JP2023059957A - マグロ類養殖魚及びその用途、並びにマグロ類養殖魚の作出方法 - Google Patents

マグロ類養殖魚及びその用途、並びにマグロ類養殖魚の作出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】天然のマグロ類と比較して、セレン含有量が低いマグロ類養殖魚及びその飼育方法、並びにセレン含有量が低いマグロ類養殖魚の加工食品及びその製造方法を提供する。【解決手段】セレン含有量が100gあたり90μg以下である筋肉と、セレン含有量が100gあたり1400μg以下である肝臓とのいずれか一方を有する、マグロ類養殖魚、その可食部及び可食部を含む加工熱食品;30重量%以上をイワシ魚粉で構成された魚粉、及び油脂を含む内包と、内包を包み、且つ、タンパク質及び多糖類からなる群より選択される少なくとも1つの物質から構成される外皮と、を含む配合飼料を、少なくとも30日間継続して給餌することを含む飼育方法。【選択図】図2

Description

本開示は、マグロ類養殖魚及びその用途、並びにマグロ類養殖魚の作出方法に関する。
魚類の養殖では、栄養面、安定供給、環境汚染面、永続的な養殖等の観点から、生餌から配合飼料への転換が図られており、種々の配合飼料が開発されている。特に、魚食性の高い魚種についても配合飼料への転換が進むように、魚種の嗜好性に合わせた配合飼料が提案されている。
例えば、WO 2010/110326 A1及び特開2012-65565号公報には、外層及び内層を有する養魚用飼料が開示されている。これらの養魚用飼料は、マグロ類のような嗜好性が高い養殖魚に対して用いられ、摂餌性及び飼料効率がよいと記載されている。特開2014-45750号公報には、外皮と、タンパク質原料及び液状油を含有する内包からなる二重構造の飼料が開示されており、この飼料は、摂餌性が高く、且つ油漏れが抑制されると記載されている。
一方、セレンは、含セレンタンパク質の形態で生理機能を発現し、抗酸化システム及び甲状腺ホルモン代謝において重要とされている微量元素である。セレンの摂取推奨量は、成人男子で30μg、成人女子で25μgであり、子供のセレン摂取推奨量は成人の推奨量を下回り、20μgとされている。セレンの大量摂取は、毒性を示す可能性があり、セレンの過剰摂取による毛髪と爪の脆弱化及び脱落などが知られている。
一方で、マグロ類には高濃度にセレンが含まれることが知られている。例えば、Journal of Food Composition and Analysis, 2001, Vol.14, pp. 461-467には、天然のマグロのセレン含有量は、0.743mg/kgと記載されており、マグロ類の筋肉(赤身)におけるセレン含有量は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)によれば、およそ110μg/100gであると記載されている。
WO 2010/110326 A1 特開2012-65565号公報 特開2014-45750号公報
Journal of Food Composition and Analysis, 2001, Vol.14, pp. 461-467
上述したように、マグロはセレン含有量が高い魚類として知られている一方で、刺身などで比較的容易に食することができる魚類であるため、マグロ類を食すことで、セレン摂取量が推奨摂取量を超過しやすい。天然のマグロ類及び生餌で飼育された養殖魚は、アジ、サバ等の魚を自由に食べていることからセレン含有量を調整することが困難である。このため、セレン含有量を低く抑えたマグロ類養殖魚を、新たに作出する必要がある。
したがって、本開示の目的は、天然のマグロ類又は生餌で飼育されたマグロ類養殖魚と比較して、セレン含有量が低いマグロ類養殖魚及びその飼育方法、並びにセレン含有量が低いマグロ類養殖魚の可食部及びその加工食品とその製造方法を提供することである。
本開示は以下の態様を含む。
[1] セレン含有量が100gあたり90μg以下である筋肉と、セレン含有量が100gあたり1400μg以下である肝臓とのいずれか一方を有する、マグロ類養殖魚。
[2] 配合飼料を含む餌料で飼育管理されることにより得られた、[1]記載のマグロ類養殖魚。
[3] 総魚体重が20kg以上である[1]又は[2]記載のマグロ類養殖魚。
[4] 尾叉長が90cm以上である[1]~[3]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[5] 肥満度が20以上である[1]~[4]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[6] マグロ属、ソウダガツオ属、ハガツオ属、スマ属、又はカツオ属のマグロ類である[1]~[5]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[7] 前記マグロ類はビンナガ、クロマグロ、ミナミマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ、コシナガ、ハガツオ又はスマである[6]のマグロ類養殖魚。
[8] 北半球を生息域とする魚類を主食とするマグロ類である[6]又は[7]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[9] ビンナガ、クロマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ、コシナガ、ハガツオ又はスマである[8]記載のマグロ類養殖魚。
[10] 鰓、内臓、尾部及び頭部からなる群より選択される部位の少なくとも1つが除去されている[1]~[9]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[11] 鰓及び内臓が除去された形態である[1]~[10]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚。
[12] 全重量が17kg以上である[11]記載のマグロ類養殖魚。
[13] セレン含有量が100gあたり90μg以下である筋肉と、セレン含有量が100gあたり1400μg以下である肝臓との少なくとも一方を有するマグロ類養殖魚の可食部。
[14] 魚肉又は内臓の少なくとも一部である[13]記載のマグロ類養殖魚の可食部。
[15] 赤身又は脂身である[13]記載のマグロ類養殖魚の可食部。
[16] セレン含有量が100gあたり90μg以下である筋肉又は、セレン含有量が100gあたり1400μg以下である肝臓である[14]記載のマグロ類養殖魚の可食部。
[17] [13]~[16]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚の可食部と、前記可食部を収容する容器と、を含む、マグロ類養殖魚の加工食品。
[18] 30重量%以上をイワシ魚粉で構成された魚粉、及び油脂を含む内包と、前記内包を包み、且つ、タンパク質及び多糖類からなる群より選択される少なくとも1つの物質で構成される外皮と、を含む配合飼料を、少なくとも30日間継続して給餌することを含む、[1]~[12]のいずれか1に記載のマグロ類養殖魚の飼育方法。
[19] [18]記載のマグロ類養殖魚の飼育方法で得られたマグロ類養殖魚を用意すること、用意されたマグロ類養殖魚から、可食部を採取すること、前記可食部を容器に収容すること、を含む、マグロ類養殖魚の加工食品の製造方法。
本開示によれば、天然のマグロ類又は生餌で飼育されたマグロ類養殖魚と比較して、セレン含有量が低いマグロ類養殖魚及びその飼育方法、並びにセレン含有量が低いマグロ類養殖魚の可食部及びその加工食品とその製造方法を提供することができる。
図1は、実施例における魚肉の採取場所を示す魚体の長手方向に直交する方向での断面の模式図である。 図2は、実施例におけるマグロ類養殖魚の筋肉におけるセレン含有量の変遷を示すグラフである。 図3は、実施例におけるマグロ類養殖魚の肝臓におけるセレン含有量の変遷を示すグラフである。 図4は、本開示におけるマグロ類養殖魚の加工食品の一例を斜視図で示す。
本開示において「工程」に言及する場合、当該工程の目的が達成されることを念頭に置いており、当該工程が他の工程と截然と区別できるか否かは問題としない。本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本開示において、ある成分についての百分率で表される数値範囲に関して上限値を「以下」又は「未満」表現した場合、下限値について特に言及されないときは、その下限値は0%、即ち当該成分を含有しないことを意味する。本開示において組成物中のある成分の含有量について言及する場合、該組成物を構成する複数の材料又は原料が当該成分をそれぞれ含有しているときには、特に断らない限り、該複数の材料又は原料に含有される当該成分の合計として表される。
本開示におけるセレン含有量は、対象物(例えば、筋肉又は肝臓)100gを単位重量とした含有量として表している。したがって、必ずしもマグロ類養殖魚における筋肉又は肝臓全体の大きさそのもの、又はマグロ類養殖魚の可食部全体の大きさそのものが100gであることを意味するものではない。
