JP2899100B2 - フェノール重合体の製造方法 - Google Patents

フェノール重合体の製造方法

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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフェノール化合物から誘導される重合体の製
造方法に関する。このようなフェノール重合体はヘキサ
メチレンテトラミンのような架橋剤を使用して熱硬化性
樹脂として利用される他、エポキシ樹脂の原料や硬化剤
にも使用できる。特に近年では、半導体封止剤としての
用途が期待されている。
〔従来の技術〕
従来、このようなフェノール重合体の製造方法に関し
ては、(A)特公昭41-14099号公報、(B)特開昭47-3
5000号公報、(C)特開昭61-168624号公報、(D)特
開昭63-99224号公報、(E)特開昭62-4720号公報、
(F)特開昭62-257924号公報、(G)米国特許3,336,3
98号公報、(H)米国特許3,536,734号公報および
(I)石油学会誌、第27巻、No.3(1984年)207〜213ペ
ージ等に記載されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記公知の製造方法を類別すると、(B)、(G)お
よび(I)は、無触媒でオートクレーブ中200℃以上の
温度で反応させる方法であり、一方、(A)、(C)、
(D)、(E)、(F)、(H)および(I)はフリー
デルクラフツ触媒としてルイス酸触媒を使用する方法で
ある。しかしながら使用されている触媒としては、専ら
三弗化ホウ素およびその錯体である。
上記製造方法において、前者の無触媒で行なう方法
は、オートクレーブ中で加圧下、高温で反応させる必要
があるため、装置およびエネルギー的に経費の増大とな
る。又、高温下で反応を行なうため、原料のジシクロペ
ンタジエンの開裂反応やフェノールを含まない単独重合
等の副反応が生起するので、好ましい交互共重合体の生
成割合が低下する等の問題がある。(土屋等、石油学会
誌、第27巻、No.3(1984年)207〜209ページ) 又、後者のフリーデルクラフツ触媒を使用する方法
は、主として交互共重合体を製造する方法として開示さ
れている。この反応で、最も好ましい触媒は三弗化ホウ
素系触媒であり、公知技術のいずれの場合もこの触媒が
使用されている。しかしながら、この三弗化ホウ素系触
媒の欠点は、水分の存在や加熱による分解等で極めて腐
蝕性の強い物質が生成するので通常の材質では使用でき
ないことである。
また、(F)の特開昭62-257924号公報には酸触媒と
してジフェニルオキシドのスルホン酸類が使用できるこ
とが記載されている。この様な芳香族スルホン酸は固体
であるが、反応により生成した重合体には相溶し、分離
除去が困難である。
芳香族スルホン酸、三弗化ホウ素あるいはその他のル
イス酸を触媒とするいずれの場合にも共通する欠点は、
重合体中に触媒およびその分解物が残存することであ
る。このことは半導体封止剤等の電子材料分野において
は重大な欠陥として問題となる。
一方、公知技術のうち(D)の特開昭63-99224号公報
では、上記問題点を解消するために、反応後、溶媒を加
えて重合体を溶解し、多量の水で洗浄する方法を提案し
ている。しかしながら、この方法では、触媒成分ととも
に未反応フェノールを水洗除去しなければならず、溶媒
の回収とともに多量のフェノール化合物を含む洗浄水の
無公害化が必要となってくる。
このように、三弗化ホウ素に代表されるルイス酸や芳
香族スルホン酸を触媒として使用する公知の方法では、
得られる重合体の品質や製造上に多くの問題点があるた
め、工業的な製造法として採用することは非常に難しい
のが現状である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記種々の問題点を克服し、エポキシ
樹脂や半導体封止剤分野で利用可能なフェノール化合物
とジシクロペンタジエンの交互共重合体を主成分とする
重合体の製造方法を鋭意検討した。その結果、本発明を
完成させたものである。即ち、本発明はフェノール化合
物とジシクロペンタジエンを一般式(I) CnH2n+1SO3H (I) (但し、式中nは1〜4の整数を示す) で表わされるアルカンスルホン酸触媒の存在下で反応
させることを特徴とするフェノール重合体の製造方法で
ある。
本発明の方法で触媒として使用する式(I)のアルカ
ンスルホン酸としては、具体的には、メタンスルホン酸
(CH3SO3H)、エタンスルホン酸(C2H5SO3H)、プロパ
ンスルホン酸(C3H7SO3H)およびブタンスルホン酸(C4
H9SO3H)が挙げられるが、工業的にはメタンスルホン酸
が好ましい。本発明の方法で使用する触媒の量は全原料
に対して0.5重量%以上あればよく、上限は制限されな
いが、経済性を考慮すれば、0.5〜100重量%、好ましく
は1.0〜50重量%の範囲である。
本発明で用いるこれらのアルカンスルホン酸は、通
常、液体であり、その沸点は原料のフェノール化合物の
沸点に近いので除去することは容易である。即ち、反応
終了後、未反応原料を蒸留回収する際にアルカンスルホ
ン酸も同時に回収出来る。しかも、回収されたアルカン
スルホン酸は回収フェノール化合物とともに再利用でき
る利点がある。又、より厳密にイオン性不純物が問題と
される場合には、未反応原料等を真空蒸留除去後、溶媒
を加えて水洗分液して除去する方法がとられる。
本発明の方法で使用するフェノール化合物は、一価ま
たは二価フェノール、ビスフェノール、およびトリスフ
ェノール等が挙げられる。具体的には、フェノール、o
−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−
エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−イソプ
ロピルフェノール、p−n−プロピルフェノール、p-se
c−ブチルフェノール、p−シクロヘキシルフェノー
ル、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、p
