JP3943179B2 - 活性炭電極およびその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気二重層コンデンサ電極およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層コンデンサは、固体の分極性電極と電解液の界面に生じる電気二重層を利用したコンデンサであり、静電容量が電池と比べて非常に大きく、かつ充放電サイクル特性や急速充電にも優れ、また維持管理不要で、環境汚染を招く恐れもないため、マイコンやICメモリの小型バックアップ電源として最近特に注目されている。この電気二重層コンデンサにおける上記固体の分極性電極としては、通常粉末状活性炭もしくは繊維状活性炭が用いられている。
電気二重層コンデンサに用いられる電解液は、これまで有機溶媒系と水溶液系に大別されてきたが、最近では固体電解液も使用されるようになってきた。有機溶媒系は耐電圧が高いため小型化に有利であり、また外装に金属を用いることもできる。水溶液系では電解液の導電率が高いために低等価直列抵抗(ESR)化に向いており、湿度に影響されず環境特性に優れるという特長を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電気二重層コンデンサ用の電極として繊維状活性炭を用いる場合には、粉末状活性炭に比べ充填密度が低く、内部抵抗も大きいという課題がある。一方、粉末状活性炭を用いる場合は通常電解質の溶液と混合し、スラリー状のペーストにしてコンデンサに組み込んでいるが、充填密度を上げるためには加圧しながら密封する必要があるので、コンデンサ製造プロセスが複雑になり、また電極のハンドリング性が悪いという問題がある。
そこで粉末活性炭に結合剤を添加してシート状に成形する方法が提案されている(特開平6−97004号、特開平5−043348号)。しかし、電気二重層コンデンサをたとえば電気自動車の主または補助電源として利用するには瞬時に大電流を放電しうることが必要となるが、これまでに提案されてものはいずれも大電流放電時の静電容量が不充分であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、瞬時に大電流を放電することができ、取り扱いが容易で、耐衝撃性にも優れる成形された活性炭電極を得るため、活性炭原料の種類、補助原料や成形用助剤の使用とその種類、成形後の熱処理条件などにつき鋭意研究を重ねた。その結果、粉末活性炭、塩化ビニリデン重合体および焼成により熱分解してマクロポア形成する有機材料、必要によりさら成形助剤を加えた混合物を成形し、その成形物を焼成することにより得られる活性炭電極が、イオン移動に最適のマクロポアを有し瞬時に大電流の放電を可能にすることを知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。すなわち本発明は、
(1)活性炭、塩化ビニリデン重合体および/または塩化ビニリデン共重合体、および焼成により熱分解してマクロポアを形成する他の有機材料を含有する電極用原料成形物を焼成して得られ、マクロポアの細孔径ピークが11,000〜45,000オングストロームの間にあり、30オングストローム以上の細孔径を有する細孔総容積が0.69〜0.93ml/gであるシート状の電気二重層コンデンサ電極、
(2)他の有機材料が130℃未満では溶融、熱分解または昇華せず、水に対する溶解度が2w/w%(25℃)以下のものである(1)記載の電気二重層コンデンサ電極、
(3)他の有機材料が分子量1 , 000以上の高分子化合物である(2)記載の電気二重層コンデンサ電極、
(4)高分子化合物が熱可塑性樹脂である(3)記載の電気二重層コンデンサ電極、
(5)他の有機材料がカルボン酸、その酸無水物、塩またはエステルである(2)記載の電気二重層コンデンサ電極、
(6)電極用原料成形物が無水物として活性炭5〜90重量%、塩化ビニリデン単量体由来の部分構造5〜90重量%および他の有機材料3〜50重量%含有するものである(1)記載の電気二重層コンデンサ電極、
(7)電極用原料成形物中に成形用助剤が配合された(1)記載の電気二重層コンデンサ電極、
(8)電極用成形物中に成形用助剤が無水物として0 . 5〜50重量%配合された(7)記載の電気二重層コンデンサ電極、
(9)成形用助剤が多糖類である(7)または(8)記載の電気二重層コンデンサ電極、
(10)多糖類がβ−1 , 3−グルカンである(9)記載の電気二重層コンデンサ電極、
(11)焼成が500〜1 , 200℃で行われた(1)記載の電気二重層コンデンサ電極、
(12)活性炭、塩化ビニリデン重合体および焼成により熱分解してマクロポアを形成する他の有機材料を含有する電極用原料成形物をシート状に成形し、500〜1 , 200℃で焼成するマクロポアの細孔径ピークが11,000〜45,000オングストロームの間にあり、30オングストローム以上の細孔径を有する細孔総容積が0.69〜0.93ml/gである電気二重層コンデンサ電極の製造法、
(13)焼成に先立ち電極用原料組成物を130〜400℃で予備加熱処理する(12)記載の状電気二重層コンデンサ電極の製造法、
(14)電極用原料成形物中に成形用助剤が配合された(12)記載の電気二重層コンデンサ電極の製造法、
である。
【0005】
【発明の実施の態様】
本発明において用いられる活性炭原料としては、通常活性炭原料として用いられる炭素源であれば特に限定されるものではなく、たとえば、木材、木粉、ヤシ殻、パルプ製造時の副産物、バカス、廃糖蜜、泥炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭、石油蒸留残渣成分、石油ピッチ、コークス、コールタールなどの植物系原料や化石系原料、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、レゾルシノール樹脂、セルロイド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの各種合成樹脂、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレンなどの合成ゴム、その他合成木材、合成パルプなどがあげられる。 これらの活性炭原料の中では、ヤシ殻が好適に使用される。
活性炭原料の炭化、賦活方式としては、たとえば固定床方式、移動床方式、流動床方式、スラリー方式、ロータリーキルン方式などのこれまで知られている活性炭の製造方式が挙げられる。炭化方法としては窒素ガス、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、ネオン、一酸化炭素、燃焼排ガスなどの不活性ガスおよびこれらの不活性ガスを主成分とした他のガスとの混合ガスを使用して焼成する方法が挙げられる。
【0006】
賦活化方法としては、水蒸気、塩化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素などの賦活ガスを用いて焼成するガス賦活法や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウムなどアルカリ土類金属の水酸化物、ホウ酸、リン酸、硫酸、塩酸などの無機酸類、塩化亜鉛などの無機塩類の存在下に上述の活性炭原料を賦活するいわゆる薬品賦活法が挙げられる。炭化の温度や時間の条件としては、通常250〜1,200℃、10分〜30時間、好ましくは300〜1,000℃、15分〜25時間、より好ましくは350〜850℃、20分〜20時間である。賦活の温度や時間の条件としては、通常200〜1,200℃、10分〜30時間、好ましくは400〜1,100℃、15分〜25時間、より好ましくは600〜1,000℃、20分〜20時間である。
本発明に用いられる活性炭の比表面積は、液体窒素温度条件下の窒素吸着によるB.E.T.法による測定法で通常500〜4,000m2/g、好ましくは700〜3,000m2/g、より好ましくは900〜2,500m2/gである。活性炭は必要により目的とする粒度に粉砕し、またさらに必要により分級によってその粒度を調整する。本発明の目的にかなう活性炭の粒度はコールターカウンターで測定した中位径が通常0.1〜150μm、好ましくは0.5〜100μm、さらに好ましくは1〜80μmである。
【0007】
本発明に用いられる塩化ビニリデン重合体は、塩化ビニリデンを単独重合させて得られる重合体すなわち塩化ビニリデンのホモポリマーである。
塩化ビニリデン共重合体は、塩化ビニリデン単量体と、他の共重合性単量体との共重合体である。
塩化ビニリデンと共重合する他の共重合性単量体としては、公知のものがいずれも使用できるが、たとえば、塩化ビニル、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテルなどのビニル化合物、アクロニトリル、アクリル酸、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどのアクリル化合物、メタクリル化合物などが代表例として挙げられる。これらの共重合性単量体は、任意に組み合わせて用いることができる。これらの共重合体の中で特に好ましいものは塩化ビニリデンと(メタ)アクリル酸(エステル)との共重合体である。
塩化ビニリデンの共重合反応は自体公知の方法で実施することができる。塩化ビニリデン共重合体を構成する塩化ビニリデン単量体由来の部分構造と、共重合性単量体に由来する部分構造の比率は通常5〜95:95〜5重量%、好ましくは10〜90:90〜10重量%、さらに好ましくは15〜85:85〜15重量%である。
用いられる塩化ビニリデン重合体および/または塩化ビニリデン共重合体は熱や光による劣化防止のための安定剤や酸化防止剤、紫外線吸収剤、成形時の成形性を高めるための助剤、可塑剤、帯電防止剤などとしてこれまで公知のものを必要に応じ適宜混合したものでもよい。重合体の性状は、固状やエマルジョン、サスペンジョン、スラリーなど固体や液体が液体媒体中に分散した形のものを含む液状など、どのような形態でもよく、上述の塩化ビニリデンやその他の共重合成分の1部が重合せずに単量体の状態で残留していたり、また必要に応じてそれらを加えたようなものでもよい。
【0008】