本開示の一実施形態におけるマグロ類養殖魚は、セレン含有量が100gあたり90μg以下である筋肉と、セレン含有量が100gあたり1400μg以下である肝臓とのいずれか一方を有する。本明細書では、このマグロ類養殖魚を、「低セレンマグロ類養殖魚」と称する場合がある。なお、このような筋肉と肝臓とを両方とも有していてもよい。
本開示の一実施形態におけるマグロ類養殖魚の可食部は、セレン含有量が100gあたり90μg以下である筋肉と、セレン含有量が100gあたり1400μg以下である肝臓との少なくとも一方を有するマグロ類養殖魚の可食部である。なお、本開示の一実施形態におけるマグロ類養殖魚は、このような筋肉と肝臓とを両方とも有していてもよい。
本開示の一実施形態におけるマグロ類養殖魚の加工食品は、上記のマグロ類養殖魚の可食部と、前記可食部を収容する容器と、を含む。
天然マグロの赤身におけるセレン含有量は、100gあたり110μgであるのに対して、本開示のマグロ類養殖魚では、セレン含有量が筋肉で100gあたり90μg以下、肝臓で100gあたり1400μg以下であるので、マグロ類養殖魚におけるセレン含有量が大幅に低減されている。このような低いセレン含有量の組織を有するマグロ類養殖魚及びその可食部は、これまでに確認されていない。
したがって、本開示におけるマグロ類養殖魚は、生餌を食する天然のマグロ類等よりも遥かに低い濃度でセレンを含有するので、筋肉又は肝臓のような可食部を食しても、天然マグロ又は生餌で飼育したマグロ類養殖魚よりもセレン摂取量を抑えることができる。この結果、セレンの過剰摂取のリスクを、天然マグロ又は生餌で飼育したマグロ類養殖魚よりも低くすることができる。
本開示の一実施形態におけるマグロ類養殖魚の飼育方法は、30重量%以上をイワシ魚粉で構成された魚粉、及び油脂を含む内包と、前記内包を包み、且つ、タンパク質及び多糖類からなる群より選択される少なくとも1つの物質で構成される外皮と、を含む配合飼料を、少なくとも30日間継続して給餌することを含む。
上記の低セレンマグロ類養殖魚の飼育方法では、内包とこれを包む外皮とを含む配合飼料を用いて飼育することを含み、ここで、内包は、30重量%以上をイワシ魚粉で構成された魚粉と油脂とを含む。このような配合飼料を、少なくとも30日間継続して給餌することによって、上述した低セレンマグロ類養殖魚を効率よく得ることができる。
以下、それぞれの実施形態について更に詳細に説明する。
<マグロ類養殖魚>
低セレンマグロ類養殖魚であるマグロ類としては、マグロ族及びハガツオ族を挙げることができる。マグロ族としては、マグロ属、ソウダガツオ属、スマ属、カツオ属等を挙げることができ、ハガツオ族としては、イソマグロ属、ハガツオ属等を挙げることができる。マグロ類としては、例えば、マグロ属のビンナガ、クロマグロ、ミナミマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ、コシナガ等、カツオ属のカツオ、ソウダガツオ属のヒラソウダ及びマルソウダ、スマ属のスマ等、ハガツオ属のハガツオを挙げることができ、あるいは、ビンナガ、クロマグロ、ミナミマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ、コシナガ、ハガツオ又はスマとすることができる。
低セレンマグロ類養殖魚は、天然では北半球を生息域とする魚類を主食とすることができるマグロ類であることが好ましい。このような天然では北半球を生息域とする魚類を主食とすることができるマグロ類としては、ビンナガ、クロマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ、コシナガ、ハガツオ又はスマであることができる。
低セレンマグロ類養殖魚は、どのような方法で得られた養殖魚であってもよく、配合飼料を含む飼料で飼育管理されることにより得られたものであることが好ましい。
「配合飼料」とは、魚類の成育に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラル等の栄養素を満たすように素材を組み合わせた飼料を意味する。「飼育管理」とは、特定の目的を達成するために選択された餌料を用いて飼育されていることを意味する。
低セレンマグロ類養殖魚は、セレン含有量が100gあたり90μg以下である筋肉と、セレン含有量が100gあたり1400μg以下である肝臓とのいずれか一方を有する。なお、このような筋肉及び肝臓を両方とも有していてもよい。筋肉及び肝臓は、マグロ類養殖魚の一般的な可食部であるので、筋肉及び肝臓のいずれか一方のセレン含有量が上記の範囲内であれば、天然又は生餌で飼育したマグロ類養殖魚よりも食したときのセレン摂取量を低くすることができる。
低セレンマグロ類養殖魚の筋肉におけるセレン含有量は、筋肉100gあたり、90μg以下であり、より低いセレン含有量の可食部を提供可能にする観点から、80μg以下、70μg以下、60μg以下、55μg以下又は50μg以下とすることができる。セレン含有量がより低い場合には、過剰摂取のリスクをより低減できる傾向がある。セレン含有量の下限値については特に制限はなく、例えば、30μg以上又は35μg/100g以上とすることができる。なお、現実には想定しがたいことではあるが、本開示の目的に鑑みれば、筋肉100gあたりのセレン含有量は0であっても差し支えない。
低セレンマグロ類養殖魚の肝臓におけるセレン含有量は、肝臓100gあたり、1400μg以下であり、より低いセレン含有量の可食部を提供可能にする観点から、1350μg以下、1300μg以下、1200μg以下、1100μg以下、1000μg以下、900μg以下、800μg以下、700μg以下又は600μg以下とすることができる。セレン含有量がより低い場合には、過剰摂取のリスクをより低減できる傾向がある。セレン含有量の下限値については特に制限はなく、例えば、300μg以上とすることができる。なお、現実には想定しがたいことではあるが、本開示の目的に鑑みれば、肝臓100gあたりのセレン含有量は0であっても差し支えない。
筋肉としては、背側筋、腹側筋、背側竜骨筋、腹側竜骨筋、血合筋等が挙げられる。背側筋、腹側筋、背側竜骨筋及び腹側竜骨筋は、魚体の比較的深部にあり、ミオグロビン含有量がより多く赤味を呈している赤身と、魚体の比較的浅部にあり、ミオグロビン含有量がより少なく赤味がより薄い脂身とに分けることができる。脂身は通称、「トロ」とも称される場合があり、脂の量に応じて「大トロ」、「中トロ」などと呼ばれる。血合筋とは、背側部及び腹側部側筋の接合部付近の赤褐色の筋肉をいう。
本開示におけるセレン含有量は、次のようにして測定された値を意味する。筋肉の場合、筋肉の一部、例えば5cm角の程度の大きさに切り出し、試験片とする。肝臓の場合には、肝臓の一部、例えば中央部分を5cm×5cmの大きさに切り出し、試験片とする。
試験片中のセレン量は、「衛生試験法・注解2010」(日本薬学会編、2010年2月20日発行、金原出版)433頁の「(1)蛍光光度測定法による定量」に基づく方法により測定する。
セレンとしては、無機セレン及び有機セレンを挙げることができ、有機セレンには、グルタチオンペルオキシダーゼ、ヨードチロニン脱ヨウ素酵素、チオレドキシンレダクターゼ等の含セレンタンパク質、セレノメチオニン、セレノシスチン等の含セレンアミノ酸を挙げることができる。低セレンマグロ類養殖魚は、これらの無機セレン及び有機セレンを単独で又は2以上を組み合わせて含むことができる。
好ましくは、低セレンマグロ類養殖魚は、筋肉及び肝臓のいずれにおいても、天然又は生餌で飼育されたマグロ類養殖魚よりも低い含有量でセレンを有する。例えば、低セレンマグロ類養殖魚は、100gあたり、90μg以下、80μg以下、70μg以下、60μg以下、55μg以下又は50μg以下のセレン含有量の筋肉と、100gあたり、1400μg以下、1350μg以下、1300μg以下、1200μg以下、1100μg以下、1000μg以下、900μg以下、800μg以下、700μg以下又は600μg以下のセレン含有量の肝臓とを有することができる。
より好ましくは、低セレンマグロ類養殖魚は、100gあたり、30μg以上であって、70μg以下、60μg以下、55μg以下、又は50μg以下のセレン含有量の筋肉と、100gあたり、300μg以上であって、1000μg以下、900μg以下、800μg以下、700μg以下又は600μg以下のセレン含有量の肝臓とを有することができる。
低セレンマグロ類養殖魚は、好ましくは20以上、より好ましくは21以上、更に好ましくは22以上の肥満度を有することができる。肥満度が20以上の低セレンマグロ類養殖魚は、天然魚と比較して、いわゆる脂がのっている可食部をより多く提供することができる。
肥満度は、一般に、以下の式[1]に基づいて評価することができる。
肥満度=重量(g)/[{尾叉長(cm)}]×1000・・・[1]
