JP2895109B2 - 包装体並びにその包装装置 - Google Patents

包装体並びにその包装装置

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JP2895109B2 JP26308589A JP26308589A JP2895109B2 JP 2895109 B2 JP2895109 B2 JP 2895109B2 JP 26308589 A JP26308589 A JP 26308589A JP 26308589 A JP26308589 A JP 26308589A JP 2895109 B2 JP2895109 B2 JP 2895109B2
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謙一 増田
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この発明は包装体並びにその包装装置に関するもので
ある。
《従来の技術》 包装体の形態は多種多様にあるが、例えば横三方シー
ル,四方シール等を施された包装体内に貼り薬等の揮発
性の薬品等を含浸させた物品及び菓子類等を被包装物と
して収納してなるものが市販されている。そして、これ
ら被包装物は、通常、1つの包装体内には一回の使用量
より多く収納されており、複数回に分けて被包装物を包
装体より取り出し使用するのが一般的である。そのた
め、包装体を開封して、一回分の使用量を取り出した
後、後日二回目以降の使用をする間に被包装物が乾燥等
して薬の効用並びに食品の品質が低下するのを防止しな
ければならないため、開封部分を折り曲げたり、或いは
予め包装体の開封口内周面に開閉可能なファスナーを配
設し、一度開封した後被包装物を保存する場合にはその
ファスナーを閉じ、使用する都度そのファスナーを開く
ことにより行うものもある。
また、これとは別に、加工食品,ハム,ソーセージ或
いはこれに類する食品などを包装する包装体として、中
心部を凹状に形成した下側フィルムに被包装物を充填し
その上から別の上側フィルムを被覆するとともに周囲を
シールした、いわゆる深絞り型の包装体もある。
そして、上記各種の包装体はいずれの場合も被包装物
を取り出すために包装体の周囲の一辺を切って、開封し
なければならないが、包装体の周囲はフィルムの重合部
がシール一体化されているため切り裂き難く、挾みなど
の切断器具を用いて開封しなければならなかった。そこ
で、この開封作業を容易に行うために、従来から周囲の
一部に切り込み線やV字状の切り欠き部を形成し、その
部分からフィルムを切ることにより開封していた。
《発明が解決しようとする課題》 しかしながら、上記した従来の包装体では、その周囲
の一端部にV字状などの切り欠き部を形成しただけであ
り、それ以外の部分は依然として強固にシール一体化し
ているため、フィルムが真っ直ぐに切断できず開封部分
(縁)が脈打った状態となり、見た目が悪いだけでな
く、場合によっては途中で切断できなくなったりするこ
ともあり、使用性が悪かった。
この発明は、上記した背景に鑑みてなされたものでそ
の第1の目的とするところは、開封を容易に行うことが
できる包装体を提供するにある。また、第2の目的は、
上記包装体を自動的に製造できる包装装置を提供するに
ある。
《課題を解決するための手段》 上記した目的を達成するため、本発明に係る包装体で
は、上側フィルムと下側フィルムの周囲をシールすると
ともにその内部に被包装物を保持するようにしてなる包
装体において、該包装体はその周囲に開封部分となる1
辺を備え、その1辺の該上側,下側フィルム間にはテー
プ材を挿入配置するとともに、該テープ材と該上側フィ
ルム並びに該テープ材と該下側フィルムとの接着強度を
異ならせ、かつ、該テープ材の少なくとも一端内側縁に
切り込みを形成してつまみ部とし、そのつまみ部を把持
して前記テープ材の配置方向に沿って引っ張ることによ
り、そのテープ材とより強い接着強度をもって接着され
ている一方のフィルムが他方のフィルムより前記テープ
材とともに剥離離反され、前記開封部分となる1辺が開
封されるようにした。
また本発明の包装装置では、帯状のフィルムを重合わ
せるとともにその内部に被包装物を収納した状態で搬送
