JP2890209B2 - Ｘ線撮影装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、例えば医用診断等に利用されるＸ線撮影装
置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、医用にＸ線撮影を利用する際には、Ｘ線フィル
ム又は蓄積性蛍光体シート（Imaging Plate）に撮影を
行っており、例えば特開平１−298340公報に開示される
ように、Ｘ線フィルムと蓄積性蛍光体シートとに、個別
の供給マガジン、収納マガジン、ホルダ部を設けておい
て、これらを交換することで何れか一方の選択的撮影を
行うＸ線撮影装置、或いは交換操作無しに選択的撮影を
行うものが提案されている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら上述の従来例においては、Ｘ線フィル
ム、蓄積性蛍光体シートの何れか一方に選択的に撮影を
行っており、両者を比較して診断を行う必要がある場合
には、撮影を２度行わなくてはならず撮影時間が長くな
り、被検者に照射されるＸ線量も増加するので被検者の
負担が大きく、また検体の移動ずれによって両者の撮影
像の対応もし難くなるという欠点がある。

本発明の目的は、上述の従来例の欠点を解消し、Ｘ線
感度が異なる２種の撮影媒体に撮影可能なＸ線感度撮影
装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上述の目的を達成するために、本発明に係るＸ線撮影
装置においては、Ｘ線管球からのＸ線を被検体に照射し
て透過したＸ線像を写し込むためのＸ線撮影装置であっ
て、Ｘ線撮影位置に設け第１の撮影媒体を保持する第１
の撮影ステージと、前記Ｘ線管球に対して該第１の撮影
ステージの背後に設け前記第１の撮影媒体よりもＸ線感
度の高い第２の撮影媒体を保持する第２の撮影ステージ
と、前記第１の撮影媒体を第１の供給マガジンから前記
第１の撮影ステージを経て第１の収納マガジンまで移動
させる第１の移動手段と、前記第２の撮影媒体を第２の
供給マガジンから前記第２の撮影ステージを経て第２の
収納マガジンまで移動させる第２の移動手段とを有する
ことを特徴とする。

［作用］ 上述の構成を有するＸ線撮影装置は、よりＸ線感度の
高い第２撮影媒体を使用する撮影ステージを、Ｘ線管球
に対して第１撮影媒体を使用する撮影ステージよりも背
後に設け、第１撮影媒体とこの第１撮影媒体よりもＸ線
感度の高い第２撮影媒体に対して、同時に或いは何れか
一方を選択して撮影を行う。

［実施例］ 本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。

第１図は構成図を示し、架台1aに固定されたＸ線管球
２からＸ線が出射される水平方向には、架台1bに固定さ
れたＸ線撮影装置本体３が設けられている。第２図はＸ
線撮影装置本体３の構成図を示し、Ｘ線撮影装置本体３
の被検者Ｓ側には、撮影時にＸ線フィルムＦを保持する
ために枠体状のストッパにより構成される撮像ステージ
4aが設けられ、撮像ステージ4aには保持されたＸ線フィ
ルムＦを挟むように一対の増感紙５が取り付けられてお
り、更に蓄積性蛍光体シートＰを保持するために同様の
撮影ステージ4bがＸ線管球２に対して撮像ステージ4aの
背後に設けられている。撮影前のＸ線フィルムＦを収納
するために、Ｘ線撮影装置本体３の奥部にＸ線フィルム
供給マガジン6aが設けられており、この供給マガジン6a
に対向して図示しない吸着ポンプに接続された吸盤7aが
移動自在に配置され、更にＸ線フィルムＦを撮像ステー
ジ4aまで移動するための複数組のローラ部8a、案内板9a
が設けられており、撮像ステージ4aの下方にはローラ部
10a、Ｘ線フィルムマガジン12aが設けられている。

また、蓄積性蛍光体シートＰを収納するために蓄積性
蛍光体シート供給マガジン6bがＸ線フィルム供給マガジ
ン6aに隣接して設けられており、対向して吸盤7bが設け
られ、蓄積性蛍光体シートＰを撮像ステージ4bまで移動
するための複数組のローラ部8b、案内板9bが一部をロー
ラ部8a、案内板9aと共通にして設けられており、更に撮
像ステージ4bの下方にはローラ部10b、案内板11b、蓄積
性蛍光体シート収納マガジン12bが設けられている。ま
た、ローラ部8b間の途中には、蓄積性蛍光体シートＰの
撮影面に対向させたノイズ消去装置13が設けられてい
る。

Ｘ線フィルムＦ及び蓄積性蛍光体シートＰによる撮影
を同時に行う際には、図示しない制御手段によって、供
給マガジン6a、供給マガジン6bに格納されたＸ線フィル
ムＦ、蓄積性蛍光体シートＰをそれぞれ吸盤7a、吸盤7b
によって吸着し、ローラ部8a、案内板9a、ローラ部8b、
案内板9bにより撮像ステージ4a、撮像ステージ4bまで移
動する。Ｘ線管球２からＸ線を照射して撮影を行った後
に、Ｘ線フィルムＦ、蓄積性蛍光体シートＰを、それぞ
れローラ部10a、案内板11a、ローラ部10b、案内板11bを
介して収納マガジン12a、収納マガジン12bにそれぞれ収
納する。

Ｘ線管球２から蓄積性蛍光体シートＰに到達するＸ線
量は、Ｘ線フィルムＦ及び増感紙５によって若干遮断さ
れるが、Ｘ線フィルムＦと比較して蓄積性蛍光体シート
ＰのＸ線に対する感度は十分に高いので撮影には支障は
なく、Ｘ線フィルムＦ及び蓄積性蛍光体シートＰの両者
に同時にＸ線を照射して撮影を行うことが可能となる。
なお、ノイズ消去装置13は撮影前に蓄積性蛍光体シート
Ｐに微弱な光を照明してその残像やかぶりによるノイズ
を消去している。

Ｘ線フィルムＦ又は蓄積性蛍光体シートＰの何れか一
方を選択的に撮影位置まで移動すれば選択撮影も可能で
あり、複数枚のＸ線フィルムＦ又は蓄積性蛍光体シート
Ｐを格納可能な供給マガジン6a、6b及び収納マガジン12
a、12bを使用すれば、連続撮影が可能となる。

また、第３図に示すように水平に設けた寝台14の上方
にＸ線管球２を下方にＸ線撮影装置本体３を、或いは逆
にして配置すれば、被検者Ｓが横臥した状態での撮影が
可能となる。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明に係るＸ線撮影装置は、Ｘ
線管球に対してよりＸ線感度の高い第２撮影媒体用の撮
影ステージを第１ステージよりも背後に設けているの
で、第１撮影媒体よりもＸ線感度の高い第２撮影媒体及
び第１撮影媒体に、同時に或いは何れか一方に選択的に
Ｘ線撮影が可能であり、特に両者による撮影像の比較が
必要な際には撮影能率が向上し、被検者に照射されるＸ
線量も減少し、ずれのない対応した撮影像が容易に得ら
れ診断に便利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係るＸ線撮影装置の実施例を示し、第１
図は構成図、第２図はＸ線撮影装置本体の構成図、第３
図は他の実施例の構成図である。 符号２はＸ線管球、３はＸ線撮影装置本体、4a、4bは撮
影ステージ、6a、6bは供給マガジン、7a、7bは吸盤、8
a、8b、10a、10bはローラ部、9a、9b、11a、11bは案内
板、12a、12bは収納マガジン、13はノイズ消去装置であ
る。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｘ線管球からのＸ線を被検体に照射して透
   過したＸ線像を写し込むためのＸ線撮影装置であって、
   Ｘ線撮影位置に設け第１の撮影媒体を保持する第１の撮
   影ステージと、前記Ｘ線管球に対して該第１の撮影ステ
   ージの背後に設け前記第１の撮影媒体よりもＸ線感度の
   高い第２の撮影媒体を保持する第２の撮影ステージと、
   前記第１の撮影媒体を第１の供給マガジンから前記第１
   の撮影ステージを経て第１の収納マガジンまで移動させ
   る第１の移動手段と、前記第２の撮影媒体を第２の供給
   マガジンから前記第２の撮影ステージを経て第２の収納
   マガジンまで移動させる第２の移動手段とを有すること
   を特徴とするＸ線撮影装置。
2. 【請求項２】前記第１の撮影媒体による撮影と前記第２
   の記録媒体による撮影とを同時に行う機能を有する特許
   請求の範囲第１項に記載のＸ線撮影装置。
3. 【請求項３】前記第１の撮影媒体による撮影と前記第２
   の記録媒体による撮影とを選択的に行う機能を有する特
   許請求の範囲第１項又は第２項に記載のＸ線撮影装置。