低セレンマグロ類養殖魚は、90cm以上、100cm以上、120cm以上、150cm以上、又は200cm以上の尾叉長を有することができる。90cm以上の尾叉長を有する低セレンマグロ類養殖魚は、天然魚と比較して肥満度が高くなる傾向が強く、可食部をより多く提供することができる。尾叉長とは、魚の頭部先端部からヒレ中央の端部までの距離をいい、当業者には周知の外部形態の指標である。尾叉長の測定は、魚の頭部先端部からヒレ中央の端部までの平面視直線距離を測定する。低セレンマグロ類養殖魚の尾叉長の上限値については、特に制限はなく、例えば1000cm以下とすることができる。
魚個体の低セレンマグロ類養殖魚の場合、低セレンマグロ類養殖魚の魚全体の重量、すなわち総魚体重は、20kg以上であることが好ましく、25kg以上であることがより好ましく、30kg以上であることが更に好ましく、35kg以上であることが更により好ましく、40kg以上であることが特に好ましい。総魚体重がより重い低セレンマグロ類養殖魚は、可食部をより多く得ることができる利点などを得ることができる。
低セレンマグロ類養殖魚の魚全体の重量の上限値については、特に制限はなく、例えば500kg以下とすることができる。
魚個体の重量の測定は、水揚げ後に、まず血抜きを行ってから鰓と内臓を除去し、これらを除去した後の魚体、すなわち、後述するGGマグロの重量を測定する。除去された内臓と鰓の合計の重量と、GGマグロの重量とを合計して得られた重量を「総魚体重」とする。重量の測定には、魚の重量を測定する際に通常用いられる測定器を用いることができる。
低セレンマグロ類養殖魚の形態としては、頭部から尾部までのいずれの部位も備えた形態、即ち、「魚個体」と、魚個体の魚体の一部が除去された「加工形態」とを挙げることができる。
加工形態の低セレンマグロ類養殖魚としては、鰓、内蔵、尾部及び頭部からなる群より選択される部位の少なくとも1つが除去されたものを挙げることができる。内蔵としては、食道、胃、腸管、肝臓、幽門垂、精巣、卵巣、膵臓、心臓、浮き袋等を挙げることができる。加工形態は、例えば流通の便宜に応じて適宜選択され、例えば、鰓及び内蔵が除去された形態を挙げることができる。鰓及び内蔵が除去された形態のマグロ類は、一般に、GG(gilled and gutted)マグロと称されている。換言すれば、「GGマグロ」は、鰓と、内蔵、具体的には、食道、胃、腸管,肝臓、幽門垂、生殖腺(精巣又は卵巣)、脾臓、心臓、及び浮き袋とが除去された形態を指す。このような加工形態となったマグロ類養殖魚を、マグロ類処理品と称することとしてもよい。
GGマグロの重量は、総魚体重の85~89%程度に相当することが知られている。本開示の一実施形態におけるGGマグロの重量は、17kg以上であることが好ましく、21kg以上であることがより好ましく、26kg以上であることが更に好ましく、34kg以上であることが更により好ましい。重量が重くなるほど、可食部をより多く得ることができる利点などを得ることができる。GGマグロの長さは、上述した低セレンマグロ類養殖魚の尾叉長とほぼ同一であり、即ち、GGマグロは、90cm以上、100cm以上、又は120cm以上の長さを有することができる。90cm以上の長さを有するGGマグロは、天然魚と比較して魚体が大きく、可食部をより多く提供することができる。
他の加工形態としては、例えば、GGマグロから更に頭部及び尾部が除去された、いわゆるヘッドレス形態と、ヘッドレス形態を左右及び背側と腹側に分けて、四つ割り状態にした、いわゆるロイン形態とを挙げることができる。
鰓、内臓及び頭部からなる群より選択される部位の少なくとも1つが除去されている加工形態の低セレンマグロ類養殖魚は、100gあたり、90μg以下、80μg以下、70μg以下、60μg以下、55μg以下又は50μg以下のセレン含有量の筋肉と、100gあたり、1400μg以下、1350μg以下、1300μg以下、1200μg以下、1100μg以下、1000μg以下、900μg以下、800μg以下、700μg以下又は600μg以下のセレン含有量の肝臓との少なくとも一方を有することができる。加工形態の低セレンマグロ類養殖魚の筋肉又は肝臓におけるセレン含有量は、上述と同様に、特に制限はないが、筋肉の場合には、100gあたり、例えば30μg以上とすることができ、肝臓の場合には、100gあたり、例えば300μg以上又は350μg以上とすることができる。
本開示の一実施形態にかかる低セレンマグロ類養殖魚としては、例えば、以下のものが挙げられる:
(1)100gあたり、30μg以上であって、70μg以下、60μg以下、55μg以下又は50μg以下のセレン含有量の筋肉を有し、かつ、肥満度が21以上、総魚体重が25kg以上、又は尾叉長が90cm以上の低セレンマグロ類養殖魚;
(2)100gあたり、30μg以上であって、70μg以下、60μg以下、55μg以下又は50μg以下のセレン含有量の筋肉を有し、かつ、肥満度が20以上、総魚体重が20kg以上、又は尾叉長が100cm以上の低セレンマグロ類養殖魚;
(3)100gあたり、30μg以上であって、70μg以下、60μg以下、55μg以下又は50μg以下のセレン含有量の筋肉を有し、かつ、肥満度が21以上、全重量が21kg以上、又は尾叉長が90cm以上のGGマグロである低セレンマグロ類養殖魚;及び、
(4)100gあたり、30μg以上であって、70μg以下、60μg以下、55μg以下又は50μg以下のセレン含有量の筋肉を有し、かつ、肥満度が20以上、全重量が17kg以上、又は尾叉長が100cm以上のGGマグロである低セレンマグロ類養殖魚:
(5)100gあたり、300μg以上であって、1000μg以下、900μg以下、800μg以下、700μg以下又は600μg以下のセレン含有量の肝臓を有し、かつ、肥満度が21以上、総魚体重が25kg以上、又は尾叉長が90cm以上の低セレンマグロ類養殖魚;
(6)100gあたり、300μg以上であって、1000μg以下、900μg以下、800μg以下、700μg以下又は600μg以下のセレン含有量の肝臓を有し、かつ、肥満度が20以上、総魚体重が20kg以上、又は尾叉長が100cm以上の低セレンマグロ類養殖魚;
(7)100gあたり、300μg以上であって、1000μg以下、900μg以下、800μg以下、700μg以下又は600μg以下のセレン含有量の肝臓を有し、かつ、肥満度が21以上、全重量が21kg以上、又は尾叉長が90cm以上のGGマグロである低セレンマグロ類養殖魚;及び、
(8)100gあたり、300μg以上であって、1000μg以下、900μg以下、800μg以下、700μg以下又は600μg以下のセレン含有量の肝臓を有し、かつ、肥満度が20以上、全重量が17kg以上、又は尾叉長が100cm以上のGGマグロである低セレンマグロ類養殖魚:
(1)~(8)の低セレンマグロ類養殖魚はセレン含有量が低いため、食品として用いた場合に、セレン摂取量を控えた食品を提供することができる。
筋肉に関する(1)~(4)の形態と、肝臓に関する(5)~(8)の形態とは、可能な範囲において、それぞれ独立して互いに組み合わせたものであってもよい。
<可食部及び加工食品>
本開示の一実施形態は、セレン含有量が100gあたり90μg以下である筋肉と、セレン含有量が100gあたり1400μg以下である肝臓との少なくとも一方を有するマグロ類養殖魚の可食部である。換言すれば、本マグロ類養殖魚の可食部は、上述した低セレンマグロ類養殖魚の可食部であり得る。低セレンマグロ類養殖魚は、上述したように、個体におけるセレン含有量が低くなっている。このため、低セレンマグロ類養殖魚から得られる可食部もまた、生餌を食べる天然のマグロ類又はマグロ類養殖魚から得られる可食部よりも、低いセレン含有量のものとすることができる。したがって、本開示の一実施例に係る可食部が食として供与された場合に、天然又は生餌で飼育されたマグロ類養殖魚における同一部位の可食部よりも、セレン摂取量を低く抑えることができ、セレンの過剰摂取のリスクを低減させることができる。このようなマグロ類養殖魚の可食部を、マグロ類可食部と称することとしてもよい。
「可食部」とは、食に供与可能な魚体の一部位、例えば、魚肉、内蔵、眼球、皮、脳、血液等を挙げることができ、組織又は臓器の場合には、組織又は臓器の全体であってもよく更にその一部であってもよい。例えば、肝臓の場合には、肝臓全体であってもよく、その一部であってもよい。なお、ここでいう食用とは、ヒトに対する食用のみならず、ヒト以外の動物に対する食用であってもよい。
可食部としては、魚肉であってもよく、内臓の少なくとも一部であってもよい。
可食部としての魚肉は、筋肉であって、一般に非加熱(ナマ)又は加熱して食する部分である。魚肉には、上述した赤身、脂身、血合筋等を挙げることができ、赤身又は脂身であることが好ましい。
可食部としての内臓は、肝臓、幽門垂、胃、食道、腸管、生殖腺(精巣又は卵巣)、脾臓、心臓、浮き袋等を挙げることができる。これらの内臓は、一般に加熱して食すことができる。可食部としての眼球には、周辺の筋肉が付着していてもよい。
上述したように、本開示の一実施形態におけるマグロ類養殖魚の可食部は、低セレンマグロ類養殖魚の可食部であり、すなわち、セレン含有量が100gあたり90μg以下である筋肉又は、セレン含有量が100gあたり1400μg以下である肝臓である。可食部としての魚肉(筋肉)及び肝臓におけるセレン含有量については、低セレンマグロ類養殖魚に関して既述した事項がそのまま適用される。可食部としての他の部位についても、筋肉及び肝臓と同様に、天然マグロ等と比較してセレン含有量が低いため、天然マグロの対応する部位における含有量よりも低い含有量とすることができ、例えば、胃については、100gあたり250μg以下であってもよい。
マグロ類養殖魚の可食部には、魚肉又は内臓の周囲の部位が付着していてもよい。例えば、粗(アラ)も、本開示の「可食部」に含まれる。粗は、一般に、魚をおろして身を取った後に残る頭部、骨、鰓、ヒレ又はこれらの2つ以上の組み合わせと、これらに付着した肉及び皮を意味する。
マグロ類養殖魚の可食部は、加工食品、例えば以下の加熱食品及び非加熱食品として好ましく用いられるほか、動物用飼料としても適用できる。一実施形態にかかる加工食品及び動物用飼料は、低セレンマグロ類養殖魚の可食部を含むことができる。本開示によれば、セレンの過剰摂取を容易に回避可能な食品及び動物用飼料を提供することができる。
動物用飼料としては、キャットフード、ドッグフード、養殖魚用飼料、養鶏用飼料、畜産飼料などを挙げることができる。動物用飼料における低セレンマグロ類養殖魚の可食部の割合については、特に制限はなく、0.1重量%~100重量%等とすることができる。動物用飼料は、低セレンマグロ類養殖魚の可食部以外にも、対象となる動物の種類に応じて、ビタミン等の他の栄養素、水等の動物用飼料として許容可能な担体、賦形剤等の他の添加剤を、必要に応じて適宜含むことができる。動物用飼料は、後述する容器に収容されたものであってもよい。食品としては、非加熱食品、加熱食品などを挙げることができる。
本開示の一実施形態は、低セレンマグロ類養殖魚の可食部と、前記可食部を収容する容器を含むマグロ類養殖魚の加工食品を含む。加工食品としては、加熱品及び非加熱品を含むことができる。このような容器を含むマグロ類養殖魚の加工食品を、マグロ類加工品と称することとしてもよい。
非加熱品とは、加熱調理に付していない可食部を意味し、すり身、さしみ、さく、ブロック及び切り身、並びに、これらの冷凍品、チルド品、フリーズドライ品、干物、漬けなどを挙げることができる。加熱調理に付していないことは、可食部表面の色調で判断することができる。本明細書において「加熱」とは、視認できる程度にアクトミオシンが変性する状態にまで、熱が付与されることを意味する。養殖魚の可食部に対して加熱処理を行うと、アクトミオシンの変性によって可食部が変色するため、可食部の変色に基づいて判断することができる。
加熱品とは、加熱調理に付された可食部を意味し、煮物、焼き物、蒸し物、揚げ物、練り製品、缶詰などを挙げることができる。
加工食品に含まれる可食部の形状は特に制限はなく、可食部の部位特有の形状を有していてもよく、細断されて得られる不定形のものであってもよく、更に特定の形状の成形されたものであってもよい。
加工食品には、必要に応じて、他の食品、食品素材、及び付属品からなる群より選択される少なくとも1つを含むことができる。他の食品としては、米、つま(だいこん、海藻類等)、大葉、しょうが(がり)、スプラウト、薬味などを挙げることができる。食品素材としては、ねぎとろ用ねぎなどを挙げることができる。付属品としては、例えば、バラン、表示(ラベル)、保冷剤、冷却剤、吸水シート、氷、ドライアイス,シャーベットアイスなどを挙げることができる。付属品は、可食部と共に容器内に収容されていてもよく、容器の外側に配置されていてもよく、また、容器と一体不可分であってもよく、脱着自在に添付されていてもよい。他の食品、食品素材及び付属品はそれぞれ、1つ又は2つ以上の組み合わせであってもよい。
容器は、可食部を収容するために用いられるものであればよく、発泡スチロール、紙、ビニール、軟質プラスチック、硬質プラスチック、金属、ガラスなどの材質のものが例示できる。容器の形状は、可食部を収容できるものであればよく、包装用シート、蓋付き又は蓋なしのトレー、袋、缶などを例示できる。たとえば、図4に示すように、可食部としてのマグロ筋肉を切り分けたサク11を、容器としてのトレー12に載置しさらに全体を容器としてのラップ13で包んだものをマグロ類養殖魚の加工食品10とすることができる。なお、このマグロ類養殖魚の加工食品10の容器内には、他の食品としての大葉14及び薬味15並びに付属品としての吸水シート16も収容されている。
上述した低セレンマグロ類養殖魚、上述した低セレンマグロ類養殖魚の可食部、並びに加工食品における可食部のための低セレンマグロ類養殖魚は、如何なる方法で得たものであってもよい。低セレンマグロ類養殖魚は、以下の飼育方法により製造された低セレンマグロ類養殖魚であることが好ましい。
<飼育方法>
本開示の一実施形態における飼育方法は、30重量%以上をイワシ魚粉で構成された魚粉、及び油脂を含む内包と、内包を包み、且つ、タンパク質及び多糖類からなる群より選択される少なくとも1つの物質で構成される外皮と、を含む配合飼料を、少なくとも30日間継続して給餌することを含み、必要に応じて、他の工程を含むことができる。
上記飼育方法では、比較的多量のイワシ魚粉で構成された魚粉及び油脂を含む特定の内包と特定の外皮とを備えた二重構造の配合飼料を、少なくとも30日間継続してマグロ類に給餌するので、筋肉又は肝臓のセレン含有量が低減された本開示の実施形態における低セレンマグロ類養殖魚を効率よく得ることができる。この観点から、本明細書において「低セレンマグロ類養殖魚の飼育方法」は、「低セレンマグロ類養殖魚の製造方法」又は「低セレンマグロ類養殖魚の作出方法」等とは同義であり、互いに読み替えることができる。
本形態の飼育方法に用いられる配合飼料は、外皮と内包とを含む二重構造を有する。本開示では、本形態の飼育方法に用いられるこの配合飼料を、低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料と称する場合がある。
低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料の内包は、魚粉と油脂を主成分とするものであり、魚粉は、全重量の30重量%以上をイワシ魚粉で構成されている。イワシ魚粉の原料となるイワシは、ニシン目に属し、ニシン科(Clupeidae)に属するマイワシ属(Sardinops)、ウルメイワシ属(Etrumeus)等と、カタクチイワシ科(Ergraulidae)に属するカタクチ
イワシ属(Engraulis)、サルディナ属(Sarudina)に代表される10cm~30cm程度の大きさの海水魚である。イワシ魚粉は、スチームドライ方式又はホットエアー方式により製造することができるが、他の方式で製造してもよい。
魚粉中のイワシ魚粉は、30重量%以上であればよく、40重量%以上、又は50重量%以上であってもよい。魚粉中のイワシ魚粉の割合の上限値は特に制限はなく、例えば、95重量%以下、98重量%以下、又は100重量%とすることができる。魚粉中のイワシ魚粉の割合がこの範囲であれば、セレン含有量の低いマグロ類養殖魚を効率よく得ることができる。
魚粉に含有可能な他の魚粉としては、養魚用飼料原料として通常用いられているアジ、カツオ、イトヨリダイ、メンハーデン等の各種魚粉、オキアミ等の甲殻類の粉末の他、イカなどに由来する材料も利用できる。特に、低セレンマグロ養殖魚飼育飼料の内包における魚粉は、イワシ魚粉が適しており、これに加えて他の魚粉を加える場合にはイトヨリダイ魚粉及び/又はカツオミールを混合させることとしてもよい。このような魚粉を飼料として給餌することが、マグロ養殖魚において、筋肉のセレン含有量が100gあたり90μg以下、又は、肝臓のセレン含有量を100gあたり1400μg以下とすることに寄与し得る。
魚粉含有量は、内包全体の重量の30重量%~70重量%、好ましくは30重量%以上、より好ましくは35重量%以上、最も好ましくは45重量%以上とすることができる。内包には、形状を維持する観点から、結着性のある多糖類、硬化油、乳化剤などの賦形剤を添加しておくのが好ましい。
内包には、従来の養殖魚用配合飼料に用いられている原材料を添加することができる。例えば、生魚類、イカミール、オキアミミール、大豆油かす、コーングルテンミール等のタンパク質、オキアミ油、鯨油、大豆油、コーン油、菜種油、硬化油等の油脂、澱粉、小麦粉、米粉、タピオカ粉、トウモロコシ粉等のデンプン質、アルギン酸及びその塩類、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、グァガム、デキストリン、キトサン、カードラン、ペクチン、カラギーナン、マンナン、ジェランガム、アラビアガム、可食性水溶性セルロース等の多糖類、ビタミン、ミネラル類が挙げられる。
内包は、内包の全重量の20重量%~70重量%で油脂を含むことができ、特に大型養殖魚に給餌する場合、内包の全重量に対して、好ましくは30重量%以上、より好ましくは35重量%以上、最も好ましくは45重量%以上となるように、油脂配合することができる。多量の油脂含有量は、養殖魚の成長及び成長効率に優れた効果を奏することができ、70重量%以下であればその他の好ましい成分を選択して配合することが容易になる。