する搬送手段と、その搬送途中で該フィルムの所定位置
をシールする手段と、該フィルムの横方向並びに縦方向
をカットする手段とを有する包装装置において、該搬送
手段上に配設され重合わされた該フィルムの重合部間の
所定位置に両面の接着強度が異なるテープ材を挿入する
供給手段と、この供給手段の進行方向前方に配設された
切り込み形成手段とを備えてなり、この切り込み形成手
段は、該フィルムの横方向シール部位近傍で該テープ材
の側縁に切り込みを形成するものとした。
《作用》 まず、包装体のつまみ部を把持しテープ材の配置方向
に沿って引っ張る。すると、そのテープ材とより強い接
着強度をもって接着されている一方のフィルムが他方の
フィルムより前記テープ材とともに剥離離反され、前記
開封部分となる1辺が開封される。
またこのとき、テープ材と他方のフィルムとが強固に
一体化されているため、つまみ部を引っ張ることによ
り、他方のフィルムは、テープ材の内側縁に沿って真っ
直ぐに切断されることになる。
《実施例》 以下、本発明の好適な実施例について添付図面を参照
にして説明する。
第1図〜第4図は本発明にかかる包装体1の1例を示
している。同図に示すように、収納凹部2aが形成された
平面略矩形状の下側フィルム2の収納凹部2a内に被包装
物3が収納されており、下側フィルム2の上面開口部
は、上側フィルム4にて被覆されている。そして、本例
では下側フィルム2と上側フィルム4とは別部材で形成
されているため、両フィルム2,4の周囲4辺で密封シー
ルされている。
さらに本例では包装体1を再封入可能にするために、
包装体1周辺の一辺に所定距離をおいてその内側に開閉
ファスナー5を挿入配置している。この開閉ファスナー
5は、雄型ファスナー5aと、雌型ファスナー5bとから構
成されている。そして、雄型ファスナー5aは、第3図に
示すようにポリエチレン,ポリプロピレン等の熱可塑性
合成樹脂からなる帯状部6と、この帯状部6の中心線上
に一体的に起立形成され、その上方部が幅広に形成され
た凸状突起からなる第1の咬合具7aとから形成されてい
る。また、雌型ファスナー5bは、雄型ファスナー5aと同
様の帯状部6と、この帯状部6の中心線上に一体的に起
立形成され、その中央部に凹状溝を有する第2の咬合具
7bとから形成されている。そして、これら第1,第2の咬
合具7a,bとが咬合しあうことにより開閉ファスナー5が
閉じるようになっている。
そして、下側フィルム2に雌型ファスナー5bを、上側
フィルム4に雄型ファスナー5aをそれぞれ貼着してお
り、この開閉ファスナー5が貼着された辺が開封部分と
なっている。
さらに、この開封部分となる辺の縁部にはテープ材8
を挿入配置している。本実施例ではこのテープ材8は、
上記上側,下側フィルム2,4と同材質(もちろん他の材
質でもかまわない)の物を用いている。そして、テープ
材8の一方の面(本例では下側)にはコーティング樹脂
が被膜されてイージーピール層が設けられており、熱シ
ールした際の接着強度を低下させている。
また、このテープ材8が位置する下側フィルム2の両
端部は、凹状切り欠き部2bが形成されるとともに、凹状
切り欠き部2bに対向する上側フィルム4の両端部にはテ
ープ材8の内側縁に沿って切り欠き線4aが形成されてい
る。そして、これら凹状切り欠き部2b並びに切り欠き線
4aで区画されるテープ材8の一端並びにそれと接着され
た上側フィルム4の部位がつまみ部9を構成するように
なっている。
さらに、第2図に示すように、テープ材8の幅w1は、
シール幅w2より広く設定してる。
このようにして構成される包装体1を開封するには、
まず、つまみ部9を把持しテープ材8の配置方向に沿っ
て引っ張る。すると、上述したごとくテープ材8の下側
はコーティング樹脂にて接着強度が低減されているの
で、テープ材8は下側フィルム2より比較的容易に剥離
される。すなわち、テープ材8と強力に接着されている
上側フィルム4が下側フィルム2よりテープ材8をとも
ない剥離離反され、開封されることになる。
またこのとき、上述したごとくテープ材8と上側フィ
ルム4とが強固に一体化されているため、上側フィルム
4のフィルム面の強度はテープ材8のある部位が高く、
その結果、つまみ部9を引っ張ることにより、上側フィ
ルム4は、テープ材8の内側縁に沿って真っ直ぐに切断
されることになる(第4図参照)。
次いで、開閉ファスナー5を開閉することにより、包
装体の開封、並びに閉塞を行うことができる。
なお、このように上側フィルム4のみが直線状に切り
取られるため、切断後は下側フィルム2が外方に突出状
態で残るので、開封部分が外部から視認しやすいととも
に把持部分が多くなり、爾後の開閉ファスナー5の開閉
作業並びに被包装物3の取出が容易となる。
次に上記包装体1を自動的に製造するための包装装置
について説明する。
第5図に示すように、収納凹部2aが形成される連続し
た帯状の下側フィルム2が原反フィルム11から連続して
引き出され包装装置の両側端に所定間隔毎に挟持搬送爪
12を有する搬送装置13にて前進移送されるようになって
いる。すなわち、この搬送装置13は、包装装置の前後端
近傍に配置された駆動スプロケット14と従動スプロケッ
ト15間に渡設されたエンドレスチェーン16に挟持搬送爪
12が所定間隔毎に多数装着されて構成されている。
そして、搬送装置13の下側フィルム搬入側近傍の上下
に容器成形ボックス17が配置され、ここで、下側フィル
ム2が加熱されるとともに真空或いは圧空されて所定間
隔ごとに収納凹部2aが形成される。本例では、横に2個
づつ収納凹部2a,2aを形成するようになっている。ま
た、容器成形ボックス17の進行方向前方には図示しない
が被包装物3を収納凹部2a内に供給する手段が配置され
ている。
さらに、搬送装置13の中央部上方には蓋材を構成する
上側フィルム4が巻き取られた原反フィルム18が配置さ
れ、その原反フィルム18から連続して引き出された上側
フィルム4は下側フィルム2の収納凹部2a内に被包装物
3が収納された後、その上方に被覆される。
そして、この下側,上側フィルム2,4の接合部分に
は、両フィルム間に開閉ファスナー5を挿入するための
ガイド装置19が配置されている。このガイド装置19は、
図示省略するが雄型,雌型ファスナー5a,5bを咬合しあ
った状態で搬送装置13の下側に配された容器内に収納さ
れており、そこから連続して引き出されるようになって
いる。そして、引き出された雄型,雌型ファスナー5a,5
bはその引き出し途中で一度放され、それぞれ回転シー
ラー20にてフィルムの所定位置に導かれ、熱シールされ
るようになっている。そして、両ファスナー5a,5bは、
それぞれ導かれた上側,下側フィルム4,2ともに移動
し、上側,下側フィルム4,2が重合わされるときに両雄
型,雌型ファスナー5a,5bも咬合されるようになる。こ
のとき、開閉ファスナー5は、両フィルム2,4の進行方
向中央部位に2本並列状態で配置されるようになってい
る。
一方、上記接合部分のさらに進行方向前方には、シー
ル装置21が配され、下側フィルム2と上側フィルム4と
の当接部分(縦方向並びに横方向)を熱シールするよう
になっている。そしてそのシール装置21の前方には、下
側,上側フィルム2,4を横方向に切断する横カッター装
置22が配置され、さらに搬送装置13の搬出端側には上下
一対の回転カッターから形成された進行方向と同一方向
に下側,上側フィルム2,4を切断する縦カッター装置23
が配設されている。
ここで、本発明では、まず、凹状切り欠き部2bを形成
するための打ち抜き装置30が、搬送装置13上の容器成形
ボックス17のフィルム進行方向前方に配置されており、
下側フィルム2の進行方向中央部位に所定の凹状切り欠
き部2bを打ち抜き形成するようになっている。そして、
本例では、一度の打ち抜きで隣接する4つの収納凹部2a
(包装体)に対する切り欠き部が形成されるようになっ
ている。
また、上記開閉ファスナー5のガイド装置19に近接し
てテープ材8の供給装置32が配設されている。すなわ
ち、この供給装置32は、テープ材8が巻き取られた原反
から、テープ材8が連続して引き出されるとともに、引
き出しローラ35を介して両フィルム2,4間の所定位置に
導かれるようになっている。すなわち、引き出されたテ
ープ材8は、シール装置21にて両フィルム2,4にシール
されるようなっている。そして、挿入されたテープ材8
は、多数の凹状切り欠き部2b上に位置することになる。
さらに、上記シール装置21と、横カッター装置22との
間には、切り欠き線形成装置36が配設されている。この
切り欠き線形成装置36は、上下移動する平板上の切断刃
(図示せず)を1組有しており、この一組の切断刃は、
下側,上側フィルム2,4の所定位置(上記打ち抜き装置3
0で形成された凹状切り欠き部2bの両側縁中央部位)を
上下方向に貫通移動し、これにより、切り欠き線4aが形
成されるようになっている。
なお、上記した実施例では、いわゆる深絞り型の包装
体並びにその包装体を製造する包装装置について説明し
たが、本発明はこれに限ること無く、例えば三方,四方
シールなど種々のものに適用でき、さらには、上記開閉
ファスナーは必ずしも設ける必要はない。
また、上記実施例では包装体を構成する上側,下側フ
ィルムの2枚を用いて構成したが、本発明はこれに限る
こと無く、1枚のフィルムをその引き出し途中で切断し
て2枚に分離した後両者を重合したり、或いはかかる切
断などすること無く、略U字状に形成する(1枚のフィ
ルムで上側,下側フィルムを構成する)とともに解放さ
れた3方をシールするようにしても良い。
さらにまた、テープ材と両フィルムとの接着強度の関
係は、上記とは逆に下側フィルムと強固に接着するよう
にしても良く、切り欠き線の替わりにV字状その他の切
り込み部を形成するようにしても良く、種々変形可能で
ある。
また、テープ材8の接着強度を変えるために設けたイ
ージーピール層は上記実施例ではコーティング処理にて
形成したが、本発明ではこれに限ることなく例えば接着
強度の異なる2種類のフィルム材を貼り合わせてテープ
材を構成する他、種々のものを用いることができる。
《発明の効果》 以上のように、本発明に係る包装体では、つまみ部を
把持すると共に、それを引っ張るだけで、テープ材とよ
り強い接着強度をもって接着されている一方のフィルム
が他方のフィルムより前記テープ材とともに簡単に剥離
離反され、前記一方のフィルムはテープ材の内側縁に沿
って略直線状に容易に切断することができる。
また、本発明に係る包装装置では、上記包装体を自動
的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる包装体の一実施例を示す分解斜
視図、第2図はその平面図、第3図は開閉ファスナーを
示す図、第4図は包装体の開封状態を示す斜視図、第5
図は本発明に係る包装装置の一実施例を示す側面図、第
6図は包装装置上を移動するフィルムなどを示す平面図
である。 1……包装体、2……下側フィルム 4……上側フィルム、8……テープ材 9……つまみ部 30……打ち抜き装置、32……供給装置 36……切り欠き線形成装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上側フィルムと下側フィルムの周囲をシー
    ルするとともにその内部に被包装物を保持するようにし
    てなる包装体において、該包装体はその周囲に開封部分
    となる1辺を備え、その1辺の該上側,下側フィルム間
    にはテープ材を挿入配置するとともに、該テープ材と該
    上側フィルム並びに該テープ材と該下側フィルムとの接
    着強度を異ならせ、かつ、該テープ材の少なくとも一端
    内側縁に切り込みを形成してつまみ部とし、該つまみ部
    を把持して前記テープ材の配置方向に沿って引っ張るこ
    とにより、該テープ材とより強い接着強度をもって接着
    されている一方のフィルムが他方のフィルムより該テー
    プ材とともに剥離離反され、前記開封部分となる1辺が
    開封されることを特徴とする包装体。
  2. 【請求項2】帯状のフィルムを重合わせるとともにその
    内部に被包装物を収納した状態で搬送する搬送手段と、
    その搬送途中で該フィルムの所定位置をシールする手段
    と、該フィルムの横方向並びに縦方向をカットする手段
    とを有する包装装置において、該搬送手段上に配設され
    重合わされた該フィルムの重合部間の所定位置に両面の
    接着強度が異なるテープ材を挿入する供給手段と、この
    供給手段の進行方向前方に配設された切り込み形成手段
    とを備えてなり、この切り込み形成手段は、該フィルム
    の横方向シール部位近傍で該テープ材の側縁に切り込み
    を形成するものであることを特徴とする包装装置。
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