JP2892539B2 - 新規な養魚用飼料 - Google Patents

新規な養魚用飼料

Info

Publication number
JP2892539B2
JP2892539B2 JP4001587A JP158792A JP2892539B2 JP 2892539 B2 JP2892539 B2 JP 2892539B2 JP 4001587 A JP4001587 A JP 4001587A JP 158792 A JP158792 A JP 158792A JP 2892539 B2 JP2892539 B2 JP 2892539B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
feed
fish
cmc
pellets
viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4001587A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0564552A (ja
Inventor
▲隆▼ 粕谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DAISERU KAGAKU KOGYO KK
Original Assignee
DAISERU KAGAKU KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DAISERU KAGAKU KOGYO KK filed Critical DAISERU KAGAKU KOGYO KK
Priority to JP4001587A priority Critical patent/JP2892539B2/ja
Priority to KR1019920003195A priority patent/KR950004425B1/ko
Publication of JPH0564552A publication Critical patent/JPH0564552A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2892539B2 publication Critical patent/JP2892539B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23KFODDER
    • A23K20/00Accessory food factors for animal feeding-stuffs
    • A23K20/10Organic substances
    • A23K20/163Sugars; Polysaccharides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23KFODDER
    • A23K40/00Shaping or working-up of animal feeding-stuffs
    • A23K40/25Shaping or working-up of animal feeding-stuffs by extrusion
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23KFODDER
    • A23K50/00Feeding-stuffs specially adapted for particular animals
    • A23K50/80Feeding-stuffs specially adapted for particular animals for aquatic animals, e.g. fish, crustaceans or molluscs

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Animal Husbandry (AREA)
  • Insects & Arthropods (AREA)
  • Marine Sciences & Fisheries (AREA)
  • Birds (AREA)
  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は養魚用飼料に関する。更
に詳しくは、魚の捕食率の向上、自動給餌による省力化
の実現、給餌時の自家汚染防止等に優れた養魚用飼料に
関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】近年、我が国の漁業は、経
済水域設定等の国際的な制約によって漁場を著しく狭め
られている。この為、タイ、ハマチ、ヒラメ、アジ、ト
ラフグ、ギンザケ等の海面養殖による養魚が盛んになっ
ている。しかし、現在、海面養殖の飼料としては、多獲
魚であるイワシ、サバ、サンマ、アミエビ等をミンチ、
切断、あるいはそのままの形状で投与している為に、水
溶性栄養成分の溶出が多く、かつ、ミンチ等は水中での
散逸が多い為、魚の捕食率が低い。