魚油及びその他の植物性油脂は、そのまま用いることができ、又は、好ましくは、ビタセル(Vitacel(登録商標、以下、同じ))WF200、ビタセルWF600又はビタセルWF600/30(レッテンマイヤー社製)、オイルQ No.50又はオイルQ-S(日澱化学社製)、パインフロー(松谷化学工業社製)等のデキストランをはじめとする吸油性多糖類、発酵大豆、イソフラボンなどの吸油性タンパク又はダイズ油、ナタネ油又はパーム油などの油脂に水素付加した硬化油を用いて、流動性を低下させて用いることができる。
魚油は、乳化により流動性を低下させて用いることもできる。これらの流動性を低下させるような成分は、魚の消化性の観点から、好ましくは内包の全重量の10重量%以下、より好ましくは5重量%以下とすることが望ましい。油脂としては、魚油がもっとも好ましい。魚油は、他の植物性油脂などで一部代替することも可能である。
内包には、多糖類、硬化油等を配合し、乳化して、安定化させることもできる。これにより、魚粉又は液状である油脂の漏れ出しを抑制することができる。配合飼料を機械で製造する場合、内包の物性は、機械適性のある流動性又は物性であることが好ましい。油脂吸着剤としては、オイルQ(日澱化学社製)、硬化油としてはユニショートK(不二製油社製)等がそれぞれ例示される。また乳化処理には、ニューフジプロSEH(不二製油社製)等を用いることができる。
低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料の外皮は、タンパク質及び多糖類からなる群より選択される少なくとも1つの物質から構成される。外皮は、必要に応じて、タンパク質及び多糖類以外の他の物質を添加剤その他の配合成分として含むことができる。外皮は、内包を包み込めるものであれば特に制限はない。例えば、タンパク質及び多糖類からなる群より選択される少なくとも1つの物質がそれぞれ規則的に又は不規則的に非加熱条件下で形成される外皮であってもよく、又は、タンパク質及び多糖類からなる群より選択される少なくとも1つの物質を原料として加熱処理により得られる加熱ゲル、又は冷却処理により得られる冷却ゲルで形成された外皮であってもよい。
加熱によりゲルを形成するタンパク質原料及び/又は多糖類原料を含有する原料を用いる場合、加熱によりゲル化し、一定の弾力性、伸展性、粘着性を示す。このような加熱ゲルを用いることにより、内包が確実に包被されるため好ましい。以下、加熱によりゲルを形成するタンパク質原料及び/又は多糖類原料を含有する原料組成物を外皮用組成物と称して、以下に説明する。
加熱によるゲルとは、タンパク質及び多糖類からなる群より選択される少なくとも1つである原料を60℃以上に加熱する、若しくは、60℃以上に加熱後冷却することによりできるゲルと、澱粉等の多糖類に水分を加えて60℃以上に加熱することにより糊化してできるゲルとを意味する。
外皮に適用されるタンパク質としては、例えば、魚肉、すり身、オキアミ、グルテン、コラーゲン、大豆たん白、酵素分解大豆たん白、ゼラチン、卵白等のタンパク質の単体又はこれらの2種以上の混合物などのゲル形成能を有するタンパク質が好ましい。タンパク質には、アルギン酸及びその塩も含む。多糖類としては、澱粉、アルギン酸及びその塩類、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、グァガム、デキストリン、キトサン、カードラン、ペクチン、カラギーナン、マンナン、ジェランガム、アラビアガム、可食性水溶性セルロース等を挙げることができる。
外皮に適用される澱粉としては、タピオカ澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、豆澱粉、ワキシーコーンスターチ、及びそれらの加工澱粉が好ましい。これらタンパク質及び/又は澱粉を多く含む食品素材を用いることもできる。これらタンパク質及び/又は多糖類を含む組成の外皮は加熱することによりゲルが固定され、柔軟性を持ち、且つ、内層組成物の保持力もあり、一定の強度を有する。なかでも、タンパク質を加熱してできるゲル又は澱粉を加熱してできるゲルであることが、その柔軟性、伸展性などの物性の点で好ましい。
例えば、魚肉すり身を原料として用いる場合、一般的なかまぼこなどの練製品の製造方法を用いて製造することができる。具体的には、2重量%以上の食塩を加え10℃以上、好ましくは30℃~40℃で10分以上置いてから、80℃~90℃で10分以上加熱する。卵白を用いる場合、例えば、卵白:澱粉:魚粉:水を1:1:2:6の重量比率で混合し、加熱することにより、望ましい物性の組成物を得ることができる。
外皮用組成物には、ゲル形成に影響を与えない範囲で各種副原料を添加することができる。たとえば、外皮のゲル化に影響を与えない範囲で、外皮用組成物にも魚粉又は油脂を添加してもよい。用いるゲルの種類にもよるが、魚粉の場合、外皮は魚粉を60重量%程度まで含むことが可能であり、油脂の場合、外皮は油脂を外皮用組成物の全重量の30重量%まで含むことが可能である。魚粉及び油脂を双方含む場合、外皮は魚粉を外皮用組成物の全重量の20~30重量%及び油脂を5~10重量%程度含むことが好ましい。
外皮のゲルの品質をよりよくするために、魚肉練製品などの品質改良剤として用いられている添加物を外皮用組成物に添加することができる。添加物としては、澱粉、増粘多糖類、分離大豆蛋白、重曹、重合リン酸塩、卵白、トランスグルタミナーゼ、各種プロテアーゼインヒビターなどを挙げることができる。特に、外皮は、ゲル強度を強化するために、寒天、ジェランガム、プルラン、澱粉、マンナン、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードラン、ペクチン、アルギン酸及びその塩類、アラビアガム、キトサン、デキストリン、可食性水溶性セルロースなどの増粘剤を適宜含むことができる。
外皮として好ましい別の態様として、澱粉を主成分とする加熱ゲルが、その弾力性、柔軟性の点で優れる。澱粉に水を加えて混練し、加熱したゲルは、良好な弾力、柔軟性及び伸展性を示すことができる。特に種々の加工澱粉にはそれぞれに特徴があり、2種以上を組み合わせることでより、良好な弾力性、柔軟性、伸展性などの性質をもった外皮を得ることができる。例えば、エーテル化澱粉とリン酸架橋澱粉の組み合わせのように異なるタイプの加工澱粉を組み合わせるのがよい。
澱粉にグルテン、大豆タンパクなどのタンパク質を加えることによりさらに強いゲルを得ることができる。グルテンの代わりにグルテンを含有する小麦粉などを使用することもできる。その他の副原料としては、小麦粉等の穀粉;大豆タンパク、グルテン、卵白等のタンパク質;砂糖、水あめ等の糖又は糖アルコール類;カラギーナン、寒天、ジェランガム、プルラン、マンナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードラン、ペクチン、アルギン酸及びその塩類、アラビアガム、キトサン、デキストリン、可食性水溶性セルロース等の増粘剤;リン酸塩等の塩類を添加してもよい。例えば、澱粉に小麦粉を加えることによって、外皮に強度を与えることができる。また、一定量のタンパク質を加えることで加熱後の表面のべたつきを押さえることができる。
外皮における澱粉には、特に制限はないが、タピオカ澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、豆澱粉などが利用でき、特にこれらのエーテル化、アセチル化、アセチル架橋、エーテル架橋、リン酸架橋、α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋などの加工澱粉が好ましい。なかでも、低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料の外皮は、酢酸タピオカ澱粉と、エーテル化タピオカ澱粉との組み合わせを含む。このような低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料の場合には、表面のべたつき抑制と飼料の食べやすさの観点から好ましい。酢酸タピオカ澱粉とエーテル化タピオカ澱粉との組み合わせは、例えば、重量比で1:1~1:20とすることができ、1:2~1:15であることが好ましく、1:8~1:12であることがより好ましい。
低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料は、外皮の原料となる澱粉にタンパク質など他の副原料を加えた外皮用組成物に、水を加えて混合し混練し、包餡機などで、内包を包んだ後、加熱することによって、製造することができる。
好ましくは、外皮用組成物と内包をそれぞれ二重ノズルのエクストルーダに供給し、外皮用組成物を混合、加熱処理しながら、外皮で内包を包み込む形で押し出し成形することを含み、必要に応じて他の工程を含む方法により製造できる。
例えば、二重ノズルを備えたエクストルーダを用い、エクストルージョンクッキングによる外皮用組成物の加熱処理と外皮による内包の被覆を同時に行うこと、例えば柱状に押し出されてくる成形物を、押し出されてくるスピードに合わせて上下するシャッター機構で一定の長さに切断して、切断面を外皮で包被して、二重構造の配合飼料を得ることにより、製造することができる。
二重ノズルを備え、このような二重構造の配合飼料を得るために好適な装置は、一軸でも二軸でもよく、押し出し機構と加熱機構を有するものであればよい。二重構造の配合飼料を得るために好適な装置は、同方向回転噛み合い型二軸タイプの装置であることが好ましい。このような装置を用いた場合には、短時間で充分に混練することができるなどの利点を得ることができる。このような装置としては、Buhler社製のものを挙げることができ、例えば、国際公開第2013/061892号に開示されている。
この装置では、外皮用組成物供給装置が連結された加熱機能付きエクストルーダが備えられ、エクストルーダの吐出口付近に、内包を外皮用組成物の中心に送り込むノズルが配置されている。このノズルには、内包供給装置が連結されている。エクストルーダには、コンベアが隣接されており、コンベアの搬送路の先には、シャッター機構が配置されている。外皮用組成物供給装置は、外皮用組成物を混合し、ポンプでエクストルーダに送り込む。内包供給装置は、別途混合、製造した内包をポンプでノズルからエクストルーダの吐出口に送り込む。外皮用組成物はエクストルーダ内で混練された後、加熱され加熱ゲルとなる。吐出口において外皮は筒状に押し出され、その内部はノズルから挿入される内包で満たされ、二重構造の柱状で排出される。排出された二重構造の柱状物はコンベアで搬送され、シャッター機構に垂直下向き方向に挿入する。シャッター機構で一定の長さで包被切断され、二重構造の成形物ができあがる。
エクストルーダでの混合は、スクリュー回転数300~800rpm、好ましくは350~700rpmとすることができる。加熱温度は、澱粉、添加したタンパク質等がゲル化する温度以上であればよく、品温が60~110℃、好ましくは、70~100℃、さらに好ましくは、80~95℃程度になればよい。吐出温度は、80~110℃、好ましくは85~105℃とすることができる。出口圧力は、2MPa~10MPa、好ましくは4MPAa~8MPaとすることができる。
内包と外皮用組成物の組み合わせ比は、重量比で、4:6~9:1であることができ、5:5~8:2であることが好ましい。このような重量比で組み合わせることにより、得られる低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料の弾力性、外皮の強度等の観点から好ましい。
配合飼料の保存性を考慮して、水分活性を調節してもよい。この水分活性の調整は、内包及び/外皮の組成により調整することができる。例えば、添加する水分量の調整により、内包の水分活性を低くすることができる。塩類(食塩、リンゴ酸ソーダ、乳酸ソーダ等)、糖類(砂糖、乳糖、マルトース、ソルビット等)、糖アルコール類、アミノ酸、核酸関連物質、有機酸類、アルコール類、プロピレングリコース、グリセリン、澱粉類、蛋白類などの水分活性調整剤の添加により、組成物の水分活性を調整してもよい。
外皮用組成物に対する水の添加量は、包餡機又はエクストルーダに対応できる量であればよく、30~50重量%程度が適当である。例えば、澱粉の加熱ゲルで内包を包んでできあがる外皮の水分量は25~50重量%程度とすることができる。低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料は、冷蔵又は冷凍保存することにより、長期保存が可能となる。この飼料を更に乾燥させて水分量を10~20重量%にすることができる。この場合、保存性をより高めることができる。外皮を乾燥させることと外皮用組成物に添加物を加えて水分活性を低下させることを併用することにより、室温で長期に保存できる飼料を製造することができる。配合飼料の外皮は、長期保存の観点から水分量10~20重量%、水分活性0.8以下、特に0.75%以下、又は0.7%以下が好ましい。本開示において水分量は、常温加熱乾燥法により測定した値を使用し、水分活性は、水分活性測定装置により測定した値を使用する。
低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料において、例えば、澱粉を含有する外皮用組成物の配合には、種々のパターンが考えられる。飼料の場合、魚種又は魚の成長段階によって、飼料に要求される栄養素、カロリーは異なる。魚粉及び魚油を多く入れるほど、外皮の配合を厳密に調整する必要があるが、魚粉及び魚油が少なめの場合は、外皮の配合にはかなりの自由度がある。少なくとも乾物換算で澱粉を外皮全重量の20~80重量%含有させることが好ましい。魚粉を25~50重量%(乾物換算)含む外皮とする場合、乾物換算で、澱粉20~65重量%、小麦粉5~20重量%、タンパク質、油脂、増粘剤、塩類等を合計5~15重量%程度添加するのが好ましい。魚油を含む外皮とする場合には、魚油は1~5重量%、リン酸塩は1~2重量%、タンパク質は1~5重量%、増粘剤は1~5重量%程度添加するのが好ましい。
副原料として用いる場合、小麦粉はグルテン含有量の多い強力粉が好ましいが、薄力粉でもよい。外皮の品質をよりよくするために、澱粉食品の品質改良剤として用いられている添加物を添加することができる。
なお、低セレンマグロ養殖魚飼育試料の形状は、マグロ類養殖魚の摂食嗜好を考慮すると、マグロ類養殖魚が好むイワシ等の小魚のような紡錘形状に近い形状とすることができる。具体的な当該形状としては、たとえば、外表面を構成する外皮と、前記外皮に包まれる内包とによって、側面が略円柱形状を呈し、両方の端部が前記外皮で被覆されて閉鎖しているとともに、前記両方の端部のうち少なくとも一方に、前記外皮が前記端部の方向へ突出した先細り形状の突出部が形成されているような形状が挙げられる。なお、この形状はさらに、前記突出部において、前記外皮が前記端部の方向へ厚みを増していることとしてもよく、また、前記両方の端部のいずれにも、前記突出部が形成されていることとしてもよく、さらには、前記側面から、前記端部に向かって外方に凸な曲面をもって径が漸減する縮径部を有し、前記突出部は前記縮径部の前記端部に形成されているとともに、前記縮径部と前記突出部との間には、前記端部に向かって外方に凹な曲面をもって径が漸減する変曲部が形成されていることとしてもよい。上記したような低セレンマグロ養殖魚飼育試料の形状が、マグロ養殖魚において、筋肉のセレン含有量が100gあたり90μg以下、又は、肝臓のセレン含有量を100gあたり1400μg以下とすることに寄与し得る。
配合飼料の製造方法は、シャッター機構により切断されて得られた二重構造の配合飼料を乾燥すること、即ち、乾燥工程を含むことができる。
乾燥手段としては配合飼料を乾燥できるものであれば特に制限はない。乾燥は、飼料外皮水分を上述した水分含有量が達成される条件を設定すればよい。
乾燥条件としては、好ましくは、穏やかに、外皮の水分量10~20重量%が達成し得る条件とすることができる。穏やかな乾燥条件を用いた場合には、乾燥処理中に外皮の水分量が低下する一方で、内包の水分量が、外皮からの水分の移行によって、切断処理直後の水分量よりも高くなる傾向がある。これにより、養殖魚の嗜好性に合った良好な物性の低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料を得ることができる。穏やかな乾燥条件としては、例えば、20℃~45℃の温度且つ6時間~48時間の範囲、相対湿度20%~50%の範囲内で、相対湿度に基づいて、適宜設定できる。使用可能な乾燥手段としては、このような穏やかな乾燥条件を達成できるものであればよく、例えば、メッシュ状のコンベア、メッシュ状の容器又はシートに載置して、乾燥させることなどを挙げることができる。
本開示の一実施形態にかかるマグロ類養殖魚の飼育方法は、上述の低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料を、少なくとも30日間継続してマグロ類に対して給餌することを含む。低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料による飼育を少なくとも30日継続することにより、飼育対象であるマグロ類におけるセレン含有量を低減させることができる。飼育管理された養殖魚であることは、飼育期間に給餌された低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料の成分のうち、生餌には含まれていない成分であって魚体に残留可能な特徴的な成分、例えば植物油等を確認することにより、確認することができる。
低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料による飼育期間は、より長期の期間とすることができ、例えば、45日以上、60日以上、90日以上、120日以上、150日以上、6ヶ月以上、又は1年以上とすることができる。より長期にわたって低セレンマグロ類養殖魚飼育資料を給餌することにより、養殖魚におけるセレン含有量を確実にいっそう低減させることができる。養殖魚におけるセレン含有量の低減効果は、魚体全体に均一に生じなくてもよい。例えば、低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料による飼育期間が30日以上であれば、筋肉におけるセレン含有量の低減効果を得ることができ、60日以上であれば、肝臓におけるセレン含有量の低減効果を得ることができる。
飼育条件としては、一般にマグロ類の飼育として通常適用されている条件をそのまま用いることができる。例えば、飼育期間の水温は10℃~32℃とし、給餌は、通常時期については1日1回の飽食給餌、冬季については2日1回の飽食給餌とすることができる。上記したように、冬期の給餌を2日1回に制限することが、マグロ養殖魚において、筋肉のセレン含有量が100gあたり90μg以下、又は、肝臓のセレン含有量を100gあたり1400μg以下とすることに寄与し得る。なお、冬期とは、たとえば、1日の平均水温が20℃以下となる時期とすることができる。
本飼育方法では、水揚げ前に上述した飼育期間継続して、低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料による給餌が行われていれば、他の飼料の給餌を行う期間があってもよい。他の飼料としては、生餌(アジ、サバ等)、モイストペレット等を挙げることができる。水揚げ前に低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料による給餌期間が長いほど、セレン含有量をより確実に低減することができる。
飼育は、例えば、200gの総魚体重の魚個体から開始することができ、500g、1kg、又は10kg以上の総魚体重の魚個体から開始することができる。このような時期から飼育を開始することにより、目的とする時期まで、成長に合わせて健康な状態を維持することができる。
飼育時期は、飼育を開始してから、出荷、産卵などの目的の最終時期までのいずれの時期であってよい。例えば、飼育時期は、出荷直前の時期とすることができる。この場合には、セレン含有量が安定して低減された低セレンマグロ類養殖魚及びその可食部を供給することができる。
低セレンマグロ類養殖魚は、本開示に記載の特徴を備えたものであれば、上述した飼育方法以外の方法によって製造されたものであってよい。
<可食部の製造方法>
本開示の一実施形態にかかる可食部の製造方法は、上述した一実施形態における飼育方法で得られた低セレンマグロ類養殖魚を用意すること、用意された低セレンマグロ類養殖魚から、可食部を採取すること、前記可食部を容器に収容すること、を含み、必要に応じて、他の工程を含むことができる。
本可食部の製造方法では、上述した一実施形態における飼育方法により飼育されたマグロ類養殖魚から可食部を採取するので、天然又は生餌で飼育されたマグロ類養殖魚の可食部よりも低い含有量でセレンを含む可食部を効率よく得ることができる。
マグロ類養殖魚は、魚個体であってもよく、上述した加工形態の魚であってもよい。可食部の採取方法については、特に制限はなく、当業者であれば、目的とする可食部を魚個体又はその一部から切り出すために通常用いられる用具を用いて、通常行う方法により採取することができる。
<用途>
低セレンマグロ類養殖魚及びその可食部は、セレン含有量が低いため、セレンの過剰摂取を比較的回避しやすい食品として好ましい。低セレンマグロ類養殖魚及びその可食部は、セレン含有量が低く調整されているため、ウシ、ブタ、トリ等の家畜類、他の養殖魚等の飼料、ペットフードなどの動物用飼料としても用いることができる。
以下、本開示を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本開示はそれらに何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(1)低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料の作製
魚粉35~40重量%、澱粉(エーテル化タピオカ澱粉:ヒドロキシプロピル澱粉、日澱化学社製、G-800)17~23重量%、小麦粉7重量%、澱粉(酢酸タピオカ澱粉:日澱化学社製、Z-300)2重量%、魚油2重量%、食塩3重量%、砂糖2.5重量%、グルテン1重量%、水残部を、エクストルーダにより、スクリュー回転数450rpm、吐出温度90℃、出口圧力50bar(5MPa)の条件で混合し、外皮用組成物とした。
魚粉59重量%、魚油36重量%、硬化油1.965重量%、ビタミン類2重量%、ミネラル1重量%、α-トコフェロール0.035重量%を、エクストルーダを用い60℃で混合し、内包とした。
内包で用いた魚粉としては、チリ産又はペルー産のイワシをスチームドライ法で魚粉としたものを、同様の方法で作製したイトヨリダイの魚粉と混合して用いた。内包で用いた魚粉中のイワシ魚粉の含有率は、魚粉の全重量に対して55重量%であった。
外皮用組成物と内包とを組み合わせて低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料を作製するために、先端部に二重ノズルを有し、吐出能力1t/hの同方向回転完全噛み合い型2軸タイプのエクストルーダ(Buhler社製)を使用した。
外皮用組成物と、内包との双方を、エクストルーダ先端の二重ノズルから造粒し、シャッター装置により、内包が外皮で包皮された低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料を得た。内包:外皮の重量比は65:35であった。
その後、成形直後の配合飼料を搬送コンベアに配置して、30℃~40℃、相対湿度20%~50%の環境下にて、自然乾燥による乾燥処理を24時間、行った。この処理により、ひび割れ等がほとんど確認されない良好な配合飼料が得られた。
得られた低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料の外皮の水分量は12%~17%であり、水分活性は0.8未満であった。内包の水分含有量は、成形直後は約4.7%と推定される。なお、水分量は、Drying Oven DX300(ヤマト科学社製)により測定し、水分活性は、
アクアラブCX-3(マイルストーンゼネラル社製)により測定した。
(2)飼育
作製された低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料を用いて、クロマグロを飼育した。低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料を用いて飼育した群を実施例とする。
直径70mの海面楕円形生簀に、生餌で飼育した体重約16kg及び尾叉長約90cmのマグロを約3000尾収容して、飼育を開始した。飼育期間中の水温は13℃から29℃であった。給餌は、通常1日1回飽食給餌、冬季2日1回飽食給餌とした。試験期間を通じ、飼料の摂餌量は生餌の30~50重量%であった。飼育は、3月に開始して18ヶ月行った。
(3)比較対照群
比較対照群として、生餌としてサバ又はイワシを給餌した以外は、上記(2)と同様の条件で飼育したクロマグロを用いた。生餌を用いて飼育した群を比較例とする。
(4)魚体計測
実施例及び比較例につき、飼育期間終了後に各8頭のマグロにつき、まず生簀から取り上げた直後の体温(℃)を測定し、その後、GGマグロとした状態の重量(kg)及び尾叉長(cm)を測定し、これらから肥満度を計算した。その結果を表1に示す。なお、以下の各表においては、それぞれの項目について実施例と比較例との間でStudentのt検定を行っており、その結果としてのT値(t)も掲げている。
Figure 2023059957000002
上記の結果からは、体温、GG重量、尾叉長及び肥満度のいずれも、実施例と比較例との間の平均値を比較しても、t<0.05となるような有意な差は見られなかった。したがって、低セレンマグロ類養殖魚飼育試料を用いて飼育した実施例は、生餌で飼育した比較例と遜色ない成長を示したといえる。具体的には、実施例のマグロでは、試験開始時には総魚体重約16kgであったところ、個体差はあるものの約18カ月後にはGG重量で平均50kgを超えることが確認できた。尾叉長の平均は約141cmであり、肥満度の平均は約22であり、これらも生餌群のマグロとほぼ同等であった。
(5)セレン含有量及びビタミン含有量
図1は、マグロを第1背びれ後方末端部から垂直に切断した尾部側の切断面を示す。この切断面において、部位Aは中央背側深部、部位Bは中央背側浅部、部位Cは中央背側竜骨筋及び部位Dは血合筋を示す。なお、図1においてEは腹腔を示す。
前記した各実施例及び各比較例のマグロについて、図1に示す尾部側の切断面の反対側、すなわち、頭部側の切断面において図1の部位Bに対応する部分から、筋肉を5cm角の大きさで切り出し、中央背側浅部(中トロ)の試験片として採取した。この試験片を用いてセレン含有量を測定した。セレン含有量は、「衛生試験法・注解2010」(日本薬学会編、2010年2月20日発行、金原出版)433頁の「(1)蛍光光度測定法による定量」に従って測定した。また、同じ試験片から、ビタミンA、ビタミン及びビタミンE含有量を常法に従って計測した。その結果を表2に示す。
