JP2894211B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
トロイダル型無段変速機Info
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Description
速機に関し、とくに、パワーローラを倒転させる油圧シ
リンダのサブシリンダボディを剛性の低下や油圧のシー
ル性の低下を伴うことなしに薄肉化し、変速制御ユニッ
トを含めた変速機全体のコンパクト化、軽量化を図ろう
とするものである。
軸)に対向配置した入出力ディスクと、これら入出力デ
ィスク間の摩擦係合によって動力の受渡しを行うパワー
ローラと、このパワーローラを摩擦係合状態で倒転させ
る油圧シリンダと、この油圧シリンダを作動させてパワ
ーローラの倒転度合いを変更して無段変速を行わせる変
速制御ユニットとの組み合わせにて構成される。そし
て、油圧シリンダ内に高圧が加わったときにコントロー
ルバルブ内のスプールロック等を回避する目的で、油圧
シリンダのボディと変速制御ユニットのボディとを別体
にしてケーシングにそれぞれ固定保持する構造がとられ
ており、この点に関する先行文献としては、例えば特開
平4−29659号公報あるいは特開平5−39831
号公報が参照される。
御ユニットのボディとを分離した別体構造になるトロイ
ダル型無段変速機は、とくに縦方向における寸法増しが
著しく、また、これに伴い重量増加も避けられないた
め、サイズの小型化(とくに上下方向における寸法)、
軽量化が困難であり多少の改善の余地が残されていた。
量なアルミ鋳物等で構成されるが、このような部材の薄
肉化を図った場合、所望の剛性を確保することができな
い。また、ボディの構成部材として鋳鉄等の剛性の高い
素材を使用した場合には剛性の確保は可能であるもの
の、軽量化に不利な大幅な重量増しを伴う。ここで重量
の増加を極力抑えるには、より一層薄肉を図ればよい
が、油圧シリンダ内を摺動するピストンのロッドとのシ
ール性を確保する必要が有るため、単純に前記ピストン
ロッドのストローク量以下の厚さにすることはできなか
った。
述したような従来の問題を解消し、コンパト化、軽量化
に有利なトロイダル型無段変速機を提案するところにあ
る。
向配置した入出力ディスクと、これら入出力ディスク間
の摩擦係合によって動力の受渡しを行うパワーローラ
と、パワーローラの延長軸部とつながるピストンを内蔵
するメインシリンダボディとこのメインシリンダボディ
に合わさってメインシリダボディの開口を密閉するサブ
シリンダボディとからなり該パワーローラを摩擦係合状
態で傾転させる油圧シリンダと、この油圧シリンダを作
動させて延長軸部と通してパワーローラの傾転度合いを
変更することによって無段変速を行わせる変速制御ユニ
ットを備えたトロイダル型無段変速機において、上記メ
インシリンダボディに合わさるサブシリンダボディを、
油圧シリンダのピストンロッドを通す開口部を有する鋼
製のプレートよりなるものとし、この鋼製のプレートか
らなるサブシリンダボディに隣接して変速制御ユニット
を配置してなり、該プレートの開口部に油圧シリンダの
ピストンロッドを摺動させつつ案内する圧入固定式のブ
ッシュを備えることを特徴とするトロイダル型無段変速
機である。
において、サブシリンダボディのメインシリンダボディ
と合わさる反対側には変速制御油路および潤滑油路を内
蔵するとともにサブシリンダボディに保持された圧入固
定式のブッシュの突出領域を挿入する凹部を有するボデ
ィが配置され、このボディの凹部と圧入固定式のブッシ
ュとの相互間にはメインバルブボディ、サブシリンダボ
ディ及びボディをそれぞれガスケットを介してボルトに
よって一体に結合したのちにおいても圧入固定式のブッ
シュの先端が凹部の底に突き当たることがないクリアラ
ンスを有するものとする。
るものとするのがよい。またブッシュは鋼製のプレート
の開口部へ圧入する際の圧入深さを規制するストッパー
を有するものとするか、あるいはその開口部にブッシュ
の圧入深さを規制するストッパーを有するものが有利に
適合する。
ロールバルブを備えた変速制御ユニットのボディを別体
式にして組み込んだトロイダル型無段変速機において、
該油圧シリンダを構成するボディのうちサブシリンダボ
ディを、剛性の高い鋼製のプレートよりなるものとし、
該プレートの開口部に油圧シリンダのピストンロッドを
摺動させつつ案内する圧入固定式のブッシュを設けるこ
とによりプレートの薄肉化が可能となり、変速機のサイ
ズ、とくに高さ方向における寸法を小さくすることがで
き(コンパクト化)、しかもこれに伴ってかかる変速機
の重量も軽減されることになる。
る。
えた例で示したこの発明に従うトロイダル型無段変速機
の構成を示したものであり、図中1a,1bは主軸m上
に配置した入力ディスク、2a,2bは同じく主軸m上
に入力ディスク1a,1bとそれぞれ対向するように配
置された出力ディスク、3(3a,3b)、4(4a,
4b)は入力ディスク1a,1bおよび出力ディスク2
a,2b間のそれぞれの摩擦係合によって動力の受渡し
を行うパワーローラ、5は油圧シリンダであって、この
油圧シリンダ5はピストンPを内蔵するメインシリンダ
ボディ5aとこのメインシリンダボディ5aに合わさっ
てその開口部を密閉する、剛性の高い鋼製のプレートに
て構成したサブシリンダボディ5b(例えば構造用炭素
鋼鋼材等)からなる。
ボディ5bに隣接して配置(サブシリンダボディ5bの
下側)される変速制御ユニットであって、この変速制御
ユニット6は、メインバルブボディ6a、サブバルブボ
ディ6b、スプール6c、ラック軸6d、カム6e等か
ら構成され、これによって油圧シリンダ5のピストンP
を上下に移動させ、これにつながるパワーローラ3、4
の倒転度合いを変更して無段変速を行わせる。
口部に圧入して固定されるブッシュであって、このブッ
シュ7は油圧シリンダ5内のピストンPを上または下に
移動させる際にピストンロッドを兼ねた延長軸部PL を
油圧的にシールした状態で摺動させつつ案内する役目を
有する。そのため、ブッシュ7の軸方向寸法は、ピスト
ンPの延長軸部PL の上下ストローク量以上の値となる
よう構成される。なお、前記ピストンPの延長軸部PL
の摺動部の油圧シールを後述するボディ5cではなく、
わざわざそれよりも上方のサブシリンダボディ5bとボ
ディ5cとの合わせ面位置で行なうようにしたのは、変
速機の上下方向寸法を短縮するためである。
図4に示すような断面形状になるアルミ鋳物製のサブシ
リンダボディ5bが配置されるが、このようなボディで
は、その加工が容易でないし、また、前述したとおり薄
肉化によるボディの剛性低下は避けられない。しかしな
がら、この発明に従う変速機は、油圧シリンダ5を構成
するサブシリンダボディ5bを通常のアミル鋳物部材か
ら剛性の高い鋼製の構成部材に変更するとともに、かか
るボディ5bを平たんなプレートにし、このプレートに
設けた開口部にブッシュ7を圧入する構造としたため、
それを作製する際の加工(プレートのメインシリンダボ
ディ等との合わせ面における研磨等)が極めて容易であ
り、また、剛性の低下を招くことなしにボディを薄肉化
することができ、その結果として変速機のコンパクト
化、軽量化が可能になる。
ダボディ5aとともに挟み込んでボルトによって一体に
結合する、変速機制御油路及び潤滑油路を内蔵するボデ
ィ5cはサブシリンダボディ5bに保持されたブッシュ
7の突出領域を挿入する凹部uを有するものであり、ボ
ディ5の内圧は20kg/cm2程度になるが、このボディ5
cは強度低下を招かない範囲で薄肉化することが可能で
あり、材質についてはアルミ鋳物等で構成することがで
きる。
5bの開口部に圧入固定する構造をとることは既に上記
したとおりであるが、圧入固定式では、ブッシュ7をサ
ブシリンダボディ5bに圧入する際、圧入深さが深すぎ
たり浅すぎたりして一定せず、変速機の組み込み時に支
障をきたすおそれがある。このため、図5に示すように
サブシリンダボディ5bの開口部hにストッパーSを設
けるか、あるいは図6に示すようにブッシュ7自身にス
トッパーSを設ける。
ては、メインシリンダボディ5aと、サブシリンダボデ
ィ5bと、変速制御油路及び潤滑油路を内蔵するボディ
5cとの重ね合わせによるボルト結合においてその合わ
せ面に配置したガスケットgの締め代を含む組み込み誤
差を許容する寸法Lを有するものとする(変速機の組み
立てにおいてガスケットを締めつけたときにブッシュ7
