JP2007283304A - ウイルス除去方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜の透過流束を低下させることなく水中のウイルスを完全に除去することができる。
【解決手段】活性汚泥処理装置10の硝化槽18内の廃水中に膜濾過器26を浸漬させて、廃水中に存在するウイルスを膜濾過により除去するウイルス除去方法において、膜の公称孔径を廃水から除去したいウイルスの大きさよりも大きく設定すると共に、膜濾過器26に使用する膜の公称孔径に応じて被処理水のSS成分濃度をコントロールするようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】活性汚泥処理装置10の硝化槽18内の廃水中に膜濾過器26を浸漬させて、廃水中に存在するウイルスを膜濾過により除去するウイルス除去方法において、膜の公称孔径を廃水から除去したいウイルスの大きさよりも大きく設定すると共に、膜濾過器26に使用する膜の公称孔径に応じて被処理水のSS成分濃度をコントロールするようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ウイルス除去方法及び装置に係り、特に下水道、湖沼水、河川水、プール水等の水中に存在するウイルスを膜濾過によって濾過することで、水中からウイルスを除去するウイルスの除去方法及び装置に関する。
下水道、湖沼水、河川水、水槽等の水中には多数種のウイルスが存在することが分かってきたが、多数種のウイルスの中には人や家畜等に害を与えるものもあり、水中のウイルスを除去又は不活性化することが必要になってきている。
水中に生息するウイルスを除去又は不活性化する従来の一般的な方法として、ウイルスが存在する水を塩素処理する方法、オゾン処理する方法、紫外線を照射する方法、加熱する方法等がある。
これら以外にも、特許文献1には、膜口目の繊毛虫が存在する領域に繊毛虫を生息させるための直径50〜500μmの多孔性担体を備え、この領域にウイルスが存在する水を通過させることにより、ウイルスを繊毛虫に取り込ませて除去する方法が開示されている。更に、特許文献2には、材料表面にアミン化合物を固定化した有機材料を膜としたウイルスの選択的除去材料が開示されている。
しかし、塩素処理は残留塩素の問題、オゾン処理や紫外線照射処理は処理コストの問題、加熱処理は耐熱ウイルスには適用できないと共に下水道等の大量の水の処理には不向きであるとの問題がある。また、特許文献1は膜口目の繊毛虫を必要とすると共に、繊毛虫へのウイルスの取り込みのバラツキにより完全なウイルスの除去は難しいという欠点がある。特許文献2は、血漿中や血液成分を含んだ蛋白溶液から選択的にウイルスを除去する医薬品業界等での使用を目的としたもので、下水道等の大量の水からウイルスを除去するには不向きである。
特開平10−137783号公報
特開平6−114250号公報
ところで、下水道等の汚水からウイルスを除去する方法として、膜濾過法が着目されている。この膜濾過法は、薬品の残留、処理コストの問題、耐熱ウイルスの問題等がない上に、水の浄化も合わせて行えるので、下水道等の汚水からウイルスを除去するのに適している。
しかしながら、この膜濾過法は、水中からウイルスを完全に除去するには、ウイルスの大きさよりも小さな孔径の膜を使用しなくてはならないため膜の透過流束が低下するので、下水道等の大量の水を処理する上で処理効率が悪いという欠点がある。
本発明はかかる問題に鑑みて成されたもので、膜の透過流束を低下させることなく水中のウイルスを完全に除去することのできるウイルス除去方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、水中に存在するウイルスはSS成分に吸着され易く、SS成分に吸着されることにより、見かけ上の径が大きくなるので、ウイルスよりも大きな公称孔径の膜であってもウイルスを膜濾過できるとの知見を得た。更には、ウイルスよりも大きな膜の公称孔径と処理槽内のSS成分濃度との相互の関係を適切にコントロールすることで、膜の透過流束を低下させることなく水中のウイルスを完全に除去できるとの知見も得た。本発明はかかる知見に基づいて成されたものである。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、処理槽内の被処理水中に膜濾過器を浸漬させて、前記被処理水中に存在するウイルスを膜濾過により除去するウイルス除去方法において、前記膜の公称孔径を前記被処理水から除去したいウイルスの大きさよりも大きく設定すると共に、前記膜濾過器に使用する膜の公称孔径に応じて前記被処理水のSS成分濃度をコントロールすることを特徴とする。
本発明の請求項1によれば、膜の公称孔径を被処理水から除去したいウイルスの大きさよりも大きく設定すると共に、膜濾過器に使用する膜の公称孔径に応じて被処理水のSS成分濃度をコントロールするようにしたので、膜の透過流束を低下させることなく被処理水中のウイルスを完全に除去することができる。
本発明の請求項2は前記目的を達成するために、処理槽内の被処理水中に膜濾過器を浸漬させて、前記被処理水中に存在するウイルスを膜濾過により除去するウイルス除去方法において、前記膜の公称孔径を前記被処理水から除去したいウイルスの大きさよりも大きく設定すると共に、前記被処理水のSS成分濃度に応じて前記膜濾過器に使用する膜の公称孔径をコントロールすることを特徴とする。
また、本発明の請求項2によれば、膜の公称孔径を被処理水から除去したいウイルスの大きさよりも大きく設定すると共に、被処理水のSS成分濃度に応じて前記膜濾過器に使用する膜の公称孔径をコントロール(管理)するようにしたので、膜の透過流束を低下させることなく被処理水中のウイルスを完全に除去することができる。
ここで、本発明におけるSS成分とは、水中に浮遊する固形分全般を意味し、本発明を活性汚泥処理装置に適用した場合には、SS成分の主たる成分は活性汚泥になる。
本発明の請求項3は、請求項1又は2において、前記膜の公称孔径が0.01μm以下のときに前記被処理水のSS成分濃度が0mg/Lを超えて、500mg/L未満である関係を満足させるようにコントロールすることを特徴とする。
これは、請求項1での膜濾過器に使用する膜の公称孔径に応じて被処理水のSS成分濃度をコントロールする場合、又は請求項2での被処理水のSS成分濃度に応じて前記膜濾過器に使用する膜の公称孔径をコントロールする場合に、膜の透過流束を低下させることなく水中のウイルスを完全に除去するための膜の公称孔径とSS成分濃度との相互の関係を示したものである。この場合、膜の公称孔径が0.01μm以下のときに被処理水のSS成分濃度が500mg/Lを超える関係の場合、ウイルスの除去はできるが、膜の透過流束が急速に低下するので良くない。
本発明の請求項4は、請求項1又は2において、前記膜の公称孔径が0.01μmを超えて0.1μm以下のときに前記被処理水のSS成分濃度が500mg/L以上、3000mg/L未満である関係を満足させるようにコントロールすることを特徴とする。
これは、請求項1において、膜の公称孔径が0.01μmを超えて0.1μm以下の膜濾過器を使用する場合には、被処理水のSS成分濃度を500mg/L以上、3000mg/L未満にコントロールすることで、膜の透過流束を低下させることなく水中のウイルスを完全に除去することができる。一方、請求項2において、被処理水のSS成分濃度が500mg/L以上、3000mg/L未満の場合には、膜濾過器に使用する膜の公称孔径を0.01μmを超えて0.1μm以下にコントロール(管理)することで、膜の透過流束を低下させることなく水中のウイルスを完全に除去することができる。
本発明の請求項5は、請求項1又は2において、前記膜の公称孔径が0.1μmを超えて0.8μm以下のときに前記被処理水のSS成分濃度が3000mg/L以上である関係を満足させるようにコントロールすることを特徴とする。
これは、請求項1において、膜の公称孔径が0.1μmを超えて0.8μm以下の膜濾過器を使用する場合には、被処理水のSS成分濃度を3000mg/L以上にコントロールすることで、膜の透過流束を低下させることなく水中のウイルスを完全に除去することができる。尚、SS成分濃度を3000mg/Lを超えていたずらに大きくすると、膜が目詰まりし易くなり、目詰まりの観点からSS成分濃度の上限は20000mg/L程度が好ましい。また、請求項2において、被処理水のSS成分濃度が3000mg/L以上の場合には、膜濾過器に使用する膜の公称孔径を0.1μmを超えて0.8μm以下にコントロール(管理)することで、膜の透過流束を低下させることなく水中のウイルスを完全に除去することができる。
本発明の請求項6は請求項1において、前記処理槽は活性汚泥処理槽であると共に、前記活性汚泥処理槽からの汚泥引き抜き量又は引き抜いた汚泥を濃縮して前記活性汚泥処理槽に返送する汚泥返送量を調整することにより、前記被処理水のSS成分濃度をコントロールすることを特徴とする。
これは、本発明のウイルス除去方法は、下水道等の汚水処理に一般的に使用されている活性汚泥処理法に最適な方法であり、被処理水のSS成分濃度の制御に活性汚泥の引き抜きと濃縮汚泥の返送によって簡単に達成することが可能である。即ち、処理槽に設置した膜濾過器の膜の公称孔径に対して、被処理水のSS成分濃度が低すぎてウイルスの除去能力が低下する場合には、引き抜いた汚泥を脱水等により濃縮して処理槽に戻してやる。逆に、被処理水のSS成分濃度が高すぎて膜の透過流束が低下する場合には、汚泥の引き抜き量を多くする。
本発明の請求項7は請求項1〜6の何れか1において、前記反応槽内に活性炭、ゼオライト、多孔性担体、凝集材の添加物のうちの少なくとも1つを添加することを特徴とする。
これにより、SS成分同士の吸着や凝集を促進すると共に、SS成分の主成分である活性汚泥の可溶化を防止できるので、ウイルスの膜濾過性能を更に向上させることができる。
本発明の請求項8は前記目的を達成するために、被処理水中に存在するウイルスを膜濾過により除去するウイルス除去装置において、前記被処理水から除去したいウイルスの大きさよりも大きな公称孔径の膜を備えた膜濾過器を前記被処理水中に浸漬させた処理槽と、前記被処理水のSS成分濃度を測定する測定手段と、前記測定手段の測定結果に基づいて前記被処理水のSS成分濃度を制御するSS濃度制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項8は、請求項1の本発明のウイルス除去方法を具体的な装置として構成したものである。
本発明の請求項9は請求項8において、活性炭、ゼオライト、多孔性担体、凝集材のうちの添加物のうちの少なくとも1つを前記処理槽内に添加する添加手段を設けたことを特徴とする。
以上説明したように、本発明のウイルス除去方法及び装置によれば、膜の透過流束を低下させることなく水中のウイルスを完全に除去することができる。
以下添付図面に従って、本発明に係るウイルス除去方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
本発明を説明する前に、表1により本発明の理論的な根拠を説明する。
表1は、膜濾過器の膜の公称孔径と試験水のSS成分濃度によるウイルスの膜濾過効果との関係を示した実験結果であり、0.01μm未満の大きさのウイルスが存在する試験水のSS成分濃度を増加させていったときに、公称孔径が何μmの膜であれば、ウイルスを完全に除去でき且つ膜の透過流束を維持することができるかを調べたものである。SS成分としては本発明を活性汚泥処理装置に適用することを想定して活性汚泥を使用し、試験水中の活性汚泥濃度(MLSS)を変化させた。