【0003】また、最近は、魚粉、油粕、穀類、糖類、
栄養剤(ビタミン類、ミネラル類)及び、その他の養魚
用飼料原料に粘結剤を混合した配合飼料と、生餌破砕物
を混合撹拌した後、造粒機でペレット状に成型した養魚
飼料(モイストペレットまたはオレゴンペレットと称す
る)が急速に普及してきたが、各養殖業者の製造方法が
まちまちであり、成型した飼料ペレットも海面に投与す
ると崩れ易く、餌の散逸もあり、また浮遊性がないので
魚に摂餌されない飼料ペレットが沈下し養殖海面を汚染
するので自家汚染防止も限界にある。
【0004】また、ハマチ、タイ、ヒラメ等を代表とす
る海産魚のうち、特にタイの飼料として多用されている
飼料及び内水面養殖での飼料としてハードペレットと呼
称される固形ペレットがあるが、給餌に際し水面に投与
すると極短時間に崩壊し散逸するので、魚の捕食率が低
くなるという欠点がある。これは、配合飼料を粉体のま
ま圧縮成型したものであり、粘結剤あるいは、魚に必要
な量の脂肪分の添加が出来ず、別途、生餌あるいはモイ
ストペレット等を給餌する事が多い。この結果、給餌に
よる自家汚染を誘発し、海洋汚染防止効果は期待できな
い状況となっている。
【0005】モイストペレットの粘結剤としてカルボキ
シメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム
等の水溶性高分子を使用する事は、特公昭41−13773 号
公報に記載されている。しかし、これらの水溶性高分子
を使用したモイストペレットは、粘結力、耐海水性が弱
く、海水中に投与すると、短時間で膨潤し、粘結力が低
下して崩壊してしまう。従って、魚の摂餌による湧出流
の為、生簀外への餌の散逸が著しく、魚の捕食率の低下
を招くと共に漁場を汚染して好ましくない。更に、モイ
ストペレットは、硬さが不足な為、切口等が崩れ易く、
粉化が発生し好ましくない上に、製造時に餌箱に収納し
た時に自重により変形し、全体が団子状となり給餌作業
が困難となる。また、造粒時には配合物の混合混練を充
分に行わないと満足な製品が得られない事と、粘結剤を
加える事により吸水力を高めて硬さを得ているが、半
面、経時安定性に欠け、短時間で軟化し崩れ易い。
【0006】近時、一般的に実施されている一時冷凍
後、再解凍して給餌する場合や、造粒成型後やや長い時
間が経過したものは、成型ペレットの軟化が激しく、最
悪の場合は投餌できない状態になる事が多い。
【0007】また、ハードペレット(固形飼料)は良好
に投餌できるが、栄養的な欠陥、即ち、油脂分が少なく
海産魚に適さない事と、水中での崩壊性が高く散逸し易
いという欠点を有する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この問題
点を解決すべく鋭意研究の結果、生餌を使用せずに馬鈴
薯澱粉或いはα澱粉、小麦粉等を添加した配合飼料中
に、粘度及びエーテル化度が特定範囲にあるカルボキシ
メチルセルロースナトリウムを含有させる事によって、
或いはかかるカルボキシメチルセルロースナトリウムと
HLBが8以上の乳化剤を併用して含有させる事によっ
て、油脂分の多量添加を可能にし、一軸エクストルーダ
ー、二軸エクストルーダーを問わず良好にドライペレッ
トが成型出来る事を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち本発明は、生餌を使用せずに、粉
末飼料に水及び油脂を添加してなる養魚用飼料中に、下
記式 (1)及び(2) の条件を満足する粘度及びエーテル化
度を有するカルボキシメチルセルロースナトリウム(以
降CMCと省略する)を含有してなる事を特徴とする養
魚用飼料、及びかかるCMCとHLBが8以上の乳化剤
を含有してなる事を特徴とするペレット状養魚用飼料を
提供するものである。 log y≦ xlog 2.38+log 1090 …(1) log y≧ xlog 0.177+log 6710 …(2) (ここで、 y :カルボキシメチルセルロースナトリウムの1%水溶
液の粘度(cps) x :カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル
化度 を意味する。)。
【0010】通常、養魚用飼料としてエクスパンション
ペレット(EPと呼称される加圧加熱式成型)が製造さ
れているが、この飼料は成型時に油脂添加が出来ず、給
餌前に成型ペレットに油脂を吸着させる必要がある事
と、エクスパンディングタイプの為、給餌すると海面で
浮き生簀外への流出が大きい、また、後吸着させた油脂
はペレット内に練り込まれていないのでペレットから離
脱し易く海面を著しく汚染する。
【0011】本発明者らは、鋭意研究の結果、ペレット
径により適当な粘度及びエーテル化度のCMCを選択す
る事により、従来のエクスパンションペレットでは困難
であった油脂多量添加型の生餌を使用しない養魚飼料原
料のみで成型し、柔軟で崩壊し難いドライペレットを得
たものである。
【0012】本発明の養魚用飼料の原料としては通常用
いられるものが使用される。魚粉は、養魚飼料として使
