JP2890614B2 - 熱接着性蒸着シート - Google Patents

熱接着性蒸着シート

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JP2890614B2
JP2890614B2 JP2039235A JP3923590A JP2890614B2 JP 2890614 B2 JP2890614 B2 JP 2890614B2 JP 2039235 A JP2039235 A JP 2039235A JP 3923590 A JP3923590 A JP 3923590A JP 2890614 B2 JP2890614 B2 JP 2890614B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱接着性蒸着シートに関する。
更に詳しくは、本発明は、熱接着時の熱により蒸着膜
にクラックが生じない蒸着シートに関する。
(従来の技術) プラスチックシートなどのシートに金属または金属化
合物の蒸着膜を設けたシートは良く知られている。かか
る蒸着シートは、蒸着膜が酸素や水蒸気等のガス遮断性
に優れることから、食品や薬品などの酸素を嫌う内容物
の包装材料に好適であった。
かかる蒸着シートを包装材料に使用する際には、包装
材料同志を熱接着する必要のあることから、蒸着膜面に
熱接着性樹脂層を設けるのが通常である。
(発明が解決しようとする課題) しかし、熱接着性樹脂層を設けた蒸着シートを熱接着
すると、この熱により熱接着性樹脂が軟化・流動し、接
着時の圧力により蒸着膜にクラックが生じることがあ
る。
かかるクラックの発生により、蒸着膜のガス遮断性が
劣化する結果となった。
また、金属または金属化合物の蒸着膜を形成したシー
トは、装飾のためのラベル、転写箔や転写シート、反射
型ホログラム、干渉フィルター、紫外線遮断フィルムな
どに用いられることがあるが、かかる場合もクラックの
発生により回折光を生じて、レインボー模様を発生し、
金属光沢が失われたり、、本来の機能を損なうことがあ
った。
(課題を解決するための手段) この問題を解決するために、本発明は、蒸着膜を設け
た基体シートの蒸着膜面に三層のプラスチック層を積層
して成り、かかる三層のプラスチックの中間層の融点が
両側のプラスチック層の融点より低いことを特徴とする
熱接着性蒸着シートを提供する。
本発明にかかる基体シートには、蒸着に先立って前処
理を施すことができる。また、蒸着膜とプラスチック層
(3)は接着剤を介して積層することができる。
(実施例) 本発明にかかる蒸着シートは、第1図に示すように、
基体シート(1),蒸着膜(2),三層のプラスチック
(3)(4)(5)から成る。
I.基体シート(1)。
基体シート(1)は蒸着膜の支持体となるもので、任
意の材質から成っていて良い。好ましくはプラスチック
表面を有するものである。プラスチック単体またはプラ
スチック同志の積層材料あるいはプラスチックと他の材
料の積層材料などである。もっとも、透明導電膜、干渉
フィルター(カラーフィルター)等を形成する場合に
は、位置精度を向上するため、熱膨張率の小さいガラス
板を用いることが好ましい。
(a)プラスチック単体の場合。
基体シート(1)がプラスチック単体から成る場合
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテン、エチレンと炭素数3〜20のオレフィンとの共
重合体、プロピレンと炭素数4〜20のオレフィンとの共
重合体等のポリオレフィン;ポリオレフィンを塩素化し
て成る塩素化ポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共
重合体などのオレフィンと他のモノマーとの共重合体;
ポリスチレン;ポリ塩化ビニルまたは塩素化したポリ塩
化ビニルなどの塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデ
ン;ポリエステル;6ナイロン、66ナイロン、11ナイロ
ン、12ナイロンなどのポリアミド;ポリカーボネート;
ポリアクリロニトリル;ポリアクリル酸またはポリアク
リル酸エステル、ポリアクリル酸エーテルなどのアクリ
ル酸系重合体;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデ
ン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、
ポリフロロアルコキシ樹脂などのフッ素系樹脂;ポリウ
レタンなどが使用できる。
なお、蒸着時の熱及び熱接着時の熱などに耐える点で
ポリエステルシートが好適である。ポリエステルは二塩
基酸とジオールの縮合体で、二塩基酸の主成分はテレフ
タル酸、ジオールの主成分はエチレングリコールであ
り、テレフタル酸の一部及びエチレングリコールの一部
を他の二塩基酸及び他のジオールで置換することができ
る。他の二塩基酸としてはイソフタル酸、ナフタリンジ
カルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエ
タンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、
ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族カルボン
酸;ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸等の脂環族カルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、
アゼライン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、
p−オキシ安息香酸、ε−オキシカプロン酸等のオキシ
酸が使用できる。また他のジオールとしてはプロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ジシクロヘキ
サンジメタノール、トリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメ
チレングリコール、ネオペンチレングリコール、ジエチ
レングリコール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、
1,4−シクロヘキサンジメチロール、2,2−ビス(4−β
−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−
β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンシクロヘキ
サンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベン
ゼンが使用できる。また二塩基酸またはジオールの一部
をトリメリット酸、トリメシン酸、3,3′,5,5′−テト
ラカルボキジフェニル、ブタンテトラカルボン酸、フロ
ログリシン、1,2,4,5−テトラヒドロキシベンゼン、グ
リセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、酒石酸、リンゴ酸などの
多官能性化合物で置換しても良い。
また、ポリエステルには他の添加剤を混合することも
できる。例えば核剤である。核剤としては低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン
などのポリオレフィン;カーボンブラック、タルク、セ
ッコウ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、二酸化チ
タン、グラファイト、粉末ガラス、粉末金属などの粒径
2〜10μmの無機物などが例示できる。その外、滑剤、
アンチブロッキング剤、安定剤、防曇剤、着色剤などを
添加することができる。
(b)二以上のプラスチックの積層材料から成る場合。
基体シート(1)が二以上のプラスチックの積層材料
から成る場合は、上記単体のプラスチックを積層したも
のを使用することができる。積層は例えば接着剤を用い
て可能である。接着剤としてはポリウレタン、エポキ
シ、シアノアクリレートなどが使用できる。また、プラ
スチックの上に他のプラスチックを溶融押出コーティン
グしても良い。
また、基体シート(1)が二以上のプラスチックの積
層材料から成る場合は、上記単体のプラスチックの他に
保形性のない塗料を用いることができる。例えばポリウ
レタン系塗料、ポリエステル系塗料、ポリ酢酸ビニル、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、アイオノマー、ポリオレフィンの不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体による変性物などである。不
飽和カルボン酸としては(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、フマル酸等が例示できる。誘導体はそのエステル、
エーテル、無水物などである。変性はランダム共重合、
グラフト共重合などによる。あるいはポリビニルアルコ
ールまたはポリビニルアルコールの架橋物なども使用で
きる。ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールな
どである。
(c)プラスチックと他の材料の積層材料から成る場
合。
他の材料としては紙、セロハン、金属箔などが使用で
きる。プラスチックとしては上記単体プラスチック、あ
るいは塗料として例示したものが使用できる。
(d)厚さ。
基体シート(1)の厚さは任意で良い。包装材料とし
て使用する点から通常3〜2000μmである。
(e)形状等。
プラスチックは延伸または未延伸のものであって良
い。
また基体シート(1)は枚葉状あるいは巻取状のもの
であって良い。
また、基体シート(1)表面は平滑であっても良く、
凹凸が形成されたものであっても良い。例えば回折格子
をエンボスしたシートである。
II.前処理。
前処理は基体シート(1)と蒸着膜(2)の密着性を
向上するための処理である。必ずしも必要なものではな
いが、基体シート(1)と蒸着材料に応じ、アンカーコ
ート材料、放電処理、イオンビーム照射処理、オゾン処
理などの前処理を施すことが望ましい。
(a)アンカーコート処理。
アンカーコート処理はアンカーコート剤を塗布する処
理である。基体シート(1)表面が延伸又は未延伸のポ
リエステル、ポリオレフィン等の場合に好適である。
アンカーコート剤としては二液硬化型のポリウレタン
が使用できる。二液硬化型のポリウレタンはポリオール
とイソシアネート化合物の反応硬化物で、ポリオールと
してはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオー
ル、アクリルポリオールなどが使用できる。基体シート
(1)表面がポリエステルの場合は、この基体シート
(1)と接着力が優れることから、ポリエステルポリオ
ールが好ましい。また、蒸着時の熱、熱接着時の熱、あ
るいは包装材料として内容物を包装し、レトルト殺菌す
る際の熱に耐えて蒸着膜の剥離脱落を防止する点で分子
量20000以上のポリエステルポリオールが望ましい。イ
ソシアネート化合物は二以上のイソシアネート基を有す
る化合物で、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエ
ンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、キシ
レンジイソシアネートなどが使用できる。また、このポ
リウレタンには、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;ニ
トロセルロース、エチルセルロースなどのセルロース系
樹脂;塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなど
の塩素化ポリオレフィンを混合することができる。塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体やセルロース系樹脂の混合
により、熱及び水分の存在下で、基体シート(1)と蒸
着膜(2)の密着力の低下を防止できる。このため、蒸
着膜(2)が酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の水
和し易い化合物である時に好適である。混合量は、アン
カーコート剤の固形分全体の0〜30重量%で良い。
(b)放電処理。
放電処理は常圧下で放電する処理と減圧下で放電する
処理がある。常圧下で放電する処理はコロナ放電処理と
呼ばれる。また、減圧下で放電する場合は雰囲気に含ま
れるガスがプラズマ化し、かかるプラズマによる基体シ
ート(1)表面の改質が進むことからプラズマ放電処理
と呼ばれる。
(i)コロナ放電処理。
コロナ放電処理は基体シート(1)の両側に電極を配
置し、放電することにより処理する方法である。基体シ
ート(1)表面がポリオレフィンである場合、その表面
に極性基が導入され、蒸着膜(2)との密着力が向上す
るので、ポリオレフィンに対して好適である。この外、
フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂に施しても良い。
コロナ放電処理は大気中で行なえば良い。この点でプ
ラズマ放電処理に比べて簡便である。しかし、他の気体
中で行なうこともできる。例えば、窒素、酸素、二酸化
炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、あるいはその混合
ガスである。特に窒素と二酸化炭素の混合ガスの中で処
理する時、基体シート(1)と蒸着膜(2)の密着力が
強い。混合比は、体積比で、窒素:二酸化炭素が99.5:
0.5〜50:50の範囲が好ましい。
なお、コロナ放電処理は処理電力4W/m2・min以上の装
置で可能である。
(ii)プラズマ放電処理。
プラズマ放電処理は放電により発生したプラズマを基
体シート(1)に接触させて基体シート(1)表面を改
質する方法である。プラズマ発生のため、減圧下で行な
う必要がある。圧力は1×10-8〜1×10-2torr.で良
い。好ましくは5×10-5〜5×10-4torr.である。
プラズマ放電処理に用いるガスは空気で良い。しか
し、他のガスを用いることもできる。例えば、窒素、酸
素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、あるい
はその混合ガスである。特に窒素:二酸化炭素が体積比
で98:2〜70:30の混合ガスが好ましい。
かかるガスは放電エネルギーにより励起され、プラズ
マ状態になる。エネルギーは例えば電極間の高周波放電
により付与される。基体シート(1)の両側に電極を設
け、連続的にガスを導入しながら、電極間で放電すれば
良い。エネルギーは20W/m2・min以上であれば良い。な
