JP2899608B2 - 成形用ゼオライト混練組成物及びゼオライト成形物 - Google Patents
成形用ゼオライト混練組成物及びゼオライト成形物Info
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Description
混練組成物、かかる組成物を成形してなるゼオライト成
形物、及びかかる成形物を焼成してなるゼオライト成形
焼結物に関し、詳しくは、ゼオライトに水系にて可塑成
形性を付与せしめた成形用ゼオライト混練組成物、及び
これを用いて得られるゼオライト成形物及びゼオライト
成形焼結物に関する。
状、例えば、球状、柱状、粒状、ハニカム状等の形状を
付与して、種々の用途に用いられる。しかしながら、ゼ
オライト粉末は、それ自体は全く可塑性を有さず、これ
を水と練合しても、粘土のような可塑物を得ることがで
きない。更に、ゼオライト粉末は、焼結性をもたない。
し、焼成するには、可塑性と焼結性とを付与するため
に、一般的には、天然粘土やベントナイト、カオリン、
コロイダルシリカ等の無機質結合剤や、セルロース系の
有機質結合剤が配合されて、可塑成形され、焼結されて
いる。例えば、特開昭48−39399号公報には、有
機結合剤として、結晶性セルロースを用いることが記載
されている。また、特開昭59−26923号公報や特
開昭2−6846号公報には、ゼオライト粉末に天然粘
土、ベントナイト、カオリン、コロイダルシリカ等の無
機質結合剤や、結晶性セルロースのような有機質結合剤
を水と共に配合して、水系の組成物を得、これを成形
し、乾燥し、焼成して、ペレツト状の成形焼成物を得る
方法が記載されている。
ば、天然粘土を可塑化剤として用いる場合は、天然粘土
を比較的多量に用いる必要があり、従つて、成形物中に
残存する多量の天然粘土によつて、成形物の単位重量当
りのゼオライトの特性、例えば、吸着能力がゼオライト
粉末自体に比べて大幅に低下し、更に、粘土の微粒子が
ゼオライト粉末の微孔を閉塞して、ゼオライトの吸着能
力等を一層低下させる場合もある。
形焼成物については、工業的に実用し得る機械的強度を
確保するために、ゼオライト粉末に無機質又は有機質結
合剤と共に、強化材として、無機質繊維類を配合し、こ
のようにし得られる組成物を成形し、乾燥し、焼成し
て、焼成時のひび割れ発生を防止しつつ、ハニカム構造
を有するゼオライト成形焼結物を得る方法が特開昭61
−171539号公報に記載されている。しかし、この
方法においても、ひび割れの発生を十分に防止すること
ができないのみなざる、ゼオライト粉末に対して5〜3
0重量%の無機質繊維類を用いるので、このような無機
質繊維類によつて、焼結物においては、ゼオライト粉末
がいわば希釈されていて、ゼオライト粉末がいわば希釈
されていて、ゼオライトの望ましい特性、例えば、吸着
能力を低下させることとなる。
成形し、焼成して、成形物を製造するに際して、多糖類
の一種であるプルランを粘結剤として用いることが特開
昭53−6309号公報に記載されている。同様に、ア
ルミナや酸化チタン等のようなセラミツク粉末を成形
し、熱処理して、成形物を製造するに際しては、スクシ
ノグリカンを含む天然多糖類を用いることが特開昭和6
4−65066号公報に記載されている。しかし、従
来、吸着剤として有用なゼオライト粉末については、有
効な生計助剤、特に、その成形、乾燥、焼成の過程を通
して、成形物を十分な強度を与え得る成形助剤は、知ら
れていない。
イト粉末の可塑成形における上記した問題を解決するた
めに鋭意研究した結果、ゼオライト粉末に少量のβ−1,
3−グルカンを加えることによつて、水系にて可塑成形
性を有する成形用ゼオライト混練組成物を得ることがで
き、更に、かかる組成物に予め焼結剤を配合しておくこ
とによつて、上記混練組成物を成形し、乾燥し、焼成す
ることによつて、ひび割れなく、強度及び寸法精度にす
ぐれるゼオライト成形焼結物を容易に得ることができる
ことを見出して、本発明に至つたものである。
イト粉末に水系にて可塑成形性を有せしめてなる成形用
