JP2902761B2 - 感光性組成物、樹脂封止型半導体装置、及びポリアミド・アミド酸の製造方法 - Google Patents

感光性組成物、樹脂封止型半導体装置、及びポリアミド・アミド酸の製造方法

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JP2902761B2
JP2902761B2 JP2259021A JP25902190A JP2902761B2 JP 2902761 B2 JP2902761 B2 JP 2902761B2 JP 2259021 A JP2259021 A JP 2259021A JP 25902190 A JP25902190 A JP 25902190A JP 2902761 B2 JP2902761 B2 JP 2902761B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は感光性組成物、樹脂封止型半導体装置、及び
ポリアミド・アミド酸の製造方法に関する。
(従来の技術) 従来の樹脂封止型半導体装置は、素子が形成された半
導体基板表面に二酸化ケイ素、窒化ケイ素、又はアルミ
ナなどの無機材料からなる第1の保護膜を形成した半導
体ペレットをエポキシ樹脂組成物などで封止した構造を
有する。しかしながら、前記樹脂封止型半導体装置は、
エポキシ樹脂などの封止樹脂層に水分を透過する性質が
ある。また、封止樹脂と半導体基板との熱膨張係数の差
異により第1の保護膜にクラックが発生することがあ
り、特に半導体ペレットの大型化に伴って前記クラック
が発生し易くなってきた。このため、水分の侵入などに
より前記保護膜の下に配置されるアルミニウムなどから
なる配線パターンが腐食されるという問題があった。
このようなことから、前記無機材料からなる第1の保
護膜の上に更にポリイミド樹脂からなる第2の保護膜を
形成した半導体ペレットを有する構造の樹脂封止型半導
体装置が提案されている。しかしながら、かかる半導体
ペレットでは、通常、スルーホールのようなパターン加
工、或いは外部リードと導通させるパッド加工を行なう
必要があるため、ポリイミド保護膜に各工程に応じた穴
(レリーフパターン)を形成する必要がある。このレリ
ーフパターンを有するポリイミド保護膜を形成するには
該保護膜上にフォトレジストを用いて光蝕刻によりレジ
ストパターン(エッチングマスク)を形成する必要があ
るため、煩雑な工程を要するという問題点があった。
そこで、前記問題点を解消するために第2の保護膜を
以下に説明する各種の感光材料で形成することが検討さ
れている。
特開昭49-115541号には、下記式 で表わされる繰り返し単位を有するネガ型の感光材料
が記載されている。しかし、この材料は、感光基を有す
る4官能性化合物の合成、又はポリアミド酸の合成プロ
セスが煩雑であるという問題があった。
また、特公昭59-52822号には、化学線により2量化又
は重合可能な炭素−炭素二重結合及びアミノ基を含む化
合物を含有するネガ型の耐熱性感光材料が記載されてい
る。しかし、この材料は半導体基板表面の無機材料から
なる第1の保護膜、又は封止樹脂との密着性が劣り、半
導体装置の信頼性が損なわれるという問題があった。
一方、特開昭62-145240号には、イソイミド構造を有
する重合体からなるポジ型の感光材料が提案されてい
る。しかし、この材料は耐熱性が低く、露光感度が低い
という問題があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、前記課題を解決するためになされたもの
で、半導体基板表面の無機材料からなる保護膜及び封止
樹脂との密着性、並びに耐熱性に優れ、しかも露光感度
の高い感光性組成物を提供しようとするものである。ま
た、本発明に係る別の発明は、製造が容易で、耐湿信頼
性に優れた樹脂封止型半導体装置を提供しよとするもの
である。更に、本発明に係る別の発明は、ゲル化するこ
となく高重合度化したポリアミド・アミド酸を製造し得
る方法を提供しようとするものである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、一般式 OCHN-A-NHCO-B …(I) (ただし、式中、Aは少なくとも1つの水酸基を有する
ベンゼン環を2つ以上含む二価の有機基を示し、Bは二
価の有機基を示す)で表わされる構造単位(I)と、一
般式 (ただし、式中、Eは二価の有機基を示し、Gは四価
の有機基を示す)で表わされる構造単位(II)とからな
り、前記構造単位(I)を0.1〜99.9モル%含むポリア
ミドイミド、及び感光剤を含有することを特徴とする感
光性組成物である。
前記一般式(I)中のAとしては、下記第1表に例示
する有機基が挙げられる。
前記一般式(I)中のBとしては、下記第2表に例示
する有機基が挙げられる。
前記一般式(II)中のEとしては、前記一般式(I)
中のAとして既に例示したものが挙げられ、更に下記第
3表に例示する有機基が挙げられる。
前記一般式(II)中のGとしては、下記第4表に例示
する有機基が挙げられる。
前記ポリアミドイミドは、前記構造単位(I)の含有
量が0.1〜99.9モル%、好ましくは1.0〜90モル%、より
好ましくは20〜85モル%である。この理由は、その含有
量が0.1〜99.9モル%の範囲を逸脱すると感光性組成物
の耐熱性や半導体基板表面との密着性が低下したり、該
組成物の露光感度が低下することがある。
前記ポリアミドイミドの製造方法は、特に制限されな
いが、その前駆体であるポリアミド・アミド酸から得る
ことができる。かかるポリアミド・アミド酸は、例えば
後述する方法で製造することができる。
前記感光剤としては、下記第5表に例示するジアジド
化合物が挙げられる。
(ただし、上記式中、D*を示す。) 前記感光剤の配合量は、ポリアミドイミドに対して0.
