JP4854623B2 - 水処理システム - Google Patents
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Description
ところが、昨今は、地層自体の変化や汚染物質の地下水脈への浸透等により、井水の水質悪化が著しく、汲み出した井水をそのまま利用しにくいという事態が生じている。同様に、河川の水も水質悪化を生じていることが多い。ここでいう水質悪化とは、水の濁度および色度が高くなることや、水から異臭が生じることなどである。
特許文献1には、このような使用に適さない井水の水質を改善するために、オゾン処理により、水中の鉄分を酸化し、酸化された鉄分を除去するとともに、オゾンの酸化作用で、井水中の雑菌、大腸菌、ウイルス等を殺菌するようにした受水型井水改善装置が提案されている。
また、従来の受水型井水改善装置は、オゾンによって水質改善を図るが、井水がアンモニア等により汚染されている場合は、オゾンによる浄化では水質改善が十分に達成できないという課題がある。
またこの発明は、低イニシャルコスト、低ランニングコスト、簡易メンテナンスで水源から供給される水の水質を改善し、生活水として供給できる水処理システムを提供することを他の目的とする。
請求項3記載の発明は、前記微生物処理ユニットは、前記散水される水がかかる領域に設けられたプレフィルタを有することを特徴とする、請求項1または2記載の水処理システムである。
請求項5記載の発明は、前記タンクに溜められた水の水位を検知するための水位センサと、前記タンクに水を供給するためのポンプと、前記水位センサの出力に応じて前記ポンプを制御するための制御手段と、を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の水処理システムである。
また、オゾン混合装置を必要に応じて動作させ、循環水路を流れる水にオゾンを混合することにより、オゾンにより水の除菌や浄化を行うことができる。混合されるオゾンは、水中の有機物や金属イオンや雑菌等と反応(酸化)し、短時間で消滅する。循環水路の他端からタンク内に散水されるときには、混合されたオゾンはほぼ消滅しており、オゾンが微生物処理ユニットの微生物の生息に影響を与えることは殆どない。特に、微生物は、住処となる濾材の中に入り込んでおり、散水される水に少量のオゾンが残っていても、そのオゾンが濾材の中まで達することは殆どない。
そして、循環水路に流路切り換えバルブが備えられているから、この流路切り換えバルブを切り換えることにより、蛇口から生活水を取り出すことができる。その際、オゾン混合装置が必ず動作されるので、蛇口から出る水は除菌された水となり、安心して生活用水に使用できる。
請求項3記載のように、微生物処理ユニットにプレフィルタを設けることにより、循環される水の中に相対的に大きめの塵挨等が混ざっている場合、その塵挨をプレフィルタで捕獲できる。そして、微生物処理ユニットによって良好な水質浄化を行うことができる。
請求項5記載の発明では、タンクには水位センサおよび水を供給するポンプが備えられているので、たとえば水源としての井戸からポンプで水を汲み上げ、タンクに常に適量の水位まで水を溜めておくことができる。これにより、タンク内に溜められた一定水位の水を常時浄化して、生活用水として準備しておくことができる。
また、循環水にオゾンが混合されることにより、水に含まれる金属イオン(鉄イオンやマンガンイオン等)が酸化されて析出するが、その析出物は微生物処理ユニットに含まれる濾材に吸着される。その結果、タンク内の水は有機物が分解され、除菌され、かつ、金属成分(鉄分やマンガン成分)が除去され、さらに残留オゾンのない生活用水に適した水となる。
図1は、この発明の一実施形態に係る水処理システム1の構成を表わす図解図である。 この実施形態に係る水処理システム1には、水を溜めるためのタンク2が備えられている。タンク2には、たとえば井戸水を汲み上げるための汲み上げポンプ3によって汲み上げられた井戸水が溜められる。タンク2内にはフロートスイッチ4が備えられている。フロートスイッチ4の信号により汲み上げポンプ3の動作を制御することにより、常時タンク2内に所定水位の水を溜めておくことができる。
濾材ケース6には上述のように濾材としての活性炭7が収容されており、活性炭7の上方はプレフィルタ8で覆われている。この実施形態では、プレフィルタ8は水面Wの上部に位置しているが、水面W内にプレフィルタ8が沈んだ状態でもよい。プレフィルタ9は、循環水に大きな塵挨が含まれている場合や、上方から枯葉等が落下する場合等に、塵挨や枯葉等がタンク2内に侵入するのを防止する。
タンク2のたとえば側面下方には循環水路10の一端11が連通されている。循環水路10は、タンク2内の水を一端11から取り出し、水を循環させてタンク2内へ戻すための水路である。循環水路10には、循環ポンプ12およびオゾン混合装置13がこの順で挿入されている。循環水路10には、さらに、水の循環方向に見てオゾン混合装置13の下流側に流路切り換えバルブ14が備えられている。そして流路切り換えバルブ14には、循環他端側水路15および取り出し水路16が連通されている。
