JP2891619B2 - 流体式制振装置 - Google Patents
流体式制振装置Info
- Publication number
- JP2891619B2 JP2891619B2 JP30050293A JP30050293A JP2891619B2 JP 2891619 B2 JP2891619 B2 JP 2891619B2 JP 30050293 A JP30050293 A JP 30050293A JP 30050293 A JP30050293 A JP 30050293A JP 2891619 B2 JP2891619 B2 JP 2891619B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- intermediate storage
- liquid
- tank
- damping device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
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Landscapes
- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンク内に貯留した液
体の動揺を利用して振動を抑制する流体式制振装置の改
良に関する。
体の動揺を利用して振動を抑制する流体式制振装置の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の流体式制振装置として、例えば
本出願人らが先に開発した特開平5−60173号公報
に示す流体式制振装置がある。このものは、図2に断面
して示すように、下部タンク1の両側上部にこれと連通
した一対の立ち上げ部2を立設してなる貯留タンク3内
に制振用の水4を収容し、立ち上げ部2の中間程度まで
水4を満たしたもので、各立ち上げ部2の上方空間同士
を連通するダクト5を設けるとともに、ダクト5の間に
同じく制振用の水4を中間まで満たした中間貯留部6を
配置し、この中間貯留部6に水4の流動を受けて回動変
位する回転板7を設けたもので、回転板7の回転軸8は
制動機構9と連繋し、これにより回転板7の回動抵抗を
調整できるようにしている。
本出願人らが先に開発した特開平5−60173号公報
に示す流体式制振装置がある。このものは、図2に断面
して示すように、下部タンク1の両側上部にこれと連通
した一対の立ち上げ部2を立設してなる貯留タンク3内
に制振用の水4を収容し、立ち上げ部2の中間程度まで
水4を満たしたもので、各立ち上げ部2の上方空間同士
を連通するダクト5を設けるとともに、ダクト5の間に
同じく制振用の水4を中間まで満たした中間貯留部6を
配置し、この中間貯留部6に水4の流動を受けて回動変
位する回転板7を設けたもので、回転板7の回転軸8は
制動機構9と連繋し、これにより回転板7の回動抵抗を
調整できるようにしている。
【0003】なお、下部タンク1の上部は図と直交する
方向も同じ一対の立ち上げ部2、ダクト5、中間貯留部
7が配置されこれにより、水平2方向の振動に対処して
制振動作を行う。
方向も同じ一対の立ち上げ部2、ダクト5、中間貯留部
7が配置されこれにより、水平2方向の振動に対処して
制振動作を行う。
【0004】この構造の流体式制振装置にあっては、貯
留タンク3内の水4の動きのみならずそれに伴う空気の
動きと、中間貯留部6の水4の動きと、この動きに伴う
回転板7の動きによって、より小型で大きな制振効果を
得ることができる。
留タンク3内の水4の動きのみならずそれに伴う空気の
動きと、中間貯留部6の水4の動きと、この動きに伴う
回転板7の動きによって、より小型で大きな制振効果を
得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この構
造の流体式制振装置にあっては、前記貯留タンク3内の
水4と中間貯留部6内に収容される水4とは完全に分離
していたため、両者の水位WL1,WL2 は個別に管理し
なければならず、水位管理が面倒であった。
造の流体式制振装置にあっては、前記貯留タンク3内の
水4と中間貯留部6内に収容される水4とは完全に分離
していたため、両者の水位WL1,WL2 は個別に管理し
なければならず、水位管理が面倒であった。
【0006】また、大振幅の振動があった場合には、立
ち上げ部2からダクト5を通じて中間貯留部6に水4が
入り込んだり、その逆に中間貯留部6から貯留タンク1
内に水が入り込んで、両者の水位が変動し、この変動に
伴って制振特性も変動してしまうため、その都度調整作
業を要する欠点があった。
ち上げ部2からダクト5を通じて中間貯留部6に水4が
入り込んだり、その逆に中間貯留部6から貯留タンク1
内に水が入り込んで、両者の水位が変動し、この変動に
伴って制振特性も変動してしまうため、その都度調整作
業を要する欠点があった。
【0007】本発明は以上の問題を解決するものであっ
て、その目的は、貯留タンク内の液位と中間貯留部の液
位を常に同一レベルに保持でき、制振特性の安定化を図
った流体式制振装置を提供するものである。
て、その目的は、貯留タンク内の液位と中間貯留部の液
位を常に同一レベルに保持でき、制振特性の安定化を図
った流体式制振装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、平面形状が矩形形状をなした下部タンク
と、該下部タンクの4辺に一体に立設され、かつ制動用
液体が途中まで満たされている立ち上げ部とからなる液
体貯留タンクと、対向する前記立ち上げ部の上部空間同
士を連通するダクトと、該各ダクトの間に配置され、か
つ内部に制動用液体を収容した中間貯留部と、該中間貯
留部内を前記ダクトに連通する一対の空間に仕切り、か
つ前記液体の流動圧を受けて変位する回転板とを備えた
流体式制振装置において、前記中間貯留部と前記貯留タ
ンクとの間を細管により連通管式に接続したものであ
る。
め、本発明は、平面形状が矩形形状をなした下部タンク
と、該下部タンクの4辺に一体に立設され、かつ制動用
液体が途中まで満たされている立ち上げ部とからなる液
体貯留タンクと、対向する前記立ち上げ部の上部空間同
士を連通するダクトと、該各ダクトの間に配置され、か
つ内部に制動用液体を収容した中間貯留部と、該中間貯
留部内を前記ダクトに連通する一対の空間に仕切り、か
つ前記液体の流動圧を受けて変位する回転板とを備えた
流体式制振装置において、前記中間貯留部と前記貯留タ
ンクとの間を細管により連通管式に接続したものであ
る。
【0009】
【作用】以上の構成によれば、細管を通じて貯留タンク
と中間貯留部とは連通管式に連結されているので常時両
者の液面は同一レベルに保たれる。細管はそのオリフィ
ス抵抗によって揺れが生じた場合の制振特性に与える影
響がなく、しかも大振幅の揺れによって、一時的に液位
が変動しても、揺れが収まった後に時間の経過に伴い細
管を通じて液位は元の一定のレベルに戻される。
と中間貯留部とは連通管式に連結されているので常時両
者の液面は同一レベルに保たれる。細管はそのオリフィ
ス抵抗によって揺れが生じた場合の制振特性に与える影
響がなく、しかも大振幅の揺れによって、一時的に液位
が変動しても、揺れが収まった後に時間の経過に伴い細
管を通じて液位は元の一定のレベルに戻される。
【0010】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて詳細に
説明する。なお、従来と同一箇所または相当する箇所に
は同一符号を付し、新たに付加された部分のみ異なる符
号を用いて説明する。
説明する。なお、従来と同一箇所または相当する箇所に
は同一符号を付し、新たに付加された部分のみ異なる符
号を用いて説明する。
【0011】図1において、この制振装置は従来とほぼ
同様に、下部タンク1の両側上部にこれと連通した一対
の立ち上げ部2を立設してなる貯留タンク3内に水4を
収容し、立ち上げ部2の中間程度まで制振用の水4を満
たしたもので、各立ち上げ部2の上方空間同士を連通す
るダクト5を設けるとともに、下部タンク1上にあっ
て、ダクト5の間に同じく制振用の水4を中間まで満た
した中間貯留部6を配置し、この中間貯留部6に水4の
流動を受けて回動変位する回転板7を設けたもので、回
転板7の回転軸8は制動機構9と連繋し、これにより回
転板7の回動抵抗を調整できるようにしている。
同様に、下部タンク1の両側上部にこれと連通した一対
の立ち上げ部2を立設してなる貯留タンク3内に水4を
収容し、立ち上げ部2の中間程度まで制振用の水4を満
たしたもので、各立ち上げ部2の上方空間同士を連通す
るダクト5を設けるとともに、下部タンク1上にあっ
て、ダクト5の間に同じく制振用の水4を中間まで満た
した中間貯留部6を配置し、この中間貯留部6に水4の
流動を受けて回動変位する回転板7を設けたもので、回
転板7の回転軸8は制動機構9と連繋し、これにより回
転板7の回動抵抗を調整できるようにしている。
【0012】なお、下部タンク1の上部は図と直交する
方向も同じ一対の立ち上げ部2、ダクト5、中間貯留部
7が配置され、これにより水平2方向の振動に対処して
制振動作を行う。
方向も同じ一対の立ち上げ部2、ダクト5、中間貯留部
7が配置され、これにより水平2方向の振動に対処して
制振動作を行う。
【0013】したがって、以上の制振装置では、貯留タ
ンク3および中間貯留部6の水4の動揺によって、建物
などの構造物に加わる水平2方向の振動エネルギーを吸
収するだけでなく、その動揺に伴う立ち上げ部2の上部
空間の加減圧作用によっても振動エネルギーを吸収す
る。また、中間貯留部6の水4を空気圧の変動によって
動揺させることで振動エネルギーを吸収し、水4の動き
を回転板7によって抑制することでも振動エネルギーを
吸収することができる。
ンク3および中間貯留部6の水4の動揺によって、建物
などの構造物に加わる水平2方向の振動エネルギーを吸
収するだけでなく、その動揺に伴う立ち上げ部2の上部
空間の加減圧作用によっても振動エネルギーを吸収す
る。また、中間貯留部6の水4を空気圧の変動によって
動揺させることで振動エネルギーを吸収し、水4の動き
を回転板7によって抑制することでも振動エネルギーを
吸収することができる。
【0014】さらに前記中間貯留部6の底部と、下部タ
ンク1との間は細管10によって連結され、この細管1
0による連通管現象によって立ち上げ部2の水位と中間
貯留部6の水位WLを常時同一レベルに保っている。
ンク1との間は細管10によって連結され、この細管1
0による連通管現象によって立ち上げ部2の水位と中間
貯留部6の水位WLを常時同一レベルに保っている。
【0015】したがって以上の制振装置の静止状態では
両者の水位WLは常時同一であり、この状態から振動に
より水4が貯留タンク3或いは中間貯留部6移動する場
合には、その移動速度に比べて細管10のオリフィス抵
抗は高いため、この部分を伝って下部タンク1から中間
貯留部6或いはその逆側に移動する水量は極めて小さ
く、制振動作に与える影響は無視できることになる。
両者の水位WLは常時同一であり、この状態から振動に
より水4が貯留タンク3或いは中間貯留部6移動する場
合には、その移動速度に比べて細管10のオリフィス抵
抗は高いため、この部分を伝って下部タンク1から中間
貯留部6或いはその逆側に移動する水量は極めて小さ
