JP2897217B2 - 有機電解質二次電池 - Google Patents

有機電解質二次電池

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JP2897217B2 JP63187563A JP18756388A JP2897217B2 JP 2897217 B2 JP2897217 B2 JP 2897217B2 JP 63187563 A JP63187563 A JP 63187563A JP 18756388 A JP18756388 A JP 18756388A JP 2897217 B2 JP2897217 B2 JP 2897217B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、各種電子機器の電源として使用される充放
電可能な有機電解質二次電池に関するものであり、特に
正極材の改良に関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、有機電解質二次電池の正極材としてLixMnO
yを用い、当該LixMnOyのMnの価数分析値及びLiの割合x
を規定することで、高い作動電圧を示し高エネルギー密
度を有するとともに、サイクル特性に優れた有機電解質
二次電池を提供しようとするものである。
〔従来の技術〕
負極材としてリチウムを使用し、電解液に有機電解液
を使用した,いわゆる有機電解質電池は、自己放電が少
ないこと、電池電圧が高いこと、保存性に極めて優れる
こと等の利点を有し、特に5〜10年という長期信頼性を
有する電池として、例えば電子時計や種々のメモリーバ
ックアップ用電源として広く使用されている。
ところが、従来使用されている有機電解質電池はほと
んどが一次電池であり、一度の使用でその寿命が尽きて
しまうために,経済性の点で改善すべき点を残してい
る。
そこで、近年種々の電子機器の飛躍的進歩とともに、
長時間便利に且つ経済的に使用できる電源として再充電
可能な有機電解質二次電池の出現が待たれており、多く
の研究が進められている。
一般に、有機電解質二次電池の負極材としては、金属
リチウム,リチウム合金(例えばLi−Al合金)、リチウ
ムイオンをドーピングした導電性高分子(例えばポリア
セチレンやポリピロール等)、さらにはリチウムイオン
を結晶中に混入した層間化合物等が用いられており、電
解液としては有機溶媒に電解質を溶解した有機電解液が
用いられている。
一方、正極材としては各種の材料が研究提案されてお
り、代表的なものとしては、例えば特開昭50−54836号
公報に記載されるようにTiS2,MoS2,NbSe2,V2O5等が挙げ
られる。
これらの材料を用いた電池の放電反応は、負極のリチ
ウムイオンが正極材である層間にインターカレーション
することによって進行し、逆に充電する場合には上記材
料の層間からリチウムイオンがデインターカレーション
する。すなわち、負極のリチウムイオンが正極材の層間
に出入りする反応を繰り返すことによって充放電を繰り
返すことができる。例えば、正極材としてTiS2を使用し
た場合には、充電及び放電反応は次式のように表され
る。
従来の正極材では、上述のような反応によって充放電
が進行するが、二次電池として充放電を繰り返していく
と、次第に放電容量が減少してしまうという欠点を有し
ている。これは、放電によって正極材中に進入したリチ
ウムイオンが次第に外に出にくくなり、充電反応によっ
ても負極側へ戻るものが少なくなってしまうことによる
と考えられる。すなわち、正極においてLixTiS2という
形のまま残ってしまい、次の放電反応に関与するリチウ
ムイオンの量が減少するためである。したがって、充電
を行っても放電容量が減少し、サイクル寿命特性が良好
でない二次電池となってしまっていた。
また、二酸化マンガンは安価な材料であり、リチウム
一次電池の正極材として極めて有効な材料であり、二次
電池の正極材としても種々の検討なされているが、上記
TiS2の場合と同様に放電により活物質中に進入したリチ
ウムイオンが外に出にくくなり、やはり放電容量が減少
するという問題がある。したがって、二酸化マンガンを
正極材とするリチウム二次電池の実用且も難しいのが実
情である。
〔発明が解決しようとする課題〕
一方、X線回折によりASTMカードのLiMn2O4と一致し
たリチウムとマンガンの複合酸化物は、前記活物質に見
られるリチウムイオンのデインターカレーションの劣化
の少ない材料であり、先に本願出願人は特願昭60−2574
79号明細書においてこれを正極材とする有機電解質二次
電池を開示した。
ところが、本発明者等がさらに検討を加えたところ、
