JP2892513B2 - カーテンウォールの支持装置 - Google Patents

カーテンウォールの支持装置

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JP2892513B2
JP2892513B2 JP1499591A JP1499591A JP2892513B2 JP 2892513 B2 JP2892513 B2 JP 2892513B2 JP 1499591 A JP1499591 A JP 1499591A JP 1499591 A JP1499591 A JP 1499591A JP 2892513 B2 JP2892513 B2 JP 2892513B2
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公啓 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るカーテンウォール
の支持装置は、ビルディングを構成する鉄骨枠組に、カ
ーテンウォールを支持する部分の構造に関し、地震の際
にも支持部に無理な応力が加わる事がない、耐震性に優
れた構造を得る事を目的としている。
【0002】
【従来の技術とその問題点】例えば図7に示す様なビル
ディングを構築する場合、予め組み立てられた鉄骨枠組
の周囲にカーテンウォールと呼ばれるパネルを張り付け
て、建物の外壁を構成する。
【0003】この様なパネルとして従来は、ビルディン
グの1階分の高さを有するものを用い、図8(a)に示
す様に、各パネル1の上端部を上側の梁2に、下端部を
下側の梁3に、それぞれ支持していた。
【0004】ところが、各パネル1の高さをビルディン
グの1階分とすると、パネル1の高さ寸法Hが大きくな
り、パネル1の製造設備が大型化して、パネル1の製作
費、運搬経費等が嵩むだけでなく、鉄骨枠組への組み付
け作業も面倒になってしまう。
【0005】この為本発明者は、図8(b)に示す様
に、梁2に支持されたパネル4の下縁と梁3に支持され
たパネル5の上縁との間に中間パネル6を支持する事
で、各パネル4、5、6の高さ寸法hを低く抑え、各パ
ネル4、5、6の製造設備を小型化し、パネル1の製作
費、運搬経費を少なく抑えると共に、鉄骨枠組への組み
付け作業の容易化を図る事を考えた。
【0006】この様に、上下のパネル4、5の間に中間
パネル6を設ける場合、この中間パネル6の上下両端縁
を、それぞれパネル4の下端縁並びにパネル5の上端縁
に結合する必要があるが、各結合部は、地震の際に、地
震に伴なう揺れを吸収する構造である必要がある。
【0007】例えば、図7に於いて建物7の角部に設け
られたパネル8、8に就いて、地震に伴なって揺れる方
向は、次に述べる通りになる。
【0008】先ず、地震の振動方向が、図7の矢印X方
向である場合、各パネル8、8は図9の矢印x、x方向
に揺動する。一方、地震の振動方向が、図7の矢印Y方
向である場合、各パネル8、8は図9の矢印y、y方向
に揺動する。従って、上記中間パネル6の上下両端縁と
パネル4、5の端縁との結合部は、上記中間パネル6
が、上記矢印x、y方向に揺動する事を許容出来る構造
でなければならない。
【0009】勿論、地震の振動はどの方向に加わるか予
知出来ないので、建物7を建てる際には、上記中間パネ
ル6の上下両端縁とパネル4、5の端縁との結合部を、
上記x、y方向の何れの方向の揺動も許容出来る構造と
しなければならない。本発明のカーテンウォールの支持
装置は、この様な事情に鑑みて発明されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のカーテンウォー
ルの支持装置は、建物の角部に於いて、上側の梁に支持
された上側のパネルの下縁と下側の梁に支持された下側
のパネルの上縁との間に、互いに直交する第一、第二の
壁面から成り、L字形の横断面を有する中間パネルを支
持する為のものである。
【0011】この様な本発明のカーテンウォールの支持
装置は、中間パネルの上端部を上側のパネルの下端部に
結合する為の上側結合部と、中間パネルの下端部を下側
のパネルの上端部に結合する為の下側結合部とから成
る。
【0012】この内の上側結合部は、上記上側のパネル
の下端部の互いに直交する2個所位置にそれぞれ支持さ