く、制振動作に与える影響は無視できることになる。
【0016】また大振幅の振動により立ち上げ部2より
ダクト5を伝って中間貯留部6に水4が侵入したり、或
いはその逆方向に水が移動した場合にあっては、振動が
収まって静止状態になると、細管10を伝って水4は徐
々に移動し、時間経過とともに再び元の同一水位WLに
復帰することになる。
ダクト5を伝って中間貯留部6に水4が侵入したり、或
いはその逆方向に水が移動した場合にあっては、振動が
収まって静止状態になると、細管10を伝って水4は徐
々に移動し、時間経過とともに再び元の同一水位WLに
復帰することになる。
【0017】
【発明の効果】以上実施例によって詳細に説明したよう
に、本発明にかかる流体式制振装置にあっては、細管を
通じて貯留タンクと中間貯留部とは連通管式に連結され
ているので常時両者の液面は同一レベルに保たれ、また
細管はそのオリフィス抵抗によって揺れが生じた場合の
制振動作に与える影響がなく、しかも大振幅の揺れによ
って、一時的に液位が変動しても、揺れが収まった後に
時間の経過に伴い細管を通じて液位は元の一定のレベル
に戻される。
に、本発明にかかる流体式制振装置にあっては、細管を
通じて貯留タンクと中間貯留部とは連通管式に連結され
ているので常時両者の液面は同一レベルに保たれ、また
細管はそのオリフィス抵抗によって揺れが生じた場合の
制振動作に与える影響がなく、しかも大振幅の揺れによ
って、一時的に液位が変動しても、揺れが収まった後に
時間の経過に伴い細管を通じて液位は元の一定のレベル
に戻される。
【0018】したがって本発明では、液位管理が必要で
なく、両者の液位が一時的に変動し、ても元の液位に復
帰するため、制振特性の変動がなく、またその都度調整
の要もない等の利点がある。
なく、両者の液位が一時的に変動し、ても元の液位に復
帰するため、制振特性の変動がなく、またその都度調整
の要もない等の利点がある。
【図1】本発明の流体式制振装置の断面図である。
【図2】従来の流体式制振装置の断面図である。
1 下部タンク 2 立ち上げ部 3 貯留タンク 4 制振用の水 5 ダクト 6 中間貯留部 7 回転板 10 細管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺村 彰 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−60173(JP,A) 特開 平4−62273(JP,A) 特開 平4−55578(JP,A) 特開 平4−312686(JP,A) 実開 平1−139138(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04H 9/02 F16F 15/02
Claims (1)
- 【請求項1】 平面形状が矩形形状をなした下部タンク
と、該下部タンクの4辺に一体に立設され、かつ制振用
液体が途中まで満たされている立ち上げ部とからなる液
体貯留タンクと、対向する前記立ち上げ部の上部空間同
士を連通するダクトと、該各ダクトの間に配置され、か
つ内部に制振用液体を収容した中間貯留部と、該中間貯
留部内を前記ダクトに連通する一対の空間に仕切り、か
つ前記液体の流動圧を受けて回転変位する回転板とを備
えた流体式制振装置において、 前記中間貯留部と前記貯留タンクとの間を細管により連
通管式に接続したことを特徴とする流体式制振装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30050293A JP2891619B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 流体式制振装置 |
US08/297,886 US5542220A (en) | 1993-11-30 | 1994-08-30 | Hydrostatic anti-vibration system and adjusting method therefor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30050293A JP2891619B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 流体式制振装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07150805A JPH07150805A (ja) | 1995-06-13 |
JP2891619B2 true JP2891619B2 (ja) | 1999-05-17 |
Family
ID=17885593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30050293A Expired - Fee Related JP2891619B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 流体式制振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2891619B2 (ja) |
-
1993
- 1993-11-30 JP JP30050293A patent/JP2891619B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07150805A (ja) | 1995-06-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990119 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |