JP2896366B2 - 油圧駆動機械の油圧ポンプ制御方法およびその装置 - Google Patents

油圧駆動機械の油圧ポンプ制御方法およびその装置

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JP2896366B2
JP2896366B2 JP10055003A JP5500398A JP2896366B2 JP 2896366 B2 JP2896366 B2 JP 2896366B2 JP 10055003 A JP10055003 A JP 10055003A JP 5500398 A JP5500398 A JP 5500398A JP 2896366 B2 JP2896366 B2 JP 2896366B2
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雅之 田中
室田  功
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気温度の検出に
特徴を有する油圧駆動機械の油圧ポンプ制御方法および
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、油圧ショベルなどの建設機械
では、過酷な作業を強いられることが多い。そこで、前
記建設機械のエンジンおよび油圧系は、どうしても過熱
状態になるおそれがあり、その対策として前記エンジン
を積極的に冷却するため、ラジエータ或いはファンによ
り前記エンジンからの放熱を行なわねばならない。それ
故に、前記エンジンの規模の拡大に伴い、ラジエータ或
いはファンなどを大型化して冷却能力の増大を図ってき
た。しかし、そのために騒音が生じ、製造費用および維
持費用もかかるなどの問題が生じてきた。
【0003】そこで、稼動現場の最高温度に合わせて、
あらかじめエンジン回転数や油圧ポンプの斜板の傾転角
を絞っておく方法が開発されたが、このような場合、エ
ンジンおよび油圧系が過熱状態になるおそれのない常温
下では、作業性が低下することになる。
【0004】一方、特開昭63−154874号公報に
示されるように、エンジン冷却系の水温などを検出し
て、エンジン回転数を低下させたり、ポンプ斜板の傾転
角を制御することにより、オーバヒートによるエンジン
の損傷や作業性の低下を防止する可変容量型油圧ポンプ
の制御装置がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の制
御装置は、エンジンおよび油圧ポンプの稼動に伴って上
昇する冷却水温などを監視し、エンジンが過熱状態とな
ってから、エンジン回転数やポンプ斜板傾転角の制御が
開始されるものであり、エンジンや油圧系の過熱状態を
早期に予測して制御することができないため、酷暑の環
境下では対応できない場合もある。
【0006】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、大気温度に応じて油圧駆動機械の油圧ポンプを適
切に制御できる方法および装置を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明は、エンジンにより駆動された可変容量型の油圧ポン
プより吐出される油にて作動される油圧駆動機械の油圧
ポンプ制御方法において、大気温度を検出し、大気温度
が一定の判定温度より低温のときは大気温度に影響され
ないポンプ出力トルクおよびエンジン回転数を維持し、
大気温度が判定温度より高温のときは大気温度と判定温
度との間の温度偏差に応じて少くともポンプ出力トルク
を低下させる油圧駆動機械の油圧ポンプ制御方法であ
る。
【0008】そして、大気温度からエンジンまたは油圧
系の過熱状態を早期に予測して、大気温度が常温のとき
は大気温度に影響されないポンプ出力トルクおよびエン
ジン回転数を維持し、大気温度が高温のときは少くとも
ポンプ出力トルクを低下させ、高温雰囲気下での過熱状
態を防止する。
【0009】請求項2に記載された発明は、請求項1記
