JP2007216185A - 悪臭ガス中の悪臭成分を除去する方法及び装置 - Google Patents

悪臭ガス中の悪臭成分を除去する方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トルエン、キシレン及びベンゼンのような揮発性有機化合物を悪臭成分とする悪臭ガスに対しても優れた脱臭効果が簡便にかつ安定的に得られる方法及び装置を提供する。
【解決手段】微生物が対数的に増殖するように微生物液中の微生物の生菌数を制御しながら気液接触部2に対して微生物液を循環させて悪臭ガスと微生物液とを気液接触部2において気液接触させて、悪臭ガス中の悪臭成分を悪臭ガスから除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、悪臭成分を分解する微生物を利用した悪臭ガスの生物脱臭方法に関する。特に悪臭成分がトルエン、キシレン及びベンゼンのような揮発性有機化合物(VOC)である場合により一層効果的な生物脱臭方法及び装置に関する。
悪臭成分を分解する微生物が固定化された生物脱臭塔に悪臭ガスを流通させ、悪臭成分を除去する生物脱臭方法は、従来より広く知られている。このような生物脱臭方法としては、例えば硫化水素分解微生物を担持させた充填層と、メチルメルカプタン分解微生物を担持させた充填層と、硫化メチル分解微生物を担持させた充填層とに硫化水素含有ガスを通し、硫化水素等の硫黄系悪臭成分を除去する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この方法は、硫化水素等の水溶性の悪臭成分の除去には一定の効果を挙げることができる。ところが悪臭成分がトルエン、キシレン及びベンゼンのような揮発性有機化合物である場合には十分な効果を得ることができない。前記の生物脱臭方法は、悪臭ガス中の悪臭成分が水相に溶解し、水相中に存在する微生物によって分解されることにより悪臭ガスを無臭化する方法である。一方で非水溶性の悪臭成分は、その除去速度が水への溶解速度や溶解度で限定される。そのため、例えば自動車塗装ブース等から発生する揮発性有機化合物のような非水溶性の悪臭成分を多く含む悪臭ガスには適用できない。
前記生物脱臭方法に係る前記の課題を解決する方法として、水中への揮発性有機化合物の溶解を促進させるオクタン、デカン、及びヘキサデカンのような溶解促進剤を用いる方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、微生物液中に有機溶剤である前記のような溶解促進剤を混入させると、微生物によって処理された空気中に有機溶剤が混入したり、また生物脱臭装置内に有機溶剤が付着して清掃時に労力が必要であったり、微生物液に有機溶剤が混入しているために微生物液を容易に処分できない等の問題がある。
さらに、微生物を利用して空気中の悪臭成分を分解する技術としては、塗料による塗装に用いられる塗料ブースの壁面に塗料中の成分を分解する微生物を含有する微生物液を流下させる技術が知られている(例えば、特許文献3参照。)。この方法は、塗料として用いられている揮発性有機化合物の分解には一定の効果を挙げることができるが、空気中の揮発性有機化合物を高い効率で分解する観点において検討の余地が残されている。
特開平3−161019号公報 特開平10−328号公報 特許第3444587号公報
本発明は、トルエン、キシレン及びベンゼンのような揮発性有機化合物を悪臭成分とする悪臭ガスに対しても優れた脱臭効果が簡便にかつ安定的に得られる方法及び装置を提供する。
微生物を液中で培養する場合、培養を開始してからある程度の時間が経過すると微生物は増殖せず逆に減っていく。しかしながら液を希釈することで微生物は再び増殖する。本
発明は、このような知見を契機になされたものである。
本発明は、悪臭成分と気体とを含有する悪臭ガスと、悪臭成分を分解する微生物と水系媒体とを含有する微生物液とを、微生物液中の微生物の増殖状態を対数増殖期の状態に維持しながら接触させる方法及び装置を提供する。
本発明の悪臭成分の除去方法によれば、悪臭成分と気体とを含有する悪臭ガスと、前記悪臭成分を分解する微生物と水系媒体とを含有する微生物液とを気液接触部において気液接触させて、悪臭ガスから悪臭成分を除去する方法であって、前記微生物液において微生物が対数的に増殖するように微生物液中の微生物の生菌数を制御することから、悪臭成分が非水溶性の悪臭成分であっても悪臭ガスに対する優れた脱臭効果を簡便にかつ安定的に得ることができる。
本発明の悪臭成分の除去方法では、前記気液接触部に微生物液を供給し、前記悪臭ガスと前記微生物液とを前記気液接触部において流通させて気液接触させると、悪臭ガスに対する優れた脱臭効果を安価に得る観点からより一層効果的であり、前記悪臭ガスと前記微生物液とを前記気液接触部において互いに対向方向に流通させて気液接触させると、悪臭ガスの除去率を高める観点からさらに一層効果的である。
また本発明の悪臭成分の除去方法では、前記微生物液を前記気液接触部に対して循環させると、悪臭ガスに対する優れた脱臭効果を簡便に得る観点からより一層効果的であり、前記気液接触部に供給される前記悪臭ガスの供給量をQkg/minとしたときに、Q〜50Qkgの前記微生物液を前記気液接触部に対して循環させると、悪臭ガスに対する優れた脱臭効果を簡便かつ安価に得る観点からさらに一層効果的である。
また本発明の悪臭成分の除去方法では、前記微生物液の循環系内における微生物液の量と同じ量の水系媒体が2〜14日間で供給されるように微生物液を部分的に前記水系媒体で置換して微生物液中の微生物の生菌数を制御すると、悪臭ガスに対する優れた脱臭効果を簡便にかつ安定的に得る観点からより一層効果的である。
また本発明の悪臭成分の除去方法では、前記微生物液中の微生物の生菌数を測定し、微生物の生菌数が所定の値以上のときに微生物液を水系媒体で希釈して微生物液中の微生物の生菌数を制御すると、悪臭ガスに対する優れた脱臭効果を安定的に得る観点からより一層効果的である。
また本発明の悪臭成分の除去方法では、前記微生物液の色度を測定し、前記色度が10〜500度のときに微生物液を水系媒体で希釈して微生物液中の微生物の生菌数を制御すると、悪臭ガスに対する優れた脱臭効果を簡便にかつ安定的に得る観点からより一層効果的である。
また本発明の悪臭成分の除去方法では、前記悪臭成分は、トルエン、キシレン及びベンゼンの群から選ばれる一種又は二種以上である揮発性有機化合物であり、前記微生物は、揮発性有機化合物を含有するガスを活性汚泥に通気して揮発性有機化合物に馴致させた活性汚泥中の微生物であると、揮発性有機化合物を悪臭成分とする悪臭ガスに対して優れた脱臭効果を得る観点からより一層効果的である。
また本発明の悪臭成分の除去装置によれば、微生物液タンクと気液接触部と水系媒体供給装置と微生物液排出装置とを有し、微生物液中の微生物の生菌数が微生物の対数増殖期の生菌数の範囲内に維持されるように微生物液中の微生物の生菌数が制御されることから
、悪臭成分が非水溶性の悪臭成分であっても悪臭ガスに対する優れた脱臭効果を簡便にかつ安定的に得ることができる。
また本発明の悪臭成分の除去装置では、気液接触部はケーシングと気液接触材と気液接触材の上部に微生物液を供給する微生物液供給装置とを有し、ケーシング内における気液接触材の下部から悪臭ガスが供給される部材であり、気液接触部で悪臭ガスと接触した微生物液が微生物液タンクに戻されると、悪臭ガスに対する優れた脱臭効果を安価に得る観点からより一層効果的である。
また本発明の悪臭成分の除去装置では、所定の間隔又は速度で、水系媒体供給装置によって所定量の水系媒体を微生物液タンクに供給させ、また微生物液排出装置によって所定量の微生物液を微生物液タンクから排出させる給排水時間制御装置をさらに有すると、悪臭ガスに対する優れた脱臭効果を簡便にかつ安定的に得る観点からより一層効果的である。
又は、本発明の悪臭成分の除去装置では、微生物液タンクの微生物液の光学特性を測定する光学特性測定装置と、光学特性測定装置で測定された微生物液の光学特性に応じて、水系媒体供給装置によって水系媒体を微生物液タンクに供給させ、微生物液排出装置によって微生物液を微生物液タンクから排出させる光学特性制御装置とをさらに有すると、悪臭ガスに対する優れた脱臭効果を簡便にかつ安定的に得る観点からより効果的である。