れた固定側上部ブラケットに、鉛直方向に亙って設けら
れた第一の結合板部と、上記中間パネルの第一、第二の
壁面の上端部にそれぞれ支持された変位側上部ブラケッ
トに、鉛直方向に亙って設けられた第二の結合板部と、
互いに対向する第一、第二の結合板部の側面の内、少な
くとも一方の側面に形成された、鉛直方向に亙って湾曲
した上側蒲鉾状凸面と、上記第一、第二の結合板部の少
なくとも一方に形成した、鉛直方向に長い上部長孔と、
この上部長孔を挿通したボルトとナットとの螺合によ
り、上記第一、第二の結合板部同士を結合する上部ボル
ト・ナットとから構成される。
【0013】又、下側結合部は、上記下側のパネルの上
端部の互いに直交する2個所位置にそれぞれ支持された
固定側下部ブラケットに、鉛直方向に亙って設けられた
第三の結合板部と、上記中間パネルの第一、第二の壁面
の下端部にそれぞれ支持された変位側下部ブラケット
に、鉛直方向に亙って設けられた第四の結合板部と、互
いに対向する第三、第四の結合板部の側面の内、少なく
とも一方の側面に形成された、鉛直方向に亙って湾曲し
た下側蒲鉾状凸面と、上記第三、第四の結合板部の少な
くとも一方に形成した、鉛直方向に長い下部長孔と、こ
の下部長孔を挿通したボルトとナットとの螺合により、
上記第三、第四の結合板部同士を結合する下部ボルト・
ナットとから構成される。
【0014】
【作用】上述の様に構成される本発明のカーテンウォー
ルの支持装置の場合、地震の振動方向に応じそれぞれ次
の様に作用して、地震の揺れを吸収し、中間パネルと上
側、下側の両パネルとの結合部が破損するのを防止す
る。
【0015】例えば、地震の振動方向が、中間パネルの
第一の壁面と平行な方向であった場合には、上側のパネ
ルと下側のパネルとが水平方向にずれる傾向となり、上
記第一の壁面が上側、下側の両パネルの間で傾斜する。
【0016】そして、この際、変位側上部、下部両ブラ
ケットと固定側上部、下部両ブラケットとを結合してい
るボルトが、上部、下部両長孔内で変位し、上記第一の
壁面の上下両端部に設けられた、上側、下側結合部に無
理な応力が加わらない様にする。
【0017】一方、上記第一の壁面と直角な第二の壁面
の上下両端部に設けられた、上側、下側両結合部に於い
ては、第一の結合板部と第二の結合板部とが上側蒲鉾状
凸面により、第三の結合板部と第四の結合板部とが下側
蒲鉾状凸面により、それぞれ揺動し、やはり上側、下側
結合部に無理な応力が加わらない様にする。
【0018】
【実施例】次に、図示の実施例を説明しつつ、本発明を
更に詳しく説明する。
【0019】本発明のカーテンウォールの支持装置は、
建物の角部に於いて、前記図8(b)に示す様に、上側
の梁2に支持された上側のパネル4の下縁と下側の梁3
に支持された下側のパネル5の上縁との間に中間パネル
6を支持する為に利用されるもので、上側のパネル4の
下縁と中間パネル6の上縁との結合部である上側結合部
9と、中間パネル6の下縁と下側のパネル5の上縁との
結合部である下側結合部10とから構成される。
【0020】上記上側、下側両結合部9、10の内、上
側結合部9は、図1〜3に示す様に構成されている。金
属板を折り曲げる事により全体を四角枠状に構成され、
上記上側のパネル4の内側面周縁部を囲む状態でこの上
側パネル4に、ボルト11とナット12とにより支持さ
れた枠組の内、下辺部13の開口部には、複数(図示の
例では3個)のアングル材14、15、16をボルト1
7、17とナット18、18とにより結合して成る、固
定側上部ブラケット19が固定されている。
【0021】それぞれ断面L字形のアングル材14、1
5、16の内、最も下側のアングル材16の下半部は、
鉛直方向の第一の結合板部20として、次述する変位側
上部ブラケット21に設けた、第二の結合板部22と対
向させている。
【0022】一方、やはり金属板を折り曲げる事により
四角枠状に構成され、上記中間パネル6の内側面周縁部
を囲む状態でこの中間パネル6に支持された枠組の内、
上辺部23の上面には、やはり断面L字形のアングル材
により構成される、変位側上部ブラケット21が固定さ
れている。そして、この変位側上部ブラケット21の上
半部を第二の結合板部22として、上記第一の結合板部
20と対向させている。そして、第一、第二の両結合板
部20、22同士を、上部ボルト・ナットである、ボル
