JP2902809B2 - マレイミド類の湿体の移送及び貯蔵方法 - Google Patents
マレイミド類の湿体の移送及び貯蔵方法Info
- Publication number
- JP2902809B2 JP2902809B2 JP11638091A JP11638091A JP2902809B2 JP 2902809 B2 JP2902809 B2 JP 2902809B2 JP 11638091 A JP11638091 A JP 11638091A JP 11638091 A JP11638091 A JP 11638091A JP 2902809 B2 JP2902809 B2 JP 2902809B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- maleimides
- maleimide
- organic solvent
- acrylonitrile
- storing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Pyrrole Compounds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】マレイミド類はABS、AAS、
AS、ACS樹脂などの耐熱性向上剤として有用であ
り、本発明はこうしたマレイミド類の移送及び貯蔵方法
に関するものである。
AS、ACS樹脂などの耐熱性向上剤として有用であ
り、本発明はこうしたマレイミド類の移送及び貯蔵方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、常温で固体のマレイミド類は、粉
体、フレーク、タブレットなどの形状で移送、貯蔵の取
扱いが行われているのが一般的である。
体、フレーク、タブレットなどの形状で移送、貯蔵の取
扱いが行われているのが一般的である。
【0003】また、最近ではマレイミド類を重合禁止剤
の存在下にアクリロニトリル溶液として移送及び貯蔵す
る方法が出願されている(特公平3−12057)。
の存在下にアクリロニトリル溶液として移送及び貯蔵す
る方法が出願されている(特公平3−12057)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】マレイミド類は人体に
対して刺激性があり、特に微粉末を吸入すると鼻腔、咽
喉を刺激し、咳、くしゃみが出、また皮膚に付着したま
ま放置すると炎症を起こすなど好ましくない性質を有す
る。
対して刺激性があり、特に微粉末を吸入すると鼻腔、咽
喉を刺激し、咳、くしゃみが出、また皮膚に付着したま
ま放置すると炎症を起こすなど好ましくない性質を有す
る。
【0005】従来技術における粉体・フレーク・タブレ
ット等の固体状マレイミド類の移送・貯蔵時にはマレイ
ミド類の粉化が進み、微粉末が多量に発生する。こうし
た微粉末はマレイミド類を取り扱う場合に飛散し易く、
人体との接触を回避することが極めて困難であった。
ット等の固体状マレイミド類の移送・貯蔵時にはマレイ
ミド類の粉化が進み、微粉末が多量に発生する。こうし
た微粉末はマレイミド類を取り扱う場合に飛散し易く、
人体との接触を回避することが極めて困難であった。
【0006】マレイミド類を重合禁止剤の存在下にアク
リロニトリル溶液として移送及び貯蔵する方法によれ
ば、上記微粉末の飛散は無く安定性の面では優れてい
る。
リロニトリル溶液として移送及び貯蔵する方法によれ
ば、上記微粉末の飛散は無く安定性の面では優れてい
る。
【0007】しかしながら、常温でのアクリロニトリル
溶液中のマレイミド濃度は50重量%程度であり、固体
マレイミド類の移送に比べればアクリロニトリルを余分
に運ぶ事になり2倍の輸送費を要し、しかも貯蔵におい
ては貯蔵タンクを必要とし、アクリロニトリルの分だけ
タンクが大型化する。
溶液中のマレイミド濃度は50重量%程度であり、固体
マレイミド類の移送に比べればアクリロニトリルを余分
に運ぶ事になり2倍の輸送費を要し、しかも貯蔵におい
ては貯蔵タンクを必要とし、アクリロニトリルの分だけ
タンクが大型化する。
【0008】80重量%程の高濃度のアクリロニトリル
溶液として移送・貯蔵を行なおうとする場合には、マレ
イミド類のアクリロニトリルへの溶解度の問題から室温
以上に常時保温する必要があり、移送・貯蔵に特別な設
備が必要となる。
溶液として移送・貯蔵を行なおうとする場合には、マレ
イミド類のアクリロニトリルへの溶解度の問題から室温
以上に常時保温する必要があり、移送・貯蔵に特別な設
備が必要となる。
【0009】さらに、マレイミド類のアクリロニトリル
溶液は常温以下で比較的安定であるが、重合禁止剤存在
下においても室温以上での高濃度溶液の移送・貯蔵には
溶液の重合・着色等の問題がある。
溶液は常温以下で比較的安定であるが、重合禁止剤存在
下においても室温以上での高濃度溶液の移送・貯蔵には
溶液の重合・着色等の問題がある。
【0010】以上の如く、従来技術によるマレイミド類
の移送・貯蔵方法には未だ解決すべき点があった。
の移送・貯蔵方法には未だ解決すべき点があった。
