JP2004024996A - 生物担持用担体、それを用いる生物脱臭装置、及び脱臭方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】含水率が5.0〜30.0質量%、比表面積が50〜500m2/gの活性炭からなる生物担持用担体に微生物を担持させた脱臭塔10に臭気成分を含むガスを供給して臭気成分を生分解して除去する。活性炭は石炭を原料とするものが好ましい。また、生物脱臭塔の前段に加湿装置40を備えて充填層に通気するガス中の水分濃度を実質的に飽和濃度とすることが好ましい。さらに、前記生物脱臭塔の後段に、ガス中に含まれる臭気成分を吸着する吸着材を充填した吸着脱臭塔60を備えても良い。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物を担持する担体、それを用いてガス中の臭気成分を除去する脱臭装置及び脱臭方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水処理場、し尿処理場等から排出される悪臭を含むガスの処理方法として、従来より吸着法、薬液洗浄法、燃焼法、生物脱臭法等が知られている。これらの方法の中で、微生物の生分解能力を利用した生物脱臭法は、経済的に有利であると考えられている。生物脱臭法は、微生物を担持した担体を充填した脱臭塔に処理すべき臭気成分を含むガスを通過させて脱臭する方法である。
【0003】
微生物を担持する担体としては、従来、ピート(泥炭)、セラミック多孔体、プラスチック成型体、合成繊維、木炭、高分子ゲル体、活性炭等が用いられている。充填塔に充填された担体は、微生物が植種され、適宜散水されて微生物の生育に適した環境が整えられることにより、微生物はガス中の臭気成分を栄養源として増殖し、悪臭成分が微生物によって分解される。
【0004】
しかしながら、従来の生物脱臭法には種々の問題がある。
【0005】
第1の問題は散水量に関する。即ち、微生物を生育するためには担体表面を濡れた状態に維持する必要があり、通常、充填層の上部から散水を行っている。しかし、散水量が少ない場合には、全ての担体を均一に濡れた状態にすることが困難であり、濡れていない箇所は生物脱臭に関与できないため充填層全体を有効に活用することができなくなる。
【0006】
逆に、散水量が多い場合は、担体に付着している微生物が洗い流されて、やはり脱臭効率が低下する問題がある。
【0007】
第2の問題は、負荷変動の問題である。臭気成分の発生量が一定であることは通常希であり、一日の中でも時間帯によって臭気成分の発生量が大きく変動することが多い。また、休日の操業停止により臭気成分が全く発生しない期間があることもあり、日によって大きく変動することも少なくない。
【0008】
一時に多量の臭気成分が脱臭塔に供給された場合には、微生物の分解能力を超えることになり、脱臭塔から臭気成分が漏出する。逆に、臭気成分が少ない状態が長く続くと、臭気成分を栄養源とする微生物が死滅することになる。従って、できる限り負荷変動に対応できる生物脱臭装置が望まれている。
【0009】
第3の問題は、臭気成分が疎水性物質である場合にある。生物脱臭は微生物を利用するものであるから、上述のように担体表面を常に濡れた状態に保持する必要がある。臭気成分が硫化水素等のように親水性である場合には、臭気成分は担体表面で水に溶解し、微生物により生分解される。
【0010】
しかし、臭気成分が塗装工場や印刷工場等から排出される揮発性有機化合物等のように水に溶解しない疎水性化合物の場合には、担体表面で水に溶解し難いので生分解がなされず、その結果脱臭効率が著しく低下することになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らはこれらの問題点を解決すべく研究を重ねた結果、保水性のある担体を使用する場合には、散水量が少ない場合でも担体全体が水分を含み、微生物の成育に支障のないこと、また、従来吸着脱臭法において吸着材として用いられている活性炭が、微生物担持用担体として好適な保水性を備えていることに気付いた。
【0012】
そこで、活性炭を担体として用いる生物脱臭法において、同時に吸着脱臭を行うことも視野に入れ、鋭意研究を重ねた。この結果、活性炭の含水率が所定範囲にある活性炭は、これを微生物担体として用いる場合、少ない散水量で生物脱臭と吸着脱臭とを同時に行うことができること、更にこの吸着作用が臭気成分の負荷変動に対する緩衝作用として働くことを発見した。
【0013】
更に上記の活性炭の比表面積が所定の範囲にある場合は、上記吸着作用が強く働き、揮発性有機化合物等の水に溶解しない疎水性臭気成分を吸着し、その後生物処理が行われることにより最終的に効率よく疎水性臭気成分も処理されることを発見し、本発明を完成するに至った。
【0014】
従って、本発明の目的とするところは上記問題を解決する生物担持用担体、それを用いる生物脱臭装置、及び脱臭方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
【0016】
〔1〕 ガス中に含まれる臭気成分を微生物により生分解して除去する生物脱臭に用いる粒状の生物担持用担体であって、含水率が5.0〜30.0質量%、比表面積が50〜500m2/gの活性炭からなる生物担持用担体。
【0017】
〔2〕 活性炭が石炭を原料とするものである〔1〕に記載の生物担持用担体。
【0018】
〔3〕 微生物を担持させた〔1〕又は〔2〕に記載の生物担持用担体からなる充填層を内部に形成した生物脱臭塔と、前記充填層の上方に配設した水スプレーノズルと、生物脱臭塔内に臭気成分を含むガスを供給するガス導入管を備えた生物脱臭装置。
【0019】
〔4〕 生物脱臭塔の前段に加湿装置を備えてなり、前記充填層に通気するガス中の水分濃度を実質的に飽和濃度とする〔3〕に記載の脱臭装置。
【0020】
〔5〕 前記生物脱臭塔の後段に、ガス中に含まれる臭気成分を吸着する吸着材を充填した吸着脱臭塔を備えてなる〔3〕又は〔4〕に記載の脱臭装置。
【0021】
〔6〕 前記吸着脱臭塔に充填する吸着材が、前記生物脱臭塔に充填する担体と同一物である〔5〕に記載の脱臭装置。
【0022】
〔7〕 〔3〕乃至〔6〕の何れかに記載の脱臭装置を用いる揮発性有機化合物を含むガスの脱臭方法。
【0023】
【発明の実施の形態】
生物脱臭に用いる本発明の生物担持用担体は、以下に述べる所定性状の活性炭からなる。
【0024】
生物担持用担体を構成する活性炭の平均粒径は、2〜30mmが好ましく、5〜20mmがより好ましい。粒子が2mm未満の場合は、臭気成分を含むガスが充填層を通過する際の圧力損失が大きくなるので好ましくない。また、粒子径が30mmを超える場合は、ガスとの接触効率が悪くなり、脱臭効率が低下する。
【0025】
活性炭の含水率は、5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましい。
【0026】
本発明においては、活性炭の含水率は特に重要である。ここで含水率とは、活性炭を水に浸して充分に吸水させた状態において、全質量中における水分質量の割合(%)を言う。
【0027】
含水率が5質量%未満の活性炭は、微生物の生育に必要とする水分を保持することができず、これを補うため散水量を多くする必要があるので、不経済である。含水率が30質量%を超える活性炭は、微生物の成育、従って、生物脱臭については好ましいが、吸着能力が低減して、後述するように臭気成分の負荷変動に対応する緩衝作用が低下すると共に、疎水性の臭気成分の脱臭が困難になる。
【0028】
活性炭の含水率は乾留条件によって変化する。乾留による活性炭の製造方法においては、特に、低温乾留における乾留温度が重要である。含水率を5〜30%の範囲とするためには、低温乾留時の乾留温度を500〜700℃に制御することが好ましい。
【0029】
活性炭の比表面積は、50〜500m2/gが好ましく、100〜300m2/gが特に好ましい。
【0030】
比表面積50m2/g未満の活性炭は、吸着能力が不十分であり、特に臭気成分が揮発性有機化合物等の疎水性物質である場合に、効率よく脱臭することができない。逆に、比表面積が500m2/gを超える場合は、比表面積の更なる増加による脱臭性能の向上は少なく、むしろ活性炭の強度が低下するので好ましくない。
【0031】
本発明の生物担持用担体を構成する活性炭を製造するための主原料は特に制限が無く、木炭、コークス、椰子殻、樹脂等を用いることができる。しかし、一定品質で多量に生産できること、及び経済性の点を考慮すると、石炭を主原料とするものが好ましい。また、製造方法についても公知の方法を採用することが可能であるが、石炭を主原料として活性炭を製造する場合の一例を次に示す。
【0032】
まず、石炭を500〜700℃で低温乾留して半成コークスを得る。次に、この半成コークスに副原料としての石炭と結合材とを加えて混練した後、粒状に成型する。この成型物を最高温度800〜900℃の高温で乾留した後、水蒸気などで賦活することにより活性炭が得られる。
【0033】
低温乾留の条件によって、活性炭の骨格的要素、即ち空隙率及び大まかな比表面積を制御できる。高温乾留は、強度の高い成型体とするために、半成コークスを強固に結着することを主たる目的とする。従って、副原料石炭としては、結着性に優れると共に、半成コークスの収縮反応に追随できるものを選定する必要がある。最後の賦活は、目標とする比表面積を最終的に賦与するものである。
【0034】
前記の製造方法において、活性炭の比表面積は乾留条件によって変化するが、最終的には賦活の程度によって調整される。
【0035】
次に、本発明の生物脱臭塔及び脱臭装置について説明する。
【0036】
図1は、生物脱臭を行うために用いる脱臭装置の一例を示すものである。
【0037】
生物脱臭塔10内には、上述した活性炭からなる微生物担持用担体が充填され、これにより充填層15が形成されている。充填層15の上部にはスプレーノズル16が設けられ、これによって充填層15に散水することができる。生物脱臭塔10の下部にはガス導入管11が接続され、また生物脱臭塔10の上部にはガス排出管12が接続されている。
【0038】
臭気成分を含んだガスはガス導入管11を通って脱臭塔10の下部から脱臭塔10内に供給され、充填層15内を上方に向って移動しながら充填層15を構成する微生物を担持した担体と接触し、臭気成分が除去される。
【0039】
臭気成分が除去されたガスはガス排出管12を通って系外に排出される。
【0040】
生物脱臭塔10の近くには、水槽20及びポンプ30が設けられ、水槽20に蓄えられた水をポンプ30によりライン21を介して前記スプレーノズル16に送ることにより、前記散水を行うことができる。散水された水の一部は充填層15を流下する際に充填層15の担体に付着し、他部は脱臭塔10の下部に連結されたライン22を介して水槽20に返送される。
【0041】
このようにして、定期的又は連続的に散水を行うことにより、充填層15を微生物の生育に適した環境とすることができる。
【0042】
生物脱臭塔10において、充填層15の空間速度(SV値)は、臭気成分の種類や除去する臭気成分の絶対量等により異なるが、通常50〜500h−1程度が好ましい。また、空塔速度(LV値)は、圧力損失等を考慮して、0.01〜0.3m/sとすることが好ましい。なお、充填層15の層高としては、0.5〜2.0m程度とすることが好ましい。
【0043】
充填層15を構成する担体に微生物を担持させる方法としては、運転開始当初に水槽20中に適当な活性汚泥2を投入し、ポンプ30を用いて循環する方法が一般的である。微生物が増殖するためには、主栄養源となるガス中の臭気成分の他に、窒素、リン、及びカリウム等の副栄養源が必要と考えられる。副栄養源の供給方法としては、副栄養源供給管2から水槽20中にこれらの副栄養源3を添加しておくことにより、定期的な散水を行う際に充填層15の担体に付着させることができる。副栄養源3としては、NH4Cl及びK2HPO4等を例示できる。
【0044】
本発明において担体として用いる活性炭は所定の含水率のもので、保水性を有することから、保水性のない担体と比較して散水量を少なくすることができる。しかしながら、処理するガス中に含まれる水分量が少ない場合には、担体に吸着された水の蒸発を避けることはできない。担体の乾き度合を監視して散水量を調整することは難しいので、通常安全を見込んで結局は散水量を多くする結果となる。これは不経済である。更に微生物が流出する。これを避けるため、処理すべきガスは、生物脱臭塔に導入する前に水分濃度(湿度)を高めておくことが好ましく、実質的に飽和状態に調湿しておくことが更に好ましい。
【0045】
ガス中の水分を高める手段の一例を、図2を参照して説明する。
【0046】
図2においては、生物脱臭塔15の前段に、スプレーノズル46を備えたスプレー塔40を設けている。ガス供給管11を通ってスプレー塔40に供給される臭気成分を含むガスに、ポンプ50を用いて散水することにより、ガス中の水分をほぼ飽和させることができる。この例のほかに、ガス導入管11の中に直接スプレーノズルを設けて散水する方法や、生物脱臭塔10の充填層15の下部にスプレーノズルを設けて散水する方法等があり、いずれの手段も採用することができる。なお、散水した後の水には、臭気成分が含まれることが多いので、これを水槽20の補給水とすることが好ましい。
【0047】
ガス中の水分量を飽和とすることにより、散水量を著しく低減させることが可能となる。また、活性炭の乾き度合いを常に監視する必要もなくなる。従って、1日に1回程度の散水で、微生物の生育に必要な環境を充分に維持することが可能である。このとき散水する水の中に副栄養源を含めることにより、確実に生物脱臭を行うことができる。即ち、簡単な操作で確実に脱臭することができる。
【0048】
本発明の担体として用いる活性炭は、生物担持用担体として生物担持作用を発現して生物脱臭を行うと共に、活性炭として臭気成分を吸着する吸着作用を示す。 従って、微生物の分解能力を超える臭気成分が供給される場合は、一時的に臭気成分を吸着保持し、時間をかけて臭気成分を生分解して脱臭する。即ち、臭気成分の負荷変動に対応する作用を有する。
【0049】
負荷変動に対応できる期間は通常1日以上であり、例えば1日の中の時間帯によって処理すべき臭気成分の量が変動しても、高い脱臭率を維持することができる。しかし、休日の操業停止等により臭気成分を全く処理しない期間が、1日以上ある場合などは、人為的に臭気成分を発生させて、生物脱臭処理を継続することが好ましい。この場合においても、活性炭の有する吸着能力を利用することができる。例えば、1日に1回程度臭気成分を含むガスを通気することにより、微生物を死滅させることなく、生物脱臭を継続させることができる。
【0050】
本発明の脱臭装置においては、生物脱臭塔と併せて、吸着脱臭塔を備えることもできる。
【0051】
図2に示すように、生物脱臭塔10の後段に吸着脱臭塔60を備えることにより、一層好ましい脱臭処理を行うことができる。
【0052】
吸着脱臭塔60に充填する吸着剤としては、どのような吸着剤でもよいが、生物脱臭塔10で担体として使用している活性炭を使用することが好ましい。前述のように、本活性炭の含水率は30%以下であり、ガス中の水分によって吸着能力が低下することがないからである。
【0053】
吸着脱臭塔60は、生物脱臭塔10で除去されなかった臭気成分を除去して脱臭効率を高めると共に、除去した臭気成分を蓄えておくことができる。従って、休日の操業停止により、臭気成分が全く発生しない期間が1日以上ある場合に、吸着脱臭塔の吸着剤に吸着した臭気成分を加熱などにより脱着して、生物脱臭塔10に供給することにより、微生物を死滅させることなく、生物脱臭を継続することができる。また、本活性炭の比表面積は50〜500m2/gであり、吸着能力に優れているために、揮発性有機化合物等の疎水性臭気物質を吸着することができるからである。
【0054】
【実施例】
実施例1
(活性炭の製造)
低灰分三池炭(灰分1.33質量%、揮発分44.25質量%、固定炭素54.42質量%、全硫黄1.53質量%)を200℃で酸化した後、550℃で低温乾留して半成コークスを得た。この半成コークス65質量部に、副原料としてウオロンデリー炭15質量部、及びピークダウン炭10質量部を加え、更に結合剤として軟ピッチ10質量部を加えたものをよく混練した後、ディスクペレッターにより6mmφX10mmの円柱状に成型した。この成型物を6℃/minの乾留速度で800℃まで加熱して高温乾留した後、これを水蒸気で30分間賦活して活性炭とした。
【0055】
得られた活性炭の含水率は20〜25%であり、比表面積は250〜300m2/gであった。
【0056】
(生物脱臭試験)
テスト用生物脱臭塔として、内径80mmの円筒状容器を用いた。し尿処理場から採取したMLSS濃度6000mg/Lの活性汚泥に、上記の活性炭を2時間浸漬した後、これを脱臭塔に充填して体積1000mlの充填層を形成し、トルエン(疎水性)を臭気成分として、以下の条件で生物脱臭試験を行った。
ガス条件
主ガス : 空気(室温)
ガス量 : 1000〜1600ml/min
空間速度 : 60〜96h−1
臭気成分 : トルエン
臭気濃度 : 50〜100ppm
散水条件
成分、濃度 : NH4Cl、10g/1000ml
K2HPO4、3g/1000ml
散水頻度 : 1回/日
散水量 : 50ml/回
(試験結果)
トルエンの除去率を測定して脱臭効果を判定した。試験開始直後は馴致期間であり、除去率は20〜70%と大幅に変動した。試験開始から約20日を経過した後は、除去率は90〜95%となり、それ以降30日以上安定して処理を継続することができた。
実施例2、3、及び比較例1、2
実施例1の装置を用いて、同様の操作をしてトルエンの脱臭率を測定した。但し、使用した活性炭を表1に記載する含水率、比表面積のものとした。結果を表1に示した。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】
本発明の生物担持用担体は活性炭を所定の含水率、比表面積としているので、微生物を担持した状態で、好適に育成でき、これを用いることによりガス中の臭気成分を効率よく生物処理できる。この担体は、保水性を有し、少量の散水で微生物の生育に必要な水分を保持する能力を有する。また、生物脱臭を行うと同時に臭気成分を吸着する吸着能力を有する。従って、微生物の分解能力を超える臭気成分が供給された場合には、一時的に臭気成分を吸着保持し、時間をかけて消費することが可能であり、臭気成分の負荷変動に対応することができる。更に、この吸着能力により、疎水性の臭気成分も生物処理することができる。
【0059】
本発明の生物担持用担体は、石炭を主原料とする場合は、経済的に、大量生産することができる。
【0060】
更に、この担体は強度が高いので、比較的大きな粒状としても壊れにくく、充填層の圧力損失を少なくすること、及び長時間にわたって使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生物脱臭装置の一例を示す構成図である。
【図2】本発明の生物脱臭装置の他の例を示す構成図である。
【符号の説明】
2 副栄養源供給管
3 副栄養源
10 生物脱臭塔
11 ガス導入管
12 ガス排出管
15 充填層
16、46 スプレーノズル
20 水槽
21、22 ライン
30、50 ポンプ
40 スプレー塔
60 吸着脱臭塔
Claims (7)
- ガス中に含まれる臭気成分を微生物により生分解して除去する生物脱臭に用いる粒状の生物担持用担体であって、含水率が5.0〜30.0質量%、比表面積が50〜500m2/gの活性炭からなる生物担持用担体。
- 活性炭が石炭を原料とするものである請求項1に記載の生物担持用担体。
- 微生物を担持させた請求項1又は2に記載の生物担持用担体からなる充填層を内部に形成した生物脱臭塔と、前記充填層の上方に配設した水スプレーノズルと、生物脱臭塔内に臭気成分を含むガスを供給するガス導入管を備えた生物脱臭装置。
- 生物脱臭塔の前段に加湿装置を備えてなり、前記充填層に通気するガス中の水分濃度を実質的に飽和濃度とする請求項3に記載の脱臭装置。
- 前記生物脱臭塔の後段に、ガス中に含まれる臭気成分を吸着する吸着材を充填した吸着脱臭塔を備えてなる請求項3又は4に記載の脱臭装置。
- 前記吸着脱臭塔に充填する吸着材が、前記生物脱臭塔に充填する担体と同一物である請求項5に記載の脱臭装置。
- 請求項3乃至6の何れかに記載の脱臭装置を用いる揮発性有機化合物を含むガスの脱臭方法。
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