1〜50重量%、より好ましくは5〜35重量%であるのが
望ましい。この理由は、その配合量が0.1〜50重量%の
範囲を逸脱すると組成物の露光感度が低下したり、保護
膜を形成した時の耐熱性や密着性が低下する恐れがあ
る。
本発明に係る感光性組成物は、以下のようにして調製
する。即ち、前記合成方法で得られたポリアミドイミド
溶液に、更に合成に用いた溶剤などを加えてポリアミド
イミドの濃度を調整し、これに所定量の感光剤を均一に
配合する方法、或いは前記ポリアミドイミド溶液をメタ
ノール、エタノール、又は水などの貪溶媒中に注入して
ポリアミドイミドを固形物として析出させ、この析出し
たポリアミドイミドを分離取得して乾燥した後、該ポリ
アミドイミドと感光剤とをそれぞれ所定量ずつ有機溶剤
に溶解する方法、により感光佐組成物を調製する。な
お、前記有機溶剤としては、例えばテトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ
−ブチロラクトンなどが挙げられ、更にメチルセロソル
ブ等のセロソルブ、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテルなどを併用する
こともできる。
本発明に係る感光性組成物は、前述したポリアミドイ
ミド、感光剤、及び溶剤のほかに、更にシランカップリ
ング剤、界面活性剤などの改質剤を配合することもでき
る。
本発明に係る樹脂封止型半導体装置は、前述した感光
性組成物を用いて半導体基板表面の無機材料からなる第
1の保護膜上に第2の保護膜を形成し、更に封止樹脂材
料を用いて封止したことを特徴とするものである。かか
る樹脂封止型半導体装置の製造例を以下に示す。
まず、半導体基板表面に形成された二酸化ケイ素など
の無機材料からなる第1の保塵膜上に適当な粘度に調整
された感光性組成物の溶液(ワニス)をスピンナーなど
により塗布し、これを好ましくは100℃以下の温度条件
下で乾燥して感光性組成物層を形成した後、該感光性組
成物層にレリーフパターン形状のフォトマスクを通して
紫外線、可視光線、電子線、又はX線などの電磁波を照
射して露光を行なう。つづいて、現像液で現像処理する
ことにより露光部分を選択的に溶解除去してレリーフパ
ターンを有する第2の保護膜を形成する。前記現像液と
しては、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、水酸
化トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム水溶液(例
えばコリンTH-3:多摩化学社製商品名)等の第四級アン
モニウム溶液;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸ナトリウム等のアルカリ性化合物の水溶液などが挙げ
られる。ひきつづいて、前記第2の保護膜を100〜400
℃、より好ましくは250〜400℃以上で熱処理することに
より、耐熱性、及び第1の保護膜との密着性に優れた第
2の保護膜を有する半導体ペレットを作製する。
次いで、封止樹脂を用いて前記半導体ペレットを封止
して樹脂封止型半導体装置を製造する。前記封止樹脂
は、特に制限されないが、公知のエポキシ樹脂組成物を
用いることができる。また、シロキサン変性フェノール
ノボラックエポキシ樹脂(特開昭58-21417号)、アルキ
ルフェノール変性フェノールノボラックエポキシ樹脂
(特開昭59-30820号)等のフェノールノボラック型エポ
キシ封止樹脂の低応力化を図ったエポキシ樹脂組成物を
用いることもできる。この封止の最も一般的な方法とし
ては低圧トランスファー成形法があるが、インジェクシ
ョン成形、圧縮成形、注型などによる封止も可能であ
る。なお、これらの成形時において、封止樹脂の硬化温
度は150℃以上であることが望ましい。更に、必要に応
じて硬化温度160〜190℃、硬化時間2〜24時間の後硬化
を行なってもよい。
本発明に係るポリアミド・アミド酸の製造方法は、一
般式 H2N‐A-NH2 …(I−a) ただし、式中、Aは少なくとも1つの水酸基を有する
ベンゼン環を2つ以上含む二価の有機基を示すで表わさ
れるジアミン、一般式 Cl OC-B-COCl …(I−b) (ただし、式中、Bは二価の有機基を示す)で表わさ
れるジカルボン酸ジクロリド、一般式 HN-E-NH2 …(II−a) (ただし、式中、Eは二価の有機基を示す)で表わさ
れるジアミン、及び一般式 (ただし、式中、Gは四価の有機基を示す)で表わさ
れるテトラカルボン酸二無水物を合成原料とし、ジオキ
サン又はテトラヒドロフランの溶媒下で溶液重合反応さ
せて、一般式 OCHN-A-NHCO-B …(I) (ただし、式中、Aは少なくとも1つの水酸基を有す
るベンゼン環を2つ以上含む二価の有機基を示し、Bは
二価の有機基を示す)で表わされる構造単位(I)と、
一般式 (ただし、式中、Eは二価の有機基を示し、Gは四価
の有機基を示す)で表わされる構造単位(III)とを有
するポリアミド・アミド酸を合成し、かつ副生する無機
酸の捕捉剤として酸化アルキレンを用いることを特徴と
するものである。
前記一般式(I−a)で表わされるジアミンとして
は、例えば3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフ
ェニル、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェ
ニル、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニ
ル)ヘキサフロロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−
4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフロロプロパン、2−
(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)−2−(3−