【0011】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、マレイミ
ド類の移送及び貯蔵において、微粉末の発生が無く安全
で、しかも常温で高濃度のマレイミド類を安定に取扱う
方法を鋭意検討した結果、固体状マレイミドに有機溶剤
を含浸させ湿体として取り扱う事により上記目的を達成
出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
ド類の移送及び貯蔵において、微粉末の発生が無く安全
で、しかも常温で高濃度のマレイミド類を安定に取扱う
方法を鋭意検討した結果、固体状マレイミドに有機溶剤
を含浸させ湿体として取り扱う事により上記目的を達成
出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】本発明の方法により移送及び貯蔵できるマ
レイミド類としては、例えば、N−メチルマレイミド、
N−エチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−
オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ベ
ンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N
−フェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミ
ド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−メチルフェ
ニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、
N−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−クロロフェニ
ルマレイミド、N−ジメチルフェニルマレイミド、N−
ジクロロフェニルマレイミド、N−ブロモフェニルマレ
イミド、N−ジブロモフェニルマレイミド、N−トリク
ロロフェニルマレイミド、N−トリブロモフェニルマレ
イミド等のモノマレイミド類が挙げられる。
レイミド類としては、例えば、N−メチルマレイミド、
N−エチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−
オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ベ
ンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N
−フェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミ
ド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−メチルフェ
ニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、
N−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−クロロフェニ
ルマレイミド、N−ジメチルフェニルマレイミド、N−
ジクロロフェニルマレイミド、N−ブロモフェニルマレ
イミド、N−ジブロモフェニルマレイミド、N−トリク
ロロフェニルマレイミド、N−トリブロモフェニルマレ
イミド等のモノマレイミド類が挙げられる。
【0013】さらには、一般的にモノマレイミド類より
も有機溶媒に対する溶解度が低く、アクリロニトリル溶
液としての取扱いが困難であったビスマレイミド類も本
発明により高濃度で移送及び貯蔵を行うことが出来る。
も有機溶媒に対する溶解度が低く、アクリロニトリル溶
液としての取扱いが困難であったビスマレイミド類も本
発明により高濃度で移送及び貯蔵を行うことが出来る。
【0014】ビスマレイミド類としては例えば、N,
N’−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド、N,
N’−(1,4−ナフチレン)ビスマレイミド、N,
N’−(4,4’−ジフェニル)ビスマレイミド、N,
N’−(4,4’−ジフェニルエーテル)ビスマレイミ
ド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマ
レイミド、N,N’−〔4,4’−(2,2’−ジフェ
ニルプロパン)〕ビスマレイミド、 N,N’−(4,
4’−ジフェニルチオエーテル)ビスマレイミド、N,
N’−(4,4’−ジフェニルジスルフィド)ビスマレ
イミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルスルホン)
ビスマレイミド、N,N’−(3,3’−ベンゾフェノ
ン)ビスマレイミド等が挙げられる。
N’−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド、N,
N’−(1,4−ナフチレン)ビスマレイミド、N,
N’−(4,4’−ジフェニル)ビスマレイミド、N,
N’−(4,4’−ジフェニルエーテル)ビスマレイミ
ド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマ
レイミド、N,N’−〔4,4’−(2,2’−ジフェ
ニルプロパン)〕ビスマレイミド、 N,N’−(4,
4’−ジフェニルチオエーテル)ビスマレイミド、N,
N’−(4,4’−ジフェニルジスルフィド)ビスマレ
イミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルスルホン)
ビスマレイミド、N,N’−(3,3’−ベンゾフェノ
ン)ビスマレイミド等が挙げられる。
【0015】これらマレイミド類の形状は、通常の手段
により製造される粉体、フレーク、タブレット等の固体
状で好適に実施される。
により製造される粉体、フレーク、タブレット等の固体
状で好適に実施される。
【0016】本発明に使用される有機溶剤としては、マ
レイミド類に対して不活性であれば良いが、ABS樹脂
等の製造溶媒として使用されるベンゼン、トルエン、エ
チルベンゼン、キシレン、イソプロピルベンゼン等の芳
香族炭化水素、あるいはABS樹脂等の原料であるアク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のα、β−不飽和
ニトリルを使用すれば樹脂製造時に有機溶媒を除く必要
がなく好適である。
レイミド類に対して不活性であれば良いが、ABS樹脂
等の製造溶媒として使用されるベンゼン、トルエン、エ
チルベンゼン、キシレン、イソプロピルベンゼン等の芳
香族炭化水素、あるいはABS樹脂等の原料であるアク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のα、β−不飽和
ニトリルを使用すれば樹脂製造時に有機溶媒を除く必要
がなく好適である。
【0017】マレイミド類に対する有機溶剤の含浸量は
マレイミド類の形状により適宜選択されるが、通常1〜
10重量%が好ましい。1重量%未満ではマレイミド類
取扱い時の微粉末の飛散防止効果が十分得られず、10
重量%より多いと有機溶剤が湿体から液垂れを起こし易
く、取り扱いに問題を生じる。
マレイミド類の形状により適宜選択されるが、通常1〜
10重量%が好ましい。1重量%未満ではマレイミド類
取扱い時の微粉末の飛散防止効果が十分得られず、10
重量%より多いと有機溶剤が湿体から液垂れを起こし易
く、取り扱いに問題を生じる。
【0018】より詳しくは、マレイミド類の形状がフレ
ーク又はタブレットの場合には含浸する有機溶媒の量は
1〜10重量%の範囲内で少なくて良く、粉体の場合に
は多目に使用するのが良い。
ーク又はタブレットの場合には含浸する有機溶媒の量は
1〜10重量%の範囲内で少なくて良く、粉体の場合に
は多目に使用するのが良い。
【0019】また、有機溶媒としてアクリロニトリルを
使用する場合は、アクリロニトリルがマレイミド類を比
較的よく溶解することからマレイミド類の微粉末を凝集
させる効果が高く、芳香族炭化水素を使用する場合に比
べ、より少ない量で有効である。
使用する場合は、アクリロニトリルがマレイミド類を比
較的よく溶解することからマレイミド類の微粉末を凝集
させる効果が高く、芳香族炭化水素を使用する場合に比
べ、より少ない量で有効である。
【0020】マレイミド類への有機溶剤の含浸方法とし
ては、マレイミド類の粉体、フレークあるいはタブレッ
トに有機溶剤蒸気を接触させる方法、有機溶剤を噴霧す
る方法、有機溶剤のシャワーをかける方法、過剰の有機
溶剤に浸した後濾過し、必要により1〜10重量%の有
機溶媒量まで乾燥させる方法等が挙げられる。
ては、マレイミド類の粉体、フレークあるいはタブレッ
トに有機溶剤蒸気を接触させる方法、有機溶剤を噴霧す
る方法、有機溶剤のシャワーをかける方法、過剰の有機
溶剤に浸した後濾過し、必要により1〜10重量%の有
機溶媒量まで乾燥させる方法等が挙げられる。
【0021】タブレットとする場合には、あらかじめ粉
体に有機溶剤を含浸し、これを打錠機にかけても良い。
体に有機溶剤を含浸し、これを打錠機にかけても良い。
【0022】本発明の湿体には所望により重合禁止剤を
添加しても良い。
添加しても良い。
【0023】重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p
−メトキシフェノール、メトキシベンゾキノン、フェノ
チアジン、アルキル化ジフェニルアミン類、メチレンブ
ルー、tert−ブチルカテコール、tert−ブチル
ハイドロキノン、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ
メチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミ
ン酸銅、サルチル酸銅、チオジプロピオン酸エステル
類、メルカプトベンズイミダゾール、トリフェニルホス
ファイト、アルキルフェノール類、アルキルビスフェノ
ール類等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
−メトキシフェノール、メトキシベンゾキノン、フェノ
チアジン、アルキル化ジフェニルアミン類、メチレンブ
ルー、tert−ブチルカテコール、tert−ブチル