用されるもので、大別してホワイトフィッシュミール、
ブラウンフィッシュミールの二種類があり、代表的な動
物性蛋白質源である。この他に適宜使用される動物性蛋
白質としては、肉粉、骨粉、フェザーミル、血粉、脱脂
粉乳、南極オキアミミール、イカミール等がある。ま
た、植物性原料としては、油粕、穀類、糟糠類、大豆粕
及び大豆粉、澱粉類、グルテンミール等が使用される。
ビタミン類としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミ
ンB6、ビタミンB12 、ビタミンC、ナイアシン、イノシ
トール、パラアミノ安息香酸等が使用される。また、ミ
ネラル類としてりん、カルシウム、カリウム、ナトリウ
ム等が要求に応じて配合される。
【0013】本発明の特徴は、モイストペレットの様に
生餌による粘結性を利用するのではなく、また、ハード
ペレットの様に蒸気による調湿の困難さもなく、配合飼
料調製時にCMC或いはCMCと乳化剤及びその他の添
加物を添加する事が出来ると共に、ペレット製造時の造
粒性向上及び成型性向上及び製造時の粉化防止効果を達
成した事にある。この場合、粘結剤としてCMC単独で
の使用ができるが、その他の水溶性高分子を適宜配合す
る事も可能である。また併用する乳化剤は予めプレミッ
クスに混合ができる。
【0014】また、賦型補助剤としては馬鈴薯澱粉或い
はα澱粉を3〜15重量%添加してもよい。従来、馬鈴薯
澱粉を使用した場合、α化する必要があり、そのために
高い温度(120〜140 ℃) で処理するが、添加水量により
ダイ吐出性が変わり造粒性が不安定になるという問題が
あった。また、造粒時の油脂添加量は6〜7重量%程度
が限界であり、求められている新飼料とはほど遠いもの
である。更に、α澱粉を使用した場合、低い温度 (80〜
100 ℃) で処理する事が可能であるが、多量の油脂添加
をする事は馬鈴薯澱粉と同様に困難である。また、成型
品が脆く粉化し易い事が難点である。
【0015】このように従来のドライペレットではカロ
リー源として必要な油脂添加量が重量で6〜7%程度が
限界であり、それ以上添加するとペレットが脆くなり目
的の成型ペレットが得られない事が欠点であり、本発明
においては、特定の粘度とエーテル化度を有するCMC
或いはこのCMCとHLBが8以上の乳化剤を併用する
事により、求められている多量の油脂添加が可能とな
る。
【0016】本発明では、上記の馬鈴薯澱粉あるいはα
澱粉に、CMCの適量又はCMCの適量と乳化剤を併用
添加する事により、油脂添加量を増加せしめる事と油脂
多量添加時の吐出安定性が得られる事を可能としたもの
である。即ち、特定の粘度とエーテル化度を有するCM
C或いはこのCMCとHLBが8以上の乳化剤を併用す
る事によりドライペレットの成型時に多量の油脂添加を
可能にし、成型時のエクストルーダーの動力負荷を軽減
し、また、ダイ吐出性を安定化する事によって均一な品
質のドライペレットの製造を可能にしたものである。
【0017】本発明に使用するCMCは、1%水溶液の
粘度(cps) とエーテル化度が以下の関係を満たすもので
ある。 log y≦ xlog 2.38+log 1090 …(1) log y≧ xlog 0.177+log 6710 …(2) (ここで、 y :CMCの1%水溶液の粘度(cps) x :CMCのエーテル化度(グルコース1分子当りのモ
ル数;mol/C6) を意味する。)CMCの粘度は、30〜10000cps、好まし
くは 500〜5000cps 、更に好ましくは1000〜3000cps の
範囲内から選択される。また、CMCのエーテル化度
は、0.70以上、好ましくは1.00以上、更に好ましくは1.
30以上の範囲内から選択される。使用するCMCは、粘
度及びエーテル化度が前記各式の関係を満たすものを目
的によって適宜選択すればよい。即ちα化促進の為に比
較的多量(25重量%以上)の添加水を必要とする場合
は、粘度が高く置換度は中庸のCMCが良く、α化が容
易な場合は粘度が低くても置換度が高いCMCが良好で
ある。また、α澱粉を使用した場合は処理温度の低下が
可能なため、粘度はより低いもので良く、置換度は高い
CMCが良い。
【0018】尚、本発明において、CMCの粘度は下記
の測定法により求められるものである。 <粘度の測定> 1.使用機器及び装置 (1)B型回転粘度計 タイプBM型或いはBL型(東京
計器製造所 (株) 製) (2)粘度管(ガラス製;内径55mm×深さ125 mm, 容量 28
5〜300 ) (3)自動上皿天秤(秤量20g, 最小目盛0.01g) (4)恒温水槽(25℃±0.1 ℃の温度に保持し得る) (5)水銀温度計(検定したもの) (6) 100mlメスシリンダー(ガラス製) 2.操作 (1)粘度管にメスシリンダーで純水(脱イオン水)100 m
lを採る。 (2)風乾試料 2.5gを自動上皿天秤で精秤し、粘度管を
手に持ち、中の水がもれないように注意し、振りながら
試料をゆっくり加える。 (3)この溶液にメスシリンダーで純水(脱イオン水)100
