JP2899435B2 - 複数カセットの装填装置 - Google Patents

複数カセットの装填装置

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JP2899435B2
JP2899435B2 JP3080120A JP8012091A JP2899435B2 JP 2899435 B2 JP2899435 B2 JP 2899435B2 JP 3080120 A JP3080120 A JP 3080120A JP 8012091 A JP8012091 A JP 8012091A JP 2899435 B2 JP2899435 B2 JP 2899435B2
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稔 生澤
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TOSHIBA BIDEO PURODAKUTSU Pte Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばビデオテープ
レコーダ(以下VTRと記す)に組込まれるカセット装
填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビ放送番組として、長時間も
のが多くなっている。また衛星放送の開始により放送時
間帯も深夜に及ぶ番組ものが増加しつつある。そこで、
VTRの録画態勢も留守中の録画、長時間録画が可能な
ように移行しつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在の
VTRでは、テープカセットを1巻だけ装填して、これ
に長時間録画、あるいは留守録画を行う構造であるため
に、録画容量には限度がある。また、カセットの大きさ
にも規格があるために大容量のカセットテープを作成す
るには制約が生じる。これを解決するために、複数のカ
セットを装填できるようにVTRを構成しようとする
と、本体の大形化とともに周辺の占有空間が大きくなる
傾向にあるとともに、操作性が悪くなる傾向にあり、こ
のような問題点の改善が望まれる。特に、複数のカセッ
トを装填できるようにした場合、ユーザがカセットを装
填する際にその操作性を容易にすることが望まれる。
【0004】そこで、この発明は、複数のカセットを予
めトレイ装置に装填し、カセットを記録再生部に配置し
たり、取出したりする機構を構成する場合、特にカセッ
トの取出しや装着操作を容易にする複数カセットの装填
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、テープ記録
再生機能を内蔵した筐体と、この筐体の前面に開設され
た開口部と、この開口部を通して水平に前後方向へ挿脱
自在であり、前部領域と後部領域上面にそれぞれ少なく
とも第1と第2のカセットを配置できるトレイ装置と、
このトレイ装置の前部領域と後部領域にそれぞれ配設さ
れ、後部はそれぞれ軸に支持され、前部はそれぞれ前記
トレイ装置と平行状態とこの状態から持上がり斜め上方
を向いた状態に回動自在であり、各々に載置されるカセ
ットの少なくとも底部を支え各々のカセット前部を斜め
上方に持ち上げることができる第1と第2のポップアッ
プ部材と、前記トレイ装置が前記筐体から引出され前記
前部領域が露出した状態で前記第1のポップアップ部材
前部を斜め上方へ回動駆動する第1の駆動機構と、さら
に前記トレイ装置が引出され前記後部領域の一部が露出
した状態で前記第2のポップアップ部材前部を斜め上方
へ回動駆動して持ち上げた第1の姿勢を得るとともに、
この第1の姿勢からさらに上方に向けた第2の姿勢を許
容する第2の駆動機構とを備える。
【0006】
【作用】上記の手段により、特に後部領域のポップアッ
プ部材の駆動機構は、カセット前部を持ち上げた第1の
姿勢から、さらに持ち上げた第2の姿勢を許容すること
ができ、ユーザは前部のカセットやポップアップ部材に
邪魔されることなく容易に後部のカセットの取出しや装
着を行うことができる。
【0007】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。
【0008】図1はこの発明の一実施例における基本構
成を示す図であり、筐体10の前面の開口12から、ト
レイ装置100が水平に引き出された状態を示してい
る。このトレイ装置100は、前部領域と後部領域との
前後にカセット200、300をそれぞれ搭載すること
ができる。前部領域と後部領域とにはそれぞれ、カセッ
ト底を支持する底板240、401が配置されている。
この底板240、401は後述するパンタグラフ機構に
よりそれぞれ、トレイ装置100から下方向へ下降され
たり、また、下から上昇されたりする。さらにこの底板
240と401の側板には、それぞれポップアップ部材
230と330とが設けられている。ポップアップ部材
230は、後部が軸231により支持され、前部をトレ
イ装置100と平行にしたり、また持ち上げたりするこ
とができる。また後部のポップアップ部材330も底板
401の側板に軸331(図に現れず)により回動自在
に取り付けられており、前部をトレイ装置100と平行
にしたり、また持ち上げることができる。
【0009】ポップアップ部材230には、回動先端部
にカセット200の底の縁に係止する支持部232が形
成されている。この支持部232によりカセット200
を傾斜させて持ち上げることができる。ポップアップ部
材330も同様な原理で、カセット300を持ち上げる
ことができる。同図(A)及び(B)に示す状態は、ト
レイ装置100が筐体10から最大に引き出された状態
を示し、ポップアップ部材230及び330がそれぞれ
のカセット200及び300の前方を持ち上げた状態を
示している。このポップアップ部材230及び330の
各姿勢を制御するのは、各ポップアップ部材を駆動する
駆動機構であり、この駆動機構は、トレイ装置100の
引き出し動作に連動して動作する。トレイ装置100が
引き出されるときは、持ち上げ姿勢を得るが、トレイ装
置100が筐体10内部に挿入されるときは、カセット
の前方を下げて対応する底板240、401に平行にす
ることができる。
