JPH10286567A - 膜分離方法 - Google Patents

膜分離方法

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JPH10286567A
JPH10286567A JP9887997A JP9887997A JPH10286567A JP H10286567 A JPH10286567 A JP H10286567A JP 9887997 A JP9887997 A JP 9887997A JP 9887997 A JP9887997 A JP 9887997A JP H10286567 A JPH10286567 A JP H10286567A
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JP
Japan
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sludge
liquid phase
immersion
membrane separation
immersion type
Prior art date
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Application number
JP9887997A
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English (en)
Inventor
Shohei Fukada
尚平 深田
Torataro Minegishi
寅太郎 峯岸
Tatsuo Takechi
辰夫 武智
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸漬型膜分離手段に対する固形物負荷を軽減
し、もって、浸漬型膜分離手段の長期間に亘る使用を可
能にし、浸漬型膜分離手段の薬品洗浄の頻度を著しく少
なくする。 【解決手段】 被処理水が、沈降汚泥3とその上に存在
する懸濁物質を含んだ液相2とに分離されている浸漬槽
1内において、液相2中に浸漬型膜分離手段4を浸漬さ
せ、浸漬型膜分離手段4において吸引を行って、浸漬型
膜分離手段4によってろ過されたろ過水を浸漬槽1の外
部に引き出す。このような膜分離処理中に、沈降汚泥3
の量を調整し、もって、液相2中の懸濁性固形物濃度の
値を所定の基準値以下に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、浸漬型膜分離手
段を用いて、被処理水を膜分離するための方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、浄水処理、下水処理、産業排水処
理等の水処理工程において生じる排水は、凝集沈澱槽、
重力沈澱槽等で固液分離されていた。しかしながら、近
年では、膜技術の発達により、上述した各種の槽そのも
のに供給された被処理水中に浸漬型膜分離手段を浸漬さ
せて、被処理水をろ過する方法が採用されるに至ってい
る。即ち、浸漬槽内に供給された被処理水は、沈降汚泥
と、その上に存在する液相とに分離されるが、浸漬槽内
の液相中に上述した浸漬型膜分離手段を浸漬させ、この
浸漬型膜分離手段において吸引を行い、浸漬型膜分離手
段によってろ過されたろ過水が浸漬槽の外部に引き出さ
れる。このような方法によれば、浸漬槽内の液相中の懸
濁物質は、浸漬型膜分離手段の供給側に固形分として残
り、浸漬型膜分離手段の透過側において、除濁、除菌さ
れた清浄なろ過水が得られる。
【0003】しかしながら、浸漬型膜分離手段は、その
供給側に堆積した固形分によって、徐々に目詰りを起こ
し、最終的には、所定のろ過水流量が得られなくなる。
このような浸漬型膜分離手段の目詰り、即ち、膜閉塞を
防止するために、クロス・フロー型の膜モジュールや、
定期的な逆洗を伴ったデッド・エンド型の膜モジュール
を用いる方法が広く採用されるに至っている。特に、排
水や高度処理を必要とする被処理水の浸漬型膜分離手段
による処理に関して、特開平7−232196号公報
は、浸漬槽内において活性炭吸着処理を行う方法を開示
しており(以下、「先行技術1」という)、特開平7−
232197号公報は、浸漬槽内においてオゾン酸化処
理を行う方法を開示しており(以下、「先行技術2」と
いう)、特開平7−214091号公報は、原排水流入