その結果、表1から分かるように、MLSSが0mg/Lを超えて500mg/L未満の範囲では、ウイルスの大きさと公称孔径が略同等の0.01μm以下の膜を使用することにより、ウイルスを完全に除去でき且つ膜の透過流束を維持することができた。MLSSを大きくしていって、MLSSが500mg/L以上、3000mg/L未満の範囲では、公称孔径が0.01μm以上、0.1μm未満の範囲の膜を使用することにより、ウイルスを完全に除去でき且つ膜の透過流束を維持することができた。MLSSを更に大きくして3000mg/L以上にすると、公称孔径が0.1μm以上、0.8μm未満の範囲の膜を使用することにより、ウイルスを完全に除去でき且つ膜の透過流束を維持することができた。このように、試験水中のSS成分濃度を大きくすることで、ウイルスの大きさよりも大きな公称孔径の膜でウイルスを濾過できる理由は、試験水中に存在するウイルスはSS成分に吸着され、SS成分に吸着されることにより、見かけ上の径が大きくなるためであると考察される。また、ウイルスの膜濾過において、被処理水に活性炭、ゼオライト、多孔性担体、凝集材等のSS成分同士の吸着や凝集を促進する添加物のうちの少なくとも1つを添加することが好ましい。これは、SS成分濃度が小さくても添加物により、ウイルスを吸着したSS成分の吸着性を良くするので、見かけ上の大きさを大きくすることができる。また、SS成分濃度が濃い場合には、SS成分の主成分である活性汚泥の可溶化現象が生じ易く、ウイルスが再分散し易いが、上記の添加物を添加することで活性汚泥の可溶化現象を抑制することができる。
本発明はかかる知見に基づいてウイルス除去方法及び装置を構成したものである。
図1は、本発明のウイルス除去方法を実施する本発明の装置を、アンモニア性廃水(以下「廃水」という)の窒素除去を行う活性汚泥処理装置10に適用した例であり、膜濾過器に使用する膜の公称孔径に応じて廃水のSS成分濃度をコントロールする第1の実施の形態である。
活性汚泥処理装置10において、廃水は原水配管12から生物処理槽14に流入する。生物処理槽14は脱窒槽16と硝化槽18とに区画され、硝化槽18の液は循環配管20を介して脱窒槽16に循環される。硝化槽18では、ブロア22に接続された曝気配管24からエアが曝気され、廃水と活性汚泥とが好気性条件で接触して、廃水中のアンモニア性窒素が硝酸性窒素に硝化処理される。一方、脱窒槽16では、硝化槽18で硝化処理により生成されて循環配管20により循環された硝酸性窒素が嫌気性条件下で窒素ガスに脱窒処理される。
また、硝化槽18内の廃水中には、膜濾過器26が浸漬され、膜濾過器26は処理水配管28に接続されると共に、処理水配管28には吸引ポンプ30が配設される。これにより、硝化槽18内の液が膜濾過器26の膜によって吸引濾過され、処理水と活性汚泥とに分離され、処理水は処理水配管28を介して系外に排出される。かかる膜濾過によって、廃水中に存在するウイルスも除去される。
本発明では、膜濾過器26に使用する膜の公称孔径は除去したいウイルスの大きさよりも大きく設定される。更に、硝化槽18内には、硝化槽18内の廃水のSS成分濃度を測定する、例えば濁度計等のSS濃度センサ32が設けられると共に、SS濃度センサ32で測定された測定結果はコントローラ34に入力される。硝化槽18の底部からは汚泥ポンプ36を備えた汚泥排出管38が延設され切換器40に接続されると共に、排出された汚泥の流れが切換器40によって余剰汚泥管42と汚泥返送管44とに切り換えられる。この場合、汚泥返送管44による汚泥の返送先を硝化槽18にしても、脱窒槽16にしてもよい。そして、コントローラ34は、SS濃度センサ32で測定された測定結果に基づいて余剰汚泥管42と汚泥返送管44との何れかに切換器40で切り換える。汚泥返送管44の途中には汚泥濃度を濃縮する、例えば脱水器等の汚泥濃縮器46が設けられ、濃縮程度はコントローラ34によって制御される。
また、硝化槽18の上方には、添加物タンク48が設けられ、添加物タンク48には、活性炭、ゼオライト、多孔性担体、凝集材の添加物のうちの少なくとも1つが貯留される。添加物タンク48から硝化槽18に添加配管50が延設されると共に、添加配管50には添加物の添加量を調整する調整バルブ52が設けられる。
次に、上記の如く構成された第1の実施の形態の活性汚泥処理装置10で廃水中に存在するウイルスを除去するウイルスの除去方法を説明する。
硝化槽18に浸漬された膜濾過器26に使用した膜の公称孔径が0.01μm以下の場合には、硝化槽18内の廃水のSS成分濃度が0mg/Lを超えて、500mg/L未満の範囲に維持されるようにコントロールする。即ち、コントローラ34は、SS濃度センサ32によって測定される廃水のSS成分濃度が500mg/Lを超えた場合には、汚泥ポンプ36を運転すると共に、切換器40を余剰汚泥管42側に切り換えて、硝化槽18内の廃水のSS成分濃度が500mg/L未満になるまで、活性汚泥を余剰汚泥として系外に排出する。
また、硝化槽18に浸漬する膜濾過器26の膜の公称孔径が0.01μmを超えて0.1μm以下のものを使用する場合には、硝化槽18内の廃水のSS成分濃度が500mg/L以上、3000mg/L未満になるようにコントロールする。即ち、コントローラ34は、SS濃度センサ32によって測定される廃水のSS成分濃度が3000mg/Lを超えた場合には、汚泥ポンプ36を運転すると共に、切換器40を余剰汚泥管42側に切り換えて、硝化槽18内の廃水のSS成分濃度が3000mg/L未満になるまで、活性汚泥を余剰汚泥として系外に排出する。逆に、硝化槽18内の廃水のSS成分濃度が500mg/Lを下回った場合には、コントローラ34は、汚泥ポンプ36を運転すると共に、切換器40を汚泥返送管44側に切り換え、且つ汚泥濃縮器46を運転する。これにより、濃縮された汚泥が硝化槽18に返送されるので、コントローラ34は硝化槽18内の廃水のSS成分濃度が500mg/L以上になるまで行う。
また、硝化槽18に浸漬する膜濾過器26の膜の公称孔径が0.1μmを超えて0.8μm以下のものを使用する場合には、硝化槽18内の廃水のSS成分濃度が3000mg/L以上になるようにコントロールする。即ち、コントローラ34は、SS濃度センサ32によって測定される硝化槽18内の廃水のSS成分濃度が3000mg/Lを下回った場合には、汚泥ポンプ36を運転すると共に、切換器40を汚泥返送管44側に切り換え、且つ汚泥濃縮器46を運転する。これにより、濃縮された汚泥が硝化槽18に返送されるので、コントローラ34は硝化槽18内の廃水のSS成分濃度が3000mg/L以上になるまで行う。尚、硝化槽18内の被処理水のSS成分濃度が3000mg/L以上であればよいが、余りSS成分濃度が大きくなりすぎると、膜の透過流束が低下する要因になるので、上限は20000mg/L程度が好ましい。
かかるウイルスの除去において、添加物タンク48から硝化槽18内に、活性炭、ゼオライト、多孔性担体、凝集材の添加物のうちの少なくとも1つを添加することが好ましい。これにより、SS成分同士の吸着や凝集を促進すると共に、SS成分の主成分である活性汚泥の可溶化を防止できるので、ウイルスの膜濾過性能を更に向上させることができる。
このように第1の実施の形態によれば、膜の公称孔径を廃水から除去したいウイルスの大きさよりも大きく設定すると共に、膜濾過器26に使用する膜の公称孔径に応じて廃水のSS成分濃度をコントロールするようにしたので、膜の透過流束を低下させることなく廃水中のウイルスを完全に除去することができる。
尚、硝化槽18内の廃水のSS成分濃度が、上記した膜の各公称孔径との関係を満足している場合には、コントローラ34は廃水のSS成分濃度をコントロールする必要はない。
図2は、廃水のSS成分濃度に応じて膜濾過器の膜の公称孔径をコントロール(管理)する第2の実施の形態のウイルス除去方法を実施する装置を、アンモニア性廃水(以下「廃水」という)の窒素除去を行う活性汚泥処理装置10に適用した例である。尚、第1の実施の形態と同じ部材や装置には同符号を付して説明する。
活性汚泥処理装置10において、原水配管12を流れる廃水は、切換器40によって3本の枝管12(A、B、C)に分岐されて第1〜第3の生物処理槽14(A、B、C)の何れかに供給される。第1〜第3の生物処理槽14は脱窒槽16(A、B、C)と硝化槽18(A、B、C)とに区画され、第1の実施の形態と同様に硝化槽18ではアンモニア性窒素の硝化処理が成され、脱窒槽16では硝酸態窒素の脱窒処理が成される。
