JP2891575B2 - オルソベンゼンジチオール類の製造方法 - Google Patents

オルソベンゼンジチオール類の製造方法

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオルソベンゼンジチオー
ル類の製造方法に関する。さらに詳しくは、一般式
(2)
【0002】
【化3】
【0003】〔式中、R1〜R4はそれぞれ同一又は独立
に水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜9のアル
キル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換基を有して
もよいアリール基、もしくは、R1とR2、R2とR3、R
3とR4で互いに結合し縮合環を形成してもよい。〕で表
されるオルソベンゼンジチオール類の製造方法に関す
る。
【0004】
【従来の技術】オルソベンゼンジチオール類は、金属イ
オンと反応してベンゼンジチオール金属錯体を生成し、
これらの錯体は近赤外領域に特異な吸収スペクトルを示
すことが知られている。このため、オルソベンゼンジチ
オール類は近赤外吸収剤の重要な合成中間体である
〔(Tluene−3,4−dithiol und
rerwan die 1,2−Dithioen a
ls Chelatbildner fur Meta
lle),モナチェフト・フィア・ヘミー 102巻,
308〜320ページ,1971年、及び(Chara
ctarization and Electroni
c Stractures ofMetalCompl
exs Containing Benzene−1,
2−dithiolate and Related
Ligandos)ジャーナル・オブ・アメリカン・ソ
サイェティ,88巻,4870〜4875ページ,19
66年;特公昭52−7454、特開昭56−1355
1〕。
【0005】これら中間体の合成法としては、現在まで
種々の方法が知られている。例えば、塩化スルホニルベ
ンゼンをジスルフィドと反応させ、一旦ビス(オルソハ
ロゲン化スルホニルベンゼン)ジチオエーテルを経由
し、ジチオールを得る方法(Pol,PL 12539
8)、p−ハロゲン化ベンゼンチオールをヨウ化メチル
で処理した後、塩化スルホン酸と反応させジチオールを
得る方法(特開昭51−70740)、オルソ−ジスル
ホニルベンゼンを還元する方法(特開昭63−1859
55)等が開示されている。
【0006】しかしながら、これらの方法は、複雑な多
段階の合成反応を経なければならないため、反応収率は
低く、おのずから高価なものにならざるを得なかった。
【0007】先に我々は、ハロゲン化ベンゼンを鉄粉、
硫黄、水硫化物で処理し、一旦鉄錯体を経由させジチオ
ールを得る方法を開示している(特開昭58−1059
60)。この方法は、前記方法に比べ、収率・品質とも
向上したジチオールを与えるが、その中には多種の不純
物が含まれているため、これより誘導される近赤外吸収
剤の品質としては、まだ満足のゆく物ではなく、近赤外
吸収剤の合成中間体として使用する際、得られたジチオ
ールをあらかじめ再結晶あるいは蒸留精製を行う必要が
あった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ハロゲン
置換ベンゼン類よりジチオール類を更に高収率、高純度
で得る方法に関し、鋭意検討した結果、本発明に至っ
た。すなわち、本発明はハロゲン置換ベンゼン類と水硫
化物とを硫黄、鉄粉又は鉄塩類の存在下、極性溶媒中で
反応させ、オルソベンゼンジチオール類を得る方法にお
いて、あらかじめハロゲン置換ベンゼン類、硫黄、鉄粉
又は鉄塩類を極性溶媒中に装入し、次いで水硫化物を逐
次添加し反応させるオルソベンゼンジチオール類の製造
方法である。
【0009】本発明の目的は、再結晶・蒸留等の精製を
必要としない、近赤外吸収剤の合成中間体として満足す
る、実質的に高純度のジチオールを、工業的に且つ安価
に得る製造方法を提供するものである。
【0010】以下、本発明の方法について詳細に説明す
る。本発明で使用される原料のハロゲン置換ベンゼン類
は、下記式(1)で表されるもので、
【0011】
【化4】
【0012】〔式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示
し、R1〜R4はXが臭素原子の時、それぞれ同一又は独
立に水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜9のア
ルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換基を有し
てもよいアリール基、もしくは、R1とR2、R2とR3
3とR4で互いに結合し縮合環を形成してもよい。更
に、Xが塩素原子の時、R1〜R4はそれぞれ同一又は独
立に水素原子、塩素原子、炭素数1〜9のアルキル基、
アルケニル基、アルコキシ基、置換基を有してもよいア
リール基、もしくは、R1とR2、R2とR3、R3とR4
互いに結合し縮合環を形成してもよい。〕
【0013】具体的には、ヘキサクロロベンゼン、ペン
タクロロベンゼン、1,2,3,4−テトラクロロベン
ゼン、1,2,3,5−テトラクロロベンゼン、1,
2,4,5−テトラクロロベンゼン、1,2,3−トリ
クロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、
1,2−ジクロロベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、ペ
ンタブロモベンゼン、1,2,3,4−テトラブロモベ
ンゼン、1,2,3,5−テトラブロモベンゼン、1,
2,4,5−テトラブロモベンゼン、1,2,3−トリ
ブロモベンゼン、1,2,4−トリブロモベンゼン、
1,2−ジブロモベンゼン等のハロゲン化ベンゼン類、
1,2−ジクロロ−3−メチルベンゼン、1,2−ジク
ロロ−3−エチルベンゼン、1,2−ジクロロ−3−プ
ロピルベンゼン、1,2−ジクロロ−3−isoプロピ
ルベンゼン、1,2−ジクロロ−3−ブチルベンゼン、
1,2−ジクロロ−3−secブチルベンゼン、1,2
−ジクロロ−3−tertブチルベンゼン、1,2−ジ
クロロ−3−オクチルベンゼン、1,2−ジクロロ−6
−ノニルベンゼン、及びこれらアルキル基の位置異性
体、1,2,3−トリクロロ−4−メチルベンゼン、
1,2,3−トリクロロ−4−エチルベンゼン、1,
2,3−トリクロロ−4−プロピルベンゼン、1,2,
3−トリクロロ−4−isoプロピルベンゼン、1,
2,3−トリクロロ−4−ブチルベンゼン、1,2,3
−トリクロロ−4−secブチルベンゼン、1,2,3
−トリクロロ−4−tertブチルベンゼン、1,2,
3−トリクロロ−4−オクチルベンゼン、1,2,3−
トリクロロ−4−ノニルベンゼン、及びこれらアルキル
基の位置異性体、1,2,3,4−テトラクロロ−5−
メチルベンゼン、1,2,3,4−テトラクロロ−5−
エチルベンゼン、1,2,3,4−テトラクロロ−5−
プロピルベンゼン、1,2,3,4−テトラクロロ−5
−isoプロピルベンゼン、1,2,3,4−テトラク
ロロ−5−ブチルベンゼン、1,2,3,4−テトラク
ロロ−5−secブチルベンゼン、1,2,3,4−テ
トラクロロ−5−tertブチルベンゼン、1,2,
3,4−テトラクロロ−5−オクチルベンゼン、1,
2,3,4−テトラクロロ−5−ノニルベンゼン、及び
これらアルキル基の位置異性体、1,2,3,4,5−
ペンタクロロ−6−メチルベンゼン、1,2,3,4,
5−ペンタクロロ−6−エチルベンゼン、1,2,3,
4,5−ペンタクロロ−6−プロピルベンゼン、1,
2,3,4,5−ペンタクロロ−6−isoプロピルベ
ンゼン、1,2,3,4,5−ペンタクロロ−6−ブチ
ルベンゼン、1,2,3,4,5−ペンタクロロ−6−
secブチルベンゼン、1,2,3,4,5−ペンタク
ロロ−6−オクチルベンゼン、1,2,3,4,5−ペ
ンタクロロ−6−ノニルベンゼン等のアルキル基置換ハ
ロゲン化ベンゼン類、1,2−ジクロロ−3−エテニル
ベンゼン、1,2−ジクロロ−3−(2−プロペニル)
ベンゼン、1,2−ジクロロ−3−(2−isoプロペ
ニル)ベンゼン、1,2−ジクロロ−3−(2−ブテニ
ル)ベンゼン、及びこれらアルケニル基の位置異性体、
1,2,3−トリクロロ−4−エテニルベンゼン、1,
2,3−トリクロロ−4−(2−プロペニル)ベンゼ
ン、1,2,3−トリクロロ−4−(2−isoプロペ
ニル)ベンゼン、1,2,3−トリクロロ−3−(2−
ブテニル)ベンゼン、及びこれらアルケニル基の位置異
性体、1,2,3,4−テトラクロロ−5−エテニルベ
ンゼン、1,2,3,4−テトラクロロ−5−(3−プ
ロペニル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラクロロ−
5−(2−プロペニル)ベンゼン、1,2,3,4−テ
トラクロロ−5−(2−ブテニル)ベンゼン、及びこれ
らアルケニル基の位置異性体、1,2,3,4,5−ペ
ンタクロロ−6−エテニルベンゼン、1,2,3,4,
5−ペンタクロロ−(3−プロペニル)ベンゼン、1,
2,3,4,5−ペンタクロロ−6−(2−プロペニ
ル)ベンゼン、1,2,3,4,5−ペンタクロロ−6
−(2−ブテニル)ベンゼン等のアルケニル基置換ハロ
ゲン化ベンゼン類、1,2−ジクロロ−4−メトキシベ
ンゼン、1,2−ジクロロ−4−エトキシベンゼン、
1,2−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゼン
等のアルコキシ基置換ハロゲン化ベンゼン類、2,3−
ジクロロビフェニル、3,4−ジクロロビフェニル等の
アリール基置換ハロゲン化ベンゼン類、2,3−ジクロ
ロナフタレン、1,2−ジクロロ−4,5−(メチレン
オキシ)ベンゼン等の縮合環置換ハロゲン化ベンゼン類
等が挙げられる。
【0014】本発明で使用される鉄粉あるいは鉄塩類は
いずれでも良く、例えば、鉄粉、塩化鉄、臭化鉄等のハ
ロゲン化鉄、及び硝化鉄、燐酸鉄等が挙げられる。ま
た、その使用量としては、ハロゲン置換ベンゼン類に対
して0.4〜2.0モル倍、その中でも0.5〜1.1
モル倍が好ましい。0.4モル未満では収率が著しく低
下し、2.0モルを越えて用いると経済的に不利であ
る。
【0015】本発明で使用される硫黄の反応に作用する
機構は明らかではないが、オルソベンゼンジチオール類
の反応収率が硫黄の添加量に依存する実験事実から、硫
黄の効果はただ単に触媒的効果ではなく、硫黄と水硫化
物からポリスルフィドが生成し、これがハロゲン化ベン
ゼンから生成したハロゲン置換ベンゼンモノチオールを
攻撃し、オルソベンゼンジチオール類の生成反応をし易
くしていると推測される。硫黄の使用量はハロゲン置換
ベンゼンに対して1〜20重量%、好ましくは3〜10
重量%である。使用量が1重量%未満では所望のオルソ
ベンゼンジチオール類の収率が低下し、逆に20重量%
を越えると反応後に硫黄が遊離し、後処理が困難にな
る。
【0016】本発明に使用される水硫化物としては、ア
ルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水硫化物であ
り、工業的に安価且つ入手しやすい水硫化ソーダがより
好ましい。また、その使用量としては、ハロゲン化ベン
ゼン類1モルに対し1.5〜4.0モル倍であり、好ま
しくは1.8〜2.5モル倍である。使用量が1.5モ
ル倍より少ないと不完全反応生成物(モノチオール体)
の生成量が増加し、逆に4.0モル倍より多くなると原
料のハロゲン置換ベンゼンのハロゲン数が3以上の場
合、トリチオール体・テトラチオール体などの副生成物
が増加し、収率、純度が低下する。
【0017】また、水硫化物の装入方法としては、固体
のまま逐次添加する方法、一旦反応に使用する極性溶媒
に溶解し滴下添加する方法、あるいは溶媒に分散させス
ラリーとして逐次添加する方法のいずれの方法でも良
く、反応系内に水硫化物が逐次添加されればその方法に
何ら制限はない。
【0018】水硫化物の添加時間としては、0.5〜
8.0時間、好ましくは1〜4時間である。添加時間が
短いと、ハロゲン化ベンゼンと水硫化物との不均一な反
応が進行し、前述したようなハロゲン化ベンゼンの場合
はトリチオール体等の副生成物が生成し、収率、純度が
低下する。
【0019】また、水硫化物を添加する温度は40℃以
上が良く、好ましくは60〜140℃である。反応温度
が低いと水硫化物の反応速度が遅くなるため未反応原料
を回収したり、一旦反応が進行し始めると、その自己発
熱により反応液の温度が上昇し、温度制御が難しく反応
を制御できなくなる、更に突沸の恐れが生じる等、種々
問題が生じる。
【0020】本発明で使用される極性溶媒としては、ア
ルコール類、エステル類、アミド類等の溶媒が好適であ
る。アルコール類としては、メタノール、エタノール、
プロパノール、iso−プロパノール、ブタノール、t
ert−ブタノール等が挙げられる。エステル類として
は、酢酸エチル、酢酸ブチル、またアミド類としては、
ジメチルフォルムアミド、ジエチルフォルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラメ
チルウレア、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルイ
ミダゾリジノン等が挙げられ、好ましくはジメチルフォ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルイミダゾ
リジノンが使用される。極性溶媒の使用量としては、ハ
ロゲン置換ベンゼン類に対して1〜10重量倍、好まし
くは1〜5重量倍である。
【0021】オルソベンゼンジチオール類を得るために
は、前記したような反応条件のもとで行った反応マスに
水を加え、濾過し、得られる黒色固体をアルカリの存在
下で酸化亜鉛と加熱処理する。次に、これを濾過し、ろ
液に鉱酸を加え結晶を析出させ、所望のオルソベンゼン
ジチオール体を得ることができる。
【0022】このようにして得られるオルソベンゼンジ
チオール類は、適当な溶媒に溶解または分散させ、ニッ
ケル、パラジウム、白金等の塩類を反応させ、更にアル
キル第4級アンモニウムを配位させる事で、化学的に安
定な有機金属錯体とすることができ、近赤外吸収剤とし
て用いることができる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明する。尚、実施例中の部は重量部を示す。 実施例1 N,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)200部に
ペンタクロロベンゼン100部、鉄粉12.0部、硫黄
6.0部を加え、窒素を緩やかに通じながら90℃まで
昇温した。これに70%−NaSH77部をDMF20
0部に溶解させた溶液を2時間で滴下した。滴下後、更
に2時間熟成したのち冷却し、水1000部を加え析出
した黒色固体を濾別乾燥した。次いでこの固体にメタノ
ール700部、酸化亜鉛50部、NaOH125部、水
500部を加え、1時間加熱還流させて冷却後、濾過
し、得られたろ液を水1000部と98%−H2SO4
00部を混合した液に滴下し、淡黄色の結晶を析出させ
た。これを濾別し、水洗、乾燥し、1,2,4−トリク
ロロベンゼンジチオール93.7部(収率95.5%、
純度98.0%)を得た。
【0024】実施例2〜8 表1に示す条件に変更した以外は、実施例1に示す条件
と同様の方法で行った。得られたオルソベンゼンジチオ
ール体の収率および純度を反応条件と併せて表1に示
す。なお、表1には実施例1の結果も併せて示した。
【0025】比較例1 N,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)300部に
ペンタクロロベンゼン100部、鉄粉12.0部、硫黄
6.0部、70%−NaSH77部を加え、窒素を緩や
かに通じながら90℃まで昇温した。更に2時間熟成し
たのち冷却し、水1000部を加え析出した黒色固体を
濾別乾燥した。次いでこの固体にメタノール700部、
酸化亜鉛50部、NaOH125部、水500部を加
え、1時間加熱還流させて冷却後、濾過し、得られたろ
液を水1000部と98%−HSO500部を混合
した液に滴下し、淡黄色の結晶を析出させた。これを濾
別し、水洗、乾燥し、1,2,4−トリクロロベンゼン
ジチオール74.3部(収率75.7%、純度83.1
%)を得た。
【0026】比較例2 表2に示す反応条件に変更した以外は、比較例1と同様
にして行い、表2に示す結果を得た。比較例1〜2で得
られたオルソベンゼンジチオール体は、実施例1〜8で
得られたものに比較して収率、純度とも劣るものであっ
た。
【0027】応用例1 実施例1で得たジチオール9.0部にメタノール250
部、塩化ニッケル6水塩4.7部、テトラ−n−ブチル
アンモニウムブロマイド6.7部を加え、空気を吹込み
ながら反応させ、対応する金属錯体13.8部(純度9
9.9%、モル吸光係数15000)を得た。
【0028】応用例2〜6 表2に示す条件を変更した以外は、応用例1と同様な方
法で行い、それぞれオルソベンゼンジチオール体に対応
する金属錯体を得た。金属錯体の収率、純度、モル吸光
係数を応用例1の結果と併せて表2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明の方法は実施例からもわかるよう
に、簡単な操作で目的物を高収率、高純度で得ることが
でき、近赤外吸収剤の中間体として精製することなく使
用出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 B01J 23/74 301X (72)発明者 太田 正博 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化 学株式会社内 審査官 西川 和子 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 321/26 C07C 319/02 C07C 323/09 C07C 321/00 C07C 323/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるハロゲン置換ベ
    ンゼン類と水硫化物とを硫黄及び鉄粉又は鉄塩類の存在
    下、極性溶媒中で反応させオルソベンゼンジチオール類
    を得る方法において、あらかじめ極性溶媒中にハロゲン
    置換ベンゼン類、硫黄、鉄粉又は鉄塩類を混合し、次い
    で水硫化物を逐次添加し反応させることを特徴とする一
    般式(2)で表されるオルソベンゼンジチオール類の製
    造方法。 【化1】 【化2】 〔式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示し、R1〜R4
    Xが臭素原子の時、それぞれ同一又は独立に水素原子、
    塩素原子、臭素原子、炭素数1〜9のアルキル基、アル
    ケニル基、アルコキシ基、置換基を有してもよいアリー
    ル基、もしくは、R1とR2、R2とR3、R3とR4で互い
    に結合し縮合環を形成してもよい。更に、Xが塩素原子
    の時、R1〜R4はそれぞれ同一又は独立に水素原子、塩
    素原子、炭素数1〜9のアルキル基、アルケニル基、ア
    ルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、もしく
    は、R1とR2、R2とR3、R3とR4で互いに結合し縮合
    環を形成してもよい。〕
  2. 【請求項2】 水硫化物を反応系内に添加する際、反応
    系内の温度が60〜140℃であることを特徴とする請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 水硫化物を反応系内に装入する際、添加
    時間が1時間以上であることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 水硫化物を反応系内に添加する際の水硫
    化物が、水硫化ソーダであることを特徴とする請求項1
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 極性溶媒がN,N−ジメチルフォルムア
    ミドであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 極性溶媒の使用量が、ハロゲン置換ベン
    ゼンに対して1〜5重量倍の範囲であることを特徴とす
    る請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 硫黄の使用量が、ハロゲン置換ベンゼン
    に対して1〜10重量%の範囲であることを特徴とする
    請求項1記載の方法。
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