JP2902829B2 - 車両用ウインドウモールディング及びその製造方法 - Google Patents

車両用ウインドウモールディング及びその製造方法

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JP2902829B2
JP2902829B2 JP3246699A JP24669991A JP2902829B2 JP 2902829 B2 JP2902829 B2 JP 2902829B2 JP 3246699 A JP3246699 A JP 3246699A JP 24669991 A JP24669991 A JP 24669991A JP 2902829 B2 JP2902829 B2 JP 2902829B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60JWINDOWS, WINDSCREENS, NON-FIXED ROOFS, DOORS, OR SIMILAR DEVICES FOR VEHICLES; REMOVABLE EXTERNAL PROTECTIVE COVERINGS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES
    • B60J10/00Sealing arrangements
    • B60J10/20Sealing arrangements characterised by the shape
    • B60J10/25Sealing arrangements characterised by the shape characterised by water drainage means

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に固着されたウイ
ンドウプレート(以下、理解容易化のためにウインドウ
ガラスという。)の周縁部と車体パネルとの間の間隙を
シールする車両用ウインドウモールディング及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車体パネルの窓開口部に取付け
られたウインドウガラスの周縁部には、ウインドウモー
ルディングが装着されている。具体的には、ウインドウ
ガラスの周縁と車体パネルの窓開口部の開口縁との間
に、連続長尺状の隙間が形成されており、この隙間内
に、長尺状の押出部材からなるウインドウモールディン
グが嵌挿されシールが行なわれている。このウインドウ
モールディングは、上記隙間内に介挿されて所定の車内
側係止部分に嵌合され、前記隙間を車外側から装飾部に
より覆うようにしている。
【0003】このような自動車用ウインドウモールディ
ングにおいて、例えば実公昭57−54416号公報に
記載されているように、ウインドウガラス上の雨水を堰
き止め排水するための溝を形成することが提案されてい
る。この場合、モールディングに溝を形成する部位と溝
を形成しない部位とが、それぞれ別々に成形されること
となり、ジョイント部材等にて接続されるが、必要に応
じて所定の型内に両者が配されて射出成形等により一体
化が行われる。しかしながらこのような接続を行うもの
では、両者の接続部において型成形に伴うラインが形成
されてしまい、装飾性に問題を生じている。一方特開昭
62−289427号公報や実開昭64−28374号
公報等には、雨水を堰き止める溝の大きさをモールディ
ングの長手方向に変化させるようにしたものが開示され
ている。しかしながらこれらでは、溝の大きさを変化さ
せるにあたつて、溝を画成する一対の部材どうしが別部
材として成形されている。したがって接続等の工程を要
することとなり、このものにおいても成形上の問題があ
る。
【0004】この問題を解消するため従来から、特開昭
62−283017号公報や特開平1−269613号
公報等において各種の提案がなされている。まず特開昭
62−283017号公報記載のモールディングでは、
横断面一定の形状で連続的に押出成形されたモールディ
ング材の装飾部が、押出工程の後に持ち上げ変形されて
おり、その装飾部の持ち上げ部分と、ウインドウガラス
への当接片との間に雨水受け溝が形成されている。また
特開平1−269613号公報記載のものでは、横断面
一定形状に成形された装飾部に対して、ガラス嵌合溝を
画成する支持片の形成位置を変化させるようにして押出
工程を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが上述した特開
昭62−283017号公報及び特開平1−26961
3号公報に記載された従来のモールディングにおいて
は、溝を設けないアッパー部において、ガラス当接片を
装飾部の内側に完全に収納しなければならず、その分装
飾部を幅広に大型化せざるを得ない。したがって運転視
界を確保する上で装飾部が障害になる可能性があるとと
もに、装飾部が幅広・大型状態となって、いわゆるフラ
ッシュサーフェイス化の要請に逆行することも考えられ
る。
【0006】そこで本発明は、小型の装飾部を備えつ
つ、十分な堰き止め機能を備える雨水排出溝を有する
両用ウインドウモールディング及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明にかかる車両用ウインドウモールディングは、車
体パネルの窓枠開口部に固着されたウインドウプレート
の少なくともサイド部の縁部に沿って装着されるもので
あって、上記ウインドウプレートの縁部と、車体パネル
の窓枠開口部の内周縁部との間に形成された隙間を車外
側から覆う装飾部有し、上記装飾部が、前記ウインド
ウプレートの車外側表面に圧接するガラス押圧片と、少
なくともサイド部において上記ガラス押圧片から車外側
方向に所定間隔離れて配置された離間装飾部と、車体パ
ネルに当接するパネル側装飾部とを一体に備えてなる車
両用ウインドウモールディングにおいて、上記ガラス押
圧片と離間装飾部との間隔部分に、ウインドウプレート
上の雨水を堰き止めるように車体パネル側に向かって窪
む形状の雨水受け溝を、少なくともサイド部に備えてな
り、前記離間装飾部とガラス押圧片との車内外方向にお
ける間隔、モールディングの長手方向に連続的に変化
していることによって、前記雨水受け溝の横断面形状が
モールディングの長手方向に連続変化しているととも
に、上記離間装飾部とガラス押圧片とが、サイド部
方における所定の部位で近接するに伴なって、前記雨水
受け溝の車体パネル側へ向かう方向における溝深さが
上記車体パネル側からウインドウプレート側へ向かう方
向に徐々に浅くなり、上記離間装飾部とガラス押圧片と
は合体して、これら離間装飾部とガラス押圧片とが一体
化した装飾部を形成し、当該離間装飾部とガラス押圧片
との近接・合体部位において、雨水受け溝が消失した構
成を有している。さらに、本発明にかかる他の車両用ウ
インドウモールディングでは、車体パネルの窓枠開口部
に固着されるウインドウプレートの少なくともサイド部
の縁部に沿って装着され、湾曲変形されることによって
上記サイド部から連続する他の部位に向かって延びる湾
曲変形可能な略直線状の部材からなるものであって、上
記ウインドウプレートの縁部と、車体パネルの窓枠開口
部の内周縁部との間に形成された隙間を車外側から覆う
装飾部を有し、上記装飾部が、前記ウインドウプレート
の車外側表面に圧接するガラス押圧片と、少なくともサ
イド部において上記ガラス押圧片から車外側方向に所定
間隔離れて配置された離間装飾部と、を備え てなる車両
用ウインドウモールディングにおいて、上記ガラス押圧
片と離間装飾部との間隔部分に、ウインドウプレート上
の雨水を堰き止めるように車体パネル側に向かって窪む
形状の雨水受け溝を、少なくともサイド部に備えてな
り、前記離間装飾部とガラス押圧片との車内外方向にお
ける間隔が、モールディングの長手方向に連続的に変化
していることによって、前記雨水受け溝の横断面形状が
モールディングの長手方向に連続変化しているととも
に、上記離間装飾部とガラス押圧片とが、サイド部の上
方における所定の部位で近接するに伴なって、前記雨水
受け溝の車体パネル側へ向かう方向における溝深さが、
上記車体パネル側からウインドウプレート側へ向かう方
向に徐々に浅くなり、上記離間装飾部とガラス押圧片と
は合体して、これら離間装飾部とガラス押圧片とが一体
化した装飾部を形成し、当該離間装飾部とガラス押圧片
との近接・合体部位において、雨水受け溝が消失してい
るとともに、前記離間装飾部とガラス押圧片とが合体し
て一体化した装飾部は、サイド部に連続する他の部位に
向かって延在している。
【0008】また本発明にかかる車両用ウインドウモー
ルディングの一つの製造方法は、ウインドウプレートの
少なくともサイド部における縁部に沿って装着されるモ
ールディングを、押出成形装置のダイに設けられた成形
口を通して押し出すことにより、ウインドウプレートと
車体パネルとの間の隙間を車外側から覆う装飾部を成形
する方法であって、上記ダイの押出形成口から押し出す
装飾部として、前記ウインドウプレートの車外側表面に
圧接するガラス押圧片と、少なくともサイド部において
上記ガラス押圧片から車外側方向に所定間隔離れて配置
される離間装飾部と、を形成するようにした車両用ウイ
ンドウモールディングの製造方法において、少なくとも
サイド部のモールディングを押し出す際に、上記ダイに
おける離間装飾部及びガラス押圧片に各々対応する押出
成形口どうしを、異なる所定の位置関係に維持し又は変
化させることにより、上記離間装飾部とガラス押圧片と
を車内外方向に所定間隔離すように押出形成するととも
に、当該離間装飾部とガラス押圧片との間隔部分に、ウ
インドウプレート上の雨水を堰き止める雨水受け溝を車
体パネル側に向かって窪む形状に画成するように押出を
行うものであって、サイド部上方における所定の部位
で、上記ダイにおける離間装飾部及びガラス押圧片に各
々対応する押出成形口どうしを互いに近接させた後、こ
れら両押出成形口を一体の開口とするようにダイの移動
を行わせることによって、上記ガラス押圧片と離間装飾
部とを近接させて前記雨水受け溝の車体パネル側へ向か
う方向における溝深さを、上記車体パネル側からウイン
ドウプレート側へ向かう方向に徐々に浅くした後、上記
離間装飾部とガラス押圧片とを合体させて一体化した装
飾部を形成するとともに、当該合体部位において上記雨
水受け溝を消失させるようにした構成を有している。
【0009】
【作用】このような構成を有する車両用ウインドウモー
ルディングにかかる手段においては、好適な雨水排出溝
を有するとともに、必要に応じて雨水受け溝の大きさを
変化させ、かつ雨水受け溝の現出・消失を自在とするこ
とにより、 小型のモールディングに対して大きな横断面
積を有する溝が形成可能となり しかも装飾性の良好化
が図られるようになっている。また、上記構成を有する
車両用ウインドウモールディングの製造方法にかかる手
段においては、上述した本発明にかかる車両用ウインド
ウモールディングが、押出によって容易に一連に成形さ
れるようになっている。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。まず図1に表わされているように、自動車
のフロント側のウインドウガラス11の周縁部には、長
尺状の押出シール部材からなるウインドウモールディン
グ2が装着されている。このウインドウモールディング
2は、前記ウインドウガラス11の上縁部とルーフパネ
ル12との間の隙間に装着されたアッパーモールディン
グ2Aと、ウインドウガラス11の両側縁部とピラーパ
ネル13との間の隙間に装着されたサイドモールディン
グ2Cと、これらアッパーモールディング2Aとサイド
モールディング2Cとを連結し湾曲状に装着されたコー
ナーモールディング2Bとを有しており、これら各部の
モールディング2A,2C,2Bは、後述するようにし
て一体連続的に押出成形されている。
【0011】図2ないし図7に示された第1実施例にお
けるウインドウモールディング2は、ゴム、合成樹脂等
の弾性材料と金属芯金23とを後述する成形装置によっ
て長尺帯状に一体に押出成形してなるものであり、ウイ
ンドウガラス11の周縁部と、ルーフパネル12及びピ
ラーパネル13との間隙に介挿された脚部22を有して
いるとともに、ウインドウガラス11と、ルーフパネル
12の車外側表面及びピラーパネル13表面との間を車
外側(図3ないし図7上側)から覆う装飾部21を備え
ている。そしてこれら装飾部21と脚部22とによっ
て、長手方向に直交する横断面形状が略T字状になされ
ている。
【0012】脚部22を含めたモールディング全体の車
内外方向(図3ないし図7上下方向)の高さは、アッパ
ーモールディング2Aにおいて短く設定されているとと
もに、サイドモールディング2Cにおいてやや長く設定
されている。これは、後述するようにウインドウガラス
11の車外側表面と、ルーフパネル12の車外側表面と
の間に形成されている段差が、アッパー部よりサイド部
の方が拡大されているのに対応したものであって、この
段差の変化にしたがって上記脚部22を含めたモールデ
ィング全体の高さも変化されており、コーナー部(図4
参照)及びサイド部の上方(図5参照)から徐々に高め
られて、サイド部の中央部付近(図6及び図7参照)で
2段階の高さに設定されている。さらにサイド部の下方
側領域では、最大の高さが一定に維持されている。
【0013】脚部22内から、装飾部21にかけて、芯
材としての金属薄箔芯金23が埋設されている。さらに
この脚部22の車内側端縁(図3ないし図7下端縁)の
内周側及び外周側のそれぞれには、ウインドウガラス1
1の下部を支持する係合固定片24及び車体パネルの壁
面側に向かって突出し圧接する弾性リップ片25が、全
長にわたって設けられている。
【0014】一方前記装飾部21は、脚部22の車外側
端(図3ないし図7上端)から、ウインドウガラス11
側及び車体パネル12,13側にそれそれ延びるガラス
側装飾部21aと、パネル側装飾部21bとを有してい
る。ガラス側装飾部21aは、ウインドウガラス11の
車外側表面を覆うリップ状部材からなるとともに、パネ
ル側装飾部21bは、車体パネル12の車外側表面に当
接するリップ状部材からなっている。そしてアッパーモ
ールディング2Aからコーナーモールディング2Bにか
けては、上記ガラス側装飾部21aの図示下側面と上記
係合固定片24の図示上側面とが平行になされており、
これら両部材21a,24の間に、ウインドウガラス1
1を受け入れるための横断面コ字状のウインドウガラス
嵌合溝が画成されている。
【0015】一方、前記装飾部21は、ウインドウガラ
ス11における縁部の車外側表面に当接するガラス押圧
片21を全長にわたって有しているとともに、サイド部
においては、上記ガラス押圧片21から車外方向に所定
間隔離する離間装飾部としてのガラス側装飾部21aを
備えている。すなわち、サイドモールディング2Cのコ
ーナー寄りの上端部2Dからサイド下端までにおいて
は、離間装飾部としてのガラス側装飾部21aと係合固
定片24との間に、ガラス押圧片21cが設けられてい
る。このこのガラス押圧片21cは、脚部22の車外側
から一定の延出長を有するように突出されており、ウイ
ンドウガラス11の車外側表面に対して一定の幅で圧接
されている。このとき、上記ガラス押圧片21cのモー
ルディング幅方向における突出量は、上記離間装飾部と
してのガラス側装飾部21aの突出量と略同一に設定さ
れている。そして上記係合固定片24の図示上側面と、
ガラス押圧片21cの図示下側面とが平行になされてお
り、これらの間に画成された横断面コ字状のウインドウ
ガラス嵌合溝の溝幅が、ウインドウガラス11の厚さ寸
法に設定されている。このサイド側のウインドウガラス
嵌合溝と、上述したアッパー側のウインドウガラス嵌合
溝とは、同一の溝形状になされており、ウインドウガラ
ス11の周縁部に沿って連続するように形成されてい
る。
【0016】上記ガラス押圧片21cを含む装飾部21
の全体のうち、離間装飾部を構成するガラス側装飾部2
1a及びガラス押圧片21cは、パネル側装飾部21b
とともにサイドモールディングの全長にわたって均一な
肉厚及び形状に設定されているが、サイドモールディン
グ2Cにおいて離間装飾部を構成するガラス側装飾部2
1aとガラス押圧片21cとの位置関係は、後述するウ
インドウガラス11の車外側表面とルーフパネル12の
表面との間に形成されている段差に対応して異ならされ
ている。
【0017】すなわちまず上記段差が最大程度に付けら
れているサイドモールディング2Cの下方部分(図3右
方部分)から中央領域にかけては、図7に示されている
ように、そこに設けられた最大の段差に対応して、離間
装飾部を構成するガラス側装飾部21aとガラス押圧片
21cとが車内外方向(図示上下方向)に最大の離間状
態になされており、これら両者21a,21cの離間部
分に、最大の大きさの雨水受け溝28が画成されてい
る。この雨水受け溝28は、ウインドウガラス11上の
雨水を堰き止めるものであり、内周側に向かって開口し
ピラーパネル13側に向かって窪む形状、より具体的に
は横断面略三角形状に形成されている。またこれよりや
や上方側の中央領域においては、図6に示されているよ
うに、上記最大の段差からやや低減された段差に対応し
て、ガラス側装飾部21aとガラス押圧片21cとの車
内外方向における間隔がやや縮小されている。そしてこ
れら両者21a,21cの間に画成されている雨水受け
溝28も、上述した最大の溝深さ(図6左右方向)及び
溝開口幅(図6上下方向)からやや狭められて、当該雨
水受け溝28の溝深さが、車体パネル13側からウイン
ドウガラス11側に向かって徐々に浅くなされている。
【0018】またこのモールディング2Cの上方部位に
おいては、図5に示されているように、前記段差は連続
的に縮小されており、それに相応して、ガラス側装飾部
21aとガラス押圧片21cとが次第に近接されてい
る。そしてこれら両者21a,21cの離間部分に画成
されている雨水受け溝28の溝深さ及び溝開口幅も、サ
イド側上方の部位において次第に小さくなされている。
さらにサイドモールディング2Cのコーナー寄りの上端
部からコーナー部にかけては、図4に示されているよう
に、ガラス側装飾部21aとガラス押圧片21cとが一
体化されている。すなわち、上記ガラス側装飾部21a
とガラス押圧片21cとが近接・合体することにより厚
肉状の一体化装飾部が形成されており、この一体化され
た部位で雨水受け溝28は消失ている。さらにまた上
記段差がほとんどなくなっているアッパーモールディン
グ2Aでは、図3に示されているようにガラス押圧片2
1cは単独には成形されておらず、当該ガラス押圧片2
1cとガラス側装飾部21aとの一体化装飾部が均一肉
厚を有するように薄肉化されており、ガラス側装飾部2
1aとガラス押圧片21cとを兼用する薄肉化装飾部
ウインドウガラス11上に圧接されている。
【0019】このようにサイドモールディング2Cにお
ける離間装飾部としてのガラス側装飾部21aとガラス
押圧片21cとの間には、雨水受け溝28が内側に向か
って開口するように凹設されている。この雨水受け溝2
8は、横断面略三角形状になされており、サイドモール
ディング2Cのコーナー寄りの端部2Dからサイド部下
方にかけて設けられている。そしてこの雨水受け溝28
の溝深さ及び溝開口幅は、上述したようにガラス側装飾
部21aとガラス押圧片21cとの離間距離に対応して
変化させられている。またこのように雨水受け溝28の
溝深さ及び溝幅を変化させることによって、ガラス側装
飾部21a及びガラス押圧片21cにおける各肉厚は、
サイドモールディングの全長にわたって均一肉厚になさ
れている。
【0020】このようなウインドウモールディング2を
用いたウインドウガラス11の車体側取付構造を次に説
明する。ルーフパネル12及びピラーパネル13に設け
られたガラス取付用開口部の内周縁部は、ウインドウガ
ラス11を受け入れるように室内側に向かって階段状に
折り曲げられており、折曲壁12a,13aを介してフ
ランジ部12b,13bが設けられている。アッパー部
の折曲壁12aの立上り高さは均一になされているが、
サイド部の折曲壁13aの立上り高さは、コーナー部の
途中から次第に高められている。
【0021】そしてまずウインドウガラス11の周縁部
に、ウインドウモールディング2が装着される。このと
きウインドウガラス11のアッパー縁部からコーナー縁
部にかけては、アッパーモールディング2Aの係合固定
片24とガラス側装飾部21aとの間のコ字状溝が嵌着
されるとともに、ウインドウガラス11のサイド周縁部
には、サイドモールディング2Cの係合固定片24とガ
ラス押圧片21cとの間のコ字状溝が嵌着される。なお
コーナーモールディング2Bは、ウインドウモールディ
ングの装着に伴って所定の曲率に湾曲させられることと
なるが、上述のようにしてガラス側装飾部21aとガラ
ス押圧片21cとが一体化されて厚肉化が行われている
ため、曲げ周長の差によるシワ発生等の不具合は生じる
ことがない。
【0022】一方前記車体パネル12,13側のフラン
ジ部12b,13b上には、帯状のダムラバー14が固
着されるとともに、このダムラバー14の外周面に、接
着剤15が押出によって充填される。ついでウインドウ
モールディング2が装着されたウインドウガラス11の
車内側面が、上記ダムラバー14上に当接され押圧され
る。これによりウインドウモールディング2の係合固定
片24は、接着剤15で固着されるとともに、弾性リッ
プ片25が、各折曲壁12a,13aに対して屈曲状体
にて弾接される。この弾性リップ片25の屈曲による弾
性反発力は、ウインドウモールディング2の固定力と
して作用する。
【0023】このようにしてウインドウガラス11は、
車体パネル12,13側のフランジ部12b,13b上
に全周略均一の高さに固着される。そしてこのウインド
ウガラス11の車外側表面と、車体パネル12,13と
の表面との間には、折曲壁12a,13aの立上り高さ
に対応した段差が形成され、この段差に対応するよう
に、ガラス側装飾部21aとガラス押圧片21cとの間
隔が設定されている。
【0024】まずサイド部下方側領域から中央領域にか
けては(図7参照)、最大の段差が設けられており、こ
れに対応してガラス側装飾部21aとガラス押圧片21
cとの間隔すなわち雨水受け溝28の大きさも最大にな
されている。またこれよりやや上方の領域では(図6参
照)、上記最大の段差からやや低減された段差が設けら
れており、この段差に対応して、ガラス側装飾部21a
とガラス押圧片21cとの車内外方向における間隔がや
や縮小されて、その分雨水受け溝28の大きさもやや小
さくされている。またサイドモールディング2Cの上方
部位からコーナー部にかけては(図5及び図4参照)、
前記段差が連続的に縮小されており、それに対応してガ
ラス側装飾部21aとガラス押圧片21cとが次第に近
接されているとともに、雨水受け溝28の溝深さ及び溝
幅も連続的に小さくされている。このとき上述したよう
に、サイドモールディング2Cのコーナー寄りの上端部
において、ガラス側装飾部21aとガラス押圧片21c
とは一体化されて、これらガラス側装飾部21a及びガ
ラス押圧片21cの両肉厚を合わせた厚肉状の一体化装
飾部を構成しており、この一体化された部位で雨水受け
溝28は、車体パネル13側からウインドウガラス11
側に向かって徐々に浅くなりつつ消失されている。この
とき、特に図6及び図5に示されているように、雨水受
け溝28が変化・消失する部位においても上記ガラス押
圧片21cは消失することはなく、ウインドウガラス1
1の車外側表面に対して、保持に必要な幅寸法にわたっ
て当接されている。さらにコーナー部の途中部分からア
ッパー部に向かって(図4参照)、段差は極めて小さく
設定されており、それに対応して、上記一体化装飾部を
構成するガラス側装飾部21aとガラス押圧片21cと
のうち、ガラス押圧片21cに相当する肉厚分が次第に
縮小されて、アッパー部のコーナー寄りの端部で、上記
一体化装飾部は、ガラス側装飾部21aの横断面形状に
相当する薄肉状の装飾部となっている。したがって段差
がほとんど付けられていないアッパー部においては(図
3参照)、上記一体化装飾部の肉厚が、アッパー部全長
にわたってサイド部のガラス側装飾部21aの肉厚とほ
ぼ等しくなっている。
【0025】このようなウインドウガラス11の車体側
取付構造において、ウインドウガラス11上に滴化した
雨水は、ウインドウモールディング2の内周壁部に導か
れるようにして所定の部位に排出されていく。すなわ
ち、サイド部に集められた雨水は、ガラス側装飾部21
aとガラス押圧片21cとの間に画成された雨水受け溝
28内を通って誘導されていく。このとき雨水受け溝2
8の溝深さは、当該雨水受け溝28内の雨水に良好な流
動性を与えるように変化が付けられており、したがって
好適な排水が行われるようになっている。
【0026】なおウインドウモールディング2は、ウイ
ンドウガラス11に装着した状態で窓枠側に挿入するこ
ととしてもよいし、予めウインドウガラス11を窓枠側
装着しておいた上で、ウインドウガラス11の周端縁
と車体パネル12,13との間の隙間内にウインドウモ
ールディング2を挿入するようにしてもよい。
【0027】次に、上述したウインドウモールディング
2を成形する装置を説明する。図8、図9及び図10に
示されているように、モールディング成形装置3は、合
成樹脂押出用の開口部を形成するための3つのダイを備
えている。これらのダイは、モールディングの押出方向
(紙面垂直方向)に並設された第1のダイ31と、第2
のダイ32と、第3のダイ33とを有している。上記第
1のダイ31は固定状態に設置されており、ウインドウ
モールディング2の装飾部21を成形するための押出
形成口34を備えている。またウインドウモールディン
グ2の脚部22、支持部24及び弾性リップ25に相当
する押出形成口は、これら各部を包含する大型の矩形状
開口部になされている。
【0028】上記押出形成口34は、パネル側装飾部2
1bに対応する開口部341と、ガラス側装飾部21a
に対応する開口部343と、ガラス押圧片21cに対応
する開口部345とを有している。これらのうち開口部
341及び開口部343は、ウインドウモール2の装飾
部上縁に相当する弓形の湾曲外形状を共通の上縁として
有しているとともに、開口部341の下縁は、遮蔽部3
42によってパネル側装飾部21bに一致する形状にな
されている。また前記開口部343と345とは、ガラ
ス側装飾部21aとガラス押圧片21cとを、雨水受け
溝28の非形成状態で厚肉状に連続させた形状になされ
ている。
【0029】一方第2のダイ32及び第3のダイ33
は、板状部材からそれぞれ形成されており、前記第1の
ダイ31の前面上に、一対のガイド32a,32a及び
33a,33aによって平行移動可能に支持されてい