ト25とナット26とにより互いに結合している。
【0023】又、前記第一の結合板部20の屋外側面に
は、その屋外側面を鉛直方向に亙って湾曲した上側蒲鉾
状凸面27とした、当て板28を溶接固定している。
又、この当て板28の上側蒲鉾状凸面27と対向する、
前記第二の結合板部22の屋内側面には、滑り板29を
添着して、第一、第二の両結合板部20、22同士の揺
動が軽い力で行なわれる様にしている。
【0024】更に、前記第一の結合板部20と当て板2
8とには、上部長孔である、鉛直方向に亙る長孔30を
形成すると共に、上記ボルト25をこの長孔30に挿通
して、第一、第二の両結合板部20、22同士の、揺動
だけでなく、上下方向に亙る変位も自在としている。
【0025】一方、中間パネル6の下縁と下側のパネル
5の上縁とを結合する下側結合部10は、図4〜6に示
す様に構成されている。金属板を折り曲げる事により全
体を四角枠状に構成され、下側のパネル5の内側面周縁
部を囲む状態でこの下側のパネル5に支持された枠組の
内、上辺部31の開口部には、複数(図示の例では2
個)のアングル材32、33をボルト34、34とナッ
ト35、35とにより結合して成る、固定側下部ブラケ
ット36が固定されている。
【0026】それぞれ断面L字形のアングル材32、3
3の内、上側のアングル材33の上半部は、鉛直方向の
第三の結合板部37として、次述する変位側下部ブラケ
ット38に設けた、第四の結合板部39と対向させてい
る。
【0027】一方、前記中間パネル6の内側面周縁部を
囲む状態でこの中間パネル6に支持された枠組の内、下
辺部40の上面には、やはり断面L字形のアングル材に
より構成される、変位側下部ブラケット38が固定され
ている。そして、この変位側下部ブラケット38の屋内
側端部に設けた受板24を第四の結合板部39として、
上記第三の結合板部37と対向させている。そして、第
三、第四の両結合板部37、39同士を、下部ボルト・
ナットである、ボルト41とナット42とにより互いに
結合している。
【0028】又、前記第三の結合板部37の屋外側面に
は、その屋外側面を鉛直方向に亙って湾曲した下側蒲鉾
状凸面43とした、当て板44を溶接固定している。
又、この当て板44の下側蒲鉾状凸面43と対向する、
前記第四の結合板部39の屋内側面には、滑り板45を
添着して、第三、第四の両結合板部37、39同士の揺
動が軽い力で行なわれる様にしている。
【0029】更に、前記第三の結合板部37と当て板4
4とには、下部長孔である、鉛直方向に亙る長孔46を
形成すると共に、上記ボルト41をこの長孔46に挿通
して、第三、第四の両結合板部37、39同士の、揺動
だけでなく、上下方向に亙る変位も自在としている。
【0030】上述の様に構成される本発明のカーテンウ
ォールの支持装置の場合、地震の振動方向に応じてそれ
ぞれ次の様に作用して、地震の揺れを吸収し、中間パネ
ル6の上下両端部と上側、下側の両パネル4、5との結
合部が破損するのを防止する。
【0031】例えば、地震の振動方向が、上記中間パネ
ル6の第一の壁面47(図9)と平行な、図1、4の表
裏方向であった場合には、上側のパネル4と下側のパネ
ル5とが水平方向にずれる傾向となり、上記第一の壁面
47が上側、下側、両パネル4、5の間で傾斜する。
【0032】そして、この際、変位側上部、下部両ブラ
ケット21、38と固定側上部、下部両ブラケット1
9、36とを結合しているボルト25、41が、長孔3
0、46内で変位し、上記第一の壁面47の上下両端部
に設けられた、上側、下側両結合部9、10に無理な応
力が加わらない様にする。
【0033】一方、上記第一の壁面47と直角な第二の
壁面48(図9)の上下両端部に設けられた、上側、下
側両結合部9、10に於いては、第一の結合板部20と
第二の結合板部22とが上側蒲鉾状凸面27により、第
三の結合板部37と第四の結合板部39とが下側蒲鉾状
凸面43により、それぞれ揺動し、やはり上側、下側結
合部9、10に無理な応力が加わらない様にする。
【0034】地震の振動が、第二の壁面48と平行であ
った場合には、上述と逆に作用して、やはり上側、下側
両結合部9、10に無理な応力が加わらない様にし、各
壁面47、48に対して傾斜した方向に振動が加わった
場合には、これらの動きが組み合わされて、上側、下側
両結合部9、10に無理な応力が加わらない様にする。
【0035】
【発明の効果】本発明のカーテンウォールの支持装置
は、以上に述べた通り構成され作用する為、建物の角部
に於いて、小型のカーテンウォールを構成するパネルの
端縁同士を変位自在に結合して、地震の際に結合部が破
損するのを確実に防止出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカーテンウォールの支持装置の上
側結合部を示す、図8(b)のA部に相当する縦断面図
である。
【図2】図1の右方から見た図である。
【図3】図1の上方から見た図である。
【図4】本発明によるカーテンウォールの支持装置の下
側結合部を示す、図8(b)のB部に相当する縦断面図
である。
【図5】図4の右方から見た図である。
【図6】図4の上方から見た図である。
【図7】カーテンウォールの支持装置が設けられるビル
ディングの外観斜視図である。
【図8】(a)は従来のカーテンウォールを、(b)は
本発明の前提として考えられたカーテンウォールを、そ
れぞれ示す、図7のC−C断面図である。
【図9】建物角部のパネルを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 パネル 2 梁 3 梁 4 パネル 5 パネル 6 中間パネル 7 建物 8 パネル 9 上側結合部 10 下側結合部 11 ボルト 12 ナット 13 下辺部 14 アングル材 15 アングル材 16 アングル材 17 ボルト 18 ナット 19 固定側上部ブラケット 20 第一の結合板部 21 変位側上部ブラケット 22 第二の結合板部 23 上辺部 24 受板 25 ボルト 26 ナット 27 上側蒲鉾状凸面 28 当て板 29 滑り板 30 長孔 31 上辺部 32 アングル材 33 アングル材 34 ボルト 35 ナット 36 固定側下部ブラケット 37 第三の結合板部 38 変位側下部ブラケット 39 第四の結合板部 40 下辺部 41 ボルト 42 ナット 43 下側蒲鉾状凸面 44 当て板 45 滑り板 46 長孔 47 第一の壁面 48 第二の壁面

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の角部に於いて、上側の梁に支持さ
    れた上側のパネルの下縁と下側の梁に支持された下側の
    パネルの上縁との間に、互いに直交する第一、第二の壁
    面から成り、L字形の横断面を有する中間パネルを支持
    する為の、カーテンウォールの支持装置であって、上記
    上側のパネルの下端部の互いに直交する2個所位置にそ
    れぞれ支持された固定側上部ブラケットに、鉛直方向に
    亙って設けられた第一の結合板部と、上記中間パネルの
    第一、第二の壁面の上端部にそれぞれ支持された変位側
    上部ブラケットに、鉛直方向に亙って設けられた第二の
    結合板部と、互いに対向する第一、第二の結合板部の側
    面の内、少なくとも一方の側面に形成された、鉛直方向
    に亙って湾曲した上側蒲鉾状凸面と、上記第一、第二の
    結合板部の少なくとも一方に形成した、鉛直方向に長い
    上部長孔と、この上部長孔を挿通したボルトとナットと
    の螺合により、上記第一、第二の結合板部同士を結合す
    る上部ボルト・ナットと、上記下側のパネルの上端部の
    互いに直交する2個所位置にそれぞれ支持された固定側
    下部ブラケットに、鉛直方向に亙って設けられた第三の
    結合板部と、上記中間パネルの第一、第二の壁面の下端
    部にそれぞれ支持された変位側下部ブラケットに、鉛直
    方向に亙って設けられた第四の結合板部と、互いに対向
    する第三、第四の結合板部の側面の内、少なくとも一方
    の側面に形成された、鉛直方向に亙って湾曲した下側蒲
    鉾状凸面と、上記第三、第四の結合板部の少なくとも一
    方に形成した、鉛直方向に長い下部長孔と、この下部長
    孔を挿通したボルトとナットとの螺合により、上記第
    三、第四の結合板部同士を結合する下部ボルト・ナット
    とから成るカーテンウォールの支持装置。
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