mlを追加する。 (4)次に絶乾試料1%水溶液に相当する純水量の差を次
式により求め、ビューレットで加える。
【0019】V= 2.5(100−M)−202.5 但しV;純水の追加量、M;風乾試料の水分を意味す
る。 (5)この溶液を時々攪拌しながら完全に溶解させる(5
〜6時間)。 (6)完全溶解後、25℃に保持した恒温水槽中に30分間以
上入れ、試験温度に達したことを確認する。 (7)溶液が試験温度に達したら、粘度管を恒温水槽から
取り出し、B型回転粘度計にセットし、回転を開始して
から1分後の目盛りを読み取る。 3.計算と報告 (1) 次式により粘度を計算する。 粘度(cps )=(読み)×(係数) ここで、係数は以下の換算係数表により決まるものであ
る。
【0020】
【表1】
【0021】(2) 報告 粘度は、試験溶液の濃度、温度、ローターNo. 及び回転
数を付記して表示する。
【0022】また、本発明に用いられる乳化剤として
は、HLBが8以上、特に8〜20、好ましくは10〜18、
更に好ましくは12〜16の範囲にあるものが使用される。
本発明に用いられる乳化剤としては、蔗糖脂肪酸エステ
ル、或いはこれらのポリオキシアルキレン付加物等が挙
げられる。エステルを形成する脂肪酸としては例えばス
テアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリン酸等
が例示されるが特にこれらに限定されるものではない。
また、これらのエステルは混合物であってもよく、その
エステル組成としては特に限定はしないが、モノエステ
ル含有量が多いものが良く、好ましくはモノエステルを
50重量%以上含有する混合物が良い。具体的には蔗糖ス
テアリン酸エステル、蔗糖パルミチン酸エステル、ソル
ビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタン
モノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラ
ウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
用いる乳化剤が常温で液体の場合は、直接添加してもよ
いが、プレミックス、すなわち飼料原料の一部、例えば
小麦粉、米糠等に前もって混合して添加しても良い。ま
た、固体の蔗糖エステルの場合は飼料原料を混合する過
程で添加処理が可能である。
【0023】本発明に用いられる粉末飼料は特別なもの
を必要とせず、通常養魚用として市販されている配合飼
料で充分である。配合飼料の加熱処理はコンデショナー
で行うこともできるが、エクストルーダーのバレル内で
直接行うこともできる。
【0024】また、水、油脂の添加も同様に行うことが
できるが、本発明に係わるCMCを添加することによ
り、適度な粘りと潤滑性が発現され、常に一定の剪断に
より添加水及び添加油脂が均一に混練される。従って、
添加した油脂の離脱も防止できるので、給餌時に於いて
も油脂を後添加した場合に比し海水中での離脱がなく海
洋環境を汚染する事もなく良好である。
【0025】本発明によるCMC又はCMCと乳化剤添
加の効果は、従来非常に困難とされていた多量の油脂添
加を可能にする事と造粒時の吐出性の安定化、製品の柔
軟性付与が挙げられる。また含水比率の高い成型ペレッ
トの場合でも水分活性が抑制される効果もあり、防黴及
び耐腐敗性を高める効果もある。
【0026】従来のモイストペレット(生餌ミンチと配
合飼料の併用品)は養殖場での現地製造である為、生餌
種或いは生餌の使用比率が各養殖場で異なる為に一定の
品質の飼料ペレットが得られない事が欠点であり、育成
した養殖魚の味覚、肉質等も大幅に異なる。また、各養
殖業者が設備を設置する事になり経費負担が大きい。更
に、モイストペレットは水分が多いので保存性が極端に
低く、給餌に際し取扱いが面倒である。
【0027】また、淡水魚用の乾燥ペレットが、cpm
タイプ(カルフォルニアペレットミル社)の成型機で製
造されているが、少ない水分(蒸気で供給する)の為、
機械的に強力な加圧が必要であり、水溶性粘結剤あるい
は、液状油脂の添加は困難である。海産魚、特にヒラ
メ、ハマチ、トラフグ等の雑食性でない魚類が必要とす
る柔軟性を持った成型ペレットは得られない。また、こ
のタイプの成型ペレットは給餌に際し、極単時間で吸水
崩壊し散逸するので、海面汚染防止には効果が期待され
ない。
【0028】本発明はこれらの点に着目してなされたも
のである。本発明の特徴としては、高蛋白質配合飼料を
使用してもよく、その配合飼料に少量の水及び多量の油
脂を同時に造粒機に供給しつつ柔軟性を持った成型ペレ
ットの製造可能にしたことである。
【0029】魚種により摂餌状況が異なるので、成型ペ
レットの物性(比重、沈降速度、柔軟性等)が容易に調
節可能な事が必要であり、本発明においてはCMCを
0.5〜5.0 重量%、好ましくは 1.0〜3.0重量%、乳化剤
を併用する場合は乳化剤を0.3〜2.0 重量%、好ましく
は 0.5〜1.2 重量%添加する事により、油脂多量添加が