Figure 2023059957000003
上記表2に示されるように、比較例のマグロでは、いずれも筋肉中のセレン含有量が80μg/100gを超えていた。これに対して、実施例のマグロでは、筋肉中のセレン含有量は全ての個体で50μg/100g以下であった。
このように、飼料群のマグロの筋肉は、生餌群のマグロよりもセレン含有量が低かった。
なお、筋肉中のビタミンD含有量は実施例で平均9.4μg/100gと、比較例の平均6.5μg/100gを上回ったがこれには有意差はなかった(t>0.05)。しかし、筋肉中のビタミンA含有量は実施例で平均834.5μg/100gと、比較例の1855.0μg/100gを有意に下回った(t<0.05)。さらに、筋肉中のビタミンE含有量は実施例で平均13.5μg/100gと、比較例の1.5μg/100gを有意に上回った(t<0.05)。
ちなみに、測定で用いられた脂身(中トロ)を刺身にして食したところ、美味であった。
(6)脂肪酸含有量
前記した同じ試験片から、各種脂肪酸含有量を定法に従って計測した。そのうち、実施例と比較例との間に有意な差(t<0.05)の認められたものを表3に示す。
Figure 2023059957000004
上記のとおり、脂肪酸として、オレイン酸、リノール酸及びαリノレン酸といった不飽和脂肪酸の筋肉中の含有量が、実施例では比較例を有意に(t<0.05)上回ることが認められた。
(7)遊離アミノ酸含有量
前記した同じ試験片から、各種遊離アミノ酸含有量を定法に従って計測した。そのうち、実施例と比較例との間に有意な差(t<0.05)の認められたものを表4、表5及び表6に示す。
Figure 2023059957000005
Figure 2023059957000006
Figure 2023059957000007
各種遊離アミノ酸のうち、上記表4、表5及び表6に示すように、スレオニン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、アンセリン、カルノシン及びプロリンの筋肉中の含有量が、実施例では比較例を有意に(t<0.05)上回ることが認められた。
特に、上記表4に示すように、グルタミン酸、グリシン及びアラニンといった遊離アミノ酸の含有量が実施例では比較例よりも有意に(t<0.05)増加していることから、低セレンマグロ類養殖魚飼育試料を用いて飼育したマグロの筋肉は、生餌飼育によるマグロ記の筋肉よりも食味が向上する可能性が示唆された。
また、上記表5に示すように、必須アミノ酸のうち分岐鎖アミノ酸(BCAA)であるバリン、イソロイシン及びロイシンの含有量が実施例では比較例よりも有意に(t<0.05)増加していることから、低セレンマグロ類養殖魚飼育試料を用いて飼育したマグロの筋肉が栄養サプリメントの面からも有効である可能性が示唆された。
さらには、上記表6に示すように、抗疲労効果、活性酸素消去能、血圧降下作用、抗炎症作用及び尿酸値降下作用があるといわれているアンセリンの含有量が実施例では比較例よりも有意に(t<0.05)増加していることから、低セレンマグロ類養殖魚飼育試料を用いて飼育したマグロの筋肉によるこれらの作用への好影響も示唆された。
[実施例2]
次に、餌の種類の切替えによるセレン含有量の変遷について、以下の様に確認した。
飼料群又は生餌群のそれぞれ一部について、6ヶ月以上飼育後に餌の切替えを行った以外は、実施例1と同様にして飼育を行った。餌の切替えが配合飼料から生餌であった群を「生餌切替群」とし、生餌から低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料であった群を「配合飼料切替群」とした。所定期間後に筋肉(中トロ)と肝臓のセレン量を測定した。
肝臓のついては、取上げの際に内臓として抜き出された肝臓を全量細かく切り刻みし、試験片とした。肝臓について上記と同様にしてセレン含有量を測定した。重量及び肥満度については、常法に従って計測した。切り替え7.5ヶ月まで表7に示される時期に、セレン含有量を測定した。
結果を表7並びに図2及び図3に示す。なお、図2及び図3において、黒丸は生餌切替群のセレン含有量を示し、白丸は配合飼料切替群のセレン含有量を示す。
Figure 2023059957000008
表7と図2及び図3とに示されるように、生餌切替群及び配合飼料切替群の双方とも、餌の切替えに伴い筋肉及び肝臓におけるセレン含有量が速やかに変化して、餌の切り替え後2ヶ月程度で、配合飼料切替群のセレン含有量は、筋肉及び肝臓の双方で、生餌切替群よりも低くなった。このことから、セレン含有量は、餌の種類によって急速に変化することがわかった。
また、配合飼料切替群では、セレン含有量が急速に低くなって飼育開始1.5ヶ月後には筋肉で90μg/100g、3ヶ月後には肝臓で1000μgを下回り、4.5ヶ月後には、筋肉及び肝臓の双方で試験開始時の飼料群とほぼ同一の値となった。一方、生餌切替群では、セレン含有量が急速に高くなり、7.5ヶ月後には、試験開始時の飼料群の値の80%程度に至った。このことから、低セレンマグロ類養殖魚飼育飼料に切り替えることにより、マグロ類養殖魚におけるセレン含有量を急速に低減させる効果があることがわかった。
[実施例3]
次に、配合飼料における魚粉の割合及びセレン含有量の影響について検討した。
イワシ魚粉91.63重量%、ビタミン類3.88重量%、α-トコフェロール(50重量%)0.1重量%、及びその他4.45重量%を用いた以外は実施例1(1)の内包と同様にして、通常セレン含有量の内包Aを得た。内包Aのセレン含有量は、1.72mg/kgであった。
イワシ魚粉33.56重量%、カツオミール58重量%、ビタミン類3.88重量%、α-トコフェロール(50重量%)0.1重量%、セレン酵母0.07重量%及びその他4.45重量%を用いた以外は実施例1(1)の内包と同様にして、高セレン含有量の内包Bを得た。なお、セレン酵母としては、三輪製薬社製、「アルコセル(ALKOSEL)セレンイースト」を用いた。内包Bのセレン含有量は、3.04mg/kgであった。
内包A又は内包Bを用いた以外は、実施例1(1)と同様にして、内包と外皮とを有する配合飼料A又はBを得た。配合飼料Aは、通常セレン含有量の内包Aを含み、配合飼料Bは、高セレン含有量の内包Bを含むものである。
直径70mの海面楕円形生簀に、体重(GG)41kgのマグロについて、配合飼料A又は配合飼料Bを使った飼育を8月から11月までの4ヶ月間行った。飼育期間中の水温は13℃から29℃であった。給餌は、週に5日又は6日の飽食給餌とした。試験期間を通じ、飼料の摂餌量は生餌の30~50重量%であった。所定期間後に筋肉と肝臓のセレン量を測定又は算出した。その結果を表8に示す。
Figure 2023059957000009
配合飼料A又は配合飼料Bによる4ヶ月の飼育によって、双方の群は共に、筋肉で90μg/100g以下、肝臓で1400μm/100g以下を大きく下回っていた。
また、表8に示されるように、高セレン含有量の内包Bによる配合飼料Bを用いた場合でも、通常セレン含有量の内包Aによる配合飼料Aを用いた場合でも、マグロの筋肉及び肝臓におけるセレン含有量に大きな差は認められなかった。
このことから、配合飼料中のセレン含有量に拘わらず、魚粉の配合比率が30重量%以上であれば、低セレンマグロ類養殖魚を得ることができることがわかった。
上記の実施例から、生餌を食するマグロ類養殖魚よりもセレン含有量が低い低セレンマグロ類養殖魚を作出できることは明らかである。
したがって、低セレンマグロ類養殖魚及びその可食部又は加工食品によって、生餌で飼育されたマグロ類養殖魚又は天然のマグロよりもセレン摂取量を低くできることは明らかである。
10 マグロ類養殖魚の加工食品
11 サク
12 トレー
13 ラップ
14 大葉
15 薬味
16 吸水シート
A 中央背側深部
B 中央背側浅部
C 中央背側竜骨筋
D 血合筋
E 腹腔

Claims (3)

  1. 30重量%以上をイワシ魚粉で構成された魚粉、及び油脂を含む内包と、
    前記内包を包み、且つ、タンパク質及び多糖類からなる群より選択される少なくとも1つの物質で構成される外皮と、
    を含む配合飼料を、少なくとも30日間継続して給餌することを含む、マグロ類養殖魚の飼育方法。
  2. 前記魚粉の含有量は前記内包全体の重量の30重量%以上70重量%以下であり、
    前記油脂の含有量は前記内包全体の重量の20重量%以上70重量%以下である、
    請求項1に記載のマグロ類養殖魚の飼育方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のマグロ類養殖魚の飼育方法で得られたマグロ類養殖魚を用意すること、
    用意されたマグロ類養殖魚から、可食部を採取すること、
    前記可食部を容器に収容すること、
    を含む、マグロ類養殖魚の加工食品の製造方法。
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