アミノ−トヒドロキシフェニル)ヘキサフロロプロパ
ン、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノジフェニル
スルホン、3,3′−ジアミノ−4,4′一ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミ
ノベンゾフェノン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロ
キシベンゾフェノン、3.3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノー4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3′−ジヒドロキ
シ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,6−ジアミノ
フェノール、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノ
フェノール、3−ヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェ
ニル、4−ヒドロキシ−3,3′−ジアミノビフェニル、
2−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−
(3−アミノフェニル)ヘキサフロロプロパン、3−ヒ
ドロキシ−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3−
ヒドロキシ−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3
−ヒドロキシ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンなど
が挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いること
ができる。
前記ジカルボン酸ジクロリドとしては、例えばテレフ
タル酸ジクロリド、イソフタル酸ジクロリド、ジフェニ
ルエーテル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ジフェ
ニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ビフ
ェニル−4,4′−ジカルボン酸ジクロリド、ナフタレン
−2,6−ジカルボン酸ジクロリド、ピリジン−2,6−ジカ
ルボン酸ジクロリド、チオフェン−2,5−ジカルボン酸
ジクロリドなどが挙げられる。これらは1種又は2種以
上で用いることができる。
前記一般式(II-a)で表わされるジアミンとしては、
前記一般式(I−a)で表わされるジアミンとして既に
例示したものが挙げられ、更にm−フェニレンジアミ
ン、P−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミ
ン、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニル
エーテル、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′
−ジアミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフ
ェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、
4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、3,3′−ジアミノジフェニルケトン、4,4′一ジアミ
ノジフェニルケトン、3,4′−ジアミノジフェニルケト
ン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフロロプロパン、1,
3−ビス(m−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−
アミノフェノキシ)ベンゼン、4−メチル−2,4一ビス
(4−アミノフェニル)−1−ペンテン、4−メチル−
2,4−ビス(4−アミノフェニル)−2−ペンテン、1,4
−ビス(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)ベン
ゼン、イミノ−ジ−p−フェニレンジアミン、1,5−ジ
アミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、4−メ
チル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)ペンタン、5
(又は6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,
3,3−トリメチルインダン、ビス(4−アミノフェニ
ル)ホスフィンオキシド、4,4′−ジアミノアゾベンゼ
ン、4,4′−ジアミノジフェニル尿素、4,4′−ビス(4
−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾ
フェノン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフ
ェニルスルホン、4,4′−ビス[4−(α,α−ジメチ
ル−4′−アミノベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノ
ン、4.4′−ビス〔4−(α,α−ジメチル−4′−ア
ミノベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス
(4−アミノフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ア
ミノフェニル)テトラメチルジシロキサン等の芳香族ジ