お、この処理は後述するように蒸着機内部で、蒸着の直
前に行なうことが望ましい。プラズマ処理により基材シ
ート(1)が活性化し、この活性化した状態で金属また
は金属化合物などの蒸着材料が付着するため、密着力に
優れた蒸着膜(2)が得られるからである。
また、エネルギーはマグネトロンで発生したマイクロ
波を導波管で誘導し、ガスに照射することによって、付
与することもできる。この処理も蒸着機内部で行なうこ
とができる。
なお、プラズマ放電処理は、基体シート(1)表面が
ポリエステル、ポリオレフィン、塩化ビニル系樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン、フッ素系樹脂の場合に好適である。
延伸または未延伸のプラスチックであって良い。
(c)イオンビーム照射処理。
イオンビーム照射処理は、基体シート(1)表面を活
性化して、蒸着膜(2)の密着力を向上するものであ
る。イオンは酸素、窒素、アルゴン、キセノン、空気、
あるいはこれらの混合物で良い。
イオンビームは、真空系内に、イオンビーム源と基体
シート(1)を対向させて照射できる。真空系は10-3
10-8torr.で良い。なお、イオンビーム照射は蒸着機内
部で蒸着の直前に行なうことができる。
イオンビーム源としては、フィラメントを用いる熱陰
極タイプ(Kautman型)、あるいはホローカソードタイ
プ、またはフィラメントを用いない冷陰極タイプが使用
できる。
(d)オゾン処理。
オゾン処理はオゾンを含むガスを基体シート(1)表
面に吹きつけて酸化する処理である。基体シート(1)
表面がポリオレフィンから成る場合に好ましい。ガスは
オゾン濃度1g/m3のものを使用すれば良い。好ましくは
5〜100g/m3である。
酸化を効率良く行なうため、ガスは、加熱軟化したプ
ラスチック表面に吹きつける。予めシート状に形成され
たプラスチックを加熱して軟化させても良いし、プラス
チックを溶融押出成膜しながら、吹きつけても良い。プ
ラスチックの温度は150〜300℃程度である。
III.蒸着膜(2)。
蒸着膜(2)は種種の目的で形成される。一般には酸
素ガスの遮断のためである。この外、金属光沢、透明
性、炭酸ガスや水分の吸収、反射形ホログラム、カラー
フィルターのために設けられることもある。
蒸着膜(2)は通常金属または金属化合物から成る。
一般に金属または金属化合物の蒸着膜(2)は酸素遮断
性が優れているからである。
また、ナフタロシアニンなどの有機物から成っていて
も良い。
(a)金属。
金属としては、アルミニウム、鉄、銀、イオウ、セレ
ン、タングステン、ポタジウム、テルル、タンタル、ビ
スマス、スズ、マグネシウム、チタン、ケイ素、亜鉛、
銅、インジウム、ニッケル、ヒ素などが使用できる。
また、合金であっても良い。ステンレス、Zn−Ni合
金、Zn−Al合金、Zn−Fe合金、Fe−Al合金、Ti−Ni合
金、Cu−Zn−Al合金などである。金属の蒸着膜(2)
は、酸素遮断性を有すると共に、通常不透明であり、金
属光沢を有する。このため、装飾のため用いることがで
きる。また、Cu−Zn−Al合金の場合は形状記憶性の蒸着
シートを得ることができる。
また、基体シート(1)表面に回折格子などがエンボ
スされている場合は反射型位相ホログラムを形成するこ
とができる。
(b)金属の酸化物。
金属の酸化物としては、SiOx,AlOx、SnOx、CuOx、FeO
x、InOx、MgOx、PbOx、ZrOx、TaOx、TiOx、CaOx,あるい
はITOなどである。
なお、上記化学式において、xは通常0から2である
が、0の場合には金属であり、0と2の間の場合には一
般に金属と金属酸化物及び低級酸化物の混合物、2の場
合には金属酸化物である。また、蒸着膜(2)の厚さ方
向または表面に沿って組成が変化しても良い。厚さ方向
にSi含有率等の組成が変化するSiOxの蒸着膜は紫外線吸
収率が極めて優れている。
金属酸化物は一般に酸素遮断性に優れると共に透明で
ある。このため、内容物を透視することができて、しか
も内容物の保存性に優れた包装材料を得ることができ
る。また、金属酸化物は炭酸ガスや水分と化学結合し易
く、このため、包装体内部の炭酸ガスや水分を吸収し
て、保存性を向上することができる。
また、金属酸化物の屈折率は空気やプラスチックより
大きく、このため、回折格子をエンボスした基体シート
を使用した時には透明な反射型位相ホログラムを得るこ
とができる。
(c)その他の金属化合物。
上記金属の水酸化物、硫化物、炭化物、窒化物、フッ
化物などが使用できる。その種類に応じ、レインボー調
のシート、酸素遮断性に優れたシートなどを得ることが
できる。
(d)多層蒸着膜。
蒸着膜は単層である必要はない。例えば、AlOxの蒸着
膜の上にMgOxの蒸着膜を形成することにより、あるいは
MgOxの上にAlOxの蒸着膜を形成することにより、MgOxの
吸収能力もしくは吸水速度をコントロールすることがで
きる。
また、屈折率の異なる透明な蒸着膜を繰り返して形成
することにより、その厚さに応じて特定の波長の光を透
過し、他の波長の光を遮断することができる。ダイクロ
ミックタイプの干渉フィルターである。
(e)厚さ。
蒸着膜(2)の厚さは任意であるが、酸素遮断性を得
るためには1000オングストロームの厚さが必要である。
また、厚さが大きくなると、クラックが生じることがあ
るから、通常5000オングストローム以下である。
(f)蒸着方法。
蒸着は公知の物理的蒸着方法によって可能である。例
えば、抵抗加熱法、高周波加熱法、電子線加熱法、電子
衝撃加熱法、輻射加熱法、フラッシュ蒸着法、シーザー
蒸着法などである。また、イオンビームスパッタ、マグ
ネトロンスパッタ等のスパッタ蒸着法によっても良い。
あるいはプラズマCVD法などのCVD法によっても良い。
(i)ECR(Electron Cyclic Resonance)プラズマCVD
法。
第2図はECRプラズマCVD法に使用する装置の説明図で
ある。かかる蒸着法により、例えば、膜厚方向に連続的
に金属元素含有率が変化するSiOxの蒸着膜(2)を形成
することができる。たとえば、基体シート(1)に接す
る表面で金属珪素(Si)含有率が約20atom%、反対表面
で約40%のSiOx蒸着膜(2)である。
第2図において、(1)は基体シートであり、巻出し
ロール(18)に巻き取られている。基体シート(1)は
テンションコントロールのためのダンサーロール(11)
を経て、冷却ロール(13)を通り、巻取りロール(19)
に巻き取られる。なお、冷却ロール(13)表面に基体シ
ート(1)を密着するため、その前後にエキスパンダー
ロール(12)が設けられている。
装置全体は排気装置(10)により、例えば0.1torr.の
真空状態に維持されている。蒸着膜(2)の原料となる
ガスはガス導入口(15)から装置内に導入される。原料
ガスは例えばSiH等のシランガスとN2O等の酸化性のガス
である。蒸着膜(2)形成に関与しなかった残余のガス
は排気装置(10)から排気される。マイクロ波は導波管
(14)を通って、ガス導入口(15)に直接照射される。
(17)はマグネトロンである。マイクロ波の照射によ
り、原料ガスは、Si、SiO、SiO2、Si2O3等のプラズマに
変化し、冷却ロール(13)上の冷却された基体シート
(1)に付着堆積する。(16)はプラズマの誘導用マグ
ネットである。
蒸着膜(2)中の金属珪素含有率はこのマイクロ波の
エネルギー密度や原料ガスの組成を変えることによりコ
ントロールすることができる。
(ii)酸素アシスト蒸着。
第3図A及びBは酸素アシスト蒸着に用いる装置の説
明図である。かかる蒸着法は金属酸化物の蒸着膜(2)
形成に用いるもので、酸素原子により金属原子が三次元
的に結合し、強固で密度の高い蒸着膜(2)を形成でき
る。この結果、蒸着膜(2)の酸素等のガス遮断性が向
上する。金属酸化物としてはSnOx,AlOxなどである。
第2図Aにおいて、基体シート(1)を巻出しロール
(27)から連続的に一定速度で送り出し、その基材シー
ト(1)がダンサーロール(24)、エキスパンダーロー
ル(22)を経て、冷却ロールの位置で、冷却されなが
ら、蒸着材料(500)から蒸着した金属酸化物分子(20
0)を、第3図Bに示した高純度酸素ガスをマイクロコ
ントローラー(600)により、一定量真空槽内に供給す
ると共に13.56MHzの高周波電源(400)、マッチングボ
ックス(300)、高周波コイル(201)を設け、酸素プラ
ズマを基体シート(1)に接触させる。この結果、基体
シート(1)には金属原子と酸素原子が三次元的に結合
した蒸着膜(2)が形成される。
13.56MHzの高周波電源(400)の代わりに2450MHzのマ
イクロ波を用いても良い。
(iii)イオンビーム照射と蒸着。
第4図はイオンビーム照射と蒸着を同じ真空蒸着機内
で行なう方法に使用する装置の説明図である。
イオンビーム照射は、蒸着の前に行なっても良い。か
かる場合には基体シート(1)表面を活性化して、蒸着
膜(2)の密着力を向上することができる。なお、第4
図に示す装置によれば、イオンビーム照射と蒸着は連続
的に行なうことができる。
また、イオンビーム照射は蒸着と同時に行なうことが
できる。この場合には基体シート(1)表面の活性化と
蒸着膜(2)の形成が同時に行なわれる。また、蒸着す
る金属または金属化合物の粒子に運動エネルギーを与
え、粒子が基体シート(1)に衝突する際の衝撃エネル
ギーを大きくすることができる。このため、基体シート
(1)と蒸着膜(2)の密着性が向上する。また、衝撃
エネルギーの増大に加え、蒸着した粒子と粒子の間をイ
オンの原子が繋いで三次元構造を形成することから、密
度が大きくなり、酸素等のガス遮断性が向上する。
第4図において、基体シート(1)を巻出しロール
(38)から一定速度で送り出し、ダンサーロール(3
1)、エキスパンダーロール(32)を経て、冷却ロール
(33)に接触させる。
冷却ロール(33)により、基体シート(1)を裏面か
ら冷却しながら、イオンビーム照射と蒸着を行なう。イ
オンビーム源(34)は三ケ所に設けられており、それぞ
れのイオンビーム源(34)は隔壁で隔てられている。最
初のイオンビーム源(34)は蒸着前にイオンビーム照射
を行なって、基体シート(1)の前処理を行なうもので
ある。中央のイオンビーム源(34)は蒸着と同時にイオ
ンビーム照射を行なって、衝突エネルギーの増大と三次
元構造形成を図るものである。最後のイオンビーム源
(34)は蒸着後に照射するものである。それぞれのイオ
ンビーム源(34)は独立にイオンビーム照射できる。図
中(35)はイオンビームの照射部を示す。また、(36)
は蒸着部である。
イオンビーム源としては、フィラメントを用いる熱陰
極タイプ(Kautman型)、あるいはホローカソードタイ
プ、またはフィラメントを用いない冷陰極タイプが使用
できる。
第4図はホローカソードタイプのイオンビーム源を用
いたもので高純度ガスはマスフロコントローラーにより
調整し、導入している。高純度ガスは、酸素、窒素、ア
ルゴン、キセノン、空気、あるいはこれらの混合物で良
い。
(iv)プラズマ処理と蒸着。
第5図A及びBは蒸着機内部でプラズマ処理(前処
理)を行い、連続的に蒸着する方法に使用する装置の説
明図である。
第5図Aにおいて、基体シート(1)は、ダンサーロ
ール(41)を通って、プラズマ処理装置(44)を通過
し、エキスパンダーロール(42)を介して冷却ロール
(43)に接触させる。
プラズマ処理装置(44)は第5図Bに示されている。
すなわち、第5図Bにおいて、プラズマ処理装置(44)
は全体を壁体で囲まれており、基体シート(45)は壁体
に設けられたスリットから導出入する。内部には電極
(46)(46)が設けられており、基体シート(1)は電
極(46)(46)の間を通過する。ガスはガス導入口(4
7)から連続的に導入され、電極(46)(46)間の放電
によりプラズマ状態に変わる。
プラズマ処理の後、冷却ロール(43)上で蒸着し、巻
取りロール(49)に巻き取られる。
なお、ガスの種類、放電方法等は前述の通りである。
IV.プラスチック層。
本発明にかかるプラスチック層は、蒸着膜(2)にク
ラックを生じることなく、熱接着を可能とするものであ
る。
かかるプラスチック層は三層から成る。すなわち、蒸
着膜(2)側に設けられる第1のプラスチック層
(3),第1のプラスチック層(3)と第3のプラスチ
ック層(5)の間に設けられる第2のプラスチック層
(4)、蒸着シートの表面を構成する第3のプラスチッ
ク層(5)である。
(a)第1のプラスチック層(3)。
第1のプラスチック層(3)は蒸着膜(2)の上に設
けられるもので、熱接着時に蒸着膜(2)を固定してク
ラックの発生を防ぐものである。かかる理由から第2の
プラスチック層(4)の融点より大きいものを用いる必
要がある。第2のプラスチック層(4)より融点の低い
プラスチックでは熱接着時の熱と圧力により蒸着膜
(2)に限界以上の応力がかかり、クラックが生じるか
らである。好ましくは融点140から200℃のプラスチック
である。
かかるプラスチックとしては延伸又は未延伸のプラス
チックがある。例えばホモタイプの未延伸ポリプロピレ
ンである。この外、ポリブテン、ポリペンテン、エチレ
ンと炭素数3〜20のオレフィンとの共重合体、プロピレ
ンと炭素数4〜20のオレフィンとの共重合体等のポリオ
レフィン;ポリスチレン;硬質ポリ塩化ビニル;ポリ塩
化ビニリデン;ポリエチレンテレフタレートなどのポリ
エステル;6ナイロン、66ナイロン、11ナイロン、12ナイ
ロンなどのポリアミド;ポリカーボネート;ポリアクリ
ロニトリル;ポリアクリル酸またはポリアクリル酸エス
テル、ポリアクリル酸エーテルなどのアクリル酸系重合
体;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、4フッ
化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、ポリフロロ
アルコキシ樹脂などのフッ素系樹脂;ポリウレタンなど
が使用できる。
第1のプラスチック層(3)は例えば0.1〜20μmの
厚さに設ければ良い。好ましくは10μm以下である。厚
くなるにしたがつて熱伝導性が低下し、基体シート
(1)面から熱板または熱ロールを押し当ててヒートシ
ールする際に高温または長時間を必要とすることになる
からである。
(b)第2のプラスチック層(4)。
第2のプラスチック層(4)は、熱接着時に十分に軟
化し、その圧力を吸収して、第1のプラスチック層
(3)にかかる応力を緩和し、蒸着膜(2)にかかる応
力をその限界以下に抑えるものである。かかる理由から
第1のプラスチック層(3)と第3のプラスチック層
(5)の間に設けられる。同じ理由から第1のプラスチ
ック(3)の融点より低く、また第3のプラスチック
(5)の融点より低い融点のプラスチックを使用する必
要がある。第1のプラスチックより融点が高いと、熱接
着時に第1のプラスチックが融着流動化し、蒸着膜
(2)に応力がかかってクラックを生じ易くなり、第3