可能となり、乾燥後も柔軟でハマチ等の海産魚の摂餌も
よい海洋汚染防止効果を持ったドライペレットが得られ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ソフトドライペレット
に所望とする量の水及び油脂を添加する事が可能にな
り、CMCの適度な粘りと潤滑性により良好な混練性が
得られ、ダイ吐出性も安定化されるので、常に一定の品
質を持った柔軟で崩れない良好な成型ペレットが得られ
る。また、澱粉の種類を変更する事により、α化に必要
な加熱処理の温度を調節できるので目的に応じペレット
の比重を調節する事も可能な為、摂餌のゆっくりしたト
ラフグ用或いはヒラメ用としても良好な飼料となる。ま
た、このペレットを給餌の為、海中に投与しても、保型
性が良好で崩れ難い為、水溶性栄養分の水中への溶出が
防止でき、また、添加油脂も充分に練りこまれているの
で離脱もなく海水の汚染も防止できる。また、本発明の
養魚用飼料は、崩れ難い為、生簀外への餌の流出も防止
できる事と、温度設定により任意の比重に調節できるの
で、魚の捕食率も高まり飼料高率が向上すると共に、散
逸した餌の沈下による漁場の環境悪化の防止にも効果が
ある。更に、無人化した沖合養殖での自動給餌も可能に
なるものである。
【0031】
【実施例】以下実施例にて本発明を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、例中
「部」は特記しない限り重量基準である。
【0032】実施例1〜8及び比較例1〜8 下記に示す試験用基本飼料に、粘結剤として種々の粘度
及びエーテル化度を有するCMC(いずれもダイセル化
学工業(株)製)を2重量%又は3重量%添加し、馬鈴
薯澱粉9重量%を混合した配合飼料を二軸エクストルー
ダーで造粒し、種々の養魚用飼料を製造した。二軸エク
ストルーダーはクリモトKEX−50(栗本鉄工(株))
のダイ径を9mmとして使用した。結果を表2及び3に示
す。試験用の基本飼料は下記の内容で調製した。 魚粉(ブラウンミール) 75.0部 アルファルファーミール 1.5 大豆粕 2.0 ビール酵母 1.4 肝臓粉末 0.7 第一燐酸カルシウム 0.7 栄養剤(ビタミン・ミネラル) 0.7 合 計 82.0部
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】注1;◎ 最良 ○ 良好 △ 悪い
× 非常に悪い この評価基準は以下の実施例及び比較例にても同じであ
る。
【0036】実施例9〜14 下記に示す試験用基本飼料に、粘結剤としてダイセル化
学工業(株)のCMC「CMCダイセル<2000>」又は
「CMCダイセル<1300>」を3重量%、小麦粉、馬鈴
薯澱粉又はα澱粉を表4に示す量混合し、ダイ径は9mm
を使用して造粒した。結果を表4に示す。試験用の基本
飼料は下記の内容で調製した。
【0037】
【表4】
【0038】実施例15〜18及び比較例9〜11 下記に示す試験用基本飼料に、粘結剤としてダイセル化
学工業(株)のCMC「CMCダイセル<1300>」2重
量%又は「CMCダイセル<1800>」2重量%、アーネ
ストガム(ダイセル化学工業 (株) 製のCMCの商品
名)2重量%及び馬鈴薯澱粉10重量%を混合し、ダイ径
3mmを使用し、二軸エクストルーダー(クリモトKEX
−50)で造粒した。結果を表5に示す。試験用の基本飼
料は下記の内容で調製した。
【0039】
【表5】
【0040】実施例19〜22及び比較例12〜14 下記に示す試験用基本飼料に、粘結剤としてダイセル化
学工業(株)のCMC「CMCダイセル<2200>」3重
量%又は「CMCダイセル<2000>」2重量%及び馬鈴
薯澱粉12重量%を混合し、ダイ径13mmを使用し、二軸エ
クストルーダー(クリモトKEX−50)で造粒した。結
果を表6に示す。試験用の基本飼料は下記の内容で調製
した。
【0041】
【表6】
【0042】実施例23〜34及び比較例15〜26 下記に示す試験用基本飼料に、粘結剤として種々の粘度
及びエーテル化度を有するCMC(いずれもダイセル化
学工業(株)製)を2重量%又は3重量%、及び乳化剤
1重量%を添加し、馬鈴薯澱粉9重量%を混合した配合
飼料を二軸エクストルーダーのダイ径9mmを使用して造
粒した。二軸エクストルーダーはクリモトKEX−50
(栗本鉄工(株))を使用した。押出時の状態を表7〜9に
示す。また、上記実施例及び比較例で用いた乳化剤を以
下に示す。 比較例15〜18;レオドールTW−L120(ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノラウレート) 比較例19〜26;レオドールSP−010 (ソルビタンモノオ
レエート) 実施例23〜26;レオドールTW−L120(ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノラウレート) 実施例27,29,32;レオドールTW−0106(ポリオキシエ
チレンソルビタンモノオレエート) 実施例28,30,33,34;レオドールTW−L120(ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート) 実施例31;レオドールSP−L10 (ソルビタンモノラウレ
ート) 尚、試験用の基本飼料は下記の内容で調製した。
【0043】
【表7】
【0044】
【表8】
【0045】
【表9】
【0046】実施例35,36及び比較例27〜29 下記に示す試験用基本飼料に、粘結剤としてダイセル化
学工業(株)のCMC(CMCダイセル<1380>)を2
重量%及び乳化剤 1.0重量%を添加し、馬鈴薯澱粉及び
小麦粉を表10に示す量混合した配合飼料を二軸エクスト
ルーダーのダイ径16mmを使用して造粒した。二軸エクス
トルーダーはクリモトKEX−50(栗本鉄工(株))を
使用した。押出時の状態を表10に示す。また、上記実施
例及び比較例で用いた乳化剤を以下に示す。 比較例29;リョートーシュガーエステル S−570 (蔗糖
ステアリン酸エステル) 実施例35;リョートーシュガーエステル S−570 とリョ
ートーシュガーエステルS−1570(蔗糖ステアリン酸エ
ステル)を1:1(重量比)でブレンドした乳化剤を使
用 実施例36;リョートーシュガーエステル L−1695(蔗糖
ラウリン酸エステル) 尚、試験用の基本飼料は下記の内容で調製した。
【0047】
【表10】
【0048】注2 IPC硬さ及びKIYA式硬度; IPC硬さは飯尾電気 (株) 製テクスチュアー測定器で
測定し、またKIYA式硬度はKIYA式硬度計で測定
した破壊圧力である。IPC硬さは生魚を二枚におろし
た骨付部分で通常10〜60程度、骨無部分で4〜25程度で
あり、市販のペットフード等では8〜70程度である。こ
の値がある程度高くないと柔軟性を保持しつつ良好な成
型性を得ることが出来なくなる。
【0049】実施例37,38及び比較例30〜32 下記に示す試験用基本飼料に、粘結剤としてダイセル化
学工業(株)のCMC(CMCダイセル<2000>)を3
重量%及び表11に示すHLBを有する液体乳化剤を0.5
重量%添加し、馬鈴薯澱粉及び小麦粉を表11に示す量混
合した配合飼料を二軸エクストルーダーのダイ径11mmを
使用して造粒した。二軸エクストルーダーはクリモトK
EX−50(栗本鉄工(株))を使用した。押出時の状態
を表11に示す。尚、乳化剤は小麦粉に事前添加し、飼料
に混合した。また、上記実施例及び比較例で用いた乳化
剤を以下に示す。 比較例32;レオドールSP−010 (ソルビタンモノオレエ
ート) 実施例37;レオドールTW−0106(ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノオレエート) 実施例38;レオドールTW−L120(ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート) 尚、試験用の基本飼料は下記の内容で調製した。
【0050】
【表11】

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生餌を使用せずに、粉末飼料に水及び油
    脂を添加してなる養魚用飼料中に、下記式 (1)及び(2)
    の条件を満足する粘度及びエーテル化度を有するカルボ
    キシメチルセルロースナトリウムを含有してなる事を特
    徴とするペレット状養魚用飼料。 log y≦ xlog 2.38+log 1090 …(1) log y≧ xlog 0.177+log 6710 …(2) (ここで、 y :カルボキシメチルセルロースナトリウムの1%水溶
    液の粘度(cps) x :カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル
    化度 を意味する。)
  2. 【請求項2】 生餌を使用せずに、粉末飼料に水及び油
    脂を添加してなる養魚用飼料中に、下記式 (1)及び(2)
    の条件を満足する粘度及びエーテル化度を有するカルボ
    キシメチルセルロースナトリウム及びHLBが8以上の
    乳化剤を含有してなる事を特徴とするペレット状養魚用
    飼料。 log y≦ xlog 2.38+log 1090 …(1) log y≧ xlog 0.177+log 6710 …(2) (ここで、 y :カルボキシメチルセルロースナトリウムの1%水溶
    液の粘度(cps) x :カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル
    化度 を意味する。)
JP4001587A 1991-07-09 1992-01-08 新規な養魚用飼料 Expired - Fee Related JP2892539B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4001587A JP2892539B2 (ja) 1991-07-09 1992-01-08 新規な養魚用飼料
KR1019920003195A KR950004425B1 (ko) 1991-07-09 1992-02-28 양어용 사료 및 그 제조방법

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-168095 1991-07-09
JP16809691 1991-07-09
JP3-168096 1991-07-09
JP16809591 1991-07-09
JP4001587A JP2892539B2 (ja) 1991-07-09 1992-01-08 新規な養魚用飼料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0564552A JPH0564552A (ja) 1993-03-19
JP2892539B2 true JP2892539B2 (ja) 1999-05-17

Family

ID=27274984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4001587A Expired - Fee Related JP2892539B2 (ja) 1991-07-09 1992-01-08 新規な養魚用飼料

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2892539B2 (ja)
KR (1) KR950004425B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180105509A (ko) * 2017-03-15 2018-09-28 롯데정밀화학 주식회사 어류 양식용 사료 조성물, 이를 포함하는 사료 및 그 제조방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4494865B2 (ja) * 2004-05-20 2010-06-30 第一工業製薬株式会社 ハイカロリー養魚用モイストペレットの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180105509A (ko) * 2017-03-15 2018-09-28 롯데정밀화학 주식회사 어류 양식용 사료 조성물, 이를 포함하는 사료 및 그 제조방법
KR102453961B1 (ko) 2017-03-15 2022-10-12 롯데정밀화학 주식회사 어류 양식용 사료 조성물, 이를 포함하는 사료 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
KR950004425B1 (ko) 1995-05-01
JPH0564552A (ja) 1993-03-19
KR930001799A (ko) 1993-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5030043B2 (ja) 養魚用飼料
JP5615643B2 (ja) 養魚用飼料
JP7036890B2 (ja) マグロ類養殖魚及びマグロ類養殖魚の可食部
JP2023059957A (ja) マグロ類養殖魚及びその用途、並びにマグロ類養殖魚の作出方法
JPS621697B2 (ja)
JP2892539B2 (ja) 新規な養魚用飼料
JP3145808B2 (ja) 養魚用飼料
JP2005176624A (ja) 常温保管及び常温流通可能な養殖魚用固形飼料
US3620754A (en) Process for preparing a water-containing feed for cultivating macrura and product
JP3080117B2 (ja) 養魚餌料用混合飼料及び養魚用餌料
JP2000201631A (ja) 養魚用固形飼料
JP3103843B2 (ja) 新規な養魚用餌料
JP3036920B2 (ja) 養魚用固形飼料
JP2640533B2 (ja) 多孔性養魚飼料及びその製造方法
JP2019198310A (ja) ペットフード、粒状ペットフード、及びペットフードの製造方法
JP3415076B2 (ja) 飼料用レシチンオイル
JP2775509B2 (ja) 新規な養魚用餌料
JP2000333616A (ja) 固形飼料の製法
JPH0937723A (ja) 養魚用シングルモイストペレット飼料の製造方法
CA2933510C (en) Methods of feeding high fat poured feed blocks
JP2789555B2 (ja) 養魚用飼料ペレット及びその製造方法
JP2003235470A (ja) 養魚用飼料
JPH0975013A (ja) 養魚用飼料ペレットの濁り防止剤
JPH10113131A (ja) 魚類飼料添加油および肉質改善魚類飼料
JP2000270787A (ja) 養魚用固形飼料

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees