JP2891537B2 - チップ型コイルの製造方法 - Google Patents

チップ型コイルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は、リードフレームと巻線型コイルを用い、絶
縁樹脂モールドにより外装したチツプ型コイルの製造方
法に関する。
〔従来の技術〕
この種のチツプ型コイルの従来の製造方法を第4図を
参照して説明すると、帯状金属薄板を打ち抜いて互いに
対向する二組の細長いリード端子片1を一定間隔を置い
て形成したリードフレームを用いて、先ず、リード端子
片1の先端部を上方に直角に折り曲げてから、1次の絶
縁樹脂モールドにより、リード端子片1を側壁にL形に
貫通埋設してリード端子片1を橋絡するような上面開口
のコイルケース2を形成する。コイルケース2に巻線形
コイル3(第4図では環状コアにバイファイラ巻を施し
たコモンモードチョークコイル)を横置きに収納し、巻
線の端部を上部からげ部4(リード端子片1の先端部)
にそれぞれからげて半田付けにより固着する。次いで、
2次の絶縁樹脂モールドにより、鎖線で示したようにコ
イルケース2の開口面を覆い、上部からげ部4を埋没す
る。リード端子片1を途中で切断して樹脂成形体をリー
ドフレームから切離し、残ったリード端子片1を樹脂成
形体の表面に沿わせて所要形状に整形してチップ形に仕
上げていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した製造方法では、第4図に示すように上部から
げ部4がコイルケース2の開口面側にあるので、巻線形
コイル3がコイルケース2内に収納されている場合であ
っても、コイルケース2を上下反転すると、巻線形コイ
ル3がコイルケース2から抜け出して半田浴液面に近接
し、半田浴に浸かるなどして、巻線型コイル3を損傷す
る心配があり、上部からげ部4の半田付け作業を半田浴
浸漬法で行うことができない。
能率の悪い半田鏝を使うか、特種な設備を要するリフ
ロー法を適用するなどにより、半田付けを行う必要があ
り、小型のコイルほど能率が悪い欠点があった。
本発明の課題は、上記欠点を解消し、コイルの巻線の
端部をリード端子片にからげて、半田浴浸漬法を適用で
きるチップ型コイルの製造方法を提供することにある。
ロ.発明の構成 〔課題を解決するための手段〕 本発明による製造方法では、1次の絶縁モールドを耐
熱性絶縁樹脂機で行い、コイルケースを耐熱性のものと
し、リード端子片の先端部をコイルケースの底面から突
出させて底部からげ部とすることを特徴とする。即ち本
発明は、帯状金属板に一定間隔で打ち抜き孔により設け
た互いに対向するリード端子片を備えたリードフレーム
を用い、該リードフレームに1次の絶縁樹脂モールドを
行い、前記リード端子片を埋設し橋絡して上面開口のコ
イルケースを形成し、該コイルケースに巻線型コイルを
収納して巻線の端部を前記リード端子片にからげて半田
付けを行い、2次の絶縁樹脂モールドにより外装してな
るチップ型コイルの製造方法において、前記コイルケー
スは耐熱性絶縁樹脂材からなり、前記リード端子片は、
先端部を前記コイルケースの底面から突出して底部から
げ部とされており、該底部から下部に前記巻線の端部を
からげて半田付けを行うことを特徴とするチップ型コイ
ルの製造方法を提供する。
〔作用〕
耐熱性のコイルケースは、半田浴に異常なく浸漬で
き、底部からげ部を半田浴に浸漬した際にコイルを高温
から保護する底部からげ部はコイルケースからコイルが
逸脱することなく半田浸漬法により半田付けを行うこと
を可能にする。
〔実施例〕 第1図は、本発明の一実施例の製造方法を説明するた
めのリードフレームの一部を示す外観斜視図である。第
1図では、リードフレーム5の巻線型コイルを装着する
3個の区画を示す。
リードフレーム5は、弾性に富み電気伝導性の良好な
金属材料の帯状薄板を長手方向に沿って一定長さ毎に打
ち抜き加工などを施して作られたものである。リードフ
レーム5は、外側の2枚の位置決めフレーム6と位置決
めフレーム6間を一定間隔を置いて繋ぐ複数の連繋フレ
ーム7と、2枚の位置決めフレーム6から中央に向かっ
て延びている互いに対向する2対のリード端子片8の多
数を有している。
リード端子片8は、第1図の右手前の一番目の区画に
鎖線で示したT形先端部を所定の個所で下方に直角に折
り曲げたものである。
リードフレーム5の各区画の中央部に、耐熱性樹脂材
を用いる1次の絶縁樹脂モールドによりコイルケース9
をリード端子片8に架け渡して形成する。
コイルケース9は、リードフレーム5の第1図の右よ
り2番目の区画に示したように、断面U形の収納凹部10
を有する上面開口のケースである。コイルケース9は、
側壁にリード端子片8を上端部を埋没した直方体の、円
弧形内壁に対応する側壁下部を、リード端子片8のT形
先端部が底部からげ部11として露出するように、鈍角に
切り落とした外形状である。コイルケース9にはリード
端子片8の内側縁に沿い、コイルケース9の上面から側
面に亙って導出溝12の4個が形成されている。導出溝12
は収納凹部10から底部からげ部11まで巻線の端部を案内
する溝である。
このようなコイルケース9の収納凹部10に、A−A断
面図(第2図)に示すように、環状コアを用いた巻線形
コイル3(第4図と同じくコモンモードチョークコイ
ル)をその軸方向に水平に、且つ位置決めフレーム6の
長さ方向と平行にして収納し、巻線の端部を導出溝12に
通して底部からげ部11にそれぞれからげる。
半田槽で1回に処理できる個数のコイルケース9に巻
線型コイル3を収納し、巻線の端部を底部からげ部11に
からげてから第3図に正面図で示したように(図ではコ
イルケース9が3個)すべての底部からげ部11を半田浴
に一度に浸漬して半田付けを行う。コイルケース9は耐
熱性樹脂であるので底部が半田浴に浸っても支障はな
い。
半田付けを終えた底部からげ部11をその付け根でまげ
てコイルケース9の傾斜面に平行に倒してから、第1図
の3番目の区画に示すように、2次の絶縁樹脂モールド
によりコイルケース9の収納凹部10および導出溝12をう
め、底部からげ部11を埋めてコイルケース9の側面下部
を覆って外装体13を作る。リード端子片8を切断して外
装体13をリードフレーム5から切離し、リード端子片8
を整形してチップ型コイルができる。
ハ.発明の効果 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば1次の絶縁樹脂
モールドによる耐熱性コイルケースの底部にからげ部を
設けるので、コイルを損傷することなく、コイルが小型
であっても半田浴浸漬法を適用して能率よく半田付けを
施すことができ、半田付けの作業工数を削減でき、品質
の良い安価なチップ型コイルを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の製造方法の一実施例を説明するため
のリードフレームの一部を示す外観斜視図。 第2図は、第1図のA−A断面を示す側面図。 第3図は、本発明の実施例における半田浴浸漬の状況を
示す正面図。 第4図は、従来のチップ型コイルの一例を示す断面側面
図である。 1,8…リード端子片、2,9…コイルケース、3…巻線型コ
イル、4…上部からげ部、5…リードフレーム、6…位
置決めフレーム、7…連繋フレーム、10…収納凹部、11
…底部からげ部、12…導出溝、13…外装体。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状金属板に一定間隔で打ち抜き孔により
    設けた互いに対向するリード端子片を備えたリードフレ
    ームを用い、該リードフレームに1次の絶縁樹脂モール
    ドを行い、前記リード端子片を埋設し橋絡して上面開口
    のコイルケースを形成し、該コイルケースに巻線型コイ
    ルを収納して巻線の端部を前記リード端子片にからげて
    半田付けを行い、2次の絶縁樹脂モールドにより外装し
    てなるチップ型コイルの製造方法において、前記コイル
    ケースは耐熱性絶縁樹脂材からなり、前記リード端子片
    は、先端部を前記コイルケースの底面から突出して底部
    からげ部とされており、該底部からげ部に前記巻線の端
    部をからげて半田付けを行うことを特徴とするチップ型
    コイルの製造方法。
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