JP2007000694A - 雨水利用システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 雨水利用システムの構造を簡素にする。
【解決手段】 ポンプ40が駆動されると、貯留槽10内の雨水は、循環経路80に送られた後、三方バルブ41の状態によって、ポンプ40・三方バルブ41・マイクロバブル発生器51・ろ過器60を順番に経て再度貯留槽10に戻されるか、または、ポンプ40およびバルブ70を介して外部で利用される。ろ過器60には、ミネラル溶出材が充填されている。ミネラル溶出材としては、たとえば、麦飯石を含む、無水珪酸、酸化アルミニウムを主要な構成物質とする多孔質鉱物、天然ゼオライト、カルシウム化合物のうちの1種または複数種類が充填される。なお、カルシウム化合物としては、貝化石やサンゴ石等が挙げられる。特に、ミネラル溶出材として砂状のサンゴ石が充填されることは、雨水へのミネラルの供給に関しても雨水に対する塵埃の除去に関しても好ましいと考えられる。
【選択図】 図1
【解決手段】 ポンプ40が駆動されると、貯留槽10内の雨水は、循環経路80に送られた後、三方バルブ41の状態によって、ポンプ40・三方バルブ41・マイクロバブル発生器51・ろ過器60を順番に経て再度貯留槽10に戻されるか、または、ポンプ40およびバルブ70を介して外部で利用される。ろ過器60には、ミネラル溶出材が充填されている。ミネラル溶出材としては、たとえば、麦飯石を含む、無水珪酸、酸化アルミニウムを主要な構成物質とする多孔質鉱物、天然ゼオライト、カルシウム化合物のうちの1種または複数種類が充填される。なお、カルシウム化合物としては、貝化石やサンゴ石等が挙げられる。特に、ミネラル溶出材として砂状のサンゴ石が充填されることは、雨水へのミネラルの供給に関しても雨水に対する塵埃の除去に関しても好ましいと考えられる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、雨水利用システムに関し、特に、雨水を貯留し、さらに、貯留した雨水を庭木への散布等に適する水へと処理する雨水利用システムに関する。
水を有効利用する観点から、雨水を溜め、それを庭や屋上へ散布するために利用することは、非常に重要である。
しかし、雨水は軟水であり、また、近年では雨水の酸性化が問題となっている。さらに、雨水に空気中の硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)が含まれることから、これらが溶解して、雨水が亜硫酸イオンや亜硝酸イオン等の有害物質を含むようになっている。
このようなことから、雨水は、植物の生育に用いる水としてはあまり適していないという問題があった。
このような問題を解決する技術として、特許文献1に、雨水を中水や浴水として利用するための技術が開示されている。具体的には、特許文献1には、雨水を、ストレーナ、活性炭、沈殿槽、貯水槽、の順に通し、さらに、貯水槽内の雨水を浄化槽との間で循環させ、当該浄化槽で雨水をオゾン殺菌する技術が開示されている。
また、雨水の有効利用の一つとして、雨水を飲用に利用する技術が特許文献2に開示されている。具体的には、特許文献2には、ろ過器と浄化器とオゾン発生器を備える飲料化装置が開示されている。
特開平10−28812号公報
特開平6−315689号公報
しかしながら、上記した各従来技術は、装置が大掛かりとなってしまうという問題があった。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、雨水利用システムにおいて、その構造を簡素にすることである。
本発明に従った雨水利用システムは、雨水を導入される貯留槽と、前記貯留槽内の雨水にオゾンを供給するオゾン発生器と、前記貯留槽内の雨水を前記貯留槽の外部を介して循環させるための循環経路と、前記貯留槽内の雨水を前記循環経路で循環させるためのポンプと、前記循環経路上に設けられたろ過器とを含み、前記ろ過器はミネラル溶出材を充填されて構成されることを特徴とする。
また、本発明に従った雨水利用システムは、前記循環経路に接続され、前記循環経路内の雨水を取り出すための配管と、前記循環経路と前記配管の間に設置された弁とをさらに含み、前記弁は、前記循環経路と前記配管を接続する第1の状態と、前記循環経路と前記配管の接続を断つ第2の状態を取ることが好ましい。
また、本発明に従った雨水利用システムでは、前記オゾン発生器は、前記循環経路中の前記貯留槽より下流側であって前記ろ過器より上流側にオゾンを供給するように設置されることが好ましい。
また、本発明に従った雨水利用システムは、前記オゾン発生器で発生したオゾンをマイクロバブルの状態で前記貯留槽内の雨水に供給する、マイクロバブル発生器をさらに含むことが好ましい。
また、本発明に従った雨水利用システムは、前記オゾン発生器および前記ポンプの動作を制御する制御部と、前記貯留槽内の雨水のpHを検出するpH検出部とをさらに含み、前記制御部は、前記pH検出部の検出するpHが所定の値以上となったことを条件として、前記オゾン発生器と前記ポンプの少なくとも一方の動作を停止させることが好ましい。
また、本発明に従った雨水利用システムは、前記オゾン発生器および前記ポンプの動作を制御する制御部と、前記貯留槽の水位を検出する水位検出部とをさらに含み、前記制御部は、前記水位検出部の検出する水位が所定の値以下となったことを条件として、前記オゾン発生器と前記ポンプの少なくとも一方の動作を停止させることが好ましい。
また、本発明に従った雨水利用システムでは、前記ミネラル溶出材は、砂状のサンゴ石であることが好ましい。
本発明に従うと、貯水槽内の雨水がオゾンを供給されることによって、当該雨水に溶解している亜硫酸イオンや亜硝酸イオンが、植物にとって無害な硫酸イオンや硝酸イオンに酸化される。また、本発明に従うと、貯留槽内の雨水が、ろ過器を通過することによって、塵埃等を除去されるとともにミネラル成分を供給される。つまり、ろ過器が、さらに浄化器の働きをすることができる。
これにより、本発明によれば、雨水処理システムにおいて構成要素を少なくでき、その構造を簡素にすることができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。
図1は、本発明の雨水処理システムの一実施の形態の構成を模式的に示す図である。
図1は、本発明の雨水処理システムの一実施の形態の構成を模式的に示す図である。
図中の矢印は、基本的には雨水の流れを示すが、オゾン発生器50からマイクロバブル発生器51へ延びる太線の矢印のみは、オゾンの流れを示す。
図1を参照して、雨水処理システムは、雨水を貯留する貯留槽10を含む。雨水は、バルブ11を介して貯留槽10へ導入される。
貯留槽10内には、雨水のpHを検出するpHセンサ20と、雨水の量を検出する水位センサ30とが設置されている。
貯留槽10内の雨水は、循環経路80を介して、貯留槽10の外を通って再度貯留槽10内に戻されるように循環される。循環経路80上には、上流側から、ポンプ40、三方バルブ41、マイクロバブル発生器51、および、ろ過器60が設置されている。
三方バルブ41は、循環経路80外へ雨水を取り出すための配管71に接続され、循環経路80と配管71を接続する第1の状態と、循環経路80と配管71の接続を断つ第2の状態とを取ることができる。三方バルブ41が第1の状態にある場合、ポンプ40が駆動されると、貯留槽10内の雨水は、ポンプ40および三方バルブ41を介して配管71に導入される。配管71に導入された雨水は、取り出しバルブ70を介して、庭への散水等に利用される。一方、三方バルブ41が第2の状態にある場合、ポンプ40が駆動されると、貯留槽10内の雨水は、循環経路80内を循環する。つまり、本実施の形態では、ポンプ40は、雨水の循環用にも取り出し用にも利用できる。
オゾン発生器50において発生したオゾンは、マイクロバブル発生器51を介して循環経路80に導入される。つまり、循環経路80には、マイクロバブル状のオゾンが供給される。このことから、オゾンが雨水に溶解しやすい状態で雨水に供給され、これにより、オゾン発生器50で発生するオゾンが効率良く雨水の酸化に利用されるため、オゾン発生器50に対して必要とされるオゾンの発生能力を抑えることができる。したがって、雨水利用システムのコストを抑えることができるとともに、後述するろ過器60において、細かい隙間にもオゾンを行き渡らせることが可能となり、確実にろ過器60の除菌および浄化ができる。
また、本実施の形態では、オゾン発生器50およびマイクロバブル発生器51が、循環経路80において、ろ過器60よりも上流側であって貯留槽10よりも下流側に設置されている。これにより、雨水が循環経路80を循環する際、貯留槽10を出た雨水は、マイクロバブル発生器51でマイクロバブル状のオゾンを供給された後すぐにろ過器60へ導入されることになる。これにより、オゾン発生器50で発生したオゾンを、高濃度のまま、ろ過器60に送ることができる。これにより、ろ過器60では、ミネラル供給材の表面に付着する藻や最近や汚れ成分を浄化・除菌が可能となる。
ろ過器60には、ミネラル溶出材が充填されている。ミネラル溶出材としては、たとえば、麦飯石を含む、無水珪酸、酸化アルミニウムを主要な構成物質とする多孔質鉱物、天然ゼオライト、カルシウム化合物のうちの1種または複数種類が充填される。なお、カルシウム化合物としては、たとえば、貝化石やサンゴ石等が挙げられる。特に、ミネラル溶出材として砂状のサンゴ石が充填されることは、雨水へのミネラルの供給に関しても、雨水に対する塵埃の除去に関しても、好ましいと考えられる。
なお、雨水へのミネラルの供給を化学式で表すと、たとえば次に示す式(1)および式(2)として表すことができると考えられる。なお、式(1)は、生成した硝酸カルシウムのカルシウムイオンが雨水中で遊離している状態を示し、式(2)は、生成した硫酸カルシウムのカルシウムイオンが雨水中で遊離している状態を示す。
上記したように、三方バルブ41が第2の状態にある場合には、ポンプ40が駆動されると、貯留槽10内の雨水は、循環経路80に送られ、ポンプ40、三方バルブ41、マイクロバブル発生器51、ろ過器60を順番に経て、再度貯留槽10に戻される。なお、貯留槽10内の雨水がある一定の量を越えると、オーバーフロー管90を介して、貯留槽10外へ送られる。
pHセンサ20および水位センサ30の動作は制御回路100によって制御され、また、これらの検出出力は制御回路100へと送られる。また、マイクロバブル発生器51、オゾン発生器50、および、ポンプ40は、制御回路100に動作を制御される。なお、マイクロバブル発生器51の動作は、オゾン発生器50の動作に連動して制御される。
制御回路100は、pHセンサ20の検出するpHが、中性でありミネラルも十分に含まれていると考えられる一定の値(たとえば6.0)以上である場合には、ポンプ40およびオゾン発生器50の少なくとも一方の動作を停止させることが好ましい。このような場合には、雨水に含まれている物質を、オゾンによって酸化する必要が無いまたはその必要性が低いからである。
また、制御回路100は、水位センサ30の検出する水位が所定の水位以下である場合には、ポンプ40およびオゾン発生器50の少なくとも一方の動作を停止させる。このように水位が低い場合には、ポンプ40がエア噛みする事態が考えられるからである。
また、制御回路100は、所定時間(たとえば3時間)以上ポンプ40の動作を停止させた場合には、特定の時間、または、特定の流量だけ、循環経路80に雨水を流し、そして、オゾン発生器50を雨水にオゾンを供給させるために動作させることが好ましい。長時間放置されることによって、ろ過器60において細菌が繁殖することが考えられるためである。
また、制御回路100は、ポンプ40の動作を停止させている場合に、pHセンサ20の検出するpHが特定の値(たとえば5.7)以下となったことを条件としてポンプ40の動作を再開させ、かつ、オゾン発生器50にオゾンを発生させる。なお、ポンプ40の動作を停止させている状態では、雨水が貯留槽10および循環経路80において不均一化すること等によって正確なpH値が得られない場合も考えられる。このことから、制御回路100は、pHセンサ20の検出出力をチェックする場合、必要であれば、ポンプ40の駆動を一時的に駆動させることが好ましい。
また、雨水利用システムには、制御回路100に接続された、貯留槽10内の雨水の取り出しが可能な状態を知らせるためのランプ101が備えられることが好ましい。制御回路100は、貯留槽10内の水位がある一定の水位以上の場合であって、かつ、pHが所定の値以上である場合には、取り出し可能であるとして、ランプ101を点灯させる。
なお、ランプ101が複数の色で点灯が可能に構成される(または、異なる色で点灯する複数のランプから構成される)場合、制御回路100は、取り出し可能である場合とそうでない場合とでランプの点灯色を変更することが好ましい。
雨水利用システムのユーザは、ランプ101の点灯の有無(または、点灯色)に基づいて、貯留槽10内の雨水を取り出して良いのかどうかを判断し、取り出して良い場合には、バルブ70を開状態とし、そして、ポンプ40を駆動させる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 貯留槽、11 バルブ、20 pHセンサ、30 水位センサ、40 ポンプ、41 三方バルブ、50 オゾン発生器、51 マイクロバブル発生器、60 ろ過器、70 取り出しバルブ、71 配管、80 循環経路、90 オーバーフロー管、100 制御回路、101 ランプ。
Claims (7)
- 雨水を導入される貯留槽と、
前記貯留槽内の雨水にオゾンを供給するオゾン発生器と、
前記貯留槽内の雨水を前記貯留槽の外部を介して循環させるための循環経路と、
前記貯留槽内の雨水を前記循環経路で循環させるためのポンプと、
前記循環経路上に設けられたろ過器とを含み、
前記ろ過器はミネラル溶出材を充填されて構成される、雨水利用システム。 - 前記循環経路に接続され、前記循環経路内の雨水を取り出すための配管と、
前記循環経路と前記配管の間に設置された弁とをさらに含み、
前記弁は、前記循環経路と前記配管を接続する第1の状態と、前記循環経路と前記配管の接続を断つ第2の状態を取る、請求項1に記載の雨水利用システム。 - 前記オゾン発生器は、前記循環経路中の前記貯留槽より下流側であって前記ろ過器より上流側にオゾンを供給するように設置される、請求項1または請求項2に記載の雨水利用システム。
- 前記オゾン発生器で発生したオゾンをマイクロバブルの状態で前記貯留槽内の雨水に供給する、マイクロバブル発生器をさらに含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の雨水利用システム。
- 前記オゾン発生器および前記ポンプの動作を制御する制御部と、
前記貯留槽内の雨水のpHを検出するpH検出部とをさらに含み、
前記制御部は、前記pH検出部の検出するpHが所定の値以上となったことを条件として、前記オゾン発生器と前記ポンプの少なくとも一方の動作を停止させる、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の雨水利用システム。 - 前記オゾン発生器および前記ポンプの動作を制御する制御部と、
前記貯留槽の水位を検出する水位検出部とをさらに含み、
前記制御部は、前記水位検出部の検出する水位が所定の値以下となったことを条件として、前記オゾン発生器と前記ポンプの少なくとも一方の動作を停止させる、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の雨水利用システム。 - 前記ミネラル溶出材は、砂状のサンゴ石である、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の雨水利用システム。
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