載の油圧駆動機械の油圧ポンプ制御方法において、温度
偏差が少ないときはポンプ出力トルクのみを低下させ、
温度偏差が多いときはポンプ出力トルクおよびエンジン
回転数を低下させる方法である。
【0010】そして、大気温度の上昇量が少ないときに
は、油圧ポンプのポンプ出力トルクのみを低下させるこ
とにより作業量を大幅に落すことなく維持させるととも
に、エンジンおよび油圧系が過熱状態になることを避け
るようにし、大気温度の上昇量が多いときには、ポンプ
出力トルクを低下させるとともにエンジン回転数も低下
させて、大気温度が高温の状態で、エンジンおよび油圧
系が過熱状態になることを避ける。
【0011】請求項3に記載された発明は、請求項1ま
たは2に記載の油圧駆動機械の油圧ポンプ制御方法にお
いて、今回測定時の温度偏差値と前回測定時の温度偏差
値とを比較して大きい方の温度偏差値を採用する方法で
ある。
【0012】そして、今回測定時の温度偏差値と前回測
定時の温度偏差値とを比較して大きい値を採用すること
により、微小な温度変動により誘起されるハンチングを
防止する。
【0013】請求項4に記載された発明は、請求項1乃
至3のいずれかに記載の油圧駆動機械の油圧ポンプ制御
方法において、ポンプ出力トルクおよびエンジン回転数
の低下を遅延させる遅延時間を設定し、判定温度より高
い大気温度の高温状態が遅延時間より短いときはポンプ
出力トルクおよびエンジン回転数の低下を中止する方法
である。
【0014】そして、大気温度が判定温度より高温のと
きでもポンプ出力トルクおよびエンジン回転数の低下を
遅延させ、高温状態の時間が遅延時間より短いときは、
ポンプ出力トルクおよびエンジン回転数を低下させない
ようにする。
【0015】請求項5に記載された発明は、請求項1乃
至4のいずれかに記載の油圧駆動機械の油圧ポンプ制御
方法において、ポンプ出力トルクおよびエンジン回転数
の低下量を、一定の値で制限する方法である。
【0016】そして、ポンプ出力トルクの低下量および
エンジン回転数の低下量を一定の値で制限し、必要最小
限のポンプ出力トルクおよびエンジン回転数を確保す
る。
【0017】請求項6に記載された発明は、請求項1乃
至5のいずれかに記載の油圧駆動機械の油圧ポンプ制御
方法において、温度偏差に応じてポンプ出力トルクおよ
びエンジン回転数を低下させる制御を、判定温度より低
い値に設定した復帰温度にて解除する方法である。
【0018】そして、大気温度が判定温度まで下降して
も直ちに通常制御に復帰することがなく、このため、判
定温度付近での大気温度の温度変動があっても、判定温
度以上での制御モードが維持される。
【0019】請求項7に記載された発明は、エンジン
と、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、大気温度
を検出する大気温度検出センサと、大気温度検出センサ
により検出された大気温度が一定の判定温度より低温の
ときは大気温度に影響されないポンプ出力トルクおよび
エンジン回転数を維持するとともに大気温度が判定温度
より高温のときは大気温度と判定温度との間の温度偏差
に応じて少くともポンプ出力トルクの低下量を演算する
コントローラと、コントローラから出力された信号に基
きポンプ出力トルクおよびエンジン回転数を制御する作
動器とを具備した油圧駆動機械の油圧ポンプ制御装置で
ある。
【0020】そして、大気温度検出センサにより大気温
度を検出し、大気温度からエンジンまたは油圧系の過熱
状態を早期に予測するコントローラにより、温度偏差に
応じて少くともポンプ出力トルクの低下量を演算し、大
気温度が常温のときは大気温度に影響されないポンプ出
力トルクおよびエンジン回転数を維持して作業性を確保
するとともに、大気温度が高温のときは温度偏差に応じ
てポンプ出力トルクおよびエンジン回転数を低下させる
ように作動器を作動させる。
【0021】請求項8に記載された発明は、請求項7記
載の油圧駆動機械の油圧ポンプ制御装置におけるコント
