JP3415076B2 - 飼料用レシチンオイル - Google Patents
飼料用レシチンオイルInfo
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Description
いは魚醤の発酵生産時に発生する液状油(以下、しょう
ゆ油とする)を混合し、従来の食用油脂との混合では得
られなかった、取り扱いの容易な低粘度を実現し、かつ
水畜産生物が嗜好性を示す性質を有する、飼料用レシチ
ンオイルに関するものである。
性質により、乳化剤などとして食品や水畜産生物あるい
はペットなどの飼料向けの添加剤として幅広く利用され
ている。また、レシチンには様々な生理活性があること
が知られており、奇形の防止や成長性に寄与することが
これまでに報告されている(Akio Kanazawa, et al. Me
moirs of Faculty of Fisheries, Kagoshima Universit
y, 32,115-120 (1983))。
のものが流通しているが、これらはその物性故に飼料
等、製造時の取り扱いが難しく、その使用には事実上の
制限があった。そこで、取り扱いを容易にするために、
食用液状油などと混合することが行われているが、粘度
低下に限界があった。さらに、一般に、混合後も分離し
やすく、使用時にはしばしば再度攪拌する必要があるな
どの問題があった。
料に添加することが知られている(特開平9-327628)
が、養殖魚の健康維持または斃死率の改善を目的とする
ものである。本発明は、水畜産飼料において、レシチン
としょうゆ油の添加による相乗効果に関するものであ
る。
はその両親媒性や生理活性から、様々な産業分野に利用
されている。水畜産分野においても奇形防止や成長性の
向上といった観点から、飼料への配合が行われており、
粉末状、顆粒状のもの及びペースト状のものを飼料に混
ぜ込むことによって、添加されている。しかし、粉末状
あるいは顆粒状レシチンは非常に吸湿しやすく、また、
ペースト状のレシチンは非常に高い粘度を有することか
ら、均一に飼料中に分散させることは困難である。ま
た、食用液状油との混合では、低粘度の実現に限界があ
り、水畜産飼料の摂餌の促進効果についてもいまだ十分
ではなかった。
題を解決し、かつ、摂餌の促進を可能とする飼料用レシ
チンオイルを提供することにある。
に、本発明者らは飼料用のレシチンオイルについて研究
を続けた結果、醤油醸造過程で副生的に産生する液状油
であるしょうゆ油を混合することにより、非常に粘度が
低く、かつ水畜産生物が飛躍的に嗜好性の向上を示す性
質を有する飼料用レシチンオイルが製造できることを見
いだした。
ァチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミ
ン(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスフ
ァチジン酸(PA)、ホスファチジルセリン(PS)等の単
体、あるいは2種以上の混合物で、その形状は特に限定
されるものではない。例えば形状として、油状、ペース
ト状、粉末状、顆粒状、ブロック状等があげられる。ま
た、その由来も動物原料、植物原料等いずれに限定され
るものではない。
豆、脱脂大豆粕、小麦、米、塩などを主原料として生産
する、いわゆる醤油あるいは魚や甲殻類などを主原料と
して生産する魚醤等の発酵生産時に副生する、特有の芳
醇な香りを保有する液状油である。しょうゆ油の主な油
脂組成は、原料由来のトリグリセライドが発酵生産過程
で分解され、脂肪酸のモノおよびジエステルとなってい
るために、一般の食用油脂や飼料用油脂の主な油脂組成
であるトリグリセライドよりも、その粘度が低く、さら
にレシチンに添加した場合に粘度低下が著しく大きいも
のである。しかも、本発明の飼料用レシチンオイルは、
水畜産生物がレシチン単独のものと比べ、著しい嗜好性
を示す性質を有するという、予期する以上の効果であ
る。さらに、混合後の分離が起こりにくい物である。
する。
ることを特徴とする、飼料用レシチンオイルである。す
なわち、レシチンにしょうゆ油を混合することによっ
て、これまでにはなしえなかった、扱いやすい低粘度を
実現し、さらに水畜産生物またはペット、鑑賞魚に対す
る嗜好性の著しい向上を可能にする。これにより、これ
までレシチンの吸湿性や高粘度のために制限されてい
た、レシチン添加飼料製造時の作業性を著しく改善する
ことができるのである。
チンとしょうゆ油の混合方法については、特に限定され
るものではないが、混合比については、レシチンとしょ
うゆ油の持つ性質の相乗効果を上げるためにレシチンオ
イル中のしょうゆ油の含量が1〜99重量%であること
が好ましい。この範囲を外れると粘度が高く取扱いが困
難になったり、混合後の分離が起こったりし、また水畜
産生物の嗜好性も劣るようになる。また、しょうゆ油に
他の液状油を混合してレシチンオイルとすることも可能
である。飼料への添加量及び添加方法についても限定さ
れるものではなく、例えば添加方法については、各種配
合飼料素材として粉末飼料に練り込む、あるいは飼料成
型時に練り込む、成形後に添着するなどの他、養殖魚で
用いられるような生餌との混合や、薬剤のエサへの添着
等が挙げられる。また、飼料への添加割合は、0.01
重量%〜50重量%が好ましい。さらに好ましくは、水
産生物では1重量%〜40重量%、畜産生物では0.1
重量%〜15重量%である。
時間を比較した結果である。
ずつ4区に区分けし、実験に供試した。1日、3〜4%