のプラスチックより融点が高いと熱接着時の熱により、
十分に軟化せず、圧力を十分に吸収することができない
ため、やはり蒸着膜(2)にクラックを生じ易くなるか
らである。好ましくは融点110から140℃のプラスチック
である。
かかるプラスチックは非結晶性または低結晶性のもの
が好ましい。例えば未延伸のプラスチックである。延伸
によりプラスチックは結晶化し、融点が高くなるからで
ある。
例えば、エチレンとプロピレンのブロック共重合体が
使用できる。この外、アイオノマー、ポリ酢酸ビニル、
ポリオレフィンの不飽和カルボン酸またはその誘導体に
よる変性物などが使用できる。
第2のプラスチック層(4)は、熱接着時の圧力を吸
収するため、20μm以上の厚さに設けることが望まし
い。例えば20〜100μmの厚さである。
(c)第3のプラスチック層(5)。
第3のプラスチック層(5)は他の物質に熱接着する
ためのもので、このため、本発明の蒸着シートの表面を
構成する。他の物質とは、例えば、プラスチック物質、
紙、金属、ガラスなどである。本発明にかかる蒸着シー
トの第3のプラスチック層(5)面同志を重ねて熱接着
することもできる。
他の物質に熱接着するため、この第3のプラスチック
層(5)は融点200℃以下であることが好ましい。熱接
着時に十分に軟化して接着力を発揮させるためである。
もっとも、熱接着時に、第2のプラスチック層(4)は
この第3のプラスチック層(5)より一層軟化した状態
になければならない。このため、第3のプラスチック層
(5)は第2のプラスチック(4)より融点の高いもの
でなければならない。例えば融点140から200℃のもので
ある。
なお、第1のプラスチック(3)と第3のプラスチッ
ク(5)は同一融点又は同一樹脂であっても良いが、第
3のプラスチック(5)の融点は第1のプラスチックよ
り低いことが望ましい。熱接着時の第1の流動化を防い
で、蒸着膜(2)のクラック発生を防ぐためである。
かかるプラスチックは非結晶性または低結晶性のもの
が好ましい。例えば未延伸のプラスチックである。
かかるプラスチックとしては、第1のプラスチック層
(3)に使用できるプラスチックと同一のプラスチック
が使用できる。例えば未延伸のホモポリプロピレンであ
る。
第3のプラスチック層(5)の厚さは、熱伝導性を阻
害しない範囲で良い。例えば1〜20μmである。
(d)積層。
(i)積層の順序。
三層のプラスチックは任意の順序で積層することがで
きる。
例えば、基体シート(1)の蒸着膜(2)面に順次第
1〜第3のプラスチックを積層することができる。
また、第1〜第3のプラスチック層を積層した積層シ
ートを製造した後、この積層シートを基体シート(1)
の蒸着膜(2)面に積層しても良い。あるいは、任意の
二つのプラスチック層を積層した後、残る一つのプラス
チック層とこの積層材料を順次積層しても良い。
いずれの場合も、得られる蒸着シートは、第1図に示
すように、基体シート(1)、蒸着膜(2),第1のプ
ラスチック(3),第2のプラスチック(4)、第3の
プラスチック(5)の順序で積層されたものである。
(ii)積層方法。
基体シート(1)及び三層のプラスチック(3)
(4)(5)は任意の方法で積層できる。
例えば、三層のプラスチック(3)(4)(5)を順
次基体シート(1)上に積層する場合は、接着剤または
溶融押出コーティングにより積層することができる。溶
融押出コーティングは、基体シート(1)の蒸着膜
(2)面またはプラスチック層(3)あるいはプラスチ
ック層(4)の積層された基体シート(1)のこれらの
プラスチック層(3)または(4)面に、溶融した他の
プラスチックをダイから押し出して積層すれば良い また、プラスチックを溶剤に溶解または分散して塗布
することによって積層することもできる。溶剤としては
トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、メチルエチル
ケトンなどのケトン系溶剤、エーテル系溶剤などが使用
できる。
また、任意の二層または三層のプラスチック(3)
(4)(5)を予め積層した後、基体シート(1)の蒸
着膜(2)面に積層するする場合は、接着剤または溶融
押出コーティングによりこれらのプラスチックを積層し
た後、基体シート(1)の蒸着膜(2)面に積層でき
る。溶融押出コーティングは三層のプラスチックのう
ち、いずれか一つのプラスチックを成膜しておき、この
成膜したプラスチック上に溶融した他のプラスチックを
ダイから押し出して積層すれば良い。積層したプラスチ
ックと基体シート(1)の蒸着膜(2)面の積層は接着
剤により可能である。
また、三層のプラスチック(3)(4)(5)のうち
のいずれか二つまたは三層のプラスチック全部を共押出
成膜することによって積層することもできる。あるいは
いずれか一つのプラスチックを溶剤に溶解または分散し
て、予め成膜されたプラスチック上に塗布しても良い。
なお、蒸着膜(2)は熱によりクラックを生じること
があるから、積層にあたっては、この蒸着膜(2)面に
高温がかからない方法で積層することが望ましい。すな
わち、接着剤による積層である。
接着剤としてはウレタン系接着剤、エポキシ系接着
剤、アクリル系接着剤などが使用できる。また、紫外線
硬化型あるいは電子線硬化型などの放射線硬化型接着剤
も好適である。接着時に高温を必要としないからであ
る。
例えば、三層のプラスチック(3)(4)(5)を共
押出成膜した後、接着剤により、基体シート(1)の蒸
着膜(2)面に積層する方法である。また、三層のプラ
スチック(3)(4)(5)を順次基体シート(1)の
蒸着膜(2)面に接着剤を用いて積層しても良い。
V.熱接着。
本発明にかかる蒸着シートは任意のものに熱接着する
ことができる。例えば、プラスチック表面、金属表面、
紙表面、ガラス表面、セラミック表面などである。ま
た、蒸着シートの第3のプラスチック(5)表面同志を
熱接着することも可能である。
熱接着は、蒸着シートの第3のプラスチック面と他の
表面を加熱状態で重ね、押圧すれば良い。加熱は130〜3
50℃の範囲で良い。
例えば、蒸着シート裏面から加熱盤、加熱ロール、サ
ーマルヘッドなどで加熱しながら、押圧することによ
り、熱接着(ヒートシール)することができる。また、
第3のプラスチック(5)面を炎(フレーム)で加熱し
たり、加熱空気を吹きつけて加熱した後、軟化状態で他
の表面に重ね、押圧することにより、熱接着することが
できる。
また、蒸着シートを他の表面に重ね、押圧した状態
で、高周波電界、高周波磁界、マイクロ波などの電磁
波、超音波などの高周波エネルギーを付与することによ
り、蒸着シートのプラスチック層(3)(4)(5)や
蒸着膜(2)を発熱させて熱接着することもできる。
また、蒸着シートは溶融または軟化状態のプラスチッ
クに接触し、加圧することにより、このプラスチックに
熱接着することも可能である。
VI.用途。
(a)包装材料。
本発明にかかる蒸着シートは包装材料として使用でき
る。この蒸着シートにより密封された包装体は、外部の
酸素などの流入を遮断し、内容物の体は、外部の酸素な
どの流入を遮断し、内容物の長期保存を可能とする。ま
た、包装材料がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物、ポリ塩化ビニリデンなどの酸素遮断性を有するプラ
スチック層を含む場合は、水蒸気を遮断して、水分によ
るこれらのプラスチック層の酸素遮断性の劣化を防止す
ることができる。例えば、基体シート(1)がこれらの
酸素遮断性プラスチックから成る場合、あるいはこれら
の酸素遮断性プラスチックを含む積層材料から成る場合
である。
例えば、第6図Aに示すものは、二枚の蒸着シートの
第3のプラスチック層(5)面同志を重ね、周辺の三辺
を互いに熱接着した袋である。また、第6図Bは蒸着シ
ートを二つ折りに折り曲げて第3のプラスチック層同志
を重ね合わせ、周辺の二辺で熱接着した袋である。
また、蒸着シートを筒状に丸め、側片同志を熱接着し
た上、一方の開口端部に所定の排出部材を取り付ければ
いわゆるチューブ容器が得られる。排出部材及びその取
付け方法は公知である。この際、蒸着シートの端面がチ
ューブ容器の内面または外面に露出することを防ぐた
め、その内面または外面に筒状のプラスチックを溶融押
出コーティングすることができる。いずれにしても最内
面は、その衛生性を保つため、ポリオレフィンまたはポ
リエステルから成ることが望ましい。例えば、ポリオレ
フィン/接着性樹脂、またはポリオレフィン/接着性樹
脂/ポリオレフィンの層構成のプラスチックを内面に共
押出コーティングする方法である。接着性樹脂には上述
の変性ポリオレフィンが使用できる。
また、第7図A及びBは基体シート(1)が紙を含む
場合の包装体を示している。かかる形状の包装体とその
製造方法は公知であり、酒、ジュース、ミルク、コーヒ
ーなどの液体飲料の容器として使用できる。
また、本発明の蒸着シートを板紙などの紙に熱接着し
て包装材料とすることもできる。熱接着は上記三層のプ
ラスチック面を紙に重ね、熱接着することにより、可能
である。かかる包装材料は菓子などを包装する包装箱の
包装材料として使用することができ、酸素や水分から内
容物を保護することができる。
また、蒸着シートは、プラスチック製のカップやトレ
ー、あるいはガラス製の容器の蓋として用いることもで
きる。
本発明に係る蒸着シートを用いた包装体には、任意の
内容物を収容できる。包装体の形状に応じ、固体、液
体、ペースト状のいずれの内容物でも良い。蒸着シート
が酸素遮断性に優れることから、食品類が好適である。
また、酸素遮断性とともに、水蒸気遮断性にも優れるこ
とから、水分を嫌う食品類に適している。例えば、鰹
節、削り節等である。また、練歯磨きや化粧クリーム等
の水分保存性を要する内容物にも適している。酸素を嫌
う薬品類であっても良い。また、香料を透過しないこと
から、香料成分を含む内容物にも好適である。
本発明にかかる蒸着シートを使用した包装体はレトル
ト殺菌処理することができる。レトルト殺菌処理は常圧
以上の圧力下で130〜170℃程度の水蒸気で加熱殺菌する
方法である。かかる温度で蒸着膜(2)にクラックは発
生せず、酸素等の遮断性は劣化しない。このため、一層
保存性を向上することができる。また、常圧下で沸騰水
によるボイル殺菌も可能である。
蒸着膜(2)が金属化合物からなる場合は、包装体に
マイクロ波などの電磁波を照射して殺菌することもでき
る。マイクロ波の照射により内容物が発熱し、この熱に
より殺菌される。100℃以上の高温で殺菌するため、包
装体は耐熱性の強固な保持体で固定した状態で殺菌する
ことが望ましい。保持体としてはガラス繊維を混合した
エポキシ樹脂の成形品、不飽和ポリエステルとガラスフ
ィラーから成るシートモールドコンパウンドの成形品、
あるいは不飽和ポリエステルとガラスフィラーの圧縮成
形品が使用できる。
また、かかる包装体は1000気圧以上の流体圧で加圧処
理することもできる。流体としては水が好適に用いられ
る。圧力と時間に応じ、殺菌または内容物の蛋白質のゲ
ル化等の現象が生じる。圧力は1000〜10000気圧で良
く、温度は0〜100℃で良い。
(b)炭酸ガス吸収シート。
蒸着膜(2)が金属酸化物から成る場合は炭酸ガス吸
収シートとして使用できる。金属酸化物は炭酸ガスと化
学反応し易いからである。炭酸ガス吸収能力の点で、酸
化マグネシウムが好ましい。
炭酸ガス吸収シートとして使用する場合は雰囲気中の
炭酸ガスと蒸着膜が接触すれば良いから、三層のプラス
チック層(3)(4)(5)は不要であり、基体シート
(1)/蒸着膜(2)の二層のシートでも可能である。
しかし、プラスチック層(3)(4)(5)の存在によ
り炭酸ガス透過速度すなわち、吸収速度をコントロール
でき、葉菜類、きのこ類、畜肉や魚肉などの肉類を内容
物とする包装体内部の炭酸ガス濃度を一定(適度な濃
度)に保つことが可能である。
炭酸ガス吸収シートとして使用する場合は熱接着は不
要である。例えばプラスチック製カップ、トレー、ある
いはプラスチックを内貼りしたダンボール箱の内部に載
置すれば良い。あるいは蒸着シートで包んだ後、容器に
収容しても良い。しかし、炭酸ガス吸着シートとして使
用する場合も、このシートが包装体内部で揺動すること
を防ぐため、シートの少なくとも一部(例えば端部)を
容器に熱接着することが望ましい。
(c)ラベル。
本発明に係る蒸着シートは、ガラス製の容器やプラス
チック製の容器のラベルとして用いることができる。蒸
着膜(2)が金属から成る場合は金属光沢を付与して意
匠性を向上する。また、蒸着膜(2)がホログラムを構
成する場合は、意匠性の向上と共に、偽造を防止でき
る。
蒸着シートをプラスチックボトルのラベルとして用い
る時には、ブロー成形金型の内面に設けられた真空吸引
孔にラベルを吸着しておき、この金型内でブロー成形す
ることにより、成形と同時にラベルの熱接着が可能であ
る。かかる方法においては、熱接着に必要な熱はプラス
チックボトルを形成するプラスチックのパリソンまたは
プリフォームの熱、また圧力はブロー成形のための空気
圧が利用できる。かかる方法で得られるラベル付き容器
は、表面にラベルの厚さに起因する凹凸が生じることな
く、外観上美麗であるばかりでなく、ラベルが剥離し難
いという特徴を有している。なお、かかる方法は、特願
昭62−136017号、特願昭63−328569号、特願平1−3711
0号の明細書及び図面に記載されている。
(d)その他の用途。
(i)蒸着膜(2)が導電性の物質から成る場合は、蒸
着シートを電磁波遮断用シートとして使用できる。例え
ば、コンピューター等の半導体回路を内蔵する機器、も
しくは信号線などを被覆することにより、外部電磁波を
反射して、その侵入を防止することができる。
また、第8図に示すように、導電性の蒸着膜(2)を
有する蒸着シートを三角錐などの錐形成形物の側面に熱
接着すれば電磁波吸収体が得られる。第8図において、
Sは電磁波エネルギーの進入方向を示し、この方向に沿
って次第に見かけの導電率が増加する結果、特性インピ
ーダンスもほぼこの見かけの導電率に比例して増加し、
電磁波エネルギーを吸収して、熱エネルギーに変換す
る。見かけの導電率は電磁波エネルギーの進行方向に沿
って、指数関数的に連続的に増加していることが望まし
い。電磁波反射率は、特性インピーダンスΓの微小量d
ΓをΓで割った数dΓ/Γに比例し、このdΓ/Γが一
定値となるため、反射を最小限に抑えることができるか
らである。
なお、第8図において、(70)は電波暗室の壁を示し
ており、外部電磁波を反射してその侵入を防ぐため、金
属板が貼られている。このため、かかる壁で密閉された
電波暗室内部では、外部電磁波の侵入と内部の電磁波の
反射がなく、正確な電磁波の測定が可能となる。
(ii)蒸着膜(2)が透明な金属酸化物の多層膜から成
る場合は、その屈折率と膜厚に応じ、干渉フィルターと
して使用できる。すなわち、入射光のうち、特定の波長
の光のみを透過し、他の波長の光を反射する。あるいは
特定の波長の光を反射し、他の波長の光を透過する。こ
の場合には蒸着膜として酸化珪素と酸化チタンを交互に
多層に積層したものが好適である。
(iii)蒸着膜(2)が紫外線遮断性に優れた材質(例
えば膜厚方向に金属珪素含有率が変化するSiOx)からな
る場合は、紫外線遮断フィルムとして使用できる。例え
ば、窓ガラスに熱接着することにより、室内に入射する
紫外線量を削減できる。また、昇華性染料で染色された
プラスチック表面に熱接着することにより、紫外線に起
因する変褪色を防止できる。
(iv)基体シート(1)が所望の情報に応じた凹凸を有
している場合は、金属から成る蒸着膜(2)を光記録層
として利用できる。すなわち、蒸着膜(2)面にレーザ
ー光を照射して、凹部により反射光と凸部による反射光
の位相の相違により、記録された情報を読み取ることが
できる。
凹凸の深さは、読出に使用するレーザー光の波長をλ
とする時、(n+1/4)λの光学的距離(ただしnは0
または整数)を有することが望ましい。凹部の反射光と
凸部の反射光の位相が2分の1波長異なり、誤りなく読
み出すことができるからである。なお、光学的距離は、
蒸着膜の上に積層されるプラスチック等の屈折率を物理
的距離で積分したものである。
アルミニウム、銅などの反射性金属の外、カルコゲン
系の金属、あるいはナフタロシアニンの蒸着膜(2)な
ども使用できる。
(v)蒸着膜(2)がスズ等の低融点の金属から成る場
合は、強いレーザー光の照射またはサーマルヘッドなど
により、画像状に蒸着膜(2)を除去して、印字または
印画することができる。
また、同様の方法により、ドット状に蒸着膜(2)を
除去して、光記録層とすることもできる。
(vi)蒸着膜(2)が酸化チタン、酸化スズ、ITOなど
の化合物から成る場合は透明導電膜として利用できる。
ガラス板、プラスチック板等に熱接着して使用すれば良
い。
VII.特殊な蒸着シート。
(a)転写箔または転写シート。
基体シート(1)が分離容易な二つの層から成ってい
る場合は、本発明の蒸着シートは転写箔または転写シー
トとして利用できる。すなわち、他(被転写体)の表面
に熱接着した後、基体シート(1)のうち、一方の層を
剥離除去すれば良い。通常剥離除去される層は自己支持
性のあるシートであり、被転写体表面に残る層は自己支
持性に乏しい塗料の塗膜あるいは未延伸のプラスチック
等である。
自己支持性のあるシートとしては任意のシートが使用
できる。好ましくはポリエステルシート、ポリプロピレ
ンシート、ポリ塩化ビニルシート、塩素化したポリ塩化
ビニルシート、塩素化したポリプロピレンシートなどの
プラスチックシートである。
かかる自己支持性のシートから分離可能な層として
は、60〜120℃程度の熱により溶融するものが使用でき
る。例えば、ワックスである。ワックスとしてはパラフ
ィンワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、
高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、高
級脂肪酸アミドなどが使用できる。かかるワックスと融
点60〜150℃の低分子量エポキシ樹脂の混合物であって
も良い。
なお、熱接着時の熱によりワックスなどが溶融し、蒸
着膜(2)にクラックが生じるのを防ぐため、基体シー
ト(1)は、かかる分離可能な層と蒸着膜(2)のの形
成される表面の間に、ポリメチルメタアクリレートなど
のプラスチック層を有することが望ましい。
かかる転写箔または転写シートは、任意の物品に部分
的または全面を転写してその装飾に使用することができ
る。また、サーマルヘッドで印字または印画することも
可能である。蒸着膜(2)が形成される基体シート
(1)の表面が所定の凹凸を有していれば、ホログラム
の転写や光記録層の転写も可能となる。
(b)部分的な蒸着膜(2)を有する蒸着シート。
基体シート(1)上溶剤溶解性または溶剤膨潤性の層
を部分的に設け、蒸着膜(2)を形成した後、溶剤で溶
解または膨潤して、蒸着膜(2)と共にこの層を除去す
れば、部分的に蒸着膜(2)を有する蒸着シートが得ら
れる。プラスチック層(3)(4)(5)の積層は、除
去の前、除去の後のいずれでも良いが、溶解または膨潤
の効率、プラスチック層(3)(4)(5)を全面に形
成するため、除去の後に積層することが望ましい。
溶剤としては水が好適である。しかし、アルカリ水溶
液も使用できる。水溶解性の層としてはポリビニルアル
コール、デンプン、カルボキシメチルセルロースなどの
水溶解性セルロース樹脂が使用できる。アルカリ水溶液
に可溶性の層としてはニトロセルロースなどが例示でき
る。また、水に膨潤する樹脂としてはでんぷん−アクリ
ロニトリルグラフト共重合体、ポリビニルアルコールの
部分架橋物などが例示できる。
部分的にこの層を設けるには、グラビア印刷、スクリ
ーン印刷などの印刷方法で印刷すれば良い。また、水溶
解性の層を全面に、この層を水不溶性に変える化合物を
部分的に、任意の順序で形成した後、加熱してこれらを
反応硬化させることにより、部分的に水溶解性の層を設
けることもできる。水溶解性の層を不溶性に変える化合
物としては各種イソシアネート基、アルデヒド基、活性
ビニル基、エポキシ基を有する架橋剤;塩化アルミニウ
ム;アルキルチタン;ホウ酸等が使用できる。
また、光、紫外線、電子線などの放射線により硬化す
る樹脂を塗布した後、部分的に放射線を照射して硬化さ
せることによって得ることもできる。部分的に照射する
に当たっては、硬化させない(溶解性のまま維持する)
部分に放射線遮断性の層を設けて、全面に向けて照射す
ることによって、結果として部分的な照射が可能であ
る。
除去は、蒸着したのちのシートを溶剤に浸漬し、十分
に上記層が溶剤を吸収した後、軽く拭き取ることによっ
て可能である。
部分的に蒸着層を形成した蒸着シートは、主に装飾な
いし意匠性向上のために用いられる。例えば、転写シー
ト、ラベルなどである。
(c)カラーフィルター。
部分的に、かつ交互に、反射または透過する光の異な
る多層の蒸着膜(2)を形成したシートである。蒸着膜
(2)はいずれも透明な材料から構成され、好ましくは
酸化珪素と酸化チタンを交互に多層に蒸着した蒸着膜が
用いられる。溶剤溶解性の層を利用することにより、そ
れぞれの層を部分的に形成し、これを多数回繰り返すこ
とによって得ることができる。
もっとも、カラーフィルターを部分化する場合には、
それぞれの蒸着膜が極めて微小な部分に設けられ、しか
もその位置精度の要求が厳しいため、以下の如き方法を
用いることが望ましい。すなわち、酸化珪素と酸化チタ
ンの交互多層蒸着膜を形成し、次いでクロム等の金属を
蒸着した後、放射線硬化型樹脂を塗布、部分的に放射線
照射して硬化、現像し、、硝酸第二セリウムアンモニウ
ム−過塩素酸等のエング液で金属をエッチングし、さら
にCF2Cl2などのエッチングガスで上記多層膜をエッチン
グする。かかる工程を一工程として繰り返すことにより
カラーフィルターを得ることができる。多層膜のエッチ
ングは反応性イオンエッチングで行い、例えば、ガス流
量20〜50sccm、ガス圧力20mmTorr.、印加電力密度0.33W
/cm2で約30分間で行うことができる。
(実施例1) 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
にアクリルポリオール48重量%,トルエンジイソシアネ
ート40重量%、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体12
重量%から成る二液硬化型ポリウレタン接着剤を厚さ0.
4μmに塗布し、常温下で1日間放置して完全硬化した
後、酸化マグネシウム(MgO)を厚さ2000オングストロ
ームに蒸着した。
蒸着は、電子線加熱法による真空蒸着法で行い、その
蒸着条件は以下の通りである。
・蒸着条件。
初期真空度 2.0×10-5torr.以下。
成膜時真空度 1.5〜3.0×torr. 蒸発速度 25±1オングストローム/秒。
冷却ロール温度 −10℃。
次いで、この蒸着面に、同じウレタン系接着剤を塗布
量3g/m2塗布し、プラスチックフィルムを重ね、ニップ
圧4kg/cm2で接着した。
プラスチックフィルムは厚さ7μmの未延伸ホモポリ
プロピレン(融点165℃)、厚さ45μmの未延伸エチレ
ン−プロピレンブロツク共重合体(融点123℃)、厚さ
7μmの未延伸ホモポリプロピレン(融点157℃)をこ
の順に積層したもので、三層共押し出し製膜して製造し
たものである。プラスチックフィルムは、融点123℃の
未延伸ポリプロピレンが蒸着膜に対面するように接着し
た。
得られた蒸着シートのプラスチック面同士を重、蒸着
シート裏面から加熱したシールバーを押し当てて、シー
ルバー温度170から175℃、圧力2.0kg/cm2,時間2.0秒の
条件でヒートシールした。
かかるヒートシール部分にクラックの発生は認められ
ず、回折光も生じなかった。
なお、かかる蒸着シートを二枚重ね、周辺を同様の条
件でヒートシールすることにより、100×100cmの袋を作
って、塩化カルシウムを充填し、40℃、90%R.H.の条件
下に保存したところ、26日経過後もシール部分の剥離が
生じなかった。この結果から、かかる蒸着シートの水蒸
気遮断性が極めて優れたものであることが分かった。
(実施例2) 第2図に示す装置を用いて、厚さ12μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上にSiOx蒸着膜を厚さ850オ
ングストロームに形成した。圧力は0.1torr.,原料ガス
はSiH4とN2Oの混合ガス、マイクロ波のパワー密度は2
から4W/cm2、製膜速度は100オングストローム/秒であ
る。得られた蒸着膜は金属珪素含有率が膜厚方向に連続
的に変化しているもので、ポリエチレンテレフタレート
表面では金属珪素含有率約20原子%,低級酸化物(SiO,
Si2O、Si2O3)含有率45%であり、蒸着膜表面では金属
珪素含有率約40原子%,低級酸化物(SiO,Si2O、Si
2O3)含有率34%であった。
次いで実施例1と同様に三層のプラスチックフィルム
をドライラミネートした。
かかるフィルムのプラスチックフィルム面をポリ塩化
ビニル製カード面に重ね、加熱ロールによりヒートシー
ルした。
カードは予め画像状に昇華性染料で染色されたもの
で、ヒートシール条件はロール温度170℃である。
得られたカードは耐紫外線性に優れた画像を有するも
ので、画像面に回折光等は認められなかった。
(実施例3) 第3図に示す装置を用いて、厚さ12μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上に酸化アルミニウムを蒸着
した。蒸着条件は以下の通りである。
・蒸着条件。
真空度 3×10-4torr.となるように酸素ガスでコン
トロール。
高周波電力(13.56MHz)1kW。
蒸着速度 30オングストローム/秒。
得られたシートは透明性と酸素遮断性に優れたもので
あった。
次いで実施例1と同様に三層のプラスチックフィルム
をドライラミネートした。
得られた蒸着シートのプラスチック面同士を重、実施
例1と同様の条件でヒートシールした。
かかるヒートシール部分にクラックの発生は認められ
ず、回折光も生じなかった。
(実施例4) 第4図の装置を使用し、厚さ25μmの未延伸ポリプロ
ピレンフィルム上にアルミニウムを厚さ600オングスト
ロームに蒸着した。蒸着条件は以下の通りである。
・蒸着条件 イオンビーム照射 蒸着前(35)に照射。
ガス 高純度酸素ガス。
イオンビーム電流密度 5.76μA/cm2(ファラデーカ
ップ法により測定)。
蒸着速度 30オングストローム/秒。
得られた蒸着シートのプラスチック面同士を重、実施
例1と同様の条件でヒートシールした。
かかるヒートシール部分にクラックの発生は認められ
ず、回折光も生じなかった。
(実施例5) 蒸着前にイオンビーム照射することに変えて、イオン
ビーム照射を蒸着と同時に行った他は実施例4と同様に
実験を行った。
(実施例6) 厚さ0.5mmのパイレックスガラス上に抵抗加熱法によ
る真空蒸着法により、酸化チタン(TiO2)と酸化珪素
(SiO2)の交互多層蒸着膜(合計厚さ0.9μm)を形成
した。かかる蒸着膜はシアンの光を透過する。反射光は
その補色である。
次いで実施例1と同様に三層のプラスチックフィルム
をドライラミネートした。
得られた蒸着シートのプラスチック面に、ポリエチレ
ンテレフタレート/ポリプロピレンの積層シートのポリ
プロピレン面を重ね、加熱盤により、熱接着した。加熱
温度は165℃、時間は2.5秒である。
得られたシートにクラックの発生は認められず、回折
光もなく、所定のシアン光のみを透過する干渉フィルタ
ーであった。
(効果) 以上のように、本発明によれば、蒸着膜にクラックを
生じることなく、熱接着可能な蒸着シートが得られる。
このため、包装材料として使用する際に酸素や水蒸気
等のガス遮断性の劣化がなく、内容物の長期保存が可能
となる。
また、クラックが発生しないことから、回折光が生じ
ることもなく、蒸着膜本来の金属光沢、透過光または反
射光選択性、記録された信号、ホログラム画像などを維
持できる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図は蒸着シートの断
面図、第2図、第3図A及びB、第4図、第5図A及び
Bは蒸着装置の説明図、第6図A及びBは袋の平面図、
第7図A及びBは包装体の斜視図、第8図は電磁波吸収
壁の説明図である。 (1)……基体シート、(2)……蒸着膜 (3)……第1のプラスチック層 (4)……第2のプラスチック層 (5)……第3のプラスチック層 (11)……ダンサーロール (12)……エキスパンダーロール (13)……冷却ロール (14)……導波管、(15)……ガス導入口 (16)……プラズマ誘導用マグネット (17)……マグネトロン (18)……巻出しロール (19)……巻取りロール (21)……制御ロール (22)……エキスパンダーロール (23)……冷却ロール (24)……ダンサーロール (25)……蒸着源 (26)……蒸着パワー (27)……巻出しロール (28)……巻取りロール (31)……巻出しロール (32)……エキスパンダーロール (33)……冷却ロール (34)……イオンビーム源 (35)……イオンビーム照射部 (36)……蒸着部、(39)……巻取りロール (41)……ダンサーロール (42)……エキスパンダーロール (43)……冷却ロール (44)……プラズマ処理装置 (45)……電極 (46)……蒸着源、(47)……ガス導入口 (48)……巻出しロール (49)……巻取りロール (70)……電波暗室の壁 (200)……金属酸化物分子 (201)……高周波コイル (300)……マッチングボックス (400)……高周波電源 (500)……蒸着材料 (600)……マスフロコントローラー (700)……酸素ガス (800)……ガス流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 15/08 B32B 9/00 B32B 7/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸着膜を設けた基体シートの蒸着膜面に三
    層のプラスチック層を積層して成り、かかる三層のプラ
    スチックの中間層の融点が両側のプラスチック層の融点
    より低いことを特徴とする熱接着性蒸着シート。
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