JPS6340107Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車体側へ茎稈を導く茎稈導入経路に
沿つてその茎稈を引起す引起し装置と、この引起
し装置で引起された茎稈の株元を刈取る刈取装置
と、その刈取られた後の引起し刈取茎稈の穂先側
を係止して車体後方へ向かつて搬送する穂先係止
搬送装置と、この穂先係止搬送装置によつて車体
後方に向かつて搬送される引起し刈取茎稈がその
搬送に伴つて穂先側ほど車体前方側となる傾斜姿
勢に変更させるように、その茎稈株元を車体後方
に向かつて搬送するほど上方に持上げ、かつ前記
茎稈導入経路の車体後方への延長線に沿つて前記
茎稈株元を搬送する株元挾持装置と、前記傾斜姿
勢に姿勢変更された茎稈を車体横巾方向に搬送す
る横搬送装置とを設けた藺草刈取収穫機に関す
る。

従来、この種の藺草刈取収穫機においては、引
起され刈取られた茎稈の穂先側を引起し装置から
受け継いで、株元挾持搬送装置との協働により横
搬送装置へのその茎稈を搬送する穂先係止搬送装
置を、その搬送経路が前記引起し装置や株元挾持
装置の搬送経路と同様に茎稈導入経路に沿う状態
に設けられていた。そして、刈取後の茎稈を横搬
送装置へ受け渡しできるように、茎稈の株元側を
株元挾持搬送装置で車体後方へ搬送するほど上方
がわへ持ち上げて穂先がわが前方がわに倒れる前
傾姿勢となるようにしているものである。

しかしながら、茎稈の引起しから横搬送装置へ
受け渡すまでの茎稈の搬送経路は前記茎稈導入経
路に沿つた一直線状であるから、前傾する茎稈の
穂先がわと、その後から搬送されるまだ前傾して
いない引起し途中の茎稈の穂先がわとが接当する
ことになり、その接当により茎稈に折損が生じ易
くなるという欠点があつた。

本考案は、上記実状を鑑みてなされたものであ
つて、前傾する茎稈と後から搬送される茎稈とが
接当することを避け得る藺草刈取収穫機の提供を
目的とする。

本考案にかかる藺草刈取収穫機は、冒記構成の
ものにおいて、前記穂先係止搬送装置を、その穂
先搬送経路がその搬送終端側ほど前記横搬送装置
に向かう横方向へ偏位するように、前記引起し装
置および前記株元挾持装置に対して傾斜した姿勢
で設けてあることを特徴とする。

すなわち、穂先係止搬送装置を、その穂先搬送
経路がその搬送終端側ほど横搬送装置に向かう横
方向へ偏位するように、引起し装置および株元挾
持装置に対して傾斜した姿勢で設けてあるから、
茎稈の穂先側は前傾しながらも横方向へも移動し
ていくので、その穂先係止搬送装置においては、
前傾する際に茎稈の穂先側が描く軌跡が、引起し
装置での引起し途中の茎稈の移動軌跡から外れて
位置することとなつて、その前傾する茎稈が引起
し途中の茎稈と接当することが極力回避され、そ
の接当により生ずる茎稈の折損も防ぐことができ
るという効果を奏するに至つた。

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図に示すように、左右一対の推
進用低圧タイヤ１，１、左方のタイヤ１の左横側
方に位置する補助車輪２Ａ、及び、前記両タイヤ
１よりも前方に位置する補助車輪２を夫々設け
て、進行できるように構成すると共に、引起し装
置としての左右一対の茎稈引起し用回転螺旋体
３，３を配設した茎稈導入経路Ａの終端側にバリ
カン型刈刃４を設けて、機体進行に伴い藺草等の
植立茎稈を刈取処理できるように構成し、そし
て、引起し刈取茎稈の穂先部を車体後方に向つて
係止搬送作用する上下２段の穂先係止搬送装置５
を設けると共に、引起し刈取茎稈の株元部を車体
後方に向つて搬送するほど上方に持上げるよう挾
持搬送作用する株元挾持装置としての左右一対の
株元挾持搬送ベルト６，６を設けて、引起し刈取
茎稈を搬送に伴つて穂先側が車体前方側となる傾
斜姿勢に変更させるように構成し、そして、傾斜
姿勢の茎稈穂先側を車体右横側方に向つて挾持搬
送作用する横搬送装置としての一対の横搬送用挾
持ベルト７，７、及び、横搬送される茎稈を車体
右横側方に向つて係止搬送作用する横搬送用補助
係止搬送装置８を夫々設けると共に、横搬送され
る茎稈のうちの挾持されない短いものを後方に抜
き取るよう、搬送茎稈株元部に梳き作用する左右
一対の係止爪９ａ付き梳き装置９，９を設けて、
茎稈選別を行なわせるように構成し、そして、選
別処理後の茎稈を受止め回収する樋状回収具１０
を設け、もつて、進行に伴い茎稈を引起し刈取処
理し、引起し刈取茎稈を選別して回収処理する作
業を自動的に連続して行なう歩行型の刈取収穫機
を構成してある。

但し、上記構成の刈取収穫機は、主として車体
の左横側部に未刈茎稈を位置させる状態で刈取作
業を行なうものであり、前述の如く後方へ引抜き
排出される茎稈を車体右横側方へ受止め案内する
シユート１１を設けて、未刈茎稈へ排出茎稈がふ
り掛ることを抑制させるようにしてある。

前記穂先係止搬送装置５において、その搬送径
路Ｒを、茎稈穂先部を搬送するほど前記横搬送用
挾持ベルト７，７側へ横移動させるように傾斜状
に形成してあり、もつて、搬送に伴つて倒伏姿勢
に姿勢変更される搬送茎稈の穂先部と順次供給さ
れる引起し刈取茎稈の穂先部とが接当干渉により
折損することを抑制させるようにしてある。

但し、図中１２は、植立藺草を前記螺旋体３の
始端部に掻込む装置、１３は固定分草杆、１４は
左右に揺動駆動される分草杆である。

本考案を実施するに、穂先係止搬送装置５を構
成するに、茎稈係止突起付きゴムベルトや茎稈係
止爪付きチエーン等の各種のものを使用して構成
できる。

又、株元挾持搬送装置を構成するに、一対の挾
持搬送ベルト６，６を設ける他、１本の搬送ベル
トに対向して挾持レールを設けるようにする等、
その具体的構成は各種変更できる。

又、横搬送装置を構成するに、一対の挾持搬送
ベルト７，７を設ける他、単に係止搬送用ベルト
を設けるようにする等、その具体構成は、搬送茎
稈の搬送目的に応じて各種変更できる。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る藺草刈取収穫機の実施例
を示し、第１図は藺草刈取収穫機の側面図、第２
図は同機の概略平面図である。 ３……引起し装置、４……刈取装置、５……穂
先係止搬送装置、６……株元挾持搬送ベルト、７
……横搬送装置、Ａ……茎稈導入経路、Ｒ……搬
送径路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体側へ茎稈を導く茎稈導入経路Ａに沿つてそ
   の茎稈を引起す引起し装置３，３と、この引起し
   装置３，３で引起された茎稈の株元を刈取る刈取
   装置４と、その刈取られた後の引起し刈取茎稈の
   穂先側を係止して車体後方へ向かつて搬送する穂
   先係止搬送装置５と、この穂先係止搬送装置５に
   よつて車体後方に向かつて搬送される引起し刈取
   茎稈がその搬送に伴つて穂先側ほど車体前方側と
   なる傾斜姿勢に変更させるように、その茎稈株元
   を車体後方に向かつて搬送するほど上方に持上
   げ、かつ前記茎稈導入経路Ａの車体後方への延長
   線に沿つて前記茎稈株元を搬送する株元挾持装置
   ６と、前記傾斜姿勢に姿勢変更された茎稈を車体
   横巾方向に搬送する横搬送装置７とを設けた藺草
   刈取収穫機において、前記穂先係止搬送装置５
   と、その穂先搬送経路Ｒがその搬送終端側ほど前
   記横搬送装置７に向かう横方向へ偏位するよう
   に、前記引起し装置３，３および前記株元挾持装
   置６に対して傾斜した姿勢で設けてあることを特
   徴とする藺草刈取収穫機。