JP3094494B2 - 生物脱臭装置 - Google Patents

生物脱臭装置

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  • Treating Waste Gases (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、し尿処理場、下水処
理場、その他各種工場から発生する悪臭ガスの悪臭成分
を活性汚泥等の微生物により生物学的に分解して脱臭す
る生物脱臭装置に関する。
【0002】
【従来の技術】し尿処理場、下水処理場から発生する悪
臭ガスの悪臭成分は硫化水素、メチルメルカプタン、硫
化メチル、二硫化メチル、アンモニア等であり、この中
で比較的に濃度が高いのは硫化水素(5〜50pp
m)、アンモニア(1〜10ppm)であり、メチルメ
ルカプタン(0.5〜5ppm)、硫化メチル、二硫化
メチル(各々1ppm以下)の濃度は低い。
【0003】このような悪臭ガスを脱臭するため、処理
塔の内部に、悪臭成分を分解する微生物を担持した繊維
状ピートの充填層を設け、この充填層に悪臭ガスを上向
流で通気し、繊維状ピートが担持する微生物で悪臭成分
を酸化分解することが従来から行なわれている。
【0004】充填層として繊維状ピートを使用するの
は、単位容積当たりの表面積が大で、担持する微生物の
量が多く、これによって悪臭成分の除去率が高く、現状
では繊維状ピートが最も優れた充填材であると考えられ
ているからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】脱臭装置を運転する
と、充填層の下部には悪臭成分の酸化分解によって単体
の硫黄などが生成し、充填層を閉塞するので、運転中は
充填層に上から洗浄水を散布し、充填層中に生成する硫
黄を洗浄水で洗い流すことが必要であり、充填層が繊維
状ピートであると、繊維状ピートは洗浄水を含んで重量
を増し、上からの加重で充填層の下部は充填層の支持体
上に圧縮されて圧密が進み、これに伴い圧力損失が増大
する。又、繊維状ピートに含まれた洗浄水は繊維間の間
隙に保水されて悪臭ガスの上向流通気を阻害するので矢
張り圧力損失が増大する。このため、圧力損失の増大を
防止するための配慮をしなければならず、構造が複雑に
なる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、充填材として
は現状で最良とされている繊維状ピートが上述したよう
な問題点を有することに鑑み、洗浄水によって圧密化せ
ず、且つ洗浄水をスムースに流下させることができる充
填材を追及した結果、粒状に焼成した硅藻土の粒体が充
填材に適することを見出して本発明を開発したのであっ
て、底部に悪臭ガスの給気管上部に処理ガスの排気管を
備えた処理塔と、前記悪臭ガスの悪臭成分を分解する微
生物を担持し、上記処理塔内に設けられて悪臭ガスが上
向流で通気する充填層と、上記充填層に洗浄水を散布す
る散水管とを備えた生物脱臭装置において、前記充填層
を、粒状に焼成した硅藻土の粒体で形成したのである。
【0007】そして、上記処理塔内には、粒状に焼成し
た硅藻土の粒体からなる充填層の上方に、繊維状ピート
と、直径150mm以上で、空隙率が大きいプラスチッ
ク充填材の積層体からなる上段充填層を設けることが好
ましい。
【0008】
【実施例】図示の実施例において、1は処理塔で、底部
に悪臭ガスの給気管2、内部には上下二段に充填層3と
4、各充填層3と4に洗浄水を上から散布する散水管5
と6が設けられている。
【0009】下段の充填層3は粒状に焼成した硅藻土の
粒径4〜10mmの粒体7で構成されている。又、上段
の充填層4は繊維状ピート8の層と、空隙率が大きい直
径150mm以上のプラスチック充填材9が交互に重な
った積層体からなる。
【0010】上記プラスチック充填材9は、大きな開口
を有する曲面片と、同様に大きな開口を有する平板片と
が複雑に結合した状態にプラスチックで成形された平均
直径が150mm程度の球状で、空隙率は約97%、そ
して雑多な姿勢で配置、集積しても相互に点と線で接触
はするが、面接触することはないと共に、活性汚泥等の
微生物が表面に付着し、増殖できる市販の接触材(商品
名バイオス、日南産業株式会社製)等を用いる。充填層
4を構成するには、例えば通気、通水性の支持材10上
に上記プラスチック充填材9を敷き詰めて第1層とし、
その第1層の充填材9の開口の中、及び隣接間隙に繊維
状ピートを詰め込んで第2層とし、次に第1層のプラス
チック充填材に上から接触するように再びプラスチック
充填材9を敷き詰めて第3層とし、これを繰返してピー
ト層8と、プラスチック充填材9が交互に重なった積層
体とするのである。尚、繊維状ピートは目開き8mm程
度の篩でふるって短繊維を除いた長繊維だけを使用す
る。
【0011】充填層3と4を構成したら、散水管5と6
で充填層3と4に活性汚泥の希釈水、活性汚泥処理水、
河川水などを散布し、硝化菌、硫黄菌等の微生物を焼成
硅藻土の粒体7、繊維状ピート8、プラスチック充填材
9に植菌して増殖させ、それが馴養したら、給気管2か
ら処理塔1内の底部に悪臭ガスを給気し、下段の充填層
3、次に上段の充填層4に上向流で通気する。
【0012】下段充填層3を構成する焼成硅藻土の粒体
7は比表面積は小さいが多孔質であるため悪臭成分を分
解する微生物を多量に担持する。従って、悪臭ガス中の
濃度が高い硫化水素、アンモニアの大部分は下段の充填
層の焼成硅藻土の粒体が担持する微生物で酸化分解され
る。しかも焼成硅藻土の粒体は優れた耐アルカリ性を有
するため、悪臭ガスによって強度を低下することがな
い。こうして、下段の充填層3では酸化分解によりSO
4 -- 、NH4 +、NO2 -、NO3 -等が多く生成するので、
散水管5からは多量の洗浄水を充填層3に散布し、これ
らの生成物を洗浄水で洗い流す。充填層3に多量の洗浄
水を散布しても、充填層3を構成するのは焼成硅藻土の
粒体7であるため、洗浄水は生成物を伴って粒体同志の
間隙中をスムースに流下して処理塔の底に流れ落ち、ド
レン11から排水される。従って、多量の洗浄水で洗浄
を行なっても、充填層3は圧密することがないと共に、
該層を流下する洗浄水は上向流で通気する悪臭ガスの抵
抗にならないので圧力損失は増大しない。
【0013】下段の充填層3を吹き抜けた悪臭ガスは次
に上段の充填層4を上向流で通気する。この上段の充填
層4中の繊維状ピート8は比面積が大であるので、比表
面積が小さいために下段の焼成硅藻土の粒体では分解除
去できずに残存する悪臭成分中のメチルメルカプタン、
硫化メチル、二硫化メチルを担持する微生物で酸化分解
する。
【0014】悪臭ガス中の悪臭成分は大部分が下段の充
填層3で分解され、上段の充填層4で分解する悪臭成分
の量は非常に少ない。このため分解生成物の量も少ない
ので散水管6で充填層4に散布する洗浄水の量も少なく
て良い。加えて、繊維状ピート8は、上下に接触させて
敷き詰めたプラスチック充填材9の開口や、間隙に詰め
てあるため圧密化しない。従って、上段の充填層の濡れ
た繊維状ピート、及びこれに保水される洗浄水で圧力損
失の増大は起こらず、悪臭ガス中の残存成分は上段の充
填層が担持する微生物で完全に酸化分解する。
【0015】こうして無臭処理されたガスは処理塔1の
頂部にあるエリミネータ12を通過する際に水分を除去
され、排気口13から排出される。
【0016】
【発明の効果】以上で明らかなように、本発明では粒状
に焼成した硅藻土の粒体7で構成した充填層3により圧
力損失を増大させず、しかも洗浄水をスムースに流下さ
せ、該層3を上向流する悪臭ガスの大部分の悪臭成分を
分解し、脱臭することができる。
【0017】そして、上記充填層3の上方に繊維状ピー
トと、プラスチック充填材が交互に重なる充填層4を設
けることにより圧力損失を増大することなく、ガス中に
残存する悪臭成分を分解し、無臭に処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生物脱臭装置の一実施例の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 処理塔 2 給気管 3 充填層 4 上段の充填層 5 充填層への散水管 6 上段の充填層への散水管 7 充填層を構成する焼成された硅藻土の粒体 8 上段の充填層の積層体を構成する繊維状ピート 9 上段の充填層の積層体を構成するプラスチック充
填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/38 B01D 53/34 B01D 53/81

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部に悪臭ガスの給気管、上部に処理ガ
    スの排気管を備えた処理塔と、前記悪臭ガスの悪臭成分
    を分解する微生物を担持し、上記処理塔内に設けられて
    悪臭ガスが上向流で通気する充填層と、上記充填層に洗
    浄水を散布する散水管とを備えた生物脱臭装置におい
    て、前記充填層を、粒状に焼成した硅藻土の粒体で形成
    したことを特徴とする生物脱臭装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の生物脱臭装置におい
    て、処理塔内には、粒状に焼成した硅藻土の粒体からな
    る充填層の上方に、繊維状ピートと、直径150mm以
    上で、空隙率が大きいプラスチック充填材の積層体から
    なる上段充填層を設けた生物脱臭装置。
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