の各試験油脂添加飼料で4週間飼育した後の供試魚を給
餌時間の計測に用いた。それぞれの区には(A)魚油
(タラ肝油)、(B)しょうゆ油、(C)ペースト状レ
シチンオイル、(D)ペースト状レシチンオイル及びし
ょうゆ油の混合油脂(混合比は重量で1:1)、(E)
粉末状レシチンオイル及びしょうゆ油の混合油脂(混合
比は重量で1:1)をそれぞれ10重量%添加した市販
飼料を投与した。投与期間及び、給餌時間の測定に際
し、給餌はすべてそれぞれの試験区において、常にある
特定の一カ所から行った。
の測定に用いる飼料は魚体重の1%量とし、給餌速度
は、落としたエサが底面まで(水深70cm)沈降する
前に供試魚が食べ終える量を断続的に与えるものとし、
全ての飼料を食べ終わるまでの時間を計測した。なお、
各油脂添加飼料の沈降速度は全て同じであった。試験は
同一の供試魚及び水槽を用い、1日3回、計15回行
い、給餌に要した平均時間を計算した。また、これと同
様の試験をさらに2回繰り返した。計、3回の実験結果
を以下の表1に示した。
である。8週齡の雌性Sprague-Dawleyラット21匹を用
い、ステンレス製飼育ケージに1尾ずつ入れて4日間馴
化飼育を行った。馴化飼育中は、精製飼料(AIN―93
G)を投与した。全てのゲージでは常にエサ箱を特定の
2箇所に設置し、どちらからでも自由な摂餌が可能な状
態にした。また、エサ箱はその特定の2箇所の設置場所
において必ず毎日交互に取り替えた。馴化飼育の後、2
1匹のラットを7匹ずつ無作為に選択し、それぞれをA
〜Cの3種類の飼料によって17日間の試験飼育を行っ
た。試験飼育は馴化飼育で設置していた2箇所のエサ箱
のうち、1箇所には馴化飼育中と同じ飼料(対照飼料)
を入れ、もう1箇所には試験飼料を入れ、どちらからも
自由な摂餌が可能な状態にした。試験飼料は上記精製飼
料中の7%の大豆油を(A)しょうゆ油(B)ペースト
状レシチンオイル(C)ペースト状レシチンオイルとし
ょうゆ油の混合油脂(混合比は重量で1:1)にそれぞ
れ置き換えたものとした。馴化飼育中同様に、エサ箱は
毎日交互に取り替え、場所による影響を受けないように
した。17日間の試験飼育終了後、精製飼料に対する試
験飼料(試験油脂添加)の摂取割合を集計した。その結
果を以下の表2に示した。
較した結果である。
油、(B)ペースト状レシチン、(C)ペースト状レシ
チン及びしょうゆ油との混合品(ペースト状レシチン3
0重量%)の添加を行い、飼料に対する油脂添着の際の
作業性を比較した。
800μmのメッシュを通過し、600μmのメッシュ
にトラップされたもののみを用いた。上記飼料90gを
ビーカーに入れ、その上から各油脂を10gずつ添加
し、蓋をした。これを低速回転ローターに固定し、ビー
カーを横転させる事により、試料と油脂を混合した。ビ
ーカーはガラス表面を1,1,1−トリクロロエタンと
ジクロロメタンの混合液で、撥水性処理したものを用い
た。混合する条件を統一するために、ローターの回転数
は全て20rpm、15分間とし、気温25℃で実験を
行った。
を用いてふるった。均一に油脂が添着されず、油脂の周
りに凝集塊を形成する飼料は800μmのメッシュを通
過できないことから、再度メッシュを通過した飼料の割
合を重量から計算し、添着のしやすさ及び均一性の目安
とした。実験はいずれも3回繰り返した。実験の結果を
以下の表3に示した。
きの粘度を比較した結果である。
2で混合したときの粘度を測定した結果を以下の表4に
示した。使用したペースト状レシチンは、アセトン可溶
物含量が40%、粘度は40℃の時に2018mPasであ
った。また、混合に用いた油脂は魚油、大豆油、しょう
ゆ油で、それぞれ40℃の時の粘度は、34、29、9
mPasであった。測定にはブルックフィールド式回転
粘度計を使用した。粘度測定の結果を以下の表4に示し
た。
油添加飼料投与区では、給餌に要する時間は魚油及びペ
ーストレシチン添加区に比べて明らかに短く、しょうゆ
油の添加によってマダイが好んで摂餌する事が明らかに
なった。また、レシチンに関しては、実施例より明らか
なように摂餌に要する時間が最も長く、しょうゆ油と混
合することにより飛躍的に短縮された。この事から、レ
シチンにしょうゆ油を混合する事により、レシチンをよ
り効率的に摂餌させうることが明らかになった。
うゆ油を混合した場合、ラットの摂餌を相乗的に促進す
ることが明らかになった。
高粘度のペースト状レシチンにより粘性の低いしょうゆ
油を混合することで、効果的に粘性を低下させることが
できた。また、その効果は、魚油及び大豆油に比較して
著しく高く、実際においてもレシチンの飼料への添加に
際し、その高粘度に起因する作業性の問題が改善され
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 レシチンにしょうゆ油を配合することを
特徴とする飼料用レシチンオイル。 - 【請求項2】 しょうゆ油が醤油または魚醤の発酵生産
過程で、副生的に産生する液状油である請求項1記載の
飼料用レシチンオイル。 - 【請求項3】 しょうゆ油の含量が1〜99重量%であ
る請求項1または2記載の飼料用レシチンオイル。
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|---|
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-
1999
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