JP2896710B2 - エンジンの動弁装置 - Google Patents

エンジンの動弁装置

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皓二 浅海
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジンのカムシャフトに可変バルブタイ
ミング機構を付設したエンジンの動弁装置に関するもの
である。
(従来の技術) 従来より、エンジンの動弁機構でカムシャフトの駆動
を行うについて、このカムシャフトの駆動機構に可変バ
ルブタイミング機構を装着し、クランクシャフトとカム
シャフトとの回転位相を変更して排気バルブもしくは吸
気バルブのバルブタイミングを運転状態に対応して変化
させるようにした技術が、例えば、特開昭63−162910号
公報および特開平2−102305号公報に見られるように知
られている。
(発明が解決しようとする課題) しかして、上記のような可変バルブタイミング機構を
備えた動弁装置では、このカムシャフトに対して可変バ
ルブタイミング機構を配設すると共に、両側のカムシャ
フトを同期駆動するためのカム間駆動輪を設ける必要が
あり、これらをコンパクトに配設すると同時にカムシャ
フト支持剛性を確保する必要がある。
すなわち、上記可変バルブタイミング機構はカムシャ
フトとカム間駆動輪との間で、カムシャフトの位相を可
変に介装するもので、その配設位置としてはカムシャフ
トの端部近傍に限られ、また、このカムシャフトの端部
近傍には前記カム間駆動輪が配設され、特に、カムシャ
フトの端部に可変バルブタイミング機構を取り付けた場
合に、このカムシャフトの先端部を軸受支持する構造が
ないと片持支持で強度的に不利となるものである。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、可変バルブタイミ
ング機構をカム間駆動輪の内部に配設してコンパクト化
を得るについて可変バルブタイミング機構の取り付けと
カムシャフトの支持剛性を確保するようにしたエンジン
の動弁装置を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために本発明の動弁装置は、一方
のカムシャフトのカム間駆動輪内に可変バルブタイミン
グ機構を内蔵するについて、カムシャフト端部に締結部
材によって可変バルブタイミング機構のカムシャフトと
一体に回転するハブを挾持する筒状のシャフト部材を取
り付け、該シャフト部材をシリンダヘッドに軸受支持し
て構成したものである。
(作用および効果) 上記のような動弁装置では、カムシャフト端部のカム
間駆動輪内に可変バルブタイミング機構を内蔵してコン
パクト化を得ると共に、上記カムシャフト端部に可変バ
ルブタイミング機構のハブを筒状のシャフト部材によっ
て挾持して締結部材の締結で取り付け、このシャフト部
材をシリンダヘッドに軸受支持することで、ハブの取付
けと軸受のためのシャフト部材との兼用で構造を簡素化
し、カムシャフト端部の支持剛性を高めることができる
ものである。
(実施例) 以下、図面に沿って本発明の実施例を説明する。第1
図は一実施例のDOHC動弁装置を備えたV型エンジン1に
おける一方のバンクのシリンダヘッド4の要部平面図で
あって、このバンクにおいては各気筒が4弁構造(吸気
側2弁、排気側2弁)に構成されると共に、各気筒の吸
・排気バルブを開閉作動するカム部2a,3aを備えた一対
のカムシャフト2,3がシリンダヘッド4の頭部に相互に
平行に配設され、このカムシャフト2,3はシリンダヘッ
ド4の軸受部5にカムキャップ(図示せず)を締結する
ことによって支承される。
また、吸気側カムシャフト2および排気側カムシャフ
ト3のそれぞれの一端部(前端部)には、カム間駆動輪
として相互に噛合されたカム間ギヤ7,8が配設される
が、排気側カム間ギヤ8はその中心を貫通する排気側カ
ムシャフト3に直接取り付けられている。上記両側のカ
ム間ギヤ7,8はシリンダヘッド4の端部に形成されたギ
ヤ室9に収容されている。
一方、吸気側カムシャフト2の先端部は、前記カム間
ギヤ7が配設されるギヤ室9の部分で切断され、その軸
方向の延長部の外周にカム間ギヤ7が配設される。上記
吸気側カムシャフト2の先端部はギヤ室9の背部に設置
されたシリンダヘッド4の軸受部5に支承されている
が、この軸受部5に支承されている部分の前後にフラン
ジ状に突出するスラスト受け2c,2cが配設され、該吸気
側カムシャフト2の軸方向の荷重を受けて移動を規制す
るようにしている。
また、上記吸気側カム間ギヤ7のボス部7aは、排気側
カムシャフト3のカム間ギヤ8より幅が大きく形成さ
れ、この中空状に形成されたボス部7aの内部に可変バル
ブタイミング機構20が配設されている。
さらに、上記排気側カムシャフト3の前端部はシリン
ダヘッド4から突出し、この前端部にクランクシャフト
(図示せず)からの動力が伝達される被駆動輪としての
カムプーリ16が取り付けられている。上記カムプーリ16
は外周部にタイミングベルト(図示せず)が掛けられる
ギヤ部16aを有している。なお、被駆動輪としてのカム
プーリ16はスプロケット状に形成されて、タイミングチ
ェーンによって動力が伝達されるようにしてもよい。
上記のように吸気側カム間ギヤ7の内部には可変バル
ブタイミング機構20が配設されるが、その中心部分には
該可変バルブタイミング機構20のハブ21(後述する)を
挾持する筒状のシャフト部材17が、前記吸気側カムシャ
フト2を延長するように設けられ、このシャフト部材17
は端部からその中心を貫通してカムシャフト2に締結さ
れる締結部材18(締結ボルト)によって取り付けられて
いる。
上記シャフト部材17の反対側の吸気側カムシャフト2
の先端部は、スラスト受け2cを構成することからフラン
ジ状に大きく形成され、上記ハブ21と広い面積で接触し
て挾持することで、高い取付剛性を得ている。
また、上記シャフト部材17は可変バルブタイミング機
構20から前方に突出したジャーナル部17aが、シリンダ
ヘッド4のギヤ室9の前方に設置された前端軸受部5aに
軸受支持され、その先端部側はシリンダブロック4の前
面に取り付けられたキャップ部材14で覆われている。な
お、この前端軸受部5aとジャーナル部17aとの間にはブ
ッシュ19が介装され、厳しい潤滑条件に対処している。
また、上記締結部材18の軸部外周にはオイル通路31が
形成され、このカムシャフト2内部にオイル導入孔31a
から導入されたオイルが、可変バルブタイミング機構20
の冷却用および潤滑用に供給される。
上記構造により、クランクシャフトの回転に伴ってタ
イミングベルトを介してカムプーリ16が駆動されると、
排気側カムシャフト3がそのまま回転され、また、カム
間ギヤ7,8から可変バルブタイミング機構20を介して吸
気側カムシャフト2には所定の位相で回転が伝達され
る。
一方、前述の可変バルブタイミング機構20は電磁作動
式であり、その概略構造を説明すれば、前記吸気側カム
シャフト2に固着されたハブ21は円板部から円周の複数
箇所に軸方向前方に斜めに形成された係合片21aを有す
る。また、カム間ギヤ7のボス部7a内周面には縦溝に沿
って軸方向に移動可能にアドバンシングプレート22が係
合され、このアドバンシングプレート22の内周はドラム
23の外周のネジ部に螺合しており、該ドラム23の相対回
転によって軸方向に移動され、上記斜めの係合片21aと
の係合位置の変更によってハブ21すなわち吸気側カムシ
ャフト2の位相を変更するものである。その駆動機構
は、上記ドラム23の内側(カムシャフト2の外側)に電
磁コイル24が配設され、該電磁コイル24に固着されたブ
ラケット25が図示しない係合構造によってシリンダヘッ
ド4側に固定されて、回り止めが行われている。上記電
磁コイル24に接続された電気コード28はブラケット25を
貫通して導出され、ヘッドカバー(図示せず)のグロメ
ットを通って配線されている。
そして、上記電磁コイル24への通電によってドラム23
の回転に抵抗を与えて該ドラム23を進角方向に相対回転
させるものであり、このドラム23の回転角度はストップ
プレート26で制限され、可変位相角が調整される。な
お、上記ドラム23は渦巻状のスプリング27によって遅角
方向に復帰回転される。上記電磁コイル24への通電は運
転状態に応じて制御され、吸気側カムシャフト2の回転
位相の変更で吸気バルブの開閉時期を可変として排気バ
ルブとのオーバーラップ期間を変更するものである。
なお、上記実施例では吸気側カムシャフト2に可変バ
ルブタイミング機構20を配設するようにしているが、排
気側カムシャフト3に配設するようにしてもよく、カム
プーリ16(被駆動輪)も吸気側に配設してもよい。ま
た、カム間駆動輪としては、カム間ギヤ7,8の他、ラェ
ーン駆動用のスプロケット等によって構成してもよい。
また、前記可変バルブタイミング機構20では、ハブ21
が後端側に位置するように配設されているが、その位相
変更方向または係止部21aの傾斜方向が逆になった場合
には、この可変バルブタイミング機構20の設置は実施例
と逆向き、すなわちハブ21が前端側に配置されるもので
あり、その際には、シャフト部材17は短くなり、可変バ
ルブタイミング機構20の中心部には長く形成されたカム
シャフト2が挿入され、前部側でシャフト部材17との間
でハブ21を挾持して締結部材18で締結するように構成す
ればよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における動弁装置を備えたV
型エンジンの一方のシリンダヘッドの要部平面図であ
る。 1……エンジン、2,3……カムシャフト、4……シリン
ダヘッド、5a……前端軸受部、7,8……カム間駆動輪
(カム間ギヤ)、16……被駆動輪(カムプーリ)、17…
…シャフト部材、17a……ジャーナル部、18……締結部
材、20……可変バルブタイミング機構、21……ハブ、22
……アドバンシングプレート、23……ドラム、24……電
磁コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−65004(JP,A) 特開 昭62−191606(JP,A) 特開 平1−240710(JP,A) 特開 平2−123208(JP,A) 特開 平2−245408(JP,A) 特開 平2−248608(JP,A) 特開 昭63−162910(JP,A) 特開 平2−102305(JP,A) 実開 昭64−19005(JP,U) 実開 平2−31309(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01L 1/00 - 1/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】DOHC式動弁装置の一方のカムシャフトに設
    けた他方のカムシャフトに動力を伝達するカム間駆動輪
    内に、該カムシャフトの回転位相を変更する可変バルブ
    タイミング機構を内蔵してなり、上記一方のカムシャフ
    ト端部に締結部材によって前記可変バルブタイミング機
    構のカムシャフトと一体に回転するハブを挾持して筒状
    のシャフト部材を取り付け、該シャフト部材をシリンダ
    ヘッドに軸受支持したことを特徴とするエンジンの動弁
    装置。
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