【0010】トレイ装置100が筐体10の内部に完全
に挿入されると、蓋開閉機構の動作により、同図(C)
に示すように、開口12の下部エッジを回動支点とする
蓋13が開口を閉じる。
【0011】ところで、後部のポップアップ部材330
の駆動は、次のように行われる。即ち、トレイ装置10
0は、筐体内部から後述するモータにより平行に移送さ
れてくるのであるが、その移送の途中で、ポップアップ
部材330の後端部に設けられているレバー332の先
端部333が、固定位置に設けられている突設部19に
より回動される。つまり、トレイ装置100が最も引き
出されたときには、突設部19によりポップアップ部材
330が軸331を支点として時計方向へ回動されるか
らである。トレイ装置100が後方へ移動すると、突設
部19からレバー332の先端部333は、離脱するた
めに、ポップアップ部材330は自重、あるいは弱スプ
リングにより反時計方向に回動し、カセット底支持板と
平行になる。突設部19は、筐体内の固定位置に設けら
れている。
【0012】上記のように、トレイ装置100が最も引
き出された状態で、後部のポップアップ部材330は先
端側が持ち上げられ第1の姿勢を得ることができる。そ
して第1の姿勢から反時計方向への回動は規制される。
しかし、このシステムでは、第1の姿勢(図1(A)に
示す姿勢)から、さらに先端部を持ち上げた第2の姿勢
(図1(B))に移行することができる。これは、ポッ
プアップ部材330の駆動機構が、第1から第2の姿勢
への移行を許容するように構成されているからである。
【0013】このように図1(B)の状態へ回動できる
ようにしたのは次の理由による。即ち、同図(A)の状
態は、カセット200と300とは平行であり、カセッ
ト200の上面にカセット300の下面とがほぼ同一面
となるように設計されている。これは、カセット200
を装填したのちに、カセット300を装填する場合、カ
セット300をカセット200の上面から滑るように挿
入すれば、容易に位置決めが得られポップアップ部材3
30の開口へスムーズに挿入することができるからであ
る。しかし、カセット200が搭載された状態で、カセ
ット300をユーザが取り出すときは、第2の姿勢にで
きるほうが、カセット300の先端の下側に指を挿入し
てつかみ易いからである。同図(A)の状態であると、
カセット200の後端部とカセット300の先端部との
間に指を入れにくく、扱いが不便となる。しかし、この
実施例のように、第2の姿勢が許容されると、容易に指
を入れることができカセット300の扱いが容易にな
る。
【0014】図1において、カセット300の先端の突
出部には、開口12の上縁部を支点として蓋13Aが取
り付けられている。この蓋13Aは、図示しないスプリ
ングにより、通常は、同図(A)あるいは(C)の位置
にあるが、ポップアップ部材330がさらに持ち上げら
れて第2の姿勢をとると、同図(B)に示すようにポッ
プアップ部材330の先端部で押し開けられる。
【0015】蓋13Aの取り付けは、図1の位置に限定
されるものではなく、図2に示すように、ポップアップ
部材330のカセット挿入口の上辺に支点を有してもよ
い。図2の構成において、図1と異なる点は、蓋13A
の取り付け位置とその動作が異なるだけであり、他の部
分は同じである。
【0016】図2の蓋13Aは、カセット300がポッ
プアップ部材330の挿入口に挿入されると、カセット
300に押されて回動し、回動部は、天井側に移動す
る。またカセット300が引き抜かれると、回動部がス
プリングにより降りてきて、ポップアップ部材330の
カセット挿入口を塞ぐ状態になる。このようにすると、
トレイ装置100が最も引き出された状態で、カセット
200のみが装填され、カセット300が装填されない
ときは、ポップアップ部材330のカセット挿入口を蓋
13Aが塞ぎ、機器内部が外から見えるのを防止するこ
とができ、意匠的な外観を損なうことがない。次に、こ
の発明が適用されたVTRの全体についてさらに説明す
る。
【0017】図3乃至図7は、この発明が適用されたV
TRの筐体の中からシャーシ本体部を取出して外観を示
す図である。図3は左側前方から見た図でありトレイ装
置100がシャーシ本体部から最大に引き出された状態
を示し、図4は右側前方から見た図であり同じくトレイ
装置100がシャーシ本体部から最大に引出された状態
を示し、図5と図6はトレイ装置100が最も奥部に押
し込まれた状態で、右側前方から見た図と左側前方から
見た図を示している。
【0018】シャーシ本体は、左右の側板31Lと31
R、及び左右の側板31Lと31Rの前方上に架設され
た架設板32、後部上に架設された架設板33を主な構
成要素としている。側板31Lには、トレイ装置100
を前後方向へ駆動するための水平駆動モータ21(図5
に見える)や、トレイ装置100の前後移動に連動する
部材を駆動するためのギア41、42、さらにカム43
(図3、図6に見える)が設けられている。また側板3
1Rには、トレイ装置100に載置されるカセットを下
降させたり上昇させたりするための垂直駆動モータ51
(図6に見える)が取付けられている。さらに、垂直駆
動モータ51の動きを各種部品に伝達するためのギア5
2、53、54、55、及びカム56が設けられている
(図4、図5に見える)。トレイ装置100の具体的な
水平移動、及びトレイ装置100に載置されているカセ
ットの下降及び上昇制御手段については後述する。
【0019】図7は、トレイ装置100の外観を示して
いる。トレイ装置100は、上面から見て枠型のトレイ
フレームを有し、その側板の外側のレールは、側板シャ
ーシの内側に設けられたローラに案内され水平に移動自
在である。フレーム101の左右の枠131、132を
構成する部分は、内部が空洞となっており、この内部に
は後述するようにパンタグラフ機構のリンクレバーなど
が収容されている。
【0020】図8(A)、(B)、及び図9は、この発
明が適用されたVTRのカセットローディング、アンロ
ーディング基本構成を示す説明図である。10はVTR
筐体であり、その前面には、開口12が形成され、この
開口12を通して前後方向へトレイ装置100を水平に
挿入したり、また筐体10内部から露出させたりするこ
とができる。蓋13であり、トレイ装置100が筐体1
