JP2891798B2 - 偏平繊維織物 - Google Patents

偏平繊維織物

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JP2891798B2 JP3128174A JP12817491A JP2891798B2 JP 2891798 B2 JP2891798 B2 JP 2891798B2 JP 3128174 A JP3128174 A JP 3128174A JP 12817491 A JP12817491 A JP 12817491A JP 2891798 B2 JP2891798 B2 JP 2891798B2
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丈二 武藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偏平繊維織物の欠点で
ある耐フィブリル性と透け感を改良した着用耐久性と審
美性のある偏平繊維織物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、偏平形状を有する繊維を用い
た織物は通常の丸断面糸や三角断面糸を用いた織物に比
べて独特の風合いと特殊な光沢・外観を有し、そのため
に衣料用及びインテリア用の用途に使用されてきた。
【0003】一般に、偏平織物は合成繊維特有のぬめり
感を解消し、さらっとしたドライ感を有し、防シワ性も
良く、春・夏用の衣料用に適している。しかし、着用に
よりフィブリル化を起して、外観が見劣りするという問
題があり、また丸断面や三角断面繊維を使った織物に比
べて透けやすく、衣料用織物としては満足できるもので
はなかった。
【0004】
【発明が解消しようとする課題】本発明の目的は、従来
の偏平繊維織物の欠点である耐フィブリル性と透けを改
良した偏平繊維織物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、偏平形状を
有し、偏平率が1:5〜1:15の範囲にあるポリエス
テル繊維からなり、該繊維中に前記一般式(I)で表わ
されるスルホン酸金属塩化合物を該ポリエステルの酸成
分に対して0.3〜15モル%含有する偏平繊維を少な
くとも経糸または緯糸に用いて織成してなることを特徴
とする偏平繊維織物によって達成される。
【0006】本発明の偏平繊維織物について詳細に説明
する。本発明の織物に使用するポリエステル繊維は、そ
れを構成する単糸が偏平形状を有し、偏平率が1:5〜
1:15、好ましくは1:7〜1:13の範囲にある繊
維であって、通常マルチフィラメント糸の形態で使用さ
れる。偏平率が1:5未満の場合は、偏平糸が含有して
いるドライ感が十分得られず本発明の目的を達成するこ
とができない。また、偏平率が1:15を超えると単糸
デニールが細い繊維を紡糸することが困難となる。ここ
で、偏平率は繊維断面の最大径の長さ(長軸)をA、該
長軸に直交する最大径の長さ(短軸)をBとすると、
1:A/Bで定義される。繊維断面の形状は、完全な長
方形である必要はなく全体としてほぼ長方形ないし楕円
であればよい。
【0007】偏平単糸からなるポリエステルマルチフィ
ラメント糸の繊度は、薄地織物用には30〜100デニ
ールのものが好ましく、また厚地織物用には100〜3
00デニールのものが好ましい。さらに、単糸繊度とし
ては、衣料用織物には1〜9デニールの範囲のものが好
ましく、2〜8デニールの範囲のものはより好ましい。
単糸繊度が1デニール未満では織物の風合い、外観の点
から好ましくなく、また単糸繊度が9デニールを超える
と風合いが粗硬になり好ましくない。
【0008】偏平繊維織物の欠点であるフィブリルの発
生を解決するために、本発明においては、前記一般式
(I)で表わされるスルホン酸金属塩化合物をポリエス
テルの製造段階においてポリエステルの酸成分に対して
0.3〜15モル%添加し、得られたポリエステルを溶
融紡糸して得られる偏平繊維を使用する。
【0009】前記一般式(I)において、M及びM′は
金属であり、Mとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金
属、Mn1/2、Co1/2またはZn1/2が好まし
く、なかでもLi、Na、K、Ca1/2、Mg1/2
が特にに好ましい。M′としては、アルカリ金属または
アルカリ土類金属が好ましく、なかでもLi、Na、
K、Ca1/2、Mg1/2が特に好ましい。M及び
M′は同一でも異なっていてもよい。nは1または2で
ある。Rは水素原子またはエステル形成性官能基であ
り、官能基としては−COOR′(但し、R′は水素原
子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基)また
は−CO−[−O(CH2 p −]q −OH(但しpは
2以上の整数、qは1以上の整数)等が好ましい
【0010】かかるスルホン酸金属塩化合物の好ましい
具体例としては、3−カルボメトキシ・ベンゼンスルホ
ン酸Na−5−カルボン酸Na、3−カルボメトキシ・
ベンゼンスルホン酸Na−5−カルボン酸K、3−カル
ボメトキシ・ベンゼンスルホン酸K−5−カルボン酸
K、3−ヒドロキシエトキシカルボニル・ベンゼンスル
ホン酸Na−5−カルボン酸Na、3−カルボキシ・ベ
ンゼンスルホン酸Na−5−カルボン酸Na、3−ヒド
ロキシエトキシカルボニル・ベンゼンスルホン酸Na−
5−カルボン酸Mg1/2、ベンゼンスルホン酸Na−
3,5−ジカルボン酸Na、ベンゼンスルホン酸Na−
3,5−ジカルボン酸Mg1/2などを挙げることがで
きる。
【0011】上記スルホン酸金属塩化合物は1種のみ単
独で使用しても、また2種以上併用してもよい。その添
加時期は、ポリエステルの重縮合反応が終了する以前の
任意の段階でよく、例えば、ポリエステルの原料中に、
添加配合しても、ポリエステルの合成中に添加してもよ
い。いずれにしても、添加後溶融状態で混合されるよう
にするのが好ましい。
【0012】スルホン酸金属塩化合物の添加量が過少で
あると、耐フィブリル性と透け防止が不充分になり、逆
に過多であると、充分高い重合度のポリエステルが得難
くなる。このため、添加量は、添加すべきポリエステル
を構成する酸成分に対し0.3〜15モル%の範囲にす
べきであり、0.5〜5モル%の範囲が好ましい。
【0013】偏平率が1:5〜1:15の範囲にある偏
平形状繊維を得るには紡糸口金の吐出孔形状が重要であ
る。吐出孔の長軸と短軸との比が20/1〜120/
1、好ましくは60/1〜100/1のものを使用す
る。長軸と短軸との比が20/1未満の場合は偏平率が
1:5以上の繊維を得ることが困難で、また、長軸と短
軸の比が120/1を超えるときは紡糸性が大きく低下
するとともに得られる繊維の力学的性質も大きく低下す
るので好ましくない。なお、偏平率を大きくするには急
冷紡糸または紡糸速度を上げて異形度を上げる手段を採
ることが好ましい。
【0014】偏平繊維織物の製造過程において、アルカ
リ化合物で処理して繊維表面に微細孔を設けることがで
きる。この処理によって、耐フィブリル性は低下するこ
となく、吸水性を向上することができる。アルカリとし
ては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが用いら
れ、アルカリ処理方法としては、濃度10〜50g/リ
ットルで沸騰水中常圧下に浸漬する方法を採ることがで
きる。アルカリ減量率の程度は、5〜20重量%が好ま
しい。なお、アルカリ減量率はアルカリ処理前後の重量
変化から求める。
【0015】
【作用】ポリエステルの製造段階で少量のスルホン酸金
属塩化合物を添加して得られるポリエステルを溶融紡糸
した偏平繊維を用いて織成した偏平繊維織物は耐フィブ
リル性が著しく向上し、透け感がなくなる。この作用に
ついては未だ不明であるが、製糸中の繊維の内部構造が
フィブリル化を起こし難い形になるためと推定される。
【0016】
【発明の効果】本発明の偏平繊維織物は、極めてフィブ
リルが発生しにくく、しかも透けないという特性を持っ
ている。この織物にアルカリ処理を施すと、吸水性も向
上させることができる。もとより、偏平繊維織物はさら
っとしたドライタッチを保有しているので、上記の特性
が加わった本発明の偏平繊維織物は、着用耐久性、審美
性および快適性に優れた衣服を提供することができる。
【0017】
【実施例】常法によりジメチルテレフタレートとエチレ
ングリコールとのエステル交換反応を経て重縮合反応に
よりポリエチレンテレフタレートを得る方法において、
エステル交換反応末期に5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸と酢酸マグネシウムを添加して5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸マグネシウムを0.75%含む極限粘度
〔η〕=0.64(35℃、OCP中)のポリマーを得
た。このポリマーを300℃で溶融し、吐出孔の長軸と
短軸の比が80/1である長方形吐出孔を12個有する
紡糸口金から吐出量37.3g/分で押出し、冷却固化
後、オイリングローラーにて油剤を付与し、3000m
/分で捲取った。次いで、予熱温度80℃、セット温度
180℃にて1.4倍に延伸熱処理し、偏平率が1:1
0である偏平繊維からなるポリエステルマルチフィラメ
ント糸(80de/12fil)を得た。このマルチフ
ィラメント糸に撚数200T/M(撚係数=1800)
の撚を付与したものを経糸と緯糸に使用して綾織組織で
織成した。
【0018】次いで、得られた織物を温度100℃でリ
ラックス処理を行い、経方向の縮み率11.4%、緯方
向の縮み率17.1%の収縮を伴って処理をした。プレ
セット後、沸騰した濃度35g/リットルのNaOH水
溶液中で25分間処理することによって減量率9.9%
でアルカリ減量し、次いで、染色仕上げセットを施し
た。得られた織物は、目付が86g/m2 、密度が経糸
132本/2.54cm、緯糸95本/2.54cmで
あった。得られた織物についてマーチンデール摩耗試験
機で3000回摩擦して耐フィブリル性を評価したとこ
ろ、全くフィブリルの発生は認められなかった。また、
不透明で、透け感もいわゆるフルダル調の丸断面の織物
よりももっと低かった。さらに吸収性もあって、さらっ
としたドライタッチを有していた。その織物を使用し
て、婦人用のシャツを縫製して着用したところ、汗もよ
く吸収し、また、下着等は透けなく、6ヶ月着用しても
フィブリルは認められなかった。
【0019】
【比較例】スルホン酸金属塩化合物を含まないポリエチ
レンテレフタレートを用いて、前記実施例と同様にして
偏平率1:10の偏平繊維を製糸し、同組織同規格で製
織し、アルカリ減量率9.9%で処理した。得られた織
物について前記実施例と同様にして耐フィブリル性を評
価したところ、織物全体に多数のフィブリルが発生して
織物表面が白化し、見劣りのするものになってしまっ
た。また、透け感や吸収性も劣っていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 正幸 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人 株式会社大阪研究センター内 (56)参考文献 特開 昭59−76969(JP,A) 特開 昭61−152870(JP,A) 特開 平1−111035(JP,A) 特開 昭57−82543(JP,A) 特開 平3−19909(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D03D 15/00 D01F 6/62 303 D01F 6/92 301

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏平形状を有し、偏平率が1:5〜1:
    15の範囲にあるポリエステル繊維からなり、該繊維中
    に下記一般式(I): 【化1】 式中、MおよびM′は金属、nは1又は2、Rは水素原
    子又はエステル形成性官能基を示す。で表わされるスル
    ホン酸金属塩化合物を、該ポリエステルの酸成分に対し
    て0.3〜15モル%含有する偏平繊維を少なくとも経
    糸または緯糸に用いて織成してなることを特徴とする偏
    平繊維織物。
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