第1〜第3の生物処理槽14の各硝化槽18には、第1の実施の形態と同様に膜濾過器26が浸漬されるが、第2の実施の形態では、各膜濾過器26に使用される膜の公称孔径が異なるように設定される。即ち、第1硝化槽18Aには公称孔径が0.01μm以下の膜が使用され、第2硝化槽18Bには公称孔径が0.01μmを超えて0.1μm以下の範囲の膜が使用され、第3硝化槽18Cには公称孔径が0.1μmを超えて0.8μm以下の範囲の膜が使用される。また、原水配管12には、流入廃水のSS成分濃度を測定するSS濃度センサ32が設けられると共に、SS濃度センサ32で測定された測定結果はコントローラ34に入力される。そして、コントローラ34は、SS濃度センサ32の測定結果に基づいて、第1〜第3の生物処理槽14の何れかに廃水が供給されるように切換器40を切り換える。
上記の如く構成された第2の実施の形態のウイルス除去方法を実施する活性汚泥処理装置10で廃水中に存在するウイルスを除去する方法を説明する。
コントローラ34は、SS濃度センサ32で測定された廃水のSS成分濃度が0mg/L以上、500mg/L未満の場合には、第1の生物処理槽14Aに廃水が供給されるように切換器40を切り換える。また、SS濃度センサ32で測定された廃水のSS成分濃度が500mg/L以上、3000mg/L未満の場合には、第2の生物処理槽14Bに廃水が供給されるように切換器40を切り換える。更に、SS濃度センサ32で測定された廃水のSS成分濃度が3000mg/L以上の場合には、第3の生物処理槽14Cに廃水が供給されるように切換器40を切り換える。この場合、活性汚泥処理装置10の運転当初は、硝化槽18内のSS成分濃度はSS濃度センサ32で測定された流入廃水のSS成分濃度と同等にみることはできるが、運転経過時間と共に、膜濾過器26で処理水と活性汚泥の分離が進むと、硝化槽18内のSS成分濃度が流入廃水のSS成分濃度よりも大きくなる。従って、硝化槽18底部に汚泥ポンプ36を備えた汚泥排出管38を設けると共に、硝化槽18内に補助SS濃度センサ54を設けて、補助SS濃度センサ54での測定結果がコントローラ34に入力されるようにすると良い。コントローラ34は、補助SS濃度センサ54で測定された硝化槽18内の廃水のSS成分濃度が、各硝化槽18における上記した適正なSS成分濃度の上限を超えたら、汚泥ポンプ36を稼働して硝化槽18内の活性汚泥を余剰汚泥として系外に排出する。
このように、第2の実施の形態によれば、硝化槽18の廃水に浸漬した膜濾過器26の膜の公称孔径を廃水から除去したいウイルスの大きさよりも大きく設定すると共に、廃水のSS成分濃度に応じて膜濾過器26に使用する膜の公称孔径をコントロール(管理)するようにしたので、膜の透過流束を低下させることなく水中のウイルスを完全に除去することができる。かかるウイルスの除去において、添加物タンク48から硝化槽18内に、活性炭、ゼオライト、多孔性担体、凝集材の添加物のうちの少なくとも1つを添加することが好ましい。
尚、上記した活性汚泥処理装置10の第1、及び第2の実施の形態は、本発明のウイルス除去装置を組み込んだ構成の一例を示したものであり、この構成に限定されるものではない。例えば、第2の実施の形態では、流入廃水のSS成分濃度に応じて廃水の流入先を第1〜第3の生物処理槽14に切り換えるようにしたが、流入廃水のSS成分濃度が一定の場合には、1つの生物処理槽にして硝化槽に設置する膜濾過器の膜の公称孔径を一定のSS成分濃度に対応するように設定してもよい。
10…活性汚泥処理装置、12…原水配管、14…生物処理槽、16…脱窒槽、18…硝化槽、20…循環配管、22…ブロア、24…曝気配管、26…膜濾過器、28…処理水配管、30…吸引ポンプ、32…SS濃度センサ、34…コントローラ、36…汚泥ポンプ、38…汚泥排出管、40…切換器、42…余剰汚泥管、44…汚泥返送管、46…汚泥濃縮器、48…添加物タンク
Claims (9)
- 処理槽内の被処理水中に膜濾過器を浸漬させて、前記被処理水中に存在するウイルスを膜濾過により除去するウイルス除去方法において、
前記膜の公称孔径を前記被処理水から除去したいウイルスの大きさよりも大きく設定すると共に、前記膜濾過器に使用する膜の公称孔径に応じて前記被処理水のSS成分濃度をコントロールすることを特徴とするウイルス除去方法。 - 処理槽内の被処理水中に膜濾過器を浸漬させて、前記被処理水中に存在するウイルスを膜濾過により除去するウイルス除去方法において、
前記膜の公称孔径を前記被処理水から除去したいウイルスの大きさよりも大きく設定すると共に、前記被処理水のSS成分濃度に応じて前記膜濾過器に使用する膜の公称孔径をコントロールすることを特徴とするウイルス除去方法。 - 前記膜の公称孔径が0.01μm以下のときに前記被処理水のSS成分濃度が0mg/Lを超えて、500mg/L未満である関係を満足させるようにコントロールすることを特徴とする請求項1又は2のウイルス除去方法。
- 前記膜の公称孔径が0.01μmを超えて0.1μm以下のときに前記被処理水のSS成分濃度が500mg/L以上、3000mg/L未満である関係を満足させるようにコントロールすることを特徴とする請求項1又は2のウイルス除去方法。
- 前記膜の公称孔径が0.1μmを超えて0.8μm以下のときに前記被処理水のSS成分濃度が3000mg/L以上である関係を満足させるようにコントロールすることを特徴とする請求項1又は2のウイルス除去方法。
- 前記処理槽は活性汚泥処理槽であると共に、前記活性汚泥処理槽からの汚泥引き抜き量又は引き抜いた汚泥を濃縮して前記活性汚泥処理槽に返送する汚泥返送量を調整することにより、前記被処理水のSS成分濃度をコントロールすることを特徴とする請求項1のウイルス除去方法。
- 前記処理槽内に活性炭、ゼオライト、多孔性担体、凝集材の添加物のうちの少なくとも1つを添加することを特徴とする請求項1〜6の何れか1のウイルス除去方法。
- 被処理水中に存在するウイルスを膜濾過により除去するウイルス除去装置において、
前記被処理水から除去したいウイルスの大きさよりも大きな公称孔径の膜を備えた膜濾過器を前記被処理水中に浸漬させた処理槽と、
前記被処理水のSS成分濃度を測定する測定手段と、
前記測定手段の測定結果に基づいて前記被処理水のSS成分濃度を制御するSS濃度制御手段と、を備えたことを特徴とするウイルス除去装置。 - 活性炭、ゼオライト、多孔性担体、凝集材の添加物のうちの少なくとも1つを前記処理槽内に添加する添加手段を設けたことを特徴とする請求項8のウイルス除去装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008080303A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-10 | Membrane-Tec Co Ltd | 汚泥含有排水の処理装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07163820A (ja) * | 1993-12-15 | 1995-06-27 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 水質検査用濾過バッグ |
JPH10286567A (ja) * | 1997-04-16 | 1998-10-27 | Nkk Corp | 膜分離方法 |
JP2001070758A (ja) * | 1999-09-09 | 2001-03-21 | Kubota Corp | 膜ろ過装置の運転方法 |
-
2007
- 2007-08-09 JP JP2007207928A patent/JP2007283304A/ja not_active Withdrawn
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