前記ASTMカードのLiMn2O4と一致する複合酸化物(以下
単にLiMn2O4とする。)を正極材とする電池は、充放電
反応の繰り返しによる放電容量の劣化は少ないものの、
一回の充電で取り出せる容量はあまり大きくなく、大容
量二次電池の実現には難点があることが判明した。
そこで本発明は、かかる欠点を改善すべくなされたも
のであって、大容量でかつ充放電に伴う容量劣化の少な
い有機電解質二次電池を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、前記の目的を達成せんものと安価な二
酸化マンガンをベースにリチウムとマンガンの複合酸化
物の合成を種々検討した結果、化学量論的な理論値より
もマンガン価数分析値が大きい場合に、大容量でかつ充
放電に伴う容量劣化の少ない二次電池を作成し得るとの
結論を得るに至った。
本発明の有機電解質二次電池は、このような知見に基
づいて完成されたものであって、リチウムを含有する負
極材と、LixMnOyなる一般式で表される正極材と、有機
電解液とを有する有機電解質二次電池であって、前記Li
xMnOyにおけるMnの価数分析値mとLi/Mn原子比xとが、 0.5≦x≦0.7 3.80≦m≦3.90 4.30≦m+x≦4.55 なる関係を満足することを特徴とするものである。
本発明において、正極材として使用されるLixMnO
yは、そのマンガン価数の分析値mが3.5<mであること
において、前述のLiMn2O4と異なる。(LiMn2O4はマンガ
ンの価数分析値が3.5である。) ここで重要なのは、Mnの価数分析値とLi/Mn原子比x
であり、これらの値を前述の範囲に設定することで放電
容量とサイクル特性の両者が大幅に向上される。
特にこれらを合わせた値(m+x)について言えば、
m+xが4.30未満であると容量保持率の低下が見られ、
逆にm+xが4.55を越えると電池容量が低下する。
本発明者等は、リチウムとマンガンの複合酸化物を、
リチウムが若干過剰となるような割合で混合し且つLiMn
2O4の合成温度よりも低い温度で合成することで、スピ
ネル型構造と類似した構造を持つLixMnOy(ただし、0.5
≦x≦0.7,3.80≦m≦3.90,4.30≦m+x≦4.55)で表
されるLiMn2O4とは異なるリチウムマンガン複合酸化物
が合成されることを見出した。
ここで、マンガンの価数分析値を前述の範囲とするた
めには、合成温度を330℃以上,430℃未満とすることが
好ましく、350〜400℃とすることがより好ましい。前述
の範囲よりも合成温度が高くなるとマンガンの価数分析
値が3.80を下回ることになり、また合成温度が低すぎる
とリチウムマンガン複合酸化物を合成することが難しく
なる。
合成に際しては、出発原料として炭酸リチウムと二酸
化マンガンが使用されるが、その他水酸化リチウム,ヨ
ウ化リチウム,硫酸リチウム,硫酸リチウム等、リチウ
ムを含む塩であればいずれを用いても同様に合成するこ
ができる。
また、合成に際して、これら出発原料の粒径が生成物
に影響を及ぼし、なるべく粒径の小さい出発原料を使用
することが好ましい。出発原料の粒径が小さければ、低
温合成であっても反応が速やかに進行する。
実際、混合物の平均粒子径10μm,最大粒子径44μmの
ものと、平均粒子径18.6μm,最大粒子径88μmのものと
を同じ条件(400℃)で焼成したところ、第1図及び第
2図に示すように明らかに差が見られた。
第1図は平均粒径の小さいものを使用した場合に得ら
れたリチウムマンガン複合酸化物のX線回折チャートで
あり、若干の二酸化マンガンのピークが残るだけでほぼ
リチウムマンガン複合酸化物となっている。これに対し
て、第2図に示すように、平均粒径が大きいものを使用
した場合には、リチウムマンガン複合酸化物のピークの
他に炭酸リチウム,二酸化マンガンのピークが見られ
る。
実験によれば、平均粒径15μm以下,最大粒子径44μ
m以下とすることで、サイクル容量劣化の少ないリチウ
ムマンガン複合酸化物を得ることができる。
一方、リチウムを含有する負極材としては、金属リチ
ウム,リチウム合金(例えばLiAl,LiPb,LiSn,LiBi,LiCd
等)、リチウムイオンをドーピングした導電性高分子
(例えばポリアセチレンやポリピロール等)、リチウム
イオンを結晶中に混入した層間化合物(例えばTiS2,MoS
2等の層間にリチウムを含んだもの)等が使用可能であ
る。
また、電解液には、リチウム塩を電解質とし、これを
有機溶剤に溶解した非水系の有機電解質が使用される。
ここで有機溶剤としては、エステル類、エーテル類、
3置換−2−オキサゾリジノン類及びこれらの2種以上
の混合溶剤等が使用される。
具体的に例示するならば、エステル類としては、アル
キレンカーボネート(エチレンカーボネート,プロピレ
ンカーボネート,γ−ブチルラクトン,2−メチル−γ−
ブチルラクトン等)等である。
エーテル類としては、ジエチルエーツル、ジメトキシ
エタン、環状エーテル,例えば5員環を有するエーテル
〔テトラヒドロフラン;置換(アルキル,アルコキシ)
テトラヒドロフラン,例えば2−メチルテトラヒドロフ
ラン,2,5−ジメチルテトラヒドロフラン,2−エチルテト
ラヒドロフラン,2,2′−ジメチルテトラヒドロフラン,2
−メトキシテトラヒドロフラン,2,5−ジメトキシテトラ
ヒドロフラン等;ジオキソラン〕,6員環を有するエーテ
ル〔1,4−ジオキサン,ピラン,ジヒドロピラン,テト
ラヒドロピラン〕等である。
3置換−2−オキサゾリジノン類としては、3−アル
キル−2−オキサゾリジノン(3−メチル−2−オキサ
ゾリジノン,3−エチル−2−オキサゾリジノン等)、3
−シクロアルキル−2−オキサゾリジノン(3−シクロ
ヘキシル−2−オキサゾリジノン等)、3−アラルキル
−2−オキサゾリジノン(3−ベンジル−2−オキサゾ
リジノン等)、3−アリール−2−オキサゾリジノン
(3−フェニル−2−オキサゾリジノン等)等である。
なかでも、プロピレンカーボネートやジメトキシエタ
ン、5員環を有するエーテル(特にテトラヒドロフラ
ン,2−メチルテトラヒドロフラン,2−エチルテトラヒド
ロフラン,2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン,2−メト
キシテトラヒドロフラン)、3−メチル−2−オキサゾ
リジノン等が好ましい。
電解質としては、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチ
ウム、リンフッ化リチウム、塩化アルミン酸リチウム、
ハロゲン化リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リ
チウム、さらにはLiAsF6、LiB(C6H5等が使用可能
であり、なかでも過塩素酸リチウム,ホウフッ化リチウ
ム等が好ましい。
〔作用〕
LiMn2O4は、一般に炭酸リチウムとマンガン酸化物と
を前記組成式に相当する組成比で混合し、空気中700〜9
00℃で加熱処理することにより合成される。
こうして合成されたLiMn2O4は、容量は少ないが充放
電の繰り返しによる容量劣化は少なく、サイクル特性に
おいては優れている。これはLiMn2O4のスピネル型構造
に起因するものと考えられる。
また、LiMn2O4を正極材とする電池の放電反応は、次
式の如く進行するものと考えられる。
Li▲Mn+3.5 2▼O4+Li→Li2▲Mn+3.0 2▼O4 …(1) すなわち、LiMn2O4での放電反応は、放電に伴い3.5価
のマンガンが3.0価へ還元されるとともに、リチウムイ
オンがインターカレートして進行するものと考えられ
る。
ここで、上記反応式におけるLiMn2O4の理論容量は148
mAH/gである。しかしながら、実際の電池反応により得
られる容量は75mAH/g程度にすぎず、上記反応が完全に
進行し難く上記反応式の約半分までしか進行しないもの
と予想される。
Li▲Mn+3.5 2▼O4+Li→Li1.5▲Mn+3.25 2▼O4 …(2) これに対して、LixMnOy(ただし、0.5≦x≦0.7,3.80
≦m≦3.90,4,30≦m+x≦4.55)を正極材とする電池
では、その詳細な理由は不明であるが放電容量が確保さ
れ、またスピネル型構造と類似した構造をとることから
サイクル特性も維持される。
〔実施例〕
以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて説明す
る。
〔LixMnOyの合成例1〕 市販の二酸化マンガンをまず420℃で4時間熱処理を
施し、これに市販の炭酸リチウムをマンガンとリチウム
の原子比1:0.56となるように良く混合した後、400℃で
1時間加熱処理してリチウムマンガン複合酸化物を合成
した。これを試料1とする。
〔LiMn2O4の合成例〕 市販の二酸化マンガンをまず420℃で4時間熱処理を
施し、これに市販の炭酸リチウムをマンガンとリチウム
の原子比1:0.50となるように良く混合した後、900℃で
2時間加熱処理しリチウムマンガン複合酸化物を合成し
た。これを比較試料とする。
試料1並びに比較試料についてX線回折を行った。試
料1のX線回折チャートを第3図に、比較試料のX線回
折チャートを第4図にそれぞれ示す。試料1のX線回折
パターンは、第2図に示した比較試料(LiMn2O4)のX
線回折パターンと比較すると、極めて類似しているもの
の回折角2θ=46.1゜,56.1゜近傍の回折ピークが高角
度側にシフトしていることがわかる。
なお、X線回折分析の測定条件は下記の通りである。
ターゲット : Fe フィルター : Mn 時定数 : 2秒 管電圧 : 30kV 管電流 : 15mA 走査速度 : 1゜/分 チャート速度 : 5mm/分 発散スリット : 1゜ 受光スリット : 0.6mm 散乱スリット : 1゜ 〔マンガン価数の分析〕 試料1及び比較試料についてマンガン価数分析を次の
手順で行った。
合成品を110℃で2時間乾燥後、1.0gを0.1mg単位まで
正確に秤り取りコニカルビーカーに入れ、濃塩酸10ml加
え、さらに硫酸(1+1)20mlを加え加熱溶解させた。
放冷後水約50ml加え再び加熱した。冷却後、メスフラス
コ250mlに洗い移し標線まで正しく稀釈し、稀釈後良く
振り混ぜ、これより25mlをホールピペットで正しく分取
し、コニカルビーカー200mlに入れ硫酸(1+1)5mlを
加え、さらに水100ml加えマグネチックスターラーで撹
拌しながら、ピロリン酸ナトリウム10水和物35gを加え
溶解した。1/10N水酸化ナトリウム溶液でpH7に調整後、
1/10N過マンガン酸カリウム標準液で電位差滴定を行い
全マンガン量Aを求めた。
次に110℃で2時間乾燥した合成品0.1gを0.1mg単位ま
で正確に秤り取り、コニカルビーカーに入れ、3/20Nシ
ュウ酸溶液20mlをホールピペットで加え、55℃〜65℃の
水浴中でマグネチックスターラーで撹拌した。次にビー
カーの内壁に飛散した液を水で洗い落とし、液量約60ml
にした。これを1/10N過マンガン酸カリウム溶液で滴定
を行い4価のマンガン量Bを求めた。全マンガン量Aと
4価のマンガン量Bから次式を用いてマンガン価数を求
めた。
その結果試料1のマンガン価数は3.81であった。比較
試料であるLiMn2O4のマンガン価数を分析した結果3.51
の値を得た。
この場合LixMnOyでx=0.56であり、またこの式を化
学量論的に満足するyの値はy=(x+m)/2と考えら
れるから、ここで合成したLixMnOyはLi0.56MnO2.185
考えられる。したがって、X線回折ではLiMn2O4に類似
しているものの、マンガン価数で大きく異なり、Li0.56
MnO2.185とLiMn2O4とは異なるリチウムマンガン複合酸
化物である。
〔充放電試験〕
正極活物質に試料1あるいは比較試料80重量部を用
い、導電剤としてグラファィト15重量部,バインダーし
てポリ弗化ビニリデン5重量部を混合し正極合剤を作製
した。この合剤をN−メチル−2−ピロリドン溶液を用
い湿式混合し、合剤ペーストとした。これらの正極合剤
ペーストを長さ355mm,幅35mm,厚さ30μmのアルミニウ
ム箔の両面に塗布し、乾燥後ローラープレス機により圧
縮成型し、端部にアルミニウムのリードを超音波溶接し
て正極電極(1)を作製し、その電極(1)を160℃,3
時間真空乾燥処理した。
次に厚さ70μmの金属リチウム箔を長さ370mm,幅37mm
に切断し端部にニッケルリードを圧着して負極電極
(3)を作製した。
上記の正極電極(1)と負極電極(3)を厚さ50μm
の多孔性ポリプロピレン製セパレーター(2)を介して
ロール状に巻き取り、これをニッケルメッキを施した鉄
製缶(4)に入れた後、1モル/の六弗化リン酸リチ
ウムを溶解した炭酸プロピレンと1,2−ジメトキシエタ
ンの混合電解液を注入した後、ガスケット(6)を介し
て蓋体(5)により封口して第5図に示す外径13.8mm,
高さ45mmの円筒型試験用電池を組み立てた。
これらの電池を定抵抗11オーム,放電終止電圧2.0Vで
放電させ、次に60mA定電流で充電終止電圧3.9Vとして8
時間充電し、これを1サイクルとして充放電試験を行っ
た。
その結果、10サイクル目の容量は試料1を用いた電池
では565mAH、比較試料を用いた電池では298mAHであっ
た。サイクル容量劣化に関しては10サイクル目容量を10
0%とした時の80サイクルでの容量劣化率は、試料1を
用いた電池では7.1%、比較試料を用いた電池は3.7%で
あった。
これらの結果から、試料1は、従来のLi/TiS2,Li/MoS
2等が80サイクルで30%ほどの容量劣化をすることを考
えると、サイクル特性の点ではLiMn2O4の良さを維持し
て優れたものであると言える。さらに容量はLiMn2O4
り大きく、LiMn2O474.5mAH/gに対して141.2mAH/gが得ら
れた。
放電反応はマンガン価数が減少することにより進行す
ることから、本発明電池において電池容量が大きいのは
正極活物質のマンガンの価数が大きいことによると思わ
れる。
本発明のリチウムマンガン複合酸化物において、マン