口を、浸漬型膜分離手段の下方に位置する散気手段より
も下方に配置し、原排水流入口と浸漬型膜分離手段との
間をメッシュスクリーンで仕切り、浸漬型膜分離手段へ
の固形分の付着を防止する方法を開示している(以下、
「先行技術3」という)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、膜ろ過
処理の進行に伴って、分離・除去された固形分は浸漬槽
内に蓄積し、沈降速度の大きな固形分は浸漬槽の底部に
沈降するものの、沈降速度の小さい固形分は液相中に懸
濁状態で存在するため、浸漬型膜分離手段に対する固形
分負荷は次第に上昇する。
【0005】浸漬槽内の液相中に浸漬型膜分離手段を浸
漬させることからなる従来の膜分離方法においては、浸
漬槽が固形分の沈澱分離機能を有していても、浸漬槽内
の液相中の懸濁物質が次第に上昇して、浸漬型膜分離手
段の目詰りを促進するという問題があった。
【0006】先行技術1および2は、被処理水中の溶解
性成分を除去するための活性炭およびオゾンと、懸濁性
固形成分を除去するための膜とを組み合わせて用いるこ
とによって、高度に清浄な処理水を得ることを目的とす
るものであり、上述した浸漬型膜分離手段の目詰りに対
する対応策は何等講じられていない。
【0007】また、先行技術3は、メッシュスクリーン
を浸漬型膜分離手段の前段に配置して、浸漬型膜分離手
段に対する懸濁性固形物負荷を軽減することを目的とす
るものであるが、この方法は、下記問題を有している: (1)浸漬型膜分離手段に対する懸濁性固形物負荷を低
減させるに十分な効果を得るためには、メッシュスクリ
ーンの目幅を、その後段に配置される浸漬型膜分離手段
の孔径とほぼ同程度に小さくしなければならず、この場
合には、メッシュスクリーン自体が目詰りを起こし、従
って、メッシュスクリーンの洗浄・再生処理が必要にな
る。 (2)浸漬型膜分離手段に加えて、目幅の小さい精密な
メッシュスクリーンを使用する必要があり、その結果、
設備費が大となる。
【0008】従って、この発明の目的は、浸漬型膜分離
手段に対する固形物負荷を軽減し、もって、浸漬型膜分
離手段の長期間に亘る使用を可能にし、浸漬型膜分離手
段の薬品洗浄の頻度を著しく少なくすることが可能な膜
分離方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
は、被処理水が、沈降汚泥とその上に存在する液相とに
分離されている浸漬槽内において、前記液相中に浸漬型
膜分離手段を浸漬させ、前記浸漬型膜分離手段において
吸引を行って、前記浸漬型膜分離手段によってろ過され
たろ過水を前記浸漬槽の外部に引き出すことからなる膜
分離方法において、前記沈降汚泥の量を調整し、もっ
て、前記液相中の懸濁性固形物濃度の値を所定の基準値
以下に維持することに特徴を有するものである。
【0010】請求項2に記載した発明は、請求項1に記
載した方法において、前記沈降汚泥の量を調整するステ
ップは、前記浸漬槽内の前記沈降汚泥を、前記浸漬槽の
下部から引き抜き、もって、前記沈降汚泥と前記液相と
の界面の位置を下降させることからなることに特徴を有
するものである。
【0011】請求項3に記載した発明は、請求項1に記
載した方法において、前記沈降汚泥の量を調整するステ
ップは、前記浸漬槽内の前記液相中に凝集剤を添加し
て、懸濁物質を生成させ、これを凝集沈澱させ、もっ
て、前記沈降汚泥と前記液相との界面の位置を下降させ
ることからなることに特徴を有するものである。
【0012】請求項4に記載した発明は、請求項1に記
載した方法において、前記沈降汚泥の量を調整するステ
ップは、前記浸漬槽内の前記液相中に凝集剤を添加し
て、懸濁物質を生成させ、これを凝集沈澱させると共
に、前記浸漬槽内の前記沈降汚泥を、前記浸漬槽の下部
から引き抜き、もって、前記沈降汚泥と前記液相との界
面の位置を下降させることからなることに特徴を有する
ものである。
【0013】請求項5に記載した発明は、請求項1から
4の何れか1つに記載した方法において、前記沈降汚泥
と前記液相との界面の位置を連続的に測定し、このよう
にして測定された、前記沈降汚泥と前記液相との界面の
前記位置に基づいて、前記沈降汚泥の量を調整するステ
ップを実施することに特徴を有するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施態様の膜分
離方法を、図1を参照しながら、以下に詳細に説明す
る。図1は、この発明の実施態様の膜分離方法を実施す
るための装置を示す概略説明図である。
【0015】この発明の実施態様の膜分離方法の基本ス
テップは、被処理水が、沈降汚泥3とその上に存在する
液相2とに分離されている浸漬槽1内において、液相2
中に浸漬型膜分離手段4を浸漬させるステップと、浸漬
型膜分離手段4において吸引を行って、浸漬型膜分離手
段4によってろ過されたろ過水を浸漬槽1の外部に引き
出すステップとからなっている。上述した浸漬型膜分離
手段4は、公知の同手段と同様に、複数の膜を有してい
る。また、上述した基本ステップを行う際、散気用ブロ
ア10からの空気を、浸漬型膜分離手段4の下方に間隔
をあけて配置された散気手段5に、空気供給管23を介
して供給して、浸漬型膜分離手段4の目詰りを抑制する
ように構成することが望ましい。
【0016】上述した基本ステップにおいて、この発明
の膜分離方法の特徴は、沈降汚泥3の量を調整し、もっ
て、液相中の懸濁性固形物濃度の値を所定の基準値以下
に維持する (以下、「沈降汚泥量調整ステップ」とい
う)ことにある。
【0017】浸漬槽1内の液相2中の懸濁性固形物濃度
が高濃度になるに従って、浸漬槽1の下部に堆積した沈
降汚泥3の量は増加し、その結果、沈降汚泥3と液相2
との界面の位置 (以下、「汚泥界面位置」という)は上
昇する。浸漬槽1内の液相2中の固形物は、攪拌・混合
の弱い状態では、懸濁性固形物と沈降固形物とに大別さ
れる。懸濁性固形物の量は、濁度を測定する濁度計、ま
たは、浮遊物質(SS)濃度または蒸発残留物(TS)
濃度を測定する濃度計を用いることによって測定するこ
とができる。一方、汚泥界面位置は、汚泥界面計を用い
ることによって測定することができる。従って、このよ
うにして測定されたデータを、構造や容積等の条件が予
め定められている浸漬槽1内において、汚泥濃度、特
に、浸漬型膜分離手段4付近の汚泥濃度の状態を検知す
るための指標として用いることができる。
【0018】従って、上述した測定データを判断材料と
して、懸濁性固形物濃度を低下させること、および、汚
泥界面位置を下降させることの少なくとも1つを行うこ
とによって、浸漬型膜分離手段4に対する固形物負荷を
軽減することができる。沈降汚泥量調整ステップは、
(1)浸漬槽1内の沈降汚泥3を、浸漬槽1の下部から
引き抜くこと、および、(2)浸漬槽1内の液相2中に
凝集剤を添加して、懸濁物質を生成させ、これを凝集沈
澱させることの少なくとも1つからなっている。
【0019】汚泥界面計24と、浮遊物質(SS)濃度
および/または蒸発残留物(TS)濃度を測定するため
の懸濁性固形物濃度計6とを用いて、汚泥界面位置を連
続的に測定し、このようにして測定された汚泥界面位置
に基づいて、上述した沈降汚泥量調整ステップを実施す
ることが望ましい。
【0020】上述したように構成することによって、浸
漬型膜分離手段4付近における固形物濃度を低下させ、
もって、浸漬型膜分離手段4の閉塞に到るまでの時間、
即ち、通水ろ過時間を延長することができる。また、浸
漬型膜分離手段4の寿命を決定する要因の1つは、浸漬
型膜分離手段4自体の閉塞であるため、上述した方法を
適用することによって、浸漬型膜分離手段4の寿命の延
長を図ることができる。
【0021】汚泥界面位置を所定の位置以下に保持しな
がら、浸漬型膜分離手段4の通水ろ過運転を行うこと
は、浸漬槽1内の水流によって沈降していた汚泥が浮遊
し、浸漬型膜分離手段4への固形物負荷として作用する
ことを防止するという面においても有効である。これ
は、更に、浸漬型膜分離手段4の寿命を含む設備コス
ト、および、薬品洗浄等の運転コストの低減にも有効で
ある。
【0022】このような制御を行うために、運転中に汚
泥界面位置を連続的に監視し、必要に応じて、汚泥界面
位置を維持・管理することができるコンピュータ18を
導入することも可能である。この場合において、コンピ
ュータ18は、データの取り込み・蓄積および演算処理
機能を有し、汚泥界面位置を調整するために各種の操作
因子を制御する。これ等の操作因子としては、間欠的ま
たは連続的に汚泥を引き抜くこと、および、凝集剤添加
により、懸濁性固形物を凝集・沈澱させることがあり、
何れも効果的である。これ等の操作因子を、コンピュー
タ18を用いて制御して、汚泥界面位置を調整すること
が望ましく、このようにすることによって、懸濁性固形
物による浸漬型膜分離手段4への負荷を軽減することが
できると同時に、沈降汚泥3の濃度も高濃度に一定に維
持されるため、次工程で発生する汚泥圧搾等の汚泥脱水
処理コストの低減が図れる。
【0023】即ち、コンピュータ18は、浸漬槽1内へ
の被処理水の供給、浸漬型膜分離手段4における吸引、
浸漬槽1内の液相2中への凝集剤の添加、および、沈降
汚泥3の浸漬槽1の下部からの引抜きを制御するが、こ
れ等のうち、特に、浸漬槽1内の液相2中への凝集剤の
添加、および、沈降汚泥3の浸漬槽1の下部からの引抜
きの制御を、懸濁性固形物濃度計6によって測定された
懸濁性固形物濃度、および、汚泥界面計24によって測
定された汚泥界面位置に基づいて行う。
【0024】コンピュータ18によるこれ等の制御を、
以下に詳述する。浸漬槽1内への被処理水の供給は、一
端が被処理水供給ポンプ11に接続され、他端が浸漬槽
1内に配置された被処理水供給管19を介して行われる
が、この被処理水供給管19には、被処理水供給制御バ
ルブ12が設けられている。コンピュータ18は、被処
理水供給ポンプ11の駆動を制御すると同時に、被処理
水供給制御バルブ12の開度調整を制御し、もって、浸
漬槽1内に供給される被処理水の供給量を調節する。
【0025】浸漬型膜分離手段4における吸引は、ろ過
水吸引ポンプ13が設けられたろ過水吸引管21を介し
て行われるが、上述したコンピュータ18は、更に、こ
のろ過水吸引ポンプ13の駆動を制御し、もって、ろ過
水の流量を調節する。上述したろ過水吸引ポンプ13の
下流側には、ろ過水流量計14が設けられており、ろ過
水流量計14によって測定されたろ過水の流量は、コン
ピュータ18に入力される。
【0026】浸漬槽1内の液相2中への凝集剤の添加
は、凝集剤添加用タンク9に接続された凝集剤供給管2
0を介して行われるが、この凝集剤供給管20には、凝
集剤添加ポンプ8が設けられている。上述したコンピュ
ータ18は、懸濁性固形物濃度計6によって連続的に測
定された懸濁性固形物濃度、および、汚泥界面計24に
よって連続的に測定された汚泥界面位置を入力し、これ
等を経時変化のデータとして蓄積する。コンピュータ1
8は、これ等のデータに基づいて、更に、この凝集剤添
加ポンプ8の駆動を制御する。
【0027】沈降汚泥3の浸漬槽1の下部からの引抜き
は、浸漬槽1の下部に接続された汚泥引抜き管22を介
して行われるが、この汚泥引抜き管22には、汚泥引抜
きバルブ15および汚泥引抜きポンプ16が、汚泥の引
抜き方向にこの順序で配置されている。上述したコンピ
ュータ18は、上述したデータ、即ち、懸濁性固形物濃
度計6によって連続的に測定された懸濁性固形物濃度、
および、汚泥界面計24によって連続的に測定された汚
泥界面位置に基づいて、更に、汚泥引抜きポンプ16の
駆動を制御すると同時に、汚泥引抜きバルブ15の開度
調整を制御し、もって、汚泥の引抜き量を調節する。上
述した汚泥引抜きポンプ16の下流側には、引抜き汚泥
流量計17が設けられており、引抜き汚泥流量計17に
よって測定された汚泥の引抜き量は、コンピュータ18
に入力される。
【0028】上述したコンピュータ18には、浸漬型膜
分離手段4の運転開始前に予めその閉塞を防止できる汚
泥界面位置を入力しておくか、または、膜間差圧の経時
変化のデータをコンピュータ18に蓄積し、当該コンピ
ュータ18によって、n次回帰計算や閉塞ろ過モデル等
の数式を用いて相関を見出すことにより、浸漬型膜分離
手段4の閉塞の防止をもたらす懸濁性固形物濃度を調節
できるような汚泥界面位置を算出する。
【0029】運転開始当初は、液相2と沈降汚泥3との
界面が上述した所定の汚泥界面位置に到達するまで、沈
降汚泥3の引抜きを行うことなく、膜ろ過運転を継続す
る。液相2と沈降汚泥3との界面が上述した所定の汚泥
界面位置に到達したとき、汚泥引抜きバルブ15を開放
し、汚泥引抜きポンプ16を駆動させて、沈降汚泥3の
引抜きを行う。このような沈降汚泥3の引抜きは、間欠
的および連続的の何によって実施してもよいが、汚泥界
面位置を所定位置に厳密に維持するためには、沈降汚泥
3の連続的な引抜きを実施することが望ましい。
【0030】
【実施例】次に、この発明の膜分離方法を、実施例によ
り、更に詳細に説明する。 〔実施例1〕図1に示した装置と同一の装置を使用し
て、被処理水の膜分離方法を実施した。被処理水供給ポ
ンプ11によって浸漬槽1内に導入された被処理水を、
浸漬型膜分離手段4を用いて固液分離した。浸漬型膜分
離手段4によってろ過されたろ過水は、ろ過水流量計1
4による流量の監視下で、所定の流量だけ、ろ過水吸引
ポンプ13によって吸引されて、浸漬槽1の外部に引き
出された。一方、汚泥3は、浸漬槽1の下部に沈降・堆
積した。
【0031】上述した処理中において、浸漬型膜分離手
段4の閉塞を抑制する目的で、散気用ブロア10からの
空気を、浸漬型膜分離手段4の下方に配置された散気手
段5から間欠的に供給した。
【0032】更に、上述した処理中において、浸漬槽1
内の液相2中の懸濁性固形物濃度を、駆動手段7によっ
て駆動される懸濁性固形物濃度計6によって連続的に測
定し、同時に、汚泥界面位置を、駆動手段25によって
駆動される汚泥界面計24によって連続的に測定し、こ
のように測定された懸濁性固形物濃度および汚泥界面位
置を、コンピュータ18に入力し、これを経時変化のデ
ータとして同コンピュータ18に記憶させた。このコン
ピュータ18には、浸漬型膜分離手段4の閉塞を防止で
きる汚泥界面位置の基準値を、装置の運転開始前に予め
入力した。
【0033】運転開始当初は、汚泥界面位置が上述した
基準値に到達するまで、汚泥の引抜きを実施せずに膜ろ
過運転を継続し、汚泥界面位置が上述した基準値に達し
た時点で、汚泥引抜きバルブ15を解放し、汚泥引抜き
ポンプ16によって汚泥3を引き抜いた。このときの、
汚泥3の引抜き流量は、引抜き汚泥流量計17によって
測定され、その測定値は、コンピュータ18に入力され
た。被処理水は、その流量が、コンピュータ18に入力
されたろ過水の流量および汚泥3の引抜き流量の和に相
当する流量になるように、被処理水供給制御バルブ12
を開き、被処理水供給ポンプ11を駆動させることによ
って、浸漬槽1内に供給された。
【0034】上述したように、汚泥界面位置が一定に維
持される結果、沈降汚泥3中の固形分が液相2中に溶け
込んで懸濁する量も一定に維持されて、懸濁性固形物濃
度も一定に維持され、従って、浸漬型膜分離手段4の閉
塞をもたらす濃度にまで上昇させることなく、運転を継
続することが可能であった。
【0035】〔実施例2〕上述した実施例1による方法
と同一の方法において、浸漬槽1内の液相2中の懸濁物
質の付着による浸漬型膜分離手段4の閉塞に起因するそ
の寿命を考慮した設備コストおよび運転コストの和を最
小とするような、浸漬槽1内の液相2の懸濁性固形物濃
度の上限値をコンピュータ18によって解析し、これを
懸濁性固形物濃度の基準値に関する目標値として使用し
た。このような目標値に基づいて、汚泥界面位置を調整
しながら、運転を維持および管理することによって、こ
の発明の方法を実施するための装置の総コストの低減を
図ることができた。
【0036】〔実施例3〕上述した実施例1および2に
よる方法と同一の方法において、凝集剤添加ポンプ8を
駆動させて、凝集剤添加用タンク9から凝集剤を浸漬槽
1内の被処理水中に添加した。これは、上述した実施例
1および2による方法と同一の方法において、懸濁性固
形物濃度を、所定の基準値以下に維持し難い場合に効果
的であり、浸漬槽1内の液相2中の懸濁物質が容易に沈
降するため、懸濁性固形物濃度を、所定の基準値以下に
容易に維持することができた。
【0037】〔実施例4〕上述した実施例1による方法
と同一の方法において、浮遊物質(SS)濃度が100
から5000mg/Lである膜逆洗排水を処理水とし
て、浸漬槽1内に供給し、膜分離方法を実施した。膜分
離開始後、数日間で浸漬槽1の下部に、沈降汚泥3と液
相2との界面が形成され、その後、界面は上昇し続け
た。膜分離開始後、約1か月経過した後、汚泥界面位置
が、コンピュータ18に入力された、浸漬槽1の下部か
ら0.6mの高さに到達した。そこで、運転モードを切
り換えて、汚泥界面位置が、0.6±0.05mの範囲
内に維持されるように、汚泥界面計24による測定デー
タをコンピュータ18でモニタしながら、汚泥の引抜き
を間欠的に行った。上述した膜分離方法の実施中におい
て、浮遊物質(SS)濃度計7による液相2の懸濁性固
形物濃度は、図2に示すように、9500mg/L程度
の値に維持された。このときの浸漬型膜分離手段4の膜
間差圧は、徐々に上昇したものの、図2に示す通り、1
00日間の連続運転において、5kPaから45kPa