ローラが、温度偏差が少ないときはポンプ出力トルクの
みを低下させ、温度偏差が多いときはポンプ出力トルク
およびエンジン回転数を低下させる信号を出力するもの
である。
【0022】そして、大気温度が判定温度より高温のと
きは、コントローラおよび作動器が、温度偏差に応じ
て、ポンプ出力トルクのみ、またはポンプ出力トルクに
加えてエンジン回転数を低下させることにより、高温雰
囲気中でのエンジンおよび油圧系の過熱を防止する。
【0023】請求項9に記載された発明は、請求項7ま
たは8に記載の油圧駆動機械の油圧ポンプ制御装置にお
けるコントローラが、ポンプ出力トルクおよびエンジン
回転数の低下量を一定の値で制限するリミッタを具備し
たものである。
【0024】そして、コントローラのリミッタによりポ
ンプ出力トルクおよびエンジン回転数の低下し過ぎを防
止する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示される実
施の一形態を参照しながら説明する。
【0026】図1に示されるように、油圧系を冷却する
ためのオイルクーラ1と、エンジン冷却水を冷却するた
めのラジエータ2とに対向して、ファン3を有するエン
ジン4が設置されている。
【0027】このエンジン4は、エンジン回転数を制御
するガバナ5と、そのガバナレバー位置を検出するガバ
ナレバー位置センサ6と、ガバナ5により制御されて燃
料を噴射する噴射ポンプ7とを備えている。
【0028】ガバナ5は、作動器としてのガバナレバー
アクチュエータ8により制御される。また、エンジン4
の回転数は、エンジン回転数センサ9により検出され
る。
【0029】エンジン4の出力シャフトには、ポンプ斜
板による可変容量型の油圧ポンプ10,11が接続されてい
る。
【0030】これらの油圧ポンプ10,11の吐出流量は、
ポンプ斜板の傾転角により可変制御され、ポンプ斜板の
傾転角は、作動器としての斜板制御用電磁比例弁12によ
り制御される油圧にて可変調整される。
【0031】ガバナレバー位置センサ6およびエンジン
回転数センサ9は、コントローラ13の入力部に接続さ
れ、このコントローラ13の出力部は、ガバナレバーアク
チュエータ8および斜板制御用電磁比例弁12に接続され
ている。
【0032】油圧ポンプ10,11の吐出管路は、操作弁14
を経て建設機械などを作動させるための油圧シリンダ15
に接続されている。操作弁14の弁作動部に対して、操作
弁14の中立状態を検出するための中立検出用圧力スイッ
チ16が設けられている。
【0033】また、大気すなわち雰囲気の温度を検出す
るための大気温度検出センサ17が、建設機械車両の、例
えば、エアクリーナ吸入口近辺、エンジンルーム内、ラ
ジエータ近辺などの適切な位置に設置されている。
【0034】さらに、前記中立検出用圧力スイッチ16
と、この大気温度検出センサ17と、アクセルダイヤル18
と、パワーモード指示器19とが、それぞれコントローラ
13の入力部に接続されている。
【0035】油圧ポンプ10,11の吸込側および操作弁14
の作動油排出側は、それぞれ貯槽20に接続されている。
【0036】このような図1に示された回路において、
コントローラ13は、ガバナレバー位置センサ6からガバ
ナレバー位置信号を、エンジン回転数センサ9からエン
ジン回転数信号をそれぞれ検出しながら、中立検出用圧
力スイッチ16、大気温度検出センサ17、アクセルダイヤ
ル18およびパワーモード指示器19からそれぞれ入力され
た中立検出用圧力スイッチ信号、大気温度、アクセルダ
イヤル位置およびパワーモードの各信号を演算処理し
て、ガバナレバーアクチュエータ8および斜板制御用電
磁比例弁12に対し、ガバナレバー設定位置およびポンプ
斜板位置指令の各信号をそれぞれ出力し、エンジン回転
数およびポンプ斜板位置を制御する。
【0037】次に、図1の実施形態に示された油圧駆動
機械のエンジン4および油圧ポンプ10,11に関する制御
方法を、図2に示すフローチャートにしたがって説明す
る。なお、図2中の丸数字は、処理手順のステップ番号
を示す。
【0038】まず最初に、パワーモード、アクセルダイ
ヤル位置、ガバナレバー設定位置(Na )、ポンプ斜板
位置指令(Ps )、中立検出圧力スイッチ信号、大気温
度(TA )などの各種運転状態と指示値を読み込む(ス
テップ1)。
【0039】搭載されている大気温度検出センサ17で検
出された大気温度(TA )をコントローラ13で読み取っ
て、大気温度(TA )をハイアンビエントモード判定温
度(TAL1 )と比較し、高温状態か否かを判定する(ス
テップ2)。
【0040】大気温度(TA )がハイアンビエントモー
ド判定温度(TAL1 )より高温状態であれば(ステップ
2でYES)、測定された大気温度(TA )とハイアン
ビエントモード判定温度(TAL1 )との温度偏差(ΔT
A =TA −TAL1 )を計算し、この温度偏差(ΔTA
を負荷絞り量の変数とする(ステップ3)。
【0041】この温度偏差(ΔTA )は、大気温度(T
A )を測定して温度偏差を演算する度に、その今回値と
前回値とを比較して(ステップ4)、その大きい方の値
を採用する(ステップ5,6)。これにより、微小な温
度変動により誘起される不安定なハンチングの発生を防
止する。
【0042】なお、操作性に問題がなければ、このルー
チンは削除し、図4に示される油圧出力、すなわちポン
プ出力トルクおよびエンジン回転数をパラメータとして
含む出力を温度変化通りに制御してもよい。
【0043】大気温度(TA )がハイアンビエントモー
ド判定温度(TAL1 )まで上昇した時点から、カウンタ
をカウントアップさせ、そして、予め設定された若干の
遅延時間(Ci )が経過するまではハイアンビエントモ
ードを起動させない(ステップ7,8)。
【0044】このようにして、大気温度(TA )が短時
間の間だけ、ハイアンビエントモード判定温度
(TAL1 )を越えた場合は、不用意に油圧出力が絞られ
ることを防止できる。すなわち、不用意にポンプ出力ト
ルクおよびエンジン回転数が低下するおそれを防止でき
る。
【0045】規定の遅延時間(Ci )が経過した後は
(ステップ7でYES)、先に計算された温度偏差(Δ
A )に応じて油圧出力を低下させ、高温状態稼動時で
エンジンおよび油圧系が過熱状態となることを防止する
ために、温度偏差(ΔTA )の各関数fP (ΔTA ),
N (ΔTA )によりポンプ出力トルク(ポンプ斜板位
置)の低下量(ΔPs )およびエンジン回転数の低下量
(ΔN)を算出する(ステップ9)。
【0046】これらの関数は、あらかじめ、大気温度
(TA )下での車両冷却性能(ヒートバランス)を確認
し、設定するものとする。これらの関数は、各パワーモ
ード、アクセルダイヤル位置で個別のものであってもよ
い。また、リニア(単調増加)、ステップ関数など各種
の関数を採用することができる。
【0047】次に、ハイアンビエントモード判定温度
(TAL1 )からの昇温量である温度偏差(ΔTA )が一
定値(ΔTAL)より大きいか否かを判定し(ステップ1
0)、温度偏差(ΔTA )が一定値(ΔTAL)より小さ
いときは(ステップ10でNO)、油圧ポンプ10のポン
プ出力トルク(ポンプ斜板位置)のみを低下させるため
のポンプ出力トルク下げ指令値(PSA=Ps −ΔPs
を演算する(ステップ11)。このポンプ出力トルク
(ポンプ斜板位置)のみを低下させることにより、作業
性の低下を少なくする。
【0048】また、夏季の酷暑状態などの雰囲気下で、
ハイアンビエントモード判定温度(TAL1 )からの昇温
量すなわち温度偏差(ΔTA )が一定値(ΔTAL)より
大きいときは(ステップ10でYES)、前記ポンプ出
力トルク下げ指令値(PSA)に加えて、過熱状態になる
ことをより効果的に防止するために、エンジン回転数を
低下させるための回転数下げ指令値(NaA=Na −Δ
N)も演算する(ステップ12)。
【0049】これらの指令値はリミッタにかけられる
(ステップ13)。このリミッタは、パワーモード、ア
クセルダイヤル位置などの初期(通常制御)状態に応じ
て、図4に点線で示されるように油圧出力の低下量に制
限を与えるものである。
【0050】すなわち、ポンプ出力トルクの最大絞り量
(ポンプ斜板位置の低減量)およびエンジン回転数の最
大低下量に制限を与えることにより、必要最小限のポン
プ斜板位置とエンジン回転数とを確保する。これにより
最小限の作業性を確保する上で必要な油圧出力を得るよ
うにする。
【0051】そして、コントローラ13より、ポンプ出力
トルク下げ指令値(PSA)が斜板制御用電磁比例弁12に
対して、またエンジン回転数下げ指令値(NaA)がガバ
ナレバーアクチュエータ8に対して、それぞれハイアン
ビエントモード指令信号として出力され(ステップ1
4)、ポンプ斜板の傾転角およびエンジン回転数がそれ
ぞれ制御される。
【0052】ステップ2において、大気温度(TA )が
ハイアンビエントモード判定温度(TAL1 )より低温の
場合(NO)は、ステップ7,8のカウンタをクリアし
(ステップ15)、前回がハイアンビエントモードであ
ったか否かを判定し(ステップ16)、前回が通常制御
モードであった場合は(ステップ16でNO)、通常制
御モードを維持し、前回がハイアンビエントモードであ
った場合は(YES)、大気温度(TA )が、通常制御
へ復帰するための復帰温度(TAL2 )より低いか否かが
判定され(ステップ17)、大気温度(TA )が復帰温
度(TAL2 )より高い場合は(ステップ17でNO)、
ハイアンビエントモードが維持される(ステップ1
8)。なお、復帰温度(TAL2 )は、図3に示されるよ
うにハイアンビエントモードが開始されるハイアンビエ
ントモード判定温度(TAL1 )より低い値に設定されて
いる。
【0053】一方、ステップ17で、大気温度(TA
が復帰温度(TAL2 )まで低下したときは(YES)、
ポンプ出力トルクの低下量(ΔPS )、エンジン回転数
の低下量(ΔN)および温度偏差(ΔTA )をそれぞれ
0にクリアして(ステップ19)、通常制御モードを指
令し(ステップ20)、ハイアンビエントモードから通
常制御へ復帰させる。
【0054】図3は、ハイアンビエントモードを開始す
る温度であるハイアンビエントモード判定温度
(TAL1 )と、通常制御へ復帰するための復帰温度(T
AL2 )との関係を示す説明図であり、大気温度が高温状
態になってハイアンビエントモード判定温度(TAL1
に達すると、ハイアンビエントモードが開始され、一
方、大気温度が下降するときは、ハイアンビエントモー
ド判定温度(TAL1 )まで下降しても通常制御へ復帰せ
ず、より低温の復帰温度(TAL2 )まで下降したとき
に、ハイアンビエントモードから通常制御へ復帰する。
【0055】このようにハイアンビエントモード判定温
度(TAL1 )と復帰温度(TAL2 )との間に不感帯を設
けることにより、判定温度付近での大気温度の温度変動
により誘起されるハンチングの発生を防止する。
【0056】図4は、ハイアンビエントモード判定温度
(TAL1 )を基準にした、大気温度と油圧出力との関係
を示した特性図であり、大気温度がハイアンビエントモ
ード判定温度(TAL1 )より低温のときは大気温度に影
響されない油圧出力を維持し、大気温度がハイアンビエ
ントモード判定温度(TAL1 )より高温のときは油圧出
力を自動的に低下させる。この油圧出力を低下させる場
合、リミッタにより、油圧出力の低下量を、点線で示さ
れる一定の値で制限する。
【0057】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、大気温度
を検出し、大気温度からエンジンまたは油圧系の過熱状
態を早期に予測して、大気温度が高温のときは少くとも
ポンプ出力トルクを低下させて、高温雰囲気下での過熱
を確実に防止でき、一方、大気温度が常温のときは大気
温度に影響されないポンプ出力トルクおよびエンジン回
転数を維持して、常温での作業性を確保できるととも
に、常温稼動条件での冷却系設定が可能となり、騒音対
策を容易に取ることができる。
【0058】請求項2記載の発明によれば、大気温度の
上昇量が少ないときは、油圧ポンプのポンプ出力トルク
のみを低下させることにより、作業性を大幅に低下させ
ることなく過熱を防止できるとともに、大気温度の上昇
量が多いときは、ポンプ出力トルクを低下させるととも
にエンジン回転数も低下させて、夏季の酷暑状態でもエ
ンジンおよび油圧系が過熱状態になるのを防止できる。
【0059】請求項3記載の発明によれば、今回測定時
の温度偏差値と前回測定時の温度偏差値とを比較して大
きい値を採用するから、微小な温度変動により誘起され
るハンチングの発生を防止でき、制御系の安定性を図れ
る。
【0060】請求項4記載の発明によれば、遅延時間の
設定により、大気温度が短時間の間だけ高温となった場
合に、不用意にポンプ出力トルクおよびエンジン回転数
が低下するおそれを防止できる。
【0061】請求項5記載の発明によれば、ポンプ出力
トルクの低下量およびエンジン回転数の低下量を一定の
値で制限するから、作業性を確保する上で必要な最小限
のポンプ出力トルクおよびエンジン回転数を常に得るこ
とができる。
【0062】請求項6記載の発明によれば、復帰温度を
判定温度より低い値に設定したから、大気温度が判定温
度まで下降しても直ちに通常制御に復帰することがない
ので、判定温度付近での大気温度の温度変動により誘起
されるハンチングの発生を防止できる。
【0063】請求項7記載の発明によれば、大気温度検
出センサにより大気温度を検出し、判定温度より高い温
度の雰囲気中での、例えば酷暑の状態でのポンプ出力ト
ルクおよびエンジン回転数を大気温度の上昇量に応じて
コントローラにより演算し、作動器によりポンプ出力ト
ルクおよびエンジン回転数を自動的に低下させるように
制御するので、大気温度からエンジンまたは油圧系の過
熱状態を早期に予測して、高温下での過熱を確実に防止
できる。一方、大気温度が常温のときはポンプ出力トル
クおよびエンジン回転数を適正値に維持でき、常温での
作業性を確保できるとともに、常温稼動条件での騒音対
策を容易にできる。
【0064】請求項8記載の発明によれば、大気温度の
上昇量が少ないときは、油圧ポンプのポンプ出力トルク
のみを低下させることにより、作業性の低下を少なくす
ることができるとともに、大気温度の上昇量が多いとき
は、ポンプ出力トルクを低下させるとともにエンジン回
転数も低下させて、大気温度が夏季などの酷暑状態にあ
ってもエンジンおよび油圧系が過熱状態になることを防
止できる。
【0065】請求項9記載の発明によれば、コントロー
ラのリミッタによりポンプ出力トルクおよびエンジン回
転数の低下量を一定の値で制限するから、作業性を確保
する上で必要なポンプ出力トルクおよびエンジン回転数
を常に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油圧駆動機械の油圧ポンプ制御装
置の実施の一形態を示す回路図である。
【図2】同上制御装置のコントローラによる処理手順を
示すフローチャートである。
【図3】同上コントローラに設定されたハイアンビエン
トモードを開始する判定温度と、通常制御への復帰温度
との関係を示す説明図である。
【図4】同上コントローラにより制御された大気温度と
油圧出力との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
4 エンジン 8 作動器としてのガバナレバーアクチュエータ 10,11 油圧ポンプ 12 作動器としての斜板制御用電磁比例弁 13 コントローラ 17 大気温度検出センサ