ゼオライト混練組成物、及びかかる組成物を成形し、乾
燥又は焼成してなるゼオライト成形物を提供することを
目的とする。
ライト混練組成物は、ゼオライト粉末にβ−1,3−グル
カンを含有させてなることを特徴とする。本発明におい
て、かかる成形用ゼオライト混練組成物は、例えば、含
水粘土のように、ゼオライト粉末及びβ−1,3−グルカ
ンと共に、これらに可塑性を付与するに足る量の水を含
む可塑成形性を有する固体を意味する。また、本発明に
よるゼオライト成形物は、かかる組成物を可塑成形して
得られる。
天然ゼオライト粉末であつてもよく、合成ゼオライト粉
末であつてもよい。合成ゼオライトとしては、例えば、
A型、X型、Y型、ハイシリカ型等いずれの型のほか、
Si/Al原子比や構造の異なるもの、また、他元素か
ら構成されるゼオライト等、いずれでもよい。これら
は、単独にて、又は2種以上の混合物として用いれら
る。これらゼオライト粉末は、その粒度が比較的小さ
く、且つ、適当な分布を有していることが望ましく、特
に、10μm以下の粒度を有することが好ましい。最も
好ましい粒度は、5μm以下である。
性付与剤又は第1の成形助剤として、天然起源の多糖類
の一種であるβ−1,3−グルカンが用いられる。β−1,
3−グルカンは、グルコースが主にβ−1,3−結合によ
つて結合されているグルカンであつて、具体的には、カ
ードラン、ラミナラン、パラミロン、カロース、パキマ
ン等が用いられる。これらβ−1,3−グルカンのなかで
は微生物起源のβ−1,3−グルカンが好ましく、従つ
て、カードランやパラミロン等が好ましく用いられ、特
に、カードランが最も好ましく用いられる。これらは、
いずれも、少量の使用にて、ゼオライト粉末に高い可塑
性を与える。
y,第20巻第10号第49〜57頁(1978年)に記
載されているように、β−1,3−グルコシド結合を主体
として、通常、加熱凝固性を有する多糖類、即ち、水分
の存在下で加熱することによつて、凝固する(ゲルを形
成する)性質を有する多糖類である。かかる多糖類とし
て、例えば、アルカリゲネス属又はアグロバクテリウム
属の微生物によつて生産される多糖類が挙げられる。具
体的には、アルカリゲネス・フエカリス・バール・ミク
ソゲネス菌株10C3Kによつて生産される多糖類(ア
グリカルチユラル・バイオロジカル・ケミストリー(Ag
ricultural Biological Chemistry)、第30巻第196
頁(1966年))や、或いはアルカリゲネス・フエカ
リス・バール・ミクソゲネス菌株10C3Kの変異株T
NK−u(IFO 13140)によつて生産される多
糖類(特公昭48−32673号)、アグロバクテリウ
ム・ラジオバクター(IFO 13127)及びその変
異株U−19(IFO 12126)によつて生産され
る多糖類(特公昭48−32674号)等を用いること
ができる。
よつて生産される多糖類であるが、本発明においては、
これは未精製のままにて用いてもよく、或いは必要に応
じて、高度に精製して用いてもよい。パラミロンも、既
に述べたように、β−1,3−グルカンの1種であつて、
微生物であるユーグレナ(Euglena)が細胞内に蓄積する
貯蔵多糖の1種である。このようなパラミロンは、例え
ば、Carbohydrate Research, 25, 231-242 (1979) や、
特開平1−37297号公報等によつて既に知られてい
る。しかし、カードランと異なつて、パラミロンノ粉末
は、加熱凝固性をもたないので、加熱凝固性をもたせる
ために、必要に応じて、アルカリ処理してもよい。
未精製のままにて用いてもよく、或いは必要に応じて、
高度に精製して用いてもよい。同様に、その他のβ−1,
3−グルカンも、未精製のままにて用いてもよく、或い
は必要に応じて、高度に精製して用いてもよい。特に、
本発明においては、β−1,3−グルカンのなかでも、加
熱凝固性を有するカードランや、アルカリ処理したパラ
ミロン等が最も好ましく用いられる。このような熱凝固
性を有するβ−1,3−グルカンを可塑性付与剤として用
いることによつて、ゼオライトを成形、乾燥、焼成する
過程において、十分な成形強度を得ることができる。前
述したプルランやスクシノグリカンは、かかる熱凝固性
をもたない。
においては、これらβ−1,3−グルカンは、単独にて、
又は2種以上の混合物として、ゼオライト粉末100重
量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは、
0.5〜10重量部の範囲で用いられる。以上のように、
本発明によれば、前述したようなβ−1,3−グルカン
は、本来、成形可塑性をもたないゼオライト粉末に成形
可塑性を付与するために本質的に必要とされるものであ
る。本発明においては、β−1,3−グルカンを第1の成
形助剤とし、これと共に第2の成形助剤を併用すること
によつて、ゼオライト粉末に一層高い可塑成形性を付与
することができ、これを成形し、乾燥し、必要に応じ
て、焼成することによつて、一層強度にすぐれる成形物
を得ることができる。
ライト粉末や、必要とされるゼオライト成形物の諸性質
に合わせて用いられるものであつて、通常の成形助剤が
用いられる。従つて、かかる第2の成形助剤としては、
例えば、セルロース系化合物、多価ヒドロキシ化合物、
又はポリビニル重合体が好ましく用いられる。上記セル
ロース系化合物としては、例えば、メチルセルロース、
エチルセルロース、カルボキシメメチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等を挙げ
ることができる。
グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル等のアルキレングリコールや、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレ
ングリコール等を挙げることができる。また、ポリビニ
ル重合体としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリ
ル酸塩、例えば、ポリアクリル酸アンモニウム、アクリ
ル酸−マレイン酸共重合体、そのアンモニウム塩等を挙
げることができる。ポリアクリル酸樹脂は架橋されてい
てもよい。かかる架橋型ポリアクリル酸樹脂は既に知ら
れており、市販品として入手することができる。
種々の有機物を用いることができ、例えば、カルボキシ
ルメチルスターチ、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸
アンモニウム等も、第2の成形助剤として好ましく用い
ることができる。これらの第2の成形助剤は、単独にて
用いてもよいが、2種以上の混合物として用いることも
できる。第2の成形助剤は、ゼオライト粉末100重量
部に対して、通常、(2種以上の混合物が用いられると
きは、その総量として)約1〜50重量部、好ましく
は、約5〜約30重量部の範囲で用いられる。
成形助剤として、種々のものが用いられるが、なかで
も、メチルセルロース系成形助剤、例えば、メチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルメチルセルロース等が好ましく用いられる。
特に、本発明によれば、第1の成形助剤として、前述し
たような熱凝固性を有する前記β−1,3−グルカン、特
に、カードランやアルカリ処理したパラミロンと、第2
の成形助剤として、上記メチルセルロース系成形助剤と
を併用するとき、成形性にすぐれるゼオライト混練組成
物を得ることができ、しかも、後述するように、組成物
を成形した後、この成形物におけるこれら熱凝固性β−
1,3−グルカンを熱凝固させた後、乾燥することによつ
て、ひび割れなく、高強度の成形物を得ることができ
る。
組成物を成形し、乾燥した後、焼成することによつて、
強度が著しく大きく焼結成形物を得ることができる。
尚、前述したような有機質の第2の成形錠剤は、このよ
うに、ゼオライト成形物を焼成するとき、ゼオライト成
形物から揮散し、除去されるので、ゼオライト成形焼結
物には残存しない。