従って、循環ポンプ12によりタンク2内の水が循環され、シャワーノズル22から微生物処理ユニット5にシャワー状に散水されるので、循環される水は微生物処理ユニット5において微生物の作用で分解され、有機物が除去される。つまり、水質センサ21の出力により、タンク2内の水が濁っている等の有機物汚染がある場合には、その有機物汚染を除去すべく、タンク2内の水が単に循環され、その循環水がシャワー状に微生物処理ユニット5に与えられるようにして、微生物により効率良く有機物を除去して、水の浄化を図るようにされている。
タンク2内の水が循環されている間に、蛇口が開かれると、蛇口が開かれたことが制御回路20によって判別され(ステップS12)、流路切り換えバルブ14はB側(取り出し水路16側)に切り換えられる(ステップS13)。また、オゾナイザー18がオンされる(ステップS14)。よって、循環水路10を流れる水にオゾン混合装置13によってオゾンが混合されて、水の殺菌が行われ、その殺菌された水は取り出し水路16から蛇口へと出力される。
なお、蛇口の上流側にオゾン除去装置19、たとえば活性炭フィルタを設けておけば、蛇口から取り出される水に残留オゾンが残っておらず、安心な生活水を得ることができる。
以上の制御動作が繰り返されることにより、タンク2内には、常に一定水位の水が溜まり、その水が微生物処理ユニット5によって有機物汚染が除去された水とされ、さらにオゾンにより殺菌された水となる。
ところで、微生物処理ユニット5は、取っ手9を把持して持ち上げることにより、タンク2から簡単に外すことができる。それゆえ、定期的に、微生物処理ユニット5をタンク2から取り外し、濾材ケース6や活性炭7を水洗いすることにより、微生物処理ユニット5のメンテナンスを容易に行うことができる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
2 タンク
3 汲み上げポンプ
4 フロートスイッチ
5 微生物処理ユニット
6 濾材ケース
7 濾材(活性炭)
8 プレフィルタ
10 循環水路
11 循環水路の一端
12 循環ポンプ
13 オゾン混合装置
14 流路切り換えバルブ
15 循環他端側水路
16 取り出し水路
17 気液混合器としてのエゼクタ
18 オゾン発生器としてのオゾナイザー
20 制御回路
21 水質センサ
Claims (6)
- 井戸や河川などの水源から汲み上げた水や雨水を溜めるためのタンクと、
一端が前記タンクに連通され、他端は上方から前記タンク内に臨んでおり、一端からタンクの水を取り出し他端からタンク内に水を散水して戻すための循環水路と、
前記循環水路に備えられ、水を循環させるための循環ポンプと、
前記循環水路に備えられ、循環水路を流れる水に必要に応じてオゾンを混合するためのオゾン混合装置と、
前記タンク内に所定水位の水が溜まっているとき、その水に浸るように設けられ、かつ、前記循環水路の他端から散水される水がかかるように設けられていて、微生物住処となる濾材および当該濾材に生息する微生物を含む微生物処理ユニットと、
を含み、
前記循環水路には、水の循環方向に見て前記オゾン混合装置の下流側に、流路切り換えバルブが挿入されており、この流路切り換えバルブは、循環水路を流れる水を前記他端からタンク内に散水する流路と、水取り出し用蛇口につながった流路とに切り換え可能であり、
前記流路切り換えバルブが前記水取り出し用蛇口に流路を切り換えたことに応答して、前記オゾン混合装置を動作させる制御手段を有することを特徴とする水処理システム。 - 前記微生物処理ユニットは、濾材としての多孔質担体と、この多孔質担体を収容する水が往来自在な収容ケースと、を有することを特徴とする、請求項1記載の水処理システム。
- 前記微生物処理ユニットは、前記散水される水がかかる領域に設けられたプレフィルタを有することを特徴とする、請求項1または2記載の水処理システム。
- 前記微生物処理ユニットは、取り外し自在であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の水処理システム。
- 前記タンクに溜められた水の水位を検知するための水位センサと、
前記タンクに水を供給するためのポンプと、
前記水位センサの出力に応じて前記ポンプを制御するための制御手段と、を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の水処理システム。 - 前記タンクに溜められた水の汚れ具合を検知するための水質センサと、
前記水質センサの出力に応じて前記オゾン混合装置を動作させる制御手段と、を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の水処理システム。
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