また本発明の悪臭成分の除去装置では、前記光学特性測定装置は微生物液タンクの微生物液の色度を測定する装置であり、前記光学特性制御装置は、微生物液の色度の測定値が所定の値になったときに、水系媒体供給装置によって水系媒体を微生物液タンクに供給させ、微生物液排出装置によって微生物液を微生物液タンクから排出させると、悪臭ガスに対する優れた脱臭効果を簡便にかつ安定的に得る観点からより一層効果的である。
<悪臭成分の除去方法>
本発明の方法は、悪臭ガスと微生物液とを気液接触部で気液接触させて、悪臭ガスから悪臭成分を除去する。本発明では、微生物液中の微生物の生菌数を制御しながら微生物液を繰り返し悪臭ガスと接触させることが好ましい。このような微生物液と悪臭ガスとの接触は、例えば微生物液を収容する微生物液タンクの外に配置されている気液接触部に、悪臭ガスと微生物液タンク中の微生物液とを供給し、気液接触後の微生物液を微生物液タンクに回収することによって行うことができるし、又は微生物液タンクに収容されている微生物液中に悪臭ガスを分散することによって行うことができる。
前記悪臭ガスは、悪臭成分と気体とを含有する。前記悪臭成分は、悪臭の原因となる物質であれば特に限定されない。前記悪臭成分には、水溶性又は非水溶性と揮発性とを有する公知の成分が挙げられる。特に本発明は、非水溶性の悪臭成分の除去にも優れていることから、そのような成分の除去に適用することができる。前記悪臭成分には例えば揮発性有機化合物が挙げられ、前記揮発性有機化合物には例えばトルエン、キシレン及びベンゼン等が挙げられる。悪臭ガス中に含まれる悪臭成分は一種類の成分であっても良いし、二種類以上の成分であっても良い。
前記気体は、特に限定されないが、微生物液に対して不活性な気体であることが好ましい。前記気体には、例えば空気、窒素ガス、炭酸ガス、希ガス等が挙げられる。
前記悪臭ガス中の悪臭成分の濃度は、悪臭成分の種類や気液接触の形態に応じて異なるが、2,000ppm以下であることが好ましく、1,000ppm以下であることがよ
り好ましく、500ppm以下であることがさらに好ましく、250ppm以下であることがさらに一層好ましい。前記濃度が2,000ppmよりも大きいと悪臭ガスから悪臭成分を十分に除去しきれなくなることがある。また前記濃度は、悪臭成分の種類及び微生物の種類等に応じて異なるが、微生物液中の微生物の悪臭成分の除去能力を保ち、また微生物液中での微生物の安定した増殖を支える観点から、10ppm以上であることが好ましい。
前記悪臭ガス中の悪臭成分の濃度は、例えば検知管、ガスクロマトグラフィー装置等の公知の測定装置によって測定することができ、脱臭装置による悪臭ガスの処理によって調整することができる。
前記微生物液は、前記悪臭成分を分解する微生物と水系媒体とを含有する。前記微生物は、悪臭成分を分解することができる微生物であれば特に限定されず、一種類の微生物であっても良いし、二種類以上の微生物であっても良い。また二種類以上の微生物を含む場合、悪臭成分を十分に除去できるのであれば、悪臭成分を分解できない微生物を含んでいても良い。
微生物液は、特定の前記微生物を積極的に水系媒体に投与することによって得ることもできるし、また特定の前記微生物を水系媒体に積極的に投与しなくても適切な操作を行うことにより得ることができる。例えば微生物液は、悪臭成分に馴致させた微生物を水系媒体に投与することによって得ることもできるし、悪臭成分に馴致していない微生物を水系媒体に投与した後に微生物を悪臭成分に馴致させることによって得ることもできるし、悪臭ガスと水系媒体とを連続して接触させて、悪臭成分に馴致している悪臭ガス中の微生物を水系媒体に捕集することによって得ることもできるし、また、悪臭ガスや外気等の気体と水系媒体とを連続して接触させて、悪臭成分に馴致していない気体中の微生物を水系媒体に捕集し、さらに前記微生物を悪臭成分に馴致させることによって得ることもできる。
前記微生物には、活性汚泥に悪臭成分又は悪臭ガスを供給することによって悪臭成分に馴致させた微生物を好適に用いることができる。例えば活性汚泥には多種の微生物が存在する。この活性汚泥と任意の成分とを接触させ続けると、任意の成分に適応できなかった微生物は死滅し、任意の成分を好む微生物が生き残る(馴致する)。
微生物の馴致は、悪臭成分の除去に用いられる環境と同様の環境で行われることが好ましい。微生物の馴致は、例えば活性汚泥又は活性汚泥と水系媒体との懸濁液に、処理対象となる悪臭ガス、又はそれと同程度の悪臭成分を含有するガスを5〜60日間の適当な期間、供給することによって行うことができる。微生物の馴致は、例えば微生物の生菌数を測定し、微生物が対数増殖期に入ったことを確認した時点をもって終点としても良い。
また、悪臭ガス等の気体中の微生物を捕集して微生物液を得る場合における微生物の馴致も、前述した活性汚泥中の微生物の馴致と同様に、悪臭ガスと水とを5〜60日間の適当な期間接触させることによって行うことができる。
前記活性汚泥には、下水処理場の活性汚泥や厨房廃水処理施設の活性汚泥等の通常の活性汚泥を用いることができる。前記微生物は特には限定されないが、例えば前記揮発性有機化合物を分解することができると思われる微生物には、例えば特許第3444587号公報にも記載されている。このような微生物には、ズーグレア(Zoogloea)属、バチルス(Bucillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、メタノコッカス(Methanococcus)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、バクテリウム(Bacterium)属、マイコバクテリウム(Micobacterium)属、アクロモバクター(Acromobacter)属、エアロモナス(Aeromonas)属の
一種又は二種以上が挙げられる。
前記水系媒体は、水を主成分とする液状の媒体であって、微生物の増殖に必要な養分を加えたときにその微生物が増殖できる媒体であれば特に限定されない。水系媒体には、水や、アルコールや界面活性剤等の水溶性有機溶剤の水溶液、pH調整剤等の無機塩の水溶液、及びこれらの混合物等が挙げられる。
前記微生物液には、必要に応じて適当な馴致期間を設けることによって、市販の微生物液の一種を用い、又は二種以上を混合して用いることもできる。微生物液中の微生物の種類は、二種以上の有用な微生物を含有する微生物液を用いることが、一種類の有用な微生物のみを含有する微生物液に比べて、悪臭成分の除去効率を高める観点から、また悪臭ガスの脱臭における汎用性及び利便性を高める観点から好ましい。
前記微生物液における微生物の生菌数は微生物の種類や悪臭成分の物性等に応じて異なるが、悪臭成分の十分な除去効果を得る観点から、1×104CFU/mL(CFU:Colony Forming Unit)以上であることが好ましく、1×105CFU/mL以上であることがより好ましく、1×106CFU/mL以上であることがさらに好ましい。微生物液における微生物の生菌数は、標準寒天培地を用いる平板培養法によって測定することができ、また顕微鏡で微生物液を観察して視野中に観察される微生物を数えることによって近似的に測定することもできる。
前記気液接触部は、微生物液と悪臭ガスとを接触させる装置である。前記気液接触部には、気体を液体に十分に接触させるための装置等の、気体と液体とを密に接触させるための公知の装置を用いることができる。気液接触部には、例えば悪臭ガス及び微生物液が供給される塔等の筒状体と、筒状体に収容されて悪臭ガス及び微生物液が通る複数の通路を筒状体の内部に形成する気液接触材とを有する装置が挙げられる。前記気液接触材には、悪臭ガス及び微生物液の気液接触部への相対的な供給方向に応じて、充填物、トレイ、及び波板の積層体等の種々の部材を用いることができる。
又は前記気液接触部は、気体中の成分を液体に吸収させるための装置を用いて形成することができる。このような気液接触部は、微生物液が収容される微生物液タンクと、微生物液に悪臭ガスを分散させるエアストーン等の気体分散部材、若しくは微生物液中に悪臭ガスの所定の通路を形成する部材とを用いて形成することができる。