アミン;及びこれら芳香族ジアミンの芳香核の水素原子
が、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メト
キシ基、シアノ基、及びフェニル基などからなる群より
選択される少なくとも1種の置換基により置換されたも
の;並びにジメチレンジアミン、トリメチレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,
2−ビス(3′−アミノプロポキシ)エタン、 H2NCH2 3OCH2 2OCH2 2NH2、1,4−ジアミノシ
クロヘキサン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1.4−ビス
アミノメチルシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘ
キサン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルイソプロパ
ン、1,4−キシリレンジアミン、2,6−ジアミノピリジ
ン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、ビス(γ−アミ
ノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス
(γ−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ビス
(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、ビス
(γ−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサンな
どが挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いるこ
とができる。
前記テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロ
メリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)ヘキサフロロプロパン二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシ
ラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)テ
トラメチルジシロキサン二無水物、1,4,5,8−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無
水物などが挙げられる。これらは1種又は2種以上で用
いることができる。
前記構造単位(I)は、前記一般式(II-a)で表わさ
れるジアミンと、前記ジカルボン酸ジクロリドとの反応
により得られる。また、前記構造単位(III)は、前記
一般式(II-b)で表わされるジアミンと、前記テトラカ
ルボン酸二無水物との反応により得られる。
前記ポリアミド・アミド酸は、前記構造単位(I)及
び前記構造単位(III)を有すれば、一般式OCHN-E-NH
CO-B …(IV) (ただし、式中、E及びBは二価の有機基を示す)で
表わされる構造単位(IV)などが含まれていてもよい。
かかる構造単位(IV)は、前記一般式(II-b)で表わさ
れるジアミンと、前記ジカルボン酸ジクロリドとの反応
により得られる。
前記溶液重合反応に用いられるジオキサン及びテトラ
ヒドロフラン以外の有機溶媒としては、例えばN,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−ε−カプロラ
クタム、γ−ブチロラクトン、スルホラン、テトラメチ
ル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、シクロヘキサノ
ン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、メチルエ
チルケトンなどを用いることが可能であるが、後述する
作用説明からジオキサン及びテトラヒドロフランが適し
ている。
前記合成によって副生する無機酸の捕捉剤として用い
られる酸化アルキレン以外の捕捉剤としては、例えばト
リエチルアミン、ピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムなどを用いることが可能であるが、後述する作用説
明から酸化アルキレンが適している。かかる酸化アルキ
レンとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、1,2−ブチレンオキシド、イソブチレンオ
キシドなどが挙げられる。その使用量は、通常、副生す
る無機酸(塩酸)に対して当量からその20%過剰程度ま
での範囲内とする。
前記ポリアミド・アミド酸の製造方法において、各原
料の合成順序としては特に制限はなく、目的とするポリ
アミド・アミド酸の構造(例えば、ランダム重合による
もの、ブロック重合によるもの、又は両者を併用したも
の)によって適宜に選択でき、例えば以下のような3種
の合成形態が挙げられる。
第1の合成形態としては、まず、前記テトラカルボン
酸二無水物及び前記一般式(I−a),(II-a)で表わ
されるジアミンを反応容器内に入れ、ジオキサン又はテ
トラヒドロフランの溶媒下で、反応温度−10℃〜60℃、
反応時間1〜30時間で溶液重合反応させて、前記構造単
位(III)を形成する。次いで、この反応液に前記ジカ
ルボン酸ジクロリドを入れ、更に捕捉剤の酸化アルキレ
ンを入れ、同溶媒下で、反応温度−10℃〜60℃、反応時
間2〜30時間で溶液重合反応させて、前記構造単位
(I)を形成してポリアミド・アミド酸を合成する。
第2の合成形態としては、まず、前記ジカルボン酸ジ
クロリド及び前記ジアミン(I),(II)を反応容器内
に入れ、更に捕捉剤の酸化アルキレンを入れ、ジオキサ
ン又はテトラヒドロフランの溶媒下で、反応温度−10℃
〜60℃、反応時間1〜30時間で、溶液重合反応させて、
前記構造単位(I)を形成する。次いで、この反応液に
前記テトラカルボン酸二無水物を入れ、同溶媒下で、反
応温度−10℃〜60℃、反応時間1〜30時間で、溶液重合
反応させて、前記構造単位(III)を形成して前記ポリ
アミド・アミド酸を合成する。
第3の合成形態としては、まず、前記ジカルボン酸ジ
クロリド及び前記ジアミン(I)を反応容器内に入れ、
更に捕捉剤の酸化アルキレンを入れ、ジオキサン又はテ
トラヒドロフランの溶媒下で、反応温度−10℃〜60℃、
反応時間1〜30時間で、溶液重合反応させて、前記構造
単位(I)を形成する。一方、前記テトラカルボン酸二
無水物及び前記ジアミン(II)を別の反応容器内に入
れ、同溶媒下で、反応温度−10℃〜60℃、反応時間1〜
30時間で溶液重合反応させて、前記構造単位(III)を
形成する。次いで、この2つの反応液を同じ反応容器内
に入れ、同溶媒下で、反応温度−10℃〜60℃、反応時間
2〜30時間で溶液重合反応させて、前記ポリアミド・ア
ミド酸を合成する。
この3種の合成形態における各重合反応工程では、そ
の反応温度が前記範囲を逸脱したり、その反応時間が前
記範囲を逸脱したりすると、得られるポリアミド・アミ
ド酸の重合度を十分に高めることができない恐れがあ
る。
上述した合成により得られたポリアミド・アミド酸
は、溶液状態での使用形態に応じて他の有機溶媒を加え
ることができる。この有機溶媒としては、例えばN,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−ε−カプロ
ラクタム、γ−ブチロラクトン、スルホラン、テトラメ
チル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、シクロヘキサ
ノン、メチルセロソルブやエチレングリコールモノ−n
−ブチルエーテル等のセロソルブ、酢酸エチレングリコ
ールモノ−n−エチルエーテル、酢酸エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n
−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、メチ
ルエチルケトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリド
ン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
前記ポリアミド・アミド酸は、そのアミド酸構造をイ
ミド構造にすることによってポリアミドイミドとなる。
その方法を以下の〜に例示する。
トリエチルアミンなどの有機アルカリの存在下で無水
酢酸などの酸無水物を用いてアミド酸を脱水環化してイ
ミドとし、ポリアミドイミドを得る。
五酸化リン、濃硫酸、又はポリリン酸などの無機脱水
剤を用いてアミド酸を脱水環化してイミドとし、ポリア
ミドイミドを得る。なお、メタンスルホン酸などの触媒
を併用することもできる。
前記ポリアミド・アミド酸溶液にベンゼル、トルエ
ン、キシレン、又はクロルベンゼンなどの水と共沸する
有機溶剤を添加し、アミド酸のイミド化反応で副生する
水を共沸点以上の温度で系外に留出して脱水環化し、ポ
リアミドイミドを得る。
前記ポリアミド・アミド酸溶液をガラス板、シリコン
ウェハー、ステンレスなどの基材に塗布し、乾燥して溶
剤を除去した後、加熱処理することにより脱水環化し、
ポリアミドイミドを得る。なお、この加熱処理は150〜4
50℃の温度範囲内で段階的に昇温して行なうのが望まし
い。
上述した方法により得られたポリアミドイミドは、前
述した感光性組成物に配合されるポリアミドイミド材料
として用いることができる。
(作用) 本発明によれば、前述した構造単位(I)と構造単位
(II)とからなり、特に水酸基及びアミド基(−NHCO
−)を有する構造単位(I)を0.1〜99.9モル%を含む
ポリアミドイミドを含有することによって、半導体基板
表面の二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiNx)、ア
ルミナ(Al2O3)、又はリンケイ酸ガラス(PSG)などの
無機材料からなる保護膜との密着性に優れると共に、封
止樹脂との密着性、特にエポキシ系封止樹脂との密着性
に極めて優れる感光性組成物が得られる。更に、かかる
組成物は耐熱性に優れ、かつ露光感度に優れるため、シ
ャープなレリーフパターンを有する保護膜を形成するこ
とができる。
また、前記感光性組成物を用いて半導体基板表面の無
機材料からなる第1の保護膜上に第2の保護膜を形成
し、得られた半導体ペレットを封止樹脂材料を用いて封
止することによって耐熱性の優れた第2の保護膜を第1
の保護膜及び封止樹脂に対して良好に密着できる。この
ため、前記第2の保護膜は、半導体基板と封止樹脂との
界面からの水分の侵入を阻止すると共に、封止樹脂と半
導体基板との熱膨脹係数の差異を緩衝してこの熱膨脹係
数の差異に起因した第1の保護膜のクラック発生を抑制
する作用を有する。その結果、耐湿信頼性が大幅に向上
し、LSI回路を形成しているアルミニウム配線等の金属
の腐食を効果的に防止する効果などを奏する樹脂封止型
半導体装置が得られる。
更に、本発明に係る別の発明によれば、前記一般式
(I−a,II-b)で表わされるジアミン、前記ジカルボン
酸ジクロリド、及び前記テトラカルボン酸二無水物を合
成原料とし、ジオキサン又はテトラヒドロフランの溶媒
下で溶液重合反応させて、前述した構造単位(I)と構
造単位(III)とを有するポリアミド・アミド酸を合成
し、かつ副生する無機酸の捕捉剤として酸化アルキレン
を用いることによって、ゲル化することなく高分子量化
(高重合度化)した前記ポリアミド・アミド酸を製造す
ることができる。
即ち、前記ポリアミド・アミド酸の製造方法として
は、従来の一般的なポリベンズオキサゾールの前駆体で