0から引出されるときは開き、筐体10内部に挿入され
たときは閉じるようになっている。これは図示していな
いが、トレイ装置100に連動する蓋開閉機構により実
現される。
【0021】筐体10の内部には、トレイ駆動機構とし
て固定位置にモータ21が設けられ、中間ギア22を回
転駆動することができる。中間ギア22は、トレイ装置
100の前後移動方向に対して直交する方向の回転軸を
有し、前後にぞれぞれ回転自在に設けられている駆動ギ
ア23、24を回転駆動することができる。駆動ギア2
3、24は、トレイ装置100の側部下面に設けられて
いるラックに噛合して、トレイ装置100を前後に駆動
することができる。また、VTRの内部には、カセット
を所定位置に装着しテープローディングを実行させる機
能がある。14は、メインシャーシでありカセットのリ
ールハブに係合するリール軸やテープローディング、テ
ープ駆動に必要な各種部品(図示せず)が設けられてい
る。また15は、所定の装着位置に配置されたカセット
から引き出されたテープがテープローディングにより添
接される回転ヘッドドラムである。図8(A)は前方部
の駆動ギア23がラックに噛合した状態、図8(B)は
前方部と後方部の駆動ギア23、24の双方がラックに
噛合した状態、図9は後方部の駆動ギア24がラックに
噛合した状態を示している。
【0022】トレイ装置100は、上面から見て枠型の
トレイフレームを有し、その側板の外側のレールは、筐
体10の内側に設けられたローラに案内され水平に移動
自在である。
【0023】このシステムは、トレイ装置100の上面
の前部領域と後部領域にそれぞれカセット200、30
0の2つを配置することができる(図8(A))。トレ
イ装置100の前部領域と後部領域にはそれぞれパンタ
グラフ機構201と301が取付けられている。パンタ
グラフ機構201と301は同様な機構であり、リンク
機構によりカセット底支持板を下降、上昇させることが
できる。
【0024】図8(A)はカセット200と300とが
前部領域と後部領域とのそれぞれ載置された状態を示し
ている。カセット200と300とが先端部を斜め上方
に向けているのは、トレイ装置100に設けられている
ポップアップ機構により持ち上げられ、カセットの挿脱
操作を容易にしているからである。しかも、この状態で
は、トレイ装置100を筐体10の開口から大きく引き
出さなくても、後方のカセット300を取り出せること
ができるように設計されている。つまり、前方のカセッ
ト200は全体が露出するが、後方のカセット300は
その一部(先端部)のみが開口から露出している。この
ように設計することにより、トレイ装置100を引出す
距離が短くてすみ、取扱いの面で周辺空間を占める割合
を少なくすることができるからである。
【0025】図8(B)は、後方のパンタグラフ機構3
01がトレイ通過位置下部のカセット装着位置へカセッ
ト300を装着した状態を示している。また図9には前
方のパンタグラフ機構201がカセット200を降下さ
せて所定のカセット装着位置へ装着した状態を示してい
る。図8(A)の状態から図8(B)の状態に移るに
は、トレイ駆動機構が動作し、トレイ装置100を筐体
10の内部方向へ水平に移動させ、第1の検出位置(後
方カセットドライブ位置)に来るとトレイ装置100が
停止される。この位置に来ると、後述するパンタグラフ
ドライブ機構が作動し、パンタグラフ機構301を駆動
し、カセット300を下降させる。図8(B)の状態か
ら図9の状態に移るには、パンタグラフドライブ機構が
下降しているカセット300を持ち上げるようにパンタ
グラフ機構を駆動し、トレイ装置100を元の位置に戻
す。次に、トレイ駆動機構がトレイ装置100をさらに
奥の方へ移動させ、パンタグラフ機構200がカセット
装着位置の上、つまり第2の検出位置(前方カセットド
ライブ位置)に来たときにトレイ装置100の移動を停
止させる。そして再度、パンタグラフドライブ機構が、
今度はパンタグラフ機構201を駆動し、カセット20
0を所定位置まで下降させる。
【0026】図9の状態では、後方のカセット300を
搭載しているパンタグラフ機構301は、丁度回転ヘッ
ドドラム15の上側に位置する。ここで、パンタグラフ
機構301は、トレイ装置100から若干浮き上がる方
向へガイドされ、カセット300及びパンタグラフ機構
301が回転ヘッドドラム15に衝突しないように設計
されている。パンタグラフ機構301を持ち上げる部材
は、筐体10の内部の側面に突出して取り付けられてい
るガイド部材16である。つまり、カセット300が上
昇した状態で、トレイ装置100が図8(A)の状態か
らさらに奥の方へ移動すると、このガイド部材16の傾
斜面にパンタグラフ機構301の底板が乗り上げるよう
に設計されている。このように、カセット300の待機
位置では、カセット300つまりパンタグラフ機構が若
干持ち上げられるようにしたのは、小形化のために筐体
10の高さを低くすると、トレイ装置100の移動軌跡
が回転ヘッドドラム15上部に衝突することになるから
である。また回転ヘッドドラム15部周辺の通気を良く
して温度上昇を軽減するとともに、カセットテープの安
全性を考慮したからである。
【0027】次に、図8(A)と図9の状態を比較して
みると、以下のように設計されていることがわかる。即
ち、図8(A)はトレイ装置100が最も引出された状
態であり、図9は最も奥に挿入された状態である。トレ
イ装置100の下面のエッジにはラックが設けられ、こ
れにギア23と24が噛合してトレイ装置100を前後
方向へ駆動するようになっている。しかし、図8(A)
の状態ではギア23のみが噛合し、図9ではギア24の
みが噛合するように、ギア23と24の配置がトレイ移
動方向へ並べて配置され、双方のギア23、24は中間
ギア22により連動するようになっている。このように
ギア23、24を配置することは、トレイ装置100の
前後方向の全長を短くできることを意味する。仮にトレ
イ装置100の駆動ギアを1個で実現しようとすると、
トレイ装置100の全長は実施例の場合よりも長くなら
ざるを得ない。なぜなら、図8(A)、図9のいずれの
状態でも、1つのギアに噛合する必要があるからであ
る。
【0028】このように、トレイ装置100の全長を短