−ブロモフェノール、レゾルシン、カテコール、ハイド
ロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、4,4′−チオジフェノール、ジヒドロキシジフェ
ニルメタンおよびトリスヒドロキシフェニルメタン等が
挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
本発明の方法における反応では、ジシクロペンタジエ
ンに対する前記フェノール化合物の使用割合は、1〜20
倍モル、好ましくは1.3〜10倍モルの範囲である。
反応は通常、無溶媒下で加熱重合させる方法が一般的
であるが、反応に不活性な溶媒を使用して行なっても何
ら不都合はない。反応温度は20〜200℃、好ましくは40
〜160℃の範囲である。反応時間は2〜15時間程度であ
る。
本発明の方法における反応の一般的な実施態様は触媒
を含む全原料を一括装入して、そのまま所定の温度まで
昇温する方法でもよいが、好ましくは、所定の温度で、
触媒を含むフェノール化合物にジシクロペンタジエンを
滴下させながら反応させる方法がよい。反応の進行は高
速液体クロマトグラフィーにより追跡できる。
反応終了後、未反応原料および触媒を真空蒸留により
回収した後、そのまま排出して重合体を得てもよく、ト
ルエン、メチルイソブチルケトン等を加えて溶解させた
重合体溶液を水洗後、脱溶媒して重合体を得てもよい。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1 温度計、攪拌装置を付したガラス製反応器にフェノー
ル470g(5モル)と触媒のメタンスルホン酸30gを装入
し、攪拌しながら昇温して90℃に保った。ついで、これ
にジシクロペンタジエン132.2g(1モル)を5時間かけ
て滴下した。滴下後、内温を150℃まで昇温し、この温
度で5時間熟成を行なって反応を終了した。次に、この
粘稠な反応溶液を真空下で内温160℃まで昇温し、未反
応のフェノール等を蒸留回収したのち、ただちに排出し
て放冷した。得られた暗赤色の重合体塊は一般式〔II〕 〔式中、mは1以上の整数を示す〕 で表わされるフェノールとジシクロペンタジエンの共
重合体であり、GPCで測定した結果、その組成(Area
%)は以下の通りであった。
m=0 49.1% m=1 26.5% m=2 13.8% m≧3 10.6% 収量は285gであり、この重合体の軟化点はJIS-K-2548
による環球法で測定した結果、104℃であり、水酸基当
量は178.1g/eqであった。
なお、反応後も反応器には見た目で何ら変化は認めら
れなかった。
実施例2 温度計、攪拌装置を付したガラス製反応器にフェノー
ル282g(3モル)と触媒のエタンスルホン酸8.2gを装入
し、攪拌しながら昇温して90℃に保った。ついで、これ
にジシクロペンタジエン132.2g(1モル)を4時間かけ
て滴下した。滴下後、内温を150℃まで昇温し、この温
度で5時間熟成を行なって、反応を終了した。次に、こ
の粘稠な反応溶液を、真空下で内温160℃まで昇温し、
未反応のフェノール等を蒸留回収した。この蒸留残査に
トルエン500gを注加して均一溶液とし、攪拌下で水500g
を加えた。1時間還流状態を保ったのち静置したところ
2層に分液した。下層の水層を抜き去り、上層のトルエ
ン層から真空下でトルエンを留去させた。ただちに、排
出して放冷したところ、茶褐色の重合体塊が得られた。
収量は272gで、軟化点は120℃であった。実施例1と同
様にGPCにより分析した結果、その組成(Area%)は以
下の通りであった。
m=0 40.5% m=1 24.7% m=2 15.8% m=3 9.5% m≧4 9.5% 水酸基当量は211g/eqであった。
なお、分液した水層のpHは6.2であった。反応後も、
反応器には見た目で何ら変化は認められなかった。
実施例3 実施例1の反応で、フェノールの代わりにp−クレゾ
ール540g(5モル)を使用して実施例1と同様に反応、
後処理を行って下記式(III) 〔式中、mは式(II)と同じ意味を示す〕 で表される重合体297gを得た。この重合体の軟化点は
93℃で、GPCにより測定した重合体の組成(Area%)は
次の通りであった。
m=0 47.2% m=1 26.9% m=2 14.6% m≧3 11.3% この重合体の水酸基当量は185g/eqであった。反応後
も反応器には見た目で何ら変化は認められなかった。
比較例1 温度計、攪拌装置を付したガラス製反応器にフェノー
ル470g(5モル)と三弗化ホウ素含量26%のフェノール
/三弗化ホウ素錯体11.5gとを装入し、攪拌下で90℃ま
で昇温した。ついで、ジシクロペンタジエン132gを内温
90〜100℃の間で4時間かけて滴下した。滴下後5時間
熟成を行なって反応を終了した。次に、この粘稠な反応
溶液を実施例1と同様にして未反応フェノールを回収し
たところ、蒸留の最後の時点で内容物から白煙の発生が
認められた。残査を実施例2と同様にトルエンに溶解
後、水洗、分液した。下層の水層のpHは3.2で、酸性で
あった。反応後、反応器の一部に僅かに腐蝕が認められ
た。
〔発明の効果〕 本発明は有用なフェノール重合体を簡単に製造できる
方法を提供する。
従来から知られている反応方法では、重合体の品質や
装置の腐蝕に伴う材質上の問題があり、工業的に全く製
造出来なかった。本発明の方法はこのような問題点を完
全に解決し、有用なフェノール重合体を安価に供給でき
るため、産業上の発展に貢献すること大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 61/00 - 61/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール化合物とジシクロペンタジエン
    を 一般式(I) CnH2n+1SO3H (I) (但し、式中nは1〜4の整数を示す) で表わされるアルカンスルホン酸触媒の存在下で反応さ
    せることを特徴とするフェノール重合体の製造方法。
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