JP2890703B2 - 工作機械 - Google Patents

工作機械

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JP2890703B2
JP2890703B2 JP2165396A JP16539690A JP2890703B2 JP 2890703 B2 JP2890703 B2 JP 2890703B2 JP 2165396 A JP2165396 A JP 2165396A JP 16539690 A JP16539690 A JP 16539690A JP 2890703 B2 JP2890703 B2 JP 2890703B2
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23QDETAILS, COMPONENTS, OR ACCESSORIES FOR MACHINE TOOLS, e.g. ARRANGEMENTS FOR COPYING OR CONTROLLING; MACHINE TOOLS IN GENERAL CHARACTERISED BY THE CONSTRUCTION OF PARTICULAR DETAILS OR COMPONENTS; COMBINATIONS OR ASSOCIATIONS OF METAL-WORKING MACHINES, NOT DIRECTED TO A PARTICULAR RESULT
    • B23Q3/00Devices holding, supporting, or positioning work or tools, of a kind normally removable from the machine
    • B23Q3/155Arrangements for automatic insertion or removal of tools, e.g. combined with manual handling
    • B23Q3/1552Arrangements for automatic insertion or removal of tools, e.g. combined with manual handling parts of devices for automatically inserting or removing tools
    • B23Q3/15526Storage devices; Drive mechanisms therefor
    • B23Q3/15534Magazines mounted on the spindle

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Numerical Control (AREA)
  • Automatic Tool Replacement In Machine Tools (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、工具自動交換型の数値制御方式による工
作機械に関し、さらに詳しくは、非切削時間を可及的に
短縮し得るようにした工具自動交換型の数値制御方式に
よる工作機械の改良に係るものである。
〔従来の技術〕
従来から、この種の工具自動交換型の数値制御方式を
採用した工作機械においては、一般的に加工動作に付随
してなされる各種工具の交換動作,および回転主軸の起
動・停止動作,ならびにその他の各動作などを含む各種
の補助機能動作が、当該加工動作を適時に中断した状態
で行われるようになっている。
そして、これらの各補助機能動作としては、例えば、
クーラントの入・切動作とか送り軸のクランプ,アンク
ランプ動作などのように、その動作時間が比較的短い動
作ばかりだけではなく、各種工具の交換動作などのよう
に、動作時間が比較的長い動作もある。
ここで、前記各種工具の交換動作を行う工具交換装置
の一例として、特開昭63−267136号公報には、主軸ヘッ
ドの上昇,下降作動により、カム機構を利用して工具交
換を行わせるようにした技術手段が開示されている。
すなわち、この従来例による工具自動交換型の数値制
御方式による工作機械において、その工具交換装置は、
主軸ヘッドの移動領域内にあって、被加工物に対して機
械加工を行う加工領域と、各種工具の交換を行うATC領
域とをあらかじめ設定しておき、当該ATC領域での主軸
ヘッドの往復移動作動に伴ってカム機構を作動させ、所
定の作動プログラム通りに、工具マガジンを割出し回動
させて各種の工具交換を自動的に行わせるようにしてお
り、このために工具マガジンの割出し回動に要する操作
時間が、ここではすべて非加工時間となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記構成による従来の工作機械においては、この場
合、少なくとも工具交換を行うATC領域での工具マガジ
ンの割出し回動に必要な時間がすべて非加工時間にされ
ており、当該非加工時間は、例えば、関連する各機構要
素などのスピードアップ化などによって、多少の時間短
縮こそ可能ではあっても、不可避的に非加工時間が存在
することに変わりはなく、さらに、一方では、安全性,
作業性などの考慮も必要であることから、実際上の問題
として、大幅な非加工時間の短縮は不可能なものであっ
た。
この発明は、このような従来の問題点を改善するため
になされたもので、その目的とするところは、工具交換
動作における工具マガジンの割出し回動動作,および回
転主軸の起動・停止動作などの各補助機能動作に関し
て、当該各補助機能の動作開始後、安全上,作業上で支
障をきたさない限りにおいて、送り動作と補助機能動作
とを送り機構の位置を監視しながら同時に行なわせ、非
加工時間を可及的に短縮して、加工作業を効率化し得る
ようにした,この種の工作機械を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために、この発明に係る工作機械
は、送り機構の送り作動,回転駆動装置の起動・停止作
動,工具交換装置の交換作動などを含む各種補助機能の
作動実行のために、位置検出用リミットスイッチによっ
て検出される送り機構の特定検出位置と、送り作動位置
検出手段によって常時検出される送り作動位置とを監視
することで、当該各種補助機能の作動実行時における誤
動作の防止に併せて、非加工時間の短縮をなし得るよう
にしたものである。
すなわち、この発明は、複数種類の各工具を個々に装
着可能にした回転主軸と、当該回転主軸に所要速度の回
転作動を付与する回転駆動装置と、被加工物を載置して
取付け固定するワークテーブルと、当該ワークテーブル
に対して、前記回転主軸を3次元方向へ相対的に移動さ
せる送り機構と、前記被加工物の被加工箇所に対応して
あらかじめ用意された複数種類の各工具の個々を、前記
回転主軸に対し所定通り順次に交換装着させる工具交換
装置と、あらかじめプログラムされている情報に基づい
て、前記送り機構の送り作動,および前記回転駆動装置
の起動・停止作動,ならびに前記工具交換装置の交換作
動などを含む各種補助機能の作動をそれぞれに制御する
CPUを有する数値制御装置と、前記送り機構の作動完了
時点の前後の如何に拘わらずに、前記補助機能に対する
作動開始を指令する補助機能作動指令手段と、前記送り
機構の所要位置に設けられて、当該送り機構の特定位置
を検出し、前記補助機能の作動実行を許容する信号を出
力する位置検出用リミットスイッチと、当該リミットス
イッチによる作動実行許容信号の出力位置を記憶する出
力位置記憶手段と、前記送り機構の送り作動位置を常時
検出する送り作動位置検出手段とを備え、前記出力位置
記憶手段に出力位置の記憶が存在し、かつ前記送り作動
位置検出手段による検出位置が、前記CPUにあらかじめ
記憶されている位置情報に一致したときに、前記補助機
能作動指令手段の指令を実行するようにしたことを特徴
とする工作機械である。
〔作用〕
従つて、前記のように構成されるこの発明の工作機械
では、出力位置記憶手段に対して、各種補助機能の作動
実行許容信号の出力位置が記憶されていて、かつ送り作
動位置検出手段による検出位置が、CPUにあらかじめ記
憶されている位置情報に一致したときに、補助機能作動
指令手段の指令を実行し得るために、送り機構の作動完
了をまたずに、当該各種補助機能を作動させることがで
き、この結果、ここでの非加工時間の短縮を効果的に図
り得るのである。
〔実 施 例〕 以下、この発明に係る工作機械の一実施例につき、第
1図ないし第17図を参照して詳細に説明する。
第1図には、この発明の一実施例を適用した自動工具
交換装置の概要構成を示してあり、また、第2図ないし
第6図には、同上装置の主要な各部構成の詳細な構成を
示し、第7図(a)ないし(i)には、同上装置におけ
る工具交換機構の作動態様を順次に示し、第8図には、
同上装置における主軸ヘッドの移動と構成各部の動作と
の対応関係を示してある。
まず、これらの第1図ないし第8図のそれぞれに基づ
き、この工作機械の各構成ブロック毎の概要,ならびに
当該各構成ブロックに対応する作用の概要について詳細
に述べる。
《(1).主軸ヘッド,工具マガジン,および主軸ヘッ
ドの送り機構》 第1図に示すように自動工具交換装置を備える工作機
械は、基本的に、垂直なコラム10に固設したフレーム12
に配設されて、送り機構によってZ軸方向(垂直方向,
以下同様とする)に往復移動可能にした主軸ヘッド24
と、前記フレーム12にマガジン支持台58を介して配設さ
れ、保有する複数の各種工具の回転割出しを可能にした
工具マガジン66とを備えている。
すなわち、前記フレーム12に対しては、ガイドレール
14が形成され、かつ上下の関係で配設した1対のリニア
ガイド16,16を介して前記主軸ヘッド24が、当該フレー
ム12の上方に配置したサーボモータ(垂直方向に対応す
るZ軸モータ,以下同様とする)22によって、このガイ
ドレール14に沿いZ軸方向へ昇降自在に作動し得るよう
に取付けられており、当該主軸ヘッド24には、適宜の位
置に送りナット18を固定させると共に、前記ガイドレー
ル14に沿って平行に支持させた回転自在なボールねじ軸
20に対し、当該送りナット18を螺合させて、ここでは、
主軸ヘッド24の送り機構を構成する。
仍って、ここでは、前記Z軸モータ22による前記ボー
ルねじ軸20の正逆両方向への制御回転駆動によって、前
記主軸ヘッド24に対して、これらの各送りナット18,お
よびボールねじ軸20の螺合に基づいた螺進退作用のもと
に、当該主軸ヘッド24の前記ガイドレール14に沿うZ軸
方向への円滑な昇降作動が付与されると共に、当該Z軸
モータ22の回転回数などの計測によって、主軸ヘッド2
4,ひいては次に述べる回転主軸の送り作動位置を常時検
出することができる。
また、前記主軸ヘッド24の内部には、下端部に下方へ
開口する工具保持部(テーパー状キャッチング孔)42を
形成した回転主軸40が、垂直方向で可回転的に軸装させ
てあり、当該回転主軸40は、前記フレーム12の上方に配
置した主軸モータ(工具駆動モータ)36の出力軸にカッ
プリング38を介して結合され、当該主軸モータ36によっ
て強力に回転駆動されるようになっている。
そしてまた、前記回転主軸40の工具保持部42に対して
は、前記工具マガジン66に保持される後述の各工具ホル
ダ48,ここでは先端部に所要の各種工具50をそれぞれ着
脱自在に装着させた各工具ホルダ48での基端部側のアー
バー52を選択的かつ着脱嵌挿可能にさせてある。
このために、一方では、前記選択された各工具ホルダ
48を工具保持部42に嵌挿させることによって、当該ホル
ダ48に設けたプルスタッド54が、前記回転主軸40内に設
けたホルダ挟持部材44により挟持(クランプ)され、他
方では、当該回転主軸40の中心通孔内に同軸的に挿通し
て配置させたドローバー46を用い、次に述べるようにホ
ルダ挟持部材44を押圧させることによって、ここでのホ
ルダ挟持部材44による前記プルスタッド54の挟持が解除
(アンクランプ)されるもので、このようにして工具保
持部42に対する工具ホルダ48の着脱嵌挿が可能になる。
《(2).回転主軸への工具のクランプ・アンクランプ
機構》 前記主軸ヘッド24には、工具保持部42に着脱嵌挿され
る工具ホルダ48をクランプし、かつアンクランプするた
めの一つの手段として、クランクレバー30,およびこれ
を揺動作動させるためのカム機構(26,28,34)が設けら
れる。
すなわち、前記主軸ヘッド24の所要位置にあっては、
枢支軸32によって揺動自在に枢支されたベルクランク状
をなすクランクレバー30が配置されており、当該クラン
クレバー30の一方の短尺レバー部30aの先端部が、前記
回転主軸40での要所に形成したスリット開口から水平横
方向に突出される前記ドローバー46のピン56に対して押
圧係合可能にされ、かつ他方の長尺レバー部30bに固定
された図示形状の板カム28が、その移動軌跡上に位置さ
れるようにして、前記Z軸モータ22の側部に設けられる
ローラ状のカムフォロア26に当接,離脱可能にされてい
る。そして、前記クランクレバー30の長尺レバー部30b
と主軸ヘッド24との各要部間に張架された引張りコイル
ばね34により、当該クランクレバー30を常時時計方向に
付勢させることで、前記短尺レバー部30aの先端部によ
るピン56,ひいてはドローバー46の押圧を拘束し、その
作用を解放し得るようにしてある。
仍って、ここでは、前記Z軸モータ22の回転駆動に伴
い、前記主軸ヘッド24が上昇すると、当該上昇過程にお
いて、クランクレバー30に設けられた板カム28が、固定
位置に設けられているカムフォロア26に当接してカム作
用を生じ、当該クランクレバー30に対して、引張りコイ
ルばね34の付勢力に抗した枢支軸32を中心とする反時計
方向の作動を付与することになり、これによって短尺レ
バー部30aがドローバー46のピン56を下方に押圧作動さ
せ、当該ドローバー46を介し前記ホルダ挟持部材44を付
勢して、前記工具ホルダ48のプルスタッド54に対するク
ランプを解除する。
《(3).工具マガジンの回転割出し機構》 前記複数の各種工具を保有する工具マガジン66は、次
の各構成による各工具の回転割出し機構,および当該回
転割出し作動領域の検出機構と、それに当該回転割出し
作動時に前記回転主軸40を回転禁止する回転禁止領域検
出機構とのそれぞれを備えている。
すなわち、前記フレーム12に固設されるマガジン支持
台58には、前記主軸ヘッド24の昇降領域に隣接した位置
で、斜め左下方向に指向する支持軸60が配設されてお
り、当該支持軸60に対して、各軸受62を介し図示形状の
マガジンベース64が可回転的に枢支されると共に、この
マガジンベース64には、後述する個々の各種工具の把持
手段として機能する個々複数個(ここでは10個)の各グ
リップアーム82が、枢支軸84により所要の角間隔ピッチ
(従ってここでは36゜毎のピッチ間隔)で放射状方向に
それぞれ揺動自在なように配設されている。
そして、第2図に示されている通り、前記マガジンベ
ース64には、ボルト79により支持軸60を中心とする割出
し円板80が固定され、当該割出し円板80の基端側端面に
あって、前記各グリップアーム82に対応して同数かつ同
等の角間隔ピッチ位置を占めるローラ状の各カムフォロ
ア78が枢支されている。
また、前記第1図のC方向矢視図である第6図に示さ
れているように、前記マガジン支持台58に垂直配置させ
たケーシング67の上部には、割出し用のマガジンモータ
68が配置されており、当該マガジンモータ68の出力軸69
にカップリング71を介して駆動軸70が結合されると共
に、当該駆動軸70の下端部に固定されたベベルギア72に
対しては、左右1対の軸受73,73を介して水平方向に枢
支される回転軸75上のベベルギア74を相互に噛合させて
ある。
さらに、前記回転軸75上には、前記各カムフォロア78
を順次1ピッチ間隔毎に間欠駆動させ得るように所要の
カム形状に形成したカム溝76a,76aを有するバレルカム7
6を設けてあり、当該各カム溝76a,76aを各カムフォロア
78の相互間に係合させ、前記駆動軸70,ひいては回転軸7
5の回転に伴い、バレルカム76の各カム溝76a,76aによっ
て、各カムフォロア78(ここでは10個)を順次1ピッチ
間隔づつ間欠駆動させ、前記マガジンベース64に所期の
割出し作用を付与し得るようになっている。
《(4).工具マガジン・回転主軸相互間での工具の受
渡し機構》 前記回転割出し機構により割出されるグリップアーム
82と、当該グリップアーム82を工具ホルダ48の受渡しの
ために揺動駆動させる工具受渡し機構は、次のように構
成されている。
すなわち、前記第2図,および同第2図のA,B両方向
の各矢視図である第3図,第4図に示されているよう
に、前記工具マガジン66の一部を構成するマガジンベー
ス64には、前記した所要の角間隔ピッチにより個々の各
クレビス(ここでは10個)81をそれぞれに配設させてあ
り、第3図,第4図から明らかなように、これらの各ク
レビス81に対しては、それぞれに図示形状にされた前記
各グリップアーム(グリップ部)82が、共に枢支軸84を
介して放射状方向に向け、かつ半径(放射状)方向外側
に先端側自由端を臨ませるようにして揺動自在に枢支さ
せてある。
また、当該各グリップアーム82での先端側の自由端に
は、前記工具ホルダ48の当該する把持部を挟持し得る寸
法に設定した二股部83,83を形成させ、かつこれらの各
二股部83,83の対向するそれぞれの内側にあっては、行
止り孔83a,83aを穿設させてあり、当該各行止り孔83a,8
3a内にそれぞれ圧縮コイルばね99,99によって常時,突
出方向に弾圧付勢される支持ピン98,98を伸縮可能に嵌
挿させてある。