ガン価数(m)及びx値が重要であり、次に(m+x)
値と電池特性について検討した。
〔LixMnOy合成例2〕 リチウムとマンガンの原子比が種々に変わるように市
販の二酸化マンガン(420℃で4時間熱処理を施したも
の)と炭酸マンガンとを良く混合し、420℃で3時間加
熱処理してリチウムマンガン複合酸化物を合成した。
合成したもの全てについて、前述したマンガン価数分
析法で分析した。得られたLixMnOyの原子比(Li/Mn)並
びにm+x値は第1表に示す通りである。
また、前述した充放電試験方法に従い電池特性につい
ても試験した。その結果を第6図に示す。第6図におい
て、縦軸に容量保持率(60サイクル容量/10サイクル容
量×100%)と試験用電池10サイクル容量を取り、横軸
にm+x(マンガン価数+Li/Mn原子比)を取った。電
池容量については(m+x)が小さくなるにつれて容量
は増し、サイクル容量劣化についても大きくなる。この
ことから、電池容量とサイクル容量保持率を共に考慮し
(m+x)値の範囲を4.30≦m+x≦4.55,x≧0.5とす
ることで容量保持率90%以上,電池容量300mAH以上得る
ことが可能である。
次に、Li/Mn原子比xを0.56として一定にし、LixMnOy
の合成温度とマンガン価数mの関係について調査した。
〔LixMnOy合成例3〕 市販の二酸化マンガンを420℃で4時間熱処理を施し
たものに、市販の炭酸リチウムをマンガンとリチウムの
原子比1:0.56にて良く混合し、第2表に示す合成条件で
加熱処理しリチウムマンガン複合酸化物を合成した。合
成したもの全てを前述したマンガン価数分析法で分析し
た。
合成温度とマンガン価数分析値(m)の関係を第2表
並びに第7図に示す。
その結果、合成温度が高くなるにつれてマンガン価数
(m)は小さくなり、330℃〜430℃未満の範囲で合成し
たLixMnOyのマンガン価数は3.80〜3.90の範囲にあり、
さらにはX+mの値も前記範囲にあることから電池特性
においても満足できるものであった。
これに対して、500℃で合成したLixMnOyはマンガン価
数が3.73となり、マンガン価数m>3.80を望むことから
かかる温度での合成は好ましくないと言える。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明においては
正極材に使用するリチウムマンガン複合酸化物のマンガ
ンの価数分析値並びにLi/Mn原子比を所定の範囲に規定
しているので、大容量で且つ充放電に伴う容量劣化の少
ない有機電解質二次電池を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は粒径の小さな原料より合成したリチウムマンガ
ン複合酸化物のX線回折パターンを示す特性図、第2図
は粒径の大きな原料より合成したリチウムマンガン複合
酸化物のX線回折パターンを示す特性図である。 第3図は実施例で合成されたLixMnOy(試料1)のX線
回折パターンを示す特性図であり、第4図はLiMn2O4
X線回折パターンを示す特性図である。 第5図は充放電試験を実施するに際して組み立てた電池
の構造を一部破断して示す側面図である。 第6図は電池容量並びに容量保持率とm+x値の関係を
示す特性図であり、第7図は合成温度とマンガン価数分
析値mの関係を示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 佳克 福島県郡山市日和田町高倉字下杉下1― 1 株式会社ソニー・エナジー・テック 郡山工場内 (56)参考文献 特開 平1−289066(JP,A) 特開 平1−272051(JP,A) Mat.Res.Bull.,Vo l.18(1983)pp.461−472 Mat.Res.Bull.,Vo l.19(1984)pp.179−187 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 4/58 H01M 4/50 H01M 4/02 H01M 10/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウムを含有する負極材と、LixMnOy
    る一般式で表される正極材と、有機電解液とを有する有
    機電解質二次電池であって、 前記LixMnOyにおけるMnの価数分析値mとLi/Mn原子比x
    とが、 0.5≦x≦0.7 3.80≦m≦3.90 4.30≦m+x≦4.55 なる関係を満足することを特徴とする有機電解質二次電
    池。
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