て、本発明においては、必要に応じて、焼成後の強度保
持のために、好ましくは、焼結剤が用いられる。このよ
うな焼結剤としては、例えば、木節粘土や蛙目粘土等の
ような粘土鉱物や、カオリンや、ハロイサイト、ベント
ナイト(例えば、水澤化学工業(株)製ベンクレイ)、
酸性白土、セピオライト等の天然粘土鉱物や、合成スメ
クタイト(例えば、水澤化学工業(株)製イオナイ
ト)、合成カオリン等の人工粘土鉱物、水酸化アルミニ
ウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛、シリカ、マグネシウ
ム等の無機酸化物又は水酸化物粉体を挙げることができ
る。
混合物として用いられる。焼結剤は、ゼオライト粉末1
00重量部に対して、通常、(2種以上の混合物が用い
られる場合は、その総量として)約10〜60重量部、
好ましくは、約20〜45重量部の範囲で用いられる。
焼成温度は、特に限定されるものではないが、通常、5
00〜800℃の範囲が好ましい。このように、ゼオラ
イト組成物の焼結剤と共に焼成することによつて、本
来、焼結性のないゼオライトは、相互に強固に結合さ
れ、かくして、強度の大きいゼオライト成形焼結物を与
える。
ポリエチレングリコールのアルキルエーテル、潤滑剤と
して知られている界面活性剤、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の
滑材等を適宜にゼオライト混練組成物に含有させてもよ
い。本発明において、成形物ゼオライト混練組成物の調
製方法は、特に、限定されるものではない。例えば、前
記した第1の成形助剤としてのβ−1,3−グルカンと必
要に応じて第2の成形助剤や焼結剤とを粉体状のまま、
ゼオライト粉末に加え、又はβ−1,3−グルカンと必要
に応じて第2の成形助剤とを予め水や、或いはメタノー
ル、エタノール等のような水溶性の有機溶剤の少量に溶
解させ、これをゼオライト粉末と焼結剤との混合物に加
え、この後、β−1,3−グルカン、第2の成形助剤、焼
結剤等が偏在しないように十分に混合し、均一な混合物
とし、次いで、得られた混合物に適当量の水を加え、十
分に混練して、可塑成形に適した混練組成物とすること
ができる。但し、β−1,3−グルカンと第2の成形助剤
とを別々にゼオライト粉末に混合してもよい。
成物を例えば押出成形法に従つて所要形状に成形し、例
えば、室温乃至110℃にて乾燥し、更に必要に応じ
て、焼成することによつて、本発明によるゼオライト成
形物又は焼結物を得ることができる。焼成は、前述した
ように、通常、500〜800℃、好ましくは、550
〜700℃の範囲の温度で行なわれる。
は、任意形状であつてよく、例えば、粒状物、球状物、
丸棒、角棒、中空管、薄板、シート、フイルム、ハニカ
ム等を挙げることができる。特に、本発明のゼオライト
組成物によれば、ハニカム構造物のような複雑な形状の
成形物を容易に得ることができる。本発明においては、
混練によつて得られた水分を含有するゼオライト組成物
を成形した後、この成形物を乾燥させるに際して、成形
物を水分の存在下に加熱して、前記熱凝固性β−1,3−
グルカンを熱凝固させ、この後、乾燥するのが好まし
い。一般的には、成形物が含有する水分の自由蒸発を抑
制しつつ、必要に応じて、付加的な水分の存在下、成形
物を加熱することによつて、前記熱凝固性β−1,3−グ
ルカンを凝固させることができる。より具体的には、マ
イクロウエーブによる加熱、飽和水蒸気雰囲気下での加
熱、密閉容器中での加熱等によることができる。
固させる温度は、用いるβ−1,3−グルカンにもよる
が、通常は、70〜150℃の範囲がよい。加熱時間
は、通常、0.5〜12時間の範囲で十分である。このよ
うに、成形物に含まれる熱凝固性β−1,3−グルカンを
凝固させることによつて、成形物に強度を付与すること
ができ、かくして、この後に成形物を乾燥されるとき、
成形物にひび割れ等が生じない。
せた後の成形物の乾燥は、通常の乾燥方法によればよ
く、高温下に静置し、熱風乾燥し、或いは低温で乾燥さ
せる等によることができる。
物は、ゼオライト粉末に少量のβ−1,3−グルカンとこ
れらに可塑性を付与するに足る量の水を含有させてなる
ものであつて、すぐれた可塑成形性を有し、例えば、押
出成形によつて、所要形状に成形することができ、これ
を乾燥し、必要に応じて、焼成することによつて、強度
及び寸法制度にすぐれるゼオライト成形組成物を得るこ
とができる。
るβ−1,3−グルカンを可塑性付与剤として用いること
によつて、ゼオライトの成形、乾燥、焼成の過程におい
て、十分な成形強度を得ることができる。更に、本発明
による成形用ゼオライト混練組成物を用いることによつ
て、従来、困難であつたハニカム構造物のような複雑な
形状を有する成形物を押出成形法によつて容易に得るこ
とができ、かかる成形物を焼成することによつて、ゼオ
ライトのハニカム構造焼成物を得ることができる。
ス、天然ガス、六フツ化イオウガスの脱水、PSA方式
による酸素発生装置における窒素の吸着や空気分離装置
における二酸化炭素や水の吸着、燃焼ガス中の二酸化炭
素や水の吸着、冷蔵庫、カークーラー、空調設備等にお
ける冷媒の脱水、積層ガラスにおける湿気除去、エアー
ブレーキの乾燥剤、溶剤類の脱水乾燥のほか、自動車や
コージエネレーシヨンプラント等から排出される窒素酸
化物の分解触媒、炭酸ガスの固定化用吸着剤、フロンガ
スの分解触媒等として好適に用いることができる。
練組成物の調製において、成形助剤としてのβ−1,3−
グルカンや第2の成形助剤の使用量が少ないので、成形
後の焼成による強度低下が少なく、強度にすぐれ、更
に、一定容量を吸着筒に容易に充填することができ、し
かも、ゼオライト粒子が相互に接触して摩耗することが
なく、また、流体の圧損も低いので、乾燥剤や触媒、そ
の担体等として好適に用いることができる。
本発明は、何らこれら実施例に限定されるものではな
い。また、カードランの生産及び精製を参考例とし示
す。 参考例 特公昭48−32673号に記載されている方法に従つ
て、発酵液をアルカリ処理し、遠心分離し、次いで、酸
にて中和して、カードラン溶液を得た。このカードラン
溶液を脱塩濃縮し、スプレードライヤーにて乾燥、濃縮
して、カードランを得た。 実施例1 A型合成ゼオライト粉末(水澤化学工業(株)製シルト
ンB、4Aタイプ)700gに焼結剤としてベントナイ
ト粉末(水澤化学工業(株)製ベンクレイ)50g及び
ハロイサイト粉末250gを加え、更に、カードラン
(武田薬品工業(株)製)12.5g及び成形助剤として
メチルセルロース(2重量%水溶液の20℃における粘
度約28000センチポイズ)37.5gを加え、この混合物
を卓上二軸混練機で約1時間、乾式混合した。
え、減圧下(約100〜700mmHg)に約1時間、混練
した。この混練において、混練機のジヤケツトには10
℃の冷水を循環させ、混練物を冷却した。このようにし
て得られた混練物をポリエチレン袋に入れ、約3〜5日
間、室温乃至40℃で熟成した。次に、これを押出成形
機(本田鉄工社製DE−35型)に装填し、減圧下に混
練して、成形用ゼオライト混練組成物を得た。
機に装着し、これを用いて、上記混練組成物を外径30
mm、セル数160個/平方インチのハニカム構造体に成
形した。これを長さ20cmに切断して、密閉容器内に置
き、115℃の乾燥機内の約2時間加熱し、カードラン
を凝固させた。次いで、この成形体を容器から取出し、
乾燥機内にて115℃で一夜、放置乾燥した。この後、
得られた乾燥成形物を電気炉に入れ、700℃で2時間
焼成して、ゼオライトの焼結ハニカム構造体を得た。
及び得られた成形物を焼成して得たゼオライトの焼成ハ
ニカム構造体について、それぞれひび割れの有無を調べ
た。結果を表1及び表2に示す。尚、上記焼成物におけ
るひび割れ発生の有無は、以下のようにして評価した。
即ち、成形物を電気炉内で700℃で24時間焼成した
後、これを電気炉から取り出し、α−アルミナ粉末上、
大気中、室温下に24時間放置し、自然冷却させた。そ
の後、得られた焼結物を目視にて観察し、吸湿によるひ
び割れ発生の有無を判定した。 実施例2 パラミロン粉末200gを1N水酸化ナトリウム水溶液
20リツトル中に攪拌下に溶解させた後、これに4N塩
酸を加え、pH6.0に調整して、β−1,3−グルカンを中
和析出させた。得られた中和液をトミー遠心分離機(8
000rpm×10分)にて濃縮し、水20リットルを加
えて、再び、スラリーとした。
つて濃縮し、ペースト5Kgを得た。これを−20℃に凍
結し、2倍量のエタノールを加えて凍結し、真空下で吸
引濾過して、脱水物800gを得た。この脱水物を60
℃で真空乾燥して、熱凝固性を有するパラミロン粉末約
180gを得た。実施例1と同じハニカム成形におい
て、カードランに代えて、上記パラミロン粉末12.5g
を得た。以外は、実施例1と同様にして、ゼオライトの
焼結ハニカム構造体を得た。
及び得られた成形物を焼成して得たゼオライトの焼結ハ
ニカム構造体について、それぞれひび割れの有無を調べ
た。結果を表1及び表2に示す。 実施例3 実施例1と同様にして、成形用ゼオライト混練組成物を
調整した。次に、薄板成形用金型を前記と同じ押出成形
機に装着し、これを用いて、上記組成物を肉厚3mm、幅
30mmの薄板成形物を押出成形した。
密閉容器内に置き、115℃で1時間加熱し、カードラ
ンを凝固させた。次いで、この成形物を容器から取り出
し、乾燥機内で115℃で12時間乾燥した後、電気炉
内で700℃で2時間焼成して、ゼオライトの板状焼結
物を得た。前記成形用ゼオライト混練組成物の成形性及
び得られた成形物を焼成して得たゼオライトの板状焼結
物について、それぞれひび割れの有無を調べた。結果を
表1及び表2に示す。 実施例4〜10 表1及び表2に示すように、種々のゼオライト粉末、可
塑性付与剤、成形助剤及び焼結剤を用いて、混練組成物
を調製し、実施例1と同様にして、ゼオライトからなる
焼結ハニカム構造体を得た。
及び得られた成形物を焼成して得たゼオライトの板状焼
結物について、それぞれひび割れの有無を調べた。結果
を表1及び表2に示す。
の種々の物性を球状ゼオライトと比較して示すものであ
る。 圧壊強度 実施例4に示す組成の成形用ゼオライト混練物を実施例
1と同様にして調製し、これを実施例1と同様にして乾
燥、焼成して、径8mm及び30mm、セル数、それぞれ3
00個/平方インチのハニカム構造体を得た。これらに
ついて、卓上荷重測定器(アイコウエンジニアリング
(株)製モデル1310D)にて荷重速度10mm/分に
て圧壊強度を測定した。圧壊強度は、径8mmのハニカム
構造体が3.47Kg(10回の平均値)、径30mmのハニ
カム構造体が11.20Kg(5回の平均値)であつた。 水平吸着容量 また、上で得たハニカム構造体を250℃で3時間乾燥
させた後、水分吸着容量をJIS K 1464に準じ
て20℃にて測定した。結果を表3に示す。
m、長さ70mmの銅パイプ内に装填し、両開口端を多孔
性フイルムで封止した。n−ヘキサン60mlを入れた容
量100mlの瓶の中に上記パイプを固定し、この瓶を遊
星ボールミルに据え付け、ポツト回転数570rpm、デ
イスク回転数265rpm で2時間回転させて、摩耗試験
を行なつた。
造体を代えて、4/6メツシユの球状ゼオライト(4
A)を用いた以外は、同様にして摩耗試験を行なつた。
この試験の後、試料を115℃で乾燥し、重量減少率か
ら摩耗度を求めたところ、重量減少率は、ハニカム構造
体が0%、球状ゼオライトが1.9%であつた。また、別
の方法として、試験後のn−ヘキサンの濁度を600n
mの光透過率にて測定し、耐摩耗性を評価したところ、
n−ヘキサンの上記光透過率は、ハニカム構造体を試験
したn−ヘキサンは98.6%、球状ゼオライトを試験し
たn−ヘキサンは82.4%であつて、ハニカム構造体が
耐摩耗性にすぐれることが理解される。 アセトンの脱水試験 径31mm、長さ30mm、容量22.63mlのカラムに18
0℃で2時間乾燥した径30mmのハニカム構造体11,8
7gを充填し、これに200mlのセトン(和光純薬工
業(株)試薬特許)を下降流にて90ml/時(SV:4.