そして、ここでは、前記各グリップアーム82の二股部
83,83を前記工具ホルダ48の該当把持部であるV形溝部4
8a(第1図)に位置合せすることによって、前記各1対
の支持ピン98,98が、当該V型溝部48aを両側から抱持す
るようにして、同V型溝部48a内に係合当接されてお
り、当該各支持ピン98,98によって、これらがそれぞれ
に圧縮コイルばね99,99により付勢された状態で、当該
工具ホルダ48を把持する。
一方、前記第2図ないし第5図から明らかなように、
前記各グリップアーム82の基端側自由端にあっては、内
側に向けた行止り孔82aを穿設させてあり、当該行止り
孔82a内には、前記と同様にして、圧縮コイルばね92に
より常時,突出方向に弾圧付勢される位置規制用の鋼球
90を伸縮可能に嵌挿させ、かつその一部表面を外側に突
出させてある。
また、前記マガジンベース64のボス部64aにあって
は、前記それぞれに各グリップアーム82の枢支点である
枢支軸84を中心にして、その縦断面形状が円弧状凹面
(コンケーブ状)に形成された案内面88aと、前記工具
保持部42に対する工具ホルダ48の嵌挿位置に対応した一
端部マガジンベース64側にノッチ溝88bとを連接するよ
うにして周設させたグリップ支持カラー88が外挿固定さ
れており、前記割出し待機状態にあるそれぞれの各グリ
ップアーム82は、その基端側自由端の鋼球90をノッチ溝
88bに係合させて、当該割出し待機姿勢で安定的に保持
されている。
さらに、前記第5図に示されているように、前記各グ
リップアーム82には、その枢支点となる枢支軸84部分を
挟むようにして、先端側の一部にローラ状をなす第1カ
ムフォロア94が、かつ基端側の一部に同様のローラ状を
なす第2カムフォロア96が、それぞれ左右両側に振分け
た状態で回転自在に枢支されている。
そして、前記第1図にも示されているように、前記主
軸ヘッド24の垂直面にあって、前記工具マガジン66と対
向する位置に垂直方向で複合カム体86が固定されてお
り、当該複合カム体86には、第1カム面86aと第2カム
面86bとが、それぞれ左右に振分けた状態で形成されて
おり、これらの第1,第2の各カム面86a,86bを、工具マ
ガジン66での所望の工具ホルダ48の割出し位置(前記回
転主軸40の工具保持部42の位置に対応して割出されるグ
リップアーム82に近接した位置)側に臨ませてある。
ここで、前記各グリップアーム82に設けられている第
1,第2の各カムフォロア94,96は、第7図および第8図
に関して後述するように、装置の作動原点ZOを中心基点
とする前記主軸ヘッド24での所要の昇降領域範囲内にお
いて、前記複合カム体86に形成された第1,第2の各カム
面86a,86bに当接して摺動され得るように位置設定され
ており、主軸ヘッド24をZ軸方向上方に昇降移動させる
ことによって、後述する条件下で、第1カムフォロア94
が第1カム面86aによって、また、第2カムフォロア96
が第2カム面86bによってそれぞれに規制され、各対応
するカム作用のもとに、前記各グリップアーム82が枢支
軸84を中心にして、あらかじめ第1,第2の各カム面86a,
86bに設定されてる所定の揺動作動を行うことになるも
のであって、このとき、当該各グリップアーム82の基端
側自由端の鋼球90は、グリップ支持カラー88に周設した
ノッチ溝88bから離脱し、案内面88aに倣って移動する。
《(5).回転主軸の回転駆動禁止・工具マガジンの回
転割出し可能領域検出機構》 前記第1図に示されているように、前記主軸ヘッド24
の後方突出部分24Aにあっては、所要の作用を得る形状
に設定された第1のドグ101,および第2のドグ103がそ
れぞれ所定位置に固定されており、かつ前記コラム10の
側面対応位置には、当該第1のドグ101,および第2のド
グ103によって閉路作動される第1のリミットスイッチ1
02,および第2のリミットスイッチ104がそれぞれに固定
されている。
そして、前記第1のリミットスイッチ102について
は、主軸ヘッド24が、コラム10上での回転駆動禁止領
域,ひいては後述するATC領域に上昇位置したときにオ
ン作動され続けて、当該主軸ヘッド24での回転主軸40の
回転駆動禁止領域を検出し得るようになされ、また、前
記第2のリミットスイッチ104については、主軸ヘッド2
4が、当該ATC領域での上昇端付近に設定される工具マガ
ジン66の回動割出し可能領域を検出し得るようになされ
る。
《(6).工具マガジンにおける各カム機構による工具
交換動作》 次に、上記のように構成される自動工具交換装置の動
作につき、第7図(a)ないし(i)と第8図(a),
(b),(c)とを参照して説明する。
ここで、前記主軸ヘッド24と、これに垂直方向で固定
された複合カム体86とは、Z軸方向に昇降移動される
が、工具マガジン66自体は、フレーム12上でのあらかじ
め設定されている所定の定位置に保持されており、その
マガジンベース64が間欠的に割出し回転されるのみであ
る。
第7図(a)ないし(i),および第8図(a),
(b),(c)には、前記主軸ヘッド24の動作基準位置
となる作動原点(ZO),および当該作動原点(ZO)にほ
ぼ一致する位置(ZO=0,ここで数値0は“mm"を1つの
単位とし、以下,これを同様に表わす)としての原点位
置(ZO・0)がそれぞれに明示されている。
また、前記作動原点(ZO),原点位置(ZO・0)より
も下方に相当するワークテーブル面(Z−450)部分ま
でが、ここでは主軸ヘッド24に交換装着される所要の各
工具50によって被加工物91の加工を行う加工領域部分で
あり、かつ同様にして、当該作動原点(ZO),原点位置
(ZO・0)よりも上方に相当する部分が、ここでは主軸
ヘッド24に対する所要の各工具50の交換動作を行うとこ
ろの,いわゆるATC領域部分であって、当該ATC領域部分
の上昇端付近の位置(Z138)が、ここでは主軸ヘッド24
における工具マガジン66の割出し回動可能位置に相当す
る。
そして、前記主軸ヘッド24が上昇して、ATC領域部分
に入ったことは、先に述べたように、第1のドグ101に
よる第1のリミットスイッチ102のオン作動により検出
され、同様にして工具マガジン66の割出し回動可能位置
に到達したことは、第2のドグ103による第2のリミッ
トスイッチ104のオン作動により検出されるもので、さ
らには、この場合、主軸ヘッド24,ひいては回転主軸40
での全送り行程範囲の送り作動位置については、Z軸モ
ータ22の回転回数並びに回転角度などを、例えば、エン
コーダなどで計測してフィードバック出力することによ
って常時検出される。
第7図(a)は、加工領域にあって、主軸ヘッド24に
装着された所要の工具50を用い、対象工作物91の切削加
工を行っている状態を示す。
すなわち、この加工状態では、前記回転主軸40の下部
軸端が、作動原点(ZO),原点位置(ZO・0)よりも下
方に位置されており、また、グリップアーム82に設けた
第1カムフォロア94は、複合カム体87の対応する第1カ
ム面86aを上昇しきったカム面頂部に位置され、かつ第
2カムフォロア96は、対応する第2カム面86bを下降し
きったカム面底部に位置されて、当該グリップアーム82
の二股部83を主軸ヘッド24から最も離れた左方の時計方
向へ充分に揺動しきった位置に保持される。つまり、当
該二股部83は、回転主軸40の工具保持部42に装着された
特定の工具ホルダ48から大きく離間された状態にあり、
このために、主軸ヘッド24が工具マガジン66に干渉する
ことなく、被加工物91に対する切削下降が可能にされ、
所要の切削加工を円滑に行い得る。
第7図(b)は、前記主軸ヘッド24が、加工領域にあ
って、作動原点(ZO)に対してほぼ一致する位置まで上
昇された状態を示し、ここでは、回転主軸40がオリエン
テーション(主軸定位置停止)終了の状態となってお
り、第8図(b),(c)おけるワーク前復帰作動を
経て原点復帰+主軸オリエンテーション作動の終了直
前の状態である。
そして、この状態では、前記グリップアーム82の第1
カムフォロア94が、第1カム面86aのカム面頂部からや
や下降した途上に位置され、かつ第2カムフォロア96に
ついても、第2カム面86bのカム面底部からやや上昇し
た途上に位置されて、当該グリップアーム82は、枢支軸
84を中心にして反時計方向に僅かに回動されると共に、
この回動によって、当該グリップアーム82の二股部83に
設けられている1対の各支持ピン98,98を、前記工具ホ
ルダ48での最大直径の把持部に形成されて水平方向に位
置するV形溝48aに一致させるべく、このV形溝48aに接
近している。
仍って、この時点では、前記二股部83の1対の各支持
ピン98,98が工具ホルダ48のV形溝48aに未だ係合されて
はおらず、このため、必要に応じては、工具50を用いた
対象工作物91に対する加工が可能である。なおここで、
前記複合カム体87の第1カム面86aおよび第2カム面86b
での各カム形状については、後述するグリップ動作の終
了までの間、各支持ピン98,98がV形溝48aの移動に追従
し得るように設定される。
第7図(c)は、前記主軸ヘッド24が、加工領域から
ATC領域に入り、第1のリミットスイッチ102がオン状態
にされて主軸回転禁止され、かつ当初に、作動原点(Z
O)より、例えば、距離(Z=15〜20)(第8図(a)
に(Z15〜20)として表示、以下,同様)で、前記グリ
ップアーム82が反時計方向に作動され、各支持ピン98,9
8があらためて工具ホルダ48のV形溝48aに接触した後、
当該作動原点(ZO)よりも、例えば、距離(Z=30)だ
け上昇した状態を示しており、第8図(b),(c)に
おける工具マガジン割出し可能位置への上昇位置決め作
動の過程にある。
すなわち、この位置まで主軸ヘッド24が上昇する過程
では、クランクレバー30の板カム28がカムフォロア26に
当接されるに至り(第1図)、当該クランクレバー30が
引張りコイルばね34の付勢力に抗して反時計方向への回
動を開始すると共に、前記複合カム体87の第1カム面86
a,および第2カム面86bのそれぞれが、共に対応する第
1カムフォロア94,および第2カムフォロア96を従動さ
せて、前記グリップアーム82をさらに反時計方向へ揺動
作動させることになり、これによって当該グリップアー
ム82の二股部83に設けた1対の各支持ピン98,98が、工
具ホルダ48のV形溝48aに追従移動し、圧縮コイルばね9
9,99の付勢力に抗して後退されながら、主軸40の中心線
(C)上に位置されることになる。
また同時に、この時点で、前記クランクレバー30の短
尺レバー部30aがドローバー46に設けたピン56を押し下
げ始めて、工具ホルダ48のプルスタッド54に対するホル
ダ挟持部材44を用いた挟持の解除を開始する。
第7図(d)は、前記主軸ヘッド24が作動原点(ZO)
よりも、例えば、距離(Z=50)だけ上昇した状態を示
しており、ここでも第8図(b),(c)における工具
マガジン割出し可能位置への上昇位置決め作動の過程
にある。
この状態に至る直前に、前記クランクレバー30は、所
定の設定範囲相当分だけ完全に揺動作動しきって、工具
ホルダ48に対するアンクランプを終了しており、また、
前記グリップアーム82は、第1,第2の各カム面86a,86b
と、これらのそれぞれに対応する第1,第2の各カムフォ
ロア94,96とのカム作用下に反時計方向側へ一層,移動
作動されて、当該グリップアーム82の鋼球90がグリップ
支持カラー88のノッチ溝88b内へ落ち込み係合され、こ
の状態で安定に保持されて動作を終了している。
そして、この時点では、前記グリップアーム82の二股
部83に設けた1対の各支持ピン98,98が、前記工具ホル
ダ48のV形溝48aに落ち込んで係合されており、当該グ
リップアーム82による工具ホルダ48の完全把持がなさ
れ、続いて、回転主軸40からの工具ホルダ48の抜取り移
動が開始されることになる。
第7図(e)は、前記主軸ヘッド24が作動原点(ZO)
よりも、例えば、距離(Z=138)だけ上昇し、第2の
リミットスイッチ104がオン状態にされており、工具マ
ガジン割出し可能位置にある。
前記第7図(b)に示す位置からの主軸ヘッド24の上
昇に伴い、回転主軸40に装着されていた工具ホルダ48
は、前記グリップアーム82に把持されたままで残留し、
これによって工具ホルダ48の抜き取り(主軸ヘッド24か
ら工具マガジン66への受渡し)が完了しており、このよ
うに主軸ヘッド24が上昇される工具マガジン割出し可能
位置(後述するスレーブCPUのスレーブRAMに設定されて
いる)において、第2のリミットスイッチ104がオン状
態で、かつZ軸モータ22の回転回数などのフィードバッ
ク出力が当該位置を示すことを条件にして、マガジンモ
ータ68が回転駆動(第8図(b),(c)における工具
マガジン割出し回動)され、バレルカム76およびカム
フォロア78のカム作用のもとに、割出し円板80の割出し
回動が実行されると共に、別に、後述するようにX軸,Y
軸,ならびにB軸の各モータによるワークテーブル,ひ
いては被加工物の次の加工箇所の位置決めがなされる。
第7図(f)は、前記割出し円板80の割出し回動によ
り、次に使用される工具ホルダ48を把持した別のグリッ
プアーム82が、前記主軸ヘッド24での回転主軸40の工具
保持部42の直下で、その中心線(C)上に位置された状
態で、次に使用される工具50の待機姿勢を示している。
そして、この新たに準備された工具ホルダ48を回転主
軸40の工具保持部42に装着させるのには、Z軸モータ22
を逆方向に回転駆動させ、主軸ヘッド24を下降作動(第
8図(b),(c)における作動原点復帰作動の過程
に対応し、ここでは第2のリミットスイッチ104がオフ
状態にされる)させることで行なわれる。
第7図(g)は、前記主軸ヘッド24が作動原点(ZO)
から、例えば、距離(Z=50)の位置まで下降作動され
た状態を示しており、ここでは同様に、第8図(b),
(c)における作動原点復帰作動の過程にある。
この主軸ヘッド24の下降により、新たに割出された工
具ホルダ48のアーバー52が、主軸40の工具保持部42内に
自動的に挿入される。ここで、前記第7図(e)および
同図(f)において、前記グリップアーム82の第1,第2
の各カムフォロア94,96は、それぞれに対応する複合カ
ム体86の第1,第2の各カム面86a,86bから離脱された態
様にあるが、ここでの第7図(g)に示す状態に至っ
て、当該第1,第2の各カムフォロア94,96は、再度,対
応する第1,第2の各カム面86a,86bに当接されることに
より、グリップアーム82の逃し動作が開始される。
すなわち、前記グリップアーム82は、枢支軸84を中心
とする時計方向への揺動作動を開始し、当該グリップア
ーム82の二股部83に設けた1対の各支持ピン98,98が、
前記工具ホルダ48でのV形溝48aの動きに追従して動作
する。そして、前記主軸ヘッド24が、例えば、距離(Z
=47)まで下降するときは、今まで前記カムフォロア26
に当接されることで、当該クランクレバー30を反時計方
向に揺動させていた板カム28(第1図)は、当該カムフ
ォロア26から逃げ始めて、前記ホルダ挟持部材44による
工具ホルダ48のプルスタッド54を用いた挟持を開始す
る。
第7図(h)は、前記主軸ヘッド24が作動原点(ZO)
に対し、例えば、距離(Z=30)の位置までさらに下降
作動された状態を示しており、ここでも同様に、第8図
(b),(c)における作動原点復帰作動の過程にあ
る。
この位置では、前記クランクレバー30における板カム
28がカムフォロア26から完全に離脱し、この作動によっ
て回転主軸40のホルダ挟持部材44が工具ホルダ48のプル
スタッド54を挟持し、そのクランプ動作を終了する。
また、前記グリップアーム82は、第1,第2の各カムフ
ォロア94,96が、それぞれに対応する第1,第2の各カム
面86a,86bのカム作用を受け、アーム端の鋼球90が、グ
リップ支持カラー88のノッチ溝88bから離脱して時計方
向への揺動作動が可能になる。
第7図(i)は、前記主軸ヘッド24がさらに下降作動
されて、作動原点(ZO)に一致(ZO=0)した状態を示
しており、ここでは第8図(b),(c)における作動
原点復帰作動が完了する。
この位置では、前記グリップアーム82が、回転主軸40
の工具保持部42に嵌挿保持された工具ホルダ48から完全
に離脱し、さらに続いて、前記主軸ヘッド24が一層,下
降作動され、作動原点(ZO)を越えて加工領域に入る
(第8図(b),(c)におけるワーク前へ位置決め+
主軸回転作動の過程に対応し、ここでは第1のリミッ
トスイッチ102がオフ状態にされる)と、当該グリップ
アーム82は、前記第7図(a)に示すように、主軸ヘッ
ド24から一層,離間された状態になって、第8図
(b),(c)におけるワーク前へ位置決め+主軸回転
作動が完了し、その後、所期通りの被加工物に対する
次の切削加工などが可能になるのである。
なおここで、第8図(a),(b),(c)に示すタ
イムチャートは、以上の各カム機構による工具交換動作
について、縦軸方向に主軸ヘッド24のストローク位置
(Z軸位置)を、横軸方向に動作時間をそれぞれにとっ
て、相互に関連する各部材の動作タイミングを示したも
のである。
《(7).制御装置》 第9図は、上記の各構成による自動工具交換装置を備
えた工作機械の制御装置を示す機能ブロック図である。
この第9図の構成において、制御装置110は、マイク
ロコンピュータを備えており、装置全体を統括して制御
するためのマスターCPU111と、主として前記被加工物91
のワーク加工を司るためのスレーブCPU112と、主として
工具交換を司るためのATC部CPU113とのそれぞれの各CPU
を中心に構成される。
前記マスターCPU111には、メモリ装置として制御装置