悪臭ガスと微生物液との相対的な流通方向は特に限定されず、例えば悪臭ガスと微生物液とは同じ向きに平行に流れていても良いし、互いに直交する方向に流れていても良いし、また対向方向に流れていても良い。悪臭ガスと微生物液との相対的な流通方向は、互いの流通による抵抗、流通量、及び悪臭ガスの除去効率等の観点から適宜選択される。互いの流通による抵抗を抑える観点では、悪臭ガスと微生物液とを同じ向きに平行に流すことが好ましく、悪臭ガスの除去効率を高める観点では、悪臭ガスと微生物液とを対向方向に流すことが好ましい。
気液接触部を含む微生物液の循環系中の微生物液の量、すなわち本発明における微生物液の使用量(以下、「保有液量」とも言う)は、気液接触部の種類や気液接触部への悪臭ガスの供給量に応じて適切に決めることができる。例えば悪臭ガスと微生物液とが互いに対向方向に流通して気液接触する部材を気液接触部として用いる場合では、微生物液の保有液量は、気液接触部への悪臭ガスの供給量をQkg/minとしたときに、Q〜50Qkgであることが好ましく、Q〜5Qkgであることがより好ましい。微生物液の保有液量が50Qkgよりも多くなると、悪臭成分の除去には悪影響を及ぼさないが、微生物液のタンクの大型化によってイニシャルコストがより大きくなり、また微生物を増殖させる
ために、多くの養分の微生物液への供給が必要となってランニングコストが増加することがある。微生物液の保有液量がQkgよりも少なくなると、悪臭ガスから悪臭成分が十分に除去できなくなることがある。
本発明の方法では、微生物液において微生物が対数的に増殖するように微生物液中の微生物の生菌数を制御する。増殖可能な環境下で微生物を増殖させると、微生物の生菌数は、一般には対数的に増加し、その後一定となる。一般に、微生物が対数的に増殖する期間は対数増殖期と言われており、その後の微生物数が一定の期間は定常期と言われている。対数増殖期は初期、中期及び後期の三つの期間に分けられる。
微生物液中の微生物の生菌数は、例えば微生物液において微生物が対数的に増殖できる環境を維持して微生物を対数的に増殖させることと、対数増殖期の範囲内で微生物液中の微生物の生菌数に応じて微生物液中の微生物の濃度を下げることとによって、微生物液において微生物が対数的に増殖するように制御することができる。
微生物液において微生物が対数的に増殖できる環境は、例えば悪臭ガスと微生物液との気液接触、微生物液への養分の供給、微生物液の温度、pH、通気量(微生物液中の酸素濃度)等の諸条件を適宜調整することによって実現することができる。養分としては、通常微生物の増殖に必要な成分、例えば炭素源、窒素源、無機イオン及びその他の有機成分が挙げられる。
微生物液中の微生物の濃度の低減(以下、「微生物液の希釈」とも言う)は、例えば微生物液の部分的な殺菌、微生物液への水系媒体や養分(以下、「水系媒体等」とも言う)の供給、水系媒体等の微生物液への供給と微生物液の排出とによる微生物液の部分的な入れ替え(置換)等によって実現することができる。微生物液の保有液量を一定に保つ観点から、微生物液の希釈は微生物液の部分的な置換であることが好ましい。
より具体的には、悪臭成分の除去における試運転やモデル実験、あるいはコンピュータによるシミュレーションによって微生物の増殖曲線を予め求め、微生物液中の微生物の生菌数を測定し、微生物液中の微生物の生菌数が増殖曲線における対数増殖期にあるように微生物液を希釈することによって、微生物液において微生物が対数的に増殖するように微生物液中の微生物の生菌数を制御することができる。微生物液中の微生物の生菌数の制御については、悪臭成分の高い除去能力を実現する観点から、対数増殖期後期において微生物液を対数増殖期初期の微生物の生菌数まで希釈することが好ましく、対数増殖期後期において微生物液を対数増殖期中期の微生物の生菌数まで希釈することがより好ましく、対数増殖期後期の生菌数が維持されるように微生物液を希釈することがさらに好ましい。
微生物液中の微生物の生菌数の制御は、微生物液中の微生物の生菌数を測定し、その測定値に基づいて行われても良い。このような微生物の生菌数の制御は、悪臭ガスからの悪臭成分の除去を効率よく、簡潔に、そして安定して行う観点から好ましい。微生物液中の微生物の生菌数は、前述したように標準寒天培地を用いる平板培養法や顕微鏡での微生物液の観察によって測定することができる。
微生物液中の微生物の生菌数の制御は、所定の速度又は間隔で所定量の微生物液を水系媒体等に置換することによっても行うことができる。このような微生物の生菌数の制御は、悪臭ガスからの悪臭成分の除去を効率よく、簡潔に、そして安定して行う観点から好ましい。
微生物液を水系媒体等で置換する際の速度又は間隔及び置換量は、前記の増殖曲線から求めることができる。微生物液を水系媒体等で置換する速度は、悪臭成分の種類や微生物
の種類に応じて異なるが、微生物液が水系媒体等で量的に置換される期間(微生物液の置換において保有液量と同量の水系媒体等が用いられる期間、以下、「滞留時間」とも言う)が2〜14日間であることが好ましく、2〜7日間であることがより好ましい。滞留時間が短すぎると、微生物液の希釈によって微生物液が十分に増殖しないことがあり、滞留時間が長すぎると、微生物の増殖が定常期又は死滅期にある時間が長くなり、悪臭成分が十分に除去されなくなることがある。
微生物液を水系媒体等で断続的に置換する際の間隔は、前記の所定の間隔は滞留時間の1/2以下の時間、又は7日間以下であることが好ましい。また微生物液を水系媒体等で断続的に置換する際の一回当たりの置換量は、保有液量の1/2以下であることが好ましい。前記置換の間隔や一回当たりの置換量が小さすぎると置換の頻度が多くなりランニングコストが大きくなる。前記置換の間隔や一回当たりの置換量が大きすぎると微生物液中の微生物の生菌数の変動が大きくなり、悪臭成分の除去能力が変動することがある。
なお前記滞留時間に応じて所定の速度で連続して水系媒体等で微生物液を置換する場合、微生物液の置換は、微生物液中の微生物の生菌数が十分に増加した後、すなわち対数増殖期中期に行うことが好ましく、対数増殖期後期に行うことがより好ましい。
微生物液を水系媒体等で置換する際の速度又は間隔及び置換量は、モデル実験や悪臭成分の除去装置の試運転等の実測値から、あるいはコンピュータによる悪臭ガスや養分等の供給と微生物液中の微生物の増殖とに関するシミュレーションに基づく理論値からも求めることができる。
微生物液中の微生物の生菌数の制御は、微生物液中の微生物の生菌数の測定の代わりに微生物液の光学特性を測定し、その測定値に基づいて行うこともできる。このような光学特性は微生物液の光学的な変化の様子に応じて適切に決めることができ、前記光学特性としては、例えば色度、濁度、及び光学密度[O.D.]が挙げられる。微生物液の光学特性の測定値は、微生物液の光学特性の測定値と微生物液中の微生物の生菌数とについて予め作成された検量線によって、微生物液中の微生物の生菌数に換算することができる。このような微生物の生菌数の制御も、悪臭ガスからの悪臭成分の除去を効率よく、簡潔に、そして安定して行う観点から好ましい。
微生物液の光学特性の測定値に基づく微生物液中の微生物の生菌数の制御は、微生物液の光学特性が所定の測定値のときに微生物液を希釈することによって行うことができる。このような光学特性の所定の測定値は、対数増殖期後期の微生物液の光学特性の値が好ましく、微生物の種類や微生物液の光学的な変化の様子によって異なるが、例えば揮発性有機化合物を悪臭成分として含有する悪臭ガスによって馴致された活性汚泥中の微生物による前記悪臭ガスの脱臭では、微生物液の色度が10〜500度、より好ましくは50〜100度のときに微生物液を水系媒体で希釈することによって微生物液中の微生物の生菌数を適切に制御することができる。
また、微生物液中の微生物の生菌数や、微生物液の光学特性の測定値に基づいて微生物液中の微生物の生菌数を制御する場合では、測定値が対数増殖期後期における生菌数等の所定の値のときに、一定量の微生物液を水系媒体等で置換しても良い。このような微生物の生菌数の制御も、生菌数の制御を簡潔に行う観点から好ましい。この場合の微生物液の置換量は、例えば前記保有液量の1/2以下であることが好ましい。前記置換量が小さすぎるとランニングコストが大きくなり、前記置換量が大きすぎると微生物液中の微生物の生菌数の変動が大きくなって悪臭成分の除去能力が変動することがある。
本発明の方法では、微生物による悪臭成分の十分な分解を妨げない範囲で、温度の調整
、酸素の供給、養分の供給等の、微生物の活動や悪臭成分の除去に好適な公知の種々の技術を併用することができる。本発明の方法は、公知の装置や部材を利用して実施することができるが、以下に示す本発明の装置を用いて好適に実施することができる。
<悪臭成分の除去装置>
本発明の装置は、悪臭成分を分解する微生物と水系媒体とを含有する微生物液が収容される微生物液タンクと、悪臭成分と気体とを含有する悪臭ガスと微生物液タンクの微生物液とを気液接触させるための気液接触部と、微生物液タンクに水系媒体を供給するための水系媒体供給装置と、微生物液タンクから微生物液を排出するための微生物液排出装置とを有する。このような装置や部材は公知の装置や部材、器具をそのまま、又は適宜組み合わせて構成することができる。
前記気液接触部は、その形態に応じて適当な部材によって構成することができる。気液接触部の形態としては、微生物液タンクの外に設けられる形態と、微生物液タンクが気液接触部となる形態とが挙げられる。微生物液タンクの外に設けられる気液接触部には、ケーシングと、ケーシングに収容されケーシング内に細分化された通路を形成する気液接触材と、ケーシング内における気液接触材の上部から微生物液タンクの微生物液を供給する微生物液供給装置とを有し、ケーシング内における気液接触材の下部から悪臭ガスが供給される装置が挙げられる。
前記ケーシングは、悪臭ガス及び微生物液の通路を内部に形成することができる部材であれば特に限定されない。前記ケーシングには、気液接触の吸収塔に用いられる塔、チャンバに用いられる円筒体や横長の筐体等が挙げられる。
前記気液接触材には、微生物液及び悪臭ガスの気液接触部への相対的な供給方向に応じた適当な構造の部材が用いられる。例えば、微生物液及び悪臭ガスが対向する方向に気液接触部に供給される場合では、前記気液接触材には、例えば複数の波板からなる部材であって、波板における突条部と溝部との延出方向が交差するように重ねられた波板群と、前記波板群が前記ケーシングに収容されたときに波板群の少なくとも側方に、突条部及び溝部が垂直方向に延出する向きに複数枚が重ねられた側部波板群とによって構成される部材を用いることができる。前記気液接触材は、その種類、接触効率、及び圧力損失等の条件に応じて単数又は複数設置することができるし、また単独で、又は複数種を併用することができる。
微生物液及び悪臭ガスが平行する方向(同方向)に気液接触部に供給される場合では、微生物液と悪臭ガスとがケーシングの一端側(例えば上端側)から供給されるが、気液接触材には前述した気液接触材を用いることができる。
微生物液及び悪臭ガスが直交する方向に気液接触部に供給される場合では、悪臭ガスがケーシングの一側から供給され、気液接触材には、充填物のようにあらゆる方向に延出する通路を形成する気液接触材を用いることができる。
微生物液タンクを気液接触部とする場合では、液体中に気体を密に分散させて気液接触させるための気体分散部材が用いられる。前記気体分散部材には、配管に複数の穴が開いている簡易な構造の散気管、エアストーン、廃水処理で曝気に通常用いられている散気管、及び前記気液接触材のような複数の通路を有する部材等が挙げられる。これらは一種のみを用いても良いが、二種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明の装置では、気液接触部の形態に応じて、気液接触部で悪臭ガスと接触した微生物液が微生物液タンクに戻される。気液接触部が微生物タンクの外に設けられる場合では
、微生物液は微生物液タンクから気液接触部に供給され、気液接触部から微生物液タンクへ戻される。気液接触部から微生物液タンクへの微生物液の還流は、例えば気液接触部を流下した微生物液を微生物液タンクに供給するための装置を設ける構成によって実現することができる。
また、微生物液タンク内を気液接触部とする場合では、前記気液接触材のような気液用の複数の通路を有する前記気体分散部材を微生物タンクの微生物液に沈設する場合では、悪臭ガスの気液接触部における流通に伴って気液接触部に対する微生物液の対流が生じることにより、気液接触部で悪臭ガスと接触した微生物液が微生物液タンクに戻され、微生物液タンクの微生物液が気液接触部に対して循環する。
なお、前記の場合を含めて、微生物液タンク内を気液接触部とする場合の微生物液の循環は、連続していても良いし、また所定の時間の循環を所定の間隔で行うことによる断続的な循環であっても良い。
本発明の装置は、微生物液中の微生物の生菌数が微生物の対数増殖期の生菌数の範囲内に維持されるように微生物液中の微生物の生菌数が制御される。この生菌数の制御は、作業員によって手動で行われても良いが、本発明の装置は、微生物液中の微生物の生菌数を所定の値(すなわち微生物の対数増殖期の範囲内の生菌数)以下に自動的に制御できる構成をさらに有することが、悪臭ガス中の悪臭成分を簡潔かつ安定して除去する観点から好ましい。微生物液中の微生物の生菌数を自動的に制御できる構成としては、微生物液タンクの微生物液の水系媒体による部分的な置換を時間で制御することができる給排水時間制御装置が挙げられる。
前記給排水時間制御装置は、設定された間隔又は速度で、所定量の水系媒体を水系媒体供給装置によって微生物液タンクに供給させ、所定量の微生物液を微生物液排出装置によって微生物液タンクから排出させる装置であれば特に限定されない。このような給排水時間制御装置には、タイマーを内蔵し弁の開閉やポンプの運転を制御できる通常の制御装置を利用することができる。設定時間又は設定速度や微生物液の置換量の設定値は、本発明の方法で前述したように適当に決めることができる。
また、微生物液中の微生物の生菌数を自動的に制御できる構成としては、微生物液タンクの微生物液の水系媒体による部分的な置換を微生物液の測定値に基づいて制御することができる構成が挙げられる。このような構成としては、例えば微生物液タンクの微生物液の光学特性を測定する光学特性測定装置と、光学特性測定装置で測定された微生物液の光学特性に応じて、水系媒体供給装置によって水系媒体を微生物液タンクに供給させ、微生物液排出装置によって微生物液を微生物液タンクから排出させる光学特性制御装置とが挙げられる。
前記光学特性測定装置は、微生物液の色度や濁度等の光学特性を測定することができる装置であれば特に限定されない。光学特性制御装置は、微生物液の光学的な変化の様子に応じて適切に決めることができる。例えば微生物液タンクの微生物液の色度を測定する装置であれば、前記光学特性制御装置は、微生物液の色度の測定値が所定の光学特性値になったときに、水系媒体供給装置によって水系媒体を微生物液タンクに供給させ、微生物液排出装置によって微生物液を微生物液タンクから排出させれば良い。
光学特性測定装置としては、公知の装置を用いることができ、例えば日本電色工業株式会社製の色度計、WA Systemや、オプテックス株式会社製の濁度計、濁度チェッカー等が挙げられる。前記光学特性制御装置には、フィードバック制御によって弁の開閉やポンプの運転を制御できる通常の制御装置を用いることができる。光学特性値の設定値
や微生物液の置換量の設定値は、本発明の方法で前述したように適当に決めることができる。なお、光学特性測定装置による微生物液の光学特性の測定においては、微生物液そのものを用いて測定しても良いが、使用する機器に応じて微生物液を適宜希釈した微生物液の希釈液を用いて測定しても良い。
以下、本発明について、図面を用いてより詳細に説明する。
<第一の実施の形態>
本実施の形態の装置は、図1に示されるように、微生物液が収容される微生物液タンク1と、微生物液と悪臭ガスとを気液接触させるための気液接触部2と、微生物液タンク1に水を供給するための水系媒体供給装置である水供給流路3及びポンプ4と、微生物液タンク1から微生物液を排出するための微生物液排出装置である微生物液排出流路5及びポンプ6とを有する。
微生物液タンク1は例えば密閉型のタンクである。気液接触部2は、断面形状が矩形のケーシング2aと、ケーシング2a内に複数の通路を形成する気液接触材2bとによって構成されている。また水供給流路3には、不図示の微生物の養分タンクと接続されており、本実施の形態の装置は、連続して又は断続的に微生物液タンク1に所望の量の養分を供給できるように構成されている。
微生物液タンク1には、微生物液タンク1に収容されている微生物液を気液接触部2に供給するための微生物液供給流路7が接続されている。微生物液供給流路7にはポンプ8が設けられている。微生物液供給流路7の基端は微生物液タンク1内の下部に配置されており、微生物液供給流路7の先端は気液接触材2bの上方かつケーシング2a内の上部に配置されている。微生物液供給流路7の先端には、気液接触材2bに向けて微生物液を拡散して噴射するための噴射ノズル9が設けられている。
ケーシング2aの下部には悪臭ガスをケーシング2a内に供給するための悪臭ガス供給流路10が接続されている。ケーシング2aの底部にはケーシング2a内を流下した微生物液を微生物液タンク1に戻すための微生物液還流流路11が接続されている。微生物液還流流路11にはポンプ12が設けられている。さらにケーシング2aの頂部にはケーシング2a内で処理された空気をケーシング2aから排出するための処理空気排出流路13が接続されている。処理空気排出流路13の下流には送風機14が設けられている。送風機14によって気液接触部2から処理空気を排気することにより、気液接触系内は負圧になる。
気液接触材2bは、例えば図2に示されるように、波板における突条部と溝部との延出方向が交差するように複数の波板が重ねられて形成されている波板群15aと、波板群15aの両側に、突条部及び溝部が垂直方向に延出する向きに複数枚が重ねられた側部波板群15b、15cとによって構成されている。
微生物液は、例えば微生物と水と養分を含有する液であり、微生物液タンク1に1〜5L収容されている。微生物は、例えばトルエン、キシレン及びベンゼン等の揮発性有機化合物を200ppm含有する空気を下水処理場の活性汚泥に室温にて3日間通気して馴致された微生物である。初期の微生物液中の微生物の生菌数は例えば106〜107CFU/mLである。微生物液タンク1中の微生物液の温度は、例えば不図示のジャケットに熱媒を流通させることによって、又は不図示の電気ヒータによって室温(25℃)程度に保たれている。
ポンプ8を運転させると、微生物液タンク1の微生物液は微生物液供給流路7及び噴射
ノズル9を介して気液接触材2bに供給され、気液接触材2bを流下する。そしてポンプ12を運転させると微生物液還流流路11を介して微生物液は気液接触部2から微生物液タンク1へ戻される。このようにして微生物液が気液接触部2に対して循環する。
一方で、悪臭ガス供給流路10からは、例えば悪臭成分として揮発性有機化合物を約200ppmの濃度で含有する空気が悪臭ガスとして1kg/minの流量で供給される。悪臭ガスの供給量は送風機14の運転によって調整される。
微生物液の循環流量は、悪臭ガスの供給量に応じて適当に調整される。例えば微生物液が気液接触材2bを流下する時間(気液接触時間)が0.1〜5秒となるように、微生物液供給流路7から噴射ノズル9を介して気液接触材2bに向けて微生物液を1〜5L/minの流量で供給する。なお、前記気液接触時間及び前記微生物液の流量は、悪臭成分除去装置の実用的な大きさやそのコストの観点から決められた数値である。気液接触時間は、微生物液の流量及び気液接触材2bの大きさや数によって調整することができる。
気液接触材2bでは、下方から上方に向けて悪臭ガスが流れ、上方から下方に向けて微生物液が流れる。すなわち両者は気液接触部2において互いに対向方向に流通し、十分に接触する。この接触によって、悪臭ガス中の揮発性有機化合物は微生物液中の微生物によって分解され、悪臭ガス中の約80%の揮発性有機化合物が悪臭ガスから除去される。揮発性有機化合物が除去された処理空気は、ケーシング2aの頂部から処理空気排出流路13へ排出される。悪臭ガスの処理に用いられた微生物液は、ケーシング2aの底部から微生物液還流流路11及びポンプ12を介して微生物液タンク1に供給される。
一方で微生物液タンク1では、微生物液と水及び養分との置換による微生物の生菌数の調整が行われる。例えば微生物液の全量(保有液量)に対して1/5の微生物液を微生物液タンク1から微生物液排出流路5へ排出し、保有液量に対して1/5の水(必要に応じて養分を含む)を水供給流路3及びポンプ4を介して微生物液タンク1に供給する。この微生物液の置換を1日ごとに行い、微生物液の滞留時間を2〜14日間(例えば5日間)に調整する。この微生物液の置換によって、微生物液中の微生物の生菌数が対数増殖期中の微生物の生菌数に維持され、微生物液において微生物が対数的に増殖し、微生物による悪臭成分の悪臭ガスからの高い除去活性が維持される。
前記養分には、例えば好ましくは悪臭ガス成分と同じ成分が挙げられ、また、グルコース、アミノ酸等の公知の成分を用いることができる。前記養分は、微生物の生菌数や前記保有液量等の諸条件に応じて、例えばそのまま、又は必要に応じて水中に分散或いは溶解させて、一日当たり数mg〜数g程度で微生物液タンク1へ供給される。
なお、微生物液の部分的な置換や養分の補給は、作業員によって行われても良いし、タイマーを有する不図示の制御装置を用いて、所定の間隔(例えば一日)で、水系媒体供給装置によって所定量(例えば保有液量の1/5)の水系媒体を微生物液タンクに自動的に供給させ、また微生物液排出装置によって所定量の微生物液を微生物液タンクから自動的に排出させても良い。さらに微生物液の置換方法については、一日当たり保有液量の1/5の微生物液が微生物液タンク1から排出される速度で、微生物液を微生物液タンク1から連続して排出し、またその速度で水を微生物液タンク1に連続して供給しても良い。連続して微生物液を置換する場合では、微生物液中の微生物の生菌数の増加を確認した後に行うことが好ましい。
本実施の形態によれば、微生物液タンク1と気液接触部2と前記水系媒体供給装置と前記微生物液排出装置とを有することから、微生物液が対数的に増殖するように微生物液中の微生物の生菌数が制御されている微生物液を気液接触部2に対して循環させながら気液
接触部2で悪臭ガスと気液接触させることができ、悪臭ガスから悪臭成分を高い効率で簡便にかつ安定して除去することができる。
本実施の形態では、ケーシング2aと気液接触材2bとを有し、ケーシング2a内の気液接触材2bの上部に微生物液が供給され、気液接触材2bの下部に悪臭ガスが供給される気液接触部2を用いることから、悪臭ガスと微生物液とを気液接触部2において互いに対向方向に流通させて気液接触させることができる。このような気液接触では、液中に気体を供給するバブリングで同程度の悪臭ガスを処理する場合に比べて、気液接触部2における悪臭ガス及び微生物液の供給を低いコストで行うことが可能である。したがって、悪臭ガスから悪臭成分を安価に除去する観点からより一層効果的である。
本実施の形態では、気液接触部2への悪臭ガスの供給量に対して1〜5質量倍を保有液量とする微生物液が用いられることから、微生物液中の微生物が悪臭成分を除去できる程度の悪臭成分の濃度の悪臭ガスの供給のみで微生物液中の微生物を増殖させることが可能となる。また、微生物液タンク1をさほどに大きくしなくても良いことから、微生物液に関するイニシャルコストを低く抑えることが可能である。したがって、悪臭ガスから悪臭成分を簡便にかつ安価に除去する観点からより一層効果的である。
本実施の形態では、保有液量の水系媒体がある期間で供給される所定の間隔又は速度で微生物液を部分的に水系媒体で置換して微生物液中の微生物の生菌数を制御することから、所定の時間と置換量によって、悪臭ガスからの悪臭成分の高い除去能力を維持するように微生物液中の微生物の生菌数を制御することが可能である。したがって、悪臭ガスから悪臭成分を簡便にかつ安定して除去する観点からより一層効果的である。
本実施の形態では、悪臭成分が揮発性有機化合物であり、微生物は揮発性有機化合物に馴致させた活性汚泥中の微生物であることから、揮発性有機化合物を気液接触によって高い効率で除去することができる。
また前述した揮発性有機化合物のように悪臭成分が非水溶性の化合物であっても、悪臭成分は気液接触により微生物液に取り込まれたのち分解されるため、微生物液タンク1内の微生物液には悪臭成分がほとんど含有されず、微生物液タンク1から排出される微生物液から悪臭成分を除去するための処理を省くことが可能となる。また微生物が活性汚泥中の微生物であると、悪臭成分に対する所望の分解能力を有する微生物を比較的容易に調製することが可能であり、また微生物液の下水道への排出前における微生物液排水の滅菌処理を省くことが可能となる。したがって、悪臭ガスから悪臭成分を簡便にかつ安価に除去する観点からより一層効果的である。
本実施の形態では、気液接触部2において一つの気液接触材2bを用いた形態を示したが、ケーシング2a内に直列に複数の気液接触材2bを用いることも可能である。複数(例えば2又は3個)の気液接触材2bをケーシング2a内に直列に配置することは、悪臭成分の除去効率を高める観点からより一層効果的である。
また本実施の形態では、微生物液タンク1の微生物液を気液接触材2bに供給する装置として、微生物液供給流路7の微生物液を気液接触材2bに向けて拡散して噴射する噴射ノズル9を用いた形態を示したが、前記装置には、複数の孔を有する皿からなる散水皿のような、気液接触材2bに向けて微生物液を分配して流す部材を用いることも可能である。
<第二の実施の形態>
本実施の形態の装置は、図3に示されるように、ポンプ4に代えて、水供給流路3を開
閉する弁21と不図示のポンプとを有し、ポンプ6に代えて微生物液排出流路5を開閉する弁22を有し、微生物液タンク1中の微生物液の色度を測定するための色度計23と、色度計23、弁22及び23のそれぞれに接続されている制御装置24とをさらに有する以外は、図1の装置と同じに構成されている。図3の装置では、微生物液タンク1中の微生物液における微生物の生菌数の調整以外は、図1の装置と同じに悪臭ガスからの悪臭成分の除去が行われる。
図3の装置では、色度計23によって微生物液タンク1中の微生物液の色度が測定される。測定値は制御装置24に入力される。制御装置24は、10〜500度までの所定の測定値(例えば100度)が入力されると、弁22を開いて所定量(例えば保有液量に対して1/5)の微生物液を微生物液タンク1から微生物液排出流路5へ排出し、弁21を開いて同量の水を水供給流路3及び弁21を介して微生物液タンク1に供給する。この微生物液の置換によって、微生物液中の微生物の増殖状態は、常に対数増殖期の状態に維持され、微生物による悪臭成分の悪臭ガスからの高い除去活性が維持される。
本実施の形態では、時間の条件に基づく微生物液の置換に伴う効果を除いて、第一の実施の形態と同様の効果が得られる。
さらに本実施の形態では、微生物液の光学特性を測定するための色度計23と制御装置24とを有することから、微生物液の色度に応じて微生物液を置換し、微生物液中の微生物の生菌数を制御することから、微生物の増殖の実態を色度の測定によって容易かつ迅速に観測することが可能であり、また微生物の増殖の実態に応じて微生物液の希釈(生菌数の制御)が可能である。したがって、悪臭ガス中の悪臭成分を簡便にかつ安定して除去する観点からより一層効果的である。
<第三の実施の形態>
本実施の形態の除去装置は、図4に示されるように、微生物液タンク1中の微生物液に沈設される気体分散部材30をさらに有し、悪臭ガス供給流路10に代えて気体分散部材30の底部に悪臭ガスを供給するための悪臭ガス供給流路31及び送風機33を有し、処理空気排出流路13に代えて微生物液タンク1における気相から空気を排出するための処理空気排出流路32を有し、気液接触部2、微生物液供給流路7、ポンプ8、噴射ノズル9、微生物液還流流路11、ポンプ12、及び送風機14を有さない以外は、図1の装置と同じに構成されている。本実施の形態では、微生物液タンク1が気液接触部である。
気体分散部材30は、例えば図4に示されるように、管の周壁に5mm程度の口径の複数の通気孔を有する散気管である。
図4の装置では、悪臭ガスと微生物液との気液接触以外は、図1の装置と同様に微生物液における微生物の数の調整が行われる。
悪臭ガスは、送風機33及び悪臭ガス供給流路31を介して気体分散部材30に供給される。気体分散部材30に供給された悪臭ガスは、周壁の複数の通気孔を通って微生物液タンク1中の微生物液に分散され、微生物液と効率よく接触し、微生物液中の微生物によって悪臭ガスから悪臭成分が除去される。
悪臭成分が除去された処理空気は、微生物液タンク1の気相部に至り、微生物液タンク1から処理空気排出流路32へ排出される。
本実施の形態では、気液接触部2に伴う効果を除いて、第一の実施の形態と同様の効果が得られる。
さらに本実施の形態では、微生物液タンク1に沈設される気体分散部材30を用いることから、微生物液中への悪臭ガスの供給によって悪臭ガスを、気液接触部2を用いる場合の悪臭ガスの除去率と同等の高い効率で除去することが可能である。また、気液接触部2に対して微生物液を循環させるための装置が不要なことから、イニシャルコストの低減や装置の小型化の観点からより一層効果的である。
本実施の形態では、一つの気体分散部材30を用いた形態を示したが、悪臭ガス供給流路31に対して複数の気体分散部材30を直列に、あるいは並列に接続することも可能である。複数の気体分散部材30を微生物液タンク1内において接続することは、悪臭成分の除去効率を高める観点からより一層効果的である。
<第四の実施の形態>
本実施の形態の装置は、図5に示されるように、ポンプ4に代えて、水供給流路3を開閉する弁21と不図示のポンプとを有し、ポンプ6に代えて微生物液排出流路5を開閉する弁22を有し、微生物液タンク1中の微生物液の色度を測定するための色度計23と、色度計23、弁22及び23のそれぞれに接続されている制御装置24とをさらに有する以外は、図4の装置と同じに構成されている。また図5の装置では、微生物液タンク1中の微生物液における微生物の数の調整以外は、図4の装置と同じに悪臭ガスからの悪臭成分の除去が行われる。微生物液タンク1中の微生物液における微生物の数の調整は、図3の装置と同様に、すなわち色度計によって微生物液の色度を検出して所定の色度を超えると弁21及び22を開弁することによって行われる。
本実施の形態では、時間の条件に基づく微生物液の置換に伴う効果を除いて、第三の実施の形態と同様の効果が得られる。さらに本実施の形態では、微生物液の光学特性の条件に基づく微生物液の置換に伴う効果については、第二の実施の形態と同様の効果が得られる。
本発明は、悪臭成分、例えばトルエン、キシレン及びベンゼン等の揮発性有機化合物を悪臭成分として含有するガスから悪臭成分を効率よく、簡便に、かつ安定して除去することができる。特に本発明では、微生物液の置換や微生物の増殖条件によっては、2日程度悪臭ガスの供給が停止した後に悪臭ガスの処理を再開しても、再開直後から高い揮発性有機化合物の除去率を実現することができる。したがって本発明は、塗装工場や印刷工場等の各種工場の排気の処理に適用することができる。
本発明の実施例を以下に示すが、本発明は以下の実施例に限定されない。
<実施例1>
24時間稼働の印刷工場の排気ダクトに図1の装置を接続して、印刷工場からの排気ガス中の処理を行った。排気ガス中の主要な悪臭成分はトルエンであり、その濃度は200ppmでほぼ一定であった。微生物液には、厨房廃水処理施設から採取された活性汚泥を、図1と同様の装置の微生物液タンクに収容し、ベンゼン、トルエン、キシレン等の揮発性有機化合物を含有する空気を気液接触部に流し、液中の微生物を温度(約25℃)で三週間馴致させた液を用いた。
活性汚泥には、駅ビルの厨房除害施設(標準活性汚泥法)から採取した汚泥を用いた。また馴致の際に供給したガスには、100ppmのベンゼン、100ppmのトルエン、及び100pmのキシレンを含有する空気を用いた。
気液接触部における気液接触材には、波板における突条部の頂上部と溝部の底部との間の高さが4.5mmであり、隣り合う突条部の頂上部間の長さが10mmである波板から形成される気液接触材を用いた。
また本実施例では、微生物液への養分の供給を行った。養分には悪臭ガスの主要成分であるトルエンを用い、手動で1日数滴、微生物タンク1へ供給した。
また本実施例において、気液接触時間を2秒とし、微生物液の温度を約25℃とし、気液接触部への悪臭ガスの供給量は1kg/minであり、保有液量は5[kg](=[L])とした。さらに滞留時間は5日とし、一日ごとに1[kg]の微生物液を排出し、1[kg]の水を補給し、さらに蒸発量分の水を適宜補給した。排気ガスからのトルエンの除去率を図6に示す。
なお、排気ガスからのトルエンの除去率は、気液接触部に供給される前の排気ガス中のトルエンの濃度に対する気液接触部から排出された処理空気中のトルエンの濃度の百分率によって求めた。ガス中のトルエンの濃度は、株式会社ガステック製の検知管によって測定した。また、株式会社島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−17でも測定を行い、クロスチェックを行った。
図6に示されるように、滞留時間を5日とした場合では、排気ガスの処理の開始から2〜3日ではトルエンの除去率が低かったが、その後は80%以上の高い除去率で排気ガス中のトルエンを除去することができた。これは、微生物液の滞留時間を一定としたことにより、排気ガスからトルエンを除去する菌が優位を占めるに至ったためと考えられる。
処理の当初にトルエンの除去率が低かった理由としては、微生物を馴致させた環境とは多少異なる排気ガスの処理環境に微生物液中の微生物が馴致され増殖し始めるまでに2〜3日を要したためと思われる。なお、処理当初における除去率の低い期間は、微生物の馴致環境と排気ガスの処理環境との違いによって異なり、二週間程度かかる場合もある。
<比較例1>
微生物液タンクからの微生物液の排水を行わない以外は実施例1と同様に排気ガスの処理を行った。排気ガスからのトルエンの除去率を図6に示す。図6に示されるように、本比較例では、排気ガスの処理、すなわち微生物液の気液接触部への流通を開始してから数日間は排気ガス中のトルエンの除去率は向上するが、その後急激に低下した。
また本比較例では、微生物液中の微生物の生菌数を測定した。微生物の生菌数は、標準寒天培地を用いた平板培養法によって測定した。本比較例における微生物液中の微生物の生菌数の変化を図7に示す。図7によれば、微生物の生菌数は、トルエンの除去率の上昇に伴って増加し、その後もある程度の生菌数を保っていた。すなわち、トルエンの除去率が低下する時期では、トルエンの除去率の低下に相当するほどの微生物の生菌数の低下は見られなかった。
また本比較例では、微生物液の酸素利用速度係数(Kr)の変化の割合を測定した。微生物液の酸素利用速度係数は、財団法人日本下水道協会 下水試験方法(1997年版)に従って測定した。微生物液の酸素利用速度係数の変化の割合は、初期の微生物液の酸素利用速度係数に対する所定経過日数の微生物液の酸素利用速度係数の比である。本比較例における微生物液の酸素利用速度係数の変化の割合の推移を図8に示す。図8によれば、微生物液の酸素利用速度係数の割合は、微生物の対数増殖期には増加したが、定常期以降は微生物数がほとんど変化していないにも関わらず減少した。これは、微生物液中の活性な微生物の割合が低下したことを示している。
図6〜8の結果によれば、微生物液中の微生物は、その対数増殖期には優れたトルエンの除去能力を示すが、定常期あるいは死滅期にはほとんどトルエンを分解しないことが明らかになった。
また実施例1及び比較例1によれば、微生物液中の微生物の増殖状態が常に対数増殖期の状態に維持されるように微生物液を置換することにより、微生物の排気ガスからのトルエンの除去能力を所定の能力以上に保つことができることが明らかになった。もともと水にはほとんど溶解しない非水溶性成分である排気ガス中のトルエンをこれだけ取り込んで分解している原因としては、微生物液中の微生物の対数増殖期に、微生物が界面活性剤として作用する酵素等の、トルエンのような非水溶性成分の水への溶解を促進する物質を微生物が盛んに産生し、それによってトルエンの微生物液への溶解が促進されたためと考えられる。
<比較例2>
微生物液の滞留時間が1日となるように微生物液の排出と水及び養分の供給とを制御した以外は実施例1と同様に排気ガスの処理を行った。微生物液の置換は、滞留時間が1日になるように流量を調整したポンプで連続的に微生物液を排出し、それと同量の水を補給し、さらに蒸発量分の水を適宜補給することで行った。排気ガスからのトルエンの除去率を図6に示す。
図6に示されるように、本比較例では、トルエンの除去率が向上しなかった。これは、滞留時間の制御に伴って微生物液が排出されることによる微生物の生菌数の減少速度が微生物の増殖速度と比較して大きいため、微生物が微生物液タンクから排出されてしまい、微生物液中の微生物の生菌数が低下したためと考えられる。滞留時間を1日とした場合、処理開始から5日目の微生物液の濁度はほぼ真水と同様であり、ほとんどの微生物は除去装置から流出したものと思われる。
<比較例3>
微生物液の滞留時間が20日となるように微生物液の排出と水及び養分の供給とを制御した以外は実施例1と同様に排気ガスの処理を行った。微生物液の置換は、滞留時間が20日になるように流量を調整したポンプで連続的に微生物液を排出し、それと同量の水を補給し、さらに蒸発量分の水を適宜補給することで行った。排気ガスからのトルエンの除去率を図6に示す。
図6に示されるように、本比較例では、一旦はトルエンの除去率が向上し、5〜7日程度高いトルエンの除去率を保った後、トルエンの除去率が低下した。これは、滞留時間が長くなることによって、微生物液中の微生物が対数増殖期にあるよりも定常期或いは死滅期にある時間が長くなり、全体としてトルエンの除去能力が低下したものと考えられ、排水を行わなかった比較例1と基本的には同様の傾向である。
<実施例2>
滞留時間と微生物液とを変える以外は実施例1と同様に排気ガスの処理を行った。そしてそれぞれの滞留時間での排気ガスの処理において、トルエンの除去率が70%以上の日数を求めた。微生物液の置換は、各滞留時間になるように流量を調整したポンプで連続的に微生物液を排出し、それと同量の水を補給し、さらに蒸発量分の水を適宜補給することで行った。
また微生物液には、実施例1の微生物液(1)と厨房廃水処理施設から採取した汚泥を実施例1の活性汚泥と同様に用いて馴致させた微生物液(2)と、種汚泥を用いなかった微生
物液(3)とを用いた。結果を表1に示す。
なお、種汚泥を用いなかった微生物液(3)は、微生物液の替わりに水道水を図1と同様の構成の実験用の除去装置において循環させ、屋外の通常の空気と悪臭成分とを含有する悪臭ガスと水道水とを気液接触部において30日間接触させることによって、空気中の菌が水道水に取り込まれ、取り込まれた菌のうち悪臭物質に適応する菌のみが増殖することで得られた微生物液である。微生物液(1)、(2)及び(3)は、いずれも異なる方法で得られた微生物液であるが、外観がほぼ同一の茶色の微生物液である。
Figure 2007216185
用いた微生物液の種類により最適な滞留時間が異なるが、滞留時間が2〜14日の範囲でトルエンの除去率を長時間、高く維持できることが表1よりわかった。
<実施例3>
図1の装置に代えて図3の装置を用いて実施例1と同様に排気ガスの処理を行った。微生物液タンクの微生物液の色度をHACH社製の色度計、2100AN Laboratory Turbidimeterを用いて測定した。微生物液タンク中の微生物液の色度とトルエンの除去率との関係を図9に示す。
図9に示されるように、滞留時間が5日間になるように微生物液の置換を行った場合では、微生物液の色度は50〜100度の範囲内であり、かつトルエンの除去率は80%以上であった。以上より、微生物液タンク中の微生物液の色度が100度未満となるように微生物液の置換を行うことによって、排気ガスから高い効率でトルエンを除去できることが明らかとなった。
<比較例4>
微生物液の排出を行わない以外は実施例3と同様に排気ガスの処理を行った。また滞留時間が20日になるように微生物液の置換を行った以外は実施例3と同様に排気ガスの処理を行った。本比較例における微生物液タンク中の微生物液の色度とトルエンの除去率との関係を図9に示す。
図9から明らかなように、微生物液タンク中の微生物液の色度が100度を超えると、トルエンの除去率が低下している。なお、微生物液中の微生物が排気ガスの処理条件に馴致されるまでの期間では、微生物液の色度及びトルエンの除去率のいずれも低いが、この馴致前における微生物液の色度及びトルエンの除去率は図9には表示されていない。
実施例3及び比較例4より、微生物液の色度とトルエンの除去能力とは相関することが
確認された。したがって、透過光或いは反射光を用いて微生物液の色度や濁度を測定し、測定値が一定の値以下となるように微生物液の置換を行うことにより、微生物液中の微生物の増殖状態が対数増殖期の状態に維持され、揮発性有機化合物の除去能力を一定以上に高く保てることが明らかになった。
揮発性有機化合物の除去率が低下する微生物液の色度の閾値は、微生物の種類、除去の対象となる物質の種類、及び処理の対象となるガスの組成等の条件に応じて異なる。前記閾値は、前もって悪臭成分の除去率と微生物液の色度との関係を試運転によって測定して決定することができる。数種類の微生物液で前記閾値を確認したところ、その閾値は10〜500度の範囲にあった。
<実施例4>
排気ガスの通気量Qを1kg/minとし、微生物液タンク中の微生物液の量(保有液量)を0.5L(すなわち0.5Q)、1L(すなわち1Q)、及び5L(すなわち5Q)とした以外は実施例1と同様に排気ガスの処理を行った。各保有液量におけるトルエンの除去率の推移を図10に示す。
図10に示されるように、保有液量が少ない場合では、トルエンの除去率が低下した。これは、流入する排気ガスから微生物液へのトルエンの溶解量の総量が小さくなり、排気ガス中のトルエンの除去速度が小さくなるためと考えられる。保有液量が多い場合では、トルエンの除去率については不都合は生じなかった。しかしながら、排気ガスの供給量に比べて微生物液量が多すぎる場合では、微生物液中の微生物の養分が不足しやすいため、微生物液により多くの養分を供給する必要がある。また保有液量が多いと大型の微生物液タンクが必要となる。したがってランニングコスト及びイニシャルコストを考慮すると、保有液量の最大量は50Q程度である。
<実施例5>
24時間稼働ではない印刷工場の排気ダクトに図1の装置を接続した以外は、実施例1と同様に排気ガスの処理を行った。この印刷工場は、月曜日から土曜日の8時から17時に稼働している。排気ガスに含まれる悪臭成分の主成分はトルエンである。この除去装置におけるトルエンの除去率の変化を表2に示す。
Figure 2007216185
本実施例において、トルエンの除去率は、表2に記載の採取日時に本実施例の除去装置の微生物液タンクから微生物液を採取し、図1と同様の構成の小型の評価用除去装置を用い、200ppmのトルエンを含有する空気を悪臭ガスとして評価用除去装置に供給し、採取した微生物液を用いて、本実施例の除去装置と同じ条件で前記評価用除去装置を稼働させて求めた。
表2より明らかなように、最も条件が厳しいと思われる月曜日の8時においてもトルエ
ンの除去率の低下は見られなかった。このように39時間にわたって排気ガスからのトルエンの供給が停止されても、トルエンの除去率の低下は見られず、悪臭成分の供給の停止時間の長短に関係なく、悪臭ガスからの悪臭成分の安定した除去が可能であった。
本発明の悪臭成分の除去装置の一実施の形態の構成を概略的に示す図である。 図1中の気液接触材2bの一例を示す図である。 本発明の悪臭成分の除去装置の他の実施の形態の構成を概略的に示す図である。 本発明の悪臭成分の除去装置の他の実施の形態の構成を概略的に示す図である。 本発明の悪臭成分の除去装置の他の実施の形態の構成を概略的に示す図である。 滞留時間による悪臭ガスからのトルエンの除去率の推移の一例を示す図である。 微生物液を排出しなかった場合の微生物液中の微生物の生菌数の推移の一例を示す図である。 微生物液を排出しなかった場合の微生物液の酸素利用速度係数の変化の割合の推移の一例を示す図である。 微生物液タンク中の微生物液の色度と悪臭ガスからのトルエンの除去率との関係の一例を示す図である。 悪臭ガスの供給量に対する微生物液量を変えたときのトルエンの除去率の推移の一例を示す図である。
符号の説明
1 微生物液タンク
2 気液接触部
2a ケーシング
2b 気液接触材
3 水供給流路
4、6、8、12 ポンプ
5 微生物液排出流路
7 微生物液供給流路
9 噴射ノズル
10、31 悪臭ガス供給流路
11 微生物液還流流路
13、32 処理空気排出流路
14、33 送風機
15a 波板群
15b、15c 側部波板群
21、22 弁
23 色度計
24 制御装置
30 気体分散部材

Claims (14)

  1. 悪臭成分と気体とを含有する悪臭ガスと、前記悪臭成分を分解する微生物と水系媒体とを含有する微生物液とを気液接触部において気液接触させて、悪臭ガスから悪臭成分を除去する方法であって、
    前記微生物液において微生物が対数的に増殖するように微生物液中の微生物の生菌数を制御することを特徴とする方法。
  2. 前記気液接触部に微生物液を供給し、前記悪臭ガスと前記微生物液とを前記気液接触部において流通させて気液接触させることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記悪臭ガスと前記微生物液とを前記気液接触部において互いに対向方向に流通させて気液接触させることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記微生物液を前記気液接触部に対して循環させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記気液接触部に供給される前記悪臭ガスの供給量をQkg/minとしたときに、Q〜50Qkgの前記微生物液を前記気液接触部に対して循環させることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 前記微生物液の循環系内における微生物液の量と同じ量の水系媒体が2〜14日間で供給されるように微生物液を部分的に前記水系媒体で置換して微生物液中の微生物の生菌数を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記微生物液中の微生物の生菌数を測定し、微生物の生菌数が所定の値以上のときに微生物液を水系媒体で希釈して微生物液中の微生物の生菌数を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記微生物液の色度を測定し、前記色度が10〜500度のときに微生物液を水系媒体で希釈して微生物液中の微生物の生菌数を制御することを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記悪臭成分は、トルエン、キシレン及びベンゼンの群から選ばれる一種又は二種以上である揮発性有機化合物であり、前記微生物は、揮発性有機化合物を含有するガスを活性汚泥に通気して揮発性有機化合物に馴致させた活性汚泥中の微生物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 悪臭成分を分解する微生物と水系媒体とを含有する微生物液が収容される微生物液タンクと、悪臭成分と気体とを含有する悪臭ガスと微生物液タンクの微生物液とを気液接触させるための気液接触部と、微生物液タンクに水系媒体を供給するための水系媒体供給装置と、微生物液タンクから微生物液を排出するための微生物液排出装置とを有し、微生物液中の微生物の生菌数が微生物の対数増殖期の生菌数の範囲内に維持されるように微生物液中の微生物の生菌数が制御される、悪臭ガスから悪臭成分を除去するための装置。
  11. 前記気液接触部は、ケーシングと、ケーシングに収容されケーシング内に細分化された通路を形成する気液接触材と、ケーシング内における気液接触材の上部に微生物液タンクの微生物液を供給する微生物液供給装置とを有し、ケーシング内における気液接触材の下部から悪臭ガスが供給される部材であり、気液接触部で悪臭ガスと接触した微生物液が微生物液タンクに戻されることを特徴とする請求項10記載の装置。
  12. 所定の間隔又は速度で、水系媒体供給装置によって所定量の水系媒体を微生物液タンクに供給させ、また微生物液排出装置によって所定量の微生物液を微生物液タンクから排出させる給排水時間制御装置をさらに有することを特徴とする請求項10又は11に記載の装置。
  13. 微生物液タンクの微生物液の光学特性を測定する光学特性測定装置と、光学特性測定装置で測定された微生物液の光学特性に応じて、水系媒体供給装置によって水系媒体を微生物液タンクに供給させ、微生物液排出装置によって微生物液を微生物液タンクから排出させる光学特性制御装置とをさらに有することを特徴とする請求項10又は11に記載の装置。
  14. 前記光学特性測定装置は微生物液タンクの微生物液の色度を測定する装置であり、前記光学特性制御装置は、微生物液の色度の測定値が所定の値になったときに、水系媒体供給装置によって水系媒体を微生物液タンクに供給させ、微生物液排出装置によって微生物液を微生物液タンクから排出させることを特徴とする請求項13に記載の装置。
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