くできることは、重量を軽くして駆動装置の負荷を軽減
することは勿論のこと、カセット装填を行うときにトレ
イ装置100が突出する空間を狭くすることができ、周
辺の占有空間を小さくすることができる。また逆に、言
い換えれば、トレイ装置100の全長が短くても、トレ
イ装置の移動ストロークを大きくできることである。図
10は、パンタグラフ機構301を代表して示し、また
パンタグラフドライブ機構も合わせて示している。
【0029】パンタグラフ機構301は、各種の実施例
が可能であるが、この装置では側面から見て×印状にク
ロスした第1と第2のリンクレバー311と312を基
本構成としている。リンクレバー311と312のクロ
ス点は、軸313により連結され、これによりリンクレ
バー311と312は、図10(A)と(B)のように
両端を近付けた状態(上昇状態)、離間(下降状態)さ
せた状態になることができる。リンクレバー321と3
11の前方側端部は、それぞれトレイ装置100のフレ
ーム101と、カセット底支持板401の取付け部40
2に軸102と403により回動自在に取付けられてい
る。リンクレバー311の後方端部は、フレーム101
に形成された長穴103にピン104を介して係合さ
れ、リンクレバー312の後方端部は、カセット底支持
板401の取付け部404に形成された長穴405にピ
ン406を介して係合されている。これにより、リンク
機構は、カセット底支持板401を下降位置、上昇位置
へ運ぶことができる。次に、パンタグラフ機構301を
駆動するパンタグラフ駆動機構について説明する。
【0030】パンタグラフ駆動機構は、リンクレバー3
12に回動自在に取付けられている仲介カム320を下
降位置へ押し付けたり、また上昇位置へ引上げたりする
回動部品501を有する。仲介カム320は、軸321
によりリンクレバー312の途中に回動自在に取付けら
れ、リンクレバー312の動作に追従して上下する。こ
の場合、仲介カム320には、係合ピン322が設けら
れている。この係合ピン322は、フレーム101に間
隔をおいて取付けられているガイド板120の穴121
に係合する。この穴121は、溝状でありパンタグラフ
機構の上昇位置をロックするロック機能と、パンタグラ
フ機構の上下移動軌跡および下降位置を規制する規制機
能を奏することができる。つまり、仲介カム320の係
合ピン322は、穴121に係合して移動するから、上
下移動時の軌跡が規制されるとともに、下降位置も穴1
21の下端部で位置決めされる。また、係合ピン321
は、上昇したときは、穴121に段状に窪んで形成され
たロック部121Aに係合し、不用意にパンタグラフ機
構が下降しないように作用する。
【0031】ガイド板120にはさらにガイド溝122
が、先の穴121と平行して形成されているが、このガ
イド溝122は上端部と下端部でガイド板120を切り
欠くように形成されている。そしてこのガイド溝122
と重なって交差するように先の仲介カム320の回動先
端が位置するように設計されている。ガイド溝122は
上下方向に切り抜けているので、この溝122を回動部
品501の先端に設けられたローラ502が通過するこ
とができる。ローラ502は、図面上で上方向からガイ
ド溝122に対向している。
【0032】回動部品501は、筐体内部の固定位置
(トレイ装置100の通過路の上側)に軸503により
回動自在に取付けられており、回動先端は、前記ガイド
溝122に沿って上下することができる。図10(B)
の状態は、パンタグラフドライブ機構が動作する前であ
り、ローラ502は、ガイド溝122の侵入口の上部に
位置する。トレイ装置100の位置検出手段により位置
検出情報があると、回動部品501は、軸503を支点
にして図示しない駆動手段により駆動され回動する。こ
こで、ローラ502がガイド溝122に侵入し、仲介カ
ム320の回動端部に突き当たると、仲介カム320が
若干時計方向に回動する。このために、仲介カム320
の係合ピン322は、ロック部121Aから離脱し、穴
121を下方向へ移動可能となる。よって、回動部品5
01は、回動を続け、図10(A)の状態まで回動す
る。この回動に伴い、パンタグラフ機構により支持され
ているカセット底支持板401が下降し、カセットを所
定の装着位置へ配置する。このとき、穴121により仲
介カム320の係合ピン322は、位置規制された状態
であるから、結果的にカセットの位置決めも行われるこ
とになる。また、このとき回動部材501の軸503と
共に回転する弾性を有した押え部材がカセットの左右中
央部を上方から押さえるようになっている。
【0033】図10(A)は、カセット底支持板401
が下降した状態を示し、この状態から上昇した状態に移
るには、回動部品501が図示しない駆動手段により反
時計方向に回動される。すると、ローラ502は、仲介
カム302のU字窪みに係合しているので、仲介カム3
02を引上げることになる。これに伴い、リンク機構が
作動し、カセット底支持板401が上昇する。仲介カム
320が図(B)の状態になる直前では、ローラ502
は、仲介カム320を反時計方向に押さえることにな
る。これにより、仲介カム320の係合ピン322は、
ロック部121Aへ移動する。よって、カセット底支持
板401が上昇してトレイ装置100の高さと同じ位置
にあるときは、リンク機構が不用意に下降する方向へ動
作することはない。
【0034】図10では、開口から見て左側のパンタグ
ラフ機構及びそのドライブ機構について説明したが右側
にも同様な機構が設けられており、左右の機構が同期し
て動作するようになっている。次にパンタグラフ駆動機
構についてさらに追加説明する。
【0035】図11はパンタグラフ駆動機構及びカセッ
ト押さえ機構の関連を示している。回動部品501は、
軸503を支点として回動するが、その動力は、図示し
ない垂直制御カムがピン511を駆動することにより伝
達されている。垂直制御カムは、筐体内部の側部シャー
シに取付けられており、図示しない垂直モータにより駆
動される。
【0036】回動部品501の上面には、軸512を支
点として回動自在なカセット押え部品520が取付けら
れており、その回動先端は、回動部品501の先端をさ
らに延長する方向へ突出している。カセット押え部品5
20の基端部は、制御板530の回動先端に係合してい
る。制御板530の基端部は、軸531により回動自在
に指示されており、この軸531は筐体内部のシャーシ
の固定位置に取付けられている。制御板530の回動先
端部は、回動部品501の上面側に配置され、かつ係止
片532を形成されている。この係止片532は、回動
部品501に形成された穴513に侵入して係合してい
る。
【0037】上記の機構は、回動部品501がパンタグ
ラフ機構を駆動するのに追従して、カセット押え部品5
20が軸512を支点にして回動し、カセット200ま
たは300を押え込むように動作する。
【0038】図12は、上記の機構の動作説明図であ
る。同図(A)は、カセットを押え込む前、同図(B)
はカセットを押え込む途中、同図(C)はカセットをカ
セット駆動位置へ完全に押えた状態である。このよう
に、回動部品501が回動するにともない、制御板53
0は、回動部品501とは回動支点が異なるために、両
者の回動先端間Mの間隔が拡大していく。すると、カセ
ット押え部品520の基端部は、制御板530の先端に
より軸521を支点にして相対的に時計方向へ回動駆動
されたことになる。この結果、回動部品501の回動先
端よりも、カセット押え部品520の回動先端の回動速
度が早くなり、カセットをより強く押えつけることにな
る。カセット押え部品520の先端部は、弾性板ばねで
あり、先端にはカセットを押えるローラが設けられてい
る。
【0039】図13は、パンタグラフ機構301と、そ
の駆動機構を構成する回動部品501などの関係を示し
ている。リンクレバー312に設けられる仲介カム32
0は省略されている。ガイド板120のガイド溝122
に回動部品501のピン502が侵入することができ
る。回動部品501は、軸503により筐体内部の固定
部、つまりサイドシャーシ31Lに取付けられている。
回動部品501は、サイドシャーシ10Aの外側に回転
自在に取付けられたカム56の内側のカム溝にピン50
5を係合させている。これにより、カム56が回転され
ることにより上述した動作を得ることができる。
【0040】図14は、上記した回動部品501とカセ
ット底支持板401と、パンタグラフ機構が下降すると
きにそのランディング制御を行うランディング機構の関
係を示している。ランディング機構700は、サイドシ
ャーシ31Lに取付けられ、内部方向へ延在した軸70
1と、この軸701に回転自在に取付けられた回動レバ
ー702を有する。回動レバー702も、一方のレバー
704にピン703を有し、このピン703はシャーシ
31Lの長孔を介してカム56のカム溝に係合してい
る。回動レバー702の他方のレバー705は、カセッ
ト底支持板401の前後方向中間位置に、下側から延在
し、この先端部に設けられたピン706は、カセット底
支持板401の側部エッジを支えることができる。カム
56が回転され回動部品501が動作すると、これに連
動して回動レバー702も回動し、カセット底支持板4
01の下降動作を許容する。
【0041】図15は、カム56に関連して動作する回
動部品501、回動レバー702の各状態、及びガイド
板120に作用する仲介カム320の状態を示してい
る。同図(A)は、カセット300を搭載したトレイ装
置100が所定の位置へ水平移動してきた状態を示して
いる。ここでカム56が回転されると、回動部品501
は、パンタグラフ機構を駆動し始める。ここで、同図
(B)に示す状態になったとき、回動レバー702は、
若干カセット300が載置されているカセット底支持板
401を持ち上げるように動作する。これは、カム56
のカム溝が回動レバー702のピン703を制御するこ
とにより実行される。このように若干持ち上げる理由
は、同図(D)から(E)に示すように、係合ピン32
2と、穴121のロック部121Aとのロック状態を解
除し、回動部品501により仲介カム320が下方へお
されたときにスムーズに下降するように図ったためであ
る。またこのときは、カセット押さえ部品520がカセ
ットを押さえ付け安定化させている。
【0042】カセット底支持板401が最終的にカセッ
ト駆動部に装着された状態は、同図(C)のようにな
る。このときはカセット押させ部品520は、先に説明
したように先行して回動されるので、カセットをさらに
強く押え付けて安定化させている。カム56が逆転され
ると、今度は上昇を開始し、同図(B)の状態を経過し
て同図(A)の状態になる。またこのとき、仲介カム3
20は、同図(D)に示すようにロック部121Aにロ
ックされる。これによりパンタグラフ機構は、トレイフ
レーム101の高さ位置に安定して保持され待機状態と
なる。
【0043】図16は、トレイ装置100が筐体10か
ら引き出される際に、カセット200や300を外部か
ら扱い易くするためのポップアップ機構をさらに詳しく
示している。トレイ装置100が筐体10から引き出さ
れた状態では、ポップアップ機構により前方のカセット
200と後方のカセット300は、前端を上方に向けて
平行状態となる。そして後方のカセット300の底面が
前方のカセット200の上面を滑るようにして後方のポ
ップアップ部材330に挿入できるように配置関係が設
計されている。
【0044】図16(A)は、前部領域のポップアップ
部材230と後部ポップアップ部材330とがそれぞれ
支持しているカセット200、300を持ち上げた状態
を示している。まず前方のポップアップ機構から説明す
る。
【0045】ポップアップ部材230は、軸231を支
点としており前方側の回動端が上下方向へ回動自在であ
る。前方側の回動端には、支持部232が形成され、こ
の支持部232はカセット200の底部を持ち上げるこ
とができる。軸231は、図示していないが、底板の左
右側板のうち、左側の側板に取り付けられている。従っ
て、先に説明したように底板240がパンタグラフ機構
201により下降した場合は、これと一体に下降するこ
とができる。
【0046】フレーム101の内壁には、フレーム10
1の移動方向と同じ方向へフレーム101に対して移動
できるスライダー260が配置されている。スライダー
260は、フレーム101の内壁に突出したピン11
1、112にその長穴261、262を係合させてい
る。さらにスライダー260は、ポップアップ部材23
0に対応した位置に、長穴261に通じ、かつ傾斜部を
持った切り欠き部264を有し、この切り欠き部264
を通じて長穴261部に、ポップアップ部材230に取
付けられたピン233が侵入することができる。これ
は、パンタグラフ機構により下降されるときにポップア
ップ部材230が底板240と共に下降し、また元の位
置に戻るときに必要であるからである。
【0047】トレイ装置100が筐体10の内部に挿入
されるときは、図16(A)の状態から図16(B)の
状態になり、次に前方のカセット200は、ポップアッ
プ部材230の回動によりトレイ装置100と平行にな
る。これは、図16(B)の状態から、さらにトレイ装
置100が奥の方へ移動すると、スライダー230に対
してピン111、112及びポップアップ部材230が
一体に後方へ移動(相対的にはスライダー260が前方
に移動)することになるので、ピン233は切り欠き部
264の角部に突き当たり、ピン233を下から支える
部分がなくなるからである。。そしてこの状態でスライ
ダー260もフレーム101と一体に後方へ移動する。
ポップアップ部材230は、切り欠き部264(長穴2
61の端部に連続してL型に下方向へ解放している)が
あるために、回動先端が下方へ回動し、カセット200
を底板240に載置させた状態となる。
【0048】逆に、奥のほうからトレイ装置100が引
き出される場合は、フレーム101及びスライダー26
0、ポップアップ部材230は一体となつて前方へ移動
してくる。しかし、スライダー260は、その途中で、
筐体内部の固定位置に設けられたストッパー18に係止
し、前方へは移動しなくなる。そこでさらにフレーム1
01が前方へ移動すると、スライダー260は相対的に
後方へ移動した形となり、切り欠き部264の傾斜部で
ポップアップ部材230のピン233がガイドされて長
穴261に侵入する。この動作は、ポップアップ部材2
30の回動先端を上方に向ける動作であり、図16の状
態をとることになる。次に、後方のポップアップ部材3
30を駆動するポップアップ機構及びその動作について
説明する。
【0049】ポップアップ部材330は、図1でも説明
したように、前方よりカセット300を挿入できる開口
を有し、後方部は、軸331により回動自在に支持さ
れ、前方部を上下回動できるようになっている。軸33
1は、図示していないが、カセット底支持板の左右側板
のうち、左側の側板に取り付けられている。従って、パ
ンタグラフ機構によりカセット底支持板401が降下し
たときは、これと一体に降下したりまた上昇することが
できる。図16(A)ではポップアップ部材330の回
動先端は上方を向き、図16(B)ではカセット底支持
板と平行になっている。これは、ポップアップ部材33
0の後端部に設けられているレバー332の先端部33
3が、固定位置に設けられている突設部19により回動
されるからである。つまり、トレイ装置100が最も引
き出されたときには、突設部19によりポップアップ部
材330が軸331を支点として時計方向へ回動される
からである。トレイ装置100が後方へ移動すると、突
設部19からレバー332の先端部333は、離脱する
ために、ポップアップ部材330は自重、あるいは弱ス
プリングにより反時計方向に回動し、カセット底支持板
と平行になる。
【0050】さらに、上記のポップアップ部材230等
による前部ポップアップ機構と、ポップアップ部材33
0等による後部ポップアップ機構との動作タイミングは
以下のように設定されている。
【0051】前部ポップアップ機構は、図16(B)の
位置のときカセット200の前方を持ち上げており、後
部ポップアップ機構は、図16(B)の状態からさらに
トレイ装置100が引出され、図16(A)の状態にな
るときに後部ポップアップ部材330を持ち上げてい
る。上記したようにポップアップ機構の動作は、トレイ
装置100が移動されることにより、部品のガイドや衝
突により得られている。このことは、カセットを持ち上
げる力は、トレイ装置100を駆動しているモータ21
のパワーによるものであることが理解できる。ここで、
前後のポップアップ機構を同時に動作させると、モータ
21に多大な負荷がかかることになる。そこでこのシス
テムでは、前後のポップアップ機構の動作に時間差を持
たせる(前部のポップアップ機構がカセットを持ち上げ
た後で後部のポップアップ機構がカセットを持ち上げ
る)ようにし、モータ21にかかる負荷を軽減し、小電
力モータで駆動できるようにしている。次にポップアッ
プ部材330に関する補助機構を説明する。
【0052】ポップアップ部材330の両側板には、左
右のピン341(図3及び図4に見える)がそれぞれ設
けられている。このピン341は、トレイ装置100が
引き出す方向へ移動し、ポップアップ部材330が上方
を向いて所定位置に来たときに、筐体内部の固定位置に
設けられた休止棚部61にそれぞれ乗ることができる。
これは、ポップアップ部材330の持ち上げ状態を安定
に維持し、突設部19とレバー332の先端部333の
故障を防止するためである。即ち、先に説明したように
ポップアップ部材330は、軸331を支点にして回動
し、開口側を持ち上げるたときには、レバー332の先
端部333を突設部19が押えている。しかしこれで
は、カセット300の収容側には、カセットを収容した
り、取り出したりする場合に過大な力が加わることがあ
り、ポップアップ部材330をレバー332と突設部1
9との係合関係で持ち上げた状態に維持するのには無理
が生じることがある。そこでこのシステムでは、傾斜を
持った休止棚部61(図3及び図4に見える)にピン3
41が乗り上げて、ポップアップ部材330の持ち上が
った状態を安定して維持できるようにしている。またポ
ップアップ部材330の支持機構は、ポップアップ部材
330を斜め上方へ向けた状態であっても、カセットの
受け入れを容易にするためにさらに上方へ適宜角度の回
動を許容するように支持しており、取扱い上の便利性を
得ている。
【0053】さらにポップアップ部材330のレバー3
32は、弾性部材で構成されてもよい。あるいは図に示
されたポップアップ状態を維持できる程度のスプリング
でポップアップ部材本体に取り付けられたものでもよ
い。これは、カセット受入れ口を上に向けた状態で、ユ
ーザがポップアップ部材の先端部を下方へ押さえ付けて
カセットを挿入する可能性があり、このような力が加わ
ったときレバー332が硬質固形のものであると破損が
生じることがあるからである。
【0054】後部のポップアップ部材330は、上記の
ように先端を持ち上げた状態第1の姿勢から、さらに持
ち上げた第2の姿勢になることができる。しかしこの機
能を供えるために、筐体内部において先端部ががたつく
ことがある。このがたつきがあると、機器の輸送時など
に破損を生じたり、不要な部分に係止してトレイ装置1
00をロックしてしまい、引き出しを不可能にすること
ができる。このような不具合を改善するために、次のよ
うな手段が設けられている。
【0055】図17の状態は、後部領域が、その下部に
設けられている所定位置のカセット駆動部に対向する位
置までトレイ装置100が挿入された状態である。この
状態から、後部のカセットを下降させてカセット駆動部
に配置することもできるし、さらにトレイ装置100を
奥のほうへ移動させて後部領域を回転ヘッドシリンダ1
5の上部に位置させ、前部領域のカセットをカセット駆
動部に対向させることもできる。
【0056】図17の状態から、さらにトレイ装置10
0が奥の方へ移動されと、後部領域に取付けられている
ポップアップ部材330の後端部に設けられているレバ
ー332のピン状の先端部333が、固定シャーシ33
に設けられた水平の溝910に侵入して案内される。こ
の溝910は、固定シャーシ33の内側に突設した例え
ば案内板911とこの板に間隔おいて平行に対向したカ
バー板912により形成されている。溝910の入り口
は、先端部333が侵入しやすいように、入り口を広く
形成されている。ポップアップ部材330のレバー33
2、ピン状の先端部333は、左右対称に設けられてい
るので左右の部品には同一符号を付している。ポップア
ップ部材330の先端部333は、ポップアップ部材3
30が退避位置にあるときには溝910の内部に侵入す
るので、ポップアップ部材330はロック状態となる。
このために、機器の搬送時には、ポップアップ部材33
0をロック状態としておけば、がたつくようなこともな
く、破損を生じたり、不要な部分に係止してトレイ装置
100をロックしてしまうことも防止される。
【0057】図18は、筐体10からトレイ装置100
が最も引き出された状態を簡略化して示す斜視図であ
る。この図からもわかるように、ポップアップ部材23
0、330は、水平なカセット底支持板240、401
に対してそれぞれ前方の回動端を上方に向けた状態とな
っている。
【0058】このシステムでは、上述したように2つの
カセットを装填することができるが、ユーザによっては
前方部のみを使用するモードと後方部のみを使用するモ
ードとの使い分けを行う場合がある。例えば前方のカセ
ットは録画、再生用、後方は再生専用として使用するよ
うな場合である。このような場合、後方には再生専用の
カセットを装着し、前方に録画、再生のいずれも可能な
カセットを装着する必要がある。そこで、前方部の例え
ばカセット底支持板240と後方部のカセット底支持板
401とを例えば青、赤というふうに色分けすることに
より、装着操作のミス防止に利用できるようになってい
る。このようにすると、例えば、青の装着部には、録画
しても可能なカセットを装着し、赤の装着部には録画し
てはいけない再生のみに使用するカセットを装着すると
いうふうにユーザ自身がとりきめて使用することができ
る。図では前後のカセット底支持板の色を分けているよ
うに示しているが、色分けはフレームに施してもよく、
また部分的であってもよい。さらにマークの施されたシ
ールを貼付けるようにしてもよい。VTR本体の操作部
には、録画Rec、プレイPlay 、巻き戻し、早送り、停
止等の操作スイッチがあり、また前部カセットロード
F、後部カセットロードRの指定を行うスイッチも設け
られている。
【0059】図19は、前方領域のカセット200が所
定の装着位置に配置されたときに、後方領域のカット3
00が退避している状態を示している。このシステムで
は、パンタグラフ機構301は、カセットを下降させる
ことができるとともに、さらに定常位置よりもさらに上
昇させることもできることを利用し、退避位置に移動す
るときは、カセット300及びパンタグラフ機構301
が回転ヘッドドラム15に衝突しないように、ガイド部
材16により持ち上げている。これにより、装置全体の
小形化のために筐体10の高さを低くしても、回転ヘッ
ドドラム15に部品が衝突することもなく、またドラム
周辺の通気を良くして温度上昇を軽減するとともに、カ
セットテープの安全性が得られる。
【0060】さらにまた、カセット底支持板401の底
部もしくは、回転ヘッドドラム15の上部に、金属板7
1を配置することにより、磁気シールドが得られ回転ヘ
ッド部の磁気の影響がカセットテープに及ぶのを防止す
ることができ、一層カセットの安全性を得ることができ
る。また、カセット底支持板401の後方端部には、傾
斜片411が形成されており、ガイド部材16に対して
板401が乗り上げ易いようになっている。
【0061】図20は、トレイ装置100の引出し位置
制御機構を説明するための図である。 図17(A)は
トレイ装置100が筐体10から最大に引出され、前部
領域と、後部領域のいずれにもカセットを装填できる状
態(全使用モード)を示している。また図17(B)は
トレイ装置100が途中まで引出され、前部領域のみに
カセットを装填できる状態(半使用モード)を示してい
る。図20(A)、図20(B)の使用モードは、予め
トレイモード指定スイッチTMにより指定することがで
きる。全使用モードを指定しておけば、トレイ装置10
0の位置を検出する位置検出装置は、図20(A)の状
態になったときにトレイ引出し終了検出を行い、半使用
モードを指定しておけば、トレイ装置100の位置を検
出する位置検出装置は、図20(B)の状態になったと
きにトレイ引出し終了検出を行う。
【0062】図21は、位置検出装置の一例を示してい
る。トレイ引出し位置検出レバー601は、トレイ装置
100のフレーム101の通過経路の途中の固定位置に
軸602により上下回動自在に取り付けられたL型の部
材である。位置検出レバー601の一方の回動先端部に
は、フレーム101の側部エッジの上面側に突出したピ
ン603が設けられ、フレーム101のエッジ上面に弾
性的に当接し、すべることができる。位置検出レバー6
01の他方の回動端部は、回動方向である上下に配置さ
れたマイクロスイッチ611と622の間に配置されて
いる。一方、フレーム101のエッジ面(ピン603に
対応)には、間隔をおいて窪み部131と段部132が
形成されている。従って、ピン603が窪み部131に
侵入すると位置検出レバー601は軸602を支点にし
て反時計方向に回動し、マイクロスイッチ611をオン
することができ、またピン603が段部132に乗り上
げたときは位置検出レバー601は時計方向に回動して
マイクロスイッチ612をオンすることができる。図の
例では、窪み部131が前部に設けられ段部132が後
部に設けられている。窪み131にピン603が侵入し
ているときは、図20(B)に対応し、段部132にピ
ン603が乗り上げているときは、図20(A)に対応
する。
【0063】従って、全使用モードが指定されていると
きは、マイクロスイッチ612からの検出信号がトレイ
引出し終了信号として利用され、半使用モードが指定さ
れているときはマイクロスイッチ611からの検出信号
がトレイ引出し終了信号として利用される。マイクロス
イッチ611と612の出力信号は、システムの制御を
司る制御部613に印加されている。制御部613は、
操作部からの操作信号に応じて、予めプログラムされた
手順に従って装置の各部の機能を制御する。トレイモー
ド指定スイッチTMからの情報も入力されるようになっ
ており、ここからの情報に従って制御部613は、検出
信号の選択を決定する。トレイ引出し終了信号が入力し
た場合、制御部613は、トレイ駆動機構を構成してい
るモータ21の回転を停止させる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したこの発明によれば、複数の
カセットを予めトレイ装置に装填し、カセットを記録再
生部に配置したり、取出したりする機構を構成する場
合、特にカセットの取出しや装着操作を容易にすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例における基本構成を示す
図。
【図2】この発明の他の実施例における基本構成を示す
図。
【図3】この発明の一実施例を右側前方から示す斜視
図。
【図4】この発明の一実施例を左側前方から示す斜視
図。
【図5】この発明の一実施例の他の動作状態を左側前方
から示す斜視図。
【図6】この発明の一実施例の他の動作状態を右側前方
から示す斜視図。
【図7】この発明の一実施例に使用されたフレームを示
す斜視図。
【図8】この発明に係わるVTRの第1、第2の動作態
様を示す基本的構成説明図。
【図9】上記VTRの第3の動作態様を示す基本的構成
説明図。
【図10】上記VTRのパンタグラフ機構及びその駆動
機構を説明するために示した構成説明図。
【図11】上記VTRのパンタグラフ駆動機構及びカセ
ット押え機構の構成説明図。
【図12】上記パンタグラフ駆動機構及びカセット押え
機構の動作説明図。
【図13】上記パンタグラフ機構の詳細を示す図。
【図14】上記パンタグラフ駆動機構の動作を説明する
ために示した図。
【図15】上記パンタグラフ駆動機構およびカセット押
さえ機構の動作を説明するために示した原理図。
【図16】上記VTRのポップアップ機構を示す構成説
明図。
【図17】上記VTRの後部ポップアップ部材のガイド
機構を説明するために示した斜視図。
【図18】上記VTRのトレイ装置及びその動作態様を
示す斜視図。
【図19】上記VTRの後部カセット退避位置を示す説
明図。
【図20】上記VTRのトレイ装置の使用例を示す説明
図。
【図21】上記VTRのトレイ装置の使用状態を得るた
めのトレイ位置検出装置の例を示す図。
【符号の説明】
10…筐体、12…開口、13、13A…蓋、14…メ
インシャーシ、15…回転ヘッドドラム、16…ガイド
部材、18…ストッパー、19…突設部、100…トレ
イ装置、101…フレーム、200、300…カセッ
ト、201、301…パンタグラフ機構、230、33
0…ポップアップ部材、231、331…軸、240、
401…底板。
フロントページの続き (72)発明者 小酒部 賢 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝オ ーディオ・ビデオエンジニアリング株式 会社内 審査官 井上 信一 (56)参考文献 特開 昭63−138556(JP,A) 特開 平4−241254(JP,A) 特開 平4−313851(JP,A) 特開 平4−298852(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 15/675 101

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープ記録再生機能を内蔵した筐体と、
    この筐体の前面に開設された開口部と、この開口部を通
    して水平に前後方向へ挿脱自在であり、前部領域と後部
    領域上面にそれぞれ少なくとも第1と第2のカセットを
    配置できるトレイ装置と、このトレイ装置の前部領域と
    後部領域にそれぞれ配設され、後部はそれぞれ軸に支持
    され、前部はそれぞれ前記トレイ装置と平行状態とこの
    状態から持上がり斜め上方を向いた状態に回動自在であ
    り、各々に載置されるカセットの少なくとも底部を支え
    各々のカセット前部を斜め上方に持ち上げることができ
    る第1と第2のポップアップ部材と、前記トレイ装置が
    前記筐体から引出され前記前部領域が露出した状態で前
    記第1のポップアップ部材前部を斜め上方へ回動駆動す
    る第1の駆動機構と、さらに前記トレイ装置が引出され
    前記後部領域の一部が露出した状態で前記第2のポップ
    アップ部材前部を斜め上方へ回動駆動して持ち上げた第
    1の姿勢を得るとともに、この第1の姿勢からさらに上
    方に向けた第2の姿勢を許容する第2の駆動機構とを具
    備したことを特徴とする複数カセットの装填装置。
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