JP2888284B2 - 水路構造 - Google Patents

水路構造

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JP2888284B2 JP13681496A JP13681496A JP2888284B2 JP 2888284 B2 JP2888284 B2 JP 2888284B2 JP 13681496 A JP13681496 A JP 13681496A JP 13681496 A JP13681496 A JP 13681496A JP 2888284 B2 JP2888284 B2 JP 2888284B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、農業用水路等と
して使用する水路の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農業用水路等の水路を構成する構
造として、図10及び図11にて示すようなコンポジッ
ト構造を利用したものがある。上記した構造は、断面略
四角形の長尺筒状に形成した単位材100を共通の部材
とし、この単位材100を所要数並列すると共に、隣り
合う単位材100同士を長尺状の連結部材102を介し
て連結することにより、水路の底壁及び左右両側壁を構
成し、上面が開口する断面略コ形の水路を構成する(図
10)。
【0003】上記した単位材100は、側面の全長に沿
って係合溝101を凹設形成してある。そして、隣り合
う単位材100の係合溝101同士の間に、断面を略H
形に形成した長尺状の連結材102を嵌係合することに
より、隣接する単位材100同士を上記連結材102の
結合力を介して連結するように構成してある(図1
1)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した水路構造にあ
っては、単位材100同士を連結する際に、隣り合う単
位材100同士の間で対向せしめた一対の係合溝101
の内部に、長尺状の連結材102を端から嵌挿する作業
が必要となる。しかし、連結部材102が比較的細く長
尺状であるために、熱変形等が生じた場合は、上記係合
溝101の内部に嵌挿する際に余計な抵抗を生じ、作業
に手間取ることがあった。特に現場において多くの単位
材100を組み立てる必要のある水路では、組み立て作
業に手間取ることがあり、無駄な時間を費やしていた。
【0005】本発明の目的は、上記した如き断面略コ形
の水路を構成する水路構造において、現場においてさら
に簡単に組み立てることのできる構造を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明は、多数のパネル材を並列接続して上面
が開放される断面U字形の水路を構成する水路構造であ
って、前記パネル材は、全長を水路の幅及び高さに対応
させ、その一側縁に沿って嵌合凸部を形成すると共に、
他側縁に沿って上記嵌合凸部を嵌合する嵌合凹部を形成
して成り、上記パネル材同士を水路の長さ方向に並列さ
せ、隣り合う嵌合凸部と嵌合凹部とを順次嵌合せしめ
て、水路用の底壁と左右両側壁とを構成し、上記底壁の
左右両側縁部に沿って、二条の嵌合溝を有する直角継手
を夫々嵌装する一方、これら直角継手の残された嵌合溝
に対して右側壁及び左側壁の下端縁部を夫々垂直に嵌合
接続することにより断面U字形の水路を構成するもので
ある。
【0007】上記した水路構造は、パネル材をFRP引
抜成形材により構成するとよい。
【0008】また、上記水路構造は、直角継手をFRP
引抜成形材により構成してもよい。
【0009】上記した手段によれば、以下に列記する如
き作用を伴う。パネル材の両側縁部に沿っては嵌合凸部
と嵌合凹部とが形成してあり、隣り合うパネル材同士に
おいて、上記嵌合凸部と嵌合凹部とが嵌合することによ
り、隣接するパネル同士が順次連結され、水路の底壁及
び左右両側壁を構成する。
【0010】上記底壁の左右両側縁部に沿っては直角継
手を嵌装してある。直角継手は二条の嵌合溝を具備し、
その一方を上記底壁の側縁部に嵌合することにより同継
手を底壁の左右両側縁部に嵌装する。また、上記直角継
手の残る一方の嵌合溝に対しては、左右両側壁の下端縁
部を夫々垂直に嵌合して接続する。これにより、上記底
左右両側壁が底壁の左右両側縁部に対して垂直に接続さ
れ、上面が開口する断面略コ形の水路を構成する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。図1は本発明を実施した農業用水路
を示している。上記水路は、同じ断面形状の多数のパネ
ル材1を水路の長さ方向へ並列に接続することにより、
水路の底壁a及び左右側壁bを構成すると共に、これら
底壁a及び左右側壁を直角継手2を介して直角に接続す
ることにより、上面が開口する断面略U字形の水路を構
成してある。
【0012】パネル材1は、断面略四角形状の筒状体で
あり、FRP引抜成形材により構成し、その全長を、水
路の底壁aの幅、及び左右側壁bの高さに合わせて一定
の寸法に切断してある(図2)。また、上記パネル材1
の一側部に沿っては、同パネル材1の厚み寸法から部材
肉厚分の寸法を差し引いた幅の嵌合凸部1aを凸設形成
すると共に、同パネル材1の他側部に沿っては、上記嵌
合凸部1aをぴったりと内嵌させる嵌合凹部1bを凹設
形成してある。
【0013】即ち、上記パネル材1は、隣り合うもの同
士の間において、嵌合凸部1aを対面する嵌合凹部1b
内に嵌合させることにより、図3にて示すように並列し
たパネル材1同士が表裏面一状態で順次連結され、水路
の底壁aや左右両側壁bの壁面を水路の長さ方向へ構成
することになる。また、上記したようにパネル材1をF
RP引抜成形材により中空状に構成することにより、高
強度で且つ軽量なパネル材を得ることができる。
【0014】上記パネル材1同士を連結する際には、嵌
合凸部1aと嵌合凹部1bとの間に、エポキシ系の接着
材等を塗布して接着することにより、隣接するパネル材
1間の接着とシールを行なう。尚、上記した接着材は必
要な接着力と良好なシール性を具備するものであればど
のようなものを使用してもよい。上記水路は、底壁aを
構成するパネル材1と、側壁bを構成するパネル材1と
に同じ長さのものを使用して部品点数の削減を図った
が、上記パネル材の長さは、目的とする水路の断面形に
応じて、底壁用のものと側壁用のものとの間で差を付け
てもよい。
【0015】上記した如くパネル材1を並列して構成し
た底壁aの左右両側縁部に沿っては長尺状の直角継手2
が嵌装してある。直角継手2は、パネル材1と同様にF
RP引抜成形材により構成するものであり、上記した如
く構成した底壁aの側縁部を嵌合する嵌合溝2aと、側
壁bの下端縁を嵌合する嵌合溝2bとを具備している
(図4)。上記した嵌合溝2aと2bとは、開口方向が
90゜位相する形で設けてあり、一方の嵌合溝2aを底
壁aに嵌合することにより、残る一方の嵌合溝2bが上
方へ向けて開口するように構成してある。
【0016】上記直角継手2は、一方の嵌合溝2aを底
壁aの左右両側縁部に沿って夫々嵌装し、さらに、これ
ら直角継手2の嵌合溝2aに、左右両側壁bの下端縁部
を夫々垂直に嵌合することにより、底壁aの左右両側縁
部に沿って側壁bを垂直に接続し、断面略U字形の水路
を構成する。また、上記した左右両側壁bの上端面は、
パネル材1の開口部が露呈したままの状態となるため、
図6にて示すように断面略倒U字形に形成した長尺状の
カバー3を左右両側壁bの上端縁部に沿って被嵌する。
【0017】上記した直角継手2と底壁aとの嵌合部
分、及び直角継手2と左右側壁bとの嵌合部分、さらに
左右両側壁b上端縁部とカバー3との嵌合部分には、前
記したパネル材1同士の接着と同様に、エポキシ系接着
材を塗布して部材間の接着とシールを行なう。
【0018】次ぎに、上記した如く構成する水路を実際
に組み立てる際の説明をする。上記した農業用水路は、
水路を埋める接地用の溝を地面に沿って掘り、その溝の
内部に水路を埋める形で組み立て作業を進める。水路を
設置するする溝の底面には必要に応じてベースフレーム
4を敷設する。
【0019】上記したベースフレーム4は、桁状の長尺
材であり、パネル材1と同様なFRP引抜成形材により
構成し、必要に応じて高弾性率炭素繊維により補強を施
してある。上記ベースフレーム4は、設置溝の底面に沿
って適宜本数平行に敷設し、その上にパネル材1を並列
して構成した底壁aを載置する。
【0020】上記底壁aの左右両側縁部には直角継手2
の嵌合溝2aを嵌合し、さらに、両直角継手の嵌合溝2
b内に左右両側壁bの下端縁部を垂直に嵌合する。ま
た、上記した各嵌合部にはエポキシ系接着剤等を塗布し
て、同部分の接着とシールを行なう。上記した水路は上
記工程を直角継手2の長さ分ずつ繰返し、所要長さの水
路を構成する。
【0021】尚、上記した水路を構成するパネル材の幅
は、上記したパネル材1の幅に限定するものではなく、
例えば、図8及び図9にて示すパネル材1’のように幅
広状に構成しても良い。図8及び図9にて示すパネル材
1’は、正四角形の断面パターンを3個並列して形成す
ると共に、その側面に嵌合凸部1aと、嵌合凹部1bと
を形成して成るものである。上記したようにパネル材の
幅を広く構成することにより、各底壁a,及び左右両側
壁bを構成する際の接続作業の手間を低減すると共に、
面積当たりの壁面の重量をさらに軽量化することができ
る。尚、上記実施例は、農業用の水路として構成した
が、本発明の水路は農業用以外のものとして構成しても
よい。
【0022】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、パネル材
の側縁部に沿って形成した嵌合凸部と嵌合凹部とを嵌合
させることにより、並列させたパネル材同士を順次接続
して、水路の底壁及び左右両側壁を構成し、且つ、直角
継手を介して上記底壁の両側縁に沿って左右両側壁を垂
直に接続し、断面略U字形の水路を構成するものである
から、パネル材の嵌合凸部と嵌合凹部の嵌合接続を順次
繰り返すだけで、水路の各壁面を速やかに構成すること
ができると共に、これら各壁面同士の接続も、直角継手
の嵌合構造を介して容易に行なうことができる。よっ
て、長尺状の連結部材を介して単位材同士を連結してい
た従来の水路構造と比較すると、共通部材となるパネル
材同士の接続を円滑に行なうことができ、現場における
組み立て作業をより短時間にて行なうことができるよう
になる。
【0023】上記パネル材をFRP引抜成形材により構
成したものにおいては、水路の各壁面を構成するパネル
材の強度を充分に確保し得ると共に、部材の軽量化を実
現することができるので、材料の運搬や組み立て作業時
における取り扱いも容易に行なうことができる。
【0024】また、直角継手をFRP引抜成形材により
構成したものにおいては、上記パネル材の場合と同様
に、直角継手の強度を充分に確保し得ると共に、部材の
軽量化を実現し、運搬や現場における組み立て作業時に
おける取り扱い性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施した水路を一部切欠して示す
斜視図。
【図2】 パネル材を示す斜視図。
【図3】 図1におけるIII-III 線断面図。
【図4】 直角継手を示す斜視図。
【図5】 図1におけるV-V 線断面図。
【図6】 カバーを示す斜視図。
【図7】 図1に置けるVII-VII 線断面図。
【図8】 幅を広くしたパネル材を示す斜視図。
【図9】 同パネル材の接続状態を示す縦断面図。
【図10】 従来の水路構造を示す斜視図。
【図11】 同水路構造の部分拡大断面図。
【符号の説明】
a・・・底壁 b・・・側壁 1・・・パネル材 2・・・直角継手

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のパネル材を並列接続して上面が
    開放される断面U字形の水路を構成する水路構造であっ
    て、前記パネル材は、全長を水路の幅及び高さに対応さ
    せ、その一側縁に沿って嵌合凸部を形成すると共に、他
    側縁に沿って上記嵌合凸部を嵌合する嵌合凹部を形成し
    て成り、上記パネル材同士を水路の長さ方向に並列さ
    せ、隣り合う嵌合凸部と嵌合凹部とを順次嵌合せしめ
    て、水路用の底壁と左右両側壁とを構成し、上記底壁の
    左右両側縁部に沿って、二条の嵌合溝を有する直角継手
    を夫々嵌装する一方、これら直角継手の残された嵌合溝
    に対して右側壁及び左側壁の下端縁部を夫々垂直に嵌合
    接続することにより断面U字形の水路を構成する水路構
    造。
  2. 【請求項2】 前記パネル材をFRP引抜成形材によ
    り構成した請求項1記載の水路構造。
  3. 【請求項3】 前記直角継手をFRP引抜成形材によ
    り構成した請求項1又は2記載の水路構造。
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