111自体を動作させるプログラムとか定数などを格納す
るマスター部ROM114と、制御実行中の変数とかフラグな
どを一時記憶する第1マスター部RAM115と、前記各種の
工具50の交換タイミング,および被加工物91のワーク加
工に使用する各工具50などをそれぞれに指示するための
加工プログラムなどを格納する第2マスター部RAM116と
がそれぞれに接続されており、第1,第2の各マスター部
RAM115,116については、共に電源オフ時にあってもバッ
クアップされる。
前記スレーブCPU112には、ワーク加工のためのモータ
駆動プログラムとか定数などを格納するスレーブ部ROM1
17と、ワーク加工制御実行中の変数とかフラグなどを一
時記憶すると共に、前記したようにZ軸モータ22の回転
数などのフィードバック出力に対応して工具マガジン割
出し回動位置を記憶するスレーブ部RAM118とがそれぞれ
に接続されており、スレーブRAM118については、電源オ
フ時にあってもバックアップされる。
前記ATC部CPU113には、工具交換のためのマガジン旋
回プログラムとか定数などを格納するATC部ROM119と、
工具交換制御実行中の変数とかフラグなどを一時記憶す
るATC部RAM120とがそれぞれに接続されており、ATC部RA
M120については、電源オフ時にあってもバックアップさ
れる。
また、前記マスターCPU111とスレーブCPU112との間に
は、当該マスターCPU111からスレーブCPU112への指令,
あるいは、その逆方向の信号とかその他の情報をやりと
りするためのMS間共通RAM121が接続されており、当該MS
間共通RAM121は、これらのマスターCPU111およびスレー
ブCPU112の双方から情報が書き込まれ、かつ読み出され
る。
前記マスターCPU111とATC部CPU113との間には、当該
マスターCPU111からATC部CPU113への指令,あるいは、
その逆方向の信号とかその他の情報をやりとりするため
のMA間共通RAM122が接続されており、前記MS間共通RAM1
21の場合と同様に、当該MA間共通RAM122は、これらのマ
スターCPU111およびATC部CPU113の双方から情報が書き
込まれ、かつ読み出される。
さらに、前記マスターCPU111に対しては、加工プログ
ラムなどを作成入力するためのキーボード123と、当該
作成される加工プログラムなどをモニター表示するため
のCRT124とがそれぞれに接続されている。
続いて、前記スレーブCPU112に対しては、前記ワーク
テーブル自体をX軸方向(例えば、水平左方向)へ制御
移動作動させるためのX軸モータ125と、同上ワークテ
ーブルをY軸方向(例えば、水平右方向)へ制御移動作
動させるためのY軸モータ126と、同上ワークテーブル
をX軸,Y軸の水平面で制御回転作動させるためのB軸モ
ータ127と、前記主軸ヘッド24を制御昇降作動させるた
めのZ軸モータ22と、それに前記回転主軸40を回転させ
るための主軸モータ36と、前記回転主軸40の回転禁止領
域を検出するための第1のリミットスイッチ102,および
前記工具マガジン66での割出し回動位置を検出するため
の第2のリミットスイッチ104とがそれぞれに接続され
ており、このスレーブCPU112では、これらのそれぞれを
制御駆動し、ワークテーブル上に載置された被加工物91
に対する所定の各工具50を用いた加工を実行する。
そしてまた、前記スレーブCPU112には、別に、主軸回
転禁止領域,ならびに工具マガジン回転可能領域を検出
するための前記リミットスイッチ102が接続され、前記
主軸ヘッド24が作動原点(ZO)よりも上方のATC領域に
上昇された場合にあって、当該主軸ヘッド24が主軸回転
禁止領域,ならびに工具マガジン回転可能領域に位置す
ることを知らせる。
さらに、前記ATC部CPU113に対しては、前記マガジン
モータ68が接続されており、このATC部CPU113は、当該
マガジンモータ68を制御駆動し、工具マガジン68を回転
させて、所定のプログラムに基づき、次に選択使用する
各工具50の割出しを行うのである。
続いて、第10図は、前記マスターCPU111とスレーブCP
U112との間で、情報のやりとりを行うMS間共通RAM121の
メモリ構成を示す図である。
この第10図のメモリ領域の構成において、メモリ領域
151ないし155に対しては、各種のフラグが格納され、ま
た、メモリ領域156ないし162に対しては、マスターCPU1
11からスレーブCPU112に与える指令値のデータが格納さ
れ、さらに、領域165ないし168に対しては、スレーブCP
U112からマスターCPU111に伝えるデータが格納される。
ここで、前記それぞれの各メモリ領域につき、より一
層,詳細に述べる。
メモリ領域151 当該領域151は、加工動作の開始を指令する実行開始
フラグSTART_Fである。
被加工物91のワーク加工に際しては、前記マスターCP
U111から、このメモリ領域151に対して、情報“1"を書
き込むことにより、前記スレーブCPU112がその他の各情
報を参照しながら加工動作の実行を開始する。
メモリ領域152 当該領域152は、加工動作の終了を知らせる実行終了
フラグEND_Fである。
前記の実行開始フラグSTART_F(151)によって開始さ
れる加工動作が終了すると、前記スレーブCPU112が、こ
のメモリ領域152に対して、情報“1"を書き込むと共
に、併せて、前記マスターCPU111に加工動作の終了を知
らせる。
メモリ領域153 当該領域153は、切削モードフラグCUT_Fである。
ここでの切削動作に際しては、前記マスターCPU111か
ら、このメモリ領域153に対して、情報“1"を書き込む
ことにより、軸移動が切削モード[G01]になり、ま
た、情報“0"を書き込むことにより、位置決めモード
[G00]になる。
そして、位置決めモード[G00]では、前記スレーブC
PU112が、軸移動の完全終了後に実行終了フラグEND_F
(152)をあげ、これに対して、切削モード[G01]で
は、当該スレーブCPU112が、軸移動の減速開始時に実行
終了フラグEND_F(152)をあげて、次の軸移動の受付け
を可能にする。
メモリ領域154 当該領域154は、タップ動作フラグTAP_Fである。
ここでのタップ動作に際しては、前記マスターCPU111
から、このメモリ領域154に対して、情報“1"を書き込
む。
メモリ領域155 当該領域155は、主軸動作フラグSPCMD_Fである。
ここでの回転主軸40の回転動作時には、前記マスター
CPU111から、このメモリ領域155に対して、情報“1"を
書き込み、また、オリエンテーション動作時には、情報
“2"を書き込む。
メモリ領域156〜159 当該各領域156〜159は、それぞれに、X軸移動指令値
XCMD_V,Y軸移動指令値YCMD_V,Z軸移動指令値ZCMD_V,お
よびB軸移動指令値BCMD_Vである。
軸移動指令に際して、マスターCPU111は、これらの各
メモリ領域156〜159に対して、これから移動すべき距離
データをインクリメンタル量で書き込む。
メモリ領域160〜162 当該各領域160〜162は、それぞれに、主軸回転指令値
SPCMD_V,移動指令速度FEED_V,およびタップ指令ピッチP
ITCH_Vである。
メモリ領域165〜168 当該各領域165〜168は、それぞれに、X軸現在位置XP
OS_V,Y軸現在位置YPOS_V,Z軸現在位置ZPOS_V,およびB
軸現在位置BPOS_Vである。
これらの各現在位置データ165ないし168は、軸移動動
作の実行に伴い、スレーブCPU112により逐次に更新され
る。
なおここで、これらのMS間共通RAM121へのデータ設定
は、可能な限りの複合動作を許容するようになされる。
次に、第11図は、前記マスターCPU111とATC部CPU113
との間で、情報のやりとりを行うMA間共通RAM122のメモ
リ構成を示す図である。
メモリ領域171 当該領域171は、実行開始フラグASTART_Fである。
ここでの実行開始に際しては、マスターCPU111から、
このメモリ領域171に対して、情報“1"を書き込むこと
で、ATC部CPU113が、その他の情報を参照しながら加工
動作の実行を開始する。
メモリ領域172 当該領域172は、実行終了フラグAEND_Fである。
先の実行開始フラグASTART_F(171)により実行のか
けられた動作が終了すると、ATC部CPU113が、このメモ
リ領域172に対して、情報“1"を書き込んで、マスターC
PU111に加工動作の終了を知らせる。
メモリ領域173 当該領域173は、工具マガジン回転ポット番号APOT_V
である。
前記マスターCPU111は、このメモリ領域173に対し
て、次に使用する工具50のマガジンポット番号を書き込
むと共に、ATC部CPU113に対して、次の工具交換動作で
の工具マガジン66の割出し位置を知らせる。
《(8).制御装置の作動》 次に、前記構成による制御装置の作動について述べ
る。
この制御装置において、ワーク加工制御,ならびに工
具交換制御のそれぞれは、前記したようにマスターCPU1
11からの指令に基づいて実行される。
前記マスターCPU111は、キーボード123から入力され
て、前記第2マスター部RAM116に格納されている加工プ
ログラムを1動作分づつ読み出すと共に、この読み出し
た情報がワーク加工に関するものであれば、スレーブCP
U112との間のMS間共通RAM121に対して、この情報,つま
り指令データを書き込む。そして、当該スレーブCPU112
では、書き込まれた指令データを読み出して、Z軸モー
タ22,X軸モータ125,Y軸モータ126,およびB軸モータ127
の各回転駆動による各該当部の移動量と、回転主軸40の
回転数とをそれぞれに決定して、該当するワーク加工制
御を実行する。
また、前記読み出した情報に工具交換が含まれている
場合には、スレーブCPU112との間のMS間共通RAM121,お
よびATC部CPU113との間のMA間共通RAM122の両者に対し
て、この指令データをそれぞれに書き込む。従って、こ
の結果、当該スレーブCPU112では、これらのZ軸モータ
22,X軸モータ125,Y軸モータ126,B軸モータ127および回
転主軸40の主軸モータ36をそれぞれに回転駆動制御して
加工時,ならびに工具交換時における主軸ヘッド24の送
り制御を実行し、ATC部CPU113では、工具マガジン66の
マガジンモータ68を回転駆動制御して工具交換制御を実
行する。
第12図は、工具交換制御の概要を模式的に示す流れ図
であり、当該工具交換制御につき、第8図(b),
(c)をも参照して述べる。
この第12図に示される工具交換制御の流れにおいて、
まず最初に、加工領域における工具交換指令直前のワー
ク加工動作201が終了すると、直ちにZ軸原点復帰動作2
02が開始されて、主軸ヘッド24がATC領域側へ上昇され
ると共に、被加工物91での被加工箇所から、そのときの
加工工具50が離れた時点で、当該Z軸原点復帰動作202
の完了を持たずに、主軸定位置停止動作(回転主軸40の
オリエンテーション動作)203が実行される(第8図
(b),(c)におけるワーク前復帰作動に対応す
る)。
そしてまた、前記Z軸原点復帰動作202における動作
完了間隔での回転主軸40の回転減速動作と、これに続く
動作であるZ軸上方移動動作204における主軸ヘッド24
の上昇加速動作とが重複して実行され(第8図(b),
(c)における原点復帰+主軸オリエンテーション作動
に対応する)、その後、当該主軸ヘッド24は、作動原
点(ZO)で停止せずにATC領域側へ上昇を続ける(第8
図(b),(c)における工具マガジン割出し可能位置
への位置決め作動の過程に対応する)。
続いて、前記主軸ヘッド24がATC領域に入り、第1の
ドグ101が第1のリミットスイッチ102をオン作動させる
ことで、前記回転主軸40の回転が停止(主軸回転禁止領
域に該当する)された後、上昇端近傍の工具マガジン回
動位置に到達すると、第2のドグ103が第2のリミット
スイッチ104がオン作動させることで、マガジン割出し
回動可能領域に至ったのが検出され(第8図(b),
(c)における工具マガジン割出し可能位置への位置決
め作動の完了に対応する)、マガジン割出し動作205
が開始され(第8図(b),(c)における工具マガジ
ン割出し回動に対応する)、マガジンモータ68により
工具マガジン66が回動作動されて、次に使用される加工
工具50の割出しが実行されると共に、当該マガジン割出
し動作205の動作中にあって、X軸,およびY軸各方向
へのワークテーブルのX,Y軸移動動作206が並行に実行さ
れ、このワークテーブル,ひいてはワークテーブル上の
被加工物91に対する次の被加工箇所が加工位置に移動し
て位置決めされる。
さらに、前記工具マガジン66での回動割出しが終了す
ると(第8図(b),(c)における工具マガジン割出
し回動の完了に対応する)、ATC領域からのZ軸原点
復帰動作207が開始されて(第8図(b),(c)にお
ける作動原点復帰作動の開始に対応する)、第2のリ
ミットスイッチ104がオフされ、主軸ヘッド24が加工領
域側へ下降されると共に、当該Z軸原点復帰動作207の
動作完了間際の減速動作と、次の動作であるZ軸下方移
動動作208の加速動作とが重複して実行され(第8図
(b),(c)における作動原点復帰作動の完了に対
応する)、かつ主軸ヘッド24は、作動原点(ZO)で停止
せずに、加工領域側へ下降する(第8図(b),(c)
におけるワーク前位置決め+主軸回転作動の開始に対
応する)。
このとき、前記主軸ヘッド24が加工領域側へ入ると
(第8図(b),(c)におけるワーク前位置決め+主
軸回転作動の過程に対応する)、第1のリミットスイ
ッチ102がオフされ、そして、この第1のリミットスイ
ッチ102のオフを条件に、主軸回転動作209が並行に開始
されるのである(第8図(b),(c)におけるワーク
前位置決め+主軸回転作動の完了に対応する)。
そして、ここでの各工具交換動作の際での主軸ヘッド
24の送り作動位置は、Z軸モータ22の回転回数などによ
り常時監視されており、かつまた、第1,第2の各リミッ
トスイッチ102,104のオン作動と併せて、各補助機能の
動作を行なうことになる。
すなわち、このようにして所期の工具交換動作が実行
され、以後、次の指令に従って被加工物91に対する所要
の加工動作210が開始されるのである。
以上のように、この実施例構成による工作機械では、
加工領域からのZ軸原点復帰動作202と主軸定位置停止
動作203,およびZ軸下方移動動作208と主軸回転動作209
のそれぞれを並行して実行すると共に、Z軸原点復帰動
作202の一部とZ軸上方移動動作204の一部,およびZ軸
原点復帰動作207の一部とZ軸下方移動動作208の一部の
それぞれを重複して実行するために、工具交換に要する
時間を短縮できる。また同時に、主軸ヘッド24の送り作
動位置を常時監視して、第1,第2の各リミットスイッチ
102,104のオン作動と併せて、これらの各補助機能の動
作を行なうために、当該各リミットスイッチ102,104に
よる誤動作の惧れがないばかりか、各補助機能の出力タ
イミングが送り作動の特定範囲内であっても、当該送り
作動を停止させずに実行し得るために、より一層の時間
短縮が可能になるのである。
《(9).制御装置における実質的な処理》 上記制御作動を実現するための制御装置110における
実質的な処理について述べる。
第13図は、工具交換動作時の加工プログラムの一例を
示す説明図である。
同第13図に示す加工プログラムにおいては、一連の加
工指令220に続いて、まず、Z軸原点復帰指令[G28
Z],および回転主軸オリエンテーション指令[ORI]の
複合指令221がプログラムされている。
ついで、工具交換指令[T07],およびワークテーブ
ルの位置決め指令[G00X100Y50]の複合指令222がプロ
グラムされ、ここでは次に使用される工具としてNo.7の
工具ポットが選択される。
さらに、Z軸を次の加工位置に対応させるための位置
決め指令[G00Z−50],および回転主軸に対する回転指
令[SPN4000]の複合指令223がプログラムされており、
以下,次の一連の加工指令224が順次にプログラムされ
ている。
また、第14図は、マスターCPU111における作動処理を
示すフローチャートである。
同第14図に示すフローチャートにおいて、処理3000が
開始されると、まず、ステップST−301では、加工プロ
グラムが1動作指令づつ読み出され、ステップST−302
で読み出された加工プログラムの動作種類の判定が行な
われる。
そして、当該加工プログラムが単独動作指令である場
合には、ステップST−311以下に進み、これらの各ステ
ップST−311ないし315で単独動作の種類が判別されて、
それぞれの単独動作処理のステップST−321ないし325が
実行される。
すなわち、例えば、ステップST−321が位置決め指令
[G00]であれば、位置決め移動処理が行なわれ、ステ
ップST−322が送り指令[G01]であれば、切削移動処理
が行なわれ、ステップST−323がタップ移動指令[G77]
であれば、タップ移動処理が行なわれ、ステップST−32
4が補助信号指令[M code]であれば、信号出力処理が
行なわれ、ステップST−325がプログラム終了指令[M3
0]であれば、プログラム終了処理が行なわれる。
ここで、これらの各処理ST−321ないし325は、前記マ
スターCPU111がMS間共通RAM121に必要なフラグ,および
データからなる指令を書き込むことによって行なわれ、
当該マスターCPU111では、スレーブCPU112によりMS間共
通RAM121に実行終了フラグEND_F(152)がたてられるの
を待って、次のステップST−303に進む。
一方、前記ステップST−302で読み出された加工プロ
グラムが複合動作指令である場合には、ステップST−33
1以下に進み、これらの各ステップST−331ないし335で
複合動作の種類が判別されて、それぞれの複合動作処理
のステップST−341ないし344が実行される。
すなわち、例えば、ステップST−341が工具交換,お
よび位置決めの複合指令[Tnn_G00]であれば、前記し
たようにして、ATC領域での主軸ヘッド24の移動とマガ
ジン66の割出しによる工具交換処理,およびワークテー
ブルの位置決め移動処理がそれぞれに行なわれ、ステッ
プST−342が位置決め,および主軸回転の複合指令[G00
_SPN]であれば、ここでも前記したようにして、当該位
置決め,および主軸回転の処理がそれぞれに行なわれ、
ステップST−343がZ軸原点復帰,および回転主軸オリ
エンテーションの複合指令[G28Z_ORI]であれば、ここ
でも前記したようにして、当該Z軸原点復帰,および回
転主軸オリエンテーションの処理がそれぞれに行なわれ
る。
ここで、これらの各処理341ないし344については、前
記マスターCPU111がMS間共通RAM121,およびMA間共通RAM
122に必要なフラグ,およびデータからなる指令を書き
込むことによって行なわれ、当該マスターCPU111では、
スレーブCPU112によりMS間共通RAM121に実行終了フラグ
END_F(152)がたてられるのを待ち、かつまた、ATC部C
PU113によりMA間共通RAM122に実行終了フラグAEND_F(1
72)がたてられるのを待って、次のステップST−303に
進む。
そして、ステップST−303では、加工プログラムがす
べて終了したか否かを判別して、終了していなければ、
以上の処理を繰り返し、終了しておれば、ステップST−
304に進んで作動処理を終了する。
従って、前記第13図に示す加工プログラムでは、ま
ず、指令221によって、ステップST−343のZ軸原点復
帰,および回転主軸オリエンテーションの複合動作処理
[G28Z_ORI]がそれぞれに実行され、ついで、指令222
によって、ステップST−341の工具交換,および位置決
めの複合動作処理[Tnn_G00]がそれぞれに実行され、
さらに、指令223によって、ステップST−342の位置決
め,および主軸回転の複合動作処理[G00_SPN]がそれ
ぞれに実行されることになる。
ここで、これらの各処理343,341,および342の詳細に
ついて、次に述べる。
第15図は、前記ステップST−343におけるZ軸原点復
帰,および主軸オリエンテーションの複合動作処理[G2
8Z_ORI],つまり、ここでは、前記プログラム221の詳
細を示すフローチャートである。
当該ステップST−343において、複合動作処理[G28Z_
ORI]が開始されると、まず、ステップST−401では、Z
軸移動指令値ZCMD_V(158)がMS間共通RAM121に設定さ
れる。そして、当該Z軸移動指令値ZCMD_V(158)につ
いては、装置固有のZ軸原点位置(ZO)からMS間共通RA
M121に記憶されているZ軸現在位置ZPOS_V(167)の値
を減算{ZCMD_V=ZO−ZPOS_V}することによって算出さ
れる。
また、ステップST−402では、ここでのZ軸原点復帰
が、工具交換のためか否かが判断される。当該判断は、
これに続いて実行される加工プログラム222に工具交換
指令[Tnn]があるか否かによってなされ、この判断結
果が、工具交換のためであれば、ステップST−403に進
んで、切削モードフラグCUT_F(153)を情報“1"にセッ
トする。一方、これが工具交換のためでなければ、ステ
ップST−404に進んで、切削モードフラグCUT_F(153)
を情報“0"にセットする。従って、このために通常での
Z軸原点復帰動作については、これが位置決めモード
(G00)によって実行されるが、工具交換のためのZ軸
原点復帰動作に限っては、これが切削モード(G01)に
よって実行されることになる。
その後、ステップST−405で、主軸動作フラグSPCMD_F
(160)に情報“2"をセットして、主軸オリエンテーシ
ョンを指令し、ここでの動作の準備を終了する。
ついで、ステップST−406においては、実行開始フラ
グSTART_F(151)を情報“1"にセットし、スレーブCPU1
12に指令された動作の実行を開始した上で、ステップST
−407で、実行終了フラグEND_F(152)が、当該スレー
ブCPU112によってたてられるのを待ち、このスレーブCP
U112では、主軸オリエンテーションとZ軸の原点復帰と
の2つの動作が終了したときに、実行終了フラグEND_F
(152)を情報“1"にセットする。
このとき、切削モードフラグCUT_F(153)がステップ
ST−403で情報“1"にセットされているので、スレーブC
PU112は、主軸ヘッド24が作動原点位置(ZO)に到達す
るのを待たずに、当該原点位置到達直前の減速動作の開
始と共に、先のように実行終了フラグEND_F(152)を情
報“1"にセットし、かつこの実行終了フラグEND_F(15
2)が情報“1"にセットされることにより、次のステッ
プST−408に進む。
すなわち、このようにして、ここでのZ軸原点復帰,
および主軸オリエンテーション処理343を終了するので
ある。
第16図は、ステップST−341における工具交換,およ
び位置決めの複合動作処理[Tnn_G00],つまり、ここ
では、前記プログラム222の詳細を示すフローチャート
である。
そして、この場合、当該処理341は、3つのフェーズ
(I)ないし(III)からなっている。ここで、第1の
フェーズ(I)は、主軸ヘッド24のマガジン回動可能位
置,ここでは上昇端(Z=138)への移動処理であり、
第2のフェーズ(II)は、工具マガジン66の割出し回動
処理,およびワークテーブルの位置決め処理であり、第
3のフェーズ(III)は、主軸ヘッド24の作動原点(Z
O)への復帰処理である。
当該ステップST−341において、複合動作処理[Tnn_G
00]が開始されると、まず、第1のフェーズ(I)の処
理が開始されて、ステップST−511で、工具マガジン66
の回動可能位置へのZ軸移動指令値ZCMD_V(158)がセ
ットされる。当該Z軸移動指令値ZCMD_V(158)は、Z
軸原点位置(ZO)から同Z軸の上昇端付近までの工作機
械装置に固有の値であって、この場合は、“Z=138"に
設定されている。
ついで、ステップST−512で、実行開始フラグSTART_F
(151)に情報“1"をセットして、スレーブCPU112にZ
軸の移動を開始させ、ステップST−513で、実行終了フ
ラグEND_F(152)が“1"にされるのを待つ。以上によっ
て第1のフェーズ(I)の処理を終了し、続いて、第2
のフェーズ(II)の処理に移行する。
この第2のフェーズ(II)では、ステップST−521で
は、まず、MA間共通RAM122のマガジン回動ポット番号AP
OT_V(173)に対して、加工プログラム222で指令された
ポット番号を書き込む。例えば、この第13図に示す加工
プログラム222の場合、当該ポット番号が“07"に設定さ
れている。
ついで、ステップST−522で、X軸移動指令値XCMD_V
(156)をセットし、ステップST−523で、Y軸移動指令
値YCMD_V(157)をセットする。ここで、これらの各移
動指令値は、加工プログラム222で指令された座標X100
・Y50から、X軸,Y軸の現在位置XPOS_V(165),YPOS_V
(166)を減算することで容易に算出される。
このようにして動作の準備を終了し、ステップST−52
4で、MA間共通RAM122の実行開始フラグASTART_F(17
1),およびMS間共通RAM121の実行開始フラグSTART_F
(121)を共に情報“1"にセットし、ATC部CPU113,およ
びスレーブCPU112に処理の実行を開始させる。そして、
ステップST−525,526では、これらそれぞれの各CPU122,
121の処理が終了して、実行終了フラグAEND_F(172),
およびEND_F(152)が“1"にされるのを待つ。以上によ
って第2のフェーズ(II)の処理を終了し、続いて、第
3のフェーズ(III)の処理に移行する。
この第3のフェーズ(III)では、ステップST−531
で、まず、主軸ヘッド24を原点位置(ZO)に復帰させる
ためのZ軸移動指令値ZCMD_V(158)をセットする。当
該Z軸移動指令値ZCMD_V(158)は、前記と同様に、主
軸ヘッド24の上昇端付近から、Z軸作動原点(ZO)まで
の工作機械装置に固有の値であって、この場合は、前記
した数値の逆数である“Z=−138"に設定されている。
また、ステップST−532で、切削モードフラグCUT_F(15
3)を情報“1"にセットする。従って、ここでのZ軸原
点位置(ZO)への復帰は、切削モード[G01]で行なわ
れることになる。
そして、ステップST−533で、実行開始フラグSTART_F
(151)を情報“1"にセットし、かつスレーブCPU112に
より処理を開始させ、ステップST−534で、実行終了フ
ラグEND_F(152)が“1"になるの待つ。また、ここで
は、切削モードフラグCUT_F(153)が情報“1"にセット
されているので、主軸ヘッド24がZ軸原点位置(ZO)に
到達する直前に減速動作が開始されると共に、同時に、
実行終了フラグEND_F(152)が“1"にされ、かつ当該実
行終了フラグEND_F(152)が“1"になることで、次のス
テップST−535に進む。
すなわち、このようにして、ここでの第3のフェーズ
(III)の処理を終了し、このようにして各フェーズ
(I)ないし(III)による工具交換,および位置決め
処理341をすべて終了するのである。
第17図は、ステップST−342における位置決め,およ
び主軸回転の複合動作処理[G00_SPN],つまり、ここ
では、前記プログラム223の詳細を示すフローチャート
である。
当該ステップST−342において、複合動作処理[G00_S
PN]が開始されると、まず、ステップST−601で、加工
プログラム223の指令に従ってZ軸移動指令値ZCMD_V(1
58)がセットされ、また、ステップST−602で、主軸回
転指令値SPCMD_V(160)がセットされ、さらに、ステッ
プST−603で、主軸動作フラグSPCMD_F(155)に情報
“1"がセットされて右回転が支持され、ここでの準備が
終了する。
ついで、ステップST−604で、実行開始フラグSTART_F
(151)に情報“1"がセットされ、スレーブCPU112に動
作の開始を指令する。そして、ステップST−605で、実
行処理フラグEND_F(152)が“1"になるのを待ち、当該
実行処理フラグEND_F(152)が“1"になることで、次の
ステップST−606に進む。
すなわち、このようにして、ここでのZ軸位置決め,
および主軸回転処理342を終了する。
以上のように、ここでは結果的に、第13図に示す加工
プログラム221ないし223の全処理を終了するのであり、
この実施例構成の場合には、主軸ヘッド24が作動原点
(ZO)において一旦停止したり、減速されたりすること
なく加工領域からATC領域へ、また、ATC領域から加工領
域へ移動されるために、工具交換時間が、例えば、従来
例装置において、5.4secを必要としていたのを、この実
施例装置では4.0secに短縮することができた。
なお、前記実施例では、主軸回転禁止領域,および工
具マガジン割出し可能位置を検出する手段として、第1,
第2の各リミットスイッチを用いたが、これに代えて、
例えば、MS間共通RAMに記憶されるZ軸現在位置データ
を利用して、スレーブCPUでの処理によって当該主軸回
転禁止領域,および工具マガジン割出し可能位置を検出
するようにした,いわゆるソフトリミット手段を用いる
ようにしてよいことは勿論である。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、この発明に係る工作機械によれ
ば、送り機構の送り作動,回転駆動装置の起動・停止作
動,工具交換装置の交換作動などを含む各種補助機能の
作動実行のために、位置検出用リミットスイッチによっ
て検出される送り機構の特定検出位置と、送り作動位置
検出手段によって常時検出される送り作動位置とを監視
するようにしたから、出力位置記憶手段に対して、各種
補助機能の作動実行許容信号の出力位置が記憶されてい
て、かつ送り作動位置検出手段による検出位置が、CPU
にあらかじめ記憶されている位置情報に一致したとき
に、補助機能作動指令手段の指令を実行でき、これによ
って、各種補助機能の作動実行時における誤動作の防止
を行ない得ると共に、送り機構の作動完了をまたずに、
当該各種補助機能を作動させ得るもので、これらの結
果、ここでの非加工時間の短縮を効果的に図ることがで
きるという優れた特長がある。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の一実施例を適用した工作機械を示し
ており、第1図は当該工作機械における主として自動工
具交換装置部分全体の概要構成を示す縦断面図、第2図
は同上工具マガジンの主要部の詳細な構成を示す縦断面
図、第3図は第2図A矢示方向の正面図、第4図は第2
図B矢示方向の正面図、第5図は同上グリップアーム部
の詳細を示す斜視図、第6図は同上工具マガジン割出し
駆動機構の詳細を示す第1図C矢示方向の縦断面図であ
り、また、第7図(a)ないし(i)は同上工具マガジ
ン割出し駆動機構の作動態様を順次に示すそれぞれ正面
説明図、第8図(a),(b),(c)は同上主軸ヘッ
ドの作動と各主要部の動作との対応関係を示すそれぞれ
にタイムチャートであり、さらに、第9図は同上制御装
置の概要構成を示す機能ブロック図、第10図は同上MS間
共通RAMのメモリ構成を示す説明図、第11図は同上MA間
共通RAMのメモリ構成を示す説明図、第12図は同上装置
全体の作動の概要を示す模式図、第13図は同上ATC動作
のプログラム例を示す説明図、第14図は同上CPUにおけ
る実際の処理例を示すフローチャート、第15図,第16
図,および第17図は同上第14図処理例での複合動作の詳
細を示すフローチャートである。 10……コラム、12……フレーム、 14……ガイドレール、16……リニアガイド、 18……送りナット、20……ボールねじ軸、 22……サーボモータ(Z軸モータ)、 24……主軸ヘッド、26……カムフォロア、 28……板カム、30……クランクレバー、 36……主軸モータ(工具駆動モータ)、 40……回転主軸、42……工具保持部、 44……ホルダ挟持部材、 46……ドローバー、48……工具ホルダ、 50……工具、52……アーバー、 54……プルスタッド、56……ピン、 58……マガジン支持台、 60……支持軸、64……マガジンベース、 66……工具マガジン、68……マガジンモータ、 70……駆動軸、72,74……ベベルギア、 75……回転軸、76……バレルカム、 78……カムフォロア、80……割出し円板、 82……グリップアーム、 84……枢支軸、86……複合カム体、 88……グリップ支持カラー、 91……被加工物、 94,96……第1,第2カムフォロア、 101,103……第1,第2ドグ、 102,104……第1,第2リミットスイッチ、 110……制御装置、 111……マスターCPU、 112……スレーブCPU、 113……ATC部CPU、 114……マスター部ROM、 115,116……第1,第2マスター部RAM、 117……スレーブ部ROM、 118……スレーブRAM、 119……ATC部ROM、 120……ATC部RAM、 121……MS間共通RAM、 122……MA間共通RAM、 125……X軸モータ、126……Y軸モータ、 127……B軸モータ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数種類の各工具を個々に装着可能にした
    回転主軸と、 当該回転主軸に所要速度の回転作動を付与する回転駆動
    装置と、 被加工物を載置して取付け固定するワークテーブルと、 当該ワークテーブルに対して、前記回転主軸を3次元方
    向へ相対的に移動させる送り機構と、 前記被加工物の各被加工箇所に対応してあらかじめ用意
    された複数種類の各工具の個々を、前記回転主軸に対し
    所定通り順次に交換装着させる工具交換装置と、 あらかじめプログラムされている情報に基づいて、前記
    送り機構の送り作動,および前記回転駆動装置の起動・
    停止作動,ならびに前記工具交換装置の交換作動などを
    含む各種補助機能の作動をそれぞれに制御するCPUを有
    する数値制御装置と、 前記送り機構による作動完了時点の前後の如何に拘わら
    ずに、前記補助機能に対する作動開始を指令する補助機
    能作動指令手段と、 前記送り機構の所要位置に設けられて、当該送り機構の
    特定位置を検出し、前記補助機能の作動実行を許容する
    信号を出力する位置検出用リミットスイッチと、 当該リミットスイッチによる作動実行許容信号の出力位
    置を記憶する出力位置記憶手段と、 前記送り機構の送り作動位置を常時検出する送り作動位
    置検出手段とのそれぞれを少なくとも備え、 前記出力位置記憶手段に出力位置の記憶が存在し、かつ
    前記送り作動位置検出手段による検出位置が、前記CPU
    にあらかじめ記憶されている位置情報に一致したとき
    に、前記補助機能作動指令手段の指令を実行するように
    したことを特徴とする工作機械。
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