JP2897305B2 - 生物脱臭装置 - Google Patents

生物脱臭装置

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JP2897305B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、し尿処理場、下水処理場、その他各種工
業の排水処理場で発生するアンモニア、硫化水素、メチ
ルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル等の悪臭成
分を含む悪臭ガスを生物学的に分解して脱臭する微生物
の担体として充填層を備えた生物脱臭装置に関する。
<従来の技術> そのような脱臭装置として、ピートに合成樹脂加工を
施し、一体化した成形物からなる充填層を処理塔内に設
け、この充填層に悪臭成分を分解する微生物を担持し、
悪臭ガスを上記充填層に上向流で通気して脱臭する生物
脱臭装置を特願平1− 号(出願日:平成1年
12月11日)で提案した。
このようにピートに合成樹脂加工を施し、一体化した
成形物にすると、長時間運転してもピート繊維の圧密が
起きず、これに伴い圧力損失も上昇せず、空隙率の変化
がないため上向流する悪臭ガス、下向流する洗浄水を夫
々均一に流し、長期間にわたり効率よく悪臭ガスを処理
できる。又、ピートが洗浄水を含む保水量も少ないため
洗浄がスムースに行なえるという利点が生じる。
<発明が解決しようとする課題> 前記先行提案ではピートに合成樹脂加工を施す際、ピ
ートの繊維を無方向にしたまゝ圧縮成形加工をしてい
た。この圧縮成形物を積み重ね、充填層を形成すると積
み重ね方によって圧密化にばらつきが生じた。圧縮成形
物を繊維の方向がほゞ上下に向くように処理塔内に配置
し、充填層にすると、圧密防止等に一層効果があること
を見出し、本発明をなすに至った。
<課題を解決するための手段> そこで本発明は、悪臭成分分解用微生物の担体として
充填層を備えた生物脱臭装置において、 上記充填層は、繊維状物質を合成樹脂で一体化した圧
縮成形物からなり、繊維の方向を上下に向けて配置した
のである。
<実施例> 第1図に示した実施例において、1は縦長な処理塔、
2は塔内に下から悪臭ガスを供給する給気口、3は処理
ガスを放出するため塔項に設けた放出口、4は塔内に設
けた充填層、5は上記充填層を支持するため塔内に縦設
したグレーチングなどの通気、通水性の支持体、6は運
転中に洗浄水を散布するための散水管であり、充填層4
には硝化菌、硫黄菌等、悪臭ガス中の悪臭成分を分解す
る微生物を植菌し、増殖させ馴養してある。
充填層4は繊維状物質、例えばピート、繊維状活性
炭、アクリル繊維などの合成繊維からなり、繊維に合成
樹脂加工を施すことにより一体化した圧縮成形物7と
し、繊維の方向を上下に向けて処理塔内の支持体5上に
配置してある。
この成形体7は、例えば1辺が50cm程度の第2図に示
すような立方体のブロックとし、これを支持体5上に敷
き詰め、必要ならば所定の高さになるよう複数段、積層
してもよい。
この成形体7を得るには、繊維状物質を充分にほぐ
し、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹
脂など適宜の合成樹脂を溶剤と一緒にほぐした繊維状物
質に吹き付けて混合しながら立方体ブロック成形用の型
枠8内に充填し(第3図)、樹脂が固化するまで型枠内
に充填した繊維状物質を軽く圧縮して置けばよい(第4
図)。つまり、充分にほぐして型枠内に充填した繊維状
物質の繊維は無方向であるが、樹脂が固化するまで型枠
内で軽く圧縮して置くことにより個々の繊維Fは圧縮方
向に対して直交する方向に向きを揃え、固化した樹脂に
よりその状態に結合され、一体化するのである。尚、繊
維に付着した溶剤は成形後に揮散させる。
そして、処理塔内に配置する際は、繊維の方向を水平
方向にするよりは、垂直方向したほうが圧縮に対して遥
かに強い強度を示すため、そのように繊維の方向を上下
に向けるのである。
従って、第3,4図に示すように垂直方向に圧縮して成
形した場合は、成形体7を90°回転させた方向で処理塔
内に配置し、水平方向に圧縮して成形した場合はそのま
ゝの向きで塔内に配置すればよい。
同じ処理塔三基の1つの支持体上に、ピート繊維をバ
ラ積みした充填層を設け(比較例1)、他の一基の支持
体上にピート繊維を合成樹脂加工を施し、一体化した圧
縮成形物を繊維の方向が水平になるように配置し(比較
例2)、残りの一基の支持体上にピート繊維に合成樹脂
加工を施して一体化した圧縮成形物を、繊維の方向がほ
ゞ上下になるように充填層を配置し(実施例)、各処理
塔内に悪臭成分として濃度4.5ppmのメチルメルカプタン
を含む悪臭ガスをSV=50(1/hr)で供給して充填層に上
向流で通気し、運転開始30日後の圧密度等を測定した
所、下表の結果が得られた。尚、各充填層の初期密度は
0.07kg-DS/lであり、圧力損失はLV=225m/hrにて測定し
た。
以上で明らかなように、悪臭成分の除去性能はほゞ同
じであるが、運転開始後30日を経過しても殆ど圧密化せ
ず、圧力損失の上昇も少ない。このことは、圧密化し、
圧力損失が上昇して運転が困難になり、充填層を再構成
するまでの運転ライフが非常に長くなることを意味す
る。
<発明の効果> 本発明によれば充填層の圧密化、圧力損失の上昇が防
止でき、長期間にわたり安定して悪臭ガスを無臭化処理
する生物脱臭装置を提供できる。そして、充填層の繊維
の方向は上下に向いているため洗浄水の流れはスムース
で、洗浄効果もよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による生物脱臭装置の一実施例の断面
図、第2図は第1図の充填層を構成するのに使用した繊
維状物質の成形体の斜視図、第3図と第4図は第2図の
ブロックの成形状態を示す断面図である。 図中、1は処理塔、2は悪臭ガスの給気口、3は処理ガ
スの放出口、4は充填層、5は支持体、6は洗浄用の散
水管、7は繊維状物質の成形体、Fは繊維を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】悪臭成分分解用微生物の担体として充填層
    を備えた生物脱臭装置において、 上記充填層は、繊維状物質を合成樹脂で一体化した圧縮
    成形物からなり、繊維の方向がほゞ上下に向くように配
    置したことを特徴とする生物脱臭装置。
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