本発明に用いられる焼成により熱分解してマクロポアを形成する塩化ビニリデン重合体以外の有機材料は、焼成によって熱分解し、消失もしくは炭化してその後にマクロポアを形成するようなものである。しかし電極用原料成形物の乾燥時には溶融したり分解したりしないものが好ましい。したがって、本発明の活性炭電極が後述する好ましいマクロポアを有するためには、用いられる有機材料は通常130℃未満では溶融、熱分解または昇華しないものが好ましい。高分子化合物ではガラス転移点を有するものがあるが、本発明においてはこれを融点とはみない。有機材料によっては融点や熱分解点が明確でないものもあるが、そのような場合は熱天秤により材料の重量減少が始まる温度をもって熱分解点とする。この有機材料は電極用原料成形物中に固体、つまり好ましくは一定粒度を有する粒子として存在するものが用いられ、そのためには水に対する溶解度が2w/w%(25℃)以下、好ましくは1w/w%以下、さらに好ましくは0.8w/w%以下のものが用いられる。有機材料の粒度は通常0.1〜200μm、好ましくは0.2〜100μm、さらに好ましくは0.3〜80μmである。
【0009】
有機材料の好ましい例としてはカルボン酸、その塩、エステル、酸無水物が挙げられる。カルボン酸としては、たとえばアジピン酸、スベリン酸などのC4-20の脂肪族飽和二価カルボン酸、たとえばソルビン酸などのC5-20の脂肪族不飽和一価カルボン酸、たとえばフマル酸などのC2-20の脂肪族不飽和二価カルボン酸、たとえばシクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などC5-6のシクロアルキルジカルボン酸、たとえばオルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族二価カルボン酸、たとえばグルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸などが挙げられる。
これらの中ではアジピン酸などの脂肪族飽和二価カルボン酸、フマル酸などの脂肪族不飽和二価カルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族二価カルボン酸が好ましい。
これらのカルボン酸の塩類としては、たとえばナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムなどの三価金属の塩類があげられる。なかでも、シュウ酸カルシウム、酒石酸カルシウム、リンゴ酸カルシウムなどのカルシウム塩が好ましい。
それらの酸のエステルとしてはたとえばメチルエステル、エチルエステルなどC1-6のアルキルエステルや、たとえばフェニルなどのC1-3アルキルフェニルエステルなどがあげられ、カルボン酸が多塩基性酸である場合はモノエステル、ポリエステル、酸無水物の形であってもよい。
有機材料の他の好ましい例は、分子量1,000以上、好ましくは3,000〜500,000、さらに好ましくは5,000〜300,000の高分子化合物である。この高分子化合物としては、例えば、ポエチレン、ポリプロピレンなどの石油系樹脂、例えば塩化ビニル、酢酸ビニルなどのビニル系樹脂、例えばブチラル樹脂などのアセタール樹脂、例えばアクリル酸樹脂、メタアクリル酸樹脂などのアクリル樹脂、例えばポリスチレンなどのスチロール樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂、例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられるが、熱可塑性樹脂の方が好ましい。
【0010】
本発明の電気二重層コンデンサ電極を製造するには、まず活性炭、塩化ビニリデン重合体および/または塩化ビニリデン共重合体、および焼成により熱分解してマクロポアを形成する他の有機材料、必要によりさらに成形用助剤および水や他の溶媒を加えて混合し、混合物を成形して電極用原料成形物とする。この際成形用助剤を加えると、成形物を作る際の成形、加工が容易となり、成形体の強度や密度が向上することがある。成形用助剤としては、従来活性炭やセラミックの成形に用いられているものであればいずれも使用することができるが、たとえば、微生物起源、植物起源、動物起源といった天然起源の多糖類やセルロース系化合物、多価ヒドロキシル化合物、ポリビニル重合体などが挙げられる。天然起源の多糖類とは、その最も普通の意味において理解されるものであって、重合度が約10程度のオリゴ糖から分子量10000以上の高分子量の多糖類を含む。微生物起源の多糖類としては、例えばデキストラン、ジュランガム、キサンタンガム、カードラン、パラミロン、プルラン等を挙げることができる。植物起源の多糖類としては、例えば、ペクチン、アラビノガラクタン等のような抽出多糖、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、タマリンド種子ガム等のような種子多糖、トラガントガム、カラヤゴム、アラビアガム、ガツテイガム等のような流出多糖、カラギーナン等のような紅藻多糖、アルギン酸等のような褐藻多糖、キシラン、ラミナラン等のような構造多糖、コンニャクマンナンのような貯蔵多糖を挙げることができる。また、動物起源の多糖類としては、例えば、キトサンのような構造多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等のようなムコ多糖を挙げることができる。これらの多糖類は、保水性を有することが知られている。
【0011】
上記した天然起源の多糖類のなかでも、グルカン、特に、β−1,3−グルコシド結合を主体とするβ−1,3−グルカンが好ましく用いられる。このようなβ−1,3−グルカンとしては、例えば、カードラン、ラミナラン、パラミロン、カロース、パキマン、スクレログルカン等を挙げることができるが、カードランとパラミロンが特に好ましい。プルランは、α−1,4−及びα−1,6−グルコシド結合を主体とするグルカンであるが、これらも本発明において、好ましく用いることができる。
カードランは、例えば、New Food Industry,第20巻、第10号、第49〜57頁(1978年)に記載されているように、β−1,3−グルコシド結合を主体とし、通常、加熱凝固性を有する多糖類、即ち、水分の存在下で加熱することによって凝固する(ゲルを形成する)性質を有する多糖類である。
パラミロンは、例えば、Carbohydrate Research, 25巻、第231■242頁(1979)によって既に知られている。しかし、カードランと異なってパラミロンの粉末は、加熱凝固性をもたないので、加熱凝固性をもたせるために、必要に応じてアルカリ処理してもよい。このように、アルカリ処理によって熱凝固性が与えられたパラミロンは、本発明における天然多糖類に含まれる。カードラン、パラミロンその他の多糖類は、これを未精製のまま用いてもよく、或いは必要に応じて、高度に精製して用いてもよい。
【0012】
セルロース系化合物としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を挙げることができる。多価ヒドロキシ化合物としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のアルキレングリコールや、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール等を挙げることができる。また、ポリビニル重合体としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリル酸塩、例えば、ポリアクリル酸アンモニウム、アクリル酸−マレイン酸共重合体、そのアンモニウム塩等を挙げることができる。ポリアクリル酸樹脂は架橋されていてもよい。かかる架橋型ポリアクリル酸樹脂は既に知られており、市販品として入手することができる。
成形用助剤としては、上記以外にも、例えば、カルボキシメチルスターチ、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等も好ましく用いることができる。これらの成形用助剤は、単独で用いてもよいが、2種以上の混合物として用いることもできる。
またこれら成形用助剤は、その目的を達成する限り、すなわち焼成により熱分解してマクロポアを形成する限り本発明に用いられる有機材料にも含まれるものである。
【0013】
このように、本発明においては、成形用助剤として、種々のものを用いることができるが、なかでも、熱凝固性を有する多糖類、例えば、カードランやパキマン、或いはアルカリ処理したパラミロン等と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース化合物とを併用するとき、成形性にすぐれる組成物を得ることができ、しかも、後述するように、この成形物における熱凝固性多糖類を熱凝固させた後、乾燥することによって、ひび割れなく、高強度の成形物を得ることができる。
電極用原料成形物中に各成分の配合量についていえば、いずれも無水物として、活性炭が通常5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは15〜70重量%であり、塩化ビニリデン重合体および/または塩化ビニリデン共重合体中の塩化ビニリデン由来構造(すなわち、−C(Cl2)−CH2−で表されるジクロロエチレン構造)の合計重量が、通常5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは15〜70重量%であり、また有機材料が通常3〜50重量%、好ましくは5〜45重量%、さらに好ましくは10〜40重量%である。
本発明において塩化ビニリデン共重合体が用いられる場合は、共重合体中の塩化ビニリデン由来構造を除く他の共重合体由来構造の重量は有機材料の重量とみなされる。しかし原料成形物中の塩化ビニリデン単独重合体は通常5重量%以上、特に10重量%以上含有させておくのがよい。
成形用助剤が使用される場合の使用量は、電極原料成形物に対して無水物として、通常0.5〜50重量%、好ましくは1〜40重量%、さらに好ましくは2〜30重量%である。
【0014】
更に、本発明においては、必要に応じて、ポリエチレングリコールのアルキルエーテル等湿潤剤として知られている界面活性剤や、或いはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の滑剤を成形用組成物に含有させてもよい。
成形用組成物の調製方法は、特に、限定されるものではない。例えば、成形用助剤を粉体状のまま、活性炭粉末および有機材料の混合物に加えてよく混合し、又は必要に応じて成形用助剤を予め水や、或いはメタノール、エタノール等のような水溶性有機溶剤の少量に溶解させ、これを活性炭粉末に加え、成形用助剤が偏在しないように十分に混合する。次いで、得られた混合物に塩化ビニリデン重合体および場合により塩化ビニリデン共重合体を加え、十分に混合して成形用組成物とすることができる。また塩化ビニリデン重合体や共重合体は予め活性炭や有機材料と混合しておいてもよいし、複数の成形用助剤を用いる場合は別々に成形用組成物中に混合してもよい。
このようにして調製した成形用組成物を所望の形に成形する。板状に成形するには、たとえば、押し出し成形法、熱間押し出し成形法、射出成形法、乾式プレス成形法、湿式プレス成形法、鋳込成形法、ドクターブレード成形法、ロール成形法など自体公知の方法で行うことができる。これらの中では押し出し成形法、各種プレス、ロール成形法が低コスト大量生産に適している。
水を使用する成形法の場合、塩化ビニリデン重合体や共重合体はラテックスとして使用するのがよい。特に押し出し成形法ではラテックスが好ましい。
成形物の形状は、電極の内部抵抗が低いシート状に成形するのがよく、その厚みとしては通常0.1〜5mm、好ましくは0.2〜4mm、さらに好ましくは0.3〜3mmである。
【0015】
このようにして得られた成形物を必要により乾燥させるのであるが、成形用助剤として熱凝固性多糖類を用いる場合は、成形物を水分の存在下に加熱して、熱凝固性多糖類を熱凝固させ、この後、乾燥するのが好ましい。一般的には、成形物が含有する水分の自由蒸発を抑制しつつ、必要に応じて、付加的な水分の存在下に成形物を加熱することによって、前記熱凝固性多糖類を凝固させることができる。より具体的には、マイクロウエーブによる加熱、飽和水蒸気雰囲気下での加熱、密閉容器中での加熱等によることができる。このように多糖類を加熱凝固させる温度は、用いる多糖類の種類にもよるが、通常は70〜130℃の範囲がよい。加熱時間は、通常、0.5〜6時間の範囲で十分である。
このように、成形用助剤として熱凝固性多糖類を用いることにより、成形物に強度を付与することができ、この後に成形物を乾燥や熱処理するとき、成形物にひび割れ等が生じない。成形物の乾燥は、通常室温から130℃未満の温度で行なう。
乾燥された成形物は、焼成に先立ち130℃以上400℃以下の温度による予備加熱処理を行うとガスが発生し、その後成形物を焼成炉に移して焼成する時塩酸ガスの発生が殆どないので、酸性ガスによる焼成炉の腐食を防ぐことができるのみならず、後の焼成時の成形物の割れや反りなどを防ぐことができる。さらにこの予備加熱処理により焼成後得られる電極のマクロポアを好ましい細孔径に調節することもできる。この熱処理は酸素雰囲気下、非酸素雰囲気下のいずれで実施してもよい。
【0016】
次に得られた電極用原料成形物を焼成する。この熱処理は通常500〜1,200℃、15分〜25時間、好ましくは600〜1,000℃、20分〜20時間程度行なう。この焼成により本発明の電気二重層コンデンサ用電極とすることができる。この焼成は窒素、アルゴン、ヘリウム、ハロゲン、燃焼排ガス、水蒸気、塩化水素、一酸化炭素、二酸化炭素などのガスの存在下に行ってもよく、また真空中で行ってもよい。これらの中では窒素ガス、燃焼排ガス中で行うのが好ましい。本発明の電気二重層コンデンサ電極においては、原料成形物中の有機物が焼成時熱分解して分解物の揮散によりそのあとに形成されるマクロポアが放電時のイオン移動を著しく改善する。本発明の活性炭電極のマクロポア水銀ポロシ法(水銀圧入法:30オングストローム以上の領域において)による細孔径のピークは、通常9,000〜80,000オングストローム、好ましくは10,000〜70,000オングストローム、特に好ましくは11,000〜45,000オングストロームである。また30オングストローム以上の細孔の総容積が通常0.5〜1.1ml/g、特に0.69〜0.93ml/gのものが好ましい。このようにして得られた活性炭電極が板状である場合は、必要により適当な大きさに裁断または打ち抜きをし、その2枚から数枚をセパレータを介して重ね、外装容器に収納して、その中に電解液を注入することにより電気二重層コンデンサユニットセルを作ることができる。電解液としては有機溶媒系のものと水溶液系のものがある。有機溶媒系電解液の溶媒としてはプロピレンカーボネイトが一般的であり、電解質としてはこれまで知られている種々の第4級ホスホニウム塩、第4級アンモニウム塩のいずれもが使用できる。水溶液系電解液としては、希硫酸が一般的であるが、その他の無機塩、たとえば4フッ化ホウ酸、硝酸なども使用できる。さらに水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムなどの無機塩を溶質とする水溶液も便宜に使用できる。それぞれの電解質の濃度は5〜95重量%の範囲で適宜選択することができる。
【0017】
【実施例】
実施例1
ヤシ殻系活性炭(BET表面積1,600m2/g、平均粒径7μm)1,000gに、成形用助剤としてカードラン50gおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(2重量%水溶液の20℃における粘度10万センチポイズ)150gを加え、ビニール袋中で十分に混合した。次に、この混合物を二軸ニーダに装填し、混合しながら塩化ビニリデン重合体ラテックス(固形分55重量%)1,800gと塩化ビニリデン−アクリル共重合体ラテックス(固形分46重量%、塩化ビニリデン含量50重量%、アクリル含量50重量%)2,200gと水100gを添加して2時間混練した。この混練においては、ニーダのジャケットに10℃の冷水を循環させ冷却した。
このようにして得られた活性炭、塩化ビニリデン重合体塩化ビニリデン−アクリル共重合体を含む組成物を押し出し成形機(本田鉄工社製DE−35型)に装填し、真空度練して成形用組成物を得た。次に、シート成形用金型を上記押し出し成形機に装着し、成形用組成物を幅5cm、厚さ1mmのシート状に成形した。
115℃で5時間乾燥した乾燥品を300℃で2時間の予備加熱処理を行い、ついでこの乾燥品を密閉容器内に入れ、電気炉で900℃、1時間焼成し、シート状活性炭電極を得た。得られた電極のマクロポア細孔径のピークは45,000オングストロームで、30オングストローム以上の細孔径を有する細孔容積は0.90ml/gであった。
【0018】
実施例2
ヤシ殻系活性炭(BET表面積1600m2/g、平均粒径3μm)1000gに、成形用助剤としてカードラン50gおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(2重量%水溶液の20℃における粘度10万センチポイズ)150gを加え、ビニール袋中で十分に混合した。次に、この混合物を二軸ニーダに装填し、混合しながら塩化ビニリデン重合体ラテックス(固形分55重量%)930g、塩化ビニリデン−アクリル共重合体ラテックス(固形分46重量%、塩化ビニリデン含量50重量%、アクリル含量50重量%)1,220gと水900gを添加して2時間混練した。この混練においては、ニーダのジャケットに10℃の冷水を循環させ冷却した。
このようにして得られた活性炭、塩化ビニリデン重合体、塩化ビニリデンアクリル共重合体を含有する組成物を押し出し成形機(本田鉄工社製DE−35型)に装填し、真空度練して成形組成物を得た。次にシート成形用金型を上記押し出し成形機に装着し、成形用組成物を幅5cm、厚さ1mmのシート状に成形した。この成形体を115℃で5時間乾燥した。次にこの乾燥品を180℃の熱風下で4時間予備加熱処理し、ついで密閉容器内に入れ、電気炉で700℃、1.5時間の焼成を行い、シート状活性炭電極を得た。得られた電極のマクロポア細孔径のピークは40,000オングストロームで、30オングストローム以上の細孔径を有する細孔容積は0.93ml/gであった。
【0019】
実施例3
ヤシ殻系活性炭(BET表面積1,200m2/g、平均粒径7μm)1,000gに、有機材料としてフマル酸(分子量116.07)400g、成形用助剤としてカードラン50gおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(2重量%水溶液の20℃における粘度10万センチポイズ)150gを加え、十分に混合した。次にこの混合物を二軸ニーダに装填し、混合しながら塩化ビニリデン重合体ラテックス(固形分55%)2,500gと水414gを添加して2時間混練した。この混練においては、ニーダのジャケットに10℃の冷水を循環させ冷却した。
このようにして得られた活性炭、塩化ビニリデン重合体、フマル酸を含有する組成物を押し出し成形機(本田鉄工社製DE−35型)に装填し、真空度練して成形用組成物を得た。次にシート成形用金型を上記押し出し成形機に装着し、成形用組成物を幅5cm、厚さ1mmのシート状に成形した。この成形体を115℃で5時間乾燥した。次にこの乾燥品を200℃の熱風下で2時間予備加熱処理を行い、その後密閉容器内に入れ、電気炉で600℃、3時間焼成を行ってシート状活性炭電極を得た。この電極のマクロポア細孔径のピークは36,000オングストロームで、30オングストローム以上の細孔径を有する細孔容積は0.85ml/gであった。
【0020】
実施例4
ヤシ殼系活性炭(BET表面積1,200m2/g、平均粒径7μm)1,000gに、有機材料としてテレフタル酸(分子量166.13)400g、成形用助剤としてカードラン50gおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(2重量%水溶液の20℃における粘度10万センチポイズ)150gを加え、十分に混合した。次にこの混合物を二軸ニーダに装填し、混合しながら塩化ビニリデン重合体ラテックス(固形分55%)2,500gと水414gを添加して2時間混練した。この混練においては、ニーダのジャケットに10℃の冷水を循環させ冷却した。
このようにして得られた活性炭−塩化ビニリデン重合体−テレフタル酸組成物を押し出し成形機(本田鉄工社製DE−35型)に装填し、真空度練して成形用組成物を得た。次にシート成形用金型を上記押し出し成形機に装着し、成形用組成物を幅5cm、厚さ1mmのシート状に成形した。この成形体を115℃で5時間乾燥した。次にこの乾燥品を250℃の熱風下で2時間前処理を行い、その後密閉容器内に入れ、電気炉で950℃、1時間焼成を行い、電極用シートを得た。得られた電極のマクロポア細孔径のピークは19,000オングストロームで、30オングストローム以上の細孔径を有する細孔容積は0.72ml/gであった。
【0021】
実施例5
ヤシ殻系活性炭(BET表面積1,200m2/g、平均粒径7μm)1,000gに、有機材料としてポリメタクリル酸メチルビーズ(平均粒径17μm)400g、成形用助剤としてカードラン50gおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(2重量%水溶液の20℃における粘度10万センチポイズ)150gを加え、十分に混合した。次にこの混合物を二軸ニーダに装填し、混合しながら塩化ビニリデン重合体ラテックス(固形分55%)2,500gと水900gを添加して2時間混練した。この混練においては、ニーダのジャケットに10℃の冷水を循環させ冷却した。
このようにして得られた活性炭−塩化ビニリデン重合体−ポリメタクリル酸メチルビーズ組成物を押し出し成形機(本田鉄工社製DE−35型)に装填し、真空度練して成形用組成物を得た。次にシート成形用金型を上記押し出し成形機に装着し、成形用組成物を幅5cm、厚さ1mmのシート状に成形した。この成形体を115℃で5時間乾燥した。次にこの乾燥品を350℃の熱風下で1時間前処理を行い、その後密閉容器内に入れ、電気炉で900℃、1時間焼成を行い、電極用シートを得た。得られた電極のマクロポア細孔径のピークは20,500オングストロームで、30オングストローム以上の細孔径を有する細孔容積は0.75ml/gであった。
【0022】
実施例6
ヤシ殻系活性炭(BET表面積1,200m2/g、平均粒径7μm)1,000gに、有機材料としてポリスチレンビーズ(平均粒径20pm)400g、成形用助剤としてカードラン50gおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(2重量%水溶液の20℃における粘度10万センチポイズ)150gを加え、十分に混合した。次にこの混合物を二軸ニーダに装填し、混合しながら塩化ビニリデン重合体ラテックス(固形分55%)2,500gと水900gを添加して2時間混練した。この混練においては、ニーダのジャケットに10℃の冷水を循環させ冷却した。
このようにして得られた活性炭−塩化ビニリデン重合体−ポリスチレンビーズ組成物を押し出し成形機(本田鉄工社製DE−35型)に装填し、真空度練して成形用組成物を得た。次にシート成形用金型を上記押し出し成形機に装着し、成形用組成物を幅5cm、厚さ1mmのシート状に成形した。この成形体を115℃で5時間乾燥した。次にこの乾燥品を300℃の熱風下で2時間前処理を行い、その後密閉容器内に入れ、電気炉で1,000℃、1時間焼成を行い、電極用シートを得た。得られた電極のマクロポア細孔径のピークは11,000オングストロームで、30オングストローム以上の細孔径を有する細孔容積は0.69ml/gであった。
【0023】
実施例7
ヤシ殻系活性炭(BET表面積1,200m2/g、平均粒径7μm)1,000gに、有機材料としてポリスチレンビーズ(平均粒径50μm)400g、成形用助剤としてカードラン50gおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(2重量%水溶液の20℃における粘度10万センチポイズ)150gを加え、十分に混合した。次にこの混合物を二軸ニーダに装填し、混合しながら塩化ビニリデン重合体ラテックス(固形分55%)2,500gと水900gを添加して2時間混練した。この混練においては、ニーダのジャケットに10℃の冷水を循環させ冷却した。
このようにして得られた活性炭−塩化ビニリデン重合体−ポリスチレンビーズ組成物を押し出し成形機(本田鉄工社製DE−35型)に装填し、真空度練して成形用組成物を得た。次にシート成形用金型を上記押し出し成形機に装着し、成形用組成物を幅5cm、厚さ1mmのシート状に成形した。この成形体を115℃で5時間乾燥した。次にこの乾燥品を300℃の熱風下で2時間前処理を行い、その後密閉容器内に入れ、電気炉で1,000℃、1時間焼成を行い、電極用シートを得た。得られた電極のマクロポア細孔径のピークは11,000オングストロームで、30オングストローム以上の細孔径を有する細孔容積は0.82ml/gであった。
【0024】
比較例1
ヤシ殻系活性炭(BET表面積1,600m2/g、平均粒径7μm)1,000gに、成形用助材としてカードラン50gおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(2重量%水溶液の20℃における粘度10万センチポイズ)150gを加え、十分に混合した。次にこの混合物を二軸ニーダに装填し、混合しながら塩化ビニリデン重合体ラテックス(固形分55%)1,800gと水800gを添加して2時間混練した。この混練においては、ニーダのジャケットに10℃の冷水を循環させ冷却した。このようにして得られた活性炭、塩化ビニリデン重合体を含有する組成物を押し出し成形機(本田鉄工社製DE−35型)に装填し、真空度練して成形用組成物を得た。次にシート成形用金型を上記押し出し成形機に装着し、成形用組成物を幅5cm、厚さ1mmのシート状に成形した。この成形体を115℃で5時間乾燥した。次にこの乾燥品を300℃の熱風下で2時間前処理を行い、その後密閉容器内に入れ、電気炉で900℃、1時間焼成を行って電極用シートを得た。この電極のマクロポア細孔径のピークは7,000オングストロームで、30オングストローム以上の細孔径を有する細孔容積は0.45ml/gであった。
【0025】
比較例2
ヤシ殻系活性炭(BET表面積1,600m2/g、平均粒径7μm)1,000gに、成形用助材としてカードラン50gおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(2重量%水溶液の20℃における粘度10万センチポイズ)150gを加え、十分に混合した。次にこの混合物を二軸ニーダに装填し、混合しながら塩化ビニリデン重合体ラテックス(固形分55%)2,520gと水560gを添加して2時間混練した。この混練においては、ニーダのジャケットに10℃の冷水を循環させ冷却した。このようにして得られた活性炭、塩化ビニリデン重合体を含有する組成物を押し出し成形機(本田鉄工社製DE−35型)に装填し、真空度練して成形用組成物を得た。次にシート成形用金型を上記押し出し成形機に装着し、成形用組成物を幅5cm、厚さ1mmのシート状に成形した。この成形体を115℃で5時間乾燥した。次にこの乾燥品を300℃の熱風下で2時間前処理を行い、その後密閉容器内に入れ、電気炉で900℃、1時間焼成を行って電極用シートを得た。この電極のマクロポア細孔径のピークは6,000オングストロームで、30オングストローム以上の細孔径を有する細孔容積は0.4ml/gであった。
【0026】
静電容量測定
実施例および比較例で得られた電極用シートを10×10mmに切り出した。このシート2枚を絶縁性多孔質セパレータを介して対向させ、電解溶液(40重量%硫酸水溶液)に含浸させた後、両外側を集電体(白金板)で挟み、静電容量測定用サンプル(電気二重層コンデンサ)とした。このコンデンサに0.9Vで30分間充電を行った後、30mA/cm2および300mA/cm2で放電させ、静電容量を求めた。結果を〔表1〕に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】
本発明の電気二重層コンデンサ電極は、大電流での大放電時にも容積当たり高い静電容量と、低い内部抵抗を示す。また本発明の電極は細孔径の大なるマクロポアを有し且つ空隙率も従来のものより高いに拘わらず、耐衝撃性に優れている。したがって、本電極を用いた電気二重層コンデンサは、コンピュータやICメモリのバッアップ電源のみならず、電気自動車をはじめ各種のモータの駆動などの電源として期待される。
Claims (14)
- 活性炭、塩化ビニリデン重合体および/または塩化ビニリデン共重合体、および焼成により熱分解してマクロポアを形成する他の有機材料を含有する電極用原料成形物を焼成して得られ、マクロポアの細孔径ピークが11,000〜45,000オングストロームの間にあり、30オングストローム以上の細孔径を有する細孔総容積が0.69〜0.93ml/gであるシート状の電気二重層コンデンサ電極。
- 他の有機材料が130℃未満では溶融、熱分解または昇華せず、水に対する溶解度が2w/w%(25℃)以下のものである請求項1記載の電気二重層コンデンサ電極。
- 他の有機材料が分子量1,000以上の高分子化合物である請求項2記載の電気二重層コンデンサ電極。
- 高分子化合物が熱可塑性樹脂である請求項3記載の電気二重層コンデンサ電極。
- 他の有機材料がカルボン酸、その酸無水物、塩またはエステルである請求項2記載の電気二重層コンデンサ電極。
- 電極用原料成形物が無水物として活性炭5〜90重量%、塩化ビニリデン単量体由来の部分構造5〜90重量%および他の有機材料3〜50重量%含有するものである請求項1記載の電気二重層コンデンサ電極。
- 電極用原料成形物中に成形用助剤が配合された請求項1記載の電気二重層コンデンサ電極。
- 電極用成形物中に成形用助剤が無水物として0.5〜50重量%配合された請求項7記載の電気二重層コンデンサ電極。
- 成形用助剤が多糖類である請求項7または8記載の電気二重層コンデンサ電極。
- 多糖類がβ−1,3−グルカンである請求項9記載の電気二重層コンデンサ電極。
- 焼成が500〜1,200℃で行われた請求項1記載の電気二重層コンデンサ電極。
- 活性炭、塩化ビニリデン重合体および焼成により熱分解してマクロポアを形成する他の有機材料を含有する電極用原料成形物をシート状に成形し、500〜1 , 200℃で焼成するマクロポアの細孔径ピークが11,000〜45,000オングストロームの間にあり、30オングストローム以上の細孔径を有する細孔総容積が0.69〜0.93ml/gである電気二重層コンデンサ電極の製造法。
- 焼成に先立ち電極用原料組成物を130〜400℃で予備加熱処理する請求項12記載の電気二重層コンデンサ電極の製造法。
- 電極用原料成形物中に成形用助剤が配合された請求項12記載の電気二重層コンデンサ電極の製造法。
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