程度の上昇に抑えることができた。このことから、実施
例4の方法によれば、浸漬型膜分離手段4における膜閉
塞の進行を効果的に抑制し、その寿命を著しく延ばすこ
とが可能であることが確認された。
【0038】〔比較例1〕上述した実施例4による方法
において、汚泥界面位置の制御を行わないことによっ
て、この発明の範囲外の方法を実施した。当該方法で
は、100日間の連続運転において、液相2の懸濁性固
形物濃度は、8000から15000mg/Lの範囲内
で変動し、このときの浸漬型膜分離手段の膜間差圧は、
65kPaと非常に大きい値に達した。このことから、
比較例1の方法では、浸漬型膜分離手段における膜閉塞
の進行を効果的に抑制することはできず、その寿命を著
しく延ばすことは不可能であることが確認された。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、浸漬型膜分離手段に対する固形物負荷を軽減し、も
って、浸漬型膜分離手段の長期間に亘る使用を可能に
し、浸漬型膜分離手段の薬品洗浄の頻度を著しく少なく
することが可能な膜分離方法を提供することができ、か
くして、有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施態様の膜分離方法を実施するた
めの装置を示す概略説明図である。
【図2】この発明の膜分離方法を実施した場合の、運転
日数と、浮遊物質(SS)濃度および膜間差圧との関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
1:浸漬槽 2:懸濁物質を含んだ液相 3:汚泥 4:浸漬型膜分離手段 5:散気手段 6:懸濁性固形物濃度計 7:駆動手段 8:凝集剤添加ポンプ 9:凝集剤添加用タンク 10:散気用ブロア 11:被処理水供給ポンプ 12:被処理水供給制御バルブ 13:ろ過水吸引ポンプ 14:ろ過水流量計 15:汚泥引抜きバルブ 16:汚泥引抜きポンプ 17:引抜き汚泥流量計 18:コンピュータ 19:被処理水供給管 20:凝集剤供給管 21:ろ過水吸引管 22:汚泥引抜き管 23:空気供給管 24:汚泥界面計 25:駆動手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水が、沈降汚泥とその上に存在す
    る懸濁物質を含んだ液相とに分離されている浸漬槽内に
    おいて、前記液相中に浸漬型膜分離手段を浸漬させ、前
    記浸漬型膜分離手段において吸引を行って、前記浸漬型
    膜分離手段によってろ過されたろ過水を前記浸漬槽の外
    部に引き出すことからなる膜分離方法において、 前記沈降汚泥の量を調整し、もって、前記液相中の懸濁
    性固形物濃度の値を所定の基準値以下に維持することを
    特徴とする膜分離方法。
  2. 【請求項2】 前記沈降汚泥の量を調整するステップ
    は、前記浸漬槽内の前記沈降汚泥を、前記浸漬槽の下部
    から引き抜き、もって、前記沈降汚泥と前記液相との界
    面の位置を下降させることからなることを特徴とする請
    求項1に記載した方法。
  3. 【請求項3】 前記沈降汚泥の量を調整するステップ
    は、前記浸漬槽内の前記液相中に凝集剤を添加して、懸
    濁物質を生成させ、これを凝集沈澱させ、もって、前記
    沈降汚泥と前記液相との界面の位置を下降させることか
    らなることを特徴とする請求項1に記載した方法。
  4. 【請求項4】 前記沈降汚泥の量を調整するステップ
    は、前記浸漬槽内の前記液相中に凝集剤を添加して、懸
    濁物質を生成させ、これを凝集沈澱させると共に、前記
    浸漬槽内の前記沈降汚泥を、前記浸漬槽の下部から引き
    抜き、もって、前記沈降汚泥と前記液相との界面の位置
    を下降させることからなることを特徴とする請求項1に
    記載した方法。
  5. 【請求項5】前記沈降汚泥と前記液相との界面の位置を
    連続的に測定し、このようにして測定された、前記沈降
    汚泥と前記液相との界面の前記位置に基づいて、前記沈
    降汚泥の量を調整するステップを実施することを特徴と
    する請求項1から4の何れか1つに記載した方法。
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