フロントページの続き (72)発明者 伊賀 真 東京都港区北青山一丁目2番3号 新キ ャタピラー三菱株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−154874(JP,A) 特開 昭61−14447(JP,A) 特開 平4−58040(JP,A) 特開 昭62−265481(JP,A) 特開 平2−93238(JP,A) 特開 平1−226437(JP,A) 特開 平2−245435(JP,A) 特開 平1−277630(JP,A) 実開 平1−139048(JP,U) 実開 昭62−122151(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 29/00 F02D 29/04 F04B 49/10 311 F15B 21/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンにより駆動された可変容量型の
    油圧ポンプより吐出される油にて作動される油圧駆動機
    械の油圧ポンプ制御方法において、 大気温度を検出し、 大気温度が一定の判定温度より低温のときは大気温度に
    影響されないポンプ出力トルクおよびエンジン回転数を
    維持し、 大気温度が判定温度より高温のときは大気温度と判定温
    度との間の温度偏差に応じて少くともポンプ出力トルク
    を低下させることを特徴とする油圧駆動機械の油圧ポン
    プ制御方法。
  2. 【請求項2】 温度偏差が少ないときはポンプ出力トル
    クのみを低下させ、温度偏差が多いときはポンプ出力ト
    ルクおよびエンジン回転数を低下させることを特徴とす
    る請求項1記載の油圧駆動機械の油圧ポンプ制御方法。
  3. 【請求項3】 温度偏差は、今回測定時の値と前回測定
    時の値とを比較して大きい値を採用することを特徴とす
    る請求項1または2に記載の油圧駆動機械の油圧ポンプ
    制御方法。
  4. 【請求項4】 ポンプ出力トルクおよびエンジン回転数
    の低下を遅延させる遅延時間を設定し、 判定温度より高い大気温度の高温状態が遅延時間より短
    いときはポンプ出力トルクおよびエンジン回転数の低下
    を中止することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の油圧駆動機械の油圧ポンプ制御方法。
  5. 【請求項5】 ポンプ出力トルクおよびエンジン回転数
    の低下量は、一定の値で制限することを特徴とする請求
    項1乃至4のいずれかに記載の油圧駆動機械の油圧ポン
    プ制御方法。
  6. 【請求項6】 温度偏差に応じてポンプ出力トルクおよ
    びエンジン回転数を低下させる制御は、判定温度より低
    い値に設定した復帰温度にて解除することを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載の油圧駆動機械の油圧
    ポンプ制御方法。
  7. 【請求項7】 エンジンと、 エンジンにより駆動される油圧ポンプと、 大気温度を検出する大気温度検出センサと、 大気温度検出センサにより検出された大気温度が一定の
    判定温度より低温のときは大気温度に影響されないポン
    プ出力トルクおよびエンジン回転数を維持するとともに
    大気温度が判定温度より高温のときは大気温度と判定温
    度との間の温度偏差に応じて少くともポンプ出力トルク
    の低下量を演算するコントローラと、 コントローラから出力された信号に基きポンプ出力トル
    クおよびエンジン回転数を制御する作動器とを具備した
    ことを特徴とする油圧駆動機械の油圧ポンプ制御装置。
  8. 【請求項8】 コントローラは、温度偏差が少ないとき
    はポンプ出力トルクのみを低下させ、温度偏差が多いと
    きはポンプ出力トルクおよびエンジン回転数を低下させ
    る信号を出力することを特徴とする請求項7記載の油圧
    駆動機械の油圧ポンプ制御装置。
  9. 【請求項9】 コントローラは、ポンプ出力トルクおよ
    びエンジン回転数の低下量を一定の値で制限するリミッ
    タを具備したことを特徴とする請求項7または8に記載
    の油圧駆動機械の油圧ポンプ制御装置。
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