0リットル/時、LV:11.9m/時)の割合で循環し
て6時間にわたつて通液した。アセトン中の水分をカー
ルフイツシヤー法にて所定時間ごとに測定し、これによ
りハニカム構造体の水分吸着速度と吸着容量を求めた。
結果を表4に示す。
4/6メツシユの球状ゼオライト(4A)、17.35g
を用いた以外は、同様にして、球状ゼオライトの水分吸
着速度と吸着容量を求めた。結果を表4に示す。
は、重量基準の水分吸着量にすぐれることが理解され
る。
Claims (12)
- 【請求項1】ゼオライト粉末とβ−1,3−グルカンとを
含有することを特徴とする成形用ゼオライト混練組成
物。 - 【請求項2】ゼオライト粉末100重量部に対して、β
−1,3−グルカン0.1〜20重量部を含有することを特
徴とする請求項1記載の成形用ゼオライト混練組成物。 - 【請求項3】ゼオライト粉末が10μm以下の平均粒子
径を有することを特徴とする請求項1記載の成形用ゼオ
ライト混練組成物。 - 【請求項4】β−1,3−グルカンがカードランであるこ
とを特徴とする請求項1記載の成形用ゼオライト混練組
成物。 - 【請求項5】β−1,3−グルカンがパラミロンであるこ
とを特徴とする請求項1記載の成形用ゼオライト混練組
成物。 - 【請求項6】ゼオライト粉末とβ−1,3−グルカンを含
有する水性の混練組成物を成形してなることを特徴とす
るゼオライト成形物。 - 【請求項7】ゼオライト粉末100重量部に対して、β
−1,3−グルカン0.1〜20重量部を含有することを特
徴とする請求項6記載のゼオライト成形物。 - 【請求項8】ゼオライト粉末が10μm以下の平均粒子
径を有することを特徴とする請求項6記載のゼオライト
成形物。 - 【請求項9】β−1,3−グルカンがカードランであるこ
とを特徴とする請求項6記載のゼオライト成形物。 - 【請求項10】β−1,3−グルカンがパラミロンである
ことを特徴とする請求項6記載のゼオライト成形物。 - 【請求項11】成形物がハニカム構造物であることを特
徴とする請求項6記載のゼオライト成形物。 - 【請求項12】ゼオライト粉末とβ−1,3−グルカンと
焼結剤とを含有する成形物を焼成してなることを特徴と
するゼオライト成形焼成物。
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---|---|---|---|
JP3000272A JP2899608B2 (ja) | 1990-03-17 | 1991-01-07 | 成形用ゼオライト混練組成物及びゼオライト成形物 |
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AT91916539T ATE130831T1 (de) | 1991-01-07 | 1991-09-13 | Verfahren zur formgebung und zum brennen von zeolith-pulver. |
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JP6751990 | 1990-03-17 | ||
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WO2024038985A1 (ko) * | 2022-08-19 | 2024-02-22 | 주식회사 이엠텍 | 고강도 세라믹 입자의 제조 방법 및 버나드 셀 현상을 이용한 에어로졸 발생장치용 마이크로 다공성 구형 입자의 제조 방법 |
-
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- 1991-01-07 JP JP3000272A patent/JP2899608B2/ja not_active Expired - Fee Related
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