JP2892775B2 - 流体圧エレベータ - Google Patents

流体圧エレベータ

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JP2892775B2 JP2146261A JP14626190A JP2892775B2 JP 2892775 B2 JP2892775 B2 JP 2892775B2 JP 2146261 A JP2146261 A JP 2146261A JP 14626190 A JP14626190 A JP 14626190A JP 2892775 B2 JP2892775 B2 JP 2892775B2
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    • B66B1/00Control systems of elevators in general
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    • B66B1/04Control systems without regulation, i.e. without retroactive action hydraulic

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は停止時における乗りかごの浮沈の補正手段を
備えた流体圧エレベータに関する。
〔従来の技術〕
流体圧エレベータの停止時に、乗客の乗降によつて乗
りかごが沈下または浮上する。この乗りかごの浮沈を補
正するため、従来は乗りかごが一定量以上浮沈したとき
に、エレベータを駆動する主油圧ユニットを低速で動作
させて補正するか、ON−OFF弁を動作させて圧油を供給
または排出するか、あるいは機械的に乗りかごの位置を
検出してフイードバツクし、機械−油圧的にサーボを構
成して補正するかなどしていた。
なお、この種のエレベータの位置補正手段に関する提
案としては、特公昭48−27816号公報,特公昭50−6944
号公報,特公昭51−38136号公報,特公昭51−42826号公
報などにそれぞれ記載された多くの提案がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら上記従来技術は、いずれも応答性が不十
分で補正性能が不足していたりする問題があった。
本発明の目的は、乗りかご着床時の浮沈変位を応答性
よく、かつ精度よく補正することのできる液体圧エレベ
ータを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、乗りかごを支
持する流体圧シリンダに、制御弁を有する流体圧源から
流量を制御しながら圧力流体を供給,排出して前記乗り
かごの上昇または下降の速度を制御する主流体圧ユニッ
トを備え、前記乗りかごの着床時の浮沈変化を検出して
前記乗かごの浮沈を補正するように構成した流体圧エレ
ベータにおいて、着床時の前記乗りかごの浮沈変位信号
と、前記乗りかごの浮沈変位と同時に発生する前記乗り
かごの加速度変化,荷重変化,前記流体圧シリンダの圧
力変化の3つの信号のいずれかとを制御指令とし、この
制御指令により前記流体圧シリンダに供給,排出する圧
力流体の流量を制御する補正手段を設けたのである。
〔作用〕
上記構成によると、制御指令となる信号が、乗りかご
の浮沈変位信号だけでなく、乗かごの浮沈変位と同時に
発生する前記乗りかごの加速度変化,荷重変化,前記流
体圧シリンダの圧力変化のうちのいずれか1つの信号も
制御指令の信号としているので、補正の応答性が向上す
る。即ち、乗かごの浮沈変位は、乗りかごの慣性により
変位が遅れるが、速度変化,荷重変化,流体圧シリンダ
の圧力変化は、短時間に変化するので、これら3つの変
化のいずれか1つの信号を乗かごの浮沈変位信号に加味
することにより、乗りかごが大きく変位する前に、浮沈
を補正することができるのである。その結果、乗りかご
の浮沈変化を応答性よく、精度よく補正できるのであ
る。
〔実施例〕
第1図は、本発明の元となる液体圧エレベータを示
す。流体圧シリンダ1へ供給、或いはそれから排出する
高圧流体の流量を制御弁2の開度、或いは流体圧ポンプ
6の回転数によつて制御し、流体圧シリンダ1のプラン
ジヤ1aの速度、すなわち、乗りかご10の上昇或いは下降
速度(シリンダ1のプランジヤ1aと乗りかご10はプーリ
1b,ロープ1cを介して結合されている)を制御する。制
御弁2は主弁20,パイロツト弁21a,21bで構成し、乗りか
ご10の上昇時は逆止め弁の作用を、下降時は流量制御弁
の作用をし、乗りかご10の位置保持と、円滑な上昇,下
降の加速を行う。ポンプ6はモータ7で駆動され、乗り
かご10の上昇時は正転,下降時は逆転の回転数を制御さ
れることで流量制御を行う。リリーフ弁4と吸い込み弁
5は流体圧回路の安全装置である。すなわちリリーフ弁
4は主弁40,パイロツトリリーフ弁41,パイロツト切り換
え弁42で構成し、パイロツト弁41でリリーフ圧を設定
し、機械的ストツパ40dと切り換え弁42でアンロード圧
を設定する。ここで液体温度が低下して粘度が高くなる
と、速度特性が低下して乗り心地が悪くなるので、流体
温度を維持する必要がある。吸い込み弁5は制御弁2と
ポンプ6との間の流路が真空になるとタンク9から流体
を補充するために配置する。これにより、この流路が真
空になつてキヤビテーシヨンを発生し、キヤビテーシヨ
ンの発生に伴い機器に損傷を生ずるのを防止する。制御
装置12は乗りかご10やホールからの呼び、或いはその他
の指令に答え、各種のセンサ類からの情報も取り込み、
インバータ11を介してモータ7を駆動すると共に、各種
弁類を動作させる。
次に動作を説明する。
(1)上昇:指令に対応して制御装置12はインバータ11
を介してモータ7、すなわちポンプ6を駆動する。ポン
プ6の回転数が徐々に増加すると、ポンプ6から制御弁
2への流量が増大し、制御弁2を押し開いて、高圧流体
はシリンダ1へ供給される。これにより乗りかご10は上
昇加速される。乗りかご10が上昇して目標階に近づく
と、減速指令によりポンプ6の回転数を減少させ、シリ
ンダ1への流量を減らす。これにより乗りかご10は減速
し、ポンプ停止により乗りかご10も停止して着床する。
流量の減少に比例して制御弁2の開度も減少し、ポンプ
停止で閉じる。この時の乗りかご10の位置は乗りかご位
置検出装置13によつて監視される。
(2)下降:指令に対応して制御装置12は制御弁2を徐
々に開き、制御弁2とポンプ6との間の流体圧をシリン
ダ圧と釣り合わせ、その後インバータ11を介してモータ
7,ポンプ6を駆動し、シリンダ1の高圧流体を排出し
て、乗りかご10を下降加速する。これにより起動時に乗
りかごに生ずる加速度の衝撃(起動シヨツク)を緩和で
きる。乗りかご10が目標階に近づくと、減速指令により
ポンプ6の回転数を減少させ、シリンダ1から排出する
流量を減らす。これにより乗りかご10は減速し、ポンプ
6の停止により乗りかご10も停止して着床する。その後
制御弁2を閉じる。上昇時と同様に、乗りかご10の位置
は乗りかご位置検出装置13によつて監視される。
起動時の加速度衝撃の緩和のために、ポンプ6を低速
度で正転してポンプ6と制御弁2との間の流体圧をシリ
ンダ圧に釣り合わせ、その後制御弁を開く方法もある。
その後の加速、走行等はポンプ回転数の制御で行う。
エレベータが目標階に着床しているとき、乗客の乗降
があると負荷が変動して、システムの剛性が低いことに
より乗りかご10の沈下或いは浮上を生ずる。これは加速
度の変化として乗客に感じられると同時に、乗りかごの
床と階床の床との間に段差となる。これは乗り心地の低
下であり、また安全性の低下でもあるので不都合であ
る。第2図はこれを説明するもので、乗りかご10の荷重
変化と、その変位とを示している。(a)は荷重が増加
した場合で、流体圧シリンダ1の圧力が増大し流体が圧
縮され、ロープやバネの伸びも加わつて乗りかご10は沈
下する。(b)は逆に荷重が減少した場合で、流体の膨
張,ロープのバネの縮みにより、乗りかご10は浮上す
る。乗りかごの沈下浮上量は荷重の変化量に比例する。
この時、乗りかご10はシステムの固有値1〜3Hzで応答
し、これはエレベータを制御したい周波数に非常に近
く、通常の制御は困積である。
第3図はこれを解決するために、第1図に示す制御弁
2及びリリーフ弁4などからなる主流体圧ユニット60と
は別に設けた本発明による位置補正装置3を示す。第1
図と同一の記号は同一の部品或いは機能を持つ部品を表
す。位置補正装置3はポンプ31a,モータ31b,フイルタ31
c,タンク31d,リリーフ弁34,逆止め弁33,アキユムレータ
35,圧力スイツチ36からなる流体圧源,制御弁30a,30bで
構成し、主流体圧ユニツト60と並列に配置する。この時
アキユムレータ35はポンプ31aに対し補助流体圧源とし
て作用し、ポンプ31aからの高圧流体を蓄えておき、瞬
間的に大流量を供給する。従つて、小電源で大流量を供
給できる。制御装置37は圧力スイツチ36からの信号でア
キユムレータ35に常に一定圧以上の圧力流体を蓄え、乗
りかご10の位置を検出して、乗りかご10の沈下量或いは
浮上量に比例して、制御弁30aで圧力流体をシリンダ1
へ供給、或いは制御弁30bでシリンダ1から圧力流体を
排出し、乗りかご10の位置を常に一定に保つ。
第4図に乗りかごの変位を帰還してサーボ系を構成
し、位置を補正した時の状態を示す。乗りかご10に乗客
が(a)乗り込んだ時、(b)降りた時の制御弁30a,30
bの動き、及び乗りかご位置を示す。破線は補正のない
場合、実線及び二点鎖線は補正をした場合を示す。乗客
の乗り込みに対し乗りかご10は破線で示すように沈下或
いは浮上するが、この時の乗りかご10の変動はごく短時
間に生じ、1〜3Hzの固有値に一致する。このことは通
常の帰還制御を困難にする。すなわちその固有値が低い
ため、乗りかご10の変位のみの帰還では高応答制御と安
定な制御との両立が困難である。高応答性を実現しよう
としてループゲインを高くすると不安定で二点鎖線のよ
うに発振を生じ、安定な制御とするとループゲインが小
さくて応答性が不足し、実線で示すように一旦沈下或い
は浮上した後でやおら補正する形である。このような制
御系で通常行われている速度帰還による安定性の向上及
びループゲインの増大ではこの問題を若干改善する程度
で、沈下或いは浮上の補正は不十分で、乗りかごの変位
は大きい。
第5図は第3図の位置補正装置の制御回路を示すもの
で、制御弁30,シリンダ1,乗りかご10からなる流体圧系
に対し、比較器37a,増幅器37b,制御装置12で駆動される
スイツチ37dで構成する。スイッチ37cは制御装置12から
の“エレベータが停止した信号”により閉じ、“エレベ
ータが起動した信号”で開き、位置補正装置3に対し乗
りかご10が停止しているときのみ動作させる。本実施例
では乗りかごの変位を帰還する閉ループを構成すると同
時に、加速度をも帰還する。これにより、応答性と安定
性を両立させる。また加速度の代りに乗りかごにかかる
荷重或いはシリンダ圧力の信号をハイパスフイルタ37d
を通した信号を帰還してもよい。
第6図は本実施例の作用,効果を示す図であり、乗り
かご変位,加速度,荷重,シリンダ圧力を、補正のない
場合と補正のある場合とで比較して示す。荷重はごく短
時間で変化し、乗りかごなどの慣性により荷重より遅れ
て乗りかごは変位する。シリンダ圧は変位と同様に変化
するが、加速度は変位の初めと終わりに大きい値とな
る。荷重やシリンダ圧をハイパスフイルタ37dを通した
値を破線で示すが、加速度と同様の波形である。従つて
加速度を帰還することは乗りかごの変化する初期に比較
器37aから出力される制御信号は、実際の変位より大き
な制御信号となり、制御系のループゲインは同一で安定
性を損なわず、しかも乗りかご変位を帰還するより早く
補正可能である。別の見方をすれば、適切は制御系のル
ープゲインを保ちつつ、帰還する過渡変位より大きい補
正を予測して実施して、応答性を向上して最大変位量を
小さくしている。加速度の代りに荷重或いはシリンダ圧
のハイパスフイルタ37dを通した信号を帰還する場合に
も先の理由で同一の効果がある。従つて、位置補正装置
で適切な制御を実現すれば、同図(b)に実線で示すよ
うに沈下或いは浮上しかけた乗りかごは直ちに停止位置
へ復帰する。すなわち、乗りかごが沈下した場合、制御
弁30aによりアキユムレータから高圧流体を瞬間的にシ
リンダ1へ補充し、乗客が降りて乗りかご10が浮上した
ときも同様で、制御弁30bでシリンダの高圧流体を排出
するので、迅速に停止位置へ復帰する。制御弁30a,30b
の動きは補正のための流量に比例する。
制御弁30a,30bは補正に充分な流量を制御できること
と、高応答であることが重要であり、制御装置37は制御
装置12にその機能を持たせても良い。
第7図は他の実施例を示すもので、第1図,第3図と
同一の記号は同一の部品、或いは同一の機能を有する部
品を示す。第3図と異なるのは3Aで示すように位置補正
装置が主流体圧ユニットの動作によつて高圧流体をアキ
ユムレータ35に蓄える増圧形位置補正装置3Aになつてい
る点である。すなわち増圧器32はポンプ6の出口圧を設
定された倍率で増圧し、アキユムレータ35へ供給する。
ポンプ6が休止しているときばね32aによつて逆止め弁3
2bを介して増圧器32のピストンを元の位置に復帰させ、
流体を補充する。従つて、ポンプ6の動作によつて、自
動的にアキユムレータ35に高圧流体が補給される。エレ
ベータが停止し、位置補正装置が作動を要求される時に
はアキユムレータ35は常に待機状態になつている。アキ
ユムレータ35の圧力が規定値を維持していれば増圧器32
は動作しない。従つて圧力スイツチなどがなくてもアキ
ユムレータの圧力は規定値以上になることはなく、安全
性は維持される。このように本実施例では、ポンプ6の
動作によつて増圧器32で自動的に圧力を増圧してアキユ
ムレータ35に蓄えるので圧力スイツチ等が不要となる。
第8図は主流体圧ユニット60と、流体圧シリンダ1,乗
りかご10との配置を示すもので、主流体圧ユニット60は
機械室70に、流体圧シリンダ1は昇降路71に配置され
る。同図(a)は位置補正装置3を主流体圧ユニツト60
と並列に機械室に配置し、流路15aで主流路15に合流し
て、昇降路内のシリンダ1と結合した場合を示す。しか
し、通常主流体圧ユニット60とシリンダ1を結合する主
流路15は長いため圧力の伝達遅れを生じ、制御上応答性
で低下する。同図(b)は位置補正装置3を、ポンプ,
モータ,増圧器等の流体圧源部3Bと、アキユムレータ,
制御弁等の制御部3Cとに分割して、流体圧源部3Bは機械
室70に、制御弁3Cは昇降路71に配置し、両者を流路15b
で結合し、制御部を流路15aで主流路15に合流させる。
こうすることにより、位置補正装置3を分割すると、機
械室70と昇降路71との間に流路15bが設けることが必要
になるが、制御部3Cとシリンダ1との間の流路長が短縮
され、応答性が向上し、位置補正性能が飛躍的に向上す
る。同図(c)は位置補正装置3を昇降路71に設置し、
流路15aで主流路15に結合した実施例で、同図(b)と
同等に応答性と、位置補正性能が得られる。
第9図は更に他の実施例を示す。第3図と同一の記号
は同一の部品或いは同一機能の部品を示す。本実施例は
基本的に第3図の実施例と同じであり、位置補正装置と
しての構成,動作,効果は第3図の実施例と同一であ
り、省略する。異なる点は、シリンダ1のパツキングか
ら漏れた流体を回収するためのフイルタ62と流体62a
と、液面計63と、ポンプ31aの吐出側に切り換え弁61と
流路64を設けて、吐出流体をアキユムレータ35或いは主
流体圧ユニット60のいずれかへ切り換える点である。す
なわち通常時には第3図の実施例と同様に、位置補正装
置として作用する。シリンダ1のパツキングからの漏れ
流体を蓄積してタンク31dの液面が上昇したことを液面
計63で検出すると、切り換え弁61を切り換えて流路64を
経て主流体圧ユニット60へ流体を送る。これにより従来
用いられていた漏れ流体回収装置が不要になり、かつ位
置補正装置のタンク液面が異常低下することもなくな
る。フイルタ62は漏れ流体に含まれる異物を除去するた
めに用いる。
位置補正装置3は動作の瞬間に大流量を必要とするた
め、補助流体圧源としてアキユムレータ35を用い、流体
圧エネルギーを蓄えておく。この時制御弁30からの漏れ
があると、折角蓄えたエネルギーを無駄にし、かつ蓄圧
された圧力が低下していて必要なときにエネルギーが不
足することもある。そのため本実施例では第10図に示す
ように、正重合(オーバラツプ)制御弁を採用し、且つ
漏れを小さくするために正重合を大きく採る。一般に正
重合が大きいと非線形になり制御は困難になるが、同図
(a)に示す本実施例になる制御方法ではこれを線形化
できる。制御弁の正重合量をx0とし、弁変位xと流量Q
とはQ=β(x±x0)、制御電流iと弁変位xとは比例
(x∝i)させる。もし増幅器のゲインが線形ならば、
指令eと制御電流iとは、i(∝x)=αeとなり、e
≧e0でのみ制御弁は流量Qを制御できる。そこで本実施
例ではeとiとの関係を同図(a)のようにi=αe±
i0となるように増幅器のゲインを非線形にする。こうす
れば、制御指令eと流量Qとは同図(b)に示すように
比例するようになり、通常の線形系の制御となるので制
御は容易になる。
さらに装置は低価格にするために、サーボ弁のような
高精度制御弁ではなく、比例電磁弁のような低価格であ
る反面、精度の低い制御弁とすると、制御弁個々の正重
合量のバラツキが大きくなる。第11図の(a)にバラツ
キの最小(1)(x0=x0 1)と、最大(2)(x0=x0 2
を示すが、このような場合本実施例では、バラツキの小
さい(1)に合わせてi0=i0 1とする。こうすることに
より、バラツキの大きい(2)では−e0 2<e<e0 2は不
感帯になるが、同図(b)のように不感帯を十分小さく
できる。理由は、第12図に示すように、バラツキの大き
い(2)に合わせてi0=i0 2とすると、バラツキの小さ
い(1)では、e=0でもQ=±Q0 1となり−Q0 1と+Q0
1との間で不安定になるためである。
第11図に示すよりも更に不感帯を小さくする制御方法
を第13図に示す。指令eとその制御電流iとを同図
(a)に破線で示すように折線で関係づける(0−F−
G)。すなわち−i0 2<i0+i0 2では勾配を大きく、それ
以外では小さくする。こうすることにより、バラツキの
大きい(2)ではi0 2に対応するe0 2を小さくでき、指令
eと流量Qとの関係は同図(b)に0−D−Eで表され
るように不感帯e0 2を小さくできる。更に、バラツキの
小さい(1)ではi0 1に対応するe0 1は0とe0 2との間に
あり、指令eと流量Qの関係も同図(b)に折線0−A
−B−Cで示すように、不感帯e0 1をより小さくできる
と共に、B−Cを比例直線(3)に近付けることができ
る。すなわち、バラツキの範囲で不感帯を小さくでき、
且つ指令eと流量Qとを線形に近似できる。
第14図に本発明になる、不感帯を有する制御弁の他の
制御方法の一実施例を示す。同図(a)は指令eと制御
電流i及び弁変位xと流量Qとの間の関係を示し、eと
i(∝x)は比例し(i=αe)、x(∝i)とQとは
不感帯x0(∝i0)を持つ(Q=β(x±x0)。この不感
帯x0(∝i0)に相当する指令信号はe0である。本発明で
は制御指令eに振幅e0,周波数ωを持つデイザ信号を重
畳して制御弁を制御する。すなわち制御指令e1=e+e0
sinωtに対し、電流はi1=i+i0sinωt=αe1=α
(e+e0sinωt)となる。従つて制御弁変位はx1=x
+x0sinωt(∝i1)となる。e1は図中に(A),
(B),(C)で示すように、それに対してi1,x1
(A′),(B′),(C′)で示すように、周波数ω
で振動する。ここに(A),(B),(C)はe=0,
e0,2e0の場合を示す。e=0のとき、変位x1は(A′)
となり、流量Qは0である。e=2e0ではx1≧x0となり
(C′)に示すようにx1は常に不感帯の範囲外にあり、
その平均値はx1で、流量の平均値はQ1になる。制御指令
が0<e<2e0の範囲にあるときは、制御弁変位は、0
<x<x1の範囲で連続的に変化する。従つて、流量も、
0<Q<Q1の範囲で連続的に変化し、eとQとの関係は
同図(b)に示すようにあたかも不感帯がないようにな
り、かつe<2e0では流量ゲインが低い。このことは制
御弁で制御するとき好都合で、安定性及び応答性の良い
制御系を構成できる。
第15図は先と同様に制御弁の不感帯にバラツキがある
場合を示し、(1),(2)でバラツキの下限(x0 1∝i
0 1)及び上限(x0 2∝i0 2)を示す。デイザ信号は先と同
じ(e0 1sinωt)にすれば、制御信号eと流量Qとは同
図(b)に示すようになり、バラツキが大きい場合でも
不感帯はx0 2−x0 1へと減少する。従つて、制御弁の不感
帯のバラツキが小さければこの時の不感帯は(同図
(b)に示す)実用上無視できる。
第16図は流体圧源である主流体圧ユニット60を用いて
先の実施例と同様に乗りかご10の位置補正を行う方法を
説明するものである。乗りかご10が目標階床に到着し、
流体圧エレベータの走行運転が終了すると、ドアを開く
指令が出される。本実施例ではドアを開き指令によつて
位置補正動作の準備を始める。すなわち、ドア開の指令
によつてモータ7,ポンプ6を上昇方向に起動し、流路15
aの圧力をシリンダ圧よりわずかに低い値まで昇圧す
る。この動作はドアが開くまでに行い、ドアが開いて乗
客が乗降し、乗りかごの床が沈下(a)、或いは浮上
(b)した場合に、同図(a)または(b)のように制
御する。すなわち、床が沈下した場合(a)、乗りかご
10の変位及び加速度などの帰還信号によりモータ7の速
度を増大させ、制御弁2を介して、高圧流体をシリンダ
1へ供給し、乗りかご10を上昇させる。この時の制御方
法は先に述べたと同一で、制御対象が制御弁30からモー
タ7に代つただけである。乗りかご10が浮上した場合
(b),(c)の場合とは逆に、帰還信号がある値を越
えたことを検知して、下降制御弁2を開き、帰還信号に
比例してモータ7,ポンプ6を下振方向へ駆動して、シリ
ンダ1の圧力流体を排出する。この場合、モータ,ポン
プの慣性が大きいために、位置補正の動作に遅れが生
じ、乗りかごの変位量は若干大きくなるが、別ユニツト
として位置補正装置を準備する必要がなく、低価格で実
現できる。同図(c)は乗客の乗降が終わつた後の状態
を説明するもので、ドアを閉じて待機状態になる場合を
実線で示した。しかしエレベータでは乗客の乗降が終わ
ると通常ドアを閉じ、直ちに上昇或いは下降運転に入
る。このような場合に一旦ポンプを停止し、その後再起
動したなら、流路15aの圧力が大気圧まで低下して制御
弁2の前後の圧力差が大きくなる。このような場合、上
昇運転では起動遅れが、下降運転では起動シヨツクがそ
れぞれ大きくなり、好ましくない。本実施例では位置補
正動作が完了しても、引き続きエレベータを運転する場
合には流路15aの圧力が負荷圧よりわずかに低い値を維
持するようモータを引き続き運転しておく。そして起動
指令にしたがつて、モータの回転速度を、一点鎖線(上
昇)、或いは二点鎖線(下降)のように制御する。こう
することにより前述の起動遅れや起動シヨツクを軽減で
き、良好な乗り心地の流体圧エレベータを実現できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、乗りかごの位置を応答性よく、かつ
精度よく補正することのできる液体圧エレベータを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の流体圧エレベータに用いられる基本構
成を示すブロツク図、第2図は同じく乗りかごの浮沈を
説明する線図、第3図は第1図の構成に位置補正装置を
適用した本発明の一実施例を示すブロツク図、第4図は
同じく変位帰還による位置補正の状態を説明する線図、
第5図は同じく位置補正装置の制御手段の構成を示すブ
ロツク図、第6図は同じく位置補正装置の制御特性を説
明する線図、第7図は第1図の構成に位置補正装置を適
用した本発明の他の実施例を示すブロツク図、第8図は
同じく位置補正装置の配置を説明するブロツク図、第9
図は第1図の構成に位置補正装置を適用した本発明の別
の実施例を示すブロツク図、第10図,第11図及び第12図
はそれぞれ本実施例の制御方法を説明する図、第13図,
第14図,第15図はそれぞれ本実施例の他の制御方法を説
明する線図、第16図は本発明の他の実施例による乗りか
ごの位置補正方法を説明する線図である。 1……流体圧シリンダ、2……制御弁、3……位置補正
装置、10……乗りかご、30……制御弁、31a……ポン
プ、31b……モータ、35……アキユムレータ、36……圧
力スイツチ、60……主流体圧ユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 英一 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日 立製作所水戸工場内 (56)参考文献 特開 昭63−306178(JP,A) 特公 昭50−6944(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B66B 1/00 - 1/52 B66B 9/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乗りかごを支持する流体圧シリンダに、制
    御弁を有する流体圧源から流量を制御しながら圧力流体
    を供給,排出して前記乗りかごの上昇または下降の速度
    を制御する主流体圧ユニットを備え、前記乗かごの着床
    時の浮沈変化を検出して前記乗かごの浮沈を補正するよ
    うに構成した流体圧エレベータにおいて、着床時の前記
    乗りかごの浮沈変位信号と、前記乗りかごの浮沈変位に
    同時に発生する前記乗りかごの加速度変化,荷重変化,
    前記流体圧シリンダの圧力変化の3つの信号のいずれか
    とを制御指令とし、この制御指令により前記流体圧シリ
    ンダに供給,排出する圧力流体の流量を制御する補正手
    段を設けたことを特徴とする流体圧エレベータ。
  2. 【請求項2】前記制御弁は、正重合制御弁であることを
    特徴とする請求項1記載の流体圧エレベータ。
  3. 【請求項3】乗りかごを支持する流体圧シリンダに、制
    御弁を有する流体圧源から流量を制御しながら圧力流体
    を供給,排出して前記乗かごの上昇または下降の速度を
    制御する主流体圧ユニットを備え、前記乗かごの着床時
    の浮沈変化を検出して前記乗りかごの浮沈を補正するよ
    うに構成した流体圧エレベータにおいて、着床時の前記
    乗りかごの浮沈変位信号と、前記乗りかごの浮沈変位と
    同時に発生する前記乗りかごの加速度変化,荷重変化,
    前記流体圧シリンダの圧力変化の3つの信号のいずれか
    とを制御指令とし、この制御指令により前記流体圧源か
    ら前記流体圧シリンダに供給,排出する圧力流体の流量
    を制御する補正手段を設けたことを特徴とする流体圧エ
    レベータ。
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