ハイドロキノン、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ
メチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミ
ン酸銅、サルチル酸銅、チオジプロピオン酸エステル
類、メルカプトベンズイミダゾール、トリフェニルホス
ファイト、アルキルフェノール類、アルキルビスフェノ
ール類等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0024】その使用量はマレイミド類の湿体に対して
0.0001〜0.5重量%、好ましくは0.001〜
0.1重量%である。
0.0001〜0.5重量%、好ましくは0.001〜
0.1重量%である。
【0025】尚、重合禁止剤の種類については、製造す
る重合体の種類、重合の方法、使用する開始剤などを勘
案して選択される。
る重合体の種類、重合の方法、使用する開始剤などを勘
案して選択される。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。 実施例1 純度99.5%のN−フェニルマレイミドの粉体(20
0メッシュ以下,嵩比重0.72g/ml)100gに
エチルベンゼン10gを噴霧して黄色湿体を得た。この
湿体の取扱いにおいて微粉末の飛散や液垂れは無かっ
た。
く説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。 実施例1 純度99.5%のN−フェニルマレイミドの粉体(20
0メッシュ以下,嵩比重0.72g/ml)100gに
エチルベンゼン10gを噴霧して黄色湿体を得た。この
湿体の取扱いにおいて微粉末の飛散や液垂れは無かっ
た。
【0027】この湿体を密閉容器中、25℃で60日間
保存した。保存後、容器からの取り出しに際しても微粉
末の飛散や液垂れは無く、N−フェニルマレイミドの純
度及び色相には全く変化が認められなかった。
保存した。保存後、容器からの取り出しに際しても微粉
末の飛散や液垂れは無く、N−フェニルマレイミドの純
度及び色相には全く変化が認められなかった。
【0028】実施例2 純度99.5%のN−フェニルマレイミドのフレーク
(嵩比重0.61g/ml)100gにアクリロニトリ
ル1.0gを噴霧して黄色湿体を得た。この湿体の取り
扱いにおいて微粉末の飛散や液垂れは無かった。
(嵩比重0.61g/ml)100gにアクリロニトリ
ル1.0gを噴霧して黄色湿体を得た。この湿体の取り
扱いにおいて微粉末の飛散や液垂れは無かった。
【0029】この湿体を密閉容器中、25℃で60日間
保存した。保存後、容器ごと振り混ぜ、200メッシュ
以下の微粉末を全体の5%生成させた。このものの容器
からの取り出し時における微粉末の飛散や液垂れは無
く、N−フェニルマレイミドの純度及び色相には全く変
化が認められなかった。
保存した。保存後、容器ごと振り混ぜ、200メッシュ
以下の微粉末を全体の5%生成させた。このものの容器
からの取り出し時における微粉末の飛散や液垂れは無
く、N−フェニルマレイミドの純度及び色相には全く変
化が認められなかった。
【0030】実施例3 純度99.0%のN,N’−(4,4’−ジフェニルメ
タン)ビスマレイミドの粉体(200メッシュ以下,嵩
比重0.70g/ml)100gにイソプロピルベンゼ
ン2gを噴霧した後、打錠機にかけ径3cmのタブレッ
トに成型した。成型時及びタブレットの取扱いにおいて
微粉末の飛散や液垂れは認められなかった。
タン)ビスマレイミドの粉体(200メッシュ以下,嵩
比重0.70g/ml)100gにイソプロピルベンゼ
ン2gを噴霧した後、打錠機にかけ径3cmのタブレッ
トに成型した。成型時及びタブレットの取扱いにおいて
微粉末の飛散や液垂れは認められなかった。
【0031】このタブレットを密閉容器中、25℃で6
0日間保存した。保存後、容器ごと振り混ぜ、200メ
ッシュ以下の微粉末を全体の5%生成させた。このもの
の容器からの取り出し時、微粉末の飛散や液垂れは無
く、N−フェニルマレイミドの純度及び色相には全く変
化が認められなかった。取り出しに際しても微粉末の飛
散や液垂れは無く、N,N’−(4,4’−ジフェニル
メタン)ビスマレイミドの純度、色相には全く変化が認
められなかった。
0日間保存した。保存後、容器ごと振り混ぜ、200メ
ッシュ以下の微粉末を全体の5%生成させた。このもの
の容器からの取り出し時、微粉末の飛散や液垂れは無
く、N−フェニルマレイミドの純度及び色相には全く変
化が認められなかった。取り出しに際しても微粉末の飛
散や液垂れは無く、N,N’−(4,4’−ジフェニル
メタン)ビスマレイミドの純度、色相には全く変化が認
められなかった。
【0032】比較例1 純度99.5%のN−フェニルマレイミド100g、及
びp−メトキシフェノール10mgの混合物にアクリロ
ニトリル25gを加え加温したところ、61℃で溶解し
黄色均一溶液となった(N−フェニルマレイミドの濃度
80%)。61℃で60日間保存したところ、溶液は赤
褐色を呈し、N−フェニルマレイミドの純度は97.3
%に低下していた。
びp−メトキシフェノール10mgの混合物にアクリロ
ニトリル25gを加え加温したところ、61℃で溶解し
黄色均一溶液となった(N−フェニルマレイミドの濃度
80%)。61℃で60日間保存したところ、溶液は赤
褐色を呈し、N−フェニルマレイミドの純度は97.3
%に低下していた。
【0033】比較例2 純度99.5%のN−フェニルマレイミド100gを重
合禁止剤を添加せず、アクリロニトリル125gに溶解
し黄色均一溶液とした(N−フェニルマレイミドの濃度
44%)。この溶液を25℃で60日間保存したとこ
ろ、溶液は赤褐色を呈し、N−フェニルマレイミドの純
度は98.6%まで低下した。
合禁止剤を添加せず、アクリロニトリル125gに溶解
し黄色均一溶液とした(N−フェニルマレイミドの濃度
44%)。この溶液を25℃で60日間保存したとこ
ろ、溶液は赤褐色を呈し、N−フェニルマレイミドの純
度は98.6%まで低下した。
【0034】比較例3 純度99.0%のN,N’−(4,4’−ジフェニルメ
タン)ビスマレイミド10gを25℃でアクリロニトリ
ル溶液とする為には、アクリロニトリル108gを加え
る必要があった〔N,N’−(4,4’−ジフェニルメ
タン)ビスマレイミドの濃度8.5%〕。この溶液を2
5℃で60日間保存した。保存後の溶液は赤褐色を呈
し、N,N’−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド
の純度は97.6%にまで低下した。
タン)ビスマレイミド10gを25℃でアクリロニトリ
ル溶液とする為には、アクリロニトリル108gを加え
る必要があった〔N,N’−(4,4’−ジフェニルメ
タン)ビスマレイミドの濃度8.5%〕。この溶液を2
5℃で60日間保存した。保存後の溶液は赤褐色を呈
し、N,N’−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド
の純度は97.6%にまで低下した。
【0035】
【発明の効果】本発明に従い、固体状マレイミドを湿体
として移送及び貯蔵することにより以下の効果が得られ
る。
として移送及び貯蔵することにより以下の効果が得られ
る。
【0036】(1)マレイミド類の微粉末飛散が防止さ
れ取扱い上安全である。 (2)常温で90%以上の高濃度で移送でき、アクリロ
ニトリル溶液での移送に比べ輸送費が安価である。 (3)貯蔵においてマレイミド類の重合・着色が無い。 (4)有機溶媒に難溶なマレイミド類にも適用出来る。 (5)移送・貯蔵に特別な設備が不要である。 (6)重合禁止剤を添加しなくても良く、使用に際し重
合禁止剤の存在を気にする必要がない。
れ取扱い上安全である。 (2)常温で90%以上の高濃度で移送でき、アクリロ
ニトリル溶液での移送に比べ輸送費が安価である。 (3)貯蔵においてマレイミド類の重合・着色が無い。 (4)有機溶媒に難溶なマレイミド類にも適用出来る。 (5)移送・貯蔵に特別な設備が不要である。 (6)重合禁止剤を添加しなくても良く、使用に際し重
合禁止剤の存在を気にする必要がない。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 207/00 - 207/50
Claims (3)
- 【請求項1】 固体状マレイミド類に1〜10重量%の
有機溶剤を含浸させ湿体として取扱うことを特徴とする
マレイミド類の移送及び貯蔵方法。 - 【請求項2】 有機溶剤が芳香族炭化水素、又はα,β
不飽和ニトリル類である請求項1記載の移送及び貯蔵方
法。 - 【請求項3】 固体状マレイミド類が粉体状、フレーク
状又はタブレット状のマレイミド類である請求項1記載
の移送及び貯蔵方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11638091A JP2902809B2 (ja) | 1991-05-22 | 1991-05-22 | マレイミド類の湿体の移送及び貯蔵方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11638091A JP2902809B2 (ja) | 1991-05-22 | 1991-05-22 | マレイミド類の湿体の移送及び貯蔵方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04346972A JPH04346972A (ja) | 1992-12-02 |
JP2902809B2 true JP2902809B2 (ja) | 1999-06-07 |
Family
ID=14685573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11638091A Expired - Fee Related JP2902809B2 (ja) | 1991-05-22 | 1991-05-22 | マレイミド類の湿体の移送及び貯蔵方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2902809B2 (ja) |
-
1991
- 1991-05-22 JP JP11638091A patent/JP2902809B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04346972A (ja) | 1992-12-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0962499A3 (en) | Direct preparation of pigmentary pyrrolo-(3,4-C)pyrroles | |
JPS604552A (ja) | 導電性組成物 | |
SE504244C2 (sv) | Sätt att tillverka kompositmaterial av hårdämnen i en metallbindefas | |
JPS62126167A (ja) | マレイミド類の移送ならびに貯蔵方法 | |
Tang et al. | Preparation and functionalization of linear and reductively degradable highly branched cyanoacrylate‐based polymers | |
JP2902809B2 (ja) | マレイミド類の湿体の移送及び貯蔵方法 | |
Mansuy et al. | An intermediate-spin iron (III) porphyrin complex with a vinylidene group inserted into a iron-nitrogen bond: paramagnetic susceptibility, EPR, and Moessbauer properties | |
Vasková et al. | Synthesis and magneto-structural characterization of copper (II) nitrobenzoate complexes containing nicotinamide or methylnicotinamide ligands | |
Pei et al. | Synthesis, crystal structure, magnetic properties, and spin densities of a triazole‐nitronyl‐nitroxide radical | |
Joshi et al. | PVP coated copper–iron oxide nanocomposite as an efficient catalyst for Click reactions | |
JP4170588B2 (ja) | ラジカル重合の即時停止法およびその装置、防止剤溶液、および該装置を備える船 | |
SG146677A1 (en) | Phase transfers catalyzed method for preparation of polyetherimides | |
Weil et al. | THE REACTION BETWEEN 2, 2-DIPHENYL-1-PICRYLHYDRAZYL AND NITROGEN DIOXIDE1 | |
Nigam et al. | Normal coordinate analyses and CNDO/II calculations of isonitrosopropiophenone (propiophenone oxime), and its semicarbazone and thiosemicarbazone derivatives: synthesis and characterization of their metal complexes | |
DE69302696T2 (de) | Herstellung von metallischem kobaltpulver | |
JPH01265073A (ja) | N−フェニルマレイミドの輸送および貯蔵方法 | |
JP2981214B2 (ja) | マレイミド類の移送用のアクリロニトリル溶液 | |
JP2644934B2 (ja) | マレイミド類の取扱い方法 | |
JPH06128224A (ja) | マレイミド類の貯蔵方法 | |
Plater et al. | A stable oxoverdazyl free radical: Structural and magnetic characterization | |
JPH01250348A (ja) | マレイミド類のアクリロニトリル溶液の輸送ならびに貯蔵方法 | |
Yılmaz et al. | Acetylsalicylhydroxamic acid and its cobalt (II), nickel (II), copper (II) and zinc (II) complexes | |
JPH0791267B2 (ja) | マレイミド類の移送または貯蔵用のアクリロニトリル溶液 | |
JP2670387B2 (ja) | マレイミド類の取り扱い方法 | |
JPH0676374B2 (ja) | マレイミド類のアクリロニトリル溶液の輸送ならびに貯蔵方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |