JP2888318B2 - 金属帯の溶融めっき設備におけるボトムドロスの巻き上げ抑制装置 - Google Patents
金属帯の溶融めっき設備におけるボトムドロスの巻き上げ抑制装置Info
- Publication number
- JP2888318B2 JP2888318B2 JP12031393A JP12031393A JP2888318B2 JP 2888318 B2 JP2888318 B2 JP 2888318B2 JP 12031393 A JP12031393 A JP 12031393A JP 12031393 A JP12031393 A JP 12031393A JP 2888318 B2 JP2888318 B2 JP 2888318B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sink roll
- dross
- roll
- plate
- bottom dross
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼帯等金属帯の溶融め
っき設備においてめっき槽内底部からのボトムドロスの
巻き上げを抑制するためにめっき槽内のシンクロール下
側に配置される整流板に関する。
っき設備においてめっき槽内底部からのボトムドロスの
巻き上げを抑制するためにめっき槽内のシンクロール下
側に配置される整流板に関する。
【0002】
【従来の技術】金属帯の溶融めっき設備、たとえば鋼帯
の溶融亜鉛めっき設備におけるめっき槽内で、鋼帯中の
Fe分が溶け出してFe−Zn系のボトムドロスが生成され、
めっき槽底部に堆積するという現象が見られる。ボトム
ドロスはめっき浴内のシンクロールの回転と鋼帯の移動
に伴う亜鉛浴の流れによって巻き上げられて鋼帯に付着
したり、シンクロール表面でのドロスの生成を促す鉄分
の供給源となったりしてトラブルの原因となる。
の溶融亜鉛めっき設備におけるめっき槽内で、鋼帯中の
Fe分が溶け出してFe−Zn系のボトムドロスが生成され、
めっき槽底部に堆積するという現象が見られる。ボトム
ドロスはめっき浴内のシンクロールの回転と鋼帯の移動
に伴う亜鉛浴の流れによって巻き上げられて鋼帯に付着
したり、シンクロール表面でのドロスの生成を促す鉄分
の供給源となったりしてトラブルの原因となる。
【0003】まず、図5により鋼帯の溶融亜鉛めっき設
備のめっき槽付近の構成を説明する。1は鋼帯、2はめ
っき槽、3はシンクロール、5はめっき浴、6はめっき
槽2の底部に堆積したドロスである。こうしたボトムド
ロスの巻き上げを抑制する手段として、つぎのような提
案がなされている。 1)特開平3-47956 号公報によるドロス巻き上げ抑制方
法および装置は、一例を図6に示すように、シンクロー
ル3下側のめっき槽2の底部との間に、(a)のような
U形、あるいは(b)のようなZ形の遮蔽板(以下、整
流板という)4を設置して構成される。
備のめっき槽付近の構成を説明する。1は鋼帯、2はめ
っき槽、3はシンクロール、5はめっき浴、6はめっき
槽2の底部に堆積したドロスである。こうしたボトムド
ロスの巻き上げを抑制する手段として、つぎのような提
案がなされている。 1)特開平3-47956 号公報によるドロス巻き上げ抑制方
法および装置は、一例を図6に示すように、シンクロー
ル3下側のめっき槽2の底部との間に、(a)のような
U形、あるいは(b)のようなZ形の遮蔽板(以下、整
流板という)4を設置して構成される。
【0004】これらの図において、めっき浴に入ってく
る鋼帯1は、シンクロール3を周回して再び上方向に引
き上げられるが、シンクロール3の下方に設置されてい
る整流板4によって、この整流板4がない場合に鋼帯の
随伴流によってめっき槽底部に堆積したボトムドロスが
巻き上げられることを抑制している。 2)特開平3-277754号公報によるドロスの巻き上げを防
止手段は、図7に示すように、シンクロール3胴部の下
方周囲を囲い、シンクロール胴部との間に鋼帯1に接触
して疵をつけないような隙間で、かつ 300mm以下の間隔
を保って配設されたガイド(以下、整流板という)4で
あり、鋼帯1の動きによって生じる溶融亜鉛の流れをこ
の整流板4によってめっき槽2底部に堆積しているドロ
ス6から隔離することによりドロスの巻き上げを防止す
る。 3)また、特開平4-323354号公報には、これらの整流板
4の表面を黒鉛で被覆して、整流板4自身へのドロスの
付着を防止することが記載されている。
る鋼帯1は、シンクロール3を周回して再び上方向に引
き上げられるが、シンクロール3の下方に設置されてい
る整流板4によって、この整流板4がない場合に鋼帯の
随伴流によってめっき槽底部に堆積したボトムドロスが
巻き上げられることを抑制している。 2)特開平3-277754号公報によるドロスの巻き上げを防
止手段は、図7に示すように、シンクロール3胴部の下
方周囲を囲い、シンクロール胴部との間に鋼帯1に接触
して疵をつけないような隙間で、かつ 300mm以下の間隔
を保って配設されたガイド(以下、整流板という)4で
あり、鋼帯1の動きによって生じる溶融亜鉛の流れをこ
の整流板4によってめっき槽2底部に堆積しているドロ
ス6から隔離することによりドロスの巻き上げを防止す
る。 3)また、特開平4-323354号公報には、これらの整流板
4の表面を黒鉛で被覆して、整流板4自身へのドロスの
付着を防止することが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした従
来の技術による整流板4は、いずれもシンクロール3の
下方に固定して配置されるが、その大きさ、シンクロー
ル3との間隔等、位置ならびに寸法がきわめて微妙であ
り、これらが適切でないとかえって溶融亜鉛の流動を強
めてドロスの巻き上げを促進してしまったり、整流板上
面にドロスが堆積してしまったり、鋼帯と整流板が接触
して擦り疵が発生したりするという問題点があった。
来の技術による整流板4は、いずれもシンクロール3の
下方に固定して配置されるが、その大きさ、シンクロー
ル3との間隔等、位置ならびに寸法がきわめて微妙であ
り、これらが適切でないとかえって溶融亜鉛の流動を強
めてドロスの巻き上げを促進してしまったり、整流板上
面にドロスが堆積してしまったり、鋼帯と整流板が接触
して擦り疵が発生したりするという問題点があった。
【0006】本発明は、こうした問題点を解消し、常に
シンクロールと適正な間隔を維持できるようにした整流
板の支持構造を実現することを目的とする。
シンクロールと適正な間隔を維持できるようにした整流
板の支持構造を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属帯の溶融
めっき設備において、めっき槽内底部からのボトムドロ
スの巻き上げを抑制するためにめっき槽内のシンクロー
ル下側に配置される整流板が、この整流板と前記シンク
ロールとの間隔の調整機構を介して支持され、該調整機
構が、シンクロールと整流板との最小間隔X 1 を80mm以下
に調整する調整機構であることを特徴とする金属帯の溶
融めっき設備におけるボトムドロスの巻き上げ抑制装置
であり、好ましくは、整流板とシンクロールとの間隔の
調整機構の駆動部分がめっき槽の外部に設置されてお
り、また、整流板とシンクロールとの間隔の調整機構に
急速開放機能を付設した金属帯の溶融めっき設備におけ
るボトムドロスの巻き上げ抑制装置である。
めっき設備において、めっき槽内底部からのボトムドロ
スの巻き上げを抑制するためにめっき槽内のシンクロー
ル下側に配置される整流板が、この整流板と前記シンク
ロールとの間隔の調整機構を介して支持され、該調整機
構が、シンクロールと整流板との最小間隔X 1 を80mm以下
に調整する調整機構であることを特徴とする金属帯の溶
融めっき設備におけるボトムドロスの巻き上げ抑制装置
であり、好ましくは、整流板とシンクロールとの間隔の
調整機構の駆動部分がめっき槽の外部に設置されてお
り、また、整流板とシンクロールとの間隔の調整機構に
急速開放機能を付設した金属帯の溶融めっき設備におけ
るボトムドロスの巻き上げ抑制装置である。
【0008】
【作 用】前記したように、整流板の寸法、形状、位置
はきわめて微妙であり、わずかの違いによってボトムド
ロスの巻き上げ抑制の効果があったり、逆効果であった
りする。本発明者らは水モデル実験ならびに実機におけ
る実験を繰り返し、つぎのような知見を得た。
はきわめて微妙であり、わずかの違いによってボトムド
ロスの巻き上げ抑制の効果があったり、逆効果であった
りする。本発明者らは水モデル実験ならびに実機におけ
る実験を繰り返し、つぎのような知見を得た。
【0009】図2(a)は鋼帯1、シンクロール3なら
びに整流板4を示す側面図で、鋼帯1は右上方向から進
入し、シンクロール3を周回して左上方へ引き上げられ
る。図の右側をバック側、左側をフロント側と呼ぶ。
(b)はバック側より見た正面図である。整流板4の形
状は平板、あるいは下に凸の曲面がよい。図中の寸法x
1 はシンクロール3と整流板4との最小間隔、x2 は整
流板4入口位置における整流板4と鋼帯1との最大間
隔、x3 は整流板4の先端部の位置をシンクロール3の
中心線からフロント側へ測った距離、x4 は整流板4の
幅、x5 は整流板4の弧の長さである。
びに整流板4を示す側面図で、鋼帯1は右上方向から進
入し、シンクロール3を周回して左上方へ引き上げられ
る。図の右側をバック側、左側をフロント側と呼ぶ。
(b)はバック側より見た正面図である。整流板4の形
状は平板、あるいは下に凸の曲面がよい。図中の寸法x
1 はシンクロール3と整流板4との最小間隔、x2 は整
流板4入口位置における整流板4と鋼帯1との最大間
隔、x3 は整流板4の先端部の位置をシンクロール3の
中心線からフロント側へ測った距離、x4 は整流板4の
幅、x5 は整流板4の弧の長さである。
【0010】図3は通常の状態における溶融亜鉛浴の流
れを示す概念図である。鋼帯1の進行と、シンクロール
3の回転によって白抜き矢印のような流れが発生する
が、一部の浴は黒矢印で示した下降流aとなってめっき
槽2の底部に向かい、ボトムドロス6を吹き上げる原因
となる。そこで、この流れを鋼帯1から隔離するため、
シンクロール3の鋼帯1の巻き付き位置からシンクロー
ル3の真下の位置にかけて整流板4を配置するのであ
る。
れを示す概念図である。鋼帯1の進行と、シンクロール
3の回転によって白抜き矢印のような流れが発生する
が、一部の浴は黒矢印で示した下降流aとなってめっき
槽2の底部に向かい、ボトムドロス6を吹き上げる原因
となる。そこで、この流れを鋼帯1から隔離するため、
シンクロール3の鋼帯1の巻き付き位置からシンクロー
ル3の真下の位置にかけて整流板4を配置するのであ
る。
【0011】つぎに、浴の流動量を減少させるため、シ
ンクロール3と整流板4との最小間隔x1 を変化させ
て、ボトムドロス6の浮遊個数密度を測定した結果を図
4に示す。この実験における平均堆積ドロス高さは 200
mm、めっき槽底面とシンクロールとの距離は 500mm、ラ
イン速度は 83〜85m/min である。整流板を設けない場
合(図4の破線)と比較すると、効果が認められるのは
x1 が 80mm 以下と考えてよい。ただし、あまりこの間
隔が小さいと、鋼帯との接触の危険が生じるので、下限
は実用上 10mm 程度である。
ンクロール3と整流板4との最小間隔x1 を変化させ
て、ボトムドロス6の浮遊個数密度を測定した結果を図
4に示す。この実験における平均堆積ドロス高さは 200
mm、めっき槽底面とシンクロールとの距離は 500mm、ラ
イン速度は 83〜85m/min である。整流板を設けない場
合(図4の破線)と比較すると、効果が認められるのは
x1 が 80mm 以下と考えてよい。ただし、あまりこの間
隔が小さいと、鋼帯との接触の危険が生じるので、下限
は実用上 10mm 程度である。
【0012】整流板4と鋼帯1との最大間隔x2 につい
ては、少なくともx1 に等しいかこれよりも大きいとい
う程度で、とくに重要な影響はない。つぎに、整流板4
はバック側のみにあったのでは下降流aや吹き上げドロ
スを遮断できないから、先端部はフロント側に出ている
ことが必要であり、x3 >0となる。
ては、少なくともx1 に等しいかこれよりも大きいとい
う程度で、とくに重要な影響はない。つぎに、整流板4
はバック側のみにあったのでは下降流aや吹き上げドロ
スを遮断できないから、先端部はフロント側に出ている
ことが必要であり、x3 >0となる。
【0013】下降流aは鋼帯1のエッジ部とシンクロー
ル3の端面の間で発生するため、整流板4の幅x4 は
〔シンクロール3の幅+100mm 〕以上、すなわち片側50
mm以上長いことが必要である。x5 は少なくともシンク
ロール3の直径以上必要である。以上の各寸法のうち、
ボトムドロスの巻き上げ抑制の効果に最も大きい影響が
あり、かつシンクロール交換のつど変動しやすいのがシ
ンクロール3と整流板4との最小間隔x1 である。その
原因は、シンクロールを削正して繰り返し使用するため
直径が徐々に小さくなること、シンクロールユニット毎
に多少組み立て寸法が異なることなどによる。
ル3の端面の間で発生するため、整流板4の幅x4 は
〔シンクロール3の幅+100mm 〕以上、すなわち片側50
mm以上長いことが必要である。x5 は少なくともシンク
ロール3の直径以上必要である。以上の各寸法のうち、
ボトムドロスの巻き上げ抑制の効果に最も大きい影響が
あり、かつシンクロール交換のつど変動しやすいのがシ
ンクロール3と整流板4との最小間隔x1 である。その
原因は、シンクロールを削正して繰り返し使用するため
直径が徐々に小さくなること、シンクロールユニット毎
に多少組み立て寸法が異なることなどによる。
【0014】そこで、本発明においては、整流板4をシ
ンクロール3との間隔を調整する機構を介して支持され
るようにし、かつこの間隔を調整する機構の駆動部分が
めっき槽の外部に設置されているように構成した。通
常、上記最小間隔をシンクロールの交換時点で適正値、
たとえば20〜30mmに設定すれば、つぎの交換時まで、操
業中にあまり変動することはないが、鋼帯と接触して頻
繁に疵が発生するようになったら、ただちに調整を行っ
てこの間隔を広げてやることができる。
ンクロール3との間隔を調整する機構を介して支持され
るようにし、かつこの間隔を調整する機構の駆動部分が
めっき槽の外部に設置されているように構成した。通
常、上記最小間隔をシンクロールの交換時点で適正値、
たとえば20〜30mmに設定すれば、つぎの交換時まで、操
業中にあまり変動することはないが、鋼帯と接触して頻
繁に疵が発生するようになったら、ただちに調整を行っ
てこの間隔を広げてやることができる。
【0015】さらに、この調整機構の一部を利用して、
急速開放機能(クイックオープン機構)を付設すること
で、鋼帯の溶接部等の形状不良部分や、ヒートバックル
等の異常を発見した際、通過前にこれを操作して整流板
4をシンクロール3から引き離し、事故発生を回避する
こともできる。
急速開放機能(クイックオープン機構)を付設すること
で、鋼帯の溶接部等の形状不良部分や、ヒートバックル
等の異常を発見した際、通過前にこれを操作して整流板
4をシンクロール3から引き離し、事故発生を回避する
こともできる。
【0016】
【実施例】本発明の一実施例であるボトムドロスの巻き
上げ抑制装置を図1に示す。各部分のうち、これまでの
各図と同一のものは同じ符号を使用している。41はレバ
ー、42はピン、43はストッパ、44はシリンダである。整
流板4は、めっき槽2の外部に設置したピン42を支点と
するレバー41の先端部分に取り付けられ、シンクロール
3の下方、図2で説明した位置に配置されている。レバ
ー41の整流板4と反対側の端部は、シリンダ44により下
方に押しつけられ、その位置はストッパ43によって決め
られている。
上げ抑制装置を図1に示す。各部分のうち、これまでの
各図と同一のものは同じ符号を使用している。41はレバ
ー、42はピン、43はストッパ、44はシリンダである。整
流板4は、めっき槽2の外部に設置したピン42を支点と
するレバー41の先端部分に取り付けられ、シンクロール
3の下方、図2で説明した位置に配置されている。レバ
ー41の整流板4と反対側の端部は、シリンダ44により下
方に押しつけられ、その位置はストッパ43によって決め
られている。
【0017】シンクロール3を交換する毎に、整流板4
との最小間隔x1 が適正値となるよう、ストッパ43の高
さを調整する。一方、鋼帯1の異常部分が接近したよう
な場合には、シリンダ44を引き上げれば瞬時にしてレバ
ー41先端にある整流板4はシンクロール3から離れ、破
線で示した位置に退避して事故を未然に防止する。この
ように、本実施例における整流板4とシンクロール3の
間隔を調整する機構はレバー41、ピン42、ストッパ43、
シリンダ44により構成され、駆動部分であるストッパ43
およびシリンダ44はいずれもめっき槽2の外部に設置さ
れているから、溶融金属の固結などの影響がなく、間隔
の調整作業や装置のメンテナンスは容易である。また、
間隔の調整はストッパ43の高さを変えてやることで自由
に行うことができる。
との最小間隔x1 が適正値となるよう、ストッパ43の高
さを調整する。一方、鋼帯1の異常部分が接近したよう
な場合には、シリンダ44を引き上げれば瞬時にしてレバ
ー41先端にある整流板4はシンクロール3から離れ、破
線で示した位置に退避して事故を未然に防止する。この
ように、本実施例における整流板4とシンクロール3の
間隔を調整する機構はレバー41、ピン42、ストッパ43、
シリンダ44により構成され、駆動部分であるストッパ43
およびシリンダ44はいずれもめっき槽2の外部に設置さ
れているから、溶融金属の固結などの影響がなく、間隔
の調整作業や装置のメンテナンスは容易である。また、
間隔の調整はストッパ43の高さを変えてやることで自由
に行うことができる。
【0018】また、ストッパ43とレバー41の接触面にロ
ードセル等の検出手段を設置することにより、鋼帯1と
整流板4との接触を敏感に検出することもできる。本実
施例では、整流板4の上面に黒鉛を被覆してドロスの付
着を防いだが、整流板全体をカーボン強化樹脂やセラミ
ックスで製作しても同様の効果が期待できる。
ードセル等の検出手段を設置することにより、鋼帯1と
整流板4との接触を敏感に検出することもできる。本実
施例では、整流板4の上面に黒鉛を被覆してドロスの付
着を防いだが、整流板全体をカーボン強化樹脂やセラミ
ックスで製作しても同様の効果が期待できる。
【0019】なお、整流板4の支持構造はピン、レバー
方式に限定されるものではなく、この他にもさまざまな
機構が考えられる。間隔の位置決めもスクリューとナッ
トの組み合わせなど、ストッパ以外の方式でもよいこと
は、いうまでもない。この実施例では、整流板4を常時
支持しているシリンダ44が急速開放用シリンダと兼用と
なっているが、別個に設置してもよい。
方式に限定されるものではなく、この他にもさまざまな
機構が考えられる。間隔の位置決めもスクリューとナッ
トの組み合わせなど、ストッパ以外の方式でもよいこと
は、いうまでもない。この実施例では、整流板4を常時
支持しているシリンダ44が急速開放用シリンダと兼用と
なっているが、別個に設置してもよい。
【0020】上記の装置を使用して、板厚 1.0mm、板幅
1200mm、めっき浴温 470℃、めっき浴中のアルミニウム
濃度0.13%の操業ラインにおいて、前記図2における各
寸法、すなわち整流板4入口位置における整流板4と鋼
帯1との最大間隔x2 = 100mm、整流板4の先端部の位
置をシンクロール3の中心線からフロント側へ測った距
離x3 = 100mm、整流板4の幅x4 =2400mm、整流板4
の弧の長さx5 = 900mmで操業を行い、シンクロール3
と整流板4との最小間隔x1 は常に80mmとなるようスト
ッパの高さ調整を行った結果、板面に付着したドロス個
数ならびにシンクロールの寿命は表1のとおりであっ
た。
1200mm、めっき浴温 470℃、めっき浴中のアルミニウム
濃度0.13%の操業ラインにおいて、前記図2における各
寸法、すなわち整流板4入口位置における整流板4と鋼
帯1との最大間隔x2 = 100mm、整流板4の先端部の位
置をシンクロール3の中心線からフロント側へ測った距
離x3 = 100mm、整流板4の幅x4 =2400mm、整流板4
の弧の長さx5 = 900mmで操業を行い、シンクロール3
と整流板4との最小間隔x1 は常に80mmとなるようスト
ッパの高さ調整を行った結果、板面に付着したドロス個
数ならびにシンクロールの寿命は表1のとおりであっ
た。
【0021】
【表1】
【0022】ただし、シンクロールの寿命は、表面にド
ロスが付着、成長して鋼帯に悪影響を及ぼすようになる
までの使用日数である。表1からわかるように、板面へ
のドロス付着が1/2〜1/10に減少する一方、シンク
ロール寿命は2〜3倍に延長された。また、使用1か月
後に整流板を引き上げて観察したが、ドロスの付着は見
られなかった。
ロスが付着、成長して鋼帯に悪影響を及ぼすようになる
までの使用日数である。表1からわかるように、板面へ
のドロス付着が1/2〜1/10に減少する一方、シンク
ロール寿命は2〜3倍に延長された。また、使用1か月
後に整流板を引き上げて観察したが、ドロスの付着は見
られなかった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、整流板とシンクロール
の間隔を常に適正に維持することにより、ボトムドロス
の巻き上げ量の抑制を安定して、かつ長期にわたり行う
ことができるようになり、めっき鋼帯等の金属板の表面
欠陥が減少するとともに、シンクロールの交換、手入れ
等が減少して生産性も向上するという、すぐれた効果が
ある。
の間隔を常に適正に維持することにより、ボトムドロス
の巻き上げ量の抑制を安定して、かつ長期にわたり行う
ことができるようになり、めっき鋼帯等の金属板の表面
欠陥が減少するとともに、シンクロールの交換、手入れ
等が減少して生産性も向上するという、すぐれた効果が
ある。
【図1】本発明の実施例を示す側面図である。
【図2】本発明に係わるめっき槽内機器の(a)は側面
図、(b)は正面図である。
図、(b)は正面図である。
【図3】本発明に係わる溶融亜鉛浴の流れを示す概念図
である。
である。
【図4】整流板の効果を示すグラフである。
【図5】本発明に係わるめっき槽付近を示す側面図であ
る。
る。
【図6】従来の技術を示す部分側面図である。
【図7】他の従来の技術を示す側面図である。
1 鋼帯 2 めっき槽 3 シンクロール 4 整流板 41 レバー 42 ピン 43 ストッパ 44 シリンダ 5 めっき浴 6 ドロス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 康秀 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (72)発明者 大林 浩海 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (56)参考文献 実開 平3−74655(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 2/00 - 2/40
Claims (3)
- 【請求項1】 金属帯の溶融めっき設備において、めっ
き槽(2)内底部からのボトムドロス(6)の巻き上げ
を抑制するためにめっき槽内のシンクロール(3)下側
に配置される整流板(4)が、この整流板と前記シンク
ロールとの間隔の調整機構(41、42、43、44)を介して
支持され、該調整機構(41、42、43、44)が、シンクロ
ール(3)と整流板(4)との最小間隔(X 1 )を80mm以
下に調整する調整機構であることを特徴とする金属帯の
溶融めっき設備におけるボトムドロスの巻き上げ抑制装
置。 - 【請求項2】 整流板とシンクロールとの間隔の調整機
構の駆動部分(43、44)がめっき槽(2)の外部に設置
されている請求項1に記載の金属帯の溶融めっき設備に
おけるボトムドロスの巻き上げ抑制装置。 - 【請求項3】 整流板とシンクロールとの間隔の調整機
構(41、42、43、44)に急速開放機能を付設した請求項
1、2に記載の金属帯の溶融めっき設備におけるボトム
ドロスの巻き上げ抑制装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12031393A JP2888318B2 (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | 金属帯の溶融めっき設備におけるボトムドロスの巻き上げ抑制装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12031393A JP2888318B2 (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | 金属帯の溶融めっき設備におけるボトムドロスの巻き上げ抑制装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06330267A JPH06330267A (ja) | 1994-11-29 |
JP2888318B2 true JP2888318B2 (ja) | 1999-05-10 |
Family
ID=14783154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12031393A Expired - Fee Related JP2888318B2 (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | 金属帯の溶融めっき設備におけるボトムドロスの巻き上げ抑制装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2888318B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4604344B2 (ja) * | 2000-12-20 | 2011-01-05 | Jfeスチール株式会社 | 溶融めっき装置 |
KR20020051514A (ko) * | 2000-12-22 | 2002-06-29 | 이구택 | 드로스 결함이 없는 용융금속 도금강판의 제조방법 |
JP4546116B2 (ja) * | 2004-03-08 | 2010-09-15 | 新日本製鐵株式会社 | 鋼板のフラッタリング抑制装置 |
-
1993
- 1993-05-24 JP JP12031393A patent/JP2888318B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06330267A (ja) | 1994-11-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR20020093938A (ko) | 용융도금 금속스트립의 제조방법 및 그 장치 | |
US4254158A (en) | Process for one-side hot-dip coating | |
TWI717807B (zh) | 熔融金屬鍍覆鋼帶的製造方法及連續熔融金屬鍍覆設備 | |
KR102405526B1 (ko) | 용융 금속 도금 강대의 제조 방법 및 연속 용융 금속 도금 설비 | |
JP2888318B2 (ja) | 金属帯の溶融めっき設備におけるボトムドロスの巻き上げ抑制装置 | |
JP3096166B2 (ja) | 連続溶融金属めっきラインのめっき装置 | |
JP2712335B2 (ja) | 溶融めっきのオーバーコート防止方法及び装置 | |
JP3367601B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき装置 | |
JP2815128B2 (ja) | 溶融金属めっき装置の操作方法 | |
JP4546116B2 (ja) | 鋼板のフラッタリング抑制装置 | |
JPH0688181A (ja) | 溶融金属めっき設備における振動防止方法および装置 | |
JPH06184714A (ja) | 鋼板の連続溶融金属めっき装置 | |
JP3180932B2 (ja) | 鋼板の連続溶融金属めっき装置 | |
JP2005097748A (ja) | 溶融めっき金属帯の製造方法及び製造装置 | |
JP2003293106A (ja) | 連続溶融金属めっきでのフラッタリング抑制方法および装置 | |
JP2001254162A (ja) | 連続溶融金属めっき浴への溶融金属の供給方法及び供給装置 | |
JPH0538045Y2 (ja) | ||
JPH0688180A (ja) | 溶融金属めっき設備における振動防止方法および装置 | |
JPH0995761A (ja) | 連続溶融金属めっきにおけるスナウト内ドロス付着防止装置およびスナウト内ドロス付着防止方法 | |
JPH0617213A (ja) | 溶融金属めっき設備における振動防止方法および装置 | |
JP3302280B2 (ja) | 溶融金属めっき装置および溶融金属めっき方法 | |
JPH05230610A (ja) | 溶融金属メッキのガスワイピング装置 | |
JPH04247861A (ja) | 連続溶融亜鉛メッキ方法および装置 | |
JP2981412B2 (ja) | 溶融金属めっき鋼板の製造方法及び製造装置 | |
JP2004100029A (ja) | 溶融めっき金属帯の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080219 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090219 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100219 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100219 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110219 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |