JP2892937B2

JP2892937B2 - コンバインの穀稈搬送装置

Info

Publication number: JP2892937B2
Application number: JP9211994A
Authority: JP
Inventors: 正彦湯川; 厚史戸成; 貴史岸本; 善博谷口; 有作吉田
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1994-04-28
Filing date: 1994-04-28
Publication date: 1999-05-17
Anticipated expiration: 2014-05-17
Also published as: JPH07289062A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、穀稈の穂先側を係止自
在な多数の係止爪を備えるチェーンを、駆動輪体から遊
転輪体にわたって巻回して構成される後ろ上がり姿勢の
穂先側係止搬送装置と、この穂先側係止搬送装置の下方
側に配置されて穀稈の株元側を挟持搬送自在な後ろ上が
り姿勢の株元側挟持搬送装置とを備え、刈取穀稈の株元
側を寄せ集めるための補助搬送装置から搬送されてくる
立姿勢の刈取穀稈を、前記穂先側係止搬送装置の始端部
側における係止爪により掻込み係止可能に、前記穂先側
係止搬送装置の始端部を前記補助搬送装置の終端部上方
に重複配置し、立姿勢の刈取穀稈を横倒れ姿勢に姿勢変
更してフィードチェーンの始端部に搬送するように、前
記穂先側係止搬送装置と株元側挟持搬送装置との搬送経
路を各別に設定し、かつ、前記穂先側係止搬送装置と株
元側挟持搬送装置とを、それらの後端部側の横軸芯周り
に上下一体揺動自在に支持して、扱き深さ調節機構を構
成してあるコンバインの穀稈搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上記のコンバインの穀稈搬送装置
においては、チェーンを駆動輪体から遊転輪体にわたっ
て巻回した状態で、前記チェーンの始端部側が、図５に
示すように、機体の横側外方側（図５の右側）ほど高い
傾斜姿勢になるように、前記駆動輪体と遊転輪体との姿
勢を設定してあった。そのために、チェーンの始端部側
における機体内方側の係止爪が、その始端部側の駆動輪
体又は遊転輪体（以下、始端部側輪体と略称する）の前
下端部から斜め下方（図５において左下方）に大きく突
出した状態になっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成によれ
ば、チェーンの始端部側における機体内方側の係止爪
が、その始端部側輪体の前下端部から斜め下方に大きく
突出した状態になっていたために、図５に示すように、
係止爪に対する立姿勢の刈取穀稈の交差角が鋭角にな
り、前記始端部側での係止爪による刈取穀稈の搬送を円
滑かつ確実に行うことが難しくなることがあった。さら
に、上記のように斜め下方に突出した係止爪が補助搬送
装置の終端部に干渉するのを避けるために、前記穂先側
搬送装置の始端部における係止爪以外の部位の上下スト
ロークの下限が高くなり、その結果、補助搬送装置と一
体に上下揺動する株元側挟持搬送装置の上下ストローク
の下限も高くなって、例えば刈取穀稈が短稈や極短稈で
あった場合に、刈取穀稈に対する株元側挟持搬送装置の
挟持位置を株元側に十分に寄せることができず、前記短
稈や極短稈の刈取穀稈に扱き残し部分を出してしまうこ
とがあった。

【０００４】本発明の目的は、穂先側搬送装置の始端部
における係止爪による刈取穀稈の搬送を円滑かつ確実に
行うことができ、しかも、短稈や極短稈の刈取穀稈に扱
き残し部分が出るのを防止できるコンバインの穀稈搬送
装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、チ
ェーンを駆動輪体から遊転輪体にわたって巻回した状態
で、前記チェーンの始端部側がほぼ水平姿勢になり、終
端部側が機体の横側外方側ほど高い傾斜姿勢になるよう
に、前記駆動輪体と遊転輪体との姿勢を設定してあるこ
とにある。

【０００６】

【作用】上記の構成により、チェーンの始端部側がほぼ
水平姿勢になるから、チェーンの始端部側で立姿勢の刈
取穀稈に係止爪をほぼ直交させることができ、刈取穀稈
の搬送を円滑に行わせることができる。そして、チェー
ンの終端部側が機体の横側外方側ほど高い傾斜姿勢にな
るから、横倒れ姿勢の刈取穀稈の搬送を円滑に行えて、
フィードチェーンに対するバトンタッチ性をよくするこ
とができる。

【０００７】さらに、上記のようにチェーンの始端部側
がほぼ水平姿勢になることで、従来では始端部側輪体の
前下端部から斜め下方に大きく突出していた係止爪を引
き上げて、従来よりも高い位置に配置できる。その結
果、前記穂先側搬送装置の係止爪以外の部位の上下スト
ロークの下限を従来よりも低く設定できて、それに伴っ
て株元側挟持搬送装置の上下ストロークの下限を低く設
定でき、例えば刈取穀稈が短稈や極短稈であった場合
に、刈取穀稈に対する株元側挟持搬送装置の挟持位置を
株元側に十分に寄せることができる。

【０００８】

【発明の効果】従って、刈取穀稈の搬送を円滑に行わせ
ることができ、フィードチェーンに対するバトンタッチ
性をよくすることができるから、刈取穀稈をフィードチ
ェーンに確実に受け渡すことができ、しかも、刈取穀稈
が短稈や極短稈であった場合に、刈取穀稈に対する株元
側挟持搬送装置の挟持位置を株元側に十分寄せることが
できるから、刈取穀稈に扱き残し部分が出るのを防止で
きるコンバインの穀稈搬送装置を提供することができ
た。

【０００９】

【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図１
に自脱型コンバインを示している。このコンバインは、
左右一対のクローラ走行装置１を備えた機体フレーム２
上に脱穀装置３を搭載するとともに、機体前部に刈取前
処理部４を昇降自在に連結し、刈取前処理部４の右横側
に搭乗運転部５を設けて構成してある。

【００１０】前記刈取前処理部４は、刈取対象穀稈を振
り分け分草する分草具６、倒伏穀稈を立姿勢に引起す引
起し装置７、引起された穀稈の株元を切断する刈取装置
８、刈取られた各条の刈取穀稈を刈り幅方向中央側に寄
せ集める複数の補助搬送装置９ａ，９ｂ，９ｃ（図２参
照）、集められた立姿勢の穀稈を徐々に横倒れ姿勢に姿
勢変更させながら後方の脱穀装置３における挟持搬送装
置１０の始端部に向けて搬送する後ろ上がり姿勢の縦搬
送装置１１等を備えてあり、刈取前処理部４全体を横軸
芯Ｐ周りで昇降自在に機体フレーム２に支持してある。

【００１１】前記各補助搬送装置９ａ，９ｂ，９ｃは、
ほぼ同一の刈取タイミングで刈取られた各条の穀稈同士
が揃って合流されるように、各搬送経路長さと駆動速度
を設定してある。つまり、図２に示すように、未刈側の
条と中間の条における穀稈は係止突起付きベルト１７
ａ，１７ｂと掻込み回転体１８ａ，１８ｂとで構成され
る補助搬送装置９ａ，９ｂによりそれらの中央側に寄せ
集められ、既刈側の条は係止突起付きベルト１７ｃ、掻
込み回転体１８ｃ及び挟持搬送装置１９で構成される補
助搬送装置９ｃにより前記寄せ集め箇所に合流搬送され
るよう構成してある。従って、未刈側の条と中間の条に
おける補助搬送装置９ａ，９ｂはほぼ同じ搬送経路長さ
で且つほぼ同じ駆動速度に設定され、既刈側の条の補助
搬送装置９ｃは搬送経路が長くなるから駆動速度を前２
者よりも速く設定して、ほぼ同一の刈取タイミングで刈
取られた各条の穀稈同士が揃って合流されるように構成
してある。

【００１２】図２、図３に示すように、前記縦搬送装置
１１は穂先側係止搬送装置１１ａと、この穂先側係止搬
送装置１１ａの下方に配置された株元側挟持搬送装置１
１ｂとから成る。前記穂先側係止搬送装置１１ａは、穀
稈の穂先側を係止自在な多数の係止爪１２を備えるチェ
ーン１３を、フィードチェーン１０側の駆動輪体１４か
ら補助搬送装置側の遊転輪体１５にわたって巻回して構
成してある。また、前記株元側挟持搬送装置１１ｂは、
駆動輪体から遊転輪体にわたって巻回した搬送爪付チェ
ーン２５に対して、挟持レール２４を接近配置して構成
してある。そして、補助搬送装置９ａ，９ｂ，９ｃから
搬送されてくる立姿勢の刈取穀稈を、前記穂先側係止搬
送装置１１ａの始端部側における係止爪１２により掻込
み係止可能に、前記穂先側係止搬送装置１１ａの始端部
を補助搬送装置９ｃの終端部上方に重複配置し、立姿勢
の刈取穀稈を横倒れ姿勢に姿勢変更してフィードチェー
ン１０の始端部に搬送するように、穂先側係止搬送装置
１１ａと株元側挟持搬送装置１１ｂとの搬送経路を各別
に設定してある。さらに前記チェーン１３を駆動輪体１
４から遊転輪体１５にわたって巻回した状態で、チェー
ン１３の始端部側がほぼ水平姿勢になり、終端部側が機
体の横側外方側ほど高い傾斜姿勢になるように、駆動輪
体１４と遊転輪体１５との姿勢を設定してある。

【００１３】図３に示すように、前記穂先側係止搬送装
置１１ａと株元側挟持搬送装置１１ｂとを、減速機構付
き電動モータ２０によって前記横軸芯Ｐ周りで上下一体
揺動操作自在に支持して扱深さ調節機構２６を構成し、
前記各補助搬送装置９ａ，９ｂ，９ｃから合流搬送され
る穀稈の挟持位置を稈長方向に変化させて、脱穀装置３
の扱室３ａ内への入り込み深さ〔扱き深さ〕が常に適切
なもの制御されるよう構成してある。つまり、穀稈搬送
経路中に搬送穀稈の稈長を検出する上下一対の穀稈検出
センサ２１，２２を設け、短稈側検出センサ２１が常に
穀稈を検出し、長稈側検出センサ２２が非検出である状
態になるようマイクロコンピュータを備えた制御装置２
３が電動モータ２０を駆動制御して、穀稈の先端部が両
センサ２１，２２の間に位置するよう縦搬送装置１１を
昇降揺動制御するのである。

【００１４】図４に、前記縦搬送装置１１の搬送経路中
の複数箇所での前記穂先側係止搬送装置１１ａ、前記株
元側挟持搬送装置１１ｂに対する刈取穀稈の姿勢を示し
てある。つまり、穂先側係止搬送装置１１ａの始端部側
では、係止爪１２がほぼ水平になっているから、図４
（イ）に示すように、刈取穀稈は穂先側係止搬送装置１
１ａの係止爪１２に対してほぼ直交した姿勢になる。従
って、この始端部側での搬送を円滑かつ確実に行うこと
ができる。そして、図４（ロ）に示す縦搬送装置１１の
搬送経路の中間部から、図４（ハ）に示す搬送経路の終
端部に移動していくに従って、刈取穀稈が機体内方側
（図４（ロ）、（ハ）における左側）に倒れていく。図
４（ハ）に示すように、穂先側係止搬送装置１１ａの終
端部は機体の横側外方側ほど高い傾斜姿勢になっている
から、横倒れ姿勢の刈取穀稈の搬送を円滑に行えて、フ
ィードチェーン１０に対するバトンタッチ性を良くする
ことができる。

【００１５】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】自脱型コンバインの前部の側面図

【図２】刈取前処理部の平面図

【図３】縦搬送装置の側面図

【図４】（イ）縦搬送装置の始端部側での穂先側係止搬
送装置に対する穀稈の姿勢を示す正面図（ロ）縦搬送装置の搬送経路の中間部での穂先側係止搬
送装置、株元側挟持搬送装置に対する穀稈の姿勢を示す
正面図（ハ）縦搬送装置の終端部側での穂先側係止搬送装置、
株元側挟持搬送装置に対する穀稈の姿勢を示す正面図

【図５】従来技術を示す正面図

【符号の説明】

２機体フレーム９ａ，９ｂ，９ｃ補助搬送装置１０フィードチェーン１２係止爪１３チェーン１４駆動輪体１５遊転輪体２６扱深さ調節機構

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者谷口善博大阪府堺市石津北町64番地株式会社クボタ堺製造所内 (72)発明者吉田有作大阪府堺市石津北町64番地株式会社クボタ堺製造所内 (56)参考文献実開昭55−117221（ＪＰ，Ｕ) 実公昭62−28826（ＪＰ，Ｙ２) 実公昭55−39952（ＪＰ，Ｙ２) 特公昭40−28530（ＪＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A01D 61/00 301 A01D 61/00 302

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】穀稈の穂先側を係止自在な多数の係止爪
（１２）を備えるチェーン（１３）を、駆動輪体（１
４）から遊転輪体（１５）にわたって巻回して構成され
る後ろ上がり姿勢の穂先側係止搬送装置（１１ａ）と、
この穂先側係止搬送装置（１１ａ）の下方側に配置され
て穀稈の株元側を挟持搬送自在な後ろ上がり姿勢の株元
側挟持搬送装置（１１ｂ）とを備え、刈取穀稈の株元側
を寄せ集めるための補助搬送装置（９ａ），（９ｂ），
（９ｃ）から搬送されてくる立姿勢の刈取穀稈を、前記
穂先側係止搬送装置（１１ａ）の始端部側における係止
爪（１２）により掻込み係止可能に、前記穂先側係止搬
送装置（１１ａ）の始端部を前記補助搬送装置（９ｃ）
の終端部上方に重複配置し、立姿勢の刈取穀稈を横倒れ
姿勢に姿勢変更してフィードチェーン（１０）の始端部
に搬送するように、前記穂先側係止搬送装置（１１ａ）
と株元側挟持搬送装置（１１ｂ）との搬送経路を各別に
設定し、かつ、前記穂先側係止搬送装置（１１ａ）と株
元側挟持搬送装置（１１ｂ）とを、それらの後端部側の
横軸芯周りに上下一体揺動自在に支持して、扱き深さ調
節機構（２６）を構成してあるコンバインの穀稈搬送装
置であって、前記チェーン（１３）を前記駆動輪体（１４）から遊転
輪体（１５）にわたって巻回した状態で、前記チェーン
（１３）の始端部側がほぼ水平姿勢になり、終端部側が
機体の横側外方側ほど高い傾斜姿勢になるように、前記
駆動輪体（１４）と遊転輪体（１５）との姿勢を設定し
てあるコンバインの穀稈搬送装置。