の先端とボディ5cとが衝突しないように凹部uにおい
てクリアランスcを設ける)ことが肝要であり、その材
質としては、熱膨張による変形等を考慮して同材質とす
るのがよい。
ついて上掲図1〜図3に基づき詳細に説明する。
力ディスク2a間に配置するパーワーローラ4aの接触
状態を、油圧シリンダ5によって変更することにより各
ディスクの回転速度比を変える。また、変速機構Bにつ
いても入出力ディスク1b,2bの配置位置が逆になっ
ている他を除いては変速機構Aと同じ仕組みになってい
て変速機構Aの各ディスクの回転速度比の変更にともな
い変速機構Bも同様に各ディスクの回転速度比を変える
ようになっている。
mの外周にボールスプラインを介して回転可能に保持さ
れる。主軸mは前後進切替え機構及びトルクコンバータ
(図示は省略)と連結されていて、ここを通してエンジ
ンの回転力が入力される。
8が、また、このカムフラジ8と入力ディスク1aとの
間にはカムローラ9が配置されている。カムローラ9は
入力ディスク1aとカムフランジ8が相対回転したとき
入力ディスク1aを出力ディスク2aに押しやる力を発
生させる。
主軸mにボールスプラインを介して回転可能に保持され
る。この変速機構Bの入力ディスク2bは、主軸mにね
じ止めされるローディングナット10から圧縮力を受け
るディッシュプレート11によって出力ディスク2bに
向かう力を受ける。
Bの出力ディスク2bはそれぞれにードルベアリングを
介して主軸mに回転可能に保持されていて、この出力デ
ィスク2a,2bにはこれらと同期回転する駆動歯車1
2が設けられている。この駆動歯車12は、さらに主軸
mと平行に配置される中間軸13の一端に設けられた従
動歯車14(この歯車は中間軸とスプラインによって結
合される)と噛み合わさる。
歯車13aが設けられていて、この歯車13aはアイド
ラ歯車(図示省略)を介して出力軸15の歯車15aと
噛み合うようになっている。
転軸部17a及び17bにおいて球面軸受18、19に
回転可能で、かつ上下に昇降移動できるように支持され
ている。
設けたリンクポスト21にリンク22を介して固定保持
され、球面軸受19についても同様に、リンクポスト2
3にリンク24を介して支持される。
同心になり該回転軸部17bと一体的に回転可能な延長
軸部PL を有する。この延長軸部PL の外周にはピスト
ンPが設けられていて、延長軸部(ピストンロッドの機
能を有する)PL のピストンPとケーシング20にボル
ト25によって固定されるメインシリンダボディ5aお
よびサブシリンダボディ5bによって油圧シリンダ5を
構成する。
いてここに作動油を供給することによってピストンPを
ピストンロッドを兼ねる延長軸部PL とともに上下に移
動させる。
接配置される変速制御ユニット6は、前述した如く、メ
インバルブボディ6aとサブバルブボディ6bとの組み
合わせからなっていて、このボディには、変速制御用の
スプール6cの他、図示していないスプール等が複数本
組み込まれる。
ト6のボディはそれぞれ個別にケーシング20に固定保
持された別体構造であるから、これらの接点は、変速制
御ユニット6のボディを貫通する延長軸部PL だけにな
る。延長軸部PL の下端には、カム6eが設けられてい
て、これによって入出力ディスの変速比が変速制御ユニ
ットにフィードバックされる。
ンPを上または下に移動させるとパワーローラ3、4に
作用する力(法線方向の力)の向きが変わり、ローラ支
持部材16は入出力ディスク1、2との摩擦係合状態で
回転軸部17a,17bを中心にして回転し、これに伴
って変速比が変更される。
圧シリンダ5内が高圧になるためシリンダボディは弾性
変形することになるが、この発明においては、とくにサ
ブシリンダディ5bの薄肉化を図っても剛性の高い部材
を用いているので、その部位の大きな変形によって例え
ば油圧シリンダの作動油が漏れるような不具合を招くよ
うなことはない。
材、とくにシリンダボディ(サブシリンダボディ)を薄
肉化しても剛性低下やピストンロッドの摺動部の油圧シ
ール性低下を招くようなことがないので、変速機のコン
パクト化、軽量化を図ることができる。
である。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】 主軸上に対向配置した入出力ディスク
と、これら入出力ディスク間の摩擦係合によって動力の
受渡しを行うパワーローラと、パワーローラの延長軸部
とつながるピストンを内蔵するメインシリンダボディと
このメインシリンダボディに合わさってメインシリダボ
ディの開口を密閉するサブシリンダボディとからなり該
パワーローラを摩擦係合状態で傾転させる油圧シリンダ
と、この油圧シリンダを作動させて延長軸部と通してパ
ワーローラの傾転度合いを変更することによって無段変
速を行わせる変速制御ユニットを備えたトロイダル型無
段変速機において、 上記メインシリンダボディに合わさるサブシリンダボデ
ィを、油圧シリンダのピストンロッドを通す開口部を有
する鋼製のプレートよりなるものとし、この鋼製のプレ
ートよりなるサブシリンダボディに隣接して変速制御ユ
ニットを配置してなり、該プレートの開口部に油圧シリ
ンダのピストンロッドを摺動させつつ案内する圧入固定
式のブッシュを備えることを特徴とするトロイダル型無
段変速機。 - 【請求項2】 サブシリンダボディのメインシリンダボ
ディと合わさる反対側には変速制御油路および潤滑油路
を内蔵するとともにサブシリンダボディに保持された圧
入固定式のブッシュの突出領域を挿入する凹部を有する
ボディが配置され、このボディの凹部と圧入固定式のブ
ッシュとの間には、メインバルブボディ、サブシリンダ
ボディ及びボディをそれぞれ重ね合わせてガスケットを
介してボルトにて一体に結合したのちにおいても圧入固
定式のブッシュの先端がボディに衝突することがないク
リアランスを有する、請求項1記載の変速機。 - 【請求項3】 ブッシュは、鋼製のプレートと同材質か
らなるものである、請求項1又は2記載の変速機。 - 【請求項4】 ブッシュは、鋼製のプレートの開口部へ
圧入する際の圧入深さを規制するストッパーを有する、
請求項1,2又は3の何れかに記載の変速機。 - 【請求項5】 鋼製のプレートは、その開口部にブッシ
ュの圧入深さを規制するストッパーを有する、請求項1
記載の変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13197994A JP2894211B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | トロイダル型無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13197994A JP2894211B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | トロイダル型無段変速機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH084870A JPH084870A (ja) | 1996-01-12 |
JP2894211B2 true JP2894211B2 (ja) | 1999-05-24 |
Family
ID=15070712
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13197994A Expired - Lifetime JP2894211B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | トロイダル型無段変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2894211B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004023083A1 (de) * | 2004-05-11 | 2005-12-08 | Daimlerchrysler Ag | Stelleinrichtung |
-
1994
- 1994-06-14 JP JP13197994A patent/JP2894211B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH084870A (ja) | 1996-01-12 |
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