あるポリアミドの製造方法も適用可能と考えられる。こ
のポリアミドの製造方法としては、例えばPolymer Lett
ers Vol 2 P655-659(1964)に示されるようにジメチル
アセトアミドを溶媒として用いた溶液重合法により合成
し、かつ副生する無機酸の捕捉剤としてピリジンを用い
た方法などが挙げられる。しかしながら、このような方
法では、重合度が不十分であったり、或いは重合度が十
分でも一部がゲル化することがあるため、十分に満足し
得る線状高分子体が得られない。
このようなことから、合成原料をジオキサン又はテト
ラヒドロフランの特定の有機溶媒で溶液重合反応させる
ことにより、前記ジアミン(I)中の水酸基の水素が不
活性化するため、前記ジアミン(I)中の水酸基と前記
ジカルボン酸ジクロリドとの間で起きるゲル化を招くエ
ステル化反応が抑制される。その結果、同ジアミン中の
アミノ基(−NH2)とジカルボン酸との間で起きるアミ
ド化反応(重合反応)が促進され、得られるポリアミド
・アミド酸の重合度が高まる。なお、N−メチル−2−
ピロリドンやN,N−ジメチルアセトアミドなどの他の有
機溶媒を用いた場合には前記ジアミン(I)中の水酸基
の水素は不活性化が十分になされない。
また、前記捕捉剤として酸化アルキルを用いることに
より、得られるポリアミド・アミド酸のゲル化を防止で
きる。つまり、酸化アルキル以外のもの,例えばトリエ
チルアミンなどのアルカリを捕捉剤として用いると、前
述したゲル化を招くエステル化反応を誘起する。これに
対し、酸化アルキルを捕捉剤として用いると前記エステ
ル化反応を全く誘起しないため、得られるポリアミド・
アミド酸のゲル化を防止できる。
従って、前記有機溶媒としてジオキサン又はテトラヒ
ドロフランを用い、かつ前記捕捉剤として酸化アルキル
を用いた場合、重合反応であるアミド化反応が促進さ
れ、かつゲル化が抑制されるため、線状の高分子量のポ
リアミド・アミド酸を得ることができる。
このような高分子量化(高重合度化)されたポリアミ
ド・アミド酸は、膜、繊維、フィルム、構造物などに成
形可能であり、高分子量であるため耐熱性、機械的強
度、電気的特性、耐薬品性などに優れる。かかるポリア
ミド・アミド酸は、半導体装置に使用される感光性組成
物の材料に用いることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。なお、実施
例で用いた化合物を下記の略号で示す。
PMDA:ピロメリット酸二無水物 BTDA:3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物 DSDA:ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無
水物 6F・AH:2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフロロプロパン HAB:3,3′−ジヒドロキシ−4.4′−ジアミノビフェニル 6F・BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパン TSL:ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキ
サン ODA:4.4′−ジアミノジフェニルエーテル BAPB:4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル IPC:イソフタル酸ジクロリド TPC:テレフタル酸ジクロリド (だだし、式中、Z*は前述したD*、又は−Hを示し、
D*の平均導入率が3である。) 合成例1 撹拌棒、温度計、及び滴下ロートを取付けた反応フラ
スコ内にBTDA6.47g(0.02モル)、及びN,N−ジメチルア
セトアミド20gを仕込み十分に撹拌して0℃まで冷却し
た。つづいて、前記反応フラスコ内を0℃に保持しなが
ら6F・AH14.67g(0.04モル)をN,N−ジメチルアセトア
ミド45gに溶解した液を滴下ロートから徐々に滴下した
後、反応フラスコ内を0〜10℃に保持しながら5時間撹
拌した。ひきつづいて、ピリジン4gを添加し、更にIPC
4.06g(0.02モル)をシクロヘキサノンに溶解した液10g
を一度に供給し、反応フラスコ内を10℃に保持しながら
5時間撹拌した。次いで、前記反応フラスコ内にクロル
ベンゼン100mlを供給し、油浴を用いて昇温しながらク
ロルベンゼンを1時間還流した後、クロルベンゼンと共
に副生する水を留去した。次いで、この残留液を室温ま
で冷却してからメタノールの50重量%水溶液中に注入し
てポリアミドイミドを沈殿させ、この沈殿を濾別して80
℃の減圧下で乾燥し、23.1g(収率:97%)のポリアミド
イミドを得た。得られたポリアミドイミド0.5gを100ml
のN−メチル−2−ピロリドンに溶解して温度30℃下で
固有粘度を測定したところ0.79dl/gであった。
合成例2〜5 合成例1で用いたBTDAに代えて、第6表に示す量のPM
DA、BTDA、及び/又はDSDAを用いた。また、合成例1で
用いた6F・AHに代えて、第6表に示す量の6F・AH、HA
B、及び/又はTSLを用いた。更に、第6表に示す量のIP
Cを用いた。これ以外は合成例1と同様にしてポリアミ
ドイミドを合成し、その収率及び固有粘度を求めた。そ
の結果を同第6表に併記する。
実施例1 合成例1で得られたポリアミドイミド5gをN−メチル
−2−ピロリドン15gに溶解し、この溶液に感光剤とし
てAHD 1gを加えて十分に混合溶解した後、0.5μmのフ
ィルターを通して濾過して感光性組成物(ワニス)を調
製した。このワニスを膜厚が5μmになるように5イン
チのウェハー上にスピンコートし、90℃で3分間乾燥し
た後、所定のマスクを通して紫外線[キャノンPLA501F
(11.0mW/cm2,405nm)]を40秒間照射した。次いで、こ
のウェハーを水酸化テトラメチルアンモニウムの2重量
%水溶液で60秒間現像したところ、未露光部はほとんど
侵蝕されずに線巾が5μmの微細かつ鮮明なレリーフパ
ターンが得られた。更に90℃で30分間、150で30分間、2
50℃で30分間、及び320℃で20分間の熱処理を行なった
ところ、いずれもレリーフパターンの乱れはなく、5μ
mの線巾でも十分識別できるものであった。
実施例2 合成例2で得られたポリアミドイミド5gを用い、感光
剤としてAHQ1gを用いて感光性組成物(ワニス)を調製
した。これ以外は実施例1と同様にして光蝕刻を行なっ
たところ、実施例1と同様に5μmの良好なレリーフパ
ターンが得られ、また熱処理してもレリーフパターンの
乱れはなく、5μmの線巾でも十分識別できるものであ
った。
実施例1,2の感光性組成物について、リンケイ酸ガラ
ス(PSG)膜との密着性を調べた。即ち、PSG膜を形成し
たシリコンウェハ上に、スピンコート法により感光性組
成物を塗布し、その上に2mm角のPSG膜付シリコンチップ
を載せて90℃で30分間乾燥し、更に150℃で30分間、250
℃で1時間、及び320℃で30分間の熱処理を施して前記P
SG膜間に5μm程度の膜厚に調整された保護膜(変性ポ
リイミド膜)を形成し、これを試料とした。作製直後の
試料、及びプレッシャークッカー内で120℃の飽和水蒸
気中に200時間さらした試料について、それぞれ2mm角の
PSG膜付シリコンチップの剪断破壊強度を測定した。そ
の結果を下記第7表に示す。
更に、実施例1,2の感光性組成物について、エポキシ
系半導体封止樹脂との密着性を調べた。即ち、PSG膜を
形成したシリコンウェハ上に、スピンコート法により感
光性組成物を塗布し、90℃で30分間乾燥し、更に、150
℃で30分間、250℃で1時間、及び320℃で30分間の熱処
理を施して保護膜を形成した。この保護膜付シリコンウ
ェハを10mm×30mmの大きさにダイシングし、半導体封止
用エポキシ樹脂(KE-300TS:東芝ケミカル社製商品名)
を用いて低圧トランスファー成形機により175℃、80kg/
cm2、3分間の条件で前記シリコンウェハの保護膜上に3
mm角の封止樹脂を形成し、これを試料した。作製直後の
試料、及びプレッシャークッカー内で120℃の飽和水蒸
気中に200時間さらした試料について、それぞれ3mm角の
封止樹脂の剪断破壊強度を測定した。その結果を下記第
7表に併記する。
第7表から明らかなように実施例1,2の試料は、PSG膜
付シリコンチップや封止樹脂の剪断破壊強度が大きく、
しかも250時間のプレッシャクッカーテスト後において
も該剪断破壊強度が十分にあることがわかる。従って、
実施例1,2の感光性組成物は、シリコンウェハ表面やシ
リコンチップ表面のPSG膜との密着性に優れると共に、
封止樹脂との密着性に優れ、しかも耐熱性及び耐湿性が
良好であることがわかる。
合成例6 撹拌棒、温度計、及び滴下ロートを取付けた反応フラ
スコ内にBTDA 10.47g(0.033モル)、及びテトラヒドロ
フラン30gを仕込み十分に撹拌して0℃まで冷却した。
つづいて、6F・AH21.99g(0.06モル)、6F・BAPP1.46g
(0.003モル)、及びTSL0.76g(0.003モル)をテトラヒ
ドロフラン65gに溶解した液を滴下ロートから徐々に滴
下した後、反応フラスコ内を0〜10℃に保持しながら3
時間撹拌した。ひきつづいて、IPC6.71g(0.033モル)
をテトラヒドロフラン15gに溶解した液を除々に滴下し
た後、反応フラスコ内を10℃に保持しながら3時間撹拌
し、プロピレンオキサイド3.8g(0.066モル)を供給
し、更に9時間撹拌してポリアミド・アミド酸を製造し
た。得られたポリアミド・アミド酸の固有粘度(0.5g/1
00ml N−メチル−2−ピロリドン、温度30℃)を測定し
た。その結果を下記第8表に示す。
合成例7 合成例6で用いたIPCに代えて当量のTPCを用いた以外
は合成例6と同様に行なった。その結果を下記第8表に
併記する。
合成例8 撹拌棒、温度計、及び滴下ロートを取付けた第1の反
応フラスコ内に6F・DA 13.67g(0.03078モル)、及びジ
オキサン35gを仕込み十分に撹拌して0℃まで冷却し
た。つづいて、 6F・AH9.25g(0.02528モル)、及び6F・BAPP2.29g
(0.00472モル)をジオキサン50gに溶解した液を滴下ロ
ートから徐々に滴下した後、反応フラスコ内を5℃に保
持しながら2時間撹拌した。
一方、撹拌棒、温度計、及び滴下ロートを取付けた第
2の反応フラスコ内に6F・AH3.666g(0.010モル)、及
びジオキサン10gを仕込み十分に撹拌して5℃まで冷却
した。つづいて、IPC1.874g(0.00922モル)を滴下ロー
トから徐々に滴下した後、反応フラスコ内を5℃に保持
しながら1時間撹拌し、プロピレンオキサイド1.07g
(0.0184モル)を添加し、更に1時間撹拌した。
前記第2の反応フラスコ内の反応液を前記第1の反応
フラスコ内に注入し、1時間撹拌してポリアミド・アミ
ド酸を製造した。得られたポリアミド・アミド酸の固有
粘度(0.5g/100ml N−メチル−2−ピロリドン、温度30
℃)を測定した。その結果を下記第8表に併記する。
合成例9〜13 第8表に示すような原料及び製造条件とした以外、合
成例6と同様に行なった。その結果を同第8表に併記す
る。
合成例14 撹拌棒、温度計、及び滴下ロートを取付けた反応フラ
スコ内にBTDA6.47g(0.02モル)、及びN−メチル−2
−ピロリドン20gを仕込み十分に撹拌して5℃まで冷却
した。つづいて、前記反応フラスコ内を5℃に保持しな
がら6F・AH 14.67g(0.04モル)、及びODA 0.801g(0.0
04モル)をN−メチル−2−ピロリドン50gに溶解した
液を滴下ロートから徐々に滴下した後、重合温度5℃で
3時間撹拌した。ひきつづいて、プロピレンオキオキシ
ド3.0gを添加し、更にIPC 4.873g(0.024モル)をN−
メチル−2−ピロリドン15gに溶解した液を除々に供給
した後、重合温度5℃で8時間撹拌してポリアミド・ア
ミド酸を製造した。得られたポリアミド・アミド酸の固
有粘度(0.5g/100ml N−メチル−2−ピロリドン、温度
30℃)を測定した。その結果を下記第8表に併記する。
合成例15 合成例9で用いたプロピレンオキサイドに代えてトリ
チルアミン4.9gを用いた以外、合成例9と同様に行なっ
た。その結果を下記第8表に併記する。
第8表より明らかなように合成例6〜13のポリアミド
イミド酸は、合成例14,15のポリアミドイミド酸と比べ
ると固有粘度が高く、かつゲル化も無く、十分に高重合
度化された線状の高分子体であるのがわかる。これは、
合成例6〜13では、溶液重合時での有機溶媒としてジオ
キサン又はテトラヒドロフランを用い、かつ副生する無
機酸の捕捉剤として酸化アルキレン(プロピレンオキサ
イド)を用いたことによるものである。
[発明の効果〕 以上詳述した如く、本発明によれば半導体基板表面の
無機材料からなる保護膜及び封止樹脂との密着性、並び
に耐熱性に優れ、しかも露光感度に優れ、シャープなレ
リーフパターンを有する素子保護膜を形成できる感光性
組成物を提供することができる。また、かかる感光性組
成物を用いて半導体基板表面の無機材料からなる第1の
保護膜上に第2の保護膜を形成し、更に封止樹脂材料を
用いて封止することにより、製造が容易で、耐湿信頼性
に優れた樹脂封止型半導体装置を提供することができ
る。更に、本発明に係る別の発明は、ゲル化することな
く十分に高重合度化したポリアミド・アミド酸を製造し
得る方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真竹 茂 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭64−6947(JP,A) 特開 昭55−9539(JP,A) 特開 昭63−96162(JP,A) 特開 昭57−64955(JP,A) 特開 昭64−60630(JP,A) 特開 昭63−317554(JP,A) 特開 平2−639(JP,A) 特公 平1−46862(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/037 G03F 7/022 G03F 7/039 C08G 73/14 C08L 79/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 OCHN-A-NHCO-B …(I) (ただし、式中、Aは少なくとも1つの水酸基を有する
    ベンゼン環を2つ以上含む二価の有機基を示し、Bは二
    価の有機基を示す)で表わされる構造単位(I)と、一
    般式 (ただし、式中、Eは二価の有機基を示し、Gは四価の
    有機基を示す)で表わされる構造単位(II)とからな
    り、前記構造単位(I)を0.1〜99.9モル%含むポリア
    ミドイミド、及び感光剤を含有することを特徴とする感
    光性組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の感光性組成物を用いて半導
    体基板表面の無機材料からなる第1の保護膜上に第2の
    保護膜を形成し、更に封止樹脂材料を用いて封止したこ
    とを特徴とする樹脂封止型半導体装置。
  3. 【請求項3】一般式 H2N‐A-NH2 …(I−a) (ただし、式中、Aは少なくとも1つの水酸基を有する
    ベンゼン環を2つ以上含む二価の有機基を示す)で表わ
    されるジアミン、一般式 Cl OC-B-COCl …(I−b) (ただし、式中、Bは二価の有機基を示す)で表わされ
    るジカルボン酸ジクロリド、一般式 H2N‐E-NH2 …(II-a) (ただし、式中、Eは二価の有機基を示す)で表わされ
    るジアミン、及び一般式 (ただし、式中、Gは四価の有機基を示す)で表わされ
    るテトラカルボン酸二無水物を合成原料とし、ジオキサ
    ン又はテトラヒドロフランの溶媒下で溶液重合反応させ
    て、一般式 OCHN-A-NHCO-B …(I) (ただし、式中、Aは少なくとも1つの水酸基を有する
    ベンゼン環を2つ以上含む二価の有機基を示し、Bは二
    価の有機基を示す)で表わされる構造単位(I)と、一
    般式 (ただし、式中、Eは二価の有機基を示し、Gは四価の
    有機基を示す)で表わされる構造単位(III)とを有す
    るポリアミド・アミド酸を合成し、かつ副生する無機酸
    の捕捉剤として酸化アルキレンを用いることを特徴とす
    るポリアミド・アミド酸の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8236906B2 (en) 2006-03-22 2012-08-07 Hitachi Chemical Company, Ltd. Polyamide-imide resin, process for production of polyamide resin, and curable resin composition
KR20190139778A (ko) * 2018-06-08 2019-12-18 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 폴리아미드이미드계 수지의 제조 방법

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KR102104016B1 (ko) 2018-06-08 2020-04-23 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 폴리아미드이미드계 수지의 제조 방법

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