を示す概要図である。
【符号の説明】 1 船体居住区 2 ユニットキャビン 3 外壁 4 孔 6 復旧板 7 裏当て材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体居住区の外壁に開口させたユニット
    キャビン搬入用孔の周縁部内面に予め裏当て材を溶接し
    ておき、上記ユニットキャビン搬入用孔からユニットキ
    ャビンを船体居住区に搬入後、該ユニットキャビン搬入
    用孔の外側に復旧板を配置して、該復旧板の周囲を上記
    裏当て材に当接させ、次いで、上記復旧板の周囲を上記
    外壁の外面側からのみ裏当て材に片面溶接することを特
    徴とする船体居住区の外壁復旧方法。
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