JP2556580Y2 - 制振力発生装置 - Google Patents

制振力発生装置

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JP2556580Y2
JP2556580Y2 JP9433191U JP9433191U JP2556580Y2 JP 2556580 Y2 JP2556580 Y2 JP 2556580Y2 JP 9433191 U JP9433191 U JP 9433191U JP 9433191 U JP9433191 U JP 9433191U JP 2556580 Y2 JP2556580 Y2 JP 2556580Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、風や地震等に起因す
る構造物の振動を制御する制振力の発生装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】この種の制振力発生装置は従来から種々
のものが開発されている。しかし、それらは構造が複雑
で、重量が重く、しかも制振効果の精度がそれほど高く
ないという問題を有していた。かかる課題を解決するた
めに、本出願人は先に特願平1−136727号に記載
した制振力発生装置を提案した。この制振力発生装置で
は、いわゆるジャイロスタビライザが用いられ、図7に
示すように構造物1内に設置した回転体2を回転軸3の
周りに高速回転させ、例えば図7の水平X軸負方向に加
わる外力により構造物1及び回転体2に角速度Ω1 の回
転速度を生じた場合、前記回転体2にX軸周りにモーメ
ントM1 が発生し、更にこのモーメントM1 により回転
体のX軸周りに角速度Ω2 を生じさせることによって、
水平Y軸周りにモーメントM2 を発生させ、このモーメ
ントM2 により構造物の曲げ変形とは逆方向に生じる曲
げ変形によって構造物の外力による曲げ変形を消去す
る。このジャイロモーメントにより構造物全体の固有振
動数を高めて外力との共振を回避する。
【0003】この制振力発生装置によれば、構造物の曲
げ変形をセンサ等により検出してその検出量に対応する
曲げ変形力を構造体に与えるという操作ないしは制御手
段を用いる必要がないので、構造が簡潔で、しかも精度
の高い制振効果を得ることができるという利点がある。
また制振力を得るために必要な回転体の重量は構造物の
重量に比して極めて軽量のもので足りるから、経済的に
も安価なコストで実施できるという利点もある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】前記従来の制振力発生
装置にはこれといった問題点はない。しかし、建設設計
業界ではより一層制振効果の高い制振力発生装置が望ま
れている。この考案はかかる要望に呼応して開発された
ものであり、前記ジャイロスタビライザに適切な減衰機
構とばね機構とを付加することにより、より一層制振効
果の高い制振力発生装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この考案の制振力発生装
置は、風や地震等に起因する構造物の振動を制御する制
振力発生装置であって、構造物内に水平に設置した回転
体を鉛直な回転軸の周りに高速回転させることにより構
造物の曲げ変形とは逆方向に曲げ変形を生じさせるジャ
イロスタビライザに、構造物の共振応答値を低減する減
衰値を有する減衰機構と、構造物の共振応答値を低減す
るばね定数を有するばね機構とを取付けたことを特徴と
するものである。
【0006】
【作用】この考案の制振力発生装置においては、前記ジ
ャイロスタビライザに構造物の共振応答値を低減する減
衰値を有する減衰機構と構造物の共振応答値を低減する
ばね定数を有するばね機構とが取付けられているので、
ジャイロスタビライザの歳差運動による構造物の共振回
避性能に相まって、構造物の振動エネルギーが該減衰機
構により効率良く吸収され、ばね機構により該振動エネ
ルギーが増加するのを防止されることにより有効に制御
される。
【0007】
【実施例】本考案の減衰機構付制振力発生装置の一実施
例を図1に基づいて詳述する。図に示す減衰機構付制振
力発生装置のジャイロスタビライザ4は、従前と同様
に、構造物1内に二つの支持台5を設置し、この支持台
5に水平方向のX軸周りに回転可能なビーム6を支持
し、このビーム6に直径方向両端が取付けられた円形中
空フレーム7の鉛直方向中心線上に、回転軸3を回転可
能に支承し、該フレーム7内に配設した円板状の回転体
2を、回転軸3に取りつけた構成のものであり、図示し
ない駆動機構により、前記回転体2は図1の矢印a方向
に高速回転されるようにしてある。
【0008】次にこのジャイロスタビライザの作用につ
いて説明する。前記X軸に直交する水平方向軸をY軸と
して、いま、簡略のために構造物1への外力による振動
が、X軸負方向からだけ加えられたものとすると、この
振動により図6aに示す構造物1に生じた回転変形θA
(角速度Ω1 )に伴って、回転体2には構造物1と同一
の角速度Ω1 が与えられるので、X軸周りには図1に示
す矢印方向のモーメントM1 が発生する。そしてこのモ
ーメントM1 によってX軸周りに角速度Ω2 を与えられ
るので、Y軸周りには図1に示す矢印方向のモーメント
2 が発生することになる。このモーメントM2 は支持
台5を介して構造物1にNなる鉛直方向力(偶力)とし
て作用する。このようにして発生したモーメントM2
より、図6aに示す構造物1の曲げ変形δA とは逆方向
の曲げ変形δB が図6bのように生じるから、このδB
によってδA が相殺されて振動が制御される。
【0009】本考案の制振力発生装置では前記ジャイロ
スタビライザに減衰機構が取付けられている。この減衰
機構8は構造物1の共振応答値を低減する減衰値を有す
るものである。この減衰機構8は、前記ビーム6に取付
けられたプレート16と、それに対向するプレート17
間に適宜の粘性体を介在したものであり、該ビーム6と
共にプレート16が回転すると、前記対向プレート17
との間の粘性体の粘性抵抗によりプレート16及びビー
ム6の回転が減衰されるようにしたものである。
【0010】更に本考案では前記ジャイロスタビライに
ばね機構が取付けられている。このばね機構20は、前
記減衰機構8と同様に、構造物の共振応答値を低減する
ばね定数を有するものである。この実施例では前記支持
台5と中空フレーム7との間のビーム6の外側にばねが
設けられており、ばねの片側を支持台5に、もう一方を
中空フレーム7に取付けており、これによりジャイロス
タビライザ4の回転軸3を鉛直方向に保つ力が働くよう
にしてある。
【0011】図2は本考案の制振力発生装置の他の実施
例である。この実施例に使用されたジャイロスタビライ
ザ4は前記図1の実施例のジャイロスタビライザ4と全
く同一のものであるので、ここでは詳述しない。この実
施例の減衰装置8は、構造物1に固定されている支持具
9に回転自在に取付けられた支持軸10と、該支持軸1
0の周囲に適宜間隔で放射状に固定された複数枚の羽根
11と、こ のうち数枚の羽根11が浸漬するシリコン
オイル等の粘性体12と、該粘性体12を収容する容器
13とが備えられ、前記支持軸10はジャイロスタビラ
イザ4のビーム6とプーリ13,14、ベルト15によ
り連結されている。この減衰機構8ではジャイロスタビ
ライザ4のビーム6が回転すると支持軸10が同方向に
回転し、それに伴って前記羽根11も回転するが、この
うち粘性体12中に浸漬している羽根11には流動抵抗
が発生し、これにより支持軸10及びビーム6の回転が
減衰される。この減衰機構としては他にもジャイロスタ
ビライザのビーム6の周囲に、電気的に減衰力を付加す
る電磁式ダンパ等を用いることもできる。
【0012】またこの実施例におけるばね機構20に
は、構造物1内に固定された固定台21と前記ジャイロ
スタビライザ4の中空フレーム7の下端部との間にばね
が設けられている。これにより該ジャイロスタビライザ
4の回転軸は、その方向を鉛直方向に保つ力を受ける。
次に前記減衰値及びばね定数の算出方法について図3に
基づいて説明する。この算出方法は例えば構造物を一つ
の質点振動系と考え、それにジャイロスタビライザを取
付けたものとする1質点モデルによる解析例である。
【0013】ここで図に示すように質点の質量をm、質
点を支持するばね(本考案のばね機構とは異なる)の長
さをL、ばねの曲げ剛性をEI、質点の水平運動の減衰
係数をc、ジャイロの歳差軸回りの回転慣性をIg、ジ
ャイロの回転体の回転軸回りの回転慣性をIz、ジャイ
ロの回転体の回転軸回りの回転角速度をω、ジャイロの
歳差運動の減衰係数(減衰値)をcg、ジャイロの歳差
運動のばね定数をkg、質点の水平変位をχ、質点のy
軸回りの回転角をθy、ジャイロ装置の歳差角をθx、
質点に作用する水平外力をP、ばねに生じる剪断力をP
x、ばね上端に生じるモーメントをMmy、制振モーメ
ントをMgy、回転軸との節点でのモーメントをMxと
し、前記歳差運動とはジャイロの歳差軸回りの回転運動
を示し、歳差角とはジャイロの歳差軸回りの回転角を示
し、歳差軸とは軸A−A’(ビーム)を示し、回転軸と
は軸B−B’を示し、制振モーメントとは質点とジャイ
ロ間のモーメントを示すものとして、系に働く運動方程
式を考える。なお、このモデルでは質点はあくまでも点
であって、質点中心からばねまでの距離Lmは0とす
る。
【0014】 θy’・Iz・ω=−Mx ……… (1) Ig・θx”+cg・θx’+kg・θx=Mx ……… (2) θx’・Iz・ω=Mgy ……… (3) Mgy+Mmy=0 ……… (4) m・χ”+c・χ’=P−Px ……… (5) θy=(L2 /2EI)・Px−(L/EI)・Mmy ……… (6) χ=(L3 /3EI)・Px−(L2 /2EI)・Mmy ……… (7) これらの運動方程式から前記ジャイロ歳差運動の減衰値
cgをパラメータとする共振曲線方程式を求め、その最
大応答倍率が最小となるcg値が減衰値の最適値とな
る。この共振曲線方程式を以下のようにして求める。
【0015】 前記1式,2式より Ig・θx”+cg・θx’+kg・θx=−θy’・Iz・ω……… (8) 前記4式,6式より θy=(L2 /2EI)・Px+(L/EI)・Mgy ……… (9) 前記4式,7式より χ=(L3 /3EI)・Px+(L2 /2EI)・Mgy ………(10) 前記9式,10式より Mgy=−6EI/L2 ・(χ−2/3・L・θy) ………(11) Px=12EI/L3 ・(χ−1/2・L・θy) ………(12) 前記3式,11式より θx’・Iz・ω=−6EI/L2 ・(χ−2/3・L・θy)………(13) 前記5式,12式より m・χ”+c・χ’=P−12EI/L3 ・(χ−1/2・L・θy) ………(14) この1質点モデルに外力P=F・cos ptが作用した場
合を考える。前記質点のy軸回りの回転角:θy、ジャ
イロ装置の歳差角:θx、変位:χは、夫々の振幅:Θ
x,Θy,A,夫々の外力に対する位相差:Tx,y軸
方向への位相差:Ty,変位方向への位相差:Tを用い
て以下のように表される。
【0016】 θx=Θx・cos(pt−Tx) ………(15) θy=Θy・cos(pt−Ty) ………(16) χ=A・cos(pt−T) ………(17) 但し、 Θx≧0,Θy≧0,A≧0,−π<Tx≦π,−π<Ty≦π −π<T≦π 前記8式に、15式、16式を代入して、これを特性方
程式と見なし、その特性根実部と虚部とから下記21
式,22式を得る。即ち、 Θx((Igp2−kg)2+(cg p)2)1/2・sin(pt−Tx+ tan-1((Igp2−kg)/cgp) ≡Θy・p・Izω・sin(pt−Ty+π) ………(18) ∴ Θx((Igp2−kg)2+(cg p)2)1/2=Θyp・Izω ………(19) Tx− tan-1((Igp2−kg)/cgp)=Ty−π ………(20) 19式,20式を変形して Θx=Izωp/((Igp2−kg)2+(cg p)2)1/2・Θy ………(21) Tx=Ty+ tan-1((Igp2−kg)/ cg p)−π ………(22) 同様に前記13式を展開して pIzωL2 /6EI・Θx・ (cgp/((Igp2−kg)2+(cg p)2)1/2・ sin(pt−Ty) − (Igp2−kg) /((Igp2−kg)2+(cg p)2)1/2・ cos(pt−Ty)) − 2/3・L・Θy・ cos(pt−Ty)=−A・ cos(pt−T)……(23) ここで X=p2(Izω)22 /(6EI((Igp2−kg)2+(cg p)2)) ………(24) とおくと、 Θy・((Xcgp)2+(X(Igp2 −kg)+2/3 L)2)1/2・ sin(pt−Ty− tan-1((X(Igp2 −kg)+2/3 L)/(Xcgp)) =−A・ sin(pt−T+π/2)=A・ sin(pt−T−π/2) ………(25) ∴Θy=((Xcgp)2+(X(Igp2 −kg)+2/3 L)2) -1/2・A ………(26) Ty=T− tan-1((X(Igp2 −kg)+2/3 L)/Xcgp) ………(27) となる。
【0017】ここで、26式の右辺=X2 A,27式の
右辺=T+T1 としてX2 ,T1 をおく。同様に前記1
4式を展開し、更に26式,27式を代入すると、 ( cp+(6EI/L2)X2 sinT1)sin(pt-T) +(-(12EI/L3−mp2)+(6EI/L2)X2 cosT1) cos(pt−T)=−(F/A)cos pt ………(28) ここで cp+(6EI/L2)X2 sinT1=D1 ………(29) −(12EI/L3−mp2)+(6EI/L2)X2 cosT1=D2 ………(30) とおくと、 A=(D1 +D2 -1/2・F ………(31) D1 ≧0のとき、 T= tan-1(D2 /D1 )+π/2 ………(32) となり、D1 <0のとき、 T= tan-1(D2 /D1 )−π/2 ………(33) この共振曲線方程式31式を評価関数として、その最大
応答倍率が最小となる減衰係数cgを前述した減衰機構
8の減衰値に設定し、該最大応答倍率が最小となるばね
定数kgを前述したばね機構20のばね定数に設定すれ
ばよい。そして前記位相差方程式32式,33式におい
てその特性曲線ができるだけ極点をもたないことが制振
装置の一つの評価指標となる。
【0018】つぎにこの減衰機構が取付けられた制振力
発生装置の作用について説明する。図4,図5は種々の
制振装置を構造物に設置して構造物の応答倍率を計算し
た結果である。同図は横軸に外力(振動数を振動体の固
有振動数で除した)無次元振動数を、縦軸に応答倍率
(無単位系)をとった構造物の共振曲線であり、前記1
質点モデルでの解析例である。ちなみにこの構造物の減
衰定数h=0.01として解析した。
【0019】また図に示す曲線1( Off )はジャイロス
タビライザのない場合の共振応答値、曲線2(On,ばね
なし,減衰係数cg=0)は減衰機構のないジャイロスタ
ビライザだけの場合の共振応答値、曲線3(On,ばねな
し,減衰係数cg=最適値)は前記共振方程式から得た最
適減衰値を有する減衰機構付ジャイロスタビライザの場
合の共振応答値、曲線4(On,ばね有り,減衰係数cg=
最適値,ばね定数kg=最適値)は前記共振方程式から得
た最適減衰値とばね定数とを有する本考案のばね機構及
び減衰機構付ジャイロスタビライザの場合の共振応答値
を示す。なお、曲線1と曲線2との交点をDとする。
【0020】まず図4bであるが、これは振動体即ち構
造物のばね剛性に対してジャイロスタビライザの容量I
zωが大きい場合の計算例である。この計算例では曲線
3における減衰係数cgを1.0に設定し、曲線4にお
ける減衰係数cgを0.81,ばね定数kgをジャイロ
の歳差固有周期が0.96となる数値に設定した。この
ようにジャイロスタビライザの容量が大きい場合には、
該ジャイロスタビライザによる振動体の見かけ上の剛性
強化率が大きくなり、従って曲線2の共振振動数が高く
なるので、ジャイロスタビライザなしの曲線1との交点
Dでの応答倍率は低い。曲線3における共振振動数での
応答倍率は前記交点Dとほぼ同じとなるが、この点の応
答倍率が低いために曲線4の最大応答倍率も該交点にお
ける応答倍率のほぼ1/2程度としかならない。従っ
て、図4aに示す曲線3の位相差にも極点がなく、曲線
4同様に比較的なだらかになっている。
【0021】一方、図5bは構造物のばね剛性に対して
ジャイロスタビライザの容量Izωが比較的小さい場合
の計算例である。この計算例では曲線3における減衰係
数cgを0.83に設定し、曲線4における減衰慶すc
gを0.33,ばね定数kgをジャイロの歳差固有周期
が0.99となる数値に設定した。前記と逆にこの場合
は、ジャイロスタビライザによる質点の見かけ上の剛性
強化率が小さくなるので、曲線2の共振振動数は低くな
り、その分だけ曲線1との交点Dの応答倍率は高くな
る。そしてこのような場合にも曲線3の共振振動数にお
ける応答倍率もせいぜい交点Dよりやや低い程度であ
り、ジャイロスタビライザのない減衰機構だけの場合は
前記交点Dまでしか応答倍率を低減することができな
い。これに対して曲線4ではその最大応答倍率が曲線3
のそれに対して約1/3程度まで低減されている。この
様子は図5aにおいて曲線3がはっきりとした極点を有
するのに対して曲線4は非常になだらかになっているこ
とからも伺われる。
【0022】実際の構造物を想定した場合、この構造物
のばね剛性に対するジャイロスタビライザの容量は前記
図4の計算例よりも遙かに小さくなる。従って、実構造
物における前記曲線4の最大応答倍率の曲線3の最大応
答倍率に対する低減率は更に大きくなり、ばね機構の効
果は相対的に大きくなる。以上のようにジャイロスタビ
ライザの歳差運動に対して適切な減衰係数の減衰機構と
適切なばね定数のばね機構とを付加することは、実構造
物の制振作用に有効であることがわかる。
【0023】
【考案の効果】以上説明したように本考案の制振力発生
装置によれば、ジャイロスタビライザに、構造物の共振
応答値を低減する減衰値を有する減衰機構と、構造物の
共振応答値を低減するばね定数を有するばね機構とが取
付けられているので、ジャイロスタビライザの歳差運動
による構造物の共振低減性能に相まって構造物の振動エ
ネルギーが吸収されて振動が有効に制御され、極めて大
きな制振力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の制振力発生装置の一実施例を示す斜視
図である。
【図2】本考案の制振力発生装置の他の実施例を示す斜
視図である。
【図3】本考案の制振力発生装置における減衰値の算出
方法の説明図である。
【図4】本考案の制振力発生装置及び比較例の作用説明
図であり、(a)は位相差特性図、(b)は共振応答値
特性図である。
【図5】本考案の制振力発生装置及び比較例の異なる作
用説明図であり、(a)は位相差特性図、(b)は共振
応答値特性図である。
【図6】構造物の曲げ変形と制振力発生装置による曲げ
変形の説明図である。
【図7】従来の制振力発生装置の一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1は構造物 2は回転体 3は回転軸 4はジャイロスタビライザ 5は支持台 6はビーム 7はフレーム 8は減衰機構 20はばね機構

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風や地震等に起因する構造物の振動を制
    御する制振力の発生装置であって、構造物内に設置した
    回転体を回転軸の周りに高速回転させることにより構造
    物の曲げ変形とは逆方向に曲げ変形を生じさせるジャイ
    ロスタビライザに、構造物の共振応答値を低減する減衰
    値を有する減衰機構と、構造物の共振応答値を低減する
    ばね定数を有するばね機構とを取付けたことを特徴とす
    る制振力発生装置。
JP9433191U 1991-11-18 1991-11-18 制振力発生装置 Expired - Lifetime JP2556580Y2 (ja)

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