JP2898141B2 - 静電写真用液体現像剤 - Google Patents

静電写真用液体現像剤

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JP2898141B2 JP4122006A JP12200692A JP2898141B2 JP 2898141 B2 JP2898141 B2 JP 2898141B2 JP 4122006 A JP4122006 A JP 4122006A JP 12200692 A JP12200692 A JP 12200692A JP 2898141 B2 JP2898141 B2 JP 2898141B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電潜像を現像するた
めに使用される液体現像剤および荷電調節剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】静電写真用液体現像剤は、109 Ω・cm
以上といった高い電気抵抗をもつキャリヤー液(担体液
ともいう)、正または負に帯電したトナー粒子、トナー
粒子に定着性を与える定着用樹脂、トナー粒子を安定に
分散する分散剤、トナー粒子を正または負に帯電させる
荷電調節剤および種々の添加剤から成るのが一般的であ
る。荷電調節剤は、トナー粒子に正または負の明瞭な荷
電極性を与えると同時に、荷電量をコントロールするも
のであり、液体現像剤にとっての必須成分である。トナ
ー粒子の持つ荷電は現像処理後の画像に大きな影響を与
えるため、それを安定に調節することに多大の努力が払
われている。荷電調節には大きくわけて二つの方法が知
られている。第一の方法は、トナー粒子の表面をイオン
化あるいはイオンの吸着を行い得る物質で被覆する方法
である。この目的に用いられる物質としてはアマニ油、
大豆油等の油脂、アルキド樹脂、ハロゲン化重合体、特
公昭51−5944号公報に示される芳香族カルボン
酸、特公昭56−12869号公報に示される酸性基含
有水溶性染料、特開昭50−120629号公報に示さ
れる芳香族ポリアミンの酸化縮合物等が知られている。
また特公昭46−6157、同46−6151、同51
−13584各号公報に示される極性モノマーを顔料の
存在下で重合して得られる顔料−重合体組成物(グラフ
トカーボン)、特公昭53−6354号公報に示されて
いる高分子電解質等が知られている。この方法はトナー
粒子自体が極性基を持つことからキャリヤー液に含まれ
るイオン成分を少なくすることができるため、液抵抗の
低すぎない現像剤とすることができるが、荷電量の微調
節が難しいことや、用いる物質によっては荷電量の経時
変化が著しいこと等に問題があった。また、用いる物質
の構造が明らかでなく、再現性の問題等があった。
【0003】第二の方法は担体液に溶解しトナー粒子と
イオンの授受を行い得るような物質、すなわち荷電調節
物質を共存させることである。このような物質として
は、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等のナフ
テン酸金属塩、2−エチルヘキサン酸コバルト等の金属
石鹸類、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、石油
系スルホン酸金属塩、スルホコハク酸エステルの金属塩
等のスルホン酸金属塩、レシチン、ポリビニルピロリド
ン樹脂、ポリアミド樹脂、特公昭56−24944号公
報に記載されているスルホン酸含有樹脂、特開昭57−
139753号公報に記載されているヒドロキシ安息香
酸誘導体が知られている。特開昭54−31739、同
59−137960、同61−39059各号公報に記
載されている第四級アンモニウムの可溶性共重合体、特
開昭61−50951号公報に記載されているアミノ酸
誘導体のニッケル等の金属塩、特公昭49−26596
号公報に記載されているジイソブチレン−マレイン酸共
重合体の半アルキルアミド化合物、特開昭60−173
558号、同60−179750、同60−18244
7各号公報に記載されている半マレイン酸アミド、イタ
コン酸無水物誘導体および特開平1−156762号公
報に記載されている脂肪酸とリン酸の混合グリセリンエ
ステル誘導体、特開平2−226259号公報に記載さ
れている担体液不溶性のリン酸類とその金属塩等が知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】第二の方法は、荷電調
節物質による荷電量の調節が容易なため汎用されている
が、荷電調節物質として構造不明の種々の混合物から成
る金属石鹸や樹脂などの高分子化合物が用いられるのが
一般的である。そのため、材料のロットが変わったり、
製造メーカーが違ったりすると、荷電調節能力が著しく
異なることがある。また、担体液に対する溶解性が十分
でないため、担体液以外の溶解性の大きな、例えばより
極性の大きな溶媒に溶解して添加するなどの手段がとら
れるため、現像液の抵抗値を下げ、現像液特性を劣化さ
せる等の問題があった。本発明は、上記の荷電調節剤に
おける従来の問題点を解消し、特に構造が明確で、製造
再現性が良好で、担体液への溶解性も優れた新規な荷電
調節剤の開発を課題としてなされたものであり、該荷電
調節剤を用いた正荷電性の液体現像剤を提供することを
目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、イソプレ
ノイド鎖を持つグリセリンのリン酸エステルを荷電調節
剤として用いることを研究の結果、この化合物が液体現
像剤の荷電調節剤として非常に優れていることを見いだ
し、本発明に至った。すなわち上記の課題は、少なくと
もトナー粒子、分散剤および荷電調節剤からなる静電写
真用液体現像剤において、該荷電調節剤として下記一般
式(I)で示されるグリセリンのリン酸エステルを含ん
でなる静電写真用液体現像剤により解決された。
【化2】 〔式(I)中nは1から3の整数を表し、Rは水素原子
またはリン酸の保護基を表す〕
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
荷電調節剤であるグリセリンのリン酸エステル類は上記
一般式(I)で示されるイソプレノイド型のリン脂質で
ある。式(I)中、nは1から3の整数を表し、n=1
の場合は、疎水部の炭素骨格がモノテルペン、n=2の
場合はセスキテルペン、n=3の場合はジテルペンであ
る。また、分子内に存在する不斉炭素原子の立体化学に
関してはR体、S体、ラセミ体のいずれでもよい。これ
らは原料の入手の容易さを考慮して選択することが可能
であるが、イソプレノイド疎水部の分岐メチル基の立体
化学に関しては(R)の絶対配置のものが好ましい。そ
のような光学活性イソプレノイドは、天然に存在するテ
ルペンを原料にして用いても、また野依らの方法(J.Or
g.Chem.,53巻,708頁,1988 、J.Am.Chem.Soc.,109巻, 15
96頁, 1987年)に従い不斉水素添加を行って調製するこ
とも可能である。
【0007】式(I)中、Rは水素原子またはリン酸の
保護基を表す。リン酸の保護基としては通常の核酸、リ
ン脂質の合成において用いられる既知のもののなかか
ら、合成の容易さ、脱保護基条件等を考慮して選択する
ことが可能であり、例えばアルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、アリール基等が適当である。具体的には
ベンジル基、フェニル基、o−クロロフェニル基、p−
クロロフェニル基、メチル基、2,2,2−トリクロロ
エチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、2−シア
ノエチル基、アリル基、シクロプロピルメチル基等が挙
げられるが、好ましくはベンジル基、フェニル基、メチ
ル基である。式(I)で示される化合物の具体例として
は、表1に示す化合物例−1〜化合物例−30を挙げるこ
とができる。
【0008】
【表1】
【0009】さらに、本発明の一般式(I)の化合物の
好ましい例として、次の化3〜化5に示す化合物例を挙
げることができる。
【化3】
【化4】
【化5】 本発明の一般式(I)の化合物の合成法については、公
知の方法、例えばH.Eiblによる総説( Chem. Phys. Lipi
ds, 26巻, 405頁, 1980年)に記載の方法が有効であ
る。合成方法は試薬の入手の容易さや、反応のスケール
を考慮して適宜選択することが出来る。本発明の一般式
(I)の化合物の性状は主に油状であり、本発明の静電
写真用液体現像剤に用いられる高い電気抵抗(109 Ω
・cm以上)をもつ担体液に優れた溶解性を有する。本発
明の一般式(I)の化合物は、上述のように高い電気抵
抗(109 Ω・cm以上)をもつ担体液に可溶性(1×1
-2M以上の溶解性をもつ)であるが、一般式(I)に
おけるアルキル基が本発明のようにイソプレン骨格では
なく直鎖状のものはこれらの担体液に対して1×10-3
M以下しか溶解しないため、実質上不溶である。また、
本発明の化合物が何故荷電調節剤としての作用をもつか
は、未だ十分な解明はなされていないが、担体液に十分
な溶解性を持つことと、遊離酸の形をもつリン酸基を含
有することが、重要な因子であると考えている。
【0010】本発明の液体現像剤に用いる担体液は、電
気抵抗109 Ω・cm以上、誘電率が3.5以下の、好ま
しくは電気抵抗109 Ω・cm以上でかつ誘電率3以下の
直鎖状もしくは分枝状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水
素、芳香族炭化水素、およびこれらのハロゲン置換体か
らの少なくとも1種の非水溶媒を挙げることができる。
具体的には例えばオクタン、イソオクタン、デカン、イ
ソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカ
ン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、
トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーE、アイ
ソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパー;
エクソン社の商品名)、シエルゾール70、シエルゾー
ル71(シエルゾール;シエルオキル社の商品名)、ア
ムスコOMSおよびアムスコ460(アムスコ;スピリ
ッツ社の商品名)等から選ばれた溶媒を単独あるいは混
合して用いることができる。
【0011】本発明に用いるトナー粒子としては、特に
指定されるものではなく従来公知のものを使用すること
が出来る。トナー粒子は、可視化するため顔料や染料等
の着色剤とそれに定着性を付与する樹脂から成るのが一
般的である。一方、印刷版用等のようにインキ付着性の
みが要求さたり、トナー画像部をレジストとして非画像
部を溶出して印刷版を作製する場合等の用途には、着色
剤は必ずしも必要ではなく、樹脂単独の粒子でトナー粒
子とすることができる。トナー粒子の主要な構成成分で
ある樹脂としては、担体液に不溶あるいは膨潤性の実質
的に不溶性の樹脂であればいずれでもよく、例えばポリ
エチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、カーボネート樹
脂、酢酸ビニル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、アル
キレン樹脂、フェノール変性アルキッド樹脂、アマニ油
変性アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール−ホル
マリン樹脂、クマロン−インデン樹脂、天然樹脂変性マ
レイン酸樹脂、植物油ポリアミド樹脂、ロジン系樹脂、
ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、環化ゴ
ム、天然ゴム等の合成または天然樹脂等が挙げられる。
また、特開昭58−121047、同58−12793
9、同58−139155、同61−162058、特
開平2−74957、同2−74958各号公報で開示
された耐レジスト性のアクリル樹脂、アクリル−スチレ
ン共重合体樹脂等も挙げられる。
【0012】本発明に用いる着色剤としては、従来、液
体現像剤用として使用されていた公知の顔料または染料
或いはこの両者を用いることができる。例えば、ハンザ
イエロ(C.I.11680)、ベンジジンイエローG
(C.I.21090)、ベンジジンオレンジ(C.
I.21110)、フアーストレッド(C.I.370
85)、ブリリアントカーミン3B(C.I.1601
5−Lake)、フタロシアニンブルー(C.I.74
160)、フタロシアニングリーン(C.I.7426
0)、ビクトリアブルー(C.I.42595−Lak
e)、スピリットブラック(C.I.50415)、オ
イルブルー(C.I.74350)、アルカリブルー
(C.I.42770A)、フアーストスカーレット
(C.I.12315)、ローダミン6B(C.I.4
5160)、フアーストスカイブルー(C.I.742
00−Lake)、ニグロシン(C.I.5041
5)、カーボンブラック等がある。表面処理した顔料、
例えばニグロシンで染色したカーボンブラック、ポリマ
ーをグラフト重合させたグラフトカーボン等も使用でき
る。その他として特公昭57−195157号公報に記
載されている2,3−ナフタレンジオールのビスアリー
ルアゾ誘導体、特公昭47−4440号公報に記載され
ているフオルマザン染色顔料、特公昭51−1431、
同56−4912、同56−4911各号公報等に開示
されているレーキ顔料等も有用である。
【0013】本発明の現像剤は、従来公知の方法によっ
て製造することが出来る。以下にその製造法の例を示
す。まず顔料または染料、あるいはこの両者から成る着
色剤と前記のトナー粒子形成用樹脂を、該樹脂の親溶媒
中で、ボールミル、ロールミル、ペイントシェーカー等
の分散機を用いて分散・混練し、加熱等により溶剤を除
去して混和物を得る。 或いは、上記混練物を、該樹脂
を溶解しない液体中に注ぎ込み、再沈により混和物を得
る。或いはまた、着色剤と該樹脂とを、該樹脂の融点以
上の温度に加熱しながらニーダーや三本ロールミル等の
混練機を用いて混練し、これを冷却することにより混和
物を得る。
【0014】このようにして得られた混和物を乾式粉砕
後もしくはそのまま分散剤と共に湿式粉砕してトナー濃
厚液を得る。湿式粉砕時の溶媒は担体液そのものでもよ
く、それにトルエン、アセトン等の上記樹脂の親溶媒を
1〜20重量%加えたものでもよい。また、単量体では
非極性溶媒に溶解するが、重合して樹脂になると該溶媒
に不溶となるような単量体を、該溶媒中で重合すること
により該溶媒中に分散した樹脂を得る、いわゆる分散重
合造粒法が知られている。例えば、K.E.J.Barrett,「Di
spertion Polymerization in Organic Media」John Wil
ley and Sons,london, 1974、米国特許第363756
9、同3753760各号明細書等に記載の方法に従っ
て作製することができる。
【0015】分散重合造粒法で得られた樹脂粒子を着色
する方法として例えば特開昭48−752424号公報
等で公知の方法である分散機(ペイントシェーカー、コ
ロイドミル、振動ミル、ボールミルなど)を用いて物理
的に樹脂中に分散する方法があり、使用する顔料・染料
は非常に多く知られている。例えば磁性酸化鉄鉄粉、カ
ーボンブラック、ニグロシン、アルカリブルー、ハンザ
イエロー、キナクリドンレッド、フタロシアニンブル
ー、フタロシアニンブラック、ベンジジンイエロー等が
挙げられる。
【0016】他の着色の方法として、特開昭57−48
738号公報等に記載の如く、分散樹脂物を好ましい染
料で加熱染色する方法がある。例えば、ハンザイエロ
ー、クリスタルバイオレッド、ビクトリアブルー、マラ
カイトグリーン、セリトンフアストレッド、デスパース
イエロー、デスパースレッド、デスパースブルー、ソル
ベントレッド等が挙げられる。
【0017】更に他の着色の方法として、分散樹脂と染
料を化学的に結合させる方法がある。例えば特開昭53
−54029号公報等では、樹脂と染料とを反応させる
方法あるいは、特公昭44−22955号公報等では、
重合することで不溶化し分散し得る樹脂の単量体に色素
を予め結合させておく方法が知られており、これらを使
用することができる。
【0018】本発明の現像剤では必ずしも必要ではない
が、公知の荷電調節剤を併用することができる。適当な
例としてはナフテン酸、オクテン酸、オレイン酸、ステ
アリン酸、イソステアリン酸あるいはラウリン酸等の脂
肪酸の金属塩、スルホコハク酸エステル類の金属塩類、
特公昭45−556、特開昭52−37435、同52
−37049各号公報等に示されている油溶性スルホン
酸金属塩、特公昭45−9594号公報に示されている
リン酸エステルの金属塩、特公昭48−25666号公
報に示されているアビエチン酸もしくは水素添加アビエ
チン酸の金属塩、特公昭55−2620号公報に示され
ているアルキルベンゼンスルホン酸Ca塩類、特開昭5
2−107837、同52−38937、同57−90
643、同57−139753各号公報等に示されてい
る芳香族カルボン酸あるいはスルホン酸の金属塩類、ポ
リオキシエチル化アルキルアミンのような非イオン性界
面活性剤、レシチン、アマニ油等の油脂類、ポリビニル
ピロリドン、多価アルコールの有機酸エステル、特公昭
46−3716号公報に示されている油溶性フェノール
樹脂、および先に述べた各種の荷電調節剤等がある。
【0019】本発明の現像剤の分散性を高めるため公知
の分散剤を使用することができる。分散剤とは、本発明
の現像剤に使用する高電気抵抗性の非水溶媒である担体
液に溶解または膨潤し、トナー粒子の分散性を高める樹
脂類であり、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ビニ
ルトルエン−ブタジエンゴム、ブタジエン−イソプレン
ゴム等の合成ゴム類、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレー
ト等の長鎖アルキル基を持つアクリル系単量体の重合体
またはそれらとスチレンやビニルトルエン等とのランダ
ムもしくはグラフトやブロック共重合体等が挙げられ
る。
【0020】本発明の液体現像剤の各組成分の量は下記
の通りである。樹脂または/および着色剤を主成分とし
てなるトナー粒子は、担体液1000重量部当たり0.
1から50重量部、好ましくは0.3重量部から20重
量部である。分散剤は担体液1000重量部に対し0.
1から100重量部、好ましくは0.5重量部から50
重量部である。本発明の荷電調節剤は0.0001重量
部から3重量部、好ましくは0.001重量部から1重
量部である。
【0021】本発明の現像剤は周知の有機光導電体、も
しくは無機光導電体を用いた感光体に対して用いること
ができる。また本発明の現像剤は感光以外の手段即ち帯
電針による誘電体の帯電等で生ぜしめた静電潜像を現像
するのにも用いられる。有機光導電体としては、周知の
広範囲の有機光導電体がある。具体例は「リサーチ デ
ィスクロージャー」〔Research Disclosure 誌、10938
(1973年)5月号61頁以降、「電子写真要素、材料および
プロセス」という表題の論文〕等に記載されている物質
がある。実用に供されているものとしては例えば、ポリ
−N−ビニルカルバゾールと2,4,7−トリニトロフ
ルオレン−9−オンとからなる電子写真感光体(米国特
許第3484239号明細書)、ポリ−N−ビニルカル
バゾールをピリリウム塩系色素で増感したもの(特公昭
48−25658号公報)、有機顔料を主成分とする電
子写真感光体(特開昭49−37543号公報)、染料
と樹脂とからなる共晶錯体を主成分とする電子写真感光
体(特開昭47−10735号公報)などがある。その
他、電子写真学会誌第25巻第3号(1986)の64
〜76頁に記載されている物質が挙げられる。
【0022】本発明に用いられる無機光導電体としては
「エレクトロ フォトグラフィー」〔「Electro-Photog
raphy 」R.M.Schaffert 著、Focal Press (london)出
版〕(1975年)260頁〜374頁などに開示され
ている各種の無機化合物が代表的である。具体例として
は酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫化カドミウム、セレン、セレ
ン−テルル合金、セレン−砒素合金、セレン−テルル−
砒素合金等が挙げられる。その他、アルモファスシリコ
ンも挙げることができる。
【0023】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限
定されるものではない。なお、実施例に使用した本発明
の化合物の具体例は、特願平2−147460号の明細
書に記載の合成方法に従って合成した。
【0024】実施例1 スチレンを幹とし、メタクリル酸2−エチルヘキシルを
枝とするグラフト共重合体(スチレンとメタクリル酸2
−エチルヘキシルの重量比40/60、分散安定用樹
脂)を15g、メタクリル酸70g、アクリル酸エチル
30gおよびアイソパーH 400gの混合溶液を窒素
気流下撹拌しながら60℃に加温した。2,2′−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.0gを加
え、6時間反応させ、平均粒子径0.27μm(堀場製
作所製、遠心透過式粒子サイズ測定機CAPA−700
で測定)のラテックス分散物を得た。このラテックス分
散物と本発明の添加物を下記表2の組成で調合し、比較
用希釈分散液(a)および本発明の正荷電性の液体現像
剤(A)を作製した。
【0025】
【表2】
【0026】各々の液体現像剤の極性をクシ型電着法
(印加電圧1kV)で調べ、荷電量は特公昭64−69
6号公報に記載の現像特性測定機で測定した(印加電圧
500V、印加した電極の背面に誘起された電圧の時間
変化の初期値を測定した)。
【0027】
【表3】
【0028】表3に示すように本発明の化合物を添加し
ない希釈分散液(a)は、極性が不明瞭で荷電量が殆ど
観測されなかったが、本発明の化合物−21を添加した
液体現像剤(A)は極性がプラスに荷電調節され、+1
15mVの荷電が発生していた。
【0029】比較例1〜4 実施例1で用いたラテックス分散物を用い、本発明の化
合物例−21に変えて、化6に示す化合物例−21の中間体
1〜中間体4のいずれかを、表4に示すように添加し、
実施例1と同様にして比較用液体現像剤(B)〜(E)
を作製し、極性と荷電量を調べた。結果を表5に示す。
【化6】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】表5に示すように本発明の化合物以外を荷
電調節剤として用いた比較用液体現像剤(B)〜(E)
では極性が不明瞭で荷電の発生が見られなかった。この
結果は、荷電発現にはリン酸基の存在が重要な因子であ
り、本発明の一般式(I)の化合物によって荷電発現が
得られることを示している。
【0033】実施例2〜4 表6及び表7に示すように、実施例1で用いたラテック
ス分散物を用いて、実施例1と同様にして液体現像剤
(F)〜(H)を作製し、極性と荷電量を調べた。
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】表7のように、本発明の一般式(I)の化
合物を用いた液体現像剤(F)〜(H)はいずれもプラ
スに荷電調節され、発生する荷電量も大きく、本発明の
該化合物が荷電調節剤として優れていることを示した。
【0037】実施例5,6 ポリ(ラウリルメタクリレート)20g、酢酸ビニル1
00gおよびアイソパーH 380gの混合溶液を窒素
気流下で撹拌しながら温度70℃に加温した。2,2′
−アゾビス(イソブチロニトリル)1.5gを加え5時
間反応した。粒子サイズ0.18μmのラテックス分散
物を得た。このラテックス分散物と本発明の一般式
(I)の化合物を下記表8の組成で調合し、液体現像剤
(I),(J)を作製し、実施例1と同様に極性と荷電
量を調べ、結果を表9に示した。
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】
【0040】本発明の一般式(I)の化合物を用いた液
体現像剤はいずれもプラスに荷電調節され、発生する荷
電量も大きく、本発明の該化合物が荷電調節剤として優
れていることを示した。
【0041】比較例6 実施例5において、本発明の化合物例−21に替えて、化
7に示すイソプレノイド基を有さず直鎖のアルキル基を
有する比較化合物を用いた以外は、実施例5と同様にし
て、表10に示すように比較用液体現像剤(K)を作製
した。該比較化合物はアイソパーGに対する溶解性が劣
るため(1×10-2M、1×10-3Mともに室温で不
溶)、1×10-3M添加したアイソパーGの液を60℃
に加熱し、溶解時に添加した。極性と荷電量を実施例1
と同様にして調べ、表11に示した。極性はプラスであ
ったが、荷電量が低く、十分に荷電調節されていなかっ
た。
【化7】
【0042】
【表10】
【表11】
【0043】実施例7 下記表12の混合物をボールミルで1昼夜分散し、分散
液をアイソパーG中に流し出し沈殿物を濾別した。これ
をソルプレン1205(旭化成製 スチレン−ブタジエ
ン共重合体)2重量部をアイソパーG 40重量部に溶
解した溶液と混合しボールミルで3昼夜分散し、トナー
濃厚液を得た。粒子サイズは0.32μmであった。こ
の分散液を用いて、表13に示すように本発明の液体現
像剤(L)と比較用の液体現像剤〔希釈分散液(b)〕
を作製し、実施例1と同様にして極性と荷電量を調べた
結果を表14に示す。
【0044】
【表12】
【0045】
【表13】
【0046】
【表14】
【0047】本発明の一般式(I)の化合物を添加しな
い希釈分散液(b)は、極性が不明瞭で荷電量が殆ど観
測されなかったが、化合物例−11を添加した液体現像
剤(L)は極性がプラスに荷電調節され+78mVの荷
電が発生していた。
【0048】実施例8 下記方法で作成した印刷原版を暗所でコロナ帯電機によ
り+330Vに帯電し、タングステン光で露光した後、
反転現像法(バイアス電圧+100V〜+280V)で
本発明の実施例1〜6に記載の本発明の液体現像剤と比
較用の液体現像剤を用いて現像した。本発明の液体現像
剤では画像流れや二重像(画像周辺部に発生するフリン
ジ)のない白色の画像が得られた。一方比較用の液体現
像剤では、画像の流れが激しく本来画像を形成すべき画
像が流れてしまい評価不能であった。次に、これらの液
体現像剤で現像剤した画像を定着後、非画像部を常法に
従いアルカリ製の溶出剤で溶出し印刷版を作製し印刷し
たところ、地汚れの殆どない画像再現性の良質な印刷物
が得られた。
【0049】印刷原版の作製:JIS1050アルミニ
ウムシートをパミスー水懸濁液を研磨剤として、回転ナ
イロンブラシで表面を砂目立てした。このときの表面粗
さ(中心線平均粗さ)は0.5μmであった。水洗後、
70℃の10%苛性ソーダ水溶液に浸漬しアルミニウム
の溶解量が 6g/m2 になるようにエッチングした。
水洗後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬することにより
中和し、十分水洗した。その後、0.7%硝酸水溶液中
で、陽極時電圧13ボルト、陰極時電圧6ボルトの短形
波交番波形を用いて(特公昭55−19191号公報に
記載の方法参照)20秒間電解粗面化を行い、20%硫
酸の50℃溶液中に浸漬して表面を洗浄した後、水洗し
た。更に、20%硫酸水溶液中で陽極酸化皮膜重量が
3.0g/m2 となるように陽極酸化処理を施して、水
洗、乾燥することにより、基板を作成した。この基板上
に下記表15の組成の光導電相用塗布液をバーコーダー
で塗布、120℃、10分間乾燥し電子写真製版用印刷
版の原版を作成した。
【0050】
【表15】
【0051】以上を300mlのガラス製容器にガラス
ビーズと共にペイントシェーカー(東洋精機製作所
(株)製)で60分間分散し、光導電層用分散液を作成
した。このようにして作成した電子写真製版用印刷版原
版の乾燥膜厚は4μmであった。
【0052】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で示されるイソプ
レノイド基を有するグリセリンのリン酸エステル類は荷
電調節剤として新規であり、高電気抵抗性のキャリヤー
液に十分な溶解性を有する。この化合物を液体現像剤の
荷電調節剤として用いるとトナー粒子をプラスに荷電調
節することが可能で、荷電特性と画像特性の優れた液体
現像剤を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−210345(JP,A) 特開 昭61−39058(JP,A) 特開 昭61−39059(JP,A) 特開 昭62−56972(JP,A) 特開 平2−226259(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/135

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともトナー粒子、分散剤および荷
    電調節剤からなる静電写真用液体現像剤において、該荷
    電調節剤として下記一般式(I)で示されるグリセリン
    のリン酸エステルを含んでなる静電写真用液体現像剤。 【化1】 〔式(I)中nは1から3の整数を表し、Rは水素原子
    またはリン酸の保護基を表す〕
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