る。第2のダイ32に設けられた押出形成口35は、ウ
インドウモールディング2の脚部22、支持部24及び
弾性リップ25に対応する形状になされており、図示上
端に設けられた開放部分が、前記第1のダイ31の押出
形成口34側に連通するように重ね合わせられている。
この第2のダイ32の図示下縁部には、連接棒32dが
設けられており、この連接棒32dが、回転運動を直線
運動に変換する変換器32bを介して駆動モータ32c
に連結されている。そしてこの駆動モータ32cからの
駆動力によって上記第2のダイ32は、図8に示された
アッパーモールディング形成位置と、図9及び図10に
示されたサイドモールディング形成位置との間において
往復移動されるようになっている。
【0030】また第3のダイ33は、上記第2のダイ3
2と直交する方向に往復移動されるように設置されてお
り、この第3のダイ33の図示左端縁部に設けられた連
接棒33dが、回転運動を直線運動に変換する変換器3
3bを介して駆動モータ33cに連結されている。この
第3のダイ33の図示右側における先端部分には、前述
したウインドウモールディング2の雨水受け溝28に対
応する略三角形状の遮蔽突片331が形成されている。
この第3のダイ33の遮蔽突片331は、前記第1のダ
イ31の開口部343と345との連結領域内に進入可
能に設けられており、図8ないし図10に示されている
ように、前記ダイ2のダイ32の往復移動に連動して往
復移動されるようになっている。
【0031】このようなモールディング成形装置3によ
るウインドウモールディング2の成形方法を説明する。
ウインドウモールディング2を成形するにあたっては、
アッパーモールディング2A、コーナーモールディング
2B、サイドモールディング2Cが、一連に押出成形さ
れるが、その成形順は、一方のサイドモールディング2
C、一方のコーナーモールディング2B、アッパーモー
ルディング2A、そして他方のコーナーモールディング
2B、他方のサイドモールディング2Cの順である。
【0032】まずサイドモールディング2Cを押出成形
する場合には、第1のダイ31に対して、第2のダイ3
2及び第3のダイ33が図10のように位置されてお
り、第のダイ31の押出形成口34には、帯状の金属
薄箔芯金23が供給される。このとき第1のダイ31の
開口部343と開口部345とは最大状態に離間されて
おり、サイドモールディング2Cの下端部分(図3右端
部分)から押出成形は開始される。すなわちガラス側装
飾部21aとガラス押圧片21cとの間隔及び雨水受け
溝28の横断面積が最大になされている図7の横断面形
状にて押出成形が開始される。この雨水受け溝28の最
大横断面積部分は、一定長さを有するように押出成形さ
れる。
【0033】一定横断面形状の状態で、サイドモールデ
ィング2Cの下端部分が一定長にわたって押し出された
後、第2のダイ32は図10のY方向に上昇始める。
またこれと同時に第3のダイ33は、ガラス側装飾部2
1aとガラス押圧片21cとの近接量に対応してV方向
に後退し、これにより第1のダイ31の開口部343と
開口部345とが徐々に近接ていき、したがってガラ
ス側装飾部21aとガラス押圧片21cとが近接されつ
つ押出成形が行われる。このときガラス側装飾部21a
及びガラス押圧片21c以外の他の各部は、同一の横断
面形状に維持される。
【0034】このとき、ガラス側装飾部21aとガラス
押圧片21cとの間に形成される雨水受け溝28の横断
面積が縮小されて、当該雨水受け溝28の溝深さ及び溝
幅が徐々に減じられていくが、第3のダイ33は、第2
のダイ32の移動に連動して移動が行われ、これによっ
てガラス側装飾部21a及びガラス押圧片21cの肉厚
は均一に維持される。
【0035】そして図9に示されている状態に至ったと
き、第2のダイ32と第3のダイ33の移動は一旦停止
され、サイドモールディング2Cの中央部分が、図6に
示された横断面形状で一定長にわたって押し出される。
ついでサイド部の上端位置すなわちサイドモールディン
グ2Cのコーナー寄りの成形位置に近づいてくると、第
2のダイ32はY方向に再び押し上げ移動されていくと
ともに、第3のダイ33が、V方向に引き込まれてい
く。これにより第1のダイ31の開口部343と開口部
345との間隔は縮小されていき、ガラス側装飾部21
aとガラス押圧片21cとの間隔も縮小されていくとと
もに、雨水受け溝28の溝横断面積が、上記ガラス側装
飾部21aとガラス押圧片21cとの近接移動量に比例
して縮小されていき、溝深さ及び溝幅が徐々に減じられ
ていく。このとき他の各部は、同一の横断面形状に維持
されている。このときにも、第2のダイ32の移動速度
に同期して第3のダイ33の移動が行われるため、ガラ
ス側装飾部21a及びガラス押圧片21cの肉厚は均一
に維持される。さらに第2のダイ32のY方向押上げ移
動が進み、第1のダイ31の開口部343,345から
第3のダイ33が離間されたとき、ガラス側装飾部21
aとガラス押圧片21cとが合体して一体化装飾部が
旦厚肉状に形成されるとともに、雨水受け溝28が消失
される。
【0036】ついでコーナーモールディング2B、アッ
パーモールディング2Aの順に押出成形が行われ、上記
第2のダイ32及び第3のダイ33は図8に示されてい
る位置に至る。すなわち第1のダイ31の遮蔽部342
の縁部に、第2のダイ32の上縁部が同一線上となるよ
うに重ね合わせられると、押出形成口の全体は、アッパ
ーモールディング2Aの横断面形状に対応する形状を画
成することとなり、以後、薄肉状の装飾部21を有する
アッパーモールディング2Aが一定の横断面形状にて押
出成形される。
【0037】アッパーモールディング2Aが一定長にわ
たって押出成形されると、上述した手順とは逆にして、
他方側のコーナーモールディング2B及びサイドモール
ディング2Cの押出成形が行われ、一連のウインドウモ
ールディング2が得られる。
【0038】次に図11、図12及び図13に示された
本発明の第2実施例にかかるウインドウモールディング
4では、上述した第1実施例にかかるウインドウモール
ディング2の脚部22の替わりに、金属板を所定の形状
に折り曲げ形成してなるモールフレーム42が採用され
ている。このモールフレーム42は、ウインドウガラス
11の周縁部に沿って配置されており、図示を省略した
クリップやボルト等の各種固定手段によって車体パネル
12,13側に固定されている。当該モールフレーム4
2は、全長にわたって一定の横断面形状に形成されてい
るが、ウインドウガラス11と車体パネル12,13と
の段差変化に対応して、サイド部においてウインドウガ
ラス11から車外方向にやや離間するように配置されて
いる。
【0039】また上記モールフレーム42には、装飾部
41が押出成形によって一体に設けられている。この装
飾部41は、モールフレーム42の外周側に設けられ
て、車体パネル12,13側に延びるパネル側装飾部4
1bと、モールフレーム42の内周側に設けられて、ウ
インドウガラス11側に延びるガラス側装飾部41aと
からなっている。アッパーモールディング4Aにおける
ガラス側装飾部41aは、ウインドウガラス11の車外
側表面に密着されているが、サイドモールディング4C
におけるガラス側装飾部41aは、上述したように離間
装飾部を構成するものであって、モールフレーム42が
ウインドウガラス11から離間配置されているのに対応
して、すなわちウインドウガラス11と車体パネル1
2,13との段差変化に対応して、ウインドウガラス1
1から離間するように配置されている。
【0041】さらに上記ガラス側装飾部41aがウイン
ドウガラス11から離間されている部分には、当該ガラ
ス側装飾部41aと所定の間隔をなしてガラス押圧片4
1cが設けられている。このガラス押圧片41cは、サ
イドモールディング4Cにのみに設けられており、ウイ
ンドウガラス11の両側縁部に対し車外側から圧接され
ている。またアッパーモールディング4Aにおいては、
ガラス押圧片41cは単独では設けられておらず、当該
ガラス押圧片41cとガラス側装飾部41aとの一体化
装飾部が薄肉化されてウインドウガラス11の車外側表
面の上縁部に圧接されている。
【0042】上記ガラス押圧片41cとガラス側装飾部
41aとの車内外方向(図示上下方向)における間隔
は、前記第1実施例と同様に、ウインドウガラス11の
車外側表面と車体パネル12,13との間の段差に対応
して変化されている。すなわちまず図13に示されてい
るように、サイドモールディング4Cの下部側において
は、ガラス側装飾部41aとガラス押圧片41cとが車
内外方向(図示上下方向)に最大距離にわたって離間さ
れており、これらガラス側装飾部41aとガラス押圧片
41cとの間に横断面略三角形状に画成されている雨水
受け溝48の溝深さ及び溝幅も最大になされている。ま
た図12に示されているようにサイドモールディング4
Cの上方側領域にかけては、段差の縮小に相応して、ガ
ラス側装飾部41aとガラス押圧片41cとが次第に近
接されており、これら両者41a,41cの離間部分に
画成されている雨水受け溝48の溝深さ及び溝幅も次第
に小さくなされている。そしてサイドモールディング4
Cにおけるコーナー寄りの上端部分において、ガラス側
装飾部41aとガラス押圧片41cとは合体して一体化
装飾部になされており、この部位で雨水受け溝28は消
失されている。
【0043】このように雨水受け溝48の溝深さ及び溝
幅は、ガラス側装飾部41aとガラス押圧片41cとの
離間距離に対応して変化されているとともに、この雨水
受け溝48を挾むガラス側装飾部41a及びガラス押圧
片41cの肉厚は一定に維持されている。このような第
2実施例にかかるウインドウモールディング4おいて
も、前述した第1実施例と同様の作用.効果を得ること
ができる。
【0044】次に図14ないし図17に示されている第
3実施例にかかるウインドウモールディング9は、サイ
ドモールディング9Cと、このサイドモールディング9
Cの上端からルーフパネル側に延びるアッパーモールデ
ィング9Aとを一連に有してなるものであって、車体パ
ネル12,13側に固定されたモールフレーム92が用
いられている。このモールフレーム92には、装飾部9
1を構成するガラス側装飾部91aと、ウインドウガラ
ス11の車外側表面に圧接されるガラス押圧片91cと
が押出成形によって一体に設けられている。上記ガラス
押圧片91cは、サイドモールディング9Cにのみに設
けられている離間装飾部としてのガラス側装飾部91a
との間に雨水受け溝98を画成しているとともに、アッ
パーモールディング9Aには上記ガラス押圧片91cは
単独では設けられておらず、ガラス側装飾部91aと合
体して薄肉状の一体化装飾部となっている。すなわち、
このアッパーモールディング9Aでは、ガラス押圧片9
1cとガラス側装飾部91aとを兼用する一体化装飾部
が、ルーフパネル12の車外側表面に圧接されている
(図示省略)
【0045】上記モールフレーム92は、全長にわたっ
て一定の横断面形状に形成されているが、サイド部にお
いては、ウインドウガラス11と車体パネル12,13
との段差変化に対応して、ウインドウガラス11から車
外方向にやや離間するように配置されている。したがっ
てサイド部におけるガラス側装飾部91aは、モールフ
レーム92がウインドウガラス11から離間配置されて
いるのに対応して、すなわちウインドウガラス11と車
体パネル12,13との段差変化に対応して、ウインド
ウガラス11から離間して配置されている。
【0046】上記ガラス押圧片91cとガラス側装飾部
91aとの車内外方向(図示上下方向)における間隔
は、前記各実施例と同様に、ウインドウガラス11の車
外側表面と車体パネル12,13との間の段差に対応し
て変化されている。まず図17に示されているように、
サイドモールディング9Cの下部側においては、ガラス
側装飾部91aとガラス押圧片91cとが車内外方向
(図示上下方向)に最大距離にわたって離間されてお
り、これらガラス側装飾部91aとガラス押圧片91c
との間に横断面略三角形状に画成されている雨水受け溝
98の溝深さ及び溝幅も最大になされている。またこれ
よりやや上方側の図16に示されている領域にでは、段
差の縮小に相応して、ガラス側装飾部91aとガラス押
圧片91cとが次第に近接されており、これら両者91
a,91cの離間部分に画成されている雨水受け溝98
の溝深さ及び溝幅も次第に小さくなされている。そして
サイドモールディング9Cにおけるルーフ寄りの上端部
分において、ガラス側装飾部91aとガラス押圧片91
cとは図15のように一体化されており、したがってこ
の部位で雨水受け溝28は消失されている。
【0047】このように雨水受け溝98の溝深さ及び溝
幅は、ガラス側装飾部91aとガラス押圧片91cとの
離間距離に対応して変化されているとともに、この雨水
受け溝98を挾むガラス側装飾部91a及びガラス押圧
片91cの肉厚は一定に維持されている。このような第
3実施例にかかるウインドウモールディング9おいて
も、前述した第1実施例と同様の作用・効果を得ること
ができる。
【0048】また上述した各実施例にかかるウインドウ
モールディングは、フロントウインドウガラスのみなら
ず、リアウインドウガラス等他のウインドウガラスに対
しても同様に適用することができるものである。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように本発明にかかる車両用
ウインドウモールディングは、少なくともサイド部にお
いて、装飾部のガラス押圧部と離間装飾部との間隔部分
に雨水受け溝を形成したものであって、上記ガラス押圧
部と離間装飾部との車内外方向における間隔連続的に
変化していることによって、車体パネル側に窪む形状と
した雨水受け溝の溝深さを連続的に変化した形状とす
とともに、上記ガラス押圧部と離間装飾部と所定の部
位で近接・合体することにより雨水受け溝が車体パネル
側からウインドウプレート側に向かって徐々に浅くなり
消失した構成を有し、好適な排出機能を有する雨水受け
溝の大きさを必要に応じて変化させる構造によって雨水
受け溝の現出・消失位置を自在とすることにより、小型
のモールディングに対して大きな横断面積を有する溝を
形成可能とし、しかも装飾部外表面の連続性によって装
飾性の良好化を図るように構成したものであるから、十
分な堰き止め機能を備えた雨水受け溝を、小幅で小型の
良好な運転視界を備えた装飾部に対して効率的に設ける
ことができ、車両用ウインドウモールディングの信頼性
を向上させることができる。また、本発明にかかる車両
用ウインドウモールディングの製造方法は、少なくとも
サイド部のモールディングを押し出す際に、ダイにおけ
る離間装飾部とガラス押圧片に各々対応する押出成形口
どうしを異なる位置関係に変化させることにより、これ
らガラス押圧片と離間装飾部との間隔部分に車体パネル
側に窪む形状の雨水受け溝を形成するものであって、上
記ダイにおける離間装飾部及びガラス押圧片に各々対応
する押出成形口どうしを互いに近接させた後、当該両押
出成形口を一体の開口とするようにダイの移動を行わせ
ることにより、上記装飾部のガラス押圧片と離間装飾部
とを合体させ、当該合体部位において上記雨水受け溝の
溝深さを徐々に車体パネル側からウインドウプレート側
に向かって小さくして消失させるようにしたものである
から、上述した本発明にかかる車両用ウインドウモール
ディングを簡易にかつ良好に連続成形することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる自動車の前部を表わした
外観斜視説明図である。
【図2】本発明の第1実施例におけるモールディング構
造を表わした外観斜視説明図である。
【図3】図1中のIII−III線に沿う横断面図であ
る。
【図4】図3中のA−A線に沿う横断面図である。
【図5】図3中のB−B線に沿う横断面図である。
【図6】図3中のC−C線に沿う横断面図である。
【図7】図3中のD−D線に沿う横断面図である。
【図8】図1ないし図7に表わされたモールディングの
押出成形装置の一例を表わした正面説明図である。
【図9】図8に表わされた押出成形装置の移動状態を表
わした正面説明図である。
【図10】図8に表わされた押出成形装置のさらに移動
状態を表わした正面説明図である。
【図11】本発明の第2実施例におけるモールディング
の構造を表わした図2相当の横断面図である。
【図12】図11に表わされたモールディングのサイド
部上端部分における横断面図である。
【図13】図11に表わされたモールディングのサイド
部中央部分における横断面図である。
【図14】本発明の第3実施例におけるモールディング
の構造を表わした図2相当の横断面図である。
【図15】図14に表わされたモールディングのサイド
部上端部分における横断面図である。
【図16】図14に表わされたモールディングのサイド
中央部分における横断面図である。
【図17】図14に表わされたモールディングのサイド
部下端部分における横断面図である。
【符号の説明】
11 ウインドウガラス 12,13 車体パネル 2,4,9 モールディング 2A,4A,9A アッパーモールディング 2B,4B コーナーモールディング 2C,4C,9C サイドモールディング 21a,41a,91a ガラス側装飾部 21b,41b,91b パネル側装飾部 21c,41c,91c ガラス押圧片 21c 固定係合片 28,48,98 雨水受け溝 31 第1のダイ 32 第2のダイ 33 第3のダイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60J 1/02 111 B29C 47/02 B29L 31:58

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体パネルの窓枠開口部に固着されたウ
    インドウプレートの少なくともサイド部の縁部に沿って
    装着されるものであって、 上記ウインドウプレートの縁部と、車体パネルの窓枠開
    口部の内周縁部との間に形成された隙間を車外側から覆
    う装飾部有し、 上記装飾部が、前記ウインドウプレートの車外側表面に
    圧接するガラス押圧片と、少なくともサイド部において
    上記ガラス押圧片から車外側方向に所定間隔離れて配置
    された離間装飾部と、車体パネルに当接するパネル側装
    飾部とを一体に備えてなる車両用ウインドウモールディ
    ングにおいて、 上記ガラス押圧片と離間装飾部との間隔部分に、ウイン
    ドウプレート上の雨水を堰き止めるように車体パネル側
    に向かって窪む形状の雨水受け溝を、少なくともサイド
    部に備えてなり、 前記離間装飾部とガラス押圧片との車内外方向における
    間隔、モールディングの長手方向に連続的に変化して
    いることによって、前記雨水受け溝の横断面形状がモー
    ルディングの長手方向に連続変化しているとともに、 上記離間装飾部とガラス押圧片とが、サイド部上方に
    おける所定の部位で近接するに伴なって、前記雨水受け
    溝の車体パネル側へ向かう方向における溝深さが、上記
    車体パネル側からウインドウプレート側へ向かう方向に
    徐々に浅くなり、上記離間装飾部とガラス押圧片とは合
    体して、これら離間装飾部とガラス押圧片とが一体化し
    た装飾部を形成し、 当該離間装飾部とガラス押圧片との近接・合体部位にお
    いて、雨水受け溝が消失していることを特徴とする車両
    用ウインドウモールディング。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一体化した装飾部が、ガ
    ラス押圧片と離間装飾部との近接・合体部位である雨水
    受け溝の消失部位から、サイド部と連続する他の部位に
    向かって延在していることを特徴とする車両用ウインド
    ウモールディング。
  3. 【請求項3】 車体パネルの窓枠開口部に固着されるウ
    インドウプレートの少なくともサイド部の縁部に沿って
    装着され、湾曲変形されることによって上記サイド部か
    ら連続する他の部位に向かって延びる湾曲変形可能な略
    直線状 の部材からなるものであって、 上記ウインドウプレートの縁部と、車体パネルの窓枠開
    口部の内周縁部との間に形成された隙間を車外側から覆
    う装飾部を有し、 上記装飾部が、前記ウインドウプレートの車外側表面に
    圧接するガラス押圧片と、少なくともサイド部において
    上記ガラス押圧片から車外側方向に所定間隔離れて配置
    された離間装飾部と、を備えてなる車両用ウインドウモ
    ールディングにおいて、 上記ガラス押圧片と離間装飾部との間隔部分に、ウイン
    ドウプレート上の雨水を堰き止めるように車体パネル側
    に向かって窪む形状の雨水受け溝を、少なくともサイド
    部に備えてなり、 前記離間装飾部とガラス押圧片との車内外方向における
    間隔が、モールディングの長手方向に連続的に変化して
    いることによって、前記雨水受け溝の横断面形状がモー
    ルディングの長手方向に連続変化しているとともに、 上記離間装飾部とガラス押圧片とが、サイド部の上方に
    おける所定の部位で近接するに伴なって、前記雨水受け
    溝の車体パネル側へ向かう方向における溝深さが、上記
    車体パネル側からウインドウプレート側へ向かう方向に
    徐々に浅くなり、上記離間装飾部とガラス押圧片とは合
    体して、これら離間装飾部とガラス押圧片とが一体化し
    た装飾部を形成し、 当該離間装飾部とガラス押圧片との近接・合体部位にお
    いて、雨水受け溝が消失しているとともに、 前記離間装飾部とガラス押圧片とが合体して一体化した
    装飾部は、サイド部に連続する他の部位に向かって延在
    していることを特徴とする車両用ウインドウモールディ
    ング。
  4. 【請求項4】 請求項1又は3記載の離間装飾部は、均
    一な肉厚を維持しつつガラス押圧片側に近接しているこ
    とを特徴とする車両用ウインドウモールディング。
  5. 【請求項5】 請求項1又は3記載のガラス押圧片は、
    均一な肉厚を維持しつつ離間装飾部側に近接しているこ
    とを特徴とする車両用ウインドウモールディング。
  6. 【請求項6】 請求項2又は3記載の他の部位が、ウイ
    ンドウプレートのアッパー縁部に相当する部位であるこ
    とを特徴とする車両用ウインドウモールディング。
  7. 【請求項7】 請求項2又は3記載の他の部位が、ルー
    フパネル周縁であることを特徴とする車両用ウインドウ
    モールディング。
  8. 【請求項8】 請求項2又は3記載の他の部位に延在す
    る一体化した装飾部を、一体化する前の離間装飾部とガ
    ラス押圧片との両肉厚どうしを合わせた肉厚よりも薄肉
    状に形成したことを特徴とする車両用ウインドウモール
    ディング。
  9. 【請求項9】 請求項1又は3記載の車両用ウインドウ
    モールディングにおいて、 横断面形状全体のいずれかの
    部位に芯材が一体的に設けられていることを特徴とする
    車両用ウインドウモールディング
  10. 【請求項10】 請求項9記載の芯材は、薄箔芯金から
    なることを特徴とする車両用ウインドウモールディン
  11. 【請求項11】 請求項記載の芯材が、所定の形状に
    折曲形成されてモールフレームを構成していることを特
    徴とする車両用ウインドウモールディング。
  12. 【請求項12】 請求項1又は3記載のガラス押圧片の
    車両用ウインドウモールディング幅方向における突出量
    を、離間装飾部の突出量と略同一としたことを特徴とす
    る車両用ウインドウモールディング。
  13. 【請求項13】 請求項記載の薄肉状に形成した一体
    化装飾部における車両用ウインドウモールディングの幅
    方向への突出量を、ガラス押圧片の同方向における突出
    量と略同一としたことを特徴とする車両用ウインドウモ
    ールディング。
  14. 【請求項14】 ウインドウプレートの少なくともサイ
    ド部における縁部に沿って装着されるモールディング
    を、押出成形装置のダイに設けられた成形口を通して
    し出すことにより、ウインドウプレートと車体パネルと
    の間の隙間を車外側から覆う装飾部を成形する方法であ
    って、 上記ダイの押出形成口から押し出す装飾部として、前記
    ウインドウプレートの車外側表面に圧接するガラス押圧
    片と、少なくともサイド部において上記ガラス押圧片か
    ら車外側方向に所定間隔離れて配置される離間装飾部
    と、を形成するようにした車両用ウインドウモールディ
    ングの製造方法において、 少なくともサイド部のモールディングを押し出す際に、
    上記ダイにおける離間装飾部及びガラス押圧片に各々対
    応する押出成形口どうしを、異なる所定の位置関係に維
    持し又は変化させることにより、上記離間装飾部とガラ
    ス押圧片とを車内外方向に所定間隔離すように押出形成
    するとともに、当該離間装飾部とガラス押圧片との間隔
    部分に、ウインドウプレート上の雨水を堰き止める雨水
    受け溝を車体パネル側に向かって窪む形状に画成するよ
    うに押出を行うものであって、 サイド部上方における所定の部位で、上記ダイにおけ
    る離間装飾部及びガラス押圧片に各々対応する押出成形
    口どうしを互いに近接させた後、これら両押出成形口を
    一体の開口とするようにダイの移動を行わせることによ
    って、上記ガラス押圧片と離間装飾部とを近接させて前
    記雨水受け溝の車体パネル側へ向かう方向における溝深
    さを、上記車体パネル側からウインドウプレート側へ向
    かう方向に徐々に浅くした後、上記離間装飾部とガラス
    押圧片とを合体させて一体化した装飾部を形成するとと
    もに、当該合体部位において上記雨水受け溝を消失させ
    るようにしたことを特徴とする車両用ウインドウモール
    ディングの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のダイにおける離間装
    飾部及びガラス押圧片に各々対応する押出成形口を繋げ
    るようにダイを近接移動させて一体の開口とした後、さ
    らにダイを近接移動させることによって、装飾部を、一
    体化する前の離間装飾部とガラス押圧片との両肉厚どう
    しを合わせた肉厚よりも薄肉状に形成することを特徴と
    する車両用ウインドウモールディングの製造方法。
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