JP4989961B2 - 金属蒸着加工物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
この加工品(以下、金属蒸着加工物という)は、軽量かつ金属特有の重厚な質感を併せ持っているので、特に車両や船舶のエンブレム等の屋外に設置され高級感を要求される装飾品として使用されることが多い。
この金属蒸着加工物を製造する際には、まず、プラスチック成形品等の基材上に金属が蒸着しやすくなるように塗料を塗布してアンダーコート層を形成してから、このアンダーコート層上にアルミニウムや錫の真空蒸着を行って金属蒸着膜を形成する。
この化粧シートは、前述の金属蒸着加工物の一方の面に接着剤層を設けて、シート状に形成したものであり、建材として用いる外装、内装の合板、鋼板及び家具、弱電製品等の各種基材の表面化粧材として貼着することができる。
また、この化粧シートは、基材であるポリエステル等のフィルム素材と、金属蒸着膜との間に、ポリエステル系等の接着剤を塗布してアンダーコート層を形成することにより、金属蒸着膜の剥離を防止することが可能となっている。
図1は、本発明の実施の形態における金属蒸着加工物の構成を示す図である。以下、図を用いて、金属蒸着加工物の構成について説明を進める。
この本実施形態における金属蒸着加工物は、アクリル等の透明又は半透明のプラスチック材で構成される基材1と、この基材1上にホットスタンプ加工等で模様等を描画して形成される描画層2と、その基材1上に金属を蒸着することにより形成される金属蒸着膜3と、その金属蒸着膜3の保護のためにこの金属蒸着膜3上に形成される内側保護膜4と、金属蒸着加工物全体を外気や水等から保護するためにその内側保護膜4上に形成される外側保護膜5とを有して構成される。
基材1は、プラスチックを原料とする透明又は半透明の成形品である。この基材1に使用されるプラスチック原料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリルスチレン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリアミド、ポリカーボネート、アセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等である。
基材1は、例えば、自動車や船舶のエンブレムといった装飾品といった各目的に応じて、板状、半球状又は所定のモチーフを凹凸により表現したもの等の様々な形状に成形される。
この内側保護膜4は、例えばアクリル樹脂系塗料(いわゆる1液)を、金属蒸着及び絵柄等の描画が施された基材1上に塗布し、硬化させることにより形成される。
この外側保護膜5は、例えばウレタン樹脂系塗料(いわゆる2液)を、前述の内側保護膜4上に塗布し、硬化させることにより形成される。
なお、この外側保護膜5を成膜するために塗布される塗料の種類は、その金属蒸着加工物の用途や使用条件により適宜変更されることは言うまでもない。例えば、使用条件下の気温(高温・低温)や湿度に最適な塗料が適宜選択されて使用される。
以下、金属蒸着加工物の製造方法について説明する。
まず、各プラスチックの種類に応じた最適な成形方法により基材1を用途に応じた形状にプラスチック成形する。
この基材1の成形方法としては、例えば、射出、押出し、中空、圧縮、インフレーション、カレンダー等がある。
成形後、その基材1を加温してアニーリングし、樹脂の収縮によるたわみ等を除去する。
本実施形態では、スパッタリング法を用いて、錫及びタングステンの蒸着を同時に行う。
図2は、本実施形態の金属蒸着加工物の製造方法における金属蒸着工程の一例を示す図である。
図に示すように、金属蒸着を行うときには、描画層2が内向きとなるように、描画層2が形成された基材1を治具20に固定して、錫及びタングステンの金属片30に対向させて真空容器10内に設置する。
また、同様に、この金属片30も治具40に固定される。
そして、電極の一方(負極51)を治具40に接続し、他方(正極52)を真空容器10又は治具20に接続する。
そして、真空容器10内の不活性ガス濃度が一定の値に達した後、前述の両電極間に所定の電圧を印加する。
すると、放電が発生し、不活性ガス粒子が正に帯電し、負極51に接続された金属片30側へ衝突を繰り返す。この衝突により、その金属片30から錫やタングステン等の金属原子が放出され、対面の基材1の描画層2側に蒸着して金属蒸着膜3を成膜する。
なお、この金属蒸着加工物を室内で使用し、外気や水分による侵食の影響がほとんどない場合には、外側保護膜5の形成工程、あるいは内側保護膜4及び外側保護膜5両方の形成工程を省略することもできる。
従って、この金属の質感を表したい箇所には、描画層2を形成しないようにするとよい。
このとき、治具20と治具40(金属片30)との各対向面が互いに略平行となるように設置し、治具20の略中央の1点から治具40の対向面に下ろした垂線を前述の治具10の回転軸とする。
なお、この水溶性樹脂層は、例えば、酸化ケイ素を添加したポリビニルアルコール樹脂を用いて形成するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、加工条件によりアンダーコート層を形成することなく基材1又は描画層2に直接金属を蒸着するので、アンダーコート層の形成工程を省くことができ、この結果、金属蒸着加工物の製造の途中でゴミや異物が付着する機会を減少させ、優れた美観の装飾物を提供することが可能となる。
また、このようにアンダーコート層の形成工程を省くことにより、製造がより簡易になり、製造コストの削減も可能となる。
また、透明又は半透明の基材1と、描画層2又は金属蒸着膜3との間にアンダーコート層が形成されていないため、描画層2の模様の輪郭・角部分や金属蒸着膜3の金属の質感が、より直接的かつ明瞭に基材1側から視認できるようになり、優れた外観を実現することができる。
このため、自動車や船舶など、外気や水により劣化しやすい条件下で、本実施形態における金属蒸着加工物を装飾物として利用したとしても、描画層2及び金属蒸着膜3により表現される模様、絵柄又は文字等を明瞭かつ美麗な状態のまま保持することが可能となる。
また、この金属蒸着方法は、スパッタリング法に限定されず、真空蒸着法、イオンプレーティング法等その他の金属蒸着方法を用いてもよい。
本実施例では、スパッタリング法により金属蒸着を行う。
本実施例における金属蒸着の条件は、以下のようになる。
(1)不活性ガスイオンの設定条件(基材1又は描画層2と金属蒸着膜3との密着を高めるため)
入射波:700W
反射波:0〜80W
アルゴン(Ar)ガスの注入時間:15分
(2)真空の条件
真空時間:40分
アルゴンガス注入前の真空度:0.4×10−2Pa
アルゴンガス注入時の真空度:3.0×10−2Pa
(3)蒸着スライダックの設定値(両電極51,52間の電圧・電流)
電圧:4.0〜6.0V
電流:1400A
(4)金属蒸着膜3の条件
厚さ:100〜1000Å(オングストローム)(好ましくは400Å(オングストローム))
(5)蒸着に使用する金属の体積比
錫:タングステン=3:1
(6)基材1のアニーリング条件
40℃、30分で、基材1を加温させた後、徐々に冷却する。
2 描画層
3 金属蒸着膜
4 内側保護膜
5 外側保護膜
10 真空容器
20,40 治具
30 金属片
51 負極
52 正極
60 不活性ガス導入バルブ
Claims (3)
- 透明又は半透明の基材と、
前記基材の上層にアンダーコート層を形成することなく直接金属が蒸着されて形成される金属蒸着膜と、
前記基材と前記金属蒸着膜との層間の全面又は一部に、ホットスタンプ、転写又は印刷の各加工処理により形成される描画層と、
前記金属蒸着膜の上層に、金属蒸着加工物を保護するための保護膜と、を有して構成され、
前記保護膜は、内側保護膜と外側保護膜との二層構造を構成しており、
前記内側保護膜は、前記金属蒸着膜の上層にアクリル樹脂系塗料が塗布されることにより形成され、前記外側保護膜は、前記内側保護膜の上層にウレタン樹脂系塗料が塗布されることにより形成されたことを特徴とする金属蒸着加工物。 - 前記基材に蒸着する金属は、錫及びタングステンであることを特徴とする請求項1記載の金属蒸着加工物。
- 透明又は半透明の基材の上層の全面又は一部にホットスタンプ、転写又は印刷の各加工処理により描画層を形成する描画層形成工程と、
前記基材の前記描画層形成側に金属を蒸着させて金属蒸着膜を形成する金属蒸着工程と、
前記金属蒸着膜の上層にアクリル樹脂系塗料を塗布して内側保護膜を形成する内側保護膜形成工程と、
前記内側保護膜の上層にウレタン樹脂系塗料を塗布して外側保護膜を形成する外側保護膜形成工程と、
を有することを特